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世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方
世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方
橋爪大三郎、佐藤優/SBクリエイティブ
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総合評価

15件)
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    元外交官の佐藤優と橋爪大三郎の対談集。 内容は現在の世界情勢についてで、ウクライナ戦争が始まった直後あたりで非常に興味深く読めた。

    7
    投稿日: 2025.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    橋爪さんはアカデミックながら柔軟に思考を展開できる人。佐藤さんは時々ぎょっとすることを言うので、話は割り引くようにしているが、タブーのない思考実験をする人だと思う。そんな二人の対談集。橋爪さんがテーマをまとめ、佐藤さんが捕捉していく感じで、経済・科学技術・軍事・文明という4つの切り口から大きく変わろうとしている時代の局面をとらえている。 経済ではアメリカ一強時代が終わり、中国が激しく追い上げている。脱炭素・量子コンピュータ・核融合といったテクノロジーの世界では激しいつばぜり合いや合従連衡が起こっているが、それはこれらの新技術を押さえることが次世代の覇権を握るのに大きく利するからだ。米中対立はイデオロギーの違いで対立しているのではないから冷戦というよりは帝国主義的な覇権争い。 アメリカ人は物事を見通す力が弱いという指摘は言いえて妙。見通せなくとも自らに覇権があるうちは力で相手を従わせることはできるが、中国・ロシア・中東など違う価値観を持った国々の動きは、現在とどめることができないところに来ている。 橋爪さんや佐藤さんの凄いところは視点を相手の側に移したときに、その相手に世界はどう見えるかをヴィヴィットに想像できる点だ。これは広範な知識や経験や歴史に対する洞察がなければできないが、多極化の時代にはこの感性がとても重要になると思う。 ウクライナ侵攻の前に出た本だが、この本を前提にすると、その後の2年間に起こったことが整理されて見えてくる。

    2
    投稿日: 2024.05.20
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    非常に面白かった。二人の対談形式で、経済、科学技術、軍事、文明について、過去の歴史を振り返りつつ、現状が語られている。今まで自分はなんと無知であったかを思い知らされる。危機感を持ちつつ、学び続けずにはいられない気持ちになる。巻末の文献リストも嬉しい。ぜひ読みたい。

    0
    投稿日: 2024.04.28
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    橋爪大三郎氏が、佐藤優の脱線しがちな対話の流れを何度も引き戻す。解説もそれぞれに得意分野があり、佐藤優を上回る知識や見解を披露できる橋爪大三郎は流石だ。分かりやすいし、面白い。技術論も踏まえた世界情勢について。 今の中国は大東亜共栄圏とよく似ている。グローバル経済は主権国家がたくさんあって、しかし経済は各国の法律のもとで活動するのがルール。法律は国ごとに違う。各国の法律を国際フォーマットに合わせなければならない。会計法、訴訟法、特許権とか知的財産権とか。現状これにそぐわない国はイスラム圏と中国。国際秩序のゲームチェンジャーになろうとしている中国を牽制すべく、こぞってウィグル問題で中国を非難し制裁をかけるが、日本は与さず、視点は台湾海峡へ。 日本でもアメリカでも起こっている問題は中流階層の解体。製造業中心の大企業が経済を牽引していたが、生産拠点を海外に移し始めることで打撃を受ける。リカルドの比較優位説。これを洗練させたのがサミュエルソン。国際貿易の基本定理としてのモデル。自由貿易を進めていくと最終的にどうなるか。モデルの前提は各国間で資本や技術の移転はなくて生産物を輸出入するだけというもの。それを続けていくと各国の要素価格が均等する。要素価格とは生産要素の価格のことで土地、資本、労働の価格。賃金が世界中で均等化すること、これが国際貿易の最終到達地点。付加価値の大部分は先端技術に集中するのだと。 日本もアメリカもここ数10年賃金が上がらず、アメリカの先端企業における一人勝ちの構図が格差を拡大し、富の集中とともにアメリカ経済を引き上げているから、日本のみが停滞してるように見える。国境の枠内に社会保障が必要な人間をどれだけ抱えているか。それによって税金が異なる。つまり要素価格は国際比較によって均等化する傾向にあるとしても、自国の枠内に抱えるリソースの形によってそれぞれにハンデが異なるから、最終的に賃金が世界中で均等化する事はありえないのでは。 核融合が10年後に実用化すれば地球温暖化の問題は解決する。今の原子力発電所は核分裂。放射性のウラニウムを使うがこの資源は埋蔵量が少なくまもなく枯渇する。廃棄物も多く出る。廃炉の解体も厄介。核融合なら海中に無制限に材料があって枯渇の心配がない。水素は炭酸ガスを出さないが、そもそもエネルギー資源ではなく、他のエネルギーを使って生産されるものである。太陽光エネルギーより太陽熱発電の方が本命。 受験や就職のために科目を選択して、早い段階から決めつけてしまう人生は空虚だ、と最後に二人。全くその通りだと思う。上手く生きる事は生命にとって重要で、社会のルールを把握したら、それに合わせて最大限自分の得意分野を当てはめる。それ自体は空虚だとは思わぬが、社会のルールは正しいか、それで社会は変わるのか。その時点での自己評価は正しいか、別の環境や異次元での成長を目指さないのか。内外から規定する人生の単位の枠を超えねば。国境枠内のリソース差異により均等化があり得ぬ原理と同義にも感じる。

    18
    投稿日: 2023.09.20
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    タイトルと対談者の組み合わせから大いに期待をしたが、やや期待を下回る内容だった。前半はほぼ橋爪先生の独壇場で日頃の主張と大きく変わらない。最近は橋爪先生の書物の出版があまりに連続して出版されるのでやや満腹感が出てきた。後半で佐藤氏による外交の裏側の解説は著者ならではの経験、知識が披露されて興味深い。

    0
    投稿日: 2023.04.27
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    地政学のあたりは全くついていけなかったので、もっと勉強が必要だなぁと改めて思う一冊でした。 また、日本の教育についても(著者ほど深くは考えられていないですが)共感する部分は多かったです。

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    投稿日: 2022.11.11
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    現代の国家観について非常に冷静に読み解いているように感じた。 現代においてあらゆる分野は互いに影響を及ぼしあうので分野横断ができることが望ましいと思っているが、ここまで多様な分野について議論できる人がいるのかと驚いた。

    0
    投稿日: 2022.08.30
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    時代の分岐点というのは、自分がその場にいるときには認識するのは難しいですが、何年か経って振り返ってみると「あの時が自分の人生の分岐点だった」と思えることがあります。 この分岐点は自分の歴史だけでなく、世界史・日本史においても今までに何度もあったのだと思います。この本は100年に一度の大きな分岐点について、私も今までに何冊か読んでお世話になっている佐藤氏と橋爪氏の対談形式で解説されたものです。 以下は気になったポイントです。 ・中国の法律が世界標準と違うかどうか、違わないから改革開放ができていて外国企業が生産拠点を中国における、中国の民法は日本の民法以上に西洋の民法の丸写しと言われる。違うのは、立法権と裁判権である、立法権は全国人民代表大会が立法権を持っていることになっているが、全人代の常務委員会をひらけば法律を随時制定できる。中国では裁判所にも党委員会があって、党の指示に従う(p25) ・マーケット横断的にプラットフォームを作っているAmazonの方が、コンビニを基点にしている宅配3社よりも進んでいる、これにより東京一極集中が時代遅れになる、東京は情報の中心で、物流の中心で集積効果があったから、これからは東京が縮小し全域に分散する、ホワイトカラーはいらなくなる(p33) ・自由貿易を進めれば、最終的には賃金が均等になる、貧富や格差の問題が解消する、裏を返せば全員が等しく貧困になる(p37)代替可能な労働については賃金が均等化する(p38) ・アメリカや中国には、日本と違って試作ができる町工場は沢山ないかもしれないが、試作と実用化のシステムは持っていて、それなりに強い。アメリカが基礎技術を産業に結びつけるのが得意なのはこういう理由、中国も得意になってきている。共産党が一声で、資金・技術・人材を集めることができるから(p40) ・儒学には身分がない、日本には身分の壁があったが、でもないのが正しい。日本で儒学を勉強した農民や町人は、感動した。儒学を学ぶ限り、武士も農民も町人もない、彼らは教える側になって、先生と呼ばれ武士や大名に抗議する、これは身分社会ではあり得ない(p50) ・日本もアメリカもロシアも、どこの国も同じ、何時間働いたら過労死する、ではなく「何時間働いても過労死しないように健康管理する」そういう世界もある(p57) ・官僚の教育では、何かを誤魔化したい時には「体言止め」を使えと徹底的に叩き込まれる、体言止めには、文章をぼやかす作用がある(p64) ・核融合が国際協力できるのは、軍事技術じゃないから(p97)核融合炉は電気を作るだけで従来の送電網につけて終わり、風力発電や太陽熱発電所を作るという余計な設備投資は不要、20年程度は、これ以上地球を暖めないためには有益な投資、再生可能エネルギーは核融合が実用化するまでの「つなぎ」(p99) ・2040年までに四つの分野で大きな変化が起きる、1)AI(人工知能)、2)ネットワークの連結、3)分散処理、4)デジタル(人と物と情報が結合)である(p120) ・戦争とは、暴力によって当方の意思を相手に押し付けること(=講和条約を結んで当方に有利な条件を飲ませる)これが戦争の目的であって、戦闘で勝ったり負けたりはどうでも良い(p129) ・山は人々を遠ざけ、海と川は人々を近づける、この「山と海のテーゼ」は現代においても適用可能、チェチェン戦争でロシアが、シリア戦争・アフガン戦争でアメリカが、なぜこれらの国を攻略できなかったかといえば、山を越えられなかったから、山の地政学が見直されるようになった(p140) ・機関銃は日露戦争で猛威を発揮した、各国の観戦武官はその様子を本国に伝えた、塹壕・鉄条網・機関銃の組み合わせで、前線を突破されないことがわかった、こうして防御力が強まると、攻撃力は相対的に弱まる。主力決戦ができなくなり、前線は均衡するので戦争が長期化した、こうして戦争は総力戦になった、これを突破するために工夫された兵器が「戦車・飛行機・毒ガス」これにより戦争の姿を変えていくことになる(p143) ・中国から見ると、実効支配できていない領域を追加的に手にする可能性がある台湾よりも、すでに実効支配できている領域を失うかもしれないウイグルの方が大きな問題である、中国としてはウイグルにエネルギーをかけないといけない、しかしアメリカは予算を取るために台湾問題を大きく取りざたす事情がある(p175) ・文化はローカルなもので、言語と結びつき、民族や自然環境、伝統、歴史、風俗と結びつく生活スタイルである、文明は、それを束ねたもの。例として、イスラム教、多くの人がイスラム世界を構成している、幾つもの文化を束ねて文化の上のレベルとなる、普遍的な価値を掲げる、正典(=考え方と行動様式の規準)を持っているのも共通点(p193) 2022年5月9日読破 2024年8月18日作成

    0
    投稿日: 2022.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「”不倖せの再生産”は避けようと、心の奥底で誰もが感じている」と説く。言い得て妙な表現です。 今、感じる。やっぱり息苦しい、ちょっと違う、なんかずれている、どうして責められるの、どうすればよかったの、ちょっとした不満が重なって積もって沈んで…。自分の中に潜む”こうではない”社会。 「働き方改革は正しくない」と説く。8時間以上働きません、勉強しません。そんなことをしていると、使い物にならない人材ばかりになる、と。たぶん、その通りかな。量が質を凌駕するではないけど、制限してはいけなかったと、この歳になって感じる。 「カタカナ語、絵文字は知的堕落だ」と説く。二言もありません。反省です。 「ノブレス・オブリージュが欠けている」と説く。ひっとしたら、誰もノブレスでないかもしれない。あるいは、ノブレスに含まれているかもしれない。もしノブレスならばすべきことがあるのでは、と、感じる。

    0
    投稿日: 2022.03.28
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    漢字を使うのは中国と日本くらい。 そのメリットを活かすという考え方は今までなかった。 発想の転換が自分たちを救う。

    0
    投稿日: 2022.03.11
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    経済、科学技術、軍事、文明をトピックに対談。 失われた30年。まだ取り戻せる。でも今のままじゃダメだ。 先端技術、宇宙法、核融合発電…

    1
    投稿日: 2022.02.19
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    俺の中での賢人2人の対談。今後の読書へのヒントが沢山あった。しかし2人は博識で、なんでも知っている。良くまあこんなに知ってるなと思うし、橋爪さんなんかはまたそれをどう分かりやすく伝えるかという点に注力しているようで、流石と思った。核融合発電や中国の宇宙での優位性、宇宙法の話、色々な分野で幅広く勉強していかないと将来を予測する事なんて出来ないよな。外務省が極右勢力というのは面白かったし、なるほどなと思った。しかし世界で活躍する外交官は本当にスーパー能力者なんだろうし、海外の外交官ともやり合わないといけないし、磨かれるんだろうな。2人が教育に力を入れて、主張しているところが印象的だった。今の教育は詰め込み式で勉強嫌いの人を増やし続けてしまう構造的問題があるとの事。日本の教育システムが今求められている形に早くなるといいなと思った。

    0
    投稿日: 2022.02.16
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    感想 佐藤優氏と橋爪大三郎氏の対談本。 佐藤優氏の対談本は全般的に好きだが、この本もやはり良かった。 佐藤氏の対談本には珍しく、対談相手が議論をリードする場面が多かった。 対談相手の橋爪氏の論理的な構成力と適度な話題提示能力の高さを感じた。 佐藤氏の対談本の魅力はやはり読者の知的探求心を駆り立てるところだ。 外交官としての実務経験や、実地で見聞きしたことと、学生(教え子)たちとの接点、膨大な知識を生かして、具体と抽象を行き来して、読者の知的興味を飽きさせない。 当書も各国のパワーバランスの変化といった国際関係・軍事的な巨視的な話から、地方の社会構成や学生の知的レベル、外交官時代に感じたエリートの意識の話と、話題は幅広くかつどれも示唆に富む話ばかりであった。また、対談ならではの余談やついでの話が案外興味深い。 この対談の中で触れられる書物に関して、最後にまとめて紹介されているので、興味をもった分野を深堀するのも手助けしてくれる書物だ。 知的探求心が高く、広範な分野に触れてアナロジー思考により示唆を得たいような人におすすめの本である。

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    投稿日: 2022.02.11
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    いろいろな分野で、現在が歴史の分岐点に来ていることを明らかにする本。ただ、分野が広すぎて散漫になっている印象がある。

    0
    投稿日: 2022.01.31
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    p31 経済グローバル化の副作用 中流階層の解体 p37 国際貿易の基本定理 要素価格が均等 地代/利子率/賃金が均等になる p38 付加価値の大部分が先端技術に集中する p62 自国語で何でも考えられるかどうか p64 評伝小室直樹 p76 水素はよく話題になるが、水素はほかのエネルギーを使って生産されるもの。エネルギー資源ではない p100 核融合技術 核融合科学研究所、量子科学技術研究機構 レーザーだと大阪大学レーザー科学研究所 p102 尾身会長 もと衆議院議員の尾身幸次さんの弟 p103 論争ができるか 反証主義的な手続きがとれるか 全員で間違える可能性が極めて高くなる p114 宇宙法の専門家 青木節子 p134 戦争論 戦争とは、暴力によって、我が方の意思を、相手におしつけること p192 文明は文化を束ねたもの p193 文明 西欧キリスト文明、イスラム文明、ヒンドゥー教文明、中国儒教文明 いずれも正典 canonをもつ キリスト教の聖書、イスラム教のクルアーン、ヒンドゥー教のヴェーダ聖典、儒教の五経 p207 キリスト教 地域ごとに宗派がきまる ドイツ 大部分がルター派、南側1/3 カトリック スイスの一部とオランダにカルバン派、フランスにはユグノー アメリカにはワンセットで一揃いの教会がある それからヨーロッパにあまりないメソジストとはバプテスト、クエーカー、モルモン教 アメリカ人の考えるキリスト教徒ヨーロッパ人が考えるkリスト今日はすこし違う p247 イスラエル、チェコ、ロシア 独自のエートス(慣習)があり、先を生き残るためにはどうすればいいか、ともすれば生き残れなんじゃないかという不安が強い

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    投稿日: 2022.01.18