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海をあげる
海をあげる
上間陽子/筑摩書房
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総合評価

285件)
4.2
117
86
49
4
5
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    初めの章が、夫が親友と4年間も付き合っていたという自身の経験。沖縄の話とばかり思って読み始めたので、面食らうが、その身を切るような経験が、作者の他者への眼差しの基礎となっていることに読んでいるうちに気づく。 自分を裏切っていた夫と決着をつけた後、親友との関係から逃げずに向き合い、二人で話し合う場面は迫力もあり、打算的でない作者の魅力に溢れている。 自分を傷つけた相手なのに、「捨て身で泣いている女の人に弱い」んだよな私は、と分析するところ、あるよなーと共感。それを言語化したところは「やるなぁ」と思った。 憎しみの向こう側に、ある種の共感が生まれるところは、人間の存在の寂しさに対する、作者の懐の深さを感じた。これが彼女のさまざまな社会的な活動の基なのだろうな。 また、彼女を支える多くのシスターフッドのありようが、魅力的だった。 米兵3人に小学生が強姦され八万五千人の抗議集会があった時、当時通っていた東京の大学の指導教官から「すごいね、沖縄。抗議集会に行けばよかった」と言われた時、その時言うべき言葉は「ならば、あなたの暮らす東京で抗議集会をやれ」「沖縄に基地を押し付けているのは誰なのか、三人の米兵に強姦された女の子に詫びなくてはならない加害者のひとりは誰なのか」だったのだと気づくくだり。よかったな。 作者の真っ当な存在の仕方が清々しい。 いい本を読んだ。

    4
    投稿日: 2022.01.10
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    ひりつくような感覚。著者が表現しようとしているのは声にならない声、言葉にすることができない「どうしようもない」感情だろう。

    0
    投稿日: 2022.01.10
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    絶望を差し出すとあるのだけどそんな感じ。差し出されたよ。とりあえず多くの人が読んで絶望をみんなで受取るのかな。

    0
    投稿日: 2022.01.07
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    2022年1月 沖縄の貧困、基地問題。沖縄について、無知だったので、読めてよかった。 個人に関する丹念な調査・研究から個人の悲劇の要因が社会の中に見えてくる。 娘の風花ちゃん生命の眩しさは著者が調査対象としている人たちの絶望と対称的である。 「切実な問題は、切実すぎて口にすることができなくなる。」

    1
    投稿日: 2022.01.06
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    初めてノンフィクションのドキュメント的な本を読んだ。 胸にズカズカ刺さる。 沖縄のキラキラしたいい部分しか見えてないな僕たちは。そんなことを痛切に感じさせられる。 でもじゃあ何が自分たちにできるんだろうか。 すごい考えさせられる。 沖縄のリアル、現実を切り取った作品

    0
    投稿日: 2022.01.06
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    「だからあなたに、海をあげる。」 最後の一文を読み終えた時思わず、怖っと思ってしまった。 読んだ以上受け取らなくてはいけない。 1945年から続く沖縄の苦しみ。 加害者かもしれないということ。 でも何もできなくても、その絶望を共有することだけはできるじゃないか。 この絶望感と無力感は絶対に忘れない。 できること、このエッセイを周りにすすめること。

    1
    投稿日: 2022.01.05
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    すごく大くて深刻な問題をずっと扱っているのにとても読みやすくて一気に最後まで読んでしまった。 でも、本文中にもあったけど自分は沖縄の人ではないから実感がわかないし、よく分からない。 よく分からないじゃなくて勉強しなよって話なんだろうけど、そういうんじゃなくて、これは沖縄で育って、そこに住んだ人じゃないと本当の意味では一生分からないと思う。 難しすぎた

    0
    投稿日: 2022.01.05
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    本屋大賞2021ノンフィクション本大賞作で、琉球大学教授の上間陽子さんによる沖縄を舞台にしたエッセイ集。著者は沖縄で夜の街を生きる女性達を取材しており、少女たちへの性暴力やDVなどを通して、その裏側にある沖縄の米軍基地問題が語られる。作中で、沖縄以外の人々の沖縄への無関心さが描かれていたのが印象に残った、私たちは沖縄の「見えていない部分」ももっと知らなければいけないと思う。タイトルの「海をあげる」の意味が分かったとき切なくなる。

    0
    投稿日: 2022.01.04
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    多岐に渡る問題提起があり、私自身の認識不足や勉強不足を突きつけられる。特に基地問題は分かりにくく、語りにくい。読み進めながら風花ちゃんの食欲や優しさに何度も救われた。

    0
    投稿日: 2022.01.04
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    2021年最後の読了本は心に染み込む一冊でした。 「裸足で逃げる」の著者が、目の前の日々を描いたエッセイ。 自分の話と、沖縄の話と、未来の話。 自分の目の前で起きている問題や出来事って、少なからずどこかで世界と繋がっていて(考えてみれば当たり前なんだけれど)、それって考えることで繋がっていくし、考えようで世界は広げられるというか、世界と繋がっていけるな、という、これまた抽象的な感想…。上間さんはそんな分かった風なようなことを読み取ってほしいなんて思ってないと思うけど(というか本当に僕の分かった風)、なんだか、もっと感受性を持って、世界と、沖縄と向き合っていくべきだと思った。沖縄で生まれ育った僕らだからこそ。 表題作の「海をあげる」の切実さと、「美味しいごはん」のあたたかさが好きでした。

    0
    投稿日: 2022.01.01
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    自分はこの著者から沖縄の海をもらった。 誰しも生まれ育った場所を持っている。少し前なら、当然のように次代に受け継ぐべき故郷を誰しも持っていたはずなのに、もはやそんなものなかったかのように知らん顔をしている人ばかり。 今は分かりやすい脅威にさらされていなくても、目に見える形で大きな力に捻り潰されようとしているわけではなくても、いつ何時どこでそうしたものが降りかかるか分からない。本当に分からないのだ。 もうすぐ長男が生まれる自分は、次代へそんな危機感を、生きることの切実さをちゃんと引き継いでいけるだろうか。 優しい筆致の中に、鋭利な刃を突きつけられているような厳しさを感じる本だった。

    0
    投稿日: 2021.12.30
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    小さくても弱くても、そこにたしかにあるものをないことにしない。「聞く耳をもつものの前でしか言葉は紡がれないのだと思います。」

    0
    投稿日: 2021.12.30
  • 光と闇

    青い海・青い空・水中に咲き誇る色とりどりのサンゴ礁は光 基地問題(騒音・水質汚染・ここぞとばかりに羽を伸ばす米兵達による犯罪や事故)は闇、虐待に関して言えば内地でも当然 日々何処かで行われているのだが、何故か若年出産や離婚率の高さ同様 沖縄で多発しているとクローズアップされてしまう。親が自分の親から虐待を受けるから子供を持つたら今度は子供を対象に虐待が繰り返される負の連鎖という話をメディアで目にした覚えが有る。 1件でもイイからこうした想いを抱く人達が少しずつでも減って行く様 切に願います。

    0
    投稿日: 2021.12.26
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    2021ノンフィクション本大賞受賞スピーチを聴いた。 そこに華やかさはない。 優しげな抑えた口調。 なのに、わたしにはどこか女戦士のような凛とした上間陽子さんが見えた。 興味を覚え、お試しで「美味しいごはん」と「アリエルの王国」を読んだ。 不覚にも大号泣。 辛い出来事の点と点がつながると、線となり、意味を成す。 美味しいご飯と友情がある。 そこに、使命のようなものが見えて震えた。 わたしが出来るエールは、と考えた。 まずは、本を買おう。(それもちいさなエール) そして、読んで知らない事を知ろう。 と、意気込み、一気に読んだ。 ハードな内容だった。 が、生き生きとした風花ちゃん(上間さんのお嬢さん)の姿に救われる。 風花ちゃんを愛する上間陽子さんの愛が、痛む心を癒してくれる。 そして、風花ちゃんのパパのおおらかな愛に心が和む。 風花ちゃんが迷子になったことをきっかけに、誘拐の怖さを教えようとする上間さん。しかし、「おせんべいがもらえるから、風花は誘拐される」と風花ちゃんに言われ、ぐったりする。 そこで、夫は、「それよりおせんべいを食べさせたら」と笑う。 このシーン、大好きです。パパさん、大好き。 さあ、読み終えたわたしはどう生きよう。

    1
    投稿日: 2021.12.22
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    かわいい一人娘と一緒に、沖縄で暮らす大学教授。それだけ聞いて、何を思い浮かべるだろうか。抜けるような青空と広い海の間で、健康的に暮らす理想的な家族だろうか。しかし読んでいくと、空は空でなく、海は海でないことが分かっていく。基地から流される有害物質で、汚染された水道水。飛行機の爆音が鳴り響く空。土砂が投入され、徐々に生き物が住めなくなっていく辺野古の海。 それらの事実はみな、上間さん家族の生活と地続きで書かれる。大事な娘に水道水を飲ませたくないから、店で飲料水を買う。飛行機が飛んでいる間、娘はおびえてひどい時は泣き叫ぶ。リトル・マーメイドのアリエルに憧れている娘をあやしている間にも、青い海には土砂が投入される。 沖縄の人の生活は、常におびやかされている。一人の母親による静かな怒りとともに、そのことが語られる。

    0
    投稿日: 2021.12.22
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    人生とは思いがけないできごとの連なり。個人的なトラブルや理不尽な社会状況に翻弄されたりしながら、人は暮らしてゆく。 語られる一つ一つのエピソードは強烈で、誇張のない淡々とした書き方故に、事実の重みや著者の強い感情が伝わってくる。 簡単には出口が見えない状況でも諦めずに丁寧に粘り強く、やれることはやって次の世代に繋いで行くという宣言でありメッセージ。それは優しい語り口で厳しく投げかけられる。

    3
    投稿日: 2021.12.21
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    海をあげる。言葉の意味は最後にわかる。 綺麗で汚い家族と海の思い出を、突然に米軍が侵入してくる怖さ。それを他人事にしている偉い人と、私。 貧困と理不尽が跋扈する沖縄を、第三者のふりをしている見ている自分がよく見える。この本で、人の絶望を受け継いでしまった。どうしたら良いか。

    0
    投稿日: 2021.12.21
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    エッセイというかたちでさらさらと流れていく言葉がどんどん自分の中に堆積していく。何度も俎上に上げて諦めたり先送りにしてきた絶望を目の前に差し出され渡されてしまった感覚になる。 考える時間が必要だと感じていて、その時間を取ることが必要だとずっとわかっていたのに幾つもの失望から先延ばしにしていたことへの罪悪感が首をもたげて少し憂鬱な気持ちにもなり。強いなと思う。逃げずに考え続け、真摯に声を引き出し続け、普天間の近くに住み続ける彼女の強さと弱さと怒りとを書き留めて世に出すこと。まっすぐ読んだ人の心に差し込んで、多くの人が考え思うことで絶望が絶望じゃなくなるのを願う。

    0
    投稿日: 2021.12.12
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    一気読みした。沖縄で若年出産した少女たちの調査や支援をおこなっている琉大の上間さんの近著。最近読んだ本の中で一番読まされた本。 静かな言葉で語られる文章が、ページをめくらせ、自分の無自覚なことに対する気づきを与える。閉じた時に残ったのは、何かを受け取った感覚。

    1
    投稿日: 2021.12.11
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    おびやかされる沖縄での美しく優しい生活。幼い娘を抱え、理不尽な暴力に直面してなお、その目には光が…。自らの声を聞き取った、著者初のエッセイ集。『webちくま』『新潮』掲載に加筆修正し、書きおろしを加え単行本化。 やわらかい語り口だけれど重くて苦しい内容だった。先に光が見えるようになればいい…。

    0
    投稿日: 2021.12.07
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     美味しいごはんの話が素敵でした。  これだけ駆けつけてくれて寄り添ってくれる友だちがたくさんいることがただ純粋に羨ましかったです。  「わからなかったんだよ、本当に。つないでいたものをほどくほうが大変だってことが。こんなところにもつながりがあるの、ここにもって毎日そう思ってるんだよ。あのとき、洋子はこういう思いをしていたんだって思ったら、顔をみたくなった」  

    0
    投稿日: 2021.12.05
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    娘さんとのエピソードで柔らかな気持ちになった後、沖縄で実際に起きている現実が生々しく語られていて、鋭く胸に突き刺ささった。 ニュースで耳にすることはあっても、どこか他人事のように捉えていることを実感した。 最後の最後にタイトルの意味が分かってゾワっとすると共に、とても哀しくなる。

    0
    投稿日: 2021.12.03
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    2021年本屋大賞ノンフィクション部門受賞作。 著者は、沖縄の大学で教師をし、若年の妊婦の方達の支援、調査などを行っている。受賞スピーチを聞き、本書を読み、辛く、悲しく、憤りを感じるのだけれど、ただそれだけではなく、ほんの少しの希望や優しさなども感じました。生半可な気持ちでは読んではいけない作品なのかもしれません。でも、読んで欲しい。 なぜか、もう何年も前に観たcoccoさんのドキュメンタリー映画を思い出しました。

    1
    投稿日: 2021.12.01
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    美味しいごはん、ふたりの花泥棒、きれいな水、ひとりで生きる、波の音やら海の音、優しいひと、三月の子ども、私の花、何も響かない、空を駆ける、アリエルの王国、海をあげる 沖縄の情景が目に浮かび、会話も多く話し声が聞こえてくるような優しく読みやすい文章。けれど内容はとてつもなく深く哀しい驚きに満ちている。 岸政彦さんきっかけで著者を知り、『裸足でにげる』web連載(本書)、共著の『地元を生きる』を続けて読み、関連のネットイベントにも参加して、つくづく沖縄で起きていることは他人事ではなく自分事で、日本のことと知る。女性差別、沖縄差別、政治の問題は人の命の問題だ。将来の子どもたちのためにも、このまま黙って見過ごすわけにいかない。 著者によるYahoo!ノンフィクション大賞の受賞スピーチも必聴。

    1
    投稿日: 2021.11.28
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    読むのが怖かった本だ。 和田靜香さんの著書『時給はいつも~』を読んで、私の身の安全は「沖縄の人たちが毎日安心して暮らせること」が犠牲になることで成り立っていると気づかされた。 誰かの犠牲の上に何かが成り立つ構造。知らぬ間に自分もそれに加担していることを直視するのはつらい。 しかし、本当につらいのは誰なのか。 沖縄の人々の痛みに、すこしでも寄り添おうとしたのか。そもそもきちんと耳を傾けたことはあるのか。 私はしっかりと、一緒に海につかることはできるのか。

    3
    投稿日: 2021.11.24
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    大学のとき、猿田佐世先生の授業で、沖縄問題についてたくさんのことを教えてくれた。 だが、そのとき自分は単位がとれればなんでもよく、正直寝ていたしコメントペーパーにも薄い内容のことひとこと書いて提出していた。 きっとなにが争点で、なにが先生の思う最善策なのか、またそれに関する有用な問いがいくつも授業内で語られていたはずなのに。 上間さんが後書きで、「言葉は聞く耳を持つ者の前でしか紡がれない」と書いていた。 私も美しい沖縄しか知らなかった。知ろうとしなかった。 そのことを恥じて、もう一度勉強しなおしたい。

    1
    投稿日: 2021.11.23
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    ラストの3行が、心に響きました。 そして確かに上間さんから海を受け取りました。 海は私のものでもある、だから大切する、知らないところで決められていくことに沈黙はしない。 気持ちを強くさせて貰いました。 風花ちゃんの大好きな青山ゆみこさんの『人生最後のご馳走』も読みたくなりました。

    1
    投稿日: 2021.11.23
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    ノンフィクション大賞受賞ということで手に取ったけれど、読み進めると、これがノンフィクションであることを忘れてしまうくらい、まるで私小説かのような美しい文章でした。 沖縄の逃れられない悲運と、かわいい愛娘への愛情が同時に語られることで、それでも人生は続いてゆくのだと感じさせる。 沖縄に押し付けられた不都合については充分知っているつもりでいたけれど、「分かったつもりでいるなよな」と冷たく突き放された気分だ。

    9
    投稿日: 2021.11.23
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    上間さんの気持ちが詰まったエッセイ。前作を読まないと伝わりにくい面はある。 痛い、辛い、基地と本土の加害。

    0
    投稿日: 2021.11.22
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    エッセイのようなノンフィクションのような、沖縄の実情を訴えている本。 自分にとっては非常に読みにくい文章だったが、書かれていることは重要なので★三つ。読みやすければ四つつけたい。 ノンフィクションのため、他者からの聞き取り内容を、できる限りそのまま書いているために読みにくいのだろうか。 とりあえず、 ・主語が何だかわからない、 ・誰が誰に向けた言葉かわからない、 ・誰の家のどの場面の話かわからない、 ・代名詞が多いが、前後の関係から複数候補があって混乱する、 ・文脈から理解しようにも、上記が重なって類推できない、 などから、書いてる意味がわからないことか多かった。 時々読んでて辛くになったが、書かれていることは非常に重要なので、頑張って読み進める。 なんとか読みといた中では、気になるエピソードはいくつかあった。 以下は覚書。ネタバレ注意 アメリカ軍の排水の影響で井戸水のみならず水道水も有害物質のために飲めなくなるエピソード。国からの基地地域への支援金だけではなく、物資のヘルプも必要だな、と感じた。 受験で咳払い一つで再試験になる県もあるのに、沖縄は飛行機の騒音だらけの中、再試験など全くないなども不公平感を感じた。 ハンガーストライキの話では、政府により市民の投票権が奪われる様が生々しく語られ、沖縄の方の苦悩が伝わった。 辺野古に埋め立てられる土砂で、生態系が崩れていること。 基地周辺で性被害に遭い、亡くなった小学生の話から、いかに普段の生活がリスクと隣り合わせであるか。 海を上げるの題名の意味は、責任をあげるという意味であったか。 日本として考える

    1
    投稿日: 2021.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    沖縄の話。 著者の過去のリコン話。旦那が二軒隣の著者の友人と四年も浮気してた話とか衝撃的だった。(沖縄関係ねえ) 沖縄は、若い女性のリアルや辺野古基地移設問題など。 ただ、個人的には(申し訳ないけど)ありきたりな話であまり響かなかった。

    0
    投稿日: 2021.11.20
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    文章が上手い本を読みたかったのとノンフィクション大賞の候補だったので手に取りました。 沖縄で生きる人のエッセイ…ではあるのですがその本質は「この痛みを沖縄以外で生きるあなたに伝えるために」書かれたものだとわかり、アリエルの王国から海をあげるまでの章は本当に胸が痛かったです。他人事のように読んでいた自分が恥ずかしくなりました。日本に生きる全ての人が沖縄で起きている問題の当事者だということ。 辺野古、普天間、オスプレイ…と、単語だけは知っている問題について、生活者の視点から語られる文章を読んだのは初めてで、もっと当事者意識を持たなければと思いました。 私が今まで沖縄の問題を詳しく知らなかったのも、私が「聞く耳を持たない者だったから」であり、そんな私の前ではどんな言葉もかたちづくられなかったと思うと言葉が出てきません。

    8
    投稿日: 2021.11.14
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    とてもよかった。沖縄の現状を知らずに入れる自分は恥ずかしい。ところどころニュースを検索しながら読了。私たちはちゃんと耳を傾ける義務がある。

    6
    投稿日: 2021.11.12
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    沖縄の現状を綴ったエッセイ集 沖縄の基地の問題は住んでいる人にとっては大問題 でも、本土に住んでいる我々には響かない。 現在、衆院選しているが ほとんどどの候補者も言及していない。 日本を守ることも含めて 少し考えていかなければならない問題だ。

    2
    投稿日: 2021.10.31
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    問題は根深いところにある。結局はそこに暮らした人間と外部の人ではよほど深く語らなければ自分ごとにはならないだろう。ただ人間として共感できる 部分は一緒だ。数年暮らしただけでは沖縄の本質は わからない。理解しようとする気持ちは持ちたい。

    5
    投稿日: 2021.10.14
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    沖縄の人が抱える心、気持ち。自分とは違う他者がいて、まだ知らない、関わらない人がいて、それぞれの暮らし、思いがある。新たな見方を得ることができた。

    66
    投稿日: 2021.10.09
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    歌うような、流れるような美しい文章だと思った。最初は慣れなかったが、読んでいくうちに引き込まれていく。 特にきれいな水、波の音やら海の音、三月のこども、アリエルの王国が好き。 沖縄という土地に対する愛情と怒りをたっぷりと感じて、関東生まれの私は戸惑ってしまった なぜ沖縄だけが軽視されるのか、目を背けられるのか、私たちは分かっているのに語らない 大切にしたい作品

    2
    投稿日: 2021.10.05
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    沖縄で上間さんがどのようなことを考え、感じながら暮らしているのかが伝わってくるエッセイ。大上段に構えるのではなく、こうした日々の日常生活から沖縄を感じることができるのは、とても貴重なことと思った。もっと上間さんのエッセイが読んでみたくなった。

    2
    投稿日: 2021.10.01
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    やるせない家庭環境に育ち風俗業に身を置かざるを得ない娘たち、沖縄米軍基地の問題。関心なく過ごしているわけではないが、身につまされる切迫感を抱いているのかと問われれば、やはり我がコトでないぶん距離を置いている。のどかであろう日常を特別に平和と意識もしないが、ただ自分とは違う環境にある人たちの痛みをこうした伝達により受けとめたい。伝達を疎通へと昇華できればよいのだけれど。幾度か訪ねた沖縄、今帰仁といえば今帰仁酒造の泡盛を一斗甕で買い、今も床の間に鎮座する。中身は何度も補充して。これをやりつつ、繋がる海を想う。

    2
    投稿日: 2021.09.29
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    綺麗な青い海にかこまれた沖縄県で生まれ育った著者。出産して幼い娘を抱え、琉球大学の教授として働く今もなおその地に住み続けている。 ベストセラー『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から3年、身体に残った言葉を聞きとるようにして書かれた初めてのエッセイ集。 赤裸々な過去の不倫騒動話から始まる本書は、何か明確な主題のあるノンフィクションだとばかり思っていたので、話題があっちにいったりこっちにいったりするのに慣れなかったけれど、単にエッセイだったのだと分かって腑に落ちた。 ただそれは、穏やかで平和な沖縄の日々を綴っているわけでは決して無い。「沖縄?ステキー!」とのんきに憧れるようなものではなく、普天間基地移設問題や、オスプレイ、米兵の性犯罪、若年出産、等々。 著者と近隣住民、ひいては沖縄県民が向き合い、戦い続けなければならない問題はとても多い。 取り扱う話題は重たいのに、一人娘の風花ちゃんに話してきかせるような、風花ちゃんの未来に手渡すような文体が優しく、そこに良い意味でのアンバランスさが生まれていたように思う。 最後まで読んで、「海をあげる」というタイトルに込められた願いの切実さが胸に迫り、涙がこぼれた。『うみをあげるよ』という児童文学からいただいているそうですね。紹介されたあらすじがとても好きだったので、そちらの絵本も読んでみたい。

    10
    投稿日: 2021.09.28
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    沖縄に生きる著者が、沖縄の「今」に対して無自覚な人たちな私たちに対し、どうしたら言葉が届くのか?ということを深く常に考え続けているからできた一冊なのではないか、と読み終えて思う。行き着いた先が「諦め」や「絶望」ではなく、「言葉にする」ことは、沖縄の海から、また異なる波形を描いて、今まで届かなかった心の奥に届くこともあるのではないだろうか。 娘さんとのエピソードがどれも印象的だった。自分の子供に対して何かを「教える」に至るまでに、親が解釈し、理解し、向き合って置かないといけないのに、問題はそう簡単ではなく複雑なものが常だ。沖縄や、弱者の社会問題は特に。この娘さんが沖縄で大人になるまでの間に、いったいどれくらいの「なぜ」「どうして」が彼女を悩ませるのだろうかと、この一冊を読むだけでもいろいろと心苦しくなる。

    5
    投稿日: 2021.09.25
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    沖縄で、仕事や家族で出会った人々と自分について考えたことを、当事者として皮膚感覚で語る。そして読む者にも当事者であるよう、時に詩的な言葉や場面描写で呼びかける。さり気なく、とてつも無く重いものを差し出されたような読後感。

    5
    投稿日: 2021.09.18
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    沖縄、普天間基地近くで毎日爆音を耳にして暮らし、自身の家族のことを織りまぜながら今、青い海がやがて土砂に埋もれてしまうこと…若年出産女性のこと… 米兵強姦事件のこと…を文字の中で叫んでいる。 ゆっくりとした流れなのに叫んでいる。 現実を知ると言うことは、体力がいることだと痛感した。

    3
    投稿日: 2021.09.14
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    『裸足で逃げる』に続いて、凄い本だった。 書かれている内容はもちろんながらに、文章が上手い。上手すぎる。 冒頭の"美味しいごはん"で、言葉の、文章の強度に頭をぶん殴られて号泣だった。以降も、どれを読んでも色々な涙が止められなかった。 そして、泣いているだけではだめだった。

    2
    投稿日: 2021.08.30
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    沖縄をめぐる諸問題をやわらかい語り口でつづるエッセイ。 リゾートで遊びに行って知る沖縄、戦争教育で知る沖縄、それらの間にある日常の沖縄。 著者の本業は作家ではなく教育学の研究者だし、内容もノンフィクションなのだけれど、どこかお話の中の世界のような気もしてしまう文章。 いや、私に、沖縄をめぐる問題に向き合う勇気がないから、そう感じられるのだ。 沖縄の人が大きな声をあげないのを良いことに、真っ正面から向き合う勇気が、まだもてないのだ。 でも、どんなに小さな声でも、耳を傾けたい。 私も、著者に、「海をもらった」から。

    21
    投稿日: 2021.08.24
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    沖縄、その土地以外に住む者にとっては美しい海と観光の島なのだろう。 もちろん、沖縄戦のことも米軍基地のことも知っていても。 私も偉そうなことが言えた人間ではない。 しかし私はつい数年前まで観光目的で沖縄に行けなかった。 観光で行ってはいけないところだと考えていたから。 数年前、やっと沖縄に行ってみてわかったこともあると思う。 そこにルーツを持ち、そこに暮らす人間ではないけど、傍観者でいてはいけないとは思う。 何かできるのか、私にできることはあるのか、ゆっくり考えてみたい、外からの人間として。

    5
    投稿日: 2021.08.22
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    私は沖縄のことを何も知らなかった。 聴く耳を持つことすらしなかった。 沖縄のひとたちの、抱えてるものの大きさに、語られることのない生活に、著者にあげると差し出された手を前に言葉が出てこない。

    5
    投稿日: 2021.08.12
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    静かな部屋でこの本を読んでいた私です。 私は違う、と思っていた私です。 私には共感する力がある、と思っていた私です。 でも、それってどうなんですか? 自分を問い始めました。#読了

    1
    投稿日: 2021.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館予約の本を受け取ったときには、なぜその本を予約したのかすっかり忘れている。 「海をあげる」 かわいいな。なんかファンタジーの本だったかな? とんでもない間違いだった 沖縄生まれの著者のエッセイ 12編の最後 「海をあげる」 その意味に胸をわしづかみにされドキドキが収まらなかった 静かな部屋でこの本を読んでいた私は著者から託された せめてこの本を友人に薦めよう 一度見ただけの沖縄の海 優しい言葉で綴られる著者の厳しい人生 娘さんへの眼差しはそれはそれは優しい 積極的な活動の後に襲ってきた絶望 そうさせてきたのはだれ? 無関心な日本全体 辺野古の海も、富士五湖が埋め立てられると全く違った反応になるだろう あとがきが重い ≪ 沖縄の 赤く変わった 青い海 ≫

    19
    投稿日: 2021.07.28
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    読み終わると呆然とする。沖縄、同じ日本なのに、日本人なのに私は全く分かっていなかった、沖縄の苦しみを知らなかった。普天間基地のこと、どこか遠い国のことのように聞き流していた。 【アリエルの王国】が一番ささった。 「でもね、風花。大人たちはみんな知っている。護岸に囲まれたあの海で、魚やサンゴはゆっくり死に絶えていくしかないことを。卵を孕んだウミガメが、擁壁に阻まれて砂浜にたどりつけずに海のなかを漂うようになることを。」 赤く濁った海をもう一度青の王国に戻せたらいいのにね。そう思うけど、夢物語。今も海は壊されている。なんて人間は浅はかで自分勝手なんだろう、と反省。多くの人に知って欲しいこと、盛りだくさんです。

    2
    投稿日: 2021.07.12
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    【基地と「海をあげる」】 沖縄の宝であり 著者自身も愛する美(ちゅ)らの海が、土砂で破壊されていく。県民の総意を全く無視する形で工事が進んでいく。これまでもあらゆる方法で抵抗してきたがもう万策尽きた。本書は私たち「本土」に住む者たちにこう訴えている。 「どうして沖縄だけがこんな仕打ちを受けなければならないのか、もうこれ以上沖縄に軍事基地はいらない、辺野古に基地はつくらせない。どうしても必要なら本土でつくってください。 本土の皆さんはご存じですか、国土の僅か0.6%の土地に日本全体の70%以上も基地があることを。知っていても無関心な人、知らなかったので無行動な人、これ見方を変えれば私たちへの「無意識の差別」になります。 本土の皆さん達の「無意識の差別」が、日本政府の横暴な行為を許しているのです。 沖縄のきれいな海も軍事基地もあげます。本土の皆さん必要なものなら逃げないで一緒に支えましょう。」(山内輝光/本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会)

    4
    投稿日: 2021.07.01
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    この本に対して、私が何を言っても間違っているように聞こえてしまうのではないかと思った 「辺野古の新基地の是非を問う県民投票が実施されることが決まった」 「県民投票が実施される直前になって、宜野湾市、うるま市、沖縄市、宮古島市、石垣市の市長が、自分の街に住んでいる住民には投票させないと勝手に決めた」 これらの事実をなんとなくしか知らなかった私は、こんな住民の声を無視した差別・加害が日本で行われていることに驚いた

    5
    投稿日: 2021.06.26
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    言葉にならない。 簡単に言葉にしてはいけないような気もする。 けれどこの本に出会い読んだことを絶対に忘れたくないから、読んだばかりのこの気持ちを書き留める。 わたしは沖縄の美しい海を知らない。 一度計画された沖縄旅行も、台風で中止になった。 基地のことも詳しく知らない。 大学の授業で取り上げられた時、この同じ日本でひどいことがあるものだと、簡単に流してしまったことを今とても恥ずかしく思う。 わたしは自分の地元を愛している。 幼い頃に歩いた細い道、電車のホームから見える真っ直ぐにのびた線路、遠くに見える街、公園の大きな丘から見渡せる緑とわたしたちが暮らす家々。 なんて事のない所だけれど、たくさんの緑に癒される。 上間さんが話す沖縄に、わたしは自分の地元をおもっていた。 自分の愛するふるさとが消えゆく姿をみるのが、どんな辛さ、絶望なによりも怒りだろうか、今のわたしには表せる言葉が無い。 本に登場した彼らは今なにをしているんだろうか。 この沖縄で暮らすちいさな子供たちは、どんな大人になっていくんだろう。 月曜日になればわたしはまた働いて、きっとこの本で感じたことを少しずつ忘れてしまう。 けれどこの本を机の目の前にある本棚へさして、いつも目に入る場所におこうと思う。 沖縄のことをもっと知ろう。 この本を読む前の自分には、もう戻れない。

    16
    投稿日: 2021.06.26
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    もらって嬉しいものはなんでしょうか。 いらないものはどうしてもいらないもの。 以前は欲しかったものも、今となっては手に入らない。 そうなると欲しくなるのだろうか。 あるもので我慢するしかないのだろうか。 人は移ろいゆく。変わるのはどちらか。

    0
    投稿日: 2021.06.04
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    素晴らしかった。 書いてあるのは沖縄での生活のこと。基地があるという日常や調査の断片の記録。なのにまるで巫女のような、祈りのような言葉で、、優しいのに力強く、切実でヒリヒリしている。わたしたちはそれぞれに海を託されているのだな。

    0
    投稿日: 2021.05.27
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    「泣けた」「感動した」なんて言えない。 著者の問いかけを受け止める準備が全くできていなかった自分を恥じてる。

    3
    投稿日: 2021.05.17
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    私も娘が泣いていたら、すぐに飛んでいってぎゅうと抱きしめてあげたい。 打ちひしがれる様な悲しい事、辛い出来事が、できれば娘がひとりでちゃんと立ち向かえるようになってから、起こってほしい。 そういうことがあったとき、ダメにならないように、おいしいご飯の作り方を教えてあげよう。 こういう自分の地続きに、沖縄の問題もある。生活の中にある。もっともっと、知らなきゃいけないなぁ。

    0
    投稿日: 2021.05.02
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    ダヴィンチのプラチナ本から。これはしかし、凄い。沖縄の海が好きだし、気軽に訪うことが出来ない昨今、特にその有難さが身に沁みて感じられる訳だけど、本作最後に投げ掛けられる、”海をあげる”の言葉に、浮ついた気持ちは霧消する。これはもちろん、恨めしく思うというのでは全くなく、改めて沖縄の海につき真摯に向き合うよう、襟を正されたことへの感謝の意味で。辺野古に無関心ではいないつもりだけど、それでもやはり、当事者でないという甘えがあるよな、と。本書で託された”海”は重いけど、一人でも多くの手で支え合うことへの動機付けに、本書はなると思う。

    1
    投稿日: 2021.04.28
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    沖縄に住む教育学者のエッセイ。静かに日常を語る文章からは、声をあげないことの暴力性と声をあげられないという脆弱さをとりまく環境への怒りが伝わってきた。タイトルの意味が本当に分かる最後の部分から、ずっしりと重い現実を分かち合ってほしいというメッセージを託された気がする。

    1
    投稿日: 2021.04.14
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    言葉として紡がれたことがないから、そこに無いわけがない。聞いたことがないからといって、その絶望を無視して良いわけがない。 自分と遠く離れた存在だからといって、それらを勝手に相対化して良いわけがない。 当事者性を持てていなかった事を恥じ、今度こそきちんと受け取りたいと思う。マジョリティに属する私は知らず知らずのうちに権力を振りかざしている。

    1
    投稿日: 2021.04.04
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    大学教授であり、幼い子と普天間のそばで暮らす作者のエッセイ集。 性暴力や基地問題という沖縄の抱えている現実を、ありのままに書き記す。 その現実に、心がざわつきざらっとしたものが残る。 私はそれを、まだ消化しきれていない。

    0
    投稿日: 2021.03.30
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    これはとても難しい本だ。冒頭は、これはエッセイではなく私小説?と思わず感じるようなエピソード。そこから沖縄が抱える様々な問題を、筆者が実際に触れた人/出来事を通じて記している。最後の方に出てくる指導教官と同じ立ち位置であろう東京に住まう私に出来ることは何なのか。単に寄り添い、単に思いを馳せるだけでは、何も動かない。

    0
    投稿日: 2021.03.21
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    沖縄のことを深く知らないで、良いところだ、ひたすら最高だ、と言うとき、それを言われた沖縄の人は心の底で傷ついているかもしれないし、あるいは傷つくことさえ回避するために心を失くしていることだってあるかもしれない。読んでよかった。こんな本書く人いるんだ。

    0
    投稿日: 2021.03.17
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    沖縄県生まれで、未成年の少女たちの支援、調査を手掛け続けている著者による、社会的な叙述集。自らの人生のことから、ライフワークとしている若年女性との関わり、現在の沖縄のことなどが綴られています。 微笑ましいともいえる、著者とその幼き娘とのやりとりも描かれており、単なる社会論に終わっていない、何かこう切実、誠実なものが伝わってきました。社会の問題、矛盾に鋭く切り込みながら、著者の、あるいは著者が関わった人たちの、かけがえのない具体的な姿が浮かんでくる。いろいろ考えさせられると同時に、この社会は人が作り、人が動かすものだという、当たり前だけど忘れがちな原点というべきものを再認識させてくれました。

    0
    投稿日: 2021.03.17
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    最近の関心事が、よく老いることだからか  ふたりの花泥棒  空を駆ける がとても響いて好きだった ひとの話に真剣に耳を傾けることは とても尊いこと。 誰にでもできることじゃない 簡単にできることじゃない 苦しみの共有なのかもしれない 共有することで発信側は少しでも楽になったり 未来に光を感じられればよいけど、 そうとは限らない そのあと、苦しみの総量が増えて悲しい結末に ならないことを願う 海をあげる これは上間さんの静かで強い告白 うけとる人は赤い土砂の海を、今のほんとの沖縄の海を感じるとき ほんとの色を見るときだ 自分の子供や家族を住まわすと 考えてみることが、未来をつくる一歩 声に耳を傾ける ことばにならないことばをなんとかことばにしてみる 声をあげる人を応援する それがいまできること

    0
    投稿日: 2021.02.28
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    やるせない気持ちになって、 読み終わってからもしばらく文章が書けなかった。 私は沖縄のことを何も知らない。 爆音の中で暮らすこと 海を、海の生き物たちを奪われること 自分が被害者になりうる性暴力に怯えて歩くこと 出来事としては知っていたが、 理不尽な暴力と共に生きる人々のことを 私は何も知らなかった。 2019年、辺野古新基地建設は2年前の話だ。 そして、今も建設は続いている。 「今、この瞬間」の話なのだ。 最後まで読み終わって、また第一章を読み返すと 最初に考えてたいたものとは異なる 上間さんの悲しみの種類と深さを知ることになる。 優しさと強さの塊であるこの本を 一生そばに置いておこうと思う。 この本が一人でも多くの方の目に触れますように。 【心に残った言葉たち】 ・悲しみのようなものはたぶん生きているかぎり消えない。それでもだいぶ小さな傷になって私になじみ、私は人の言葉を聞くことを仕事にした。 ・自分の大事にしているよきものを、自分よりも小さなものに渡します。 ・聞く耳を持つものの前でしか言葉は紡がれない

    0
    投稿日: 2021.02.28
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    なんの準備もないまま読み始め、いきなり最初の「美味しいごはん」で泣いてしまった。不意打ちにあったようだ。 "ふと思いついて、「玲子はさ、こどものときみたいになにひとつ傷がないような人生と、優しくしてあげたひとにぼろぼろになるまで騙されて、それでも大人になった人生とどっちがいい?」と聞いてみた。そしたら、なにをあほなことを言っているのだという顔をされて、「大人になったほうがいいやろ。ぼろぼろでもなんでも。ひとに優しくできるほうがいいやろ」と即答された。" 27ページ その勢いで次々読んだ。 風花ちゃんの話はとても和む。利発でかわいいお嬢ちゃん。仕事でとても忙しい母親、父親の元で愛情たっぷりに育つ。 それに対して、真逆と言ってもいい環境で育った、著者が調査、支援する10代、20代の女性たちの話。 沖縄の辺野古の埋め立てや米軍の影響での水の汚染、騒音の現状。 「この本を読んでくださる方に、私は私の絶望を託しました。」 託された私に何ができるか。

    1
    投稿日: 2021.02.21
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    僕はこれを読んで震えることしかできない。 この本を静かな部屋で、東京で、男性の僕が読んでも僕は震えることしかできない。 彼女と一緒に怒る資格が僕にはないから。 何を僕はしなければならないのだろうか。 彼女の絶望に、沖縄の絶望に、僕は何ができるのだろうか。 全ての人間の課題図書とすべき著作である。

    0
    投稿日: 2021.02.15
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    「裸足で逃げる」で沖縄の少女たちが生きる過酷な環境についてレポートしていた著者のエッセイ。前作よりも自分の生活/境遇について語っている内容が多く、現代の沖縄に生きることがどういう意味を持っているのかが丁寧に書かれていた。  国道沿いに延々と基地が続いているのは、旅行へ行ったときに誰しも見ているはずだが沖縄のパブリックなイメージはキレイな海と温暖な気候、島独自の美味しい料理などだろう。「観光業が主力産業だから当然だろう」というのは重々理解しているが、この負担の不公平性に目をつむり続けてしまっているのは日本に生きる一市民として胸が痛い。とくに辺野古への基地移転問題は合理的な理由では到底納得できないのに説明もなく進められており、市民と政治権力の非対称性が辛い。この横暴さが自分たちに振りかからない保証はなく全く他人事ではない。現にここ5年近くの政治は説明しないで進めていくことがあまりにも多く、それに対して声を上げるハンガーストライキのシーンはとても印象的だった。単純に肯定しているわけではなく、政治との距離感の話になっているところが好きだった。あと本著においては子どもの存在が非常に大きくて、彼女に説明できないことがあまりにも多い今の世の中は本当にポイズンなんだなと思わされる。選挙行ってない人はこれ読んで、このままでいいのか自分の胸に手をあてて聞いて欲しい。

    0
    投稿日: 2021.02.08
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    筆者の家族、とくに幼い娘との話、仕事の一つである、若い女性への聞き取り調査の話、沖縄が抱える米軍基地問題の話など、いくつもの話がないまぜになって、ひとつのエッセイとなっている。 保育園に通う娘とのエピソードかと思えば、そこから米軍の飛行場の話へとスライドしたり、筆者の過去の辛い記憶から、今の仕事へのつながりが見えてきたり。 独立した一つのエピソードというものはなくて、いろんなことが絡み合っているからこそ、自然にこの構成になったのだと思った。 淡々とした文章の中に、筆者の怒りが込められている。 辺野古の海に土砂が入るということ。例えばそれが富士五湖だったなら。あるいは湘南の海だったとしたら、その苦しみを分かってもらえるだろうか、という箇所があって、ニュースで沖縄の米軍基地一点問題を見ても、「自分の住んでいる場所じゃない」と無関心を決め込む自分を情けなく思った。 沖縄は海がきれいで、ご飯もおいしくて、ほんといいところだよね〜なんて思って、現実には目をつぶっていた私が、これからできることを考えて見ようと思う。 「海をあげる」というタイトルの意味は最後になってようやくわかる。その言葉の重みを受け取って、私達は何ができるだろう。

    0
    投稿日: 2021.02.07
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    個人的に恨みのある人のことを明らかに誰と特定できるやり方で書いているのはどうかと思うが、沖縄の現状とそれを沖縄だけに押し付け鈍感に暮らしてしまっているそれ以外の地域の人間への抗議には全くその通りとただただ申し訳ない。辺野古のことも基地問題も国も国民ももっと我が事として耳を傾けてくるべきだった。

    0
    投稿日: 2021.01.29
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    タイトルの意味を知り、その重さに、しばし放心。 沖縄の問題は、軽々に言えないけれど・・・ どうして、この方は、こんなに寄り添えるのだろうと、『裸足で逃げる』以来 ずっと考えていました。 その理由が分ったような気がしています。 →https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/77c1e4315abbe99c4967eec300d25014

    6
    投稿日: 2021.01.26
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    なんだろう、文体がとても素敵で、心に沁み入ってくる。 家族ことなど、とても心温まることも書かれているが、どこにでも戦争と沖縄の負担の問題が横たわっている。

    0
    投稿日: 2021.01.24
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     いつも及び腰、逃げ腰で生きてきた僕には、著者のストレートでしなやかで真摯な生き方が描かれているこのエッセイは、とても眩しかった。  傷ついた若い女性たちへの著者の関わりが半端ではないのは、前作「裸足で逃げる」に描かれていたが、このエッセイでも同じ目線で暖かく支えているのが感じられ、そしてそれは子育てにも現れていた。登場するお嬢ちゃんが可愛らしくって仕方ない。  そんな方だから著者の友人たちも超弩級だ。傷ついてご飯を食べられなくなった著者を、全身全霊で友人たちが支えてくれている様子が描かれている「美味しいごはん」には感動して超嫉妬した。僕にはそんな友人なんていないと。なんて豊な人生を過ごされているんだと思った。  で、著者は傷ついた若い女性たちの聞き取り調査をしながら、いまも普天間基地のそばで暮らしている。理不尽なあの基地の隣で。理不尽にさせているのはだれか。知らなかった、水道水まで汚染されていたとは。  そして最後に「絶望」を託された。お嬢ちゃんに青い海を渡すために。

    1
    投稿日: 2021.01.23
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    "今日、お母さんがあなたに教えたものは、誰にも自慢できない、ぐちゃぐちゃした食べ物です。それでもそれなりに美味しくて、とりあえずあなたを今日一日、生かすことができて、所要時間は三分です。 これからあなたの人生にはたくさんのことが起こります。そのなかのいくつかは、お父さんとお母さんがあなたを守り、それでもそのなかのいくつかは、あなたひとりでしか乗り越えられません。だからそのときに、自分の空腹をみたすもの、今日一日を片手間でも過ごしていけるなにものか、そういうものを自分の手でつくることができるようになって、手抜きでもごまかしでもなんでもいいからそれを食べて、つらいことを乗り越えていけたらいいと思います。"(p.30)

    0
    投稿日: 2021.01.14
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    先日読んだ「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女」の著者、上間陽子さんによるエッセイ。 離婚、娘との暮らし、研究の過程で出会った少女との交流、そして米軍基地の辺野古移設についてなどが、静かな文体で書かれていて、心を打つ。 この本を書店で見かけて、気になって、先に刊行されていた「裸足で逃げる」を読んだ。そして、元々気になっていたこの本を手に取った。 2冊に直接的なつながりはないものの、「裸足で逃げる」を先に読んでいたからこそ理解が深まった章もあったので、やはり先に読んで良かったと思う。 上間さんは教育学者として東京での活動を経て、故郷である沖縄に拠点を移した。そこで仕事をしながら、一人娘である風花ちゃんを育てている。 沖縄では自ら選んで、普天間基地の近くに住んでいる。 軍用機の飛ぶ騒音に風花ちゃんは泣く。だけどそれが沖縄の現実なのだと、知るための選択のように映る。 実際上間さんは仕事柄、基地の米兵に傷付けられた経験を持つ沖縄の少女のことも、よく知っているからだ。 問題に関心を持っていても、その程度ではただの傍観者なのだとつくづく気付かされた。 自分の信念をそのまま表に出すことが正解なのかは分からなくても、地道に伝えていけば、それを受け取ってくれる人は必ず現れる。 観光地として沖縄を訪れ、美しい海の恩恵を受けることはしても、その海が汚されることに関心を持つ人はあまりにも少ない。現地の人にとっては、紛れもない日常なのに。 上間さんの、1人の母親として娘が大きくなった時の沖縄について想いを馳せ、そして1人の沖縄県民として青い海が汚されていくことに胸を痛めるその怒りが、静かに伝わってくる。 これは沖縄の問題に限らず、知っていながらも傍観者でいるあらゆる問題についても共通するのだと思った。 伝えようとする声に耳を傾ける人が増えることが、きっと上間さんの希望なのだ。 少しでもいいから、他人事ではなく自分事になって欲しい。 静かに、だけど力強く語りかけるようなこのエッセイが、1人でも多くの人に届いて欲しいと思う。

    1
    投稿日: 2021.01.14
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    人はどのくらい、相手の絶望を聞くことが出来るのだろうか。 そして、自分の絶望を誰かに伝えることが出来るのだろうか。 分かったつもりになるのではなく、死ぬまで向き合いながら対話するしかないのだろう。

    1
    投稿日: 2021.01.11
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    娘の幸せを願い家族の幸せを願う愛情が、世界よ変われと走る原動力になっている、そんな一冊。世界に無関心な自分は誰の幸せを願うべきかと読み終わったあとで途方に暮れた。「海をあげる」というタイトルの意味は最後に分かる。分かったつもりで終わらせたくない。 2021年の1月1日からこの本を読めたことを幸運に感じる。

    2
    投稿日: 2021.01.02
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    沖縄では、切実な話題が日常にあふれている。 切実な話題は、切実すぎて口にすることができなくなる。 p.218 ふらっと旅をしにいく私たちは、そこに安易に触れることさえできないでいる。 本当はみんなで考えなきゃいけないことなのに。人が一人で抱えきれるようなものは本来、日常の些細な悩みやトラブルくらいで、それ以上のものを抱えて生きるのは、しんどい。しんどいに決まっている。海に土を入れる、土を入れたらそこにいる魚はどうなるか、人の生活は変わるのか。失ったものとこれから失うもの、その喪失をせめて少しでも一緒に受け止めたい。 静かな家でこれを読む私は、その喪失を共有できないままでいる、ただ悲しみだけが残る。

    6
    投稿日: 2020.12.31
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    〇いつになったら沖縄のきれいな海が帰ってくるの?切実な沖縄人の思い、読者に届け 沖縄とは。 僕らが思い描いていた沖縄とは。 "切実な話題は、切実すぎて口にすることができなくなる。"(p238) たぶん、僕らは、「暖かい」「リゾート」「楽しい」世界だと思っていた。 しかし、沖縄に住まないとわかりえないこと。 戦争、基地、若年出産、飛行機、埋め立て…etc. 筆者が一定の期待と使命感を持って赴任した沖縄。 そこでは本土に出て思う違和感とはまた違う違和感。 本土で感じる沖縄と日本の距離、沖縄で感じる切実な話題への人々の語らなさ。 筆者の家族模様や体験を軸に、若年出産で悩む女性ほかへの聞き取りで深まる沖縄の現状を、あなたはどう感じますか。 ***** 読了後に筆者の名前を検索したら、優しい顔でほほえむ。 しかし、沖縄に来てからの筆者は、きっといろいろと思い通りにならなくて苦しかったはずだ。 一般的な生活や子育ての苦しみとはまた違う何かである。 本土と沖縄、両方の生活と感情を知っている彼女は、信じるものをその通り表現すべきではない、と悟る。 例えば基地も飛行機も、誰かのどこかのスイッチを押してしまう。 本土や沖縄で否定されようとしていることも、その裏では働いている人やその家族がいる。もちろん、働いている人や家族が悪いわけではない。彼らをそうさせているのは誰なのだろう。 ヒリついた感情が同居する沖縄の、その歴史や現状を知ってしまったら、沖縄の人に知ったふうに簡単に物事を話してはいけないのではないか、と思ってしまうのは、私だけではあるまい。(もちろん、普通の会話はしてもいいわけだが。) 僕たちは沖縄の人たちの苦しみを、正しく受け取ることができるだろうか。 僕にはまだ自信がないけれど、少しずつかみ砕いていきたい。 この本は、本土の人にはわかりえない苦しみを、知ってほしい沖縄の現状を、発散しているのだと思う。

    0
    投稿日: 2020.12.18
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    社会から疎外され性風俗で生計を立てつつ男性からの暴力に怯える沖縄の少女たちの姿を、彼女たちとのパーソナルな交流と地道な聞き取りにより描いた『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女』で知られる社会学者による初のエッセイ集。 自身の離婚、愛する娘との食事、研究の過程で出会った数々の少女たちの悲しさ、米軍基地の辺野古移設を阻止するためにハンストする友人などをテーマにしつつ、静かに心を打つ抑制された文体でまとめ上げていく。 本当に大事なものというのは得てして言葉になりにくい。それを当然のことと受け入れつつも、伝わる可能性を信じて静かに語っていくこと。そこから静かな感動が生まれていくという文学表現の素晴らしさを再認識できる素晴らしいエッセイ集。

    0
    投稿日: 2020.12.13
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    webちくまで断片的に読んだことがあったが、襟を正して読む、もとい聞くべき内容だった。沖縄でいろいろかかえた若い女性たち、こどもの頃の自分、そして日々育ってゆく幼い娘の声に耳を傾ける(しかし聞き出せたとてできることはあまりに限られていてもどかしい)著者の無力感や絶望の一端をひしひしと感じながら、これを読ませてもらった自分も、海を、沖縄の声を、弱い存在の声にならない声をきちんと受けとり受け止めなければいけない、と思った。

    2
    投稿日: 2020.11.28
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    エッセイと言うものの内容はヘビー。そして最後には考え込んでしまう。そんな中で唯一の救いは娘の風花ちゃんの記述。彼女が大きくなっている時、日本は沖縄はどうなっているんだろう。

    1
    投稿日: 2020.11.13
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    著者を優しい人だと思っていた。繊細で丁寧で気配りのできる人だと。それはそうなのだろうと思う。でも,彼女は優しい人である以上に実は世界に絶望している人だった。 著者は他者の声なき声を声化し,ありのままの姿を描くのに長けている(岸はそれを『「かわいそう」でも,「たくましい」でもない』と表現している)。著者のそのような力は本書にも生かされている。彼女自身の声なき声を丁寧に聞き取り,それをありのままに表現している。 著者の表現は胸に響く。最初(『美味しいごはん』)から衝撃がはしる。ここまで書いていいのか,どういう想いでここを書いたのか。本書を読むたびに何度も何度も反芻させられる。涙も出てくる。 でも,著者はそのことに絶望しているように思う。わたしの声は胸に響く,でも,それ以上でも以下でもないのではないか,それを超えるにはどうしたらいいのだろうか。著者はそういったことに思い悩んでいるように私には思える。 本書を読んで心に響いて泣いて,多くの人に本書を紹介したいと思って,沖縄のひいては政治の問題について考えなければならないなど,そういったことが心に浮かぶ人は多いであろう。それはそれでいいことなのだと思う。 でも実はそれこそが著者が絶望していることなのだと私には思える。海をあげられた私たちはその絶望について考えなければならない。

    3
    投稿日: 2020.11.11
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    大きなイベント終わりに、やさしくご褒美のように届いていた一冊。すぐにするすると読んでしまった。号泣した。 滝のように情景や風景や心情が入ってきて、ざーっと読んで、わーっと飲み込まれ、最後の1行に撃ち抜かれた。 このリアリティを生きていない人もいるよな、この悲しみと空っぽさを、わからない人も絶対いるよな、と気持ちが遠くなったりもした。 だからこそ、多くの人の手から手に渡ってほしい本。 みんな、みんな、海をうけとってほしい(私の海も、受け取ってほしい)。 そこにずっと、食という生命をつなぐのに不可欠な要素もあったりして。人のぬくもりのある本だった。 この本を読んだ後で、「うみないび」という言葉を思い出した。 意味をすぐに思い出せなくて、 「うみ」が入っているからか?と思って調べてみたら、 「貴族の姫のことで、後に王女をさした。「び」は複数または敬意の接尾辞。」とのこと。 納得した。読んだら、わかるよ。

    3
    投稿日: 2020.10.31