
総合評価
(9件)| 4 | ||
| 2 | ||
| 1 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログ石村さんの絵画が好きで、こちらの本に出会い読みました。 幼少期からずっと絵を描いてきた方かと思いきや、 親子(母子、父子、そして3人)で歩んできた本当に地道過ぎるようなひとつひとつの出来事が、繊細に丁寧に紡がれた上での現在のご活躍に繋がっていることがわかりました。 著者がお父様であり、お母様であり、嘉成さんであることに本当に意味があり、 ご家族ひとりひとりの思いや葛藤がひしひしと伝わりました。 決して綺麗ごとにはできないほどの苦労や努力、 それでもなんとか未来を打開していく工夫、 たくさんの出会いをいい方向へ繋げる姿勢、 私にとって学びがたくさんありました。
0投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ「自閉症は障がいではなく人間のタイプのひとつ」 お父さんの和徳さんの言葉だが、とても良い言葉だと思う。 嘉成さんは2歳で自閉症と診断されたが、その時の心の葛藤や不安が伝わってきた。 そして「療育」に出会う。 なんでも子供の言うことを聞く親になってはいけないと、心を鬼にして「愛情あふれる、突き放し」を実践していく。 46時中、目の離せない子育ては、かなり厳しい。 それでも子供のためと一生懸命な姿に心を打たれた。
20投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログ意地悪く言えば、本書に書かれているのはあくまで奇蹟や僥倖とも言える成功例の「一例」である。もちろんそこからさまざまなことを学ぶことはできる(し、「一例」であってもかくじつにそうした「自閉症」者がいることが勇気づけられることはぼく自身も自閉症者として認めたい。ぼく自身、子どもの時期を振り返った)。たとえば療育にかんする心構えや受け入れ側の態度、どう社会において成人するか。こうした無視できない問題をとらえている点において本書は貴重だ。だが、ここから「自閉症=天才」という図式だけは間違っても導き出してはならない
1投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログ石村嘉成さんのファンです。個展も何度も行き、毎回感動します。お父様もとても素敵な方で、この本を読むとどれだけ真剣に嘉成さんを育てられたのかよく分かりました。
1投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログ2歳で自閉症と診断され、暴れる、なかなか発語がないなどのたいへんな時期を経て、その後、版画などのアーティストとして世界的に活躍するに至った石村嘉成さんの両親による「療育」の記録。 嘉成さんの療育に人生を捧げたといえる母・有希子さんは、がんにより嘉成さんが11歳のときに早世しているが、その想いを受け継いだ父・和徳さんが、有希子さんの療育の記録を引用しながら、子育ての歩みをたどっている。 とても貴重な療育の実践記録であり、心に迫るものがあった。有希子さん、和徳さんには本当に敬意を表したい。 四六時中向き合われていた息子の成長を見届けることなく世を去られた有希子さんの無念を思うと、心がぎゅっとなった。亡くなる2日前の奇跡の抱擁の写真(128頁~130頁)を見て、涙が止まらなかった。画家として活躍する嘉成さんの今があるのは、有希子さんの懸命の療育あってこそだと思う。 「愛情あふれる、突き放し」という石村家で実践された療育方針は、自閉症児に対するものだけでなく、子育て一般にとっても参考になるものだと思った。また、幼児期からの療育が大切というのもそのとおりだと感じた。 そして、本書で紹介されている嘉成さんの絵は、どれも慈愛の心とエネルギーにあふれていて、見ているだけでパワーをもらえた。 ただ、本書を読んで、ちょっとひっかかりを感じたのは、有希子さんが亡くなってからはシングルファザーとして本当にたいへんだったとは思うのだが、有希子さんが生きているときから、和徳さんにはもっと嘉成さんに向き合い、療育に参画してほしかったなぁとは思った。
1投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログ石村嘉成展を見に行くにあたり、この本の存在を知り読んでみました! 自閉症の息子と向き合った両親の行動や気持ちを知りました。 淡々と語っているように思うが、その背景での大変さというのは想像もできない。 でもこんなに人を惹きつけられる絵を描けるというのは彼と両親が歩んできた過程があるからなのかなと感じたし、本作で語られていたように描かれた動物たちの目は本当にキレイで吸い込まれそうになった! 展覧会も静かに黙々と鑑賞するというよりはみんなで楽しく見るという感じで雰囲気もすごくよかった!たくさんの人にみてほしいと思った!
10投稿日: 2024.12.09
powered by ブクログ障がい者支援を生業とするものとして…お母様お父様の療育に深く尊敬の念を抱くと共に、自閉症であろうとなかろうと、嘉成さんが素晴らしい才能のある「画家」であると感じました。私の周りにいる愛しい自閉症とされる人たちを思い、いつか「自閉症の」という枕詞がない世界になったらいいなあと思いました。
0投稿日: 2024.09.19
powered by ブクログ打算がない分ダイレクトに心に響く絵になるのかな。配色もビビットでカッコいい。ご両親の体当たりの育児の賜物なのだろうなと思いました
0投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログ障害のある子ども達とかかわっている1人の教師として、この本を読んだ時、改めて障害のある子どもを育てる両親の葛藤や苦悩、それに勝るほどの喜びなどを感じることができた。 「自閉症児の療育は2歩進んで3歩下がる」 昨日できていたことが、今日はできない、明日はできるかもしれないが、その先は分からない。だからこそ、できるようになった時の喜びはとてつもない。 私が障害のある子ども達とかかわる中で、特に嬉しい光景は、できなかったことができるようになった彼らの姿を見ることである。 この本を通じて、障害のある子ども達の親、周りの人たちがその子にどれほどの願いを、気持ちを込めているのか改めて知ることができた。 読みながら泣いてしまうこともあった。 教師として1人ひとりの子ども達にかかわることができる時間は限られている。その限られた時間の中で何ができるのかを常に考える必要があると感じる。 何をするかも大事だが、何ができるかを考えてみようと思う。
7投稿日: 2022.01.31
