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生物はなぜ死ぬのか
生物はなぜ死ぬのか
小林武彦/講談社
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総合評価

168件)
3.7
28
63
47
5
3
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    生まれて、死ぬ。全ての生命はそれを繰り返して、今の地球環境で生存していることになります。生まれて死ぬを繰り返す中で進化してきているのです。 最初に生まれた生命が不老不死だったとしたら、生物学的な進化を遂げるわけでも無く、その形のまま地球環境が大きく変化した時に適応できずに生命は終わってしまうことでしょう。遺伝子に老化や死は組み込まれているのだそうです。 本書には難しい話も出てきますが、生物に関する興味深い話を学ぶことができます。生物として考えると、生と死を理解できるのですが、身近な人やペットが亡くなると、とてつもない喪失感を味わい、なぜ死ななければいけないのか?と考えてしまいます。本書は、我が家の猫が亡くなったことがきっかけで読み始めました。悲しみが薄れるわけではないのですが、生き物は必ず死ぬということを生物学という視点で学ぶことができました。

    6
    投稿日: 2025.10.12
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    選択と変化、つまり進化によって、生き物には多様性がうまれ、繁栄してきた。その選択と変化を実現するために、死が存在している。死は、生物にとっては 必要な要素だということを認識できた。生き物にとって死の種類はそれぞれであり、死はそれぞれの生き方の結果であると感じた。途中難しい内容もあったが、生物科学に興味を持つことができた。

    7
    投稿日: 2025.10.09
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    大枠はつかめるものの、ちょいちょいついていけない小難しい話が。で、どうなのか、というところもちゃんとあるが、さらに深い話に仕立てることもできそうなのに、もうちょい!惜しい!…という超私見の感想でした。

    0
    投稿日: 2025.09.25
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    実は「生物はなぜ死ぬのか」より以前の 「生命とはなにか」がこの春以来、 熾火のように未だ燻っている状態だったので、 タイトルが目に入った途端連れて帰った本。 はじめにの1行目から、ものすごく興味深い。 宇宙的な視野の広さをもって見ると、地球には2つのものしかありません。 それは「生きているもの」とそれ以外です。(3頁) そうそう!その生きているものとそれ以外の決定的な違いを言語化してほしかったのよ! …と、思いながら第1章、 そもそも生物はなぜ誕生したのか 私にとってこんな最高の掴みはない。 ちなみに、先ほどの私の問いはあっさりと明かされる。すなわち、 生物と無生物の大きな違いは、単独で存在でき、それ自身で増えることができるかどうかです。(35頁) 序盤で早々に回答を得られてしまっても、この本が面白かったのは、昔学校で習ったはずの遺伝物質のお話や、最近ようやくその真意を少しだけ理解できてきたように思う進化論について、丁寧な図解とともに解説してくれているから。 そもそも、そこがわからないと、この本の大きな問いであるところ「死」について、説明しきれないのだろう。 ただ、正直めちゃくちゃ難しい。 通読したけど、細かい部分(RNAやDNAの塩基配列とか複製とかそういうところ)は2割もわかっていないと思う。 図解もあってめちゃくちゃ丁寧なんだけど、多分私に圧倒的前提知識が足りてない。 前提知識が足りていないと自覚しつつも、この本の向かうところ、「生物が死ぬこと」について、生物学的見地から紐解かれる内容は大変面白い。 捕食されて死ぬのか、老化により死を迎えるのか、個体としての死を丁寧に追っていくかと思えば、種としての生命の循環に繋がったり、ハッとする箇所がいくつもあった。 そんな中でもやはり、生物についていつかどこかで耳にした「ガスの火」の比喩がめちゃくちゃしっくりきたのが、自分的に次の足掛かりになりそうな知識のアップデートになると思う。 さらに、最後の方で書かれていたAIについての著者の見解が、私が今ぼんやり思っている不安の輪郭を見せてくれている内容で、「死」についての結論よりも印象に残った。 今年に入って、自分の頭で考えたことを誰かに伝えたり、そもそも自分の頭で考える習慣に対して異常なまでに興味を惹かれるのは、ここに対する自分なりのカウンターだったのかもしれない。 生命とはなにか? この本による言語化でスッキリしつつも、私にとってこの問いが持つ熾火はまだまだ消えそうにない。

    0
    投稿日: 2025.09.21
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    私が死ぬ」のではなく、「生命の流れに還る」と捉えると恐れが薄れる。 死は断絶ではなく、生命全体との一体化のプロセス。 生物学的に見ると、「死」は利他的なしくみです。 個体が死ぬことで、新しい命が生まれ、DNAは進化を続けます。
もし死がなければ、生命は停滞し、やがて絶えてしまう。 けれど、人としての私はやっぱり死ぬのも愛するものの死も
受け入れ難い。 この利己的な感情もまた自然なもの。
だからこそ、生きている時間や出会い、日々の体験が
より尊く感じられるのかも。 死は利他的、
でも「死にたくない」という思いが、
いまを生きる力になるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.08.27
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    「ターンオーバー」「選択と変化」「多様性」「絶滅」「進化」 これらが主なキーワード。 途中、「老化」についても書かれている。 「AI」について書かれていた箇所が、色々と考えさせられた。 生物は死ぬが、AIは死なない。 AIは死ぬことなく、情報をためつづける。 「死ぬことを繰り返して進化していく」のが、これまでの進化であったのに、 AIは死ななくても、進化していく。 それはとんでもない速度だろう。 「死なない」ことは、怖いことだ。 この先、死なないAIはどうなっていくのだろう。

    10
    投稿日: 2025.08.17
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    生物の誕生へと遡ることで「死」とは何かを問い直す内容。進化の歴史を紐解けば、人が死ぬこともまた必然であると理解できる。死を過剰に恐れ避けようとする人の営みは、生物の辿ってきた長い歴史からすればイレギュラーな反応に過ぎないのかもしれない。不老不死すら求める貪欲な人の姿は、生命の本来の意義から逸脱していると思えてきた。あと、てっきりテロメアの長さ=残りの寿命だと思っていたので、単純に寿命と一致するものでないと知って驚き。勉強になった。

    0
    投稿日: 2025.07.22
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    メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1946218225257353260?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

    0
    投稿日: 2025.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子どもが生まれたことをきっかけに、人間の生と死をもうちょっと俯瞰で見れるようになりたいなと思って読みました。生物学的なところは自分には理解が難しかったけれど、死の意味を考える良い機会となりました。 死があるからこそ生物は誕生し、進化し、生き残ることができるのか... 「命のたすきを次に繋げて、利他的に死ぬ」この言葉はすごく救われました。自分が生きていることにも何かしらの意味があるなと思えるし、身近な大切な人の死への恐れや寂しさを少し和らげてくれる気がしました。

    1
    投稿日: 2025.07.09
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    そうか、老化は必然なんだ。 そう気づかされたから、昨今の体力の低下とか病気とかを悲観するのではなく、正面で受け止められる気がする。 小林先生が易しい言葉に落としてくださっているように、「生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです。壊れないと次ができません。これはまさに、本書で繰り返してきた「ターンオーバー」そのものです。」P202 という事実を踏まえれば、自分が死ぬこともそう悪くないことだと思う。 願わくばこの何十億年もかけて進化を遂げたいのちのルールを、昨今の商業主義による激しい開発競争ただ中の抗老化研究が、真摯な検証もないままにひっくり返してしまうことのないよう祈っている。

    1
    投稿日: 2025.05.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結論は、生物は奇跡が重なって地球に誕生し、多様化し、絶滅を繰り返して選択され、進化を遂げてきた。その流れの中で偶然にして生まれてきた私たちは、その奇跡的な命を次の世代へと繋ぐために「利他的に」死ぬことが遺伝子に組み込まれているためだ。 この結論へ辿り着くために、序盤から終盤まで細胞や遺伝子の説明がなされる。 私自身が生物の授業を選択していなかった...のは言い訳だが、この説明部分は難しく感じた。 締めくくりのAIについての以下の警鐘は同感だ。 多くの知識を溜め込み、いつも合理的な答えを出してくれるAIに対して、人間が従属的な関係するになってしまう可能性がある。昆虫などの生き物に抱くような、ある種の「優越感」と逆の感情を持つのかもしれない。「AIは偉大だな」というような。

    0
    投稿日: 2025.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    天文学や昆虫学に関する言及もあってワクワクー! having bachelors degree なので、当時勉強したことも出てきて懐かしかったです。岡崎フラグメントとかテロメアとか。 あと生物と無生物の違い、 単独で存在することができそれ自身で増えることができるかどうか!! おもしろい!!

    0
    投稿日: 2025.05.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死は生命の連続性を維持する原動力っていう本。 ターンオーバー。 脱線が多く話が長く感じてしまった。 p. 202 死は生命の連続性を支える原動力 これまでお話ししてきたことで、生物共通の「死」の意味が見えてきたでしょうか。生き物にとって死とは、進化、つまり「変化」と「選択」を実現するためにあります。

    0
    投稿日: 2025.05.16
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    同時に進撃の巨人を読了 本書と重なる部分が多いことにおどろきつつ、進化と死の関係、死に対する人の感情への理解がすすんだと思う

    1
    投稿日: 2025.05.10
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    生物学的な視点から「死」について考察した一冊。進化の過程から「死」は生まれたのであり、生命が多様性を獲得し繁栄するために「死」はあるのだという。つまり、未来の子どもたち(人間に限らず)のために、親(人間に限らず)は死ななければならないのだ。そのために、生物は死ぬようにプログラムされている。であれば「死」を恐れる必要はないはずだが、そうはいかないのが人間。共感力が高いせいで、人だけが「死」を恐れ悲しむ。わかっちゃいるけどやめられない、ってやつだ。だから、せめて「死」の正体を知り、恐怖を和らげるしかないだろう。そのために役立つ本であった。

    0
    投稿日: 2025.05.06
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    とても楽しい。これから高校生物を学ぶ高校入学前の子どもにもおすすめ。生物を学ぶのが楽しくなる。ただし例示として出てくる用語(リストラ、ウルトラマンなど)が少し古いので子どもにはおそらくピンとこないところがある点は注意。

    0
    投稿日: 2025.04.19
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    2024 茨城県立医療大学/保健医療学部/看護 理学療法 作業療法 放射線技術科学/前期 2023 九州歯科大学/歯学部/口腔保健学科/前期 2023 九州歯科大学/歯学部/歯学科/前期 2023 群馬大学/医学部/保健学科 看護学専攻 検査技術科学専攻 理学療法専攻 作業療法学専攻/小論文

    0
    投稿日: 2025.03.18
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    書名の問いについて生物学者が答える本。その回答が明確にわかりやすくかかれていてサラッと読める。 それぞれの生物はその死に方にも意味がある。生物の進化から考えれば、その種の多様性の中で、その死に方を含めた遺伝子以外のその種は進化の過程で絶滅したのだから。・・・この主張に説得力があった。 遺伝子の難しい話も時々出てくるが、話の筋はわかりやすい。(各章の最後を読んで聞くと論旨がわかる) 最後は老化の話が書かれていたが続編があるのね。「なぜヒトだけが老いるのか」

    1
    投稿日: 2025.03.02
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    この著者先生のなぜ老いるのかの本を読んで、こちらも読んでみました。やはりと言うか、こちらの方が面白かったです。こちらにも老いの話は載ってますし。 生物学者の観点から、地球の生き物のライフサイクルを眺めた本です。 生まれてくるのは偶然の利己的な行為。 死ぬのは必然の利他的な行為。 この言葉が印象的でした。これを読んだからと言って死ぬのが怖く無くなると言う訳ではないですが、死ぬことは何か特別な恐怖の出来事ではないんだと思うことが少し出来ました。 それと、最後に記載されている、AIの出現が及ぼす影響のあたりは確かにそうかもしれないと思って少し怖くなりました。AIは便利だけど使うのはあくまでも人間であることを忘れてはいけないと思いました。

    21
    投稿日: 2025.02.10
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     138億年前、「ビッグバン」により宇宙が誕生し、46億年前に太陽系ができた。原始の地球で化学反応がくり返され、やがて偶然の産物から最初の「細胞」ができた。原始の細胞は「変化」しながら存在領域を広げ、様々な環境の中で「選択」的に生き延びたものが更に「変化」し多様性を増していった。葉緑体やミトコンドリアの細胞内共生により真核細胞が誕生し、やがて多細胞生物が生まれ、細胞間の役割が分化し、生物はより多様に、そしてより複雑な機能を獲得していった。天変地異による大量絶滅と、新たな生物相による秩序の再生は「変化と選択」の連続だった。その全過程において「死ぬ」という仕組みは保存されてきた…すなわち「死ぬ個体が選択」されてきた。「死」も進化が作った生物の仕組みの一部である。  自然界では食う、食われる、世代交代するという生と死の繰り返しの中で「命の総量」は一定に保たれている。自然界における「死」は、そういう必然的なものであり、実に淡々とした営みである。  一方で、社会的な生き物であるヒトにとって「死」は「共感」で繋がる大切な他者を失う恐ろしくて悲しいもの。この「社会性」もまた、「変化と選択」の中で受け継がれてきたもの…。  最終章の最後の項のタイトルは「ヒトが人であり続けるために」。人と人との血の通ったコミュニケーションが減っている社会、「死なない人格=AI」が影響力を増していく社会で、今後ヒトはどうなっていくのか、著者の考えを示すとともに、読者への大きな問いが投げかけられている。  宇宙ー細胞、原始ー未来と様々な軸で論理が展開される。その中に、「今のありようは、これまでの「変化と選択」の結果である」という生物学者の一貫した視点がある。最終章では生物学の話から社会学的な話に展開していく。難しい話も多いけど、著者が極力平易に、そして重要なことを何度も要約して伝えてくれるので読むことができる。  専門家としてのレンズ、世の中を見つめるスコープの広さ、それらを一般人に向けた言葉で語ること…「学識」とはこういうことを言うのだなと思った。

    1
    投稿日: 2025.01.21
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    誰もが避けては通れない(そしてしばしばタブー視され、発言を躊躇われる)「死」について、生物的知見により、比較的肯定的に捉えられていた。ただ、いくら肯定的に捉えられるといって、私の死に対する恐怖心は全く変わらない。これも、遠い先祖達が「死」と進化を通して、私たちをそういう死に対する恐怖を持つようにプログラムしたのだと考えるほかないのかも知れない。プログラムされたといえば、所詮箱庭の中で踊らされている感じもしなくないが、100年も人生が続くなら、どうせなら、楽しく踊ろう。

    34
    投稿日: 2025.01.18
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    話自体は分かりやすく書いてあるんだと思うけど学術的な要素が入っているからどうやっても自分は難しいなと感じた 不老不死を目指すことは利己的?って言う視点はとても面白かった 不老不死になっても腸の中でうんこが排出されずに詰まるだけだから今のシステムを変えないといけないと思うけど不老でいつか死ぬなら良いなと思った 生物の進化に関しての事はなんとなく知ってたけど根拠とかが分かって面白かった

    1
    投稿日: 2025.01.14
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    2025.1.13 読了 いま生存している生物は、過去の祖先が「変化と選択」をしてきた結果である。「変化と選択」により環境に適している個体が残り、現在に至る。 「変化と選択」の長い過程により、「死ぬこと」が生物にとって有利だから、生物は死ぬ。 種としてのヒトが行なっている「変化と選択」の一部分として自分も生きているのであり、ヒトが多様性を維持し種として存続するために、自分もいつか死ななければならない。

    1
    投稿日: 2025.01.13
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    生物は子孫へのマイナーチェンジを繰り返す。寿命が訪れることがなければ、増えすぎるし生物全体のターンオーバーも起こらない。死ぬことは生物の生存戦略であり、有性生殖の仕組みでもある。種で見てもも生物全体で見ても次世代にバトンを渡すために現状最適なのが死である。

    1
    投稿日: 2024.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【要約】 地球上に存在する生物は「変化」と「選択」の結果としての「進化」から作られている。その観点から考えると「死(老化)」も何らかの「選択」の結果だと言える。 まず細胞レベルで言えば、遺伝子の不安定性(変異)がスイッチとなって、がん化等を防ぐために老化が起こる。これはいくつかの早期老化症でDNA修復に関わる遺伝子の変異が報告されていることからも示唆される。(その他がん化を防ぐための機構として、免疫細胞による細胞の破壊やテロメアの短縮による老化がある。) また個体レベルで言う老化の意味として、一つ目に限られた空間や食糧の制約により死が必要であると言える。2つ目として、多様性を支えるために必要な死である。一般的に子供の方が大人よりも多様性が高いと言う意味で優れている。その多様性の高い子供たちを生かすために、大人は死んで新たな世代を作る材料となる。 【感想】 著者が主張していることには同感。ただ、個体としての死の意味については、特に新しい知見はなかったように思う。しかし、ところどころに散らばっている豆知識には、関心するところがいくつかあった。例えば、実験的にサルに少なくカロリーを与えると、寿命が長くなること等。これは、代謝が減って活性酸素等の副産物が減るからとのこと。またハダカデバネズミの不思議な分業生活はとても興味深い。私もハダカデバネズミのように、自分のできる仕事をそれなりにやりつつ、のんびり生きていきたい。 文体が話言葉風なので、分かりやすい人には分かりやすいのかもしれないが、やや稚拙な印象を与える。あと、話の脱線が多く、「何の話だっけ?」となることがしばしば。脱線話については、コラムなどで、別立てにすればより読みやすいかもしれない。

    0
    投稿日: 2024.10.26
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    同僚に勧められた本だと記憶している。最初の天文学の入りが難解だったが、細胞の話、AIに繋がっていった。

    0
    投稿日: 2024.09.14
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    千原ジュニアさんがざっくりYouTubeで言ってた、生物誕生の確率の話は、この本からだったんだ。 じっくり読んでも理解できない内容が多く、分かるところだけ読んでいくと、するするするっと読み進んでいきます。 文体は、とても読みやすいです。

    1
    投稿日: 2024.08.15
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    一言結論: 何が死を引き起こしているのか科学的なメカニズムの話は面白かったものの、本書のタイトルに対する答えに個人的な納得感はありませんでした。 感想: 生物学的な観点から死とは何かを理解する上で生物全般の死について扱い、人間の死に向き合い、だからこそどう生きるのかという話に着地していた点は誠実に未来を見据える著者なのだろうなと好感が持てました。専門的な部分で理解しづらい点もありましたが老化のメカニズムが詳しく説明されており、いっそう探求したい人も足がかりにできそうな本でした。全体的には堅苦しくなく分かりやすく書こうという努力が読者としてありがたかったです。 とは言え個人的にはやはり本書の1番大きな問いかけである「生物はなぜ死ぬのか」に対する回答が腑に落ちなかったことは最も残念でした。そもそもの前提として最初の生命が「プールに腕時計の部品をばらまいてかき混ぜると完成する確率」であると著者自身も言っていますが、宇宙的尺度においても10の-50乗分の1の確率は無視とされるほど起きないことと同義です。そのくらいの試行で生命誕生が達成されるとは到底思えません。ここが揺らぐとその後の話が全て揺らいでしまいます。 さらに、なかなか理解し難かったのが感情と死との関連です。死が進化によりプログラムされた不可欠のものであるなら、感情もまた然りであり、感情は死を肯定的に受け入れるあるいは喜ぶ方向に働くはずです。ところが人間は感情の生き物なので死に対する恐怖や悲しみがある、と著者は認めています。ここに矛盾を感じるのは私だけでしょうか? この本に限りませんが人間の現状を進化で説明しようとする時どうしても上記のような前提条件の破綻が起こるので、その後の話が全て机上の空論になり「ま、知らんけど」みたいな話に聞こえてしまいます。 これらに対する筋の通った説は果たしてあるのでしょうか。

    1
    投稿日: 2024.08.05
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    自然界の生き物はみな、ピンピンコロリ。老衰という概念なし。食べられて死ぬか、寿命で死ぬか。 ターンオーバーとしての死。老化細胞。サイトカイン。アポトーシス。 テロメア。 死はプログラムされている。長生き細胞は癌化することがあり、ガン化を防ぐ為にテロメア50回再生で死。 ハダカデバネズミは他のネズミの10倍長生き。ベニクラゲ。寿命なく若返る。テロメアがないから細菌は老化しない。若返りの研究はある。 多様性の為に有性生殖あり。

    0
    投稿日: 2024.08.01
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    生物がなぜ誕生したか、なぜ絶滅するのかあたりから順序立てて、生物からAIに至るまでのことが書かれており、とてもワクワクさせられる。真核生物の中でも、酸素呼吸を行うミトコンドリアがプロテオバクテリアという細菌が起源であり、光合成を行う葉緑体がシアノバクテリアという細菌が起源であり共生している、つまり、それぞれ共生が現存生物に恩恵を与えているという奇跡に感動する。

    1
    投稿日: 2024.06.04
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    138億年前にビッグバンで宇宙が誕生し膨張を続けて48億年前に地球を含む太陽系の惑星ができる。太陽という恒星(自ら光を発する星)との程よい距離で水や生物の材料となる有機物があって程よい温度であることが条件で生物が発生する。遺伝物質RNAができてそれが自己複製して生物になる。最初細菌(バクテリア)やもっと小さいウイルスができ、それはDNAやRNAの遺伝物質とカプシド(殻)からなりリボソーム(遺伝情報の翻訳装置)を持っていないので無生物に分類され、宿主細胞のRNAを使ってタンパク質を合成する。生物と無生物の大きな違いは単独で存在でき、それ自身で増えることができるかどうかである。 宇宙にはおよそ10の20乗個(1000億個の1000億倍)以上の太陽のように燃えている恒星がある。太陽系には8個の惑星があり、他に4400個程度の惑星がある。知的生命体の存在する惑星は銀河系の約1000億個の恒星のなかに10個程度とほんの僅かである。 地球は生物にとって、新鮮さに満ちて全てが常に生まれ変わる(turn over/生まれ変わり)のが最大の魅力である。絶滅による進化が新しい生き物を作る。死に方にはアクシデントによるのと寿命によるのと二通りがある。ヒトはアクシデントもあるが、最終的には寿命という「老化」の過程で死ぬ、老化は細胞レベルで起こる不可逆的生理現象、細胞の機能が徐々に低下し分裂しなくなりやがて死に至る。大元の原因は免疫細胞の老化による免疫力の低下や組織の細胞の機能不全によるもの。 死ぬ理由は食料や生活空間の不足と「多様性」のため。細胞分裂でもっとも重要なイベントはDNAの複製であり、有性生殖が多様性を生み出すのに有効だったのでこの仕組みを持つ生物が選択されて生き残ってきた。配偶子形成は単に卵や精子を作るための機構ではなく染色体の中身までをシャッフルして可能な限りの多様性を生み出すためのプロセス。子供のほうが親よりも多様性に満ちており生物界においてはより価値がある。生物はそのような多様性重視のコンセプトで生き抜いてきた。せっかく有性生殖で作った遺伝的な多様性をこそ損なわない教育も必要である。多様性イコール個性である。 生き物が生まれるのは偶然だが死ぬのは必然、利己的に生まれ公共的に死ぬ、死は生命の連続性を維持する原動力、次の世代のためには死ななければならない。 死ぬ人間に対して、死なないAIが究極まで発達すると「AIは自分で自分を殺す(破壊する)かもしれない、人の存在を守るために」ということも考えられる。 人類という生物はDNAに組み込まれた進化の原理に沿ってその原単位である遺伝子の意思で生まれて・生きて・死んでいく。 時空の極限(無限)まで思考する「物理学」はミクロの遺伝子「生物学」と連環している。かつて読んだ「分子生物学」の動的平衡論の話や「量子力学」のゼロポイント・フィールド仮説の超自我意識・宇宙意識の話にも繋がる。 従来、学問は分野を細分化して専門特化することで深めたが、時空や全体を視野する拡がりを失ってきた。自然科学と人文科学も同様で、人間社会の歴史、個人の思いや感情も宇宙次元の全体系のなかの必然的な一場面なのであろう。 森羅万象すべてが「曼荼羅」のように繋がっている。 哲学的・宗教的自問自答の世界にはまり込む。

    0
    投稿日: 2024.03.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    漠然と死ぬって怖いなとか、まだ死ぬには早いな、もったいないなって考えたことがあり、題名にも惹かれたので読んでみた。 この本によると、生き物が死ななければいけない理由は2つあり、①食料や生活空間の不足、②多様性のため。前者は結果論であり、死ななければならない根本的な理由ではない。 生き物の激しく変化する環境の中で生き残る仕組みは「変化と選択」であり、多様性を確保するためにプログラムされている。 実際に、生物的な歴史の中で他の生き物が環境に適応し、進化してきたように、死に対してショックを受けるという人の感情も変化と選択の進化の過程で獲得してきたものである。人の進化の過程で、自分だけが生き残ればいいという「利己的な能力」より、「集団や全体を考える能力」の方が重要であり、選択されてきた。 自分1人だけではもちろん生きていけない。学校でもスーパーでも、どこに行っても誰かがいることで世の中が成り立っている。そう考えると、もちろん自分の人生は重要にするけど、同時に他の人の人生も豊かにできるのであれば自分の人生はもっと素晴らしくなるんじゃないかなと思った。それが集団や全体を構成する1人の役目なのかと。

    1
    投稿日: 2024.02.17
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     語りかけるように説明されています。まずはビッグバンから、えぇ!?そこからですか?、もしかして、小林先生、お子様や学生さんに説教するとき、ビッグバンから入るタイプですか?  といういうわけで、ビッグバンから生命(生物)誕生、生物の進化について説明されます。そこでのキーワドの一つが「ターンオーバー」作っては分解して造り変えるリサイクル、もうひとつが「選択と変化」と「多様性」です。特に強調されていたのが、進化を加速するものとしての「絶滅」です。恐竜の時代から哺乳類の時代へ移れたのも絶滅のおかげ、という訳です。  そしていよいよい「生物はどのように死ぬのか」「ヒトはどのように死ぬのか」とすすみ、最終章で「生物はなぜ死ぬのか」と、まとめていらっしゃいました。  私が面白かったのは、「どのように」のところですね。いろいろと知らないことを教えていただき、勉強になりました。  私が特に面白かったのが、テロメア短縮で老化スイッチON!なんだけど高齢者テロメアは極端に短い訳じゃなくて個体レベルではまだよく分らん、そうなんですね勘違いしてました。  そして「アポトーシス」に関わるお話も興味深かったです。細胞死しない老化残留細胞は、炎症性サイトカインまき散らして、大暴れするそうです。細胞死を邪魔しているのが、FOXO4というタンパク質。そんでもって、そいつを邪魔すると、マウスの毛がフサフサとか。   テロメア合成酵素も大切、酸化・DNA損傷を避けることも大切、そしてアポトーシスも大切なんでね「老化」には。  私の場合、自分が死ぬという意識が希薄なのか、「死」よりは「老化」視点で読んじゃったみたいです。

    40
    投稿日: 2024.02.16
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    COURRIER JAPON 著名人の本棚 橋爪大三郎さんの推薦図書より 「生き物は利己的に偶然生まれ、公共的に死んでいくのです。」 生物学の観点で語ると、次の世代の変化の為に死ぬ(死ななければならない)となれば、死は否定的なものではなく、祝祭のようなものかもしれない。 新たな「始まり」との言葉は納得である。 消費と競争ばかりの資本主義社会を生きる今、ハダカデバネズミのスローライフな生態と、腹八分目が寿命を延ばす話はなかなかに示唆的だった。 (医学が進歩して寿命は延びたかのように見えるが、実は寿命を縮めるような強ストレス社会になってはいないだろうか。) 人間は社会的な生き物であるので、子供を産んでいようが産んでいなかろうが、社会で子育てをしていこうという話に繋がるのもよかった。 最後の最後に、情緒面での死についての考察で、人間の持つ「共感力」こそが社会をまとめる骨格になる、という指摘も腑に落ちた。 なぜ、死は恐れられ否定的なものと捉えられているのか。なぜ、死は悲しいのか。 個体としての絶命以上に、社会的な死=絆の喪失がある。 これは人間が人間である由縁なのだろう。 死の二面性が興味深い。

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    投稿日: 2024.02.05
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    自然の中で老いがある生物がほんの一部しかないことに驚いた。細胞の老いと個体しての老いは違うが、せめて細胞だけは長く分裂してもらうためにも努力したい。読むのが難しかった!

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    投稿日: 2024.01.16
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    「生き物は利己的に偶然生まれて、公共的に死んでいく」という言葉が印象的。 生物学的な専門の話は少し難解だけど、そこを読み飛ばしても充分読み応えある。 も一回読み直したい。

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    投稿日: 2024.01.14
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    進化の結果、死が作られたとは驚きでした。統計的には衰えはじめは55歳くらいでガタが来はじめ、最長でも寿命は115歳くらいとのこと。人間、生物の死のメカニズムにスポットを当てた論考は、とても興味深く、専門的な説明は難解ですしたが、挫折せず通読できました。

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    投稿日: 2024.01.13
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    スケール大きく、知的刺激溢れる。しかも、説明上手で分かりやすい。生物学の込み入ったDNAの話とか、関心があるのに理解が及ばない領域に一歩踏み入れたい人にはオススメの入門書と言えるだろうか。話は宇宙の成り立ちから始まる。 現在観測できる最も遠くの星は、2018年にハッブル宇宙望遠鏡がとらえたイカロス。地球からの距離は90億光年。幅が30メートルある巨大な望遠鏡TMTでは、138億光年先が見える。宇宙にはおよそ10の22乗個、つまり1000億の1000億倍以上の恒星があると推定される。太陽系のように恒星である太陽の周りに惑星が8個あるのは例外的に多く、恒星の周りに惑星がない方が一般的。現在までに発見されている惑星は4400程度で恒星に比べるとかなり少ない。中でも生物が存在する可能性のある惑星はかなり限られる。 ビックバンの巨大なエネルギーが宇宙を膨張させ、星を作り、太陽系を作った。ビックバンは物質や質量を生み出すと同時にそれらの化学反応も作った。化学が登場する。つまり物理学の後に化学が生まれ、生物学はその後に続く。 そこからなのだ。地球の素晴らしさは、生物の多様性だと著者は言う。多様性は進化の歴史だ。絶滅を伴うターンオーバーが生物の進化を加速。例えて言うなら、容赦ない生物界のリストラが進化の原動力。やがて絶滅するか生き延びるかと言う生命誕生時代ステージから、共存のステージへと変わっていく。そのことが多様性を生んだ。 適応放散とは、恐竜などの生活場所に別の生き物が時間をかけて、適応進化してその場所で生活できるようになること。食料不足に強い小型の生物や食料の探索能力が高い鳥類が生き残った。昼行性の恐竜がいない新生代は夜行性である必要もなくなった。その頃に豊富な果実によって、霊長類の祖先は、体内でビタミンCを作る遺伝子を失った。代わりに、夜行性の時代には、2色の色覚遺伝子のみだったが、色覚遺伝子が1つ増えた。これにより、より果実が見つけやすくなったと考えられる。 よりミクロな話。DNAが誕生する前にRNAが遺伝物質として使われていたと考えられていた。DNAの方がより安定して、しかも2本がくっついた二重螺旋構造なので、より長い分子が維持できてたくさんの移転情報を持つことができる。しかしDNAもRNAも脆弱。紫外線によって強く欠乏してしまうし、放射線によってDNAはすぱっと切断されてしまう。活性酸素によってもDNAが酸化。 ミトコンドリアは酸素呼吸を行うプロテオバクテリアと言う細菌だった。それを取り込むことで真核細胞が誕生した。一方、葉緑体はもともとシアノバクテリアだった。それを取り込んで、植物細胞が誕生した。 細胞の話から、ようやく死の話へ。細胞が老化すると、アポトーシスが起こりにくくなり、組織にとどまる傾向がある。そのとどまった老化細胞が、サイトカインを撒き散らす。それにより炎症反応が持続的に起き、臓器の機能を低下させたり、動脈硬化や癌などの原因となる。また、DNAに傷がつくことで、老化が促され結果として死に至る。 個体にとって、死は忌むべきアクシデント。しかし、種の保存や進化にとって、個々の死は必要な過程だと改めて学ぶ。また、しかし人間には死を悼む情緒も備わっており、必ずしも生態系における合理性だけでは死を扱えないという点にも触れる。バランスの良い内容だ。

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    投稿日: 2023.12.28
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    DNAの説明など専門的な下りは難しいなと思いましたが、「生物はなぜ死ぬのか」については(理解不足はあるかと思いますが)「そうか、そういうことのか」と思えました。 今、生きていることに対して客観的に見ることがてきるようになったように思います。

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    投稿日: 2023.12.24
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    生と死、何と奥深いことか。 生まれてきた以上、次の世代のために死ななければならないという言葉がとても印象的。 死ななければならないヒトと死なないAIの話も興味深かった。

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    投稿日: 2023.12.18
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    生命の誕生以来、あらゆる生命体に生じる「死」。 人類も例に漏れず、どんな偉人でも必ず死ぬ運命にあり、王侯貴族が不老不死に向けた儚い努力をしたののの実らず、必ず死んできた。 そのように忌むべき存在として語られがちな、死であるが、そもそもなぜ「死ななくては」いけないのか。 系としての「死の目的」は何かあるのかを問うた本書。 個人的には死生観の転換を促したといってもいいほどの良書。 生物的な死の役割と、生命を構成する基本設計も学べます。 1.そもそも生物はなぜ誕生したか 2.そもそも生物はなぜ絶滅するのか 3.そもそも生物はどのように死ぬのか 4.そもそもヒトはどのように死ぬのか 5.そもそも生物はなぜ死ぬのか ・ポイントは変化と選択。個体の死によってターンオーバーし変化が促される ・老化は癌が急激に増殖しないための仕組みの副作用 ・遺伝的多様性を損なわない教育が重要 ・腹八分目だと細胞分裂可能な回数が伸びる ・ヒトにとって死の恐怖は、「共感」で繋がり、常に幸福感を与えてくれるヒトとの絆の喪失を恐れること。

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    投稿日: 2023.11.29
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    新書にしては語り口調が優しく読みやすい 人はなぜ死ぬのか、という問いに対し 生物学的に、ときには私見を交えてくれている 生物学をあまり理解していないが ある程度優しく、図解もあるので読みやすい 宗教や哲学視点で死について 読み、考えていたので 生物学視点は興味深かった

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    投稿日: 2023.11.16
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    自分は人として珍しいのかもしれない。 というのも、死に対しての恐怖があまりない。 だからといって、生についての喜びを毎日感じている訳でもない。 このような人はこの世の中にどれぐらいいるんでしょうか?笑 でも、この本を読んで「生まれるのは偶然だが、死は必然」と言われると、楽しんで人生を送りたいなと思った。 死は進化に繋がる。 その過程で同情や徳を学んだ。 論語でもあったけど、これからも徳を積んでいきたいと思う。

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    投稿日: 2023.11.10
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    生物は利己的に生まれて、利他的に死ぬというフレーズが印象的。 生まれたからには死ななければならないということで、個体としては死は終わりだけど、ヒトという種や生物という括りで見れば、死ぬことは終わりではなく始まりである、てことだった。 何やら壮大な…。 人間は共感性が強いので死に恐怖を感じるけど、それはそれとして。 そんなこと言われても、て感じだけど(笑)。 最後に少しだけ出てくるAIについてが興味深かった。 生物には死があるが、AIには死がないという問題。

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    投稿日: 2023.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     太陽から地球まで、光の速さで8分19秒かかる。現在観測可能な遠い星はイカロスで地球から90億光年。気が遠くなります。地球には生物と生物以外(水、土、空気)が。小林武彦「生物はなぜ死ぬのか」、2021.4発行。生物・ヒトの生と死についての極めて理論的で難しい話でした。私がわかったのは、細胞は約50回分裂すると死ぬということだけです。面白くなかったです。失礼しました。

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    投稿日: 2023.10.27
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    進化の視点からヒトという生物を見たとき、今の自分たちは進化の結果である。また、有性生殖で多様性が発生しないと配偶子が作れない。多様性は進化の意味でも必要性があったから残ってきた部分。多様性について語られることも多いが、遺伝子や生物として多様性が必要という視点はとても興味深かった。 また、長寿やDNAに関する洞察も読んでいて面白かった。

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    投稿日: 2023.10.10
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    読者にどの程度の前提知識を求めるか?ここが全然狙いをもって設定されてなかったんじゃないかなと思った。 自分の知識量と経験では、ところどころ論理的につなげて理解できない箇所があった。

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    投稿日: 2023.09.30
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    ーつまり、死は生命の連続を維持する原動力なのです。本書で考えてきた「生物はなぜ死ぬのか」という問いの答えは、ここにあります。 本文より引用 ここ一週間以上、体調を崩して本を読む事ができなかったのだが、久々に読書ができて嬉しい。しかしまだ頭がぼーっとするので全て頭に情報が入ったかどうか… それはさておき。 タイトルに惹かれて手に取った本書。きっと私以外にもたくさんの人が興味を示すテーマである事だろう。本書は生物学の観点から、様々な視点から生物の絶滅や進化、そして死について語る。 「生まれてきた以上、私たちは次の世代のために死ななければならないのです。」という言葉は強く印象に残る。 次の世代のために死ななければならないヒトと、死なないAI。そういった見方も興味深かった。 そして死を意識するのはヒトだけであるとしたうえで、なぜヒトは死を恐怖するのか?について、「ヒトにとって「死」の恐怖は、「共感」で繋がり、常に幸福感を与えていてくれたヒトとの絆を喪失する恐怖なのです。また、自分自身ではなく、共感で繋がったヒトが亡くなった場合でも同じです。」と綴られており、なるほど確かにと頷いた。 共感能力が高いからこそ、ヒトはここまで進化してこれたし、死に怯え、悲しむ。 難しく感じる部分もあったが、思った以上にするりと読めた。生物はなぜ死ぬのか。最後まで本書を読んでも、全てが釈然としたわけではない。きっとそれこそ、死ぬまで考えるテーマになるのだろう。これからもヒトが追い続けるテーマなのだろう。 そう思えば思うほど、死と生の奥深さを改めて感じる。

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    投稿日: 2023.09.05
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    生物は死ぬことを繰り返して弁証法的に、高みをめざしていった。人間がいるのも、最初に出来た細胞が死んで生まれての分裂を繰り返して人間になったらしい。正直、神様的な存在が居ないとこんな綺麗に物事が進む気がしない。 生物は死ぬ事で多様性を増やして言ったから死ぬんだ!って言われたけど、個人としては自分が全てなんだし、だから死のうか!とはならない。 正直p2688の細胞が~を遮断するためにー、みたいなのは分からなかったけど、生物学的に自分の体に着いて何となく知ることが出来て良かった なんで神様は自分に意識を与えたのだろうか、、、

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    投稿日: 2023.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生物学的に死ぬことについて説明した一冊。 タイトルにある『なぜ』は、生物学的には種の繁栄のためのターンオーバーのため、という結論。それ以上の願意は特にないのが、良くも悪くももこの本の思惟。

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    投稿日: 2023.07.15
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    「生き物は利己的に生まれ利他的に死ぬ」 生物の絶滅について 「隕石の落下級のダメージを人類が与えている」 なかなか面白かった

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    投稿日: 2023.06.24
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    生物学のベストセラーとして朝日新聞で紹介されていた本である。生物は死ぬということで、あるいは絶滅したということで新しい種が交代した、ということで考え方を転換させる本である。  生物学について丁寧にわかりやすく説明しているので、生物学を手軽に学習してみようと考える学生には最適の本であろう。

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    投稿日: 2023.06.20
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    生物はなぜ誕生したのか、なぜ絶滅するのか、生物はどのように死ぬのか、ヒトはどのように死ぬのか、生物はなぜ死ぬのか 上記5章から成る。 本書のタイトル「生物はなぜ死ぬのか」に対し、『次の世代へ命のたすきを委ねるため』と述べている点が印象に残った。いまある命は死によって繋がれてきた進化の結果であり、死によって生命が選択されてきたおかげで人類の今の繁栄があるのだなーと。

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    投稿日: 2023.06.08
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    ときおり出てくる専門的な解説も、わかりやすい図版が多少なりとも理解を助けてくれている。 表題の内容については、第5章にすべて言い尽くされているであろう。進化の歴史から生物の死というものを客観的にとらえようとするいかにも科学者らしい態度には好感が持てる。

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    投稿日: 2023.05.12
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    専門的な記述は少し難しかった。youtubeなど利用して理解を深めると面白い。全体的な印象としては解剖生理学的見地からで読み返すことで一層理解が深まる気がする。

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    投稿日: 2023.04.30
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    生物学をベースにした染色体などの話が専門的で理解できなかった。 今生きている生物は過酷な生存競争に勝ち抜いた強者だという事は理解できた。死に抗うのは人間だけだという。 他の生物は食われて死ぬか生殖したら死ぬように出来ており人間は子育ての期間があるからしばらくは生きていなければならず独自の悩みを生み出したのだろう。 死を肯定的捉えることができた。

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    投稿日: 2023.04.29
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    死ぬのが怖い、死にたくない、なんで死なないといけないの?といった考えの方が読むととても面白いと思います。 生物学的には死ぬのはいつか死ぬのは当然だけど嫌だな、死ってなんだろうといった考えの方が読むと、生物学的な主張に留まっているため、あまり新しい発見はない気がしました。 最後のネズミからの人間社会、AIなどの考察が個人的には期待外れ。

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    投稿日: 2023.04.16
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    私の読み方が浅いせいもありますが、タイトル、テーマ設定に答えるという点において、かなり、物足りない感じがした。

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    投稿日: 2023.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「25メートルプールにバラバラに分解した腕時計の部品を沈め、ぐるぐるかき混ぜていたら自然に腕時計が完成し、しかも動き出す確率に等しい」 「死は長い生命史から考えると、生きていることの原因であり、新たな変化の始まりである」 「生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然」 生物にとって個々の死は死ではないんだな。決して悲劇なんかではない。生物は種ごとで存在している。人間は感情を持つから一つ一つの死を悲しむけど、他の生物は生物ごとで考えている。なんとなくだけど、死の意味を理解できた気がする。

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    投稿日: 2023.03.05
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    生物学の観点から、「なぜ死ぬのか」という問いに丁寧に一つの答えをだしていく本。 普遍的かつ抽象的な問いに対して、学問の観点から紐解いていく様は中々に素敵。 生物の専門的な話も複数出てくるものの、語り口は優しいためスラスラ読める。 変化と選択のための死という答えは、ある意味想像できる答えではあるが、科学的なロジックで整理されると説得力が増す。

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    投稿日: 2023.03.02
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    人間をはじめとする生き物たちはなぜ死ぬのか、という疑問を生物学的に考察した本。RNAやリボソームが云々というような、多少専門的な話もあるけど、全体としては生物学に詳しくない人でも分かるように書かれている。死ぬのは必然、必要だから死ぬのだ、という視点は面白い。そしてハダカデバネズミの話が興味深い。 最後のAIについての話は、ちょっと「ホモ・デウス」を思い出した。

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    投稿日: 2023.03.01
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    細菌から人まで地球上の全生物がどのように生まれ、どのような仕組みで、どのような道を辿り現在に至るのか。 それらを分かりやすく丁寧に教えてくれる一冊。 ウイルスの例として新型コロナウイルス(COVID‑19)にも触れており、わけも分からずコロナ禍を生きた私にとっては、コロナへの理解が深まる良いきっかけとなった。 生物学のベストセラーに「利己的な遺伝子」があるが、難解なあの本を読む道標にもなってくれるだろうと感じた。

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    投稿日: 2023.02.21
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    「多様性」こそが進化にとって、いちばん大切なこと。 周りに流されず、自分の意志を持って、良くも悪くもやりたいように生きていく… 「お前の好きなように生きろよ」と、今まで生きてきた生物全てから言われたようで、背筋がピシッとなった…

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    投稿日: 2023.02.18
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    Weekly落合で対談していたのをきっかけに読んだ本。 基本的な考えは個体を存続させることではなく、種として生き延びることを目的とされている。だからこそ、死なない個体が出てくると、種として生き延びにくくなるのだろう。 そういう意味ではアンチエイジングと言って頑張っていても限界があるのだろうと感じた。

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    投稿日: 2023.02.06
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    生物の死は、補食や災害などのアクシデントによるものが主たる要因となっており、老化して死んでいく生態は少ない。原核細胞の生物には老化や寿命がなく、それ以外にもベニクラゲなどは寿命による死がない。一方でヒトは細胞の分裂回数の限界と幹細胞の老化による生態活動や機能の減衰によって死に至る。ガンも心疾患も脳血管疾患も要因は老化である。 一方、選択圧による進化の観点からは、親世代が死ぬことによって、多様性と変化が持続して、環境に適応して種が存続していく。 横道の話が多く、面白い半面、各章のテーマやつながりが読み取りにくいと感じた。

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    投稿日: 2023.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生物学の本ははじめてだけど面白かった! 難しいことも書いてあるけど、うまく読み飛ばせば、どんな人でも楽しく生物の進化の仕組みが学べると思います。 個人的には、脇道的な話でしょうが 腹八分が長寿には良いと言うのが衝撃(大食いなので)でした。 ------- 読み終わりました。 最後、思わぬ方向(子育て政策やAIの話)に進むのですね。 生物学者である小林さんがどのように社会を見ているか、ということだと思うのですが、最後に書くくらいなので、多分、真剣に人類の絶滅が起こるかもと懸念しているのだろうと思いました。 ・人間活動による生物の大量絶滅に影響を受け絶滅 ・少子化による人口の自然減少による絶滅 ・AIからなんらかの影響を受け絶滅 生物学って、天文学と同じくらい実用性のないマイナーな学問のイメージ(本当にごめんなさい)があって、一生関わらないだろうくらいの距離感だったのですが、こうゆう視点からもこれからの社会を議論するべきなのだろうなと思います。

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    投稿日: 2023.01.17
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    大方が生物学的に見た"生物の老化や死"について、最後は"死なない"AIとどう共存していくべきかということが論じられていた。 ✏DNA複製のたびに、つまり細胞分裂のたびに染色体の端がプライマーの分だけ短くなる。実際に、テロメア(染色体の末端の繰り返し配列)の長さをを比べると、若い人のほうが多少長い。ただ、個人差も大きい。 ✏テロメアの短縮による老化への誘導が、細胞の分裂回数を制限するメカニズムの正体である。 ✏ヒトの体細胞ではテロメア合成酵素が発現していないため、ヒトの体細胞は約50回分裂すると分裂をやめ、やがて死ぬ。 ✏人の細胞にもテロメア合成酵素が発現していてテロメアが短くならない長寿の細胞がある。代表的なものは、幹細胞と生殖細胞である。 ✏ただ、これらも加齢とともにテロメア合成酵素の活性が低下し少しずつテロメアは短くなると考えられていて、新しい細胞の供給は次第に減っていく。 ✏「幹細胞の老化」が個体の老化を引き起こす ✏体細胞でも例外的に入れ替えをしない組織がある。心筋と神経細胞である。 心筋細胞は生まれてから太く大きくなることはあっても数が増えることはない。 神経細胞は幼少期が1番多く、その後は基本的に減っていく。 ✏がん化のリスクを避ける2つの機能 ①免疫機構 ②細胞老化 ✏細胞老化には、活性酸素や変異の蓄積により異常になりそうな細胞を異常になる前にあらかじめ排除し、新しい細胞と入れ替えるという働きがある。なぜ、テロメア合成酵素の働きをわざわざ止めて老化を誘導するという勿体ないことをするのかーこの問いに対する答えは、ここにあった。

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    投稿日: 2023.01.04
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    天文学が好きで、生物学を専攻された小林氏による著者です、彼の本は初めて読む本となりますが、隣駅の本屋さんの店頭で目についたので読んでみることにしました、良い出会いに感謝しています。 私たちはなぜ死ななければならないのか、今まで地球に何度も大量絶滅したのは何故か、その結果何がもたらされたついて書かれている部分が印象に残りました。この数年のコロナ騒動が現代の人類の大量絶滅につながらなければ良いと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・ウイルス自身では体やエネルギーを作るために必要なタンパク質を作ることができない、その合成はリボゾームという遺伝情報の翻訳装置が行いますが、ウイルスは持っていない。(った33)生物と無生物の大きな違いは、単独で存在でき、それ自身で増えることができるかどうかである(p35) ・ヒトは本能的に新しく生まれたものや変化にまず惹かれる、地球はまさにこの新鮮さに満ちている。全てが常に生まれ変わり、入れ替わっている。作って分解して作り替えるリサイクル(=ターンオーバー=生まれ変わり)こそが奇跡の星地球の最大の魅力である(p48) ・過去5回の大量絶滅、1)オルドビス紀(85%絶滅、4.4億年前)、2)デボン紀(海生生物を中心に80%、3.74億年前)、3)ベルム紀(生物種の95%、2.51億年前)、4)三畳紀(75%絶滅、1.996億年前)、5)白亜紀(恐竜など70%絶滅、6650万年前)(p68)白亜紀の絶滅において、小型のものは食料不足に比較的強く、さらに小型化して生き残った、爬虫類から進化した鳥類は、食料の探索能力が高く生き残った、哺乳類も気候の変化に比較的強く、生き残ることができた(p75) ・霊長類の祖先は、果実を豊富にビタミンCをとることができるようになり、ビタミンCを作る遺伝子を偶然失った(p77) ・目の色覚に関する遺伝子は1つ増えた、夜行性の時代には2色色覚(赤と青)の2つの遺伝子のみが、赤を認識する遺伝子が遺伝子増幅によって2つに増えて、増えた一つが変異を起こして全体の4%が、緑の波長に反応する遺伝子となった、おかげで色覚が向上し、果実がより見つけやすくなったと想像される、参考)これは光の三原色と同じ、色の三原色は、マゼンダ(赤紫)イエロー、シアン(青緑)(p78) ・霊長類はアフリカで誕生したと考えられるが、大きく2つのグループに分かれた、1)アマゾン流域に移り住んだ霊長類のグループは密林の中で進化しましたが、木の上という隔離された空間で大きな変化はなかった、2)アフリカに残ったグループは、気候変動・砂漠拡大により森林が減少し、木から下りざるを得ない状況に追い込まれた。逃げ足の速い賢いサルが生き残って(数百万年続いて)生き残った個体がヒトへと進化した(p81) ・生物が作り上げた進化は、実は「絶滅=死」によってもたらされた(p82) ・細菌が多細胞化の道を歩まなかった理由の一つは、ゲノムの構造にある、テロメアを持たないことにある。テロメアとは、染色体の末端を分解から保護する役割を持つ特殊な構造である。分解に要する時間が短くて済むので、次々に分裂して数を増やすため新しい環境に適応するまでの時間が短くいろんな環境で生き残れる(p94) ・地球には名前のついているものだけで180万種の生物種が存在し、その半分以上の97万種は昆虫である。動物の系統図を見ると、無脊椎動物の枝の頂点、つまり一番最後に現れたのが節足動物であり、その一つが昆虫である、別の言い方をすれば、最も進化して複雑化した生物が昆虫である(p102) ・人の老化を研究するためにマウスをモデル動物として採用するのはあまり良くないかもしれない、つまり人とマウスは死に方は違うから(p109) ・日本人の寿命の変遷を見ると、旧石器から縄文時代には平均寿命は13−15歳であった、弥生時代になり稲作を始めると20歳程度、人口も60万人程度、平安時代には31歳、700万人、鎌倉・室町には戦争・気候変動により20代に逆戻り、16歳程度、江戸時代になると38歳程度、明治大正には、43歳程度、戦争中は31歳となったが、70年後には女性87歳、男性81歳となった、過去100年間で寿命は倍になった(p120) ・一番入れ替え周期の短い組織は、腸管内部の上皮細胞で数日、皮膚が4週間、血液が4ヶ月、一番長いのは骨細胞で4年である、なので人の体の細胞は4年でほとんど新しいものと入れ替わり「別人」となるというのは言い過ぎだが、徐々に老化した細胞から順番に入れ替わるので姿形が変化することはありません(p132) ・細胞老化には、活性酸素や変異の蓄積により異常になりそうな細胞を異常になる前にあらかじめ排除し、新しい細胞と入れ替えるという非常に重要な働きがある。これによって癌化のリスクを抑えている。なぜ、テロメア合成酵素の働きをわざわざ止めて老化を誘導するという勿体無いことをするのか、という問に対する答えがここにある(p151) ・有性生殖とは、マイナーチェンジの多様性を生み出すために進化した仕組みである、有性生殖が多様性を生み出すのに有効だったから、この仕組みを持つ生物が選択されて生き残ったことになる、生物のほとんどがこの有性生殖の仕組みを大なり小なり取り入れている(p169) ・食餌を減らすと寿命が延びる理由の一つとして、代謝の低下、代謝が活発になると副産物として活性酸素がある、これがDNAやタンパク質を酸化させて働きを低下させる、食餌制限により活性酸素の量が減少して寿命延長に貢献している(p185) 2022年12月15日読了 2022年12月31日作成

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    投稿日: 2022.12.31
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    生き物によって「死」のあり方は多様だ。人間の「死」を相対化できるのがこの本のよいところ。前半が特に良かった。

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    投稿日: 2022.12.24
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    なぜ死ぬのか。 原因と意味。 アポトーシスが原因かと思ったら、むしろ、アポトーシスしなくて老化する、エラーな細胞が増えるから。大体、55歳過ぎると急激にリカバリー力が衰える。 死ぬことによって、次の世代の「材料」になる。また、変化と選択、多様化、進化が進むためには、古い世代は消えてゆくしかない。なんつたかて、「たった一個の細胞」から、ここまで多様で多種で多量な生物が展開した北戦略だから。 なるほどなあ。 たった一個の細胞も、ただの比喩ではなく、もう一個発生することがまずあり得ない。生命が生まれる確率は、「25メートルプールに部品ぶちこんでかき回して、偶然腕時計が出来て、しかも正常に稼働する」のと同じだと聞けば。 人間はしかし、次の世代に展開するために、社会と教育が必要。それも「多様性」を蔑ろにしてはいけないという、社会論にまで至る。AIとの共生まで論じるのはどうかなあ、と思ったのだが「死なない」知性は確かに、脅威になるべきものなのかもしれない。

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    投稿日: 2022.12.20
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    専門的な部分は分からないところももちろんあったが、理屈だけじゃない、優しさがありますね。進化の過程で人間だけじゃなく地球の生物は奇跡の賜物で、宇宙人はいないとは言えないが、可能性は低そう(少なくとも同時代には)。ただ、宇宙人に代わる存在として、AIなんじゃないか、と終章を読んで思った。

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    投稿日: 2022.12.11
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    生命にとって、死とは個ではなく公だ。死ぬことを意識する年齢になったら、ぜひ読むべし。難しい用語が多く、高校生物で挫折した人にはややハードルが高いものの、例えや説明が実に分かりやすい。

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    投稿日: 2022.12.01
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    生まれたら死ぬしかねえんだよということなんだ。 なんでとかないんや。そういうプログラムなんだからしゃあなしやで。 私が死のうが生きようが生物にとってはどうでもいい。 子供を産んでも産まなくても、「一例」に過ぎないし。 残ったヒトが結果的には優性だったっていえるだけだよ。 さっぱりしてていいなって思った。

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    投稿日: 2022.11.28
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    秀作。 宇宙、地球の誕生から生物が生まれるまで。壮大なお話から入る。素晴らしい。分りやすい。けど、どうしても化学のお話は難しい。 進化の過程、死の必然性。避けられない。分っていても辛い。

    0
    投稿日: 2022.11.25
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    死生観に関する内容はあまりなく、生物学(遺伝)の本だった。 じっくり読むと難しいけど、有名な事例紹介も多いので読み飛ばし可能。 SFで使われやすいネタも多いので、教養として知っておくとちょうど良さげ。

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    投稿日: 2022.11.14
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    死は絶対的な悪の存在ではない。 全生物にとって必要なもの。 命のタスキを次に委ねて利他的に死ぬ。 死があるおかげで生物は進化し、存在している。生まれるのは偶然、死ぬのは必然。 生物はなぜ死ぬのか?というテーマに対する問い以外にも物理、科学に関する様々なことが知れる面白い本。

    0
    投稿日: 2022.11.14
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    「なぜ死ぬのか」と大上段に構えた割には、その答えがいまひとつ腑に落ちない。 多様性のお話はよくわかるのだが、子孫を残すということであって、死ななければならないという理由ではなさそうに思える。死なないことには次の世代のパイが無いということか。

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    投稿日: 2022.10.24
  • 生物学者が書かれたモノで、少々私には難しかったのですが。。。

     生物はなぜ死ぬのか、その命題へのアプローチは、生物学者さんですから、かなり学術的でした。生物学については、高校の時少しかじったくらいですので、私には少々難解でありました。  でも、ひょっとすると小林先生が言いたかったことは、この本の最後に出てくる、生物学を少し離れて考察したことだったのかもしれません。そしてAIについても言及されています。先生が問題にしたのは、AIが死なないということ。そんなアプローチは考えたこともなかったので、吃驚しました。確かにそうなのかもしれません。  私には少々難しかったのですが、示唆に富んだ一冊でした。

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    投稿日: 2022.10.02
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    「死ぬことで生物は進化、すなわち「変化」と「選択」を実現する」そうなんだけど、よくわからなかった。「死は生命の連続性を維持する原動力」はなんとなくわかる。それと生物は細胞レベルから死ぬ、ということもわかった。 一回読んだだけではなかなかわからないので、Kindleで持っておきたい。

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    投稿日: 2022.09.30
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    語り口が優しく(易しく)理解しやすい。 生き物が死ぬことに対する純粋に生物学的な分析を述べた上で、人間が死ぬことに対してヒトの抱く特別な感情とその意義を語る。 子は親の世代よりも多様性に満ちており、価値がある。

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    投稿日: 2022.09.26
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    老化は死へと近づくサインであり、私たちにとって「死」は避けることができないものである。そんな生命の「死」を生物学を軸に解説した本。 最後に書かれている「死は長い生命史から考えると、生きていることの原因であり、新たな変化の始まりである」という言葉がとても共感できました。 自分は楽観的だとよく言われるが、進化の話が好きでこの手の本をよく読んでいて、人生で過ごす時間なんて生命が歩んできた膨大な時間のごく一部にすぎないと感じているからなんだと改めて気付かされました。 生物学の面白さがとても伝わる良書でした。

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    投稿日: 2022.09.25
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    「生物にとって死とは、進化、つまり変化と選択を実現するためにある」「死は生命の連続性を維持する原動力」を解説する本。「カゲロウの成虫の寿命はわずか24時間……なんと彼らには口がありません。ものを食べる必要すらないのです」など面白いエピソードがいっぱい。アンチエイジングの研究も虚しい気がする。図版がゆったりと配置されているのは見やすい(内容が理解できるかどうかは別として)。 恐ろしいことに筆者は言う。「何も対策を取らなければ、人類は今から100年も持たないと思っています」。少なくとも日本は何か対策をとっているのかな?

    0
    投稿日: 2022.09.09
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    大学で学んだ生物学の基礎的内容がかなりのウエイトを占めていたので、導入~中盤のあたりは軽く流して読んだが、「多様性と選択」という進化の鉄則に沿って個々の事例を紹介していたので教科書的なとらえ方が自分の中で改まったのは良かったなと思う。 そして、この本全体から導き出される「なぜ死ぬのか」に対する答えは、少し冷たく感じるかもしれないけど腑に落ちる答えだった。あらゆる生物の中でヒトを特別なものだと難しく考えず、進化の鉄則に照らし合わせて考えれば納得のいくものだなと。そんなことを感じた。 あとは、AIや社会に対する筆者独特の意見も面白いなと思った。このへんはいろんな意見があると思うけど、「皆さんはどう考えますか?」って問いかけてくれるところがなにげに筆者の優しさを感じるポイントだったりした。

    0
    投稿日: 2022.08.19
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    人間は進化のために死ぬ、納得出来ました。 ご指摘のロボット、ディープラーニング等死なない頭脳は確かに脅威です

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    投稿日: 2022.08.13
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    読み易い学術書かな、くらいの気持ちで読んだのだが生命の根源を探る事って結構哲学的だったりして途中で涙が出てきた。 また自然には今でも学ぶべきことが多いと言う事実も収穫だった。 ちょっと人生観変わるような、そんな一冊だった。

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    投稿日: 2022.08.02
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    『なんでこんな形になったのか、なんでこんな性質があるのか、この遺伝子は一体なんのためにあるのか、そしてなぜ生きているのか、などなど、全てのことに、進化で生き残ってきた偶然と必然の理由があるに違いありません。それを推察し、可能ならば実証するのが、生物学の面白さです』―『はじめに』 啓蒙書としては申し分なく専門的で、知らなかったこと(例えば、DNAの複製はほどけた二重鎖のヌクレオチドの両方で同じように行われて全く同じものが出来上がると思っていたけれど、RNAのヌクレオチドの配列の方向性による合成の違いがあって末端では完全に同じものは出来ないということ)や勘違いしていたこと(例えば、テロメアは細胞分裂の度、つまりDNAが複製される度に短くなり人の寿命はその残った長さが決定してるという勘違い)を正しく学び直すことも出来るのだけれど、何故かもやもやとした気持ちを抱き続けて頁を繰る。本の半ば過ぎ辺り、つまり生物の発生の起源から真核生物への進化の説明を一通り終えた辺りで、もやもやの正体にはたと気づいた。それは「生物はなぜ死ぬのか」という表題を敢えて英語に置き換えてみるとはっきりするのだが、こちらが勝手にこの本は「Why does life form die?」という設問に対する答えの書だと捉えていたのに対して、本書は飽くまで「How does living thing stop its life?」という設問に対する答えを中心に書かれた本であるのだ。しかも、最初の疑問文は「何故死ななければならないのか」という疑問を最初の疑問の下層に秘めているけれど、「死ぬというメカニズム」を語るその著者の口調の中に「死ぬことのもたらす生物進化にとっての効用」という意義付けの思考が見え隠れし、その主張が奇妙なことに秘められた「何故」に対しても答えを与えているようにも見えてしまうように思えるのだ。それは、もしかすると、優性遺伝学的なニュアンスに対する過剰な反応なのかも知れないけれども。 生物の進化の過程のみならず、どんなものでも歴史を紐解こうとする時、現在地点から見えてしまう偏重は存在する。そして現在に至る過程を必然的な過程と捉えがちになる危険性もまた。公平に言って、著者はその誤謬に陥らないようにしつこい程に読者に進化というものの「偶発性」を説く。そして進化は合目的的な変化ではなく、あくまで生物と環境の変化によって制御された偶然の選択の結果であると強調する。そこに、生物が辿ったであろう進化の道筋を地球環境の変遷も落とし込んで細胞レベルで示す流れは、単純にマクロな生態系の変遷を地史と結び付けて説明する地質学的な論説(何十年も前に旧赤色砂岩(Old Red Sandstone)の成因を陸上植物の発生とその結果の大気中の酸素濃度の上昇に結び付けて説明されたときにはなるほどと思ったものだが)よりも科学的に説得力のある(つまり因果関係が見え易い)話であると感じる。更に言えば、地質学的年代で観測されている何度かの生物大絶滅とその後起こった「適応放散」についての捉え方も中立的で、昨今の近視眼的な環境派の主張する未来予想図よりも受け入れ易い。もちろん、著者の言うようにその地球の未来に人類が含まれているか否かは解らないが、文字通り全ての生物が死に絶えるようなことは、どんな環境変化あったとしても(太陽の寿命が尽きる際に起こるような天文学的な大変化は別として)起こらないだろうと自分も思う。それ故、最終章の「ヒト」や「AI」を巡る議論はそれまでの生物の環境への適応の仕方を巡る議論とは少々異質で違和感が残る。もちろん、著者の一科学者としての意見表明としては十分に理解できるものではあるのだけれど。その部分も含めて、本書はどことなく啓蒙書としての論説と個人の価値観を表現する言説のキメラ模様を強く感じる一冊だった。

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    投稿日: 2022.08.01
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    ちょっと前に読んだ『動的平衡』と重なる部分が多かった。 この分野に詳しくない読者にも理解し易いように、丁寧に書かれていると思う。具体的には以前の章を振り返りつつ論を進めるあたりとか。 自分としてはその冗長さがちょっと気になったのだけど、このあたりの按配はやはり難しいところかな。 本書で一番興味深かったのは、第4章の老化のメカニズムの項で解説されていた細胞分裂のくだり。 人間をはじめとした多細胞生物は、受精卵を起点として細胞分裂を繰り返して成長していくが、50回ほど細胞分裂を繰り返すと細胞自身がギブアップして死んでしまう。 この回数は加齢とともに減少していくそうなので、てっきり細胞分裂によって生まれる細胞の数と死ぬ細胞の数が逆転したときから老化が始まるのかと思ったら、そう単純な話でもなさそうだ(そういう面もあるかもしれないが)。 結論から言うと、細胞分裂時に細胞内でDNA(遺伝子情報)のコピー処理を行っているのだが、10億分の1ほどの確率でエラーが発生し、このときに劣化した細胞が生まれ、それが蓄積することで老化に至るとのことだ。 著者によると、エラーが起きる仕組みは生物学的には結構重要で、コピーミスによって生まれたいわば「突然変異」のような細胞ができることで多様性が増し、激しく変化する環境の中では生き残る確率が高くなるというメリットがあるのだという。 つまり、老化は生物自身が備えた、種を守るための機構のひとつであると言い換えることができそうである。 なので「生物はなぜ死ぬのか」という問いの答えのひとつとしては、生物の本質はいち個体として生き続けることではなく、遺伝子を将来にわたって受け継いでいく連続性にあるから、ということがいえそうだ。 この点を突き詰めて考えると、生物は利他的であり、それが本能で分かっているからこそ戦争などの極限状況下でヒトは「誰かのために死ぬ」ことができるのかもしれないな、と思った。

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    投稿日: 2022.07.31
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    第3章のさまざまな動物の死について書かれていたところが面白かった。ハダカデバネズミの社会いいな。酸素薄いの嫌だけど。 第4章は知識のない自分には難しかったが、全体的な構成としてはきれいに章だてされており、最終的には情緒を排しない、常識で理解できる内容になっているので、読む人を選ばない本だと思う。国語の試験に使えそう。 生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです。 知識としても実感としても、うんうん。

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    投稿日: 2022.07.27
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    生物は死ぬことをプログラムされているから進化できる。生きることも死ぬことも自然の一部、進化は偶然のたまもの。人間だからって特別なことはなにもないのだと実感した。

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    投稿日: 2022.07.19
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    生物が遺伝子レベルで組み込まれた死のプラグラムを理解すると、死を自然なものとして捉えられるようになる。

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    投稿日: 2022.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ゲノムの変異蓄積によるガン化を避けるための細胞の入れ替えが追いつかなくなるのが老化。生き残るための「変化と選択」のための「試作品作り」→「多様性」。親は子孫より多様性の点で劣っているので、子より先に死ぬようプログラムされている。「個性」という多様性を損なわないための社会全体の多様性(個性)も対戦。多様性を持つ生物が生き残る確率が高く、そのために生物は多様性の面で優れる子孫を生かす、そのために死がある。と理解しました。

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    投稿日: 2022.07.10
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    キーワードは「ターンオーバー」 継承していくことを考えると人が死ぬことは決してネガティヴな要素だけではないと励まされた気がする。

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    投稿日: 2022.07.07
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    死ぬことによって、生物の命が終わるわけではなく、種としての命が続くために、死ぬ。 若い命の持つ生存への可能性をより高めるために、老いた個体が死ぬことには意義がある。 生物学者のスケールで、生命の誕生から物事を考えられ説明されると、生命の死もまた生存であると言う考え方が、すんなりと頭に入ってくる。 室町時代の平均寿命は、なんと16歳。 大正時代でも、44歳ぐらいであったらしい。 古希なんて言葉が生まれるぐらいなんだもの。 平均が古来稀なんて、本当に最近の話なんでしょうね。 古希を超えた独裁者が、世界を滅ぼそうと活躍する。 これも、種としての代替を促す戦略なのかもしれない。 生物学者の想像をベースに、さらに空想を展開させていくと....

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    投稿日: 2022.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    目次 はじめに 第1章 そもそも生物はなぜ誕生したのか 天文学者になればよかった 「この世の始まり」を見る方法 生き物の「タネ」の誕生 自己を複製し変革する細長い分子 そして「生のスパイラル」が奇跡を呼んだ 無生物と生物の間には····· 早く生き物になりたい! 生物の必須アイテム、リボソーム 生物の誕生は地球限定イベントか? 宇宙人はいない!? 「奇跡の星」の歩き方 地球の美しさのひみつ 第2章 そもそも生物はなぜ絶滅するのか 「変化と選択」 DNAとRNA、似た者同士が存在する理由 メジャーチェンジからマイナーチェンジの時代へ 最後のメジャーチェンジ その1-真核細胞の出現 最後のメジャーチェンジ その2 -多細胞生物の出現 「独占」から「共存」へ、そして「量」から「質」へ 現在の地球は、過去最大の大量絶滅時代 そもそも多様性はなぜ重要か 大量絶滅の後に起こること 絶滅による新たなステージの幕開け ヒトのご先祖は果物好きなネズミ? 絶滅によって支えられているもの 第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか  … 第4章 そもそもヒトはどのように死ぬのか … 第5章 そもそも生物はなぜ死ぬのか … おわりに

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    投稿日: 2022.06.20
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    “生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです”というフレーズが心に刺さりました。 私はこれまで生きる意味を考えてみたり、そんな意味ないのかもしれないと思ってみたり、漠然と生きるって何なんだろうと考えることがありました。 しかしこの本を読んで、生き物には死ぬことに意義があり、そこから生きている意味も生まれてくるのかもしれないと感じるようになりました。 これからどのような人生を歩んで死にゆくのかはまだまだ20代の私からは想像もできませんが、私が死ぬことに生物として意義があるならば、とりあえずヒトの進化の産物でおる考えたり、共感したり、コミュニティを作ったりしながら、一生懸命に生きていこうと思えました。

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    投稿日: 2022.06.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生き物は「進化が作ったもの」。「死」も「進化」が作った生物の仕組みの一部だ。▼生き物の死に方には大きく分けて2つある。一つは食べられたり、病気をしたり、飢えたりして死んでしまう「アクシデント」による死だ。もう一つは「寿命」による死だ。こちらは遺伝的にプログラム化されており、種によってその長さが異なる。▼旧石器~縄文時代(2500年前以前)は日本人の平均寿命は13~15歳だったと考えられています。弥生時代に稲作を始めを平均寿命は20歳、人口60万人と推定。平安時代は平均寿命は31歳、人口は700万人。江戸時代が38歳、、明治大正時代が44歳。現在2019年は男性81.41歳、女性87.45歳。変動の要因は生理的なものよりも社会情勢(飢餓、戦争、栄養)に大きく影響を受けてきた。▼現代のヒトは老化して病気で死ぬ。▼動脈硬化の原因の一つであるコレストロールの血管内膜への蓄積は20代から始まりますが、血管が狭くなって動脈硬化の症状が現れ始めるのは50代後半からです。▼受精卵が分裂し分化して器官の形成が進んでいき、身体が完成すると、あとはひたすら古い細胞と新しい細胞の入れ替えを繰り返します。腸管内部のヒダヒダにある上皮細胞は数日で、皮膚が4週間、血液が4ヶ月、骨の細胞が4年で入れ替わります。心筋と神経細胞は入れ替わりがなく、傷ついたら修復できません。他の細胞は幹細胞が新しい細胞をつくりますが、幹細胞は老化します。▼また老化した細胞は毒をばらまきます。老化した古い細胞の除去がだんだんできなくなるのです。残留細胞はサイトカインという物質をばらまき、炎症反応、糖尿病、動脈硬化、がんの原因になります。▼細胞は約50回分裂すると死ぬ。▼DNAの複製はものすごく正確だが、10億塩基に1回のコピーミスがあり、老齢個体はゲノムに変異をたくさん抱えている。▼人の身体の細胞の大部分を占める体細胞のテロメアは、末端の複製ができずに分裂のたびに短くなるが、幹細胞や生殖細胞等のテロメアは短くならない。▼生物は多細胞の進化の過程で、がん化のリスクを最小限にすべく全細胞のクオリティコントロールの機能を獲得しました。ひとつが免疫機能で、もうひとつが細胞老化機能です。▼生き物にとっての「死」は、子供を生むことと同じくらい自然な、しかも必然的なものなのです。▼一旦整理します。生物は、常に多様性を生み出すことで生き残ってきました。有性生殖はそのための手段として有効です。親は子孫より多様性の点で劣っているので、子より先に死ぬようにプログラム化されています。ただ、死ぬ時期は生物種によって異なります。大型の哺乳動物はおとなになるまで時間がかかるため、その間、親の長期の保護が必要となります。ヒト以外の大型哺乳動物、例えばゾウなども、生きる知恵を親を含めた集団(コミュニティ)から学びます。ヒトの場合、親や学校を含めたコミュニティが、子供に何を教えるべきか自ずから見えてきます。まず、必要最小限の生きていくための知恵と技術を伝えるのは当然です。昔で言うところの読み書きそろばんで、現代の義務教育の教科になります。これは社会のルールを理解し、協調して生活するための最低限必要な教育です。子供が小さいときは「家」でしつけや教育を完結するのは悪いことではありません。しかし多様性の「個性」が伸び始める中学生・高校生くらいからは積極的にたくさんの「家の外のいい大人」と関わらせるべきです。他人と違うこと、違う考えを持つことをまず認めさせてあげないといけませんね。▼死は生命に連続性を維持する原動力なのです。死は絶対的な悪の存在ではなく、全生物にとって必要なものです。▼将来。AIとの共存?

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    投稿日: 2022.06.09
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    生物学者が論じる生と死の話は、138億年前の宇宙の始まりに遡ります。 地球を含む太陽系ができたのは46億年前。 宇宙は、今もなお膨張し続けているのだとか。 目の前のあれやこれやが、とんでもなく小さく感じられます。 地球に生命が誕生した奇跡について、こんな例え話がありました。 「25メートルプールにバラバラに分解した腕時計の部品を沈め、 ぐるぐるかき混ぜていたら自然に腕時計が完成し、 しかも動き出す確率に等しい。ゼロではないが奇跡」 奇跡というよりはゼロに近い気がするけれど 生命誕生の神秘はじゅうぶんに伝わりました。 私たちは、そのとんでもない奇跡の延長線上で 毎日、泣いたり笑ったり しているのですね。 恐竜などの生物種の70%が消えたのは、6,650万年前の白亜紀。 原因は隕石の衝突と考えられているようですが その結果、人類の祖先である小型哺乳類が生き延びたそうです。 その後の進化は 恐竜の絶滅(死)によってもたらされたもので 死と進化の間には密接なつながりがあるとのこと。 生物学的観点からの解説が興味深いです。 子孫を残した後、さっさと死んでしまう昆虫やサケ。 死骸は他の生物の餌となり、生を繋いでいきます。 一方、ヒトは子どもを産んだあとも長く生きますが それは一人前になるまで親やコミュニティーの保護が必要だからで、 自分で産まなくても、社会全体で子育てに関わるのがヒトだと。 「子育ての質」は「社会の質」という言葉があって、 素敵な表現だけど、難しいことでもありますね。 また、老化を防ぐ研究についても述べられます。 研究に 寿命の短い酵母を使った というのがびっくりでしたが 餌の糖分を四分の一に減らしたら、寿命が30%延長したとか。 食事は腹八分目。 糖分の摂取を抑えるのが効果的なのだそうです。 でも、大好きな甘いものをやめたらストレスが溜まる! なんでも、ほどほどに…。

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    投稿日: 2022.06.04
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    生物学の知識が全く無い私でも読みきることができた。 途中何ヵ所か、生物学の用語を交えた遺伝子分裂等の説明があり難しく感じた。ただし、遺伝子が変異を起こして「多様性」が生まれることや、死に方によって種の存続のために細胞の変異の仕方が変わり、進化を遂げるという大筋は何となく理解した。 更に、人間の身体が健常であるプログラムが55歳であり、細胞がガン化するリスクが急激に高まるといった解説は興味深い。55歳以降は、老化と医療技術との戦いということか。 死ぬことが創造の始まりという哲学的な解釈は、いずれ死ぬという運命を多少は受け入れる気持ちになるし、より良く生きようという気持ちを強くさせてくれる。

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    投稿日: 2022.05.26
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    2022.02.13 老化して暴走してしまうことを抑制するために、細胞は死ぬ。 人間の社会も一緒かもしれない。 老化した人が死なずにずっと存在していると、新たな文化や価値観が許容されないのかも。日本は、社会としても老化してる気がする。 遺伝子複製などの仕組みが解説されていたものの、初学者レベルには分かりやすい解説とはいえなかった。 新型コロナウイルスに対してアルコールがなぜ有効なのかは分かりやすかった。

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    投稿日: 2022.05.21
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    なぜ、私たちは死ななければならないのでしょうか? この直接的な問いから始まる、話題の一冊。 生物学は過去に学んだきりでほとんど予備知識はないわけですが、この根元的な問いに、柔らかい口調で真摯に取り組んだ著者の思いが伝わります。本書では、生物の進化という切り口から、その謎に少しずつ迫っていきます。時折専門的な解説も入りますが、それでも非常に興味深く読み進められます。 著者は、この問いに対する答えとして、「死は生命の連続性を維持する原動力」であると解いています。これは進化の過程で獲得したものであるという気づきです。 個人的に考える、死は生物にとって必然と解く本書の秀逸さは、生物の中での人の特殊性と、死ぬことのないAIとの付き合い方に対する持論です。これを読むだけでも本書の価値は十分感じられると思います。 ▼遺伝子の変化が多様性を生み出し、その多様性があるからこそ、死や絶滅によって生物は進化してこられました。その過程で私たち人類を含むさまざまな生き物は、さまざまな死に方を獲得してきました。現在も「細胞や個体の死」が存在し続けるということは、死ぬ個体が選択されてきたということです。「進化が生き物を作った」という視点から考えると、「生き物が死ぬこと」も進化が作った、と言えるのではないでしょうか。 ▼生き物にとって死とは、進化、つまり「変化」と「選択」を実現するためにあります。「死ぬ」ことで生物は誕生し、進化し、生き残ってくることができたのです。 ▼化学反応で何らかの物質ができたとします。そこで反応が止まったら、単なる塊です。それが壊れてまた同じようなものを作り、さらに同じことを何度も繰り返すことで多様さが生まれていきます。やがて自ら複製が可能な塊ができるようになり、その中でより効率良く複製できるものが主流となり、その延長線上に「生物」がいるのです。生き物が生まれてくるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです。壊れないと次ができません。これはまさに、本書で繰り返してきた「ターンオーバー」そのものです。ーつまり、死は生命の連続性を維持する原動力なのです。本書で考えてきた「生物はなぜ死ぬのか」という問いの答えは、ここにあります。 <目次> 第1章 そもそも生物はなぜ誕生したのか 第2章 そもそも生物はなぜ絶滅するのか 第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか 第4章 そもそもヒトはどのように死ぬのか 第5章 そもそも生物はなぜ死ぬのか

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    投稿日: 2022.04.28