
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
柚月裕子の作品はいくつか読んでいるが、これはまるで湊かなえの作品ではないかと思う書き方。この手法は、盛り上がった緊張感を、良い意味でリセットさせる、悪い意味で置いてけぼりにさせられるので、あまり好きではない。また、将棋の指し方も知らない私には、駒の動きを細かく書かれても気持ちがついて行けない。だからといって平行して将棋教本を読む気にもなれない。 主人公は知能が高く苦労して育ったのに、大学生(しかも東大)になってなぜ騙される。しかも将棋の上級者なら何手先まで読むという印象があるので、騙され方が幼稚だ。私でさえ、駒を持って旅についてこいと言われりゃ想像がつく。 御法度の賭博を差配するような曲者の親父が、駒の転売をしないでいたあたり、前々から気になっていた柚月裕子特有の「便利な人が助けてくれる」演出で、都合が良いなと感じた。 遺体の死亡原因が判明した直後にあの結末に持って行くのは、あまりにも芸がないな。
0投稿日: 2020.11.27
powered by ブクログ下巻は上条が東京大学に合格後の人生、それも真剣師・東明と出会ってしまったことから、皮肉にも将棋に翻弄される人生が綴られる。そして、上条自身の出生の秘密も知らされてしまう。埼玉県警の石破・佐野コンビは着実に上条へ迫る。終盤の畳み掛けはすごかった。遺体の主は想像できても、この結末は想像の上を行っていた。
0投稿日: 2020.11.25
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上巻では山中で名駒とともに発見された遺体の身元を追う刑事に焦点を当てた現在と、実業家からプロ棋士になった異色の経歴を持つ炎の棋士・桂介の少年時代の過去が交互に描かれる。現在軸で進む事件調査に、過去のストーリーがどう関わってくるのか、山中の遺体は誰なのかを推理しながら読むのが面白かった。過去編で不遇な桂介に優しく接してくれる唐沢さんに涙した。 下巻では上巻同様、事件調査の現在と、桂介の大学時代〜プロ棋士になるまでの経緯が過去編として交互に描かれているが、疾走感が凄い。途中で山中の遺体はこの人なんだろうなぁというのが何となく分かってくるのだけれど、何故そうなったのかが気になって、読む手が止まらなかった。 上下巻を通して、この物語は桂介の物語である。桂介の出生から育ってきた環境、タイトル戦の結末、その全てが側から見ると幸せには見えない。しかし、そうした中でも唐沢さんや、アウトローではあるが真の将棋を教えてくれた東明との出会いによって、炎のように命を燃やし将棋の世界に生きることができた桂介自身は幸せを感じていたのかもしれない。 ・その他の人物について 唐沢さん夫妻→愛情に胸打たれた 庸一→許せん!絶対にだ! 東明→酷いことしてるのに不思議な魅力 佐野→もっと奨励会時代の話とか知りたかった 石破→東明っぽい。たまに優しいのがいい。 あと巻末の解説が羽生さんで豪華。
3投稿日: 2020.11.25
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薄汚くて酒臭くて卑怯で穢らしいくせに、どうしようもなく惹きつけられる靭さを持ちあわせる。 相変わらず柚月さんは、こういう男を書くのがうまい。 どこまでも異端の棋士二人、このような終わりになるのは必定だったかもしれない。 特に天木山での一幕は読んでいて震えた。 終盤明かされた出生の秘密、そりゃあショックだわ。 ただ、こんな設定必要かよとも思ってしまった。これ抜きでも彼の人生、充分悲惨だったろ。 彼がその事実に呑み込まれ、ここへ至るまでの自分の何もかもをその一点に繋げてしまうのは見ていてとてもやるせない気持ちになった。 タイトルにつなげる設定としては必須だろう。 勿論、作品としてはその方が見栄えがするが、たとえ盤上に向日葵が咲かなくても、それまでの描写で彼の尋常ではない強さを描けていたと思うし、少年の日から見えていたならともかく、終盤急に向日葵が咲き出すから、なんだかチートくさくなってしまった。 唐沢氏の目線で上条桂介という一人の少年の人生を思うと、コロコロと転がりおちてしまった彼の人生を、最後のホームで拾いあげてやりたいと思ってしまった。 あまりに哀れである。
4投稿日: 2020.11.23
powered by ブクログ上刊と比較して凄まじいシ―ンが多かった。盤に咲く向日葵が母親に合わせる所が上条圭介の境遇に繋がっいる。東明の生き方も凄まじい。藤井聡太がどれだけ凄いのかも何となく分かった。
0投稿日: 2020.11.23
powered by ブクログ柚月裕子の間違いなく代表作だろうと思う(2017年8月単行本、2020年9月文庫本)。文庫本では(上)(下)に分かれているが、ストーリー展開に引き込まれ一気に続けて読了した。 物語は大きく分けて4つの時代が交差して描かれている。 1つは主人公の上条佳介33歳プロ棋士の現代(平成6年)、2つ目は佳介9歳将棋と出会う小学生の頃(昭和46年)、3つ目は佳介20歳将棋の真剣師と出会う東大生の頃(昭和55年〜56年)、4つ目は佳介28歳〜30歳IT企業経営者の頃(平成元年〜3年)。 上巻では1つ目と2つ目の時代までだったが、下巻は全ての時代が交差して描かれ進行する。 (上巻) 物語は埼玉県山中で身元不明の死体が時価600万円と言われる名工の将棋の駒と共に発見されたことで物語は始まる。 将棋の駒の捜査を担当する二人の刑事の現代平成6年の捜査進展状況、そして昭和46年佳介が幼少の頃の悲惨な家庭状況と将棋を覚えていく状況を綴った上巻。 昭和46年当時では佳介に手を差し伸べて将棋を教える元小学校校長唐沢光一郎と佳介を虐待する父親上条庸一との葛藤が描かれ、平成6年現代では県警捜査1課の刑事石破剛志45歳と所轄の刑事佐野直也31歳が絶妙な捜査で何代も変わった駒の持ち主を探す。佐野刑事が元奨励会所属でプロの棋士を目指していたが挫折して警察官になった過去を持ち、駒の捜査にはなくてはならない存在となって、いぶし銀の捜査能力を誇る石破刑事との絶大なコンビにグイグイ引き込まれる。 上巻では、現代平成6年は捜査で駒の記録上の持ち主から4人目になる転売された手掛かりを得るところで終わり、昭和46年小学生だった佳介は東大に合格、恩人の唐沢に挨拶に来たところで終わっている。昭和55年の3月である。そして駒は唐沢が手にしており佳介に餞別として渡すのである。 (下巻) 昭和55年東大生となった佳介は、賭け将棋で飯を食う「真剣師」で元アマチュア名人の東明重慶と出会い、再び将棋への思いに目覚め東北での賭け将棋の場に同行する。しかし東明に裏切られ、唐沢から贈られた菊水月の駒を騙し取られる。 時は経ち佳介は就職した外資系の会社を3年勤めて退職、2年後の平成元年には年商30億のIT企業の経営者として成功を収めていた。既に騙し取られた駒も買い戻し会社も順調な時に上条庸一が現れ、金を無心されるようになる。また時を同じくして8年振りに東明も現れ遺恨を残しながらも将棋の手ほどきを受ける関係になる。そんな二人との関係が1年半続いた平成2年12月庸一から佳介の衝撃の出生の秘密を明かされ、動揺し苦悩する。そして東明の余命ない病魔のことなどがわかってきて、事件になっていく。 それから4年、佳介は会社を売り払いアマ名人から異例のプロ棋士になり、タイトル戦を戦う最も注目される棋士になっていた。 平成6年の現代、捜査の進展で死体が予想外の人物に特定され、動機不明のまま容疑者が特定され、二人の刑事は将棋のタイトル戦の場へ向かう。 上条佳介の凄い生命力と悲しい運命、二人の刑事の捜査能力と人間的な魅力、それぞれの周りを固める興味をそそる登場人物達、テンポのいい物語の展開、過去と現代が交差する物語の中に引き込まれる描写方法、柚月裕子の最高傑作だと思う。
13投稿日: 2020.11.14
powered by ブクログ将棋のルールもなんにもわからないから、たぶん将棋がわかる人の半分くらいしか楽しめていないのだろうと思う。 それでも面白かった。
0投稿日: 2020.11.13
powered by ブクログ将棋のことはよくわからないけど、将棋に関する小説は大好きです。「将棋の子」「聖の青春」「泣き虫しょったんの奇跡」・・・。この小説もとても面白く読ませてもらった。幼少期の桂介と唐沢夫妻の場面は切なくてホロリとさせられます。真剣師、東明もなんだか魅力的な男です。鬼殺しのジュウケイか・・・
4投稿日: 2020.11.10
powered by ブクログ将棋の話だけでも面白いのに、これに殺人事件が絡む。面白くないわけがない。 東大卒のエリート棋士、上条桂介の生い立ちも衝撃的。
2投稿日: 2020.11.07
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二歩、ありえへん。 最後、上条の飛び込みは意義的に美しくないねんな。 途中まで白骨死体はどっちなんやろ?と脳を鋭敏にして読んでいたけど、 二歩、2回はないわー。
0投稿日: 2020.11.04
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将棋の世界にのめりこむ狂気を描きたかったかもしれないが、あまりにも上条がかわいそうである。また生まれを狂気に結びつけるのは、本人にはどうする事もできない呪いのようなもの。育ちは悲惨だが、周りの人間に蔑まれているわけでもなく、本人はクリーンに生きてもいる。自分自身で呪いを打ち破った末の、勝負師としての人生を見たかった。
4投稿日: 2020.10.25
powered by ブクログ可哀想な子供が成功しても、結局世間のしがらみに足を引っ張られて浮き上がれない、というような話でどうにもつらい。 個人的には会社を売却する度胸があるんだから、そのオカネをもって海外でも逃げちゃえばよかったのにとか思ったり。もしくは自分から我が半生とか言って世間に公表しちゃうとかねぇ。 会社の社長さんなんだから弁護士とかを通すお金がなかったわけでもなかったんだろうけど、どんどん選択肢を自分で縮めてしまうのがつらい。 そして元研究生の刑事さんはあまり活躍しなかったな。 唐沢さんの駒もお守りにならなかったし。色々、なんか残念な感じですが、名工の駒ってのがあるんだ~ってのは知らなかったので面白かったです。
2投稿日: 2020.10.23
powered by ブクログ上巻とは異なり、男の過去が語られる。 将棋への執念。 犯罪のキーとなる有名な駒の存在。 果たして、結末は?
1投稿日: 2020.10.21
powered by ブクログ出会ってしまったのは真剣師。再び将棋の世界に足を踏み入れる桂介。 被害者は誰だったのか、どうして亡くなったのか、名駒を持たせて埋めたのは誰か。 桂介に幸せな時はあったのだろうか
2投稿日: 2020.10.15
powered by ブクログ将棋はやってたので、こないだ読んだ囲碁の話とは少し違う感覚で読めました。 下巻は読みたい衝動に駆られ、一気に読み、そして読み直しました。 何とも言えないラスト。 違う形であって欲しかったですが、心打たれました。
2投稿日: 2020.10.13
powered by ブクログ後半も素晴らしい。将棋の指し手が具体的に書き込まれているシーンが多々出てくるんだけど、それを逐一追いかけたら、もっと深く味わえたのかも。そんな詳しくもないし、ちょっと面倒ってのもあって、自分はやらなかったけど、それでも十分に楽しめた。クライマックスでとんでもなく盛り上がる、っていうタイプではないんだけど、終始漂う緊迫感が半端なくて、気持ち的にはワクワクし通し。やっぱ素敵。
1投稿日: 2020.10.08
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読み終わった瞬間は、あー、こんなものか…と思ったけれど、次の瞬間、涙がドバッと溢れてきた。なんで努力の結果が『血』に負けてしまうのか…つらい… 将棋がわかれば、もっと面白いんだろうなー。将棋本読むたびに思う。
1投稿日: 2020.10.07
powered by ブクログ『重』の一字ですぐピンと来ましたが、真剣師のモデルは小池重明ですね。鬼殺しの『鬼』は団鬼六の一字でしょうね笑 元は単行本一冊だから偶然なんだろうけど上巻の終わり方ズルいな。あれじゃ読むのを止められない! 盤面を再現できるほど将棋をわかってませんが、将棋の場面が増える下巻の方が圧倒的に読ませますね。砂の器か。結局徹夜になってしまった!! そして何と解説、羽生善治!
2投稿日: 2020.10.04
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上巻では、埼玉県内で身元不明の白骨遺体が発見された。この遺体には、名匠の将棋駒が握られていた。この駒の持ち主は誰なのかという話を中心に元奨励会員の刑事が相棒の刑事とともに日本各地を巡る。その間に、実業界から将棋界に転身した天才棋士の幼少期の話。 下巻では、天才将棋棋士が出会う伝説の真剣師。彼との出会いが天才棋士の運命を狂わせてしまう。 終盤に向かうにつれてテンポが良くなるとても良い作品だった。天才将棋棋士の上条桂介と伝説の真剣師東明重慶の歩みは読んでいてハラハラした。また、上条桂介の壮絶な過去も昭和の時代の話ならばあり得る気がして怖かった。さらには、上条桂介と育ての親と言っても良い唐沢との関係も胸を打つものがあった。
4投稿日: 2020.10.03
