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ライオンのおやつ
ライオンのおやつ
小川糸、くのまり/ポプラ社
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総合評価

1352件)
4.3
618
506
148
21
4
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    生きる事、死ぬ事。残す側と残される側。色んな人達の色んな想いが詰まったすてきな作品。 私がリクエストするおやつはなんだろう…

    2
    投稿日: 2020.08.27
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    美しいお話だった、 悲しいけど、なぜか心が洗われるような。 ちゃんと前向いて生きよう、と背中を押してもらえるような。 正直に生きること。 五感で、今を生きる。生きている、って自分の身体で感じること、なかなかできないね。。 バナナが美しい話とか、 豆花の話とか、朝のお粥さんとか、美味しそうなものがたくさん出てきて、 とってもあったかかった あたたかさが、死への恐怖を薄めているような。 これが2位か〜近々映画化しそうな予感(笑) 作品としては流浪の月のほうが好き、かも

    2
    投稿日: 2020.08.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・2020年本屋大賞ノミネート   ・主人公は33歳の末期がんに侵された女性。余命1か月程度。人生最後の選択として瀬戸内にあるホスピスで過ごすことにする。 そのわずか1か月の暮らしと刹那の出会いと別れを描く。   ・主人公の女性は大恋愛や仕事で成功を収めたわけでもなく、やりたいことや愛する人もいない中で周囲に気を遣いながら、生きてきたような人。 避けられない死に戸惑い、嘆き苦しむも、最後は生を愛でて旅立っていく。     読み終わった感想を、なかなか一言では語るのが難しいですが、 ・死について考える事は生の本質を探ることになると思う。   ・私はいかに持ってないものばかりを数える生き方をしていたかを反省させられた。   ・世間や周囲の評価を当てにしない生き方を自分も出来ていないけど、それがいかに難しいか。そして死を目前にしたときにいかにばかばかしい事か。 ・何も持っていなくても。何者で無くても。幸せを感じることはできる。   ・何者で無くてもよい。ただ「生きる」豊かさを甘受したいと願う。   などなど湧き上がる感情は多彩です。 もちろん物語なので、本当の死はもっとグロテスクで、死に方の問題もあるでしょう。   でも日常に不安や不満を抱きがちな我々には、良い生きるヒントになるなと感じました。

    1
    投稿日: 2020.08.23
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    号泣しました。 最初から最後まで感動です。読み進めている間中、終わりがくるのがもったいなくて…。まるで作品が美味しいおやつのようでした。もちろん、読後すぐ再読。おやつのおかわり! 心のお腹が空いたときに、また読みます。大切な本に出会えてよかった。

    3
    投稿日: 2020.08.23
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    余命宣告を受けての日々とはどういうものだろう?そんなこと考えながら読み進めた。 雫の人生は、生い立ち、病気など、一般的に見るととても不幸な人生に見えるが、最後は結局、自分の心の持ちよう次第なんだなと思った。 一日、一日をちゃんと生き切ること、日々、小さな幸せを感じながら、感謝しながら、笑って穏やかにその日を迎えたいと思った。

    4
    投稿日: 2020.08.23
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    緩和ケアに日々携わる立場として、人の最期をスピリチュアルな部分まで丁寧に描かれた小説だと感じました。 以下少し引用しています。 おやつは、体には必要のないものかもしれない。 しかし、おやつがあることで、人生が豊かになる。おやつは、心の栄養、人生へのご褒美。 本当にその通りなんだろうなと感じました。

    1
    投稿日: 2020.08.22
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    泣きながら読んだ。 なのに、読み終わったあとは清々しい気持ちになってた。 『死』への恐怖が少し和らいだ。 『今』を楽しもうって思った。 生きてるだけで丸儲け 風が気持ちいい、犬が可愛い、おやつが美味しい、テレビで笑った、花が元気いっぱい咲いてる、料理がうまくできた、化粧ノリが良かった、いい音楽を聴いた……などなど。 幸せはそこらじゅうに溢れてる。

    2
    投稿日: 2020.08.20
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    30代の女の子がホスピスに入り、最期を迎えるまでの話。 美しい景色や美味しそうな食べ物の描写がたくさんあって、行ってみたいなぁ食べたいなぁと思いながら読んだ。生きるってそうやって五感を味わうことなんだろうな。記憶と五感って強く結びついていて、そういった体験が幸せを感じさせてくれるんだろうなと思った。 後半は読む手が止まらなかった。 『人生は一本のろうそくに似ている。自分で光を灯すことも消すこともできないけど、命をすり減らして誰かの光になっている。』というような表現があって、心に残った。全くその通りだな。光がもし消えたとしても、誰かの心の中で光り続けるんだろうなと思う。 涙が止まらなくなる、温かいお話でした。

    20
    投稿日: 2020.08.19
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    QODという言葉を初めて知りました。 死期が迫っているからこそ 生きることを真剣に考える。 文脈などは多少違いますが印象に残ったのが 生と死は対極にあるというのも一つの考え。 だがある意味では生と死は背中合わせである。 要は人間が入口から入ってくる(生まれる)か 出口から出て行く(死んでいく)か。 まだしっかり理解できてはいませんが新しい考え方が生まれたような気がしました。

    1
    投稿日: 2020.08.19
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    ずっと読みたかった本。積ん読でしたが夏休みの終わりに読めました。 久しぶりに小説を読んで泣きました。 「死」がテーマ。ホスピスが舞台のお話です。読み終わって、漠然と恐怖を感じていた「死」に少しだけ向き合うことができ、少しだけ怖くなくなりました。自分がもしそのような状況になったとき、読み返したくなると思います。 小川糸さんの小説はツバキ文具店 とこの本しか読んだことがないのですが、大好きな作家さんになりました。食べ物の描写が上手で、出てくる登場人物のキャラクターがみんな素敵。ほかの本も読みたい!

    15
    投稿日: 2020.08.17
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    若くして余命宣告され、らいおんの家というホスピスで最期を迎えることを決め、そこでの、出会いや考えること… いつかは、自分も迎えることの最期 こんな風に迎えられたらいいのにな… ジーンと心が暖かくなる話でした

    2
    投稿日: 2020.08.12
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    余命宣告を受けて死を受け入れるまでの葛藤は経験した人にしかわからないだろう。でもこの物語を通じて必ずしも絶望だけではないこと、死の直前まで強く美しく生きることができることを知り、希望が沸いた気がする。瀬戸内の豊かな景色を思い浮かべながら読み耽り、読後は清々しい気持ちになった。

    1
    投稿日: 2020.08.12
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    美しく、温かいお話だった。 1日を大切に生きよう。人との関わりを大切にしよう。おいしいご飯を食べよう。 病気にならなかったら会うことができなかったというのはその通りだけど悲しいな。

    3
    投稿日: 2020.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者が書こうとした、死ぬのが怖くなくなるような本。 人生というのは、つくづく、1本のろうそくに似ていると思います。 ろうそく自身は自分で火をつけられないし、自ら火を消すこともできません。一度火が灯ったら、自然の流れに逆らわず、燃え尽きて消えるのを待つしかないんです。

    3
    投稿日: 2020.08.11
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    若くして余命を告げられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことを決めた。穏やかな景色の中、本当にしたかったことを考える雫。ホスピスでは毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があって…。 温かくて切ない。 私が食べたいおやつは何だろう・・・?

    7
    投稿日: 2020.08.10
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    優しい人しか出てこないお話でした これは作者の思い描く、理想の死なのだろうと思います おそらく、私の死生観と作者のそれとは大きく違います 人生観には共感できるものがあります しかし、人生観や死生観は人それぞれで、他人に強要することではありません だから、あえて批判はしません あまりにも簡単に殺めたり、死を選ぶ時代 しかし、この物語で救われる人は少なからずいることでしょう 評価も、あえてなしとしました

    10
    投稿日: 2020.08.08
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    余命宣告された雫が瀬戸内海のホスピスに入り、残された日々を過ごす。ゆるく紡がれる出会い、死に近づき揺れる心情、ひどい痛みに動かなくなる体、美しい世界で達観せしめる生死感。 この本を読んでいる時、私自身が近しい人のメメント・モリと向き合っている最中であり、未だ心は揺れて定まらない。縋るようにいっきに読んでしまった。

    3
    投稿日: 2020.08.04
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    読後、余韻が残らなかったです。 特に最後、主人公が亡くなってしまってからの部分で、一気に冷めていきました。 ファンタジー要素が苦手なので。 死がきれいにまとまってるのも…でも、本当にこんな逝き方が出来るのならいいですね。

    2
    投稿日: 2020.08.04
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    『ライオンのおやつ』小川糸さん 著 静かに、淡々と綴られる文章に、心があったまる。目頭まであったまって、時々ポロリ。。。 余命宣告をされた主人公が、余生をホスピス「ライオンの家」で過ごす。彼女はまだ33歳と若く、また死を間近に控えている人たちが登場するのに、悲壮感がなく、むしろ光を感じる。海も緑も美しいレモン島で過ごしたら、身体の症状は回復しなくても、精神面は明るくなるだろうなぁと思った。 目で見て、手で触って、鼻で匂いを嗅いで、舌で味わう。毎日当たり前にやっていることだけど、そもそも体がなければできない。健康体であること、おやつを口にできることに、感謝しよう。

    1
    投稿日: 2020.08.02
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    死と生は反対側にあるのではなくて、一緒なのかも、と思えた。 美しい死に様は、美しい生き様と同じ意味なのかも。 感謝して、生きたいと思うこと。それが死を受け入れる準備になるのかな。 死んだ経験がないはずの作者さんが、どうしてこんなにも確信に迫ったようなお話が書けるのだろう。 真実であってほしい。

    3
    投稿日: 2020.08.01
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    その人のエネルギーがこの世から消えなくても、実物がいないのはやっぱり悲しい。 毎日苦しい自分が苦しい。 それでも世界は当たり前に目まぐるしく動いて、 別の軸を走る自分がいて、 その軸には長時間いてはいけないような不思議な感覚の中で、誰にもばれないように涙を流すことで、その軸を走った心地になって、 その軸にいる間は消費行動とか、人とか、銀河レベルで見たらちっぽけすぎるものたちから解放されて、なんか不思議な感覚になる 「..........涙だけが悲しみを表す手段ではないのだと。」 「雫さんが死んで、嬉しいわけではもちろんない。が、ただただ悲しくて仕方がないというのも少し違う。あえて言葉にするなら、実物に会えなくて残念って感じだろうか。」 まだ全然そうは思えないことも、そうは思わなくていいこともひっくるめて大号泣

    2
    投稿日: 2020.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    33歳で余命宣告を受けた海野雫が主人公。瀬戸内海のレモン島にある「ライオンの家」という名のホスピスを終末の住家とする。ここのゲストはもう何も恐れることは無い百獣の王ライオン、だからライオンの家。ライオンの家はメイドの格好したマドンナが営んでいる。ここでは日曜にゲストが最後に食べたいおやつの中からマドンナが厳正な抽選をして選ばれたおやつをその思い出を披露しながら食べることになっている。このおやつの時間でゲストの過去と人物像を紹介する形式の物語。厳正な抽選とはマドンナの思惑。タケオさん、マスター、狩野姉妹の姉シマさん、もも太郎ちゃんのおやつが語られてゆく。雫のおやつは父の誕生日に作ったミルクレープ。雫の夢の中のおやつの時間に。アワトリス氏は先に行き、先生は雫の亡霊に叱られ死への恐怖心が薄れ、六花は雫の思い出を特大骨付き肉に隠し、梢ちゃんはミルクレープを作って、タヒチは似顔絵を見て時々雫を思い出してくれるだろう。 こんなところは実際にないのだろうが、いざとなったらこんな所で終末を迎えたい。

    1
    投稿日: 2020.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    瀬戸内海に浮かぶ島のホスピスに一人の女性が降り立つ。余命宣告されて最後にたどり着いた場所で、命を全うするということの意味を丁寧に描いた作品。  小川さんらしく、出てくるおやつが美味しそうで美味しそうで。食べ物のエネルギー、五感で味わうことの大切さ、どれもこれも美しいです。  ただもう一つ厳しさを望んでしまうのは、自分が至らないせいなのでしょうね。きっと小川さんもどういった展開にしようかずっと迷われていたのでしゃないでしょうか。今、生き悩んでいる人たちに、希望をもってもらいたいという思いがひしひしと伝わります。

    1
    投稿日: 2020.07.29
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    私の住まう近くに ホスピス医療をされておられる病院がある すぐ近くにあるのですが その中に入ったことはない ただ 知人がボランティアとし 訪れた時のお話を 少し聞かせてもらったことがある この次に その知人と逢った時に いや 逢いに行って この「ライオンのおやつ」のことで ぜひ 語り合おう の思いがあふれてしまった

    3
    投稿日: 2020.07.29
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    私はまだ、お粥さんが美味しいって思う様なことはない。 鍋の後のお雑炊は大好きだ。 病気して治療している人の痛みもわからない、なってみないとわからない部分がある。 最後は家で、施設で、考えるなあ… 手作りおやつがある施設はいいなあ ライオンの施設で過ごした雫さん、羨ましいなあって思いました。

    1
    投稿日: 2020.07.28
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    余命を告げられた雫は残りの日々を過ごすために瀬戸内の島のホスピス ライオンの家で過ごすことを決めた 毎週日曜日にもう一度食べたい思い出のおやつを、リクエストできる おやつの時間があった 家族と過ごした日々やこれまでのことや 生きたいと思うこと 死を受け入れることは恐いけれども オーガズムに似ているのかもしれないとマドンナがいう 美味しい温かいお粥さんやマスターのいれるコーヒーや みなさんの思い出のつまった おやつ きっととっても美味しくて心に染みるのだろうな おやつは 体には必要のないものかもしれないけれどもおやつがあることで人生が豊かになるのは事実です。 おやつは心の栄養、人生へのご褒美だと思っています。 人生というのはつくづく一本の蝋燭に似ていると思います。 ろうそく自身は自分で火を付けられないし消すこともできません。一度火が灯ったら自然の流れに逆らわず燃え尽きて消えるのを待つしかないんです。生きることは誰かの光になること。自分自身の、命をすり減らすことで他の誰かの光になる。そうやってお互いに照らし合っているのですね。 マドンナみたいな人素敵だな 安心させられるな

    1
    投稿日: 2020.07.28
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    小川糸さんの著書はこれまで何冊か読んでいるが、どの結末も心がホッとあたたまる。今回は、死を取り扱ったお話で、タイトルから想像もつかないようなストーリー展開なんだけど、最後はやっぱり心にぽっと明かりが灯らような読後感だった。優しいお話。著書の世界観が素敵だといつも思う。

    1
    投稿日: 2020.07.28
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    わたしはこの本は好きです。 終末期医療の在り方、自分の命の終わり方、最期までどう生きるか。 多分に美しく描写されすぎな感が無きにしも非ず…ですが自分の最後だとしたら、そうであればいいと思うし、誰も見たことがない世界なのだから、そう信じてもいいように思います。 通勤読みでなくてよかったです、家で読むのがおすすめです。明るいテーマではないけれど、哀しいだけの本ではなく、いろいろなことに気づけて良かった。 普段通りの日々の生活に感謝です。 そして、ストレスをなるべくため込まないようにしよう!と決めました。心と身体のために。

    9
    投稿日: 2020.07.27
  • 希望のおやつ採用の抽選が厳しすぎる

    終末期を過ごす患者さんたちと、それぞれの人生で思い出深いおやつを共に味わう場面がいい。 それに、何もかも捨て、すべての縁を断って赴いた終の島で、様々な人たちと良い関係を結び、最後に肉親とも再会を果たすという設定は、「幸福とは、名詞でも動詞でもなく、接続詞なのだ」と語ったブータンの学者の言葉を思い出した。 彼も癌からの生還者だが、個人的な幸福というものは存在せず、幸福は100パーセント相関的なものだと考えていた。 ただ、同じ入所者から「死んだ人は光になるんや」なんて言われたら、口を閉じててくれないかと頼むだろうけど...。

    1
    投稿日: 2020.07.24
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    暗さと明るさというか、辛いと感じることと幸せと感じることというか、生と死というか、そんな対極にありそうなものが、ずっとこの本の中で重なり合ってて、常に読みながら悲しいけど、悲しくない。 小川糸さんのいう出口と入り口の表現がまさにぴったり。もし病気になったときに、この本を読めば少しでも心の持ちよう(QOLとQOD)が変わるんじゃないかなあ。泣かずにはいられない一冊。

    1
    投稿日: 2020.07.22
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    今を生きる力を与えてくれる本でした。 何気ない日常が大切に思えてきます。 たんたんと書かれていますが、いい話が満載でした。 人にはそれぞれの物語があるのだなと改めて思います。 フレーズに登録したシスターの言葉が何よりのお言葉でした。

    7
    投稿日: 2020.07.21
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    瀬戸内に行ってみたい。まずはそう思いました。人間誰しも訪れる人生最後のときというのは、どうしても切なくなりますが、こんな素晴らしいところで過ごせたら、大往生うできそうです。

    16
    投稿日: 2020.07.21
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    久しぶりに一気読みしてしまった。生きていることが当たり前だと思っているが、死を宣告された人たちにとっては、生への執着、死への恐れ、そしてそれらをどのように受け入れて、最後に大往生を迎えるのか。 他者の経験を聞いたり読んだりすることで吸収することができるが、死に対してだけはそれができない。つまり、これは全ての人が自分なりに解決するしかない人生で最大の課題である。 人はいつか必ず死ぬ。その時にどのような気持ちで死を迎えることができるかは、いくら健康な時に考えても答えを見つけることはできないと思ったし、答えを見つけたと思ってもそれは本当の答えではないと思う。 やはり死に直面した者だけが、真剣に死と向き合うことができると思われる。話は逸れてしまうが、武士は死と向き合っていたために高潔でいられたのかもしれない。しかし現在はそのような覚悟を持つことはほとんど不可能であるので、考えが甘いのだろう。

    2
    投稿日: 2020.07.19
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    読み終えて、私が最後に食べたいおやつは何だろうと考えてしまいます。食べることは生きることというのを丁寧に抽出されている作品だと思います。

    1
    投稿日: 2020.07.18
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    瀬戸内海のレモン島のホスピスが舞台。 涙が止まりませんでした。 不幸を吸って、感謝で吐く。 感謝で溢れた物語です。

    1
    投稿日: 2020.07.18
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    小川糸さんのお話に出てくる人々の優しさが沁みます。 一度死ぬ経験ができるという意味でも良書かもしれません。 どんな風に死ぬのかとどんな風に生きるのかは繋がっているし、包括したものなんですね。 死も生もドアをどちらから開けるかの違い、という言葉になるほどと納得。 雑にではなく、丁寧にドアを開け、閉め、その間の時間もまた丁寧に過ごしたい。そんな風に思えました。

    12
    投稿日: 2020.07.16
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    ー今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配をめぐらせることもなくなる。私の人生には「今」しか存在しなくなる。 ー生きるということは、誰かの光になること。 自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。 雫さん、生きるヒントを有難うございます。

    1
    投稿日: 2020.07.16
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    丁寧に生きる 当たり前のことが当たり前ではないと 改めて考えさせられました。 一気に読んで… どうしてもお粥を食べたくなって食べました^ - ^

    1
    投稿日: 2020.07.14
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    いいお話。最後はこんなところで過ごしたい。最後に食べたいもの、残りの人生で探すかな、なんて気持ちにはなりましたが、一抹のモヤモヤが性格のねじくれた私には湧き上がりましたね。タヒチ君との出会いは都合よすぎに思えてなりませんでした。これまで読んできた作品のイメージがあちこちから湧いてきちゃいました。私的にはツバキ文具店を超えませんでした。

    1
    投稿日: 2020.07.12
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     素敵なお話でした。  私は小さい頃から、ふと『死』というものの存在に、自分がこの世からいなくなるという現実を考えると、急に息苦しさを覚えたものでした。  今でもたまに考えると息苦しさを覚えるのですが、この物語を読むと、ほんの少しだけ、そんな気持ちが安らぐようです。  誰も『死』について、わかるはずもなく、でも、なんとなくこんな感じなのかなと思えました。  こちらに登場する雫さんは癌に侵され、ライオンの家で終末を迎えようと瀬戸内の島にやって来た。ライオンの家は、マドンナが人生の最期をステキなものにするためにと作った施設。だから、そこでは多くの人が亡くなるのだが、人生最期を迎えるには、こうした場所で過ごせたら幸せかもと思えた。  でも、やっぱり私は最後まで家族に囲まれていたいかな。  さて、『ライオンのおやつ』。ライオンとは百獣の王であり、何も恐れることはない。気兼ねなくゆっくりと過ごしてほしいと付けられた名前。そこで毎週日曜日にはその施設に入所しているゲストからのリクエストでおやつが提供される。  私が最後に食べたいおやつは何だろう。

    29
    投稿日: 2020.07.11
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    この本と出会えて良かった。 話の内容はもちろん、装丁も素敵で、今にも瀬戸内のレモンの香りがしてきそうな美しい本です。 登場人物のそれぞれのストーリーとおやつ。優しい文章に癒やされ、読み終わった後のじんわりとあたたかい余韻に浸りました。 必ずまた読み直します。

    2
    投稿日: 2020.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死ぬまで、生きることを一生懸命できたらいいな。無理せず、自分を大切にしながら。死を前にして気づくことってたくさんありそうで、自分もその立場にならなければわからないと思うけど、この本で、こういうことかなって想像して、一生懸命生きるとか、1日1日を大切にすることが、ますます大事に思えた。レモン島で、ライオンの家で、終わりを迎えられるのは素敵そう。だけど、家族と一緒じゃないのはちょっぴり寂しいのかな。雫さんが考えること、感じることが、すっと自分に染みてきて涙が出た。お父さん、妹、レモン島の人たちと出会えて良かったね。天国にいってらっしゃい。 日々のモヤモヤが少し晴れ、心地いい読後感だった。

    1
    投稿日: 2020.07.10
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    確かに読んでいくと、ちょっとうるっとくる内容です。 何年か前の本屋大賞の作品とよく似た感じ。 ちょっと、そんなには感情移入できないなあと 思うところもありますが、生きること、幸せとは を考えると納得いく感じもあります。

    2
    投稿日: 2020.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小川糸さんの小説は、ほぼ全てに目を通している。 食べること、生活すること、人と関わること、産むこと、死ぬこと、恋をすること、「家族」を営むこと。 とにかく生きることについて、真摯に向き合う作家さんであり、何度読み返しても、新しい感動をくれる作品群である。 今回、「ライオンのおやつ」については、全くの前情報もなく読み始めた。 正直言って、エッセイだったっけ??とか思ってるくらい、情報を入れていなかった。 図書館で、貸し出しを待っているうちに、忘れてしまっていたのもある。 そんなボケていた私の横っ面を叩かれる様に、この作品は、私の心をうがった。 私は、20歳から35歳くらいまでの間、自分がどのように生きてきたか、ぼんやりと靄がかかったような記憶しかない。 自分が病にかかったのもあるが(ガンではないし、死なないが、完治もない病)、その間、生きていると感じることが、とても少なかったのかもしれないと、この本を読んで改めて感じた。 ただ、あまりにも生きるのがしんどくて、忘れたかったのだと思っていた。現実を受け入れたくなくて、主人公雫のように、怒りに満ちていた。 健康はいかに得難いものか…人は無くした時にしか気づけないものだ。 雫もいろんな形でカウンセリングを受けていたが、私も同じようにカウンセリングを受けた。タッピングセラピーなど、全く同じものも。 私は、どんなセラピーのときも、大抵泣きに泣いた。特にタッピングセラピーは、途中で辛すぎて断念したこともあった。 あのセラピーは、泣かない人はいないと思う。誰がやっても泣くはずだ。雫が号泣するシーンは、分かりすぎて、私も号泣した。 自分の深い深い底の、さらに下に、自分の知らない自分が隠れていて、その「じぶん」が傷ついていたり、疲れ果てていることに、皆、気づいていなかったりする。 あまりに「この子」が疲れていることに、何故気づかなかったのか。一人で泣く「この子」は、なんと哀れなのか。たった一人で泣かせていた。 自分の中の傷ついた「じぶん」を抱きしめて、泣くことを許して、傷ついた「この子」を守りたいと思う。 そうして、「じぶん」に寄り添い始めたところから、私の病は、好転した。 記憶の靄も晴れてきた様に思う。完治はないので、たまに後退することもあるが。 雫も、号泣していたシーンから、生きたいと思うことを自分に許し始めたように思う。 死ぬことを受け入れることと、生きたいと思うことは矛盾しない。涙の中で、その気づきを得られた彼女は、誰より神々しく見えた。 新たな「ステージ」に立つ自分を不安に思うより、明日のお粥が楽しみな「小さな日々」のなんと豊かなことか。 目の前の人参のために、日々を生きたいものだ。そうすれば、いつのまにか、随分遠くまで歩いてたと思う日が来る。そして、自分の傷にも、優しく寄り添える自分であり続けたいと思う。 私は今37歳。靄が減った(なくなりはしない)人生の2歳だ。 私の目の前の人参は、まもなく2歳になる娘である。得られるはずのなかった娘。私以外、誰もが諦めていた娘の存在は、私の喜びで、光だ。 明日は、娘にどんな人参を与えようか。それを考えるのもまた、私の人参的時間である。

    6
    投稿日: 2020.07.06
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    生きるということについて改めて考えました。休みの日に、じっくりと読んで、味わって、少し泣けた。舞台が瀬戸内で、瀬戸内に行きたくなる。

    1
    投稿日: 2020.07.05
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    人生の最期をどこで迎えるか。 ホスピスで過ごすことを決めた主人公。 病気になって良かったとは言えないかもしれないけど、ここで過ごせて、この人たちに会えて良かった。 作られすぎて、綺麗すぎて、と思えてしまうけど、素直に読んでもいいと思う。

    1
    投稿日: 2020.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『幸せな最期とはまさにこのこと』 瀬戸内海に浮かぶレモンやぶどうが栽培されている静かな美しい島にあるホスピスのお話。 ホスピスという重いテーマでありながらも、全体として明るい感じがしたのは、景色や風景の描写が美しく、食べ物の描写もとても魅力的だからではないかと感じました。 特にお粥は、体調不良のときに読んだのもあり食べたくなりました。 また、それぞれの希望する最期のために尽力するマドンナはじめライオンの家にまつわる人たちがとっても明るいのです。 生きたいという気持ちとは裏腹に確実に最期に向かう状況になったとき、私も「死んだ3日後に~する」と誰かと決めたいと感じました。 それは、誰も見たことのない死後の世界を前にして感じる恐怖に対して死後の楽しみがあったら少しは違うなと感じたからです。 本書ではもう会うことはないと思っていた父、幼少期に欲しかった妹、夢だった犬を飼う事すべてを成就して、希望通り痛みなく最期を迎える。 これは叶いすぎではありますが 希望通りの前向きな最期を迎えることの難しさを逆に実感させられました。 医療関係者でもないのに、「こんなホスピスを運営してみたい」 そう思わされました。 最後に、表紙の絵がとても素敵なんです。 こういう状況にはならないんだけど、タヒチくんのマフラーをした雫が心の安寧の場所をみつけて幸せに過ごす素敵な絵。 一回読めば、この表紙だけで感涙してしまうかもしれません。

    9
    投稿日: 2020.07.05
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    生きる、ということについて考えさせられた本。その場になってみないと意識できないことがあるんよなぁと改めて。何気ないことでも、それが当たり前になってしまわないように、感謝の気持ちを持って生きて行きたい。

    1
    投稿日: 2020.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自らの残りの人生をどう生きていくか考えさせられる本。当たり前にある日常が明日も当たり前にあるなんて考えてはいけないと思った。個人的には、「死を受け入れるということは、自分がまだ生きていたいという気持ちも含めて受け入れること」という言葉が印象に残った。今の自分をありのままに受け入れ、素直に生きていくことが大切なんだなと思った。 周りにいる友人や家族、自分を支えてくれる人達に日々忘れがちな感謝の気持ちを持って生き、一日一日を大切にしていこうと思った。

    1
    投稿日: 2020.07.03
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    余命を告げられた雫は瀬戸内の島のホスピスで過ごすことに決めた。そこでは毎週日曜日、入居者がもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があった。 病の辛さ・悲しさだけでない、生きるという思いが溢れている作品。 読み返すと、あちこちに雫のお父さんへの深い愛情が描かれている。もう少し我儘であったならと切なくなる。 もし自分が…と思うと、何をおやつにリクエストするだろうか。私も「ご馳走様」と言って旅立てたらいいな。

    3
    投稿日: 2020.07.03
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    これは傑作。久しぶりに何度も読み返したい本に出会った。 流浪の月が本屋大賞1位で、本作が2位。だけどこっちが1位でもおかしくないし、個人的にはこっちの方が好きかな。 「生」と「死」を、瀬戸内の島のホスピスを舞台に描いたストーリー。マドンナさんの「生まれることと亡くなることは背中合わせ。どちら側からドアを開けるかの違い」といったような言葉が印象的。自分だったら最後のおやつに何を頼むだろうかと考えて楽しんだり、余命宣告をされたらどのように過ごしたいかと真面目に考えたりした。 いいこと悪いこと全部ひっくるめて、一生懸命今を生きようと思える本。実際のホスピスについても調べてみたくなった。 涙なしには読めないけど、全体に漂う優しさがすごい。さすが小川糸さん。

    20
    投稿日: 2020.07.03
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    タイトルだけみて、どんな話か知らないまま読み始めた。 ライオンは百獣の王。誰からも攻撃されることがない。病との戦いを終えて最期を迎えるだけになって、もう攻撃されることなく、安心して過ごせる場所。それがライオンの家。ホスピス。 雫は33歳の若さで『ゲスト』としてライオンの家に入る。 週に1度のライオンの家でのおやつは、ゲストのリクエストによるお菓子が振る舞われる。 瀬戸内の静かで健やかな島、海が光る景色が広がる様子が鮮やかに浮かび、私も最期はこんな場所で過ごせたらと思った。 私の家で最期を過ごした母を思う。母の弱って行く様子や、ずっと穏やかに微笑んでいた姿を、静かに思い出した。亡くなる4日前に自分の足で自分の意思で歩いて最後の思い出を作ってくれたのも、静かに旅立って行った様子も、雫と重なった。 『本屋大賞』ノミネート。

    5
    投稿日: 2020.07.03
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    ホスピスの話だなんて、コロナ休みで鬱々しがちな時に読んでいいの?と思ったけど、貸してくれた友達は 『悲しいけどキラキラしてるよ』って言ってた。 本当にその通りだった。 気がついたら涙が流れてた。でもアッタカイ涙だった。 現実と夢の間にいる描写は ザ・リアル。 経験した事ないとファンタジーと捉えられがちな部分かも知れないけど、奇跡の生還を果たした私的にはリアルそのもの。 作者も経験者なのかな??? 1週間くらい空けてまた読みたくなって。 それを繰り返してたら返せなくなってきたので、結局買いました(笑) 大切な1冊。

    1
    投稿日: 2020.07.02
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    「人生の最期に食べたいおやつは何か」 これが、物語のキーワードになる。 ひとつひとつのおやつにさまざまな背景が隠れていて、感慨深い。 この言葉が響いた。 『牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より生蘇を出し、生蘇より熟蘇を出し、熟蘇より醍醐を出す。醍醐は最上なり。 酪とは今でいうヨーグルト、生蘇生クリーム、熟蘇はバターで、醍醐は5番目の最後の味、乳から得られる最上級のおいしいもの。 仏教における、最高真理の意味もあり、醍醐味という言葉も、ここから生まれた。』

    2
    投稿日: 2020.07.01
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    死に近づくたびに生に引き戻される感覚がなんともいえない。 物語の三分の二以上、涙をこぼしながら読みました。 死に伴う悲しい涙ではない。 ライオンのおやつにまつわる思い(思い出ではなく思いなのだ)とか、余命宣告によって自分が死ぬことを知っているが故の嘘のない台詞とか、何度も心を打たれた私はあふれる涙を止められなかった。 死とは何かを考えるのもいいけれど、私にとっては、生きることとは?についてを考えさせられる物語だった。

    1
    投稿日: 2020.07.01
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    いつかは自分にも訪れるのだろう死を意識する日々を想像しました。できなくなったことを嘆くより今の幸せを噛み締め、もがきながら自由になりながら死を受け入れる姿に惹きつけられ、人の優しさに癒される作品でした。

    1
    投稿日: 2020.06.30
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    「ライオンの家」...良いホスピス。 もし私が余命を告げられたら、「ライオンの家」で、人生の終焉を迎えたいな〜と、心から思えた。 そんなホスピスが、現実に存在してくれて欲しい。

    2
    投稿日: 2020.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう」 心に残った言葉。 主人公、雫の人生は恵まれているとは言いがたいものだったし、病気によって心かき乱され辛い思いもたくさんしてきたけど、それらも含めて今があること、「死にたくない」という素直な気持ちに真っ正面から向き合えるほどリラックスできるライオンの家で最後を過ごせたことはとても幸福なことに思えた。 「生きたい」という気持ちを認めることこそ、死と向き合うこと。 死はいつか遠いことでなく地続き。 静かに青白い炎燃やしながら今日の生を味わい尽くしたいと思った。 マドンナの死ぬ時って論、衝撃発言で驚いたけど、そう考えると死ぬのも楽しみかも(笑)前向きで夢があるね。 私もライオンの家で最期を迎えたいな。 瀬戸内海やきれいな景色を見ながら、この世界にお別れを言いたい。

    2
    投稿日: 2020.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    痛くて苦しい場面もあるし、今まで生きてきた世界に別れを告げて寂しさもあるだろうし、結婚して子どもを産んでって望んでいたのかもしれないし、何より享年33歳は早すぎると思うけれど、レモン島のやさしい世界、六花やマドンナ、タヒチ君、ほかのゲストさんの存在に生きるって悪くないな、と思った。雫自身が幸せと感じてる。 育てのお父さんの家族もとてもやさしい。私が早苗さんだったら、雫にちょっと嫉妬しちゃうんじゃないかな。 実の両親やおじいちゃんの登場は、夢かうつつか、死後の世界ってどうなんだろう、とも考える。 狩野姉妹とか、アワトリス氏などきれいなだけの話にとどまらない、なんじゃそれ、というところも良かった。

    1
    投稿日: 2020.06.27
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    思ったほど感情移入はしなかった。 終末期を過ごすことにしたライオンの家 そこで出されるおやつには特別な思いが込められている。 死を目の前にした雫の心境を描いており自分も死について考えさせられた。 ただし、あまり心情に変化がなくだらだらと上り坂を登っている感じがしたのが残念だった。 その後の家族について書かれていたのは雫と家族の想いが強く感じられた。 なんだろう、もっと人間の本質やリアルを感じたかった。

    4
    投稿日: 2020.06.26
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    余命をつげられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことを決めた。そこでは毎週日曜日、入居者がもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があった。このおやつをリクエストした人の思い出については、家主であるマドンナが語る。自分の最後の時に食べたいものは美味しいものではなく、家族と過ごしている際に食べたものばかりであった。また、犬を長年飼いたかった雫は、ホスピスにいた六花と出会い本当に幸せそうであった。最後の最後に、父親、そして、再婚して授かった妹との時間は、あの境地にならないと思わないような純粋な嬉しさと後悔を表しており、感慨深かった。寝たきりで話すことができないような人でも、耳はよく聞こえている描写があった。リアリティがあり、もし自分が誰かを励ます立場になった場合には、ずっと声をかけ続けようと思う。自分のしたいことを我慢せず、毎日を大切にしようと改めて思わせてくれて小説であった。

    1
    投稿日: 2020.06.24
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    私にとって死とはまだまだ遠い存在のようだったけれど、この作品を読み死について考えさせられた。 余命を宣告された時、自分だったら残りの人生をどう過ごしたいだろうか。 この作品に登場するホスピス(ライオンの家)みたいな場所で、大切な人に見守られ最期を迎えることができたらどんなに素敵なことだろう。 そう思わせてくれるような魅力的な登場人物ばかりでてきた。マドンナの言葉はどれも重みがありメモしておきたいくらい。死を悲観せずリスタートと捉えられたら死への恐怖も緩和されるだろう。 この作品には、思い出のおやつや食事が沢山でてくる。文章を読むだけでその料理の匂いだったり食感が想像できて食べたくなった!

    1
    投稿日: 2020.06.24
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    終末期の特別施設での過ごし方。人間ドラマ、人は死を目前に捉えると、どう考えどう感じるのか。死が繊細で優しく描かれている。

    1
    投稿日: 2020.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    経験したことのないことを、こんな風に表現できるなんて小説家はすごい。。。 自分はどのように死んでいくのかはわからないけど、ライオンの家のような居心地の良いところで、自分を受け入れて穏やかに過ごせるといいなと思った。

    1
    投稿日: 2020.06.20
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    ー 余命を告げられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことに決めた。 そこでは毎週日曜日、入居者がもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があった ー ✳︎ レモン畑の向こうに、どこまでも海が広がっていて、ぷっくりと膨らんだ沢山のレモンが、青空の下でキャンドルの灯りみたいに光って見えるホスピス。 近くには葡萄畑もあって、窓を開ければ柑橘系の香りがする。 食事も毎回美味しくて、看護師のマドンナの素敵な言葉もとても胸に響く。。 私が看護学生の頃、小児科実習で受け持った5歳の白血病の子を思い出した。 学生の私には限られた事しかできなかったけど、 「ぼくね、りさちゃんのこと大好きだよ。」って言ってくれて、いつも私が来る事を心待ちにしてくれていたことは一生忘れないと思う。 明日が来る事を当たり前に信じられることは、本当に幸せなことなんだなぁ、と。 今、健康で生かされていることに感謝して毎日を過ごそうと改めて思いました。 2020年読了、29冊目。

    2
    投稿日: 2020.06.19
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    自分は死ぬ前に何食べたいかなあ〜〜 コミカルな場面に対して 後半が悲しくなっていくが それすらも前向きにとらえようとする 人間生かすのって 案外 あれをもう一回食べたい とかそんなささいなモチベーションの積み重ねかもしれない

    1
    投稿日: 2020.06.19
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    心が温まる素敵な作品。 小川さんの紡ぐとても優しい言葉が、 スッと胸に入ってきて心が癒されます。 また主人公の雫が自らの死を受け入れ、 残りの人生を全うする姿に目頭が熱くなりました。 「生きる」って何なんだろう… 「死」って何なんだろう… 物語を通して深く考えさせられました。  人生という限られた時間の中で、 自分なりに精一杯生きようと改めて感じた。 もう生きてること自体が奇跡なんだよなぁ…。

    1
    投稿日: 2020.06.14
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    「ライオンのおやつ」 小川糸(著) 2019 10/7 第1刷発行 (株)ポプラ社 2019 11/10 第4刷 2020 6/13 読了 もう本当にアホほど泣きました^^; 今この瞬間は自分の選択の結果だ。 死が自分の人生全ての結果だとしたら受け入れざる得ないんだろうね。 自信ないけど^^; 人生のエンドロールをどういう思いで観るのかなぁ… 切ない事もツライ事も 嬉しい事も感動も全てを味わい尽くそう! 後悔しないように。 良い本に出会えました。 ありがとーー♪

    30
    投稿日: 2020.06.13
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    まあ 生きていることは奇跡なんだな、と思いましたね。 ありきたりですが、、、。 まあ 1日1日は大切に生きるべきなんだな、と。 おやつは人生のご褒美。 わかります。

    2
    投稿日: 2020.06.11
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    本屋さんでもたくさん並んでて、ブクログのランキングでも上位にあって、読みたいと思った。 「人生の最後に食べたいおやつ」かぁ。ホスピスで残りの日々を考えるとはどんな気持ちなのだろう。 いま、この本を読む気になったのにはきっと何かがあるんだろうな。新鮮な空気とか、死の受容(昔授業で習ったっけ)とか。雫さん、「あの感じ」どうでしたか?私も聞きたい!

    5
    投稿日: 2020.06.10
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    泣きました…。なんだろう、悲しさとか、悔しさ、嬉しさとかそういうものじゃない感情が込み上げてきて、涙が止まりませんでした。 生きることの、素晴らしさ、儚さを実感しました。 アワトリスさんと百ちゃんの人生と想いを知った上での最期はホントに泣きました…。。 雫さんもきっとタヒチの事や、梢ちゃん、六花の事をずっと見守っているんだ思いました! オススメです!

    3
    投稿日: 2020.06.09
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    題名のイメージと全く違う内容。死と向き合うことの大切なことを教えられた。ちょっと悲しくて静かな気持ちになる本

    1
    投稿日: 2020.06.08
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    余命宣告を受けて、瀬戸内海の環境のいいホスピスで最期を迎える。 もし自分が独り身で余命宣告を受けたらここで過ごしたいなと思うくらい素晴らしい場所です。 風光明媚で穏やかな気候、行き届いたケア、美味しい食事、人々との触れ合い。 誰もが迎える死というものを数値としてカウントしなければならない悲しみを、少しでも緩和する存在としてこんな場所があったら理想的だよな。と思いながら読んでいました。 しかし、個人的には小川糸さんの小説には同意出来ないというか、理想的な環境の箱をまず作り上げて、その箱庭の中で美しい生き方をさせるような、一種人形遊びのような感触があり、心の何処かが拒否しているのを感じます。なら読むなよって言われれば引き下がるしかないのですが・・・。 これが本屋大賞の2位になったという事は、この本の土台となっている人間ドラマの部分に感動した書店員さんがとても多かったという事になるのでしょう。 あと、途中途中に挟まるエコに関する小ネタを挟むのがとてもへたくそだと思いました。なんで普通の流れの話の中で突然・・・。と引いてしまう自分が居ました。

    16
    投稿日: 2020.06.08
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    私はまだライオンになんかなりたくない!そう叫ぶ雫の言葉ほど心に刺さったものはない。 人は生きている限り、変わるチャンスがある。それがどんなに死に近い場所であっても、、この本はそのことを教えてくれた

    1
    投稿日: 2020.06.06
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    死の瞬間を想像出来た本。悲しくなって読み進めるのがしんどくなった時もありましたが、爽やかで優しいラストでした。大人になってからも絶対読みたい作品です。

    6
    投稿日: 2020.06.05
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    食べることは生きることなのだなあ。口に入らなくても。 あと、風とか水の音とかが聞こえる場所で、ゆっくり暮らしたくなった。

    2
    投稿日: 2020.06.05
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    最初の数ページから目頭が熱くなってしまった。 死を待つホスピスの話だが、とても柔らかで温かいお話だった。読み終わった今、苦手なお粥が食べたくなったな。

    4
    投稿日: 2020.06.04
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    とても素敵な小説だった。文章が、とても柔らかく優しく温かい。生死に関する話なのに、悲しいというより、励まされているような…一日一日を大切にいきていきたい。どんな言葉ででも言い合わせれないような読後感。読んでよかった(๑ ᴖ ᴑ ᴖ ๑)

    2
    投稿日: 2020.06.03
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    好きな小川糸さん×故郷の瀬戸内海 最強の組み合わせだと思いストーリーもよく知らず読み始めました。穏やかな瀬戸内海の描写と美味しそうなご飯が終始幸せな気持ちにしてくれます。 おかゆ、おやつ、バナナ。 「おやつは心の栄養、人生へのご褒美。」 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変える」 という言葉が印象的でした。 読んでいて、亡くなった祖父母のことをたくさん思い出しました。ありきたりだけど生きてご飯が食べれて自分で歩けて、いろんなものを見れていることに改めて感謝。 たまにまた読み返したい一冊。

    1
    投稿日: 2020.06.03
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    今まであえて小川糸さん避けてきたのだが。 (なんとなくイメージが…) でも、今回初読みでしたがめちゃよかった! 重いテーマではあるのだけれど 不謹慎かもしれないけれど なんだか死ぬのが楽しみになるような 不思議な感覚。 よくある感動ものとは違い 押しつけもなく、 登場人物たちの自然な心情の流れが 感じられて温かい気持ちになれました。 著者の他の作品も読んでいきたい。

    3
    投稿日: 2020.06.02
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    これも、理屈抜きに素晴らしい本。本当に素晴らしい本は、その面白さを語ろうとしてしまうと、自分なんて語るに落ちるのだが、それでも語りたくなってしまう。心に訪れるこの温かみを、誰かと共有したくてたまらない。それくらい、心にどっさりと送られる優しさとか切なさとか、エロスもタナトスも全部ひっくるめて美しいと感じた。生きることの尊さとか、言葉にすると途端に陳腐になってしまうけど、それでもこの本を読み終わった後に、もっともっと大切に生きようと思えたし、家族を大切にしないと、とも思えたし、ありとあらゆる命を大切にしなきゃって思えた。でも、「大切にする」ってどうすればいいかは多分まだ分からない。この本から、さあお前はどうするのだと、投げ掛けられているような心持ちにもなる。

    8
    投稿日: 2020.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「誰か」の死ではなく、「自分」の死を、こんなにも擬似体験したような感覚になったのは初めてで、気づけば雫に感情移入している自分が居た。 33歳という若さで、癌の宣告を受け、自分にはもう残り僅かな時間しか残されていない___その現実を目の当たりにした時に、果たして私は雫と同じように一人で死に逝く覚悟を決めることが出来るだろうか___「本当に色んなことがあったけど、振り返ってみれば、結構いい人生だったな..」そう心から思えることが出来るだろうか.. 「一人で死を受け入れ、覚悟をする」 このことが、私にとっては一番の衝撃だった。 もちろん、そうせざるを得ない状況にあったのかも知れないし、自分もそうなるかも知れない。 一日一日弱っていく心と体を感じながら、走馬灯のように過去を振り返り、また新しい出逢いと思い出も加えられる。 最期の最期まで「生きることを諦めていない」雫の穏やかさの中にある強さに心を揺さぶられて、何度も泣いた。 *********************** 「明日が来ることを当たり前に信じられることは、本当はとても幸せなことなんだなぁ、と」 「幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない」 「足をぶらぶらさせて風に吹かれたままぼんやりしていたら、正直に生きよう、と自然に思えた。これからはもっと、自分に正直に生きよう、と。ありのままの自分を丸ごと受け入れて、醜い部分も、未熟な部分もすべて認めて、素直になろう」 「よく眠り、よく笑い、心と体を温かくすることが、幸せに生きることに直結します。雫さん、笑顔ですよ、笑顔。いつも笑って過ごしましょう」 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう」 「私も最初はすんごく怒ってたの。怒ってたっていうか、イカってた。自分の病気に対して。なんで自分ばっかり貧乏くじ引くんだろう、って」 「だけど、どんなに怒って地団駄を踏んでも、癇癪を起こしても、ぬいぐるみを片っ端から壁に投げつけても、一晩中声をはり上げて泣いても、なにひとつ解決しなかった。解決しないどころか、事態はますます深刻になった。こんなふうに、きれいな海を見て素直に心が癒されるようになったのは、下手にあがくことをやめてからだ」 「縫いながら、いろいろなことを思い出した。 私のシャツのボタンがとれたり、靴下やタイツのつま先に穴があいたりすると、父もよく、こうして縫い物をしてくれた。そんなこと、親なんだから当たり前だと私は思っていた。でも、当たり前なんかじゃないのだ。仕事で疲れているのに朝早く起きてお弁当を作ってくれたことも、私が気持ちよく眠れるよう布団を干してくれたことも、私が風邪を引いた時に寝ないで看病をしてくれたことも、全部全部、当たり前なんかじゃない」 「父は、常に私の太陽で、私にたくさんの栄養を無償の愛で送り続けてくれていたのだ」 「せっかく生きているんだからさ、おいしいものを笑顔で食べなきゃ」 「私もさ、いっつもここで料理作ってると思うんだ。生かされているんだなぁ、って。だって、生まれるのも死ぬのも、自分では決められないもの。だから、死ぬまでは生きるしかないんだよ」 「なるようにしか、ならないからさ」 「いつかは命が尽きるのだから、それまでは目一杯、この人生を味わおう。」 「あの方のように、ジタバタして、なんとか運命から逃れようとする人もたくさんいます。でも、人は生きている限り変わるチャンスがある。それもまた、事実ですから。期待しましょう」 「怖れることは、何もありません。 とにかく、笑顔でいることが一番です、雫さん。辛い時こそ、空を見上げて思いっきり笑うんです。そうすれば、あなたよりもっと辛い思いをしている人たちの希望になれますから」 「人はな、楽しいから笑うんやないんやて。笑うから、楽しくなるねん。」 「そんな、なんでもない日常が、これほど貴重になるなんて、想像していなかった。無邪気に過ごせていたあの頃の日々が、ぎゅっと抱きしめたいほどに愛おしかった。」 「なるようにしか、ならない。百ちゃんの人生も、私の人生も。 そのことをただただ体全部で受け入れて命が尽きるその瞬間まで精一杯生きることが、人生を全うするということなのだろう。」 「きっとどなたかが、雫さんを迎えに来てくれます。安心してください。 雫さんはさっき、ひとりで生きてきた、とおっしゃってましたが、目に見えないたくさんの存在が、今も、雫さんをガードしてくれているんです。無色透明なので、普段は気づかないかもしれませんが」 「何が大事かって、今を生きている、ってことなの。自分の体で、感じること。目で見て感動したり、触ったり、匂いを感じたり、舌で味わったり。」 「自分が後悔するとかしないとか、そういう話ではないのよ、きっと。それはもう、お母さんがどうしても避けては通れなかった道というか。そのことから、お母さんは学ばなくてはいけなかったの。それがお母さんの、その時に与えられていた人生の課題だったの」 「すべては、私の人生の結果。生きてきた時間の結晶が、今だ。 だから、私が私の人生を祝福しなくて、誰が祝福するの? 私は、私自身をこの両腕で強く抱きしめ、その背中に、お疲れ様、よくがんばったな!とねぎらいの言葉をかけたかった。」 「振り返ると、なんて味わい深い人生だったのだろう。私はこの人生で、酸いも甘いも経験した。きっと、私の人生は、生きることのままならなさを学ぶためにあったのかもしれない。」 「今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配を巡らせることもなくなる。私の人生には、「今」しか存在しなくなる。」 「だから、今が幸せなら、それでいい。」 「誰もが、自分の蒔いた種を育て、刈り取って、それを収穫します」 「人生というのは、つくづく、一本のろうそくに似ていると思います。 ろうそく自身は自分で火をつけられないし、自ら火を消すこともできません。一度火が灯ったら、自然の流れに逆らわず、燃え尽きて消えるのを待つしかないんです。時には、あなたの生みのご両親のように、大きな力が作用していきなり火が消されてしまうことも、あるでしょう。 生きることは、誰かの光になること。 自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやって、お互いにお互いを照らしあっているのですね。きっと、あなたとあなたを育ててくださったお父様も、そうやって生きてこられたのだと思います。」 *********************** 【あらすじ】 人生の最後に食べたいおやつは何ですか―― 若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。 ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。 ――食べて、生きて、この世から旅立つ。 すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

    0
    投稿日: 2020.05.30
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    1日で読了 不覚にも泣いてしまった 小川糸の作品はどれも食べ物がおいしそう この歳になると色々ウチアタイする

    1
    投稿日: 2020.05.28
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    胸がいっぱいになった。 雫やライオンの家で最後の時を迎えようとしている人々が 懸命に死と生を受け入れようとしていて、 それを静かに包み込み、支えているマドンナたちスタッフ。 その様子をうかがうにつれ、 読んでいる自分が泣いている場合じゃないのではと思ったのだが…。 雫が、今までの自分と向き合ったり、 タヒチ君や六花、いろんな人と出会ったり、 最後にすごく濃厚で穏やかな時間を過ごしているようだったけど、 それはわずか1ヶ月ほどのことだったんだな。 マドンナが言った「本当に、見事な締めくくり、大往生」は 生きている年数にかかわらず、 そうでありたいと思った。 読み終わってからしばらく経ったけど、 やっぱり胸がいっぱい。

    9
    投稿日: 2020.05.28
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    2020年本屋大賞ノミネート作品 小川糸は初 読了 主人公 雫は両親を早くに亡くし、母の双子の弟に引き取られ育った まだ 33歳 余命宣告され 人知れず瀬戸内海の小さな島にある ホスピス「ライオンの家」に入所する 体に優しいお粥の朝食 静かな自然 穏やかな時間 そして 以前の入居者が飼っていた犬「六花ろっか」との時間 毎週日曜日の3時には ゲスト(入居者)の「もう一度食べたいおやつ」リクエスト がお茶の時間に振る舞われる 様々な人生を生きてきた入居者たちのリクエスト 静かに流れるホスピスの時間に 彩を添えて、 読んでいる私も ゆったりと 時の流れを感じ、心地よい 死を迎え入れる雫の心の葛藤 病気が進行し意識混濁の中で出会う人達とのやりとり 小説ではあるのだが (こんな最期も悪くないかも)と思わせてくれる 衝撃的なエピソードがある訳でもないのに その時を迎えるまで ただただ涙があふれてしまう この心の共鳴を ぜひ 味わってほしい1冊です。

    1
    投稿日: 2020.05.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    瀬戸内にあるホスピスを舞台にした物語。ひとりの若い余命わずかな女性の一人称でストーリーは綴られる。 間近に「死」が迫る人の話だと思うと悲しくつらい物語だと思ってしまうが、語り口は柔らかく、暖かいものさえ感じさせる。「死」を真正面からとらえた作品だ。 雫という主人公の女性はほとんど自身の死を受け入れているようにみえる。しかし、ストーリーが進むにつれ、受け入れつつも、どこかでそれに抗いたい気持ちも感じさせる。また瀬戸内の風景とともに、島の人やホスピスのスタッフたちとの交流は胸を打つものがある。 そしてこの小説のキーワードともいえる「おやつ」は患者たちの思い出の味である。 1週間に一度、誰かの思い出の味を皆で味わう。思い出のおやつの話を聞き、いただく甘い味にみんな癒される。淀川キリスト教病院のホスピスを連想させる設定ともいえる。人間はどのような状態になっても、「食」の思い出は大切なものなのだろう。 主人公雫はここ、「ライオンの家」で最期を迎える。悲しいことではあるが、家族とも再会でき、満足のできる終焉だったろう。小説は「死」をテーマにしながらも、読後の余韻は暖かなものである。

    1
    投稿日: 2020.05.27
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    途中から、これはやばいと思って一旦読むのを止める。出勤前のちょっとした合間に読むような本ではないと感じたから。 忙しく働いて疲れてるけど、夜、じっくり読む。想像通り、いや、想像以上の泣かせる力を持っていた。泣きすぎて頭は若干痛くなるし、鼻が詰まってほとんど息が出来ないくらい。 ホントに仕事で嫌な目にあって、辞めたくて辞めたくているけれど、もう少しやれそう。 今生きている自分。

    3
    投稿日: 2020.05.26
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    あたたかい物語 人生を最後まで味わい尽くすこと 人はいつからでも変われること なるようにしかならないこと

    1
    投稿日: 2020.05.26
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    ◆今日という日を、大切に◆ 余命を告げられた主人公の雫は、残された時間をホスピスで過ごすことに決めます。ホスピスには、入居者がもう一度食べたいとリクエストした思い出のおやつが振舞われる「おやつの時間」があります。物語の舞台となるのは瀬戸内の島。美しい海と柔らかな風、そしてレモンの生る丘。穏やかなこの場所で雫は多くの出会いと別れを体験します。この本を読み終えたとき、心の奥が温かくなり、なんでもない日常がとても愛おしいものに思えるはずです。

    1
    投稿日: 2020.05.26
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    小さい頃から、死や死ぬということが怖くて仕方なくて、身近な誰かの死を想像しては勝手に泣いたりしていた。今でもそれが全く無くなった訳ではないけれど、この本に出会えて心が少し軽くなった。死はそんなに悲しいものではない。 全部がゲストの思い通りになったり、おやつも自分が食べたいものを死ぬ前に食べさせてもらえたり、そういう話では無い。ホスピスに入る人や家族との再会など、全部が綺麗に思い通りになるような小説ではなかった。けれど、それが、人生ままならないもの、なるようになる、なるようにしかならない、というメッセージに合っていて、凄く良かった。 お涙頂戴な感動物語では無くて、もっともっと深いものを感じとることができた。 ずっと手元に置いておきたい本になりました。ありがとうございます。

    6
    投稿日: 2020.05.25
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    ホスピスを舞台に登場する人物達は確実に死へ向かっているけれど、そこに出てくる自然や食べ物は生き生きとしていているのが伝わってくる文章で非常にスピーディに読めました。 重い題材ではあるけれど、その中に面白さや楽しさ、悲しさ、嬉しさ、難しさなど、生きていると必ず出会う当たり前のキラキラしたものが散りばめられていてとても素敵でした。 個人的にリンゴの種の下りが印象的で、深いなぁと思いました。 また、犬の六花は私の飼っている白のトイプードルにイラストがそっくりで終始可愛くてたまりませんでした…! すばらしいセラピードッグでした。

    3
    投稿日: 2020.05.24
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    余命を告げられた主人公の話という本の紹介から、勝手に悲しい話と想像しながら読み進めていたが、 この本は再生の話だ。逆に生きる希望が湧いてくる。日々生かされていることに感謝しながら、ご褒美であるおやつを頂きたい。

    4
    投稿日: 2020.05.22
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    2020/4/26 受験期間中からずっと読みたいと思っていた本。 やっぱり小川糸さんの本が好きだなぁ。 題材は重いかもしれないけど、それを感じさせない。笑って泣けて、穏やかでじんわりと心が温まる感じ。

    3
    投稿日: 2020.05.19
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    生きると死ぬことについてとても考えさせる本だった。 でも、生きることと死ぬことは切っても切り離せなくて、死を受け入れてなおそれでも生きる姿勢を忘れない主人公や百ちゃんに心打たれました。 死を受け入れることは、決して生きることを諦めることではないんだと。 おやつの時間がすごく好き。おやつに込められた人々のエピソード、生きた証がどれもとても素敵だった。特に先生の話はツボで、めちゃくちゃ泣いた。 生きることは他の誰かを照らすこと。 自分も誰かの光なれたらなと思いました。 ごちそうさまでひた。

    1
    投稿日: 2020.05.18
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    寂しくあたたかくなる本だった。 当たり前だけど 死がどんなものか、生きている人は 誰も知らない。 だから、怖いのかもしれない。 知らないことは怖いし、否定したくなるのが 人間。 死ぬ瞬間、ごちそうさま そう微笑んで旅立てたら いいな。 マドンナは、立派な人。 また いつか 読んでみよう。

    8
    投稿日: 2020.05.18
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    死生観を核に、大きくは人生観に至るまで、日々を生きる上で自分にとってはとても重要と思える、言葉が並んでいた。 考え方が180度変わるような刺激的なことばたちではないが、この数年いろんなひとの影響ではぐくんできた、 今を丁寧に生きる、一瞬後の未来ですら約束はされていないということ、 自分の五感で世界をひとつひとつ感じること、 そういう生き方をより強く補強してくれることばたちだった。 素地があったからこそ、すっと自分の中に定着して、心地よかった。 物語や文章としてはすごく出来がいいとは感じなかったけれど、並ぶことばはみんな美しく、舌触りが良い。 詳細すぎる描写は排して、広めの余白をとっていることや、死の間際に夢うつつが判然としなくなってくる世界の表現は、上手だなと思った。 我ながら、いまの自分が読むのに、ぴったりの選書。 もともと、3年前の広島一人旅以来惹かれ続けている、瀬戸内を舞台にしているというのもある。 より、その想いも強くなった。

    1
    投稿日: 2020.05.16
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    ぼろぼろ泣いた。 タイトルに惹かれて何気なく買って読んでみたら涙が止まりませんでした。 これまで生きてきて人生の終わりなんて考えたことがなかったけど、今の自分の人生がどれだけ幸せを味わえてるかを実感しました。 人生の終わりが近づいた時、あの時こうしておけばとか、これやりたかったなと後悔してもどうしようもできません… これからの人生を後悔なく全うできるように生きていこうと思える本でした。ぜひ読んでみてください。

    5
    投稿日: 2020.05.14
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    読む前は悲しくて泣いてしまうかな、と思っていたけど少し違った。 もちろん寂しい感じはするけどそれよりも心が洗われたというか、すっきりした気持ちになれたというか。 日々の生活の中で自分が忘れかけている優しさを思い出させてくれる作品でした。

    1
    投稿日: 2020.05.13
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    舞台は死を待つものたちが過ごすホスピス、最期の家。豊かな自然の中で人生を振り返り、何も分かっていなかった己の過去を恥じ、"当たり前"をありがたみ、ささやかな日常に喜びを見出す。そして最大級のオーガズムで静かに幕を下ろす。 ライオンのおやつ、それはそんな最期の家で最期に心ゆくまで味わいたい、百獣の王たちの想い出のストーリーなのだ。 涙が、止まらない。登場人物に心を添わせると。想像すると。自身と重ね合わせると。親を、家族を、親友を、知り合いを、これまで見てきた世界を、全部思い出すと。止まらない。 迂闊に手を出してはいけなかった。だけど止まらなかった。読み進める手も、涙も、ついでに鼻水も。涙で濡れた顔と一緒に穢れた心も洗われて、少しずつ浄化されていく感覚があった。 人の生き様は死に様に現れるのかもしれない。もしも私にも最期の時が訪れたら。もしも人生という長い旅路に終点が見えたら。私もこうして穏やかに過ごし、最大級のオーガズムを堪能しながらひっそりと逝きたい。その時がくるまでは強くたくましく生きて、そしてほんのささやかな"日常"を愛したい。

    4
    投稿日: 2020.05.13
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    心が柔らかくなりました。久々に新刊本を買ったのですが、満足です。鮮やかな黄色の琹紐が、瀬戸内のレモン島が舞台のイメージとあってるなと変なところにも感激しました。

    1
    投稿日: 2020.05.11