
総合評価
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powered by ブクログまえがきの要点 - 心構えの重要性: 渡辺一夫は、物事において過剰にならないように注意を払う心構えが必要だと強調している。 - 言語への注意: 日本語や外来語(特に「ヒューマニズム」)に対しても注意を怠らないことが重要であると述べている。 - ヒューマニズムの再評価: 「ヒューマニズム」という語の使われ方に疑問を持ち、自らの理解を深めるためにフランス文学を通じてこの概念を吟味することを目的としている。 はじめに - 限界を認識することの重要性: 我々は限界のある存在であり、自分の理解が誤っている可能性を常に考慮する必要がある。 - 象のたとえ話: 知識の限界を示すために、象を触った盲人の話を引き合いに出し、誤解を避けるための反省が必要だと述べている。 - ヒューマニズムの定義: ヒューマニズムは、より良い理解を目指す心のあり方であるという見解を示している。 ヒューマニズムの発生 - キリスト教との関係: ユマニスムの起源には、キリスト教的な要素が絡んでいると考えられる。 - 宗教改革との関連: ルネサンス期のユマニストたちが求めたものは、教会の改革であり、キリスト教の教えにもっと近いものにすることであった。 宗教改革とユマニズム - エラスムスの役割: エラスムスは、正しい聖典のテキストを探求し、より人間的な学問の初期の形を示した。 - 批判の重要性: 教会の欠陥を批判し、新しい時代に適応するための修正を求めたユマニストたちの要求が強調されている。 ラプレーとカルヴァン - ユマニズムの二つの側面: ラプレーとカルヴァンはともにユマニズムの考えを持っていたが、後に対立することになる。 - 個人的な事件: ラプレーとカルヴァンの関係がどのように変わっていったかは不明だが、カルヴァンの神学に対する批判がラプレーの作品に反映されている。 現代人とユマニズム - ユマニズムの持つ意味: ユマニズムは単なる思想ではなく、平凡な人間らしい心構えであるとし、その重要性が再認識されるべきであると述べられている。 - 危機の認識: 現代社会における問題、特に機械文明や科学万能の夢がもたらす危機について警鐘を鳴らしている。 結論 - 問いかけの継続: 「それは人間であることとなんの関係があるのか」という問いかけが、現代にも通じる重要なテーマであると強調している。 - ユマニズムの再評価: ユマニズムは、時代を超えて重要な意味を持ち続けるものであり、我々の価値観を再考するきっかけとなるべきであると結論づけている。
0投稿日: 2025.01.30
powered by ブクログ丁寧な本 ヒューマニズムとは何か。を著者の専門であるルネサンス期からひもとく概説書。 この本の冒頭は、言ひわけからはじまる。「虚像と群盲の話」「田毎の月」を持ちだして、上品に自身の認識の誤謬可能性を述べる。礼儀正しく、一般読者に向けた本だとわかる。 ヒューマニズム――フランス語でユマニスム――とは、学問を些細なことで議論するのでなくて、あくまで人間のための人間にそった態度でゐるべき、さういふ考へだらう。
0投稿日: 2024.10.13
powered by ブクログユマニスムの無力さみじめさを強調しながら、それでも「それは人間であることとなんの関係があるのか」と問い続けることの重要さを力強く易しくといてくれる本だった。 エラスムスをはじめとするユマニスムたちに対して「素敵だけどでも結局なんにもならず宗教改革は血まみれになったんじゃん.....」と長年無力さを感じていたことに対するアンサーをくれた本というかんじだ。 以下、本書にてはじめて知れた印象的な人物を記す。 ●カステリヨン カルヴァンの手足となって働いたにもかかわらず、カルヴァンの行き過ぎた行為を批判できた人物。 著書『異端論者』 ●宰相ミシェル=ド=ロピタル フランスの大宰相として在籍中なんども新旧の和解と相互寛容を説く。聖バルテルミーの大虐殺の直前に辞任させられた。
0投稿日: 2024.06.04
