表題作は生きているということの尊さが、本当にしみじみと胸に迫る作品。 読み終わってから出始めた涙がしばらく止まらなかった。 死を題材にとった小説、作中に人物が死に、死ぬことで大団円に向かう小説は星の数ほどあるけれど、 誰も死なないこの一短編よりも、命の尊さについて表現しきったものがひとつでもあるかな?と思います。 物語の仕掛けとしての登場人物の死ではなく、何十年という人生を近くで生きてきたかけがえのない一人の人間の病と命をみつめた作品。 掛け値なしに名作です。