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アイム・ブルー サッカー日本代表「もう一つの真実」
アイム・ブルー サッカー日本代表「もう一つの真実」
木崎伸也、ツジトモ/講談社
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総合評価

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    スポーツライター・木崎伸也さんが書いたサッカー日本代表小説。YouTubeにもたくさん出演されていて、端切れの良い意見と観察眼にいつもサッカーを見る目を養ってもらっている。 挿絵は『GIANT KILLING』のツジトモさん。サッカーファンとして読むしかない。 発売は2018年9月で、それまでWeb連載されていたらしいので、ロシアワールドカップの予選や本戦と並行していたのだろう。ロストフの悲劇でベルギーに負けたところまでは描かれている。 舞台は2030年。2022年のカタール大会は出場できず、2026年の北米大会はベスト16に進んだ世界線で描かれている。 主人公はたくさん笑 メインはユベントス所属のFW上原と、東京ウェルディ所属の小高かな。 オラルジャパンは混迷の予選を経て、ワールドカップの出場を決めていた。しかしワールドカップの三ヶ月前、フランクフルトにて交通事故に会ってしまう。 監督の座を託されたのは、かつてオラルの下でコーチとして働いたことのあるノイマン。ドルトムントの監督を勇退し夏からパリサンジェルマンの監督になる予定だった。ワールドカップまで三ヶ月、どのようにチームを仕上げていくのか。 「80%の事実と20%の創作」とあるように、かなり踏み込んで書いていると思う。ワールドカップのスタメンがメディアに漏れた過去を踏まえ、苦言まで呈している。 戦術を元にした人間ドラマがまさにサッカーチームで面白い。どこでプレスに行くのか、引いて守るのかは今のところ日本代表の永遠のテーマとなっている。また日本人の気質である真面目すぎる問題にもメスを入れていて、何はOKで何は越権行為となるのかについて欧州のベーシックな考え方を日本で実現させるための難しさもひしひしと伝わってきた。 2025年、リバプール、アーセナル、バイエルンなどにも選手が所属していて、国内組が限りなく少なくなっていることは木崎さんも予想してなかったのかもしれない。

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    投稿日: 2025.04.08
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    web連載の時はいまいち集中して読んでいなかったせいか面白いのか面白くないのかさっぱり分からなかったけれど、単行本になりまとめて読むと物語の流れが頭に入ってきて「なるほど」と感心する内容。 木崎氏によほどなにか腹にたまるか頭に来ることがあってこのフィクション作品が生まれたのでは? と勘ぐってしまう。 有芯のようなクレバーな若い選手が生まれてくることを願う。

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    投稿日: 2019.02.08
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    諸ヨーロッパの中では 小国クロアチアの ロシアW杯の躍進を見てしまうと 日本がW杯本選で戦うことも夢ではないのでは? と思ってしまうが その壁は厚く何がベスト16とベスト8を隔てているのか いまだにわかっていない。 だがこの本はその要因を少なからず示している。 日本人の特質を理解して伸ばしてあげることが 近道だからこそ 外国人監督を連れてくるだけでは意味がなく 縦に早いサッカー 切り替えが早い ボールに組織的に守備するなど いくつかのセンテンスをメディアは喧騒するが それにとらわれすぎては何も生まない。 日本人はカイゼンすることこそが 是という真面目すぎるところがあり 戦犯探しをしたところで試合に勝てるようになるわけではない。 なぜ負けるか、なぜ勝てるかをしっかりと明言化して フラットに毎回勝ちにこだわり、相手に立ち向かっていく そこには上下関係関係なくいえるという事も欠かせないが 常習化しているのは年長者がしゃべりだし クラブの格で意見を言うなど 上が言ったことを当たり障りなく流している 中間世代が存在する。 一つのことをよくしただけではどうにもならない 根性論や精神論にはあまりしたくないが みんなが同じブルーに染まって入れるか (同じ未来予想図を共有できていれば方法論なんかは 本当はどうでもいい。) でもお金儲けの手段としてうまみを覚えてしまった 日本サッカーでどこまでそれができるのであろうか。 選手 協会 メディア サポーター それぞれの立場から できることから初めても遅くはない。

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    投稿日: 2018.10.27