Reader Store
小説の神様 あなたを読む物語(上)
小説の神様 あなたを読む物語(上)
相沢沙呼/講談社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

33件)
3.8
7
11
8
1
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ライトノベル、売れ筋の本、小説家、小説を書いたノートなど。小説が好きな人間にはたまらないキーワードがちりばめられており、読むたびに心が躍りました。大人しくて、言いたいことがうまく言えない女の子・秋乃の心理描写が繊細で、学生時代の自分に重なる部分が懐かしくて愛おしい。 わたしはこの物語がとても好きで、今回は再読だったんですが、やはり胸が熱くなりました。入院前は、自分で小説を書いて、本を作っていたので。真中さんと秋乃のやりとりに心動かされて、また本が作りたい、また小説を書きたい気持ちでいっぱいになりました。主人公が二人いて、売れない小説家の男の子とライトノベルが好きな女の子とで、作家と読者という別視点から物語を語ってくれるところも、とても面白くて気に入っています。 わたしは自分で読みたい本を書店の棚や図書館の棚から見つけて読むことが楽しい人間なのですが、それでも、書店で大展開している売れ筋のライトノベルなどを見て、読んでみたいな、と新しい作品を仕入れてくるので。読者の大多数は、「売れているから、流行っているから読む」「運のいい作品だけが読んでもらえる」という一文には、少し頷けるものがありました。 千谷君たち小説家のシビアな視点もとても参考になり、面白い一方で、罵詈雑言のコメントしか来ない、悪評ばかり、という一文に悲しくなったりもしました。感想って、難しいな、と。自分にとって面白くなかった、その本で感じた思いも、書きたいし、読書感想として読みたいし。一方で暴言ばかりが並ぶというのも、苦しいなと思いました。面白かった作品には必ずファンレターを送るようにしたい、と新しい便箋も買ってきちゃいました。 病気になり、人生が深刻な中で読む物語というのは、どこか軽くて、人の心を動かす力があるとは、言い切れないけれど。人生を労り支えるものとしてなくてはならない大切な娯楽であるとも感じました。売れ筋の本と、ライトノベルを読みたくて心が熱くなる素敵な作品でした。下巻に行きます。

    5
    投稿日: 2025.05.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ふたりの後輩・成瀬秋乃が視点人物にがっつり加わり、友人関係のすれ違いや見え隠れするスクールカーストなど、おそらく作者が無視できない(それを軽視したり書き漏らすことはあってはならないと考えているだろう)テーマも内包しつつ、前作以上に「物語の力とは」をじっくり考えてしまう『小説の神様』続編。 …本作を読むとこういうレビューも考えなしにテキトーにするもんじゃあないなと思うなどする。

    1
    投稿日: 2024.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    好きな作家さんのシリーズ2作目。 子供の時から年に百冊前後だから、結構な小説を読んだと思うけど、いつもその小説から滲み出てるものを汲み取って咀嚼しようとはしてる。そう言う読者ばかりでもなく、そもそも読む人も減っている現状で、とても息苦しい話ではあります。 本から感じたものは、今の自分を形づくり、支え、周りを彩ってるから、こう言う小説が好き。

    0
    投稿日: 2024.03.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    合作小説を出した2人の高校生、小余綾と一也のその後の物語。続編を要請され、物語を書くことを巡って、再び2人は衝突する。著者ならではの濃密なタッチで若者達の懸命な生き様が描かれます。 感想は下巻で。

    5
    投稿日: 2024.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公が複数いるが奇しくも同じ悩みを持っている 『小説が好きだ』自分の心に気が付くまでの曲折が 少年少女には死ぬほどの悩みになる 秋乃は小説を紡ぎ出す少女の最初の読者になった 詩凪は自分で小説を紡ぎだせなくなった 一也は「詩凪の小説」と引き出し共著を出す

    0
    投稿日: 2023.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「小説の神様」の続編 そして成瀬さんの過去 千谷くんはまたラノベで繰り返されるネタをぶっ込んでくるなぁ じゃがいも警察の元祖は田中芳樹が「マヴァール年代記」のあとがきで、本当はじゃがいもが出てくるのはおかしいけど、これだけの人口を食わすためには必要と、ファンタジーは設定を都合よく変えられるって書いてたのが初出 それに端を発して逆の意味でじゃがいもに関しては細かくツッコミを入れる人が出てきてるよね あと、サンドウィッチ問題とか、単位の問題とかもね 個人的にはファンタジー世界の言葉を日本語に訳しているという解釈をしている その物語でしか登場しない固有名詞を出すと物語にリアリティが出るけど、その分リーダビリティが失われるので、そこに何らかの設定的背景があればいいと思うよ 成瀬さんが違和感を覚える、マンガやラノベを低く見る人 そもそも、ラノベの定義は明確ではないけどね 人によってそれは異なる 果たしてレーベルなのか、内容なのか、設定なのか 一般文芸でもラノベみたいな物語あるものなぁ 続編を書く意義 前作で壁を乗り越えたのに、続編になると後退しているという違和感 これも捉え方次第じゃないかな? 前作で乗り越えた壁よりもさらに高い壁、もしくは違った角度の壁というパターンもある でも、世の中にはお決まりのワンパターンを好む人がいるのも確か まぁ、時代劇なんてテンプレがあって細部が変わってるだけなのに根強い人気があったりしますものね 海賊版サイトや違法アップロードに憤る成瀬さん 書店の娘というのもあるのだろうけど、一般の人の感覚とは違う 私も若い頃は……と振り返っても仕方がないけど 有料でも買う作品と、有料だったら買わないけど無料だったら読みたいというラインは消費者として存在する なので、興味のない人は無料でも読まないし、果たして無料で公開されている事がどれだけ本来の権利者の利益を削っているかは不明 ま、法律に違反しているという時点でまったく擁護はできないけどね ただ、この辺の議論は合法とされている図書館や古書店だと度々ネット上で燃えてるよね 個人的な意見としては、前述の通りお金を払ってでも摂取したいコンテンツと無料だから、安いからという理由で手を出すコンテンツの線引はある なので、私に限って言えば、古書店や図書館で出会って買うように鳴った作家さんや作品の方が多いので、むしろプラスに働いているんだよな まぁ、世の中には本当は買えるけど無料の方で済ませている人がいるのも確かなので、全体としての是非は言及しない 天月彼方の作品論 運がいい本が売れる メディアミックスされると人の目につくし、より売れるようになる なので、最初からメディアミックス狙いの小説を書くようになる 出版社が対象にしているのは、本を数冊しか読まない人がメインターゲット 作家の商売相手は出版社であって、納品した後の反応は別問題 質にこだわった作品を書くよりも、若干手を抜いた作品を量産する方が得策 読者はそこまで質の違いを感じないし、受け取る人の感受性によっては作者の意図しないところまで読み取ってくれる 自分の書きたい作品があるなら売れてからでいい ものすごく納得してしまった 何かの受賞作と同じようなテイストで、私好みの作家さんがいるけど 何故かそれほど売れていないという不思議 確かにメディアミックスされていないなぁ むしろ、日常の謎とかはドラマ化とかし易い作品だと思うんですけどね 売れている作品は面白いのは確かなんだけど、物語の内容は販売数ほどの差を感じないんですよね あと、私は出版社のメインターゲットではないのですね 営業せずとも勝手に本を買う層なので でも私の感覚として、まだまだゆるい層だと思っているんですけどね 文芸雑誌を買うようなガチ勢、新刊の単行本を買う層、文庫の新刊を発売日の2週間以内に買う人、比較的新しい文庫を買う人 私は何年前もの文庫を買う人くらいの段階でしょうか? なので、売れ行きを気にする購買層ではない やはり今作もテーマは、物語に人を変える力はあるのか?でしょうか 小説は読み手の能動的な能力が必要 作者の想いを受け取るためには同じくらいの熱量が必要 作品を読んでいるはずの読者による攻撃 物語のメッセージは人を変えないのでは?という疑問 ここからどう結末に繋がるのか気になる

    2
    投稿日: 2023.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    秋乃の性格が 自分の性格と似ていたこともあって 感情移入をしながら読ませてもらいました. 作家さんと読者というふたつの視点から展開される 物語はとても新鮮で 興味深かったです. 『 世界の行間を読む 』 という言葉 とっても素敵ですね.

    0
    投稿日: 2023.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「名探偵の眼差しが好きなのよ」 なんだかすごくストンとはまった気がした。 同じ景色を見ていても、きっと違う景色が見えている人がいる。 景色でも、何気ない会話ひとつにも、読んだ本の文章にも、受け止め方で変わってくるものがある。 「そう。同じものを見ても、捉え方は人それぞれだけれど…。それでも、可能な限り、美しいものを見逃さないよう眼をこらしていたいし、大切な声を聞き逃さないように耳をそばだてていたい。わたしはいつも、自分がそう在りたいと願うの」 わたしは世界の行間を読めるだろうか。

    6
    投稿日: 2023.03.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実写化おめでとうございます。実写化を観たので、また読み返しています。やっぱり、小説の神様、というタイトルが凄いと実感しています。

    1
    投稿日: 2023.01.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1.小説の神様 2.小説の神様 上 あなたを読む物語 3.小説の神様 下 あなたを読む物語 4.小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー

    0
    投稿日: 2022.12.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「物語の価値はどこにあるのか?」 主人公は自分自身。 どれだけ嫌だと思っても絶対に変えることの出来ない事であり、自身で選んだ道を歩み続けなければいけないからな。 相手の想いを勝手に想像するのは自由だが、本当の事は相手にちゃんと問わなければわからないよな。 「書かない理由はなんなのか?」 満足の出来た物を。 始めから続編を書くなんて予定していなかったのか、それとも本人が勝手にそう思っていたのか気になるところだな。 バレないように交友関係を隠していたからこそ、とっさにかばうことも何もできなかったのだろうな。 「物語は人の心を動かすのか?」 求められるものは。 どれだけ言葉で取り繕っていたとしても、現実で体験してしまったら今後どうすればいいか決まってしまいそうだな。 必死で叶えたい夢を絶たせてしまった後に、何度謝られようが許す事が出来ないなんて当たり前では。

    0
    投稿日: 2022.05.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「凄い・・・。物語って、読むだけじゃなくて、書くものでもあるんだ・・・」 「物語が与える影響なんて、そもそも微々たるものなのかもしれない。けれど、中にはその優れた感性で、かけがえのないものを掴み取る読み手もいる。それは物語の力というより、作家から読み手に委ねられた力なのかもしれない」 「物語じゃなくて・・・、読み手の力、ですか・・・」 「なんか小説って、兼業?売れない芸人みたいに、普段は本職の仕事をしてて、空いた時間で小説を書いてる人が多いんだってさ。それで、よくよく考えてみると、芸能人とかが小説を書いて、それがすごい話題作になっちゃってるとかよく聞くでしょう。要するに、みんな片手間にやってるわけだよね。でもさ、漫画は違うの。大勢の人が、ものすごい時間と労力を注ぎ込んで作ってるわけで、片手間にできることじゃないと思う。ほら、小説と違って、芸能人が漫画家デビューしましたって話とか、全然聞かないじゃん」 作家デビューする芸能人はいても漫画家デビューする芸能人いないという話も、確かになるほどと思えてしまって面白い。 僕は知らなかったんだ。夢を叶えるまでの道より、夢を叶えたあとの道の方が、ずっと過酷だということを。 「努力や才能は、運には勝てない」 「あなたは、お父様の背中が、格好悪くて情けないものだと、そう言ったわね」僕は頷き、そのまま視線を落とした。悩み苦しんで、藻掻いていた一人の男の背中。情けなく、みっともなく、憧れを感じられない人間の姿。しかし小余綾は、闘うことは格好の悪いことなのだという。悩み苦しむことは闘うことの証なのだと。

    0
    投稿日: 2021.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    間違えてこの続編から読んでしまったが、さほど困らずに読めた。でも、ちゃんと続編として読んだ方が色々楽しめたんだろうな。 自分に自信がもてずにうじうじした性格の人が語り手の割には読むのが辛くない。日常感じてることの表現が透明感があって、登場人物の年齢と合ってて良かった。

    0
    投稿日: 2021.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    作家と読者側の両方の視点から書かれていて色んな考え方が有って信じたいような話が薄っぺらく感じて残酷な真実が頭に残るのが印象に残った。登場人物がどんな結論に辿り着くのか気になる。

    0
    投稿日: 2021.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    シリーズ2作目で、後輩の秋乃の話が多い。1作目と共通しているのはネガティブな考え方。いい加減鬱陶しくなってきた。私にとっては読書は娯楽で、読んでる時に、そして読み終わった時に楽しければそれでいいのだが、この作品は後半は読まない方がいいのかしらとも思ってしまうわ・・・ でも、読むだろうなあ~

    0
    投稿日: 2020.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2020/07/23*読了 え?あなたが主人公?って思いました。 期待していたのとは違う!って思ったのですが、 前作同様の語り手がちゃんと居たので安心できました。 でも困惑したまま下巻に続きます。 ストーリーが長くなった分楽しめる部分が増えました。

    1
    投稿日: 2020.10.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ※思いの外長く語っており…※ 表情を険しくして読んでいたことが多かった。 小説が好きだと思う自分は何なのか、強く突きつけられる作品だったからだ。 小さい頃から読書が好きで、また学生時分の10年以上に渡って趣味で執筆もしていた。 書き手側としても、読み手側としても、抉ってくる内容だった。 自分は物語は娯楽だと思っている。 教養書と違って、楽しむ、ということが大前提だ。(もちろん学ぶことが楽しいと思うこともある) でもそれは、何かを学ばないというわけでは決してない。 学びを得るのか得ないのか、それはまさしく読者側の問題だ。 逆に小説の中で、作者が「これは絶対に正しい、こう考えて感じて下さい」と意見を押し付けようものなら、一気に興醒めしてしまうだろう。 考える余地、感じる空白、これが能動的読書に必要なものだと個人的に思っている。 でもここしばらくの自分は読者として、一冊一冊と向き合い、自分なりの気づきや学び、感動を得られていただろうか… 心動かされて泣いたり怒ったり笑ったり、そういった反応をすることはある。 けれど大人になってから、沢山の物語を消費できるようになってから、ストーリーの細部が深く記憶に残らなくなってしまったという実感が強くある。 同じ小説を読み返すことも全くない。 次々と消費していくばかり。 自分は、物語を読んでいると言えるんだろうか… 買いすぎてしまうのも問題ではあるんだろう。 やはり社会人となると時間が取れなくてどんどん積まれてしまう本を、とにかく一冊でも早く消費しようとする。 こうやってブクログで感想を残すことも、忙しくて最近はやっていなかった。 するとやはり、内容がすぐに消えていってしまう。 なんて浮かばれない本たち…心を過ぎ去っていくばかり。 確かに楽しんではいるはずなのに。その本に何が返せているんだろうか… ** けれど自分は秋乃のように、自分が読んでる物語を他人に見られて恥ずかしいと思ったことは一度もない。(そしたらブクログもつけていないし) 絵本、児童文学を経て主にラノベの方へ進んだクチではあるけど、布教こそが読者の使命と信じて、面白かったものは何でも周りに勧めて貸していった。 もちろん作中では性格や幼少期の体験もあってのことなのは読み取れるけれど。 読んでる本を隠してしまう行為は、やはり作品と作者に申し訳が立たない。 大切な宝として刊行された本なのだ。 (趣味としてえっちな本を自分で読むことはないので、それが加わったらまた違うかも知れないけど) ** 作中では、近年出版業界で問題などになってることにも触れられている。 海賊版サイトの問題や、流行に乗る作者と読者のことなど。 漫画と小説の価値観や、商業としての執筆など、確かになぁ!と思える部分も多くあった。 近年自分も書店でラノベ売り場を、どれも同じようなタイトル、イラスト、ストーリーばかりで 全く興味を惹かれないなぁと思って見ていた。 そのためか少しラノベ離れも進んでいる気がする。 そうやって離れていく読者がいる一方で、なんかいっぱい積んであるから読んでみようかなと手に取る読者もいて、そしてそれが大多数なんだとした意見に思わず呻る。 内容が面白いかどうかはこの際どうでもいい。 とにかく目について実際に買われるかどうかが大事だからだ。 でも、昔小説を書いていた自分は思ってしまう。 没個性な物語を書くことに作家としての意味はあるのかと。 自分がしたような、泣いたり笑ったり学んだりといった読書体験の出来るような物語を、読者に味わってもらいたい。実際自分ではそれが書けないとわかって自分は創作をやめてしまったけど、でもやはり物語というのはそうあって欲しいと未だに思ってしまう。 けどそうした全霊を込めた物語は、今の人たちにはウケない… もちろん量産されている流行りの作品に価値はないとは思わないし、その中から得られる体験もあると思う。ただ流行が去った後に、その物語は読者の中にどういった残り方をするんだろうか… 売りたいのか、信念や個性を貫きたいのか きっと、唯一無二の物語を作りたいと思って作家を目指した人たちは、本当に苦しんでしまうと思う…。 まとまりや主旨がなくなってきたのでとりあえずこの辺りで。 なんだか全部読み切ったあとみたいな熱量で書いてしまったけど 後日下巻を買ってこよう… ちなみに自分はこれを続刊だとは知らないで買ったけど 現時点で十分面白いので 続刊を書く意義はあると思うよコユルギさん!(そういう意味ではない)

    2
    投稿日: 2020.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もう続きは書かないかもしれない。合作小説の続編に挑んでいた売れない高校生作家の一也は、共作相手の小余綾が漏らした言葉の真意を測りかねていた。彼女が求める続刊の意義とは……。その頃、文芸部の後輩成瀬は、物語を綴るきっかけとなった友人と苦い再会を果たす。二人を結びつけた本の力は失われたのか。物語に価値はあるのか? 本を愛するあなたのための青春小説。

    0
    投稿日: 2020.09.03
  • ここまでラノベを低めなくとも・・

    これもラノベに分類されてるんですね。でも「小説の神様」は小説(?) 「小説の神様」にでてくる若き作家二人ももちろん出てくるのですが,主人公は,同じく前作にでてきた書店の娘である文芸部の後輩。その話しの過程で,ラノベの位置づけがやたらと厳しいんだけれど,どうだろう。 確かに書店では違う棚に分類されるし,その表紙から敬遠される面もあろうかと思うけれど。電子書籍になるとそこまでという気もするしなぁ,ということで下巻に。

    0
    投稿日: 2020.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    いつの間にか秋乃と真中さんの話が中心になってきている? 小説を書くことの意義が延々とこうされている感じ。青っぽい議論も悪くない。

    0
    投稿日: 2020.03.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    映画化すると聞いたので手にとって見たが こちらはシリーズの続刊のようだ。 上巻を読んだ限りでは、九ノ里がやや良い印象だが そこまで活躍を見せておらず 共感できるキャラクターがいない為、 淡々と読んでいる。 そんなにも『最近の高校』は未だに漫画を嫌い、 図書委員は漫画や雑誌、ラノベを読むことも許されないのだろうか。 漫画村をモデルにした件にしても、 こんなに最近の高校生はモラルがなく頭が悪いのか? と疑問に感じた。 好む物語の話でも、同族嫌悪で失敗し成長する主人公を 好きにならないというのも同じく疑問だ。 本当にそんなものなのだろうか。 ただ、確かに もう物語じゃ人の心は動かせなのかもしれない というのは自分の時折感じなくもない。 そもそも文章を読めない人が多くなっており、 200文字もあれば『長文』と言い出す。 『世界の行間を読む』という真中の言い方は好きだった。 地の文で同じ言葉の繰り返しが多いのが気になった。 たとえば、『訥々と』。何度も同じように使われるし 話し手が同じなら口癖設定なのかなとも思うが 違う人に変わっても同様だった。 天月彼方の持論は中々興味深い。 ・売れている作品は運がいいだけ ・読者は売れている本しか買わない ・運の悪い本は存在すら知られない ・読書好きじゃない普通の人たちは自分で本を探さない ・本気を出さないでうまく手を抜いて書くべき ・届かない相手にはいくら頑張っても届かない ・物語が人を動かすかどうかなんて、読者の力量次第だ。読み解く力がないやつには、何を言っても無駄だ ・真摯に書くのは売れてからでいい 小余綾などは反感を覚えているようだが 間違いとは言い切れない。 彼女が言うように実際天月が売れているから、というだけではなく。 漫画しか読まない人が増え、 読書をする人が少なくなり、 自分で好きな本を選んで行間もきちんと読める人ではなく テレビで紹介され平台に積んである本だけ気まぐれに手に取るのが 『普通の人たち』。 そんなのは間違っている、と思いたくても 手にとってもらえないなら話が始まらない。 どんなに良い本でも気づかれなければ読まれないし、 読解力の無い人が読んでもつまらない、わけわからないで終わってしまう。 それなら、真剣に書くとしても流行に迎合した 漫画化や実写化しやすい軽くて頭が悪くてもわかる内容を 量産して名前を売ってからでもいい。 これは、そのとおりだ。 物語が本当に好きで、真摯に向き合って 向き合いすぎて書けなくなろうが、血反吐を吐きながらやっとの思いで書こうが そんなの読者には関係無い。 多分、真摯に物語に向き合うことが正解だと 持っていきたいのではないかと想像するが ここまで現代日本の読書力低下や 本が売れないという『真実』を書いた後で どう正解まで持っていってくれるのか下巻を読むのが楽しみだ。

    1
    投稿日: 2020.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    年に何百冊も読むような読書家だが、本を買えないのが現実。貢献が少なくてすみません、と呟く。でも、本には意義があり、価値がある。

    0
    投稿日: 2019.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ■小説は、好きですか? もう続きは書かないかもしれない。合作小説の続編に挑んでいた売れない高校生作家の一也は、共作相手の小余綾が漏らした言葉の真意を測りかねていた。彼女が求める続刊の意義とは……。その頃、文芸部の後輩成瀬は、物語を綴るきっかけとなった友人と苦い再会を果たす。二人を結びつけた本の力は失われたのか。物語に価値はあるのか? 本を愛するあなたのための青春小説。

    1
    投稿日: 2019.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    小余綾と千谷は、小説としての意義・価値が何であるかを模索する。成瀬は、裏切った唯一の友人と再会する。

    2
    投稿日: 2019.01.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりに読む続編。間が空いてしまったせいで細かいあらずじを忘れてしまっていたが、相変わらずこの作者の小説に対する眼差しというか、姿勢が好きだ。本当に小説が愛おしくて、たくさん悩んだ結果、生まれた小説なんだな、と思わせてくれる。 自分が読んだ小説にどうしようもない感動や興奮を覚えても、いざ他人のレビューを拝見すると自分とは真逆の感想を抱いている人を見て勝手に落ち込む。でも、いざ本屋さんでその作者がピックアップされていると、なぜか自分のことのように誇らしく思える。それはその小説が自分の一部になった、ということなのかな、とこの小説を読んで思った。 読書には読み手の能動的な協力が必要不可欠、という一文にいろいろ考えさせられた。普段は全く意識せずに本を読んでいるが、言われてみれば確かに、読書はただ受け取るだけの行為ではない。そこには感情移入や解釈など、文章から受け取ったものに自分の想像力を加えるからこそ、小説は色鮮やかに輝くのだろう。 下巻へ続く~

    1
    投稿日: 2019.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    前作を読んだ頃、物作りに対してナメた考えを持った小童と仕事をさせられていました。そのためか、小説執筆に必死になっている登場人物たちに相当入れ込み、個人的に共感の嵐でした。本作の言葉で言えば「物語に心を動かされ」ました。 その続編である本作は、次の3つの要素が軸になっているのかな、と。 1つは天月彼方の小説に対する姿勢について。 2つ目は海賊版サイト問題。 そして3つ目は、千谷一也と小余綾詩凪の関係がどうなるか。 他にも秋乃と真中さんの関係など、気にしなきゃいけない要素が多数。内容は面白いと思うのですが、私の少ない脳内メモリで全ての情報を処理し切れるか不安を抱きつつ上巻を読了。いろんな意味で、この先が気になるところです。

    0
    投稿日: 2018.12.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    千谷、小余綾、成瀬たちの純粋さが眩しすぎて目に染みる。続刊の意義、物語は人の心を動かすのか?など、実際の書き手側ならば、より身近でグッと来るものがあるのかも。書店員の立場から見た万引きや海賊版サイトの問題などが書かれていて、広がりや現代性を感じた。表紙絵の千谷は、クールな感じに見えて、ちょっとイメージと違うなあと最後までギャップを埋められなかったのでした。

    0
    投稿日: 2018.12.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    +++ もう続きは書かないかもしれない。合作小説の続編に挑んでいた売れない高校生作家の一也は、共作相手の小余綾が漏らした言葉の真意を測りかねていた。彼女が求める続刊の意義とは…。その頃、文芸部の後輩成瀬は、物語を綴るきっかけとなった友人と苦い再会を果たす。二人を結びつけた本の力は失われたのか。物語に価値はあるのか?本を愛するあなたのための青春小説。 +++ 読み始める前に、既読の『小説の神様』を上下巻に分けたのかと、ちょっと迷ったのだが、純然たる続編である(ちょっぴり紛らわしい)。時間もほとんど前作と地続きで、小余綾や千谷の抱える悩みもほぼそのままの状態からの続きなので、目新しさはほとんどない。人々にとって小説とは何か、という大きすぎる問題がいつも目の前にあり、自分がどういう姿勢でそれに向かうのかという葛藤から逃れることができずに、何もかもが混沌としているような印象である。この悩みから抜け出すことはできるのだろうか。抜け出せれば、合作小説も目覚ましく進捗するのだろうか。それは本作ではまだわからない。文芸部の成瀬の友人たちに対する心の持ちようにも少しずつ変化が現れ、こちらは少し明るいが、中学時代の友人真中との関係は、なかなか難しいままである。下巻では、これらがすべて解決されるのだろうか。不安要素はたくさんある気がする。ともかく下巻を早く読みたいシリーズである。

    0
    投稿日: 2018.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前半、あれ?私(読者)喧嘩売られてる?って思いながら読んでた。お前らどうせ売れる本しか読まないんだろとか、作家にそう思われる悲しさとか、憤りとか。作者的には違うのかもしれないけれど私はそう受け取った。作家さんの立場だと、昨今は自分でプレゼンやら営業なんかまでやらなきゃいけなくなって大変だろうな。そういうのが苦手な才能ある作家を編集はきちんと売ってあげてほしい。読者だって同じような本ばっかりでウンザリしてる部分があるよ。ましてそれが苦手ジャンルだったりするとマジで新しい本に手を出す事が出来なくなるので。

    0
    投稿日: 2018.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    またしても感想の書きにくい内容。作家の本音というか綺麗事ではない部分にハッとさせられる。が、自分は図書館ユーザーなのですいません…。

    1
    投稿日: 2018.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    “物語は人の心を動かすのか?” そんな哲学的とも言える章題が並び、さながらゴーギャンの有名な絵画のタイトル「我々はどこから来たのか(略)」を連想させる。その流れで言うならば、本作は「小説はどこに行くのか」を考えさせられる。 高校生作家2人が、小説を書く意味を求めつつ、もがきながら作品を創っていく物語の続編。前巻でひとつの作品を産み出した2人だが、その続編を巡り、あるいは新作を巡り、さらなる「創作の深み」に嵌っていく。 後輩の創作をめぐる傷も絡み、それどういうこと?な引きで上巻終り。続きが気になる!

    0
    投稿日: 2018.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2018年108冊目。⌈続編の意義」というテーマはなかなか盲点で、それをシリーズの続編でやるあたりにメッセージ性の強さが窺える。書き手と読み手双方の視点から多角的に掘り下げているので話に深みが生まれている。エピソードや展開が読書家の心に響くものばかりで、非常に濃厚な読み応え。

    0
    投稿日: 2018.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今回もいろいろぶっこんできたね、相沢さん…。 このご時世にこのレーベルから出して、ここまで言わせるか、と。 相変わらず、誰にも感情移入はできはいけれど、悲しくも納得してしまう。 物語を殺すのは読者。 だから、わたしはいつまでも、いつも、誰かにとっての九ノ里でありたいと願う。 小説は好きだし、物語も好き。 できれば手抜きではなく全力で書いたものが読みたいし、全力で書かせてあげられる読者でありたいものです。 与えられた添加物まみれの餌に食いつく飼い犬じゃなく、自ら獲物を探して仕留めるハイエナでいたいものよ。

    2
    投稿日: 2018.09.01