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日本の長い戦後――敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか
日本の長い戦後――敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか
橋本明子、山岡由美/みすず書房
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    筆者は日本人だが米国に拠点を置く社会学者。原題はThe long defeat、コレは翻訳書。カズオイシグロみたいなもんか。 ヴェトナム戦争後のアメリカ、アルジェリア戦争後のフランス、大戦後のドイツと、敗北の記憶の共通点を探るとまえがきにある。 英雄の語り=「グリーンベレー」「永遠の0」「プライベートライアン」に見る、誇るべき功業としての過去。被害者の語り=「アンネの日記」「はだしのゲン」「火垂るの墓」に見る、忌まわしい惨禍としての過去。加害者の語り=「地獄の黙示録」に見る、恥ずべき蛮行としての過去。とあまりにも美しく整理されてる感もあるけど、映画・漫画だけでなく、NHKのドキュメンタリー・日刊5大紙・多くの英語/日本語の参考文献・社会科の教科書からと、手広く網羅しての考証には説得力がある。

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    投稿日: 2018.03.11