
ドイツ三〇〇諸侯 一千年の興亡
菊池良生/河出書房新社
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総合評価
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長めの歴史エッセイ
ドイツ文学系の著者なので、読みやすく、面白いが、文学、エッセイからの引用が多く、あまり学術的な厳密さは重視されていない。例えば本書の主題である「諸侯」についてだが、確かにドイツは神聖ローマ帝国解体後、最終的に300を超える領邦に分裂する。しかし本書の扱う期間の大部分において諸侯(フュルスト)という身分はいくつかの例外を除けば原則的に辺境伯以上、後のドイツ帝国で「侯爵」(フュルスト)として扱われる大貴族だけに限定されていた。本書では「城伯」(ブルクグラーフ)以上を諸侯として扱ってしまっている。ランクとしては2ランクほど(城伯<伯<辺境伯)サバを読み、数としては10倍になってしまっている。これはあまりに乱暴であろう。 他にも学説としてはあまり最近の知見は反映されていない感じがある。一方で学術書や論文ではあまり見られないゴシップなどにも言及があり、これはこれで理解の一助となる。 レポートなどの参考文献にするのには向かないが、読み物としてはおすすめできる。
0投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログ安定の菊池良生。神聖ローマ帝国史だけを追っていると脇役扱いの諸侯がたくさん紹介でてきて楽しい。たくさんにした分、一つあたりの密度が薄かったのは少し残念。
0投稿日: 2017.10.21
