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powered by ブクログ「光る君へ」を見て以来、歌詠への憧れがあり、いろんな筆者の入門書を読んでいる。しかし、読めば読むほど、自分にセンスの無さに気付き、腕を組んでしまう。なぜ短歌を読むと気づきがあるのかちょっと分かる良書。
0投稿日: 2026.01.02
powered by ブクログぐっときた歌 お一人様三点限りと言われても私は二点でピタリと止めた 「生きる」「生きのびる」のあいだを行き来しながら人はある 社会で在るためには「生きのびる」 個人で在るには「生きる」 のような? どうしたって生物としてのヒトだから、身体の調子があって、揺らぐし矛盾するし、機械ではなくて、完全効率的には動けない。 でも社会のしくみを作ってる。 しくみから逃れたかったり、逃れざるを得ないときに歌がうまれるのかな? p81~ 生きのびるの粋を集めた(社会の効率化の洗練に洗練を重ねてる)のがコンビニ、その効率のかたまりに圧迫される⇒上から目線になっちゃうという視点が面白かった 上から目線「コンビニ で いいや」に現れてるというとこ。
0投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ慶應義塾の社会人教育機関の短歌の入門講座 良い短歌を味わうことがてき、そしてその良い理由が明確に言語化されている。 「生きのびる」だけでなく「生きる」と、現代社会で重要な価値観以外の世界を考えるきっかけとなる。 短歌を通して、数えられる替わりがきくものとは別の、絶対的な唯一無二的なもののという考え方を学べる。 「驚異から共感。砂時計の「くびれ」みたいな驚異のゾーンをくぐらないと共感をゲットできない」という法則を提示しているのも興味深い。
1投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ座右の書としたい。 ほんわかと笑わせてくれるが、とても示唆に富む本であった。 社会的価値を意識して生き伸びる人に良い短歌は書けない。生きる人にこそ惹きつけられる短歌が書ける。 自分は生き伸びようとしてる人になりがちだなぁと気付かされ、なんだ生きる人で良いんだと励まされ!?人生楽しくさせてくれる。
20投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログ筆者は「生きる」と「生きのびる」の違いを繰り返し述べる。短歌は「生きる」であり、社会性や経済活動は「生きのびる」である。 これはこう言い換えられるのではないか。 生きるは「いま、このとき」。而今。 生きのびるは「これから、未来」。
1投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ生き延びる、のではなく生きる、そのことを書くのが短歌。生き延びるのに毎日精一杯で、生きる、瞬間をおざなりにしてしまっているな、わたしは。そう思った。 ずっとなぜかニヤニヤしなが読んでいた。文体がカジュアルでまるくて、いい具合に感情に触れてくる。短歌、作れるようになりたいな。
0投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログ"生きのびる"と"生きる"の違い。 ひとが前者に重きを置きがちなのは、他人からの評価を気にする性からかな? もっと自分の人生に生きていきたいよね。自分の考えや感性に則って。クリシェとかそういう縛りから解かれたい。
0投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログ解釈のブレなく、言いたいことを端的に伝えることが好まれる現代において、短歌的な自由な表現とは何かを伝えてくれる本。現代人が忘れがちな価値観や表現の仕方をうまく言語化してくれていて分かりやすい。
0投稿日: 2025.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短歌の入門書としてももちろん、読み物として面白くて入り込んでしまった。久しぶりに「これは隙間時間ではなくちゃんと環境が整った時に読もう」と思えた本。とてもよかった。 「生きのびる」と「生きる」の違いについて、1冊かけて丁寧に解説されていて、自分の中に入ってきた感覚がある。 選ばれた短歌から改悪例を出してくれていることで、一般的な添削よりも分かりやすい。 自分は余白を持たせるためと思って単語を標準化してしまっていたけれど、これはまさに改悪例として載っているもので、唯一無二でなくなってしまっていたということだ。 ------------ 「この本はただの短歌入門書ではない。短歌入門書の仮面をかぶったビジネス書である。」(p165解説) 本書は慶應義塾の社会人教育機関で開講された、バリバリのビジネスマン向けのワークショップの講義部分を再構成したものとのこと。ターゲットが意外。 現代短歌にあらわれるような詩的感覚の表現を、「文学の形式」ではなく「頭を切り替えるための発想法」として伝えたとのことで、自分も学びがあった。 私は「生きのび」たいのではなく「生き」たいという欲求が強くなる時があって、もやもやしたりじたばたしているのかもしれないな、と思った。これは今の自分にとって大きな気付きな気がする。 ------------ ひとつ不思議なのは、語り口調の本は苦手な傾向にあり、よっぽど読みたいテーマか知っている著者でなければ挫折してきたのだけど、本書は何も違和感がなく読めた。まだ著者の詩集も手に取っていなければ本書が講義がベースということも知らないという不勉強な状態だったにもかかわらず、何か文章から滲み出る魅力があったのだろうか?
7投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログ【感想】 短歌は簡単なようで難しい。五七五七七の31音しかない文章など、誰でも手軽に作れそうに思えてくるが、いざ自分で詠もうとするとセオリーが分からない。エモーショナルな感動を詠めばいいのか、それとも徒然なる日常の中の些細な発見を詠めばいいのか。歌に詳しい人はそれこそ「自由だよ」と言うが、いかんせん「いい短歌」を詠もうとすると、やれる幅が広すぎて困ってしまうのである。 そんなとっかかりにくい「短歌」のセオリーを、初心者にも分かりやすく示してくれる入門書が、本書『はじめての短歌』である。本書の特徴は、筆者がまず「良い短歌」を紹介し、その横に自身で作った「改悪例」を並べてくれていることだ。俳人が一般人の短歌を推敲し改善例を提示することはよくあると思うが、そのやり方では、俳人の感性をトレースすることが正しいことのように見えてしまう。そうではなく、「どういう言葉に変えたら歌が悪くなってしまうのか」という実例を示すことで、短歌を作る上での心構えや構成を客観的に学ぶことができる。 私が本書の中で面白いと思ったのは、「生きる」と「生きのびる」の関係についてだ。 生きのびるとは、社会の中で社会人を営んでいくことである。「効率的で」「お金になり」「意味がある」行動をする。対して生きるとは、一人ひとりが持つ唯一無二の生をひたすら追求することである。 そして、短歌はこの「生きる」に寄り添う歌なのだ。 短歌は、生きのびるための情報や価値とは一切無縁の場所にある。日常の何気ない一コマを切り取り、それを美しく照らし出す。無駄を愛する気持ち、余白を大切にする感性――短歌は「無為性」を重んじる芸術なのだ。 「有益性」というのは刹那的だ。移り変わっていく世の中において、社会的な価値を帯びた物や行動は、あっという間に別のものに取って代わられてしまう。対して「無為性」は、時代が変わっても普遍的である。月を愛でる、書を読む、日がな一日のんびりする……。そうした「生きる」営みは、太古の昔から人々に愛されてきている。だから万葉集や古今集の時代の人の短歌にも、共感することができるのだ。 ――普遍的で共感されやすいものの方がいいじゃないかと思う人もいるかもしれない。しかし人間の感性とはそんなに単純なものではない。人間の感覚とは不思議なもので、「そんなのありえない」と思えそうなものの方が、「そんなにありえないものを大切にするなんてよほどのことなんだから、きっと本当なんだろう。あるある。」と思ってしまうのだ。 ―――――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 1 「生きる」と「生きのびる」 空き巣でも入ったのかと思うほどわたしの部屋はそういう状態(平岡あみ) 空き巣でも入ったのかと思うほどわたしの部屋は散らかっている(筆者がわざと改悪した例) 短歌とビジネス文章は、伝えたいことがちょっと違う。平岡さんの原文では、「私の部屋はそういう状態」って言われたとき「え、どういう状態?」と一瞬考える。 一瞬考えるっていうのは、コミュニケーションなのだ。その余地が、改悪例にはない。「散らかっている」と言われると、それ以上意識や感情が動かない。「散らかっている」という言葉はラベルだから、それをぺたりと貼られると、心が動かない。 短歌は、単純な情報以上の何かきらきらしたものを手渡すのだ。 よく学校の授業で、短歌や詩は非常に教えにくいって声が聞かれるけれど、それは当たり前だと思う。なぜ当たり前かというと、学校というのは基本的には言葉のベクトルをこれまで見てきた改悪例のほうに矯正するものだからだ。 教育機関の主な役割は、まだ社会的存在として完成しきっていない子どもたちを社会化すること。しかし短歌や詩というのは、それに対してベクトルが逆である。教えようとしても価値観が逆だから、「先生、さっきまで言ってたことと、ベクトルが違う」みたいな話になる。 ―――――――――――――――――――――― あっ今日は老人ホームに行く日なり支度して待つ迎えの車(相澤キヨ) 火曜日は老人ホームに行く日なり支度して待つ迎えの車(改悪例) 「あっ今日は」という言葉からは、相澤さんと僕の間に共通するものがある気がしてくる。同じ船に乗って運命を共有している感覚。 「火曜日は老人ホームに行く日なり」からは、死すべき運命の共有が感じられない。「火曜日」とすることで、死すべき運命を背負った個人の肉声ではなくて、社会化された情報になっている。純粋に個人的な体験である死の慄きにこそ「生きる」感覚が宿るのであって、万人が「生きのびる」ために有益な情報は短歌には不要なのだ。 「生きのびる」ためものというのは、「それがないと困る」と、万人が思っているもの。究極はお金だ。でも僕らは生きのびるために生まれてきたわけじゃない。「生きる」ために生まれてきた。「生きる」とは「生きのびる」に比べて不明瞭なもの。生きる何かと言われれば、はっきり分からず、一人ひとり答えが違う。 ぼくらはみんな、死すべき運命を共有している。だから、それによって照らしだされる歌を読んで、会ったこともないおばあさんのことを思い出したり、女の子の部屋のぐちゃぐちゃさを想像したり、千年前の人の気持ちがわかったりする。 短歌の価値、おもしろさっていうのは、そこに宿っていると思う。 2 短歌の中では、日常とものの価値が反転する 短歌においては、非常に図式化していえば、社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段のつくもの、名前のあるもの、強いもの、大きいもの、これが全部、NGになる。社会的に価値のないもの、換金できないもの、名前のないもの、しょうもないもの、ヘンなもの、弱いもののほうがいい。 短歌の世界においては、社会的な価値を帯びているものはマイナスになるのだ。すてきなえがお、美味しいステーキ……。社会的に承認された価値ではなく、どうでもいいもの、つまらないもの、欠点こそが美しいものとされる。 短歌の中では、日常とものの価値はずれていく。それは「生きる」と「生きのびる」の二重性に関係している。 それぞれにつながる2種類の言葉で、ぼくらは生きているけれども、今の動向を見ると、圧倒的に社会化された「生きのびる」ための言語の強制力が強い。 「生きのびる」ためのものは悪いものではない。それがないとぼくらはみんな死んでしまう。ただ、強調したいのは、「その逆の価値はどうなるんだ?」ってこと。 3 生きることに貼り付く短歌 非効率、無意味、お金にならないもの、つまり「生きる」ということに貼りつく言葉が短歌ではどんな形をとるのか。 雨だから迎えに来てって言ったのに傘も差さず裸足で来やがって(盛田志保子) これは怒っている?違うよね。これは感動している。 「雨だから迎えに来て」って電話で言ったら、それは傘2本持ってきてって意味だ。だけど言われたほうは1本も持ってこなかった。しかも裸足、靴も履いてない、ひどい。ひどいけど来た。迎えに来てって言ったから、迎えに来たんだ。ちゃんと約束は守ったんだよね。その約束がなんの役にも立っていない。なんの役かといえば、風邪をひかないため、「生きのびる」ため。風邪をひくと「生きのびる」のに不利だから。 つまりここでは、「生きのびる」ためのファクターが無視されて、迎えに来てって約束だけが存在している。果たされたのは、「生きる」側の約束だ。 この人は忘れないよね、この日のこと。あの日あの人は来たけど、傘も持ってなくて、2人で濡れて帰って一緒に風邪ひいた、みたいな。 「生きのびる」ためにはNGだが、「生きる」ためにはOKなもの。その基準はシンプルで、「忘れられないかどうか」。 ぼくらは、どんな人生が良い人生なのかを決めることはとても難しいんだけど、ひとつの尺度として、「死ぬ日に覚えている思い出が1個でも多い人生が、より良い人生なんじゃないの。そのとき1個も思い出せることがない人生は、ダメなんじゃないの」っていう考え方があります。 ―――――――――――――――――――――― 三十歳職歴なしと告げたとき面接官のはるかな吐息(虫武一俊) 三十歳職歴なしと告げたとき面接官のかすかな溜息(改悪例1) 三十歳職歴なしと告げたとき面接官のひそかな苦笑(改悪例2) 普通の社会人は、「はるかな吐息」とはなかなか書けない。 こうして並べたとき、原作に近づくほど社会とのチューニングがずれている。そしてずれることによって、社会が世界のすべてじゃないということを痛切に感じさせる。 社会は世界のすべてじゃない。実際には世界には人間以外の動物もたくさんいるのだが、社会にはいない。そこには人間とペットと家畜がいるだけだ。 だけど社会が世界とイコールにならないと、経済とかはやっぱりダメなのだ。社会は世界とイコールで、社会は人間の集団とイコールっていうふうにしていかないと、経済の回転速度はどんどん落ちる。 実際にどう生きるかということは別として、言語レベルで、社会と世界はイコールではないんだと、世界というのは人間だけが構成員じゃないんだということを痛感するとか。そういうことを、はっきり言語でおさえることって重要だと思う。 4 チューニングをずらす 銀杏が傘にぼとぼと降つてきて夜道なり夜道なりどこまでも夜道(小池光) 銀杏が傘にぼとぼと降つてきて夜道なりけりどこまでも夜道(改悪例) 本来的には、短歌の根源的な特徴は五七五七七であるということなので、そこにはどれだけこだわってもこだわり過ぎることはない。 この歌では、「銀杏が傘にぼとぼと降ってきて」と、ここまではきちんと五七五。ところがそのあと、「夜道なり夜道なり」と10音もあって、字が余っている。これを短歌の形に戻すのは簡単で、「夜道なりけり」にすれば定型になる。だけど、じゃあそのほうがいい歌なのかというと、どうもそういう気がしない。 散文や詩で同じ言葉を50回繰り返すことは罪じゃないけど、短歌で2回繰り返すのは罪だ。五七五七七の定型の禁忌を破っている。罪を犯してまで2回繰り返したことによって、無限に繰り返されるような感覚が呼び起こされる。まさにこの歌の中で伝えたい感覚は、「夜道なり」が無限に続く状況だから。 ―――――――――――――――――――――― 砂浜に二人で埋めた飛行機の折れた翼を忘れないでね(俵万智) 砂浜に二人で埋めた桜色のちいさな貝を忘れないでね(改悪例) 短歌を作るときに、慣れてない人は共感を価値の最上位に持ってくるし、共感する歌を作ろうとする。しかし上手くいかない。 多分オモチャの飛行機を歌っている歌だと思うが、実際の経験でいうと、「桜色の貝」を埋めたりした経験はかなりの人があると思う。だけど「飛行機の翼」を埋めたことのある人は、ほとんどいないんじゃないかな。 でもこの歌を比べると、なぜか「飛行機の翼」のほうが共感を呼ぶというか、ぐっとくる。実際見たことも聞いたこともない行為なのにぐっときて、「桜色の貝」を埋めた改悪例のほうは、まあ普通だなって思ってしまう。 これは、共感にはある特性が存在するから。 いきなり共感を目指すと上手くいかない。驚異ってぼくは呼んでいるのだが、一回ワンダーの感覚に触れてそこから戻ってこないと得られない。驚異から共感。砂時計の「くびれ」みたいな驚異のゾーンをくぐらないと共感をゲットできないという、普遍的な法則があるみたいだ。 だから、本当にあることをただ言ってもあるあるにはならない。共感のゾーンをそのまま狙いにいっても共感してもらえないのだ。 要するに短歌って、日本語がたどたどしい留学生の人が書いても問題ないのだ。子どもが書いても全然問題ない。五七五七七の形を意識してもらえば。あと考えてほしいのはひとつだけで、それはサバイバル的に、「生きのびる」側の言葉を使ってはいないかということだ。 では、そこから自由になるにはどうすればいいのか。 なんとなく素敵そうなことを詠むと失敗する。 いい短歌は、社会の網の目の外――一般的に素敵とか役立つとかそういう概念とは異なる場所にあって、お金では買えないものを与えてくれるのだ。
41投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログ「生きのびる」と「生きる」の違いをゆっくり咀嚼している。最近は生きのびることで精いっぱいかも 取り上げられる歌に改悪例がついているのがわかりやすかった。
1投稿日: 2025.01.04
powered by ブクログ短歌に一気に興味を惹かれ、もっとたくさんの作品に触れてみたいと思った。短い歌、少しの言葉から、そこに広がる情景や想いを想像し、分かろうとすること、その積み重ねが、人の気持ちを汲み取ることのできる繊細さや、些細なことに想いを馳せる感性、自由で魅力的な表現力を育んでくれるのではないかと感じた。まさに自身に足りないと感じていたものを、培ってゆくひとつの方法が見つかったような気がします。
0投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログ短歌の作り方を詳しく学ぼうと思って読んだ。紹介される短歌の良い部分を元に説明される。一から作り方を学ぶ箇所はない。しかし、読んだのちに胸の中に、短歌を作る上での大切な価値観を得られると思う。それが結局は短歌の詠みかたなのだと思う。短歌として、詩として、芸術として、何が大切なのかよく分かった。
0投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログ自由になることは難しいなぁ。 自分も常識を教え込まれた人間の一人なもので。 どうしても常識にとらわれてしまうんだよね。 世の中を生きていくのには、常識を持っていた方が生きやすいから。でも、短歌や詩の世界では、それが通用しない。 本書は、短歌の作り方を、そんな常識の打ち破り方を、教えてくれる。 しかも、例をたくさん挙げられていて、とてもわかりやすい。 さらに、改悪例を出すことで、その短歌の良いところに気づかせてくれる。 唯一無二の言葉で表現すること── はじめての短歌でこれを目指すのは、なかなか難易度が高いように思ったが、表現の仕方がまったく変わってくるところだと思うから、今から意識していきたいな。
46投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログ俺が持っている唯一のサイン本。著者は歌人であり、エッセイストでもある穂村弘。 主な内容としては、短歌を改悪例と共に紹介しながら、どんな短歌がいい短歌なのかを解説していく。 この本は、純粋な短歌入門書というより歌集や短歌入門書をある程度読んだことがある人や短歌を作りはじめた人に向いている本だと感じた。 空き巣でも入ったのかと思うほどわたしの部屋はそういう状態 平岡あみ 空き巣でも入ったのかと思うほどわたしの部屋は散らかっている 改悪例 上がいい短歌の例で下が、わざと悪くした改悪例。「そういう状態」を「散らかっている」に変えている。著者はこう述べる。 「散らかっている」という言葉はラベルだから、それをぺたりと貼られると、心が動かない。 だけど、「そういう状態」というのは明確なラベルじゃないから「え、そういう状態って?」と心が発動する。 この他にもいろいろ短歌についてとても丁寧に解説していて面白かった。
16投稿日: 2024.08.25
powered by ブクログ詩の作り方は人それぞれ コンビニ的には作らないようにすることがコンビニ的と思わないように気を付けよう
0投稿日: 2024.07.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先輩に薦められた一冊。 私が手に取ることはなかったであろう一冊。 こういう本を読む自分なんか、これっぽっちも想像できなかったけど、人に薦められたからにはと、重い腰を上げてみた。 上がる重さで本当に良かった。 ありきたりな表現だけれども、いつか「人生に影響を与えた本は何ですか?」と訊かれたら、この本の名前を呼んでいる自分が想像できる。 第1講第1節からグッと引き込まれた。 そして、「「生きのびる」ための言語体系から「生きる」ための言語体系にシフトする」ことと、私たちの二重性について書かれた第1講第5節。 そんな二面の違いとは、「忘れられないかどうか」という尺度と、そっちにシフト出来ない自分との綱引きについてが書かれた第3講第6節。 この三つの節は本質的でとても好きだった。 そして、二面とも大事だけど、蔑ろにされている「生きる」方を知ることこそが、「自分とは違う生き方を送る人々の考え方を感知できる」ことだと力説する、山田航さんによる解説。 この本にも歌が出てくる又吉直樹さんの小説(と映像作品)に私はとても惹かれるんだけど、その理由がこれまで上手く説明できなかった。特に、『劇場』。大好きなんだけどね。何故か上手く理由を語れない。 でも、この本を読んでから、少し言語化ができるようになったかも。 それは、「社会化された価値観の思考パターン」に抗って、「「生きる」に純化した魂の輝き」が眩しいからなのではないか。 私もたまには、スイッチを意識的に切り替えてみよう。 この本を薦めてくれた先輩に感謝を込めて。
0投稿日: 2024.02.29
powered by ブクログこれは素晴らしい本 あえて一貫した論理を導入することで見えてくるものがあるし、めちゃくちゃタメになった 生きると生き伸びる ここの違いは新しい視点になったし今までの自分のさまざまな価値判断の基準も、多くがここに結びつけれるような気もしてきた ここに掲載されている短歌は本当にどれも全部素晴らしく唸らされるし、改悪案によって最初はほんのりとだけ感じれていた良さがよりわかりやすくなる、で、このやり方は色々応用効きそうだなって思う
0投稿日: 2024.02.26
powered by ブクログ世界音痴を読んで、穂村さんの他者との関わり方を、わかるわかると共感し、その穂村さんによる短歌の指南書を拝読。 聞けば、短歌は世俗的な価値観よりも、少し「あまりもの」的なものに価値を見いだすそうで。 学生時代以来、短歌や俳句に触れてこなかった私に、限られた文字数の中に光る、言葉の魅力を示してくれました。
0投稿日: 2023.12.01
powered by ブクログ「社会的=コンビニ的」というように、より印象に残る言葉、おもしろい言葉をおもしろく解説していておもしろかった。 コンビニ的でないことが肯定される世界に安心感を覚えた。
0投稿日: 2023.11.14
powered by ブクログ共感は砂時計、驚きに触れてから常識に戻らないといけない 生き延びると生きるの違い 純粋さ、価値に矯正されていない物言い それらがいい歌を作る 意味のあることを言ってはならない
0投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログ短歌とはと言うことに対して、穂村さんなりの考え方が提示されている。かなり言い切っている部分も多いのでなかなか全てを納得すると言うことができないが、その言い切りのすがすがしさと言うものもある。 世界音痴、もしもし〜をこれまで読んできたが、その中でもかなり読みやすく、ビジネス向けにかかれたと聞いて納得した 社会的に適合してきた人(読者)からみて、短歌がかける人というのは、どこか社会でうまく適合していない人たちなのに、そこに魅力を感じてしまうのはなんでなんだろう、どこかにそういった表現をしたいという欲望があるのだろうか、
0投稿日: 2023.10.01
powered by ブクログ短歌を詠むための講座の本ですね。 まことさんの、おすすめで読んでみました。 面白くかなりヒントになりました。ありがとうございます。 「はじめての短歌」の題名になっていますが、副題の「いい短歌の正体とは。」の方がむしろピッタリの気がします。 慶応丸の内シティキャンパス夕学プレミアム『agora』(アゴラ)における講座「穂村弘さんと詠む【世界と〈私〉を考える短歌ワークショップ】」をもとに、構成のうえ編集したものとのことです。 作品を一つ一つ吟味しながら、いい短歌とはこんな風に捉えてはどうだろう、といった感じの講座ですね。 講座ですから、しゃべり言葉をそのまま本に仕立てあげてくれていますので、親しみやすく、穂村さんの語り口が絶妙ですごく分かりやすく、面白く可笑しく、へぇ~そうなんだと驚きもあり楽しく読めました。 私は、どうやら常識と素敵な短歌にとらわれすぎていて、それと言葉にとらわれすぎて、短歌が作れずにいることに気づかされました。 短歌を詠むヒントがわかりやすく、とても良い本だと思います。読み物としても面白くですね。
37投稿日: 2023.08.10
powered by ブクログ現代社会で良いとされていることが悪で、役に立たないとされているものに価値がある。価値観が反転されるような話で面白かった。私にとっては短歌の本というより人生の見方が変わるような本だった。
0投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログある短歌に対して改悪例を示すことで、どこがその短歌の持つ魅力だったのかを浮かび上がらせる。それは社会的価値(資本主義的的価値)からは逸脱したもの。でもだからこそ短歌にとっては必要なもの。 社会からはみ出た私が短歌に潜むもの。短歌の魅力って面白い。
1投稿日: 2023.05.22
powered by ブクログ短歌の改悪例をもとに、「生きる」言葉を使った短歌と「生き残る」ための言葉を使った短歌を対比しているのだが、 「生きる」ための言葉を使った短歌の方が明らかに面白いのが不思議。 効率性や正確性など社会的には「生き残る」技術が求められるけど、固有の視点や感情を味わう「生きる」ことを大切にした方が豊かなんじゃないかと心を揺さぶられた。 少し社会の常識から外れても自分らしく生きていきたいと思った。
0投稿日: 2023.05.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短歌イベントのために再読。 短歌の詠み方を分かりやすく解説しているので、導入に最適である。想像の余地を作る、いつもとは違う視点で物を見る。 山田航氏による解説が素晴らしかった。
0投稿日: 2023.05.13
powered by ブクログ「生きのびる」ための言葉(社会性)と「生きる」ための言葉(非社会性)。 犬はかわいいが、猫は命に対するチューニングの甘さの故に憧れる。
0投稿日: 2023.04.11
powered by ブクログ「改悪例」を載せるアイディアが面白く、取り上げられていた短歌も好きなものが多かった。 ただそれ以外の穂村弘の「親しみやすさ」「気やすさ」の演出が絶妙に肌に合わなくて読み通すのがちょっときつかったな。 お一人様三点限りと言われても私は二点でピタリと止めた / 田中澄子(p.87) 取っ付きやすくするための演出に対してこういうささやかな抵抗をしながらずっと読んでた気がする
0投稿日: 2023.03.28
powered by ブクログめっちゃ面白かった。 早く知りたかったこの本。 生きのびるだけだと息苦しくなるから、生きるために世界をズラす訓練としての短歌。立ち止まるための短歌。やってみたくなる。
1投稿日: 2023.02.01
powered by ブクログ歌集を何冊か大人買いしたのですが、短歌について無知な為、その頭で読んだらもったいないので、まずこの本を読んで短歌とはなにか勉強しようと思いました。 以下は、読みながら書いたメモ書きです。 ・新聞記者で詩人という人も世の中にはいる。穂村さんは総務課長で歌人。でも違う文章の使い方をする。 ・存在しなくても死なないもの。 ・正常の価値観とは違うもの。 ・本当に好きだと思うもの。 ・死ぬ日に覚えている思い出が一個でも多い人生がより良い人生なのではないか。 ・反コンビニ的というか反社会的。 ・「生きる」の「生きのびる」に対する非対称性。 ・社会化された訓練からもたらす改悪。短歌とは。 ・留学生の日本語。その神秘的な間違いに素敵な回路が誤作動する。 ・大事なことをわざと書かない。 ・短歌のリズム→五七五七七を崩す。 ・いいオノマトペは心に上書きされる。 ・誰が詠んでもOKですが、素敵なことを詠むと失敗します。 ・いい短歌はいつも社会の網の目の外にあって、お金では買えないものを与えてくれる。 感想 私は短歌的な発想はないごくごく普通の人なんだなあとつくづく思いました。
85投稿日: 2023.01.31
powered by ブクログ短歌の視点ってそうやってものを見るんだっていう参考になった 無駄なこととかガラクタなほど短歌は良いっていう たしかにってなった あまり意味のあることを追い求めても疲れるよなと思う 頭を切り替えるツールとして短歌、短歌の考えはいいなと思った
1投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログ「生きること」と「生きのびること」って全然違う。 短歌の楽しみ方がわかったし、書いてみたくなった。不器用な人ほど魅力的だな〜
0投稿日: 2022.09.17
powered by ブクログ社会生活は「生き延びる」こと、私生活は「生きる」こと。短歌のよさは「生きる」を表現してかつ驚きがあること。 な〜んて社会の言葉であらわしてみたけど、死を共有するもの同士の共感ってほんと不思議。短歌を詠んでみたくなった。
0投稿日: 2022.08.16
powered by ブクログ短歌の良さは日常の常識からのズレ。 休みの日は、会社の私ではなく私個人として、 五感を大切に、もっともっと無駄なこと、 意味の無いことにも目を向けよう。
0投稿日: 2022.08.14
powered by ブクログ読みやすくて2時間で一冊全て読んでしまった。『短歌』の書き方というよりも、『短歌』とはなにか?がわかる本。新聞記者と詩人の違いみたいなものも面白かった。ユーモアたっぷりで著者の人柄まで伝わる一冊。
0投稿日: 2022.07.10
powered by ブクログ仕事ができるとか効率的に生活するとか、そういうものを排除した先に詩情は宿る この本は短歌指南の本だが、実は人生について述べている。いかにうまく生きるかではなく、いかに良く生きるかという意味で。
0投稿日: 2022.05.22
powered by ブクログすごい速さで過ぎていく毎日を 自分なりに書きとめておきたいと思い立ち、 短歌をはじめてみたくなった。 穂村弘さんの別の著書を読んだことがあったので 短歌入門として読んだ。 短歌をつくるときに、 なんとなく良いこと書かなきゃいけないと 思い込んでいたけどそうじゃなくて良いんだと 肩の力を抜くことができた。 余白をつくる、チューニングをずらす 一瞬考える余地を与えることが 短歌のコミュニケーションということ。 「生きのびる」ための 一般的に価値があるとされているものではなく その逆の価値 割れた後のくす玉に、家を見失った元宇宙飛行士に 美しさを見出すのが短歌なのでは?ということ。
0投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログなんとなくで感じていた詩歌の良さが分かりやすい言葉で説明されていて、とても良かった。 生きのびることと生きることは別物で、私が時折感じる社会に馴染めない感覚は私の中で大切にしていて良いんだ。
0投稿日: 2022.02.07
powered by ブクログ生きのびるため、ではなく、生きるため。「くびれ」の概念など、 "なんとなく"とか"感覚"で判断しがちな短歌の良さを、ここまで短歌の読者以外にもわかりやすく論理的にすっきり短く説明してる本ないと思います。
7投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログ短歌での言葉の使われ方について、ものすごく噛み砕いてわかりやすく説明してくれている本。筆者がえらぶ秀歌に、わざと改悪例を示して、その比較から短歌の特徴を浮かび上がらせている。短歌の持ちうる切実感というのが端的に示されていて、短歌だけでなく文学や芸術全般にもあてはまるだろうなと思った。
0投稿日: 2021.06.28
powered by ブクログ短歌の本だと思って読んだら、哲学書でした。 穂村さんのエッセイは好きなんですが、歌人穂村弘はよくわかっていなくて、だからこの本は短歌の入門書だろうと手を出さずにいたことを後悔。もっと早くに読んどけばよかった。 読みながらにやにやしてしまう瞬間はありつつ、でもかなり過激でアツイ内容でした。「生きる」と「生きのびる」の考察とか。 もちろん、短歌の本としても素晴らしい本でした。添削ではなく改悪例ってのがとてもわかりやすかったです。
12投稿日: 2021.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「はじめての短歌」というが、ただの入門書ではない。 穂村弘先生講師のビジネスマン向け短歌教室ってきっと面白いに違いない。 「世界と<私>を考える短歌ワークショップ」ネーミングも絶妙♪ ふつうはこうやったらもっと良くなりますよ、的な例示が多いのに、これまた改悪例とは。元々の短歌がいかに良いかということをなるほど!と思わず頷いてしまう。 非効率、無意味、お金にならないもの、つまり「生きる」ということに貼りつく言葉を短歌にできるようになりたい。 共感にはある特殊性、脅威から共感ですって。凄い! ぐっときちゃう言葉。 「大事なことをわざと書かない」これは私の短歌教室の先生にも良く言われる。難しいし、奥深い。 なかなか上手く詠めませんが。短歌を作るのが楽しみになってくる。 短歌が手渡すのは、例えば何か、きらきらしたもの 愛の告白も短歌も、欠点を愛することが大切 たったひとつの言葉が世界を背負う 現実では奇妙なことが起きるそのリアル感 いいオノマトペは心に上書きされる
11投稿日: 2021.04.13
powered by ブクログ穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活動している。 本書は、2013年度の慶應丸の内シティキャンパスにおける短歌の入門講座(全6回)をもとに編集され、2014年に出版、2016年に文庫化されたもの。 私は、アラ還が近づき、仲の良い友人グループの何人かがSNSで歌のやりとりを楽しんでいるのを見て、本書を手に取ったのだが(現代短歌といえば、これまで俵万智しか知らなかったが、数ヶ月前のNHK番組「趣味どきっ! 本の道しるべ」に出ていた著者に共感を覚えていたこともあった)、とても興味深く、また、著者の軽妙な語り口にしばしば笑いを誘われる、楽しい本であった。 他の短歌入門書がどのように書かれているのかはわからないが、本書はいわゆるハウツー的な書き方はされておらず、短歌とは「生き方」に結びついたものであること、それ故にどのように詠まれるべきかが自ずと導かれること、が繰り返し述べられている。そのポイントは、概ね次のようなものである。 ◆いつ誰がどんな順番で死ぬかわからない世界で、人間は、替わりの効くシステムが用意されている人生(会社における課長「代理」のような)と、一人ひとりにかけがえのない絶対的価値のある人生(家族のような)の二種類の生を二重に生きている。前者の生き方は「生きのびる」、後者の生き方は「生きる」、とも表現できる。 ◆上記を言葉で文章を書くという行為に置き換えると、前者は「新聞記事」を書くようなもの、後者は「詩・短歌」を書くようなものと言え、よって、詩や短歌は、唯一無二の言葉で表現することをめざす。 ◆短歌においては(シンプルに言うと)、社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段の付くもの、名前のあるもの、強いもの、大きいものはNGであり、社会的に価値のないもの、換金できないもの、名前のないもの、しょうもないもの、ヘンなもの、弱いものの方がいい。 ◆「生きる」ために大事なものを測る尺度は、「忘れられないかどうか」であり、良い人生か否かを決める尺度は、死ぬ日に覚えている思い出が多いか少ないかである。 短歌の詠み方を語りながら、人の生き方をも説いた、出色の一冊と思う。(著者のエッセイもぜひ読んでみたい) (2021年2月了)
3投稿日: 2021.02.07
powered by ブクログ2020/12/22 読了 生きのびるためではなく、生きるために生まれてきた。 素敵な言葉だなーと思った。
3投稿日: 2020.12.22
powered by ブクログ良い方向に添削するのではなく、 悪い方向に添削?したら、みたいな設定もあって、 なかなか面白い。読みやすい。
1投稿日: 2020.11.03
powered by ブクログ一度も読んだことがない現代短歌。ニューウェーブ短歌の騎手による入門書。「雨だから迎えに来てって言ったのに傘も差さず裸足で来やがって」「目をさめて日のさすカーテン開けたとき歩いていたのは太郎君なり」ほか。社会的な価値に結びつかない非効率、無意味、お金にならない社会的にマイナスなもの程短歌の評価が高いらしい。人生に短歌がどう役立つかどうかはよく分からなかったが。
2投稿日: 2020.10.21
powered by ブクログ「煤」「スイス」「スターバックス」「すりガラス」「すぐむきになるきみがすきです」 社会的な尺度の裏側に佇んでいた、 もうひとつの自由で愉快な人間生活の世界に丁寧に気付かせてくれた。 普段見過ごしがちなその人その人の感性を愉しむことだったりや経験に想いを馳せることの豊かさがあった。 だから、社会という枠組みを取っ払った中での、 その人固有の人間性だったり、 身の回りのひとときの記憶に 近づいてみて、大切に見つめていければなぁと思えた。 また、二重の世界で生きることを、ただ息苦しく感じるんじゃなくて、その間で揺れる心があることが人間生活の贅沢だったりするのかも。 そう考えると、日々なんとなく気が抜けてほんの少し前向きになれる。 あと、「生き延びる」・「生きる」という考え方のように自分の身の回りにおける立ち位置を言語化して意識下におくことや積極的にスタンスを立てるようなことは、 ほかのたくさんのものに応用できることだと思うし、 新しい視点を授けてくれる頭のつかい方だとも思った。
0投稿日: 2020.09.30
powered by ブクログ「文学ってなんの役に立つの?」 に対する答えがちりばめられている。 よく聞くこの質問、相手を説得できる自信がなく、長年説明できずにいた。実際に私も高校生の時、先生に聞いたことがある。そうしたら、「その質問はナンセンスだ」とだけ返されて、いじけた。 今の私としては、「日常に結び付けるのが楽しい」なのだが、相手からしちゃ、お高くとまりやがってとか、くだらないといった印象を与える気がしていて。 読後、質問するほうの立場に立って考えてみた。 これは、まず、社会生活を前提にした質問じゃないかと思う。 文学が直接、受験に、ビジネスに役立つ実践的な部分は何かということを問うてるのだろう。 穂村さんが言うように、短歌をはじめとした文学は、 「生きのびる」ためではなく、「生きる」ために表現する。 サバイバルより、エンジョイみたいな。…ちょっと違うか。 社会的文脈に置かれることのない、生物学に近いもっと大きなもの。人間臭さを遊ぶかんじ、なんじゃないかな。本能的に持っている心のゆとりを再獲得していく感覚がある。 まあ、生きるに純化するのって難しいよなっていうのが本音。 だって働いてお金を稼ぎ続けないと生活が成り立たないし。そのためには、建前やマナーを重んじる世界を渡り歩くわけだし。今はクリエイターとか自由な働き方があるけど、それはそれでオープンすぎて拒んだりして。 私含め、文学を享受する人間は自意識高くて面倒くさい人が多いから、実はそこも完全な自由ではない気がしちゃうんだろうな。 でも生きる世界は用意されている。 しかも実は制約の中から見つける人間らしさってのは格段に面白い。 ありがとう世界。 だから、二重の世界で生きることもできる。社会と自分の言語体系に合わせて言葉のチューニングを切り替えながら、まあバランスよくいきたいですよね。 死ぬ日に覚えている思い出が一個でも多い人生でありますように。 違和感は記憶に残る。 だから、非効率で無意味なものにスポットライトを当てる。 短歌は人生を彩るのにぴったりだ。
0投稿日: 2020.08.29
powered by ブクログこのごろ短歌の良さに気づき始めた私にも分かりやすい、短歌の入門書。 短歌をどのように感じれば良いのか、また日常で短歌が浮かび上がる瞬間とはどのような場面か、"改悪例"を示しながら教えてくれるので、とても具体的に知ることができる。 肝心なのは、「生きのびる」ということを顧みずに「生きる」に純化した魂の輝き。共感の前にはまず驚異がある。 社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段のつくもの、名前のあるもの、強いもの、大きいもの。 短歌では、基本的にこれらは全部NGなんだそう。これらの存在を徹底して害悪と言い切ってくれて気持ちが良かった。短歌ってそうだったんだ! 思い起こしてみれば日常にそういう瞬間、強制力から逃れてただ魂が輝くだけの瞬間(エピファニー?)ってわりとある気がする。そういう一瞬をぱっとつかまえて、私も短歌、詠んでみたい。
10投稿日: 2020.08.20
powered by ブクログ非常に読みやすく分かりやすい。 「生き延びる」ではなく「生きる」ほうの言葉を選ぶと。短歌に限らず表現というものは「生きる」のほうから(「生き延びる」が上手くないほうから)異議申し立てする手段のように感じている。 共感というが、普遍的にすると「生き延びる」テキストに寄る。固有性を大事にするほうが共感に繋がる。「生きる」に寄った要素を拾う。 大事なことをわざと書かなかったり、三十一文字は意識するけど崩すところに意を込めたりするのもアリとわかって良いなと思った。
0投稿日: 2020.08.02
powered by ブクログたぶんね、短歌と言うより手紙にちかい。「ハニー♡」「ダーリン♡」と呼び合うような二人の間でだけ、通じるようなそんな特殊性。解が一つしかないような、一意に求められるような、普遍の無さこそが味なのだろう。 生きると生きのびる。 効率化偏向の果てのとがった槍の、あえて返しになる部分、不十分な解。それが生きる人間なのだ。
0投稿日: 2020.05.06
powered by ブクログ面白い。めっちゃ面白い! 短歌の言葉選びは、「サバイバル」の外側。 自分が「あ、いいな」とボンヤリと感じていた、何か柔らかいものを言葉にしてくれるものだったんだ。 書いてあることはめっちゃ面白くて、声に出して笑ったんだけど、なんだか、短歌読んでるといろいろ懐かしいこと思い出したりして、笑い泣きしてた。
0投稿日: 2020.04.02
powered by ブクログわーーーーーっ! 短歌が好きなんだよー! そしたら穂村弘さんを好きになったんだよー! なんだか、時々原田ムネノリさんみたいなトホホな感じ(←大好きだがな)かと思いきや、激烈に肝が座ってる&思慮深い男って時もあるし、 トークショーでは、余裕ある大人の男みたいなさっぱりしてるとこもあって好き過ぎて冷静にレビューなんて出来ないよー。 子どもの頃、感想文や作文などは、わりと褒められた記憶があるが、 短歌や俳句、それから詩は、1ミリも思い浮かばなかった苦い過去を持つオレ。 短歌が好きになり、 詠みたい題材はあるけれど、やっぱり何も浮かばないあたしなんだけれども、感じることは出来る。 穂村弘さんの感覚を感じられて嬉しいー! わーーーーーっ! あたし「チリトリ」って上手に言えない。 あとは、まばたきをゆっくりする事を意識して生きる。 そしてそして、こんなイタイ50代のうたが詠めればいいのにな。
0投稿日: 2020.02.03
powered by ブクログやっぱり短歌は好き。紹介されている短歌は良いなと思うものが多かったけれど、解説は特に響かず。「はじめての短歌」だからか? また短歌投稿したくなった。 穂村さんの本、好きだけど字数とか読むのにかかる時間とかで言うとコスパが悪い。富豪かよ、とセルフツッコミしつつ、こういう本をフラッと何も気にせず買えるのが幸せ。
0投稿日: 2020.01.31
powered by ブクログこの本はもはや短歌の本ではないと思う。 だから、短歌に1ミリも興味のない人もぜひ読んで欲しい。 人は、生きのびるための言葉と 生きるための言葉を使い分けて生きている、 なるほど、と思った。 生きのびるための言葉(社会的な言葉) ばかり使っていたら息が詰まるから、 どこかで生きるための言葉を使いたい、 それが短歌であり、音楽であり、 私にとっては言葉でさえなく、茶道なのだ。 私は生きのびるための言葉を使うべき場所で 生きるための言葉を使ってしまっていた、 そんな空気の読めなさもあるな、と自覚できた。 生きのびなくては、生きれないけど、 私はやはり生きるための言葉を使って、 生きのびたい。
0投稿日: 2019.12.04
powered by ブクログ短歌は「唯一無二の生きる」を追求する考え方。 語り口調が入り込みやすくて良かったし、短歌ってどう作るのかな〜?とよく分からないまま読み始めたけど、認識がふわふわしがちなところを言葉でわかりやすく解説されててなるほどなあと思いました。完璧に理解したわけではないけども。 「生きのびる」は社会的なもので「生きる」は唯一無二のもの? 「生きる」「生きのびる」という言葉がたくさん出てくるんだけど、具体例を挙げて何度も説明されるのでなんとな〜くわかった気がしてきたかもしれない。 最後に、読書中ふと思いついた短歌(と俳句になった)を書きますね。 ランチ写真 一番目立つは iPad スパイスに 心奪われ 啜る麺 食すころには 悔いもなきかな
0投稿日: 2019.10.27
powered by ブクログはじめての短歌は、大切な人だったり仲良い人に渡している本です。 人に1番読んでもらいたい本。 生活世界って?グレーゾーンの素晴らしさを知ることができる。人にイメージ・ストーリーを深い考察まで落とし込むための短歌力は必要。穂村さんのレビューを含めて、この本に幾度となく救われてきました。
0投稿日: 2019.08.24
powered by ブクログ全体を通じて、「生きのびる」=「社会」と「生きる」=「詩歌」という構図を使って、「詩歌」の、「社会」に回収されなさ、みたいなのを説明してる。こういう切り分け方は(筆者が「非対称」と言っているとはいえ)、なんとなく好きにはなれないのだけど、いわゆる「表現上の効果」の指導のお手本って感じ。改悪例というのは、よいですなあ。いくつか穴埋め短歌の教材に使いたいなって歌にも出会えた。
0投稿日: 2019.08.08
powered by ブクログ短歌とビジネス文書の言葉は何が違う? 共感してもらうためには? いい短歌は社会の網の目の外にある。穂村弘のやさしい短歌入門。(アマゾン紹介文) 驚異のちに共感。 「生き延びる」と「生きる」。 具体例を紹介し、繰り返し、短歌において価値の転換の重要性を説いている。 内容は面白かった…んだけど、著者の方の本にしては珍しく(?)、語り掛けるような文体になっていて、それはあかんかった…。
0投稿日: 2019.07.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短歌の発想を社会的に解説した、短歌を作りたい人よりも、解説にもあるようにどちらかというとビジネスや発想力メインな構成。短歌の、ビジネス書。役立たないことが短歌のよさなのにそれを役立つんですよ、とあえて書いているところを、受け入れられるかどうか。短歌ビジネス入門とかにした方がいいのかなあ。 短歌は感覚で作るけど、そのよさを理論で理解しよう、みたいな。感覚派の人はしらけるかもしれない、理論派の人は理解できても作れない、というジレンマに陥るかもしれない。 小説とかの発想の理解にもつながるところがあるので面白かった。理解できるのと作れるのは別だなと思い知らされもする。やっぱり、短歌なんて役に立たないよね、と思ってしまえば短歌は思いつかない。役に立てようとする発想自体が、短歌から離れていくという、このもどかしさ。 やはり芸術は解説することは出来ても、そこに気持ちをいれるのは、方法論では補えない。 短歌が残るのは残したい感情があるからで、情報ではないから。短歌が生き延びるためには、私たちが生きなくてはいけない。私たちが生きるためには、生き延びなくてはいけない。生き延びたいと思うためには、生きなくてはいけない。生きるためには、短歌を生き延びさせなくてはいけない。 読むとつい詠みたくなる、それで自分の歌はダメだなぁとしみじみする、そんな本。
0投稿日: 2019.05.30
powered by ブクログ現実に生きている私たちが大事にしていきたい微妙な感情や感覚を優れた短歌と、その改悪例とともに紹介。 「生きのびる」言葉と、「生きる」言葉の違いなんて考えもしなかった。 役に立たない言葉に価値を見出す世界。 実は、それはとても人間のこころを豊かにするのだとしたら役に立たない言葉なんてこの世には無いんじゃないかと思わせてくれる。 自分の感覚には無いものを突きつけられると感動する。 人々に「共感」されるためには「驚異」というゾーンを通らないといけない。この本は短歌だけでなく、何かを創るにあたっての説明書のような役割も発揮している。
0投稿日: 2019.04.15
powered by ブクログいただいた本。 生きのびる と 生きる は言い方は初めてだけど、こういう考え方は分かる。おもしろい、すてきで、ついには短歌をよんだ。
2投稿日: 2018.12.12
powered by ブクログ短歌に興味を持たずに読んだけど、本当に面白い。生きると生き延びる概念はとっても大切だし、学べて本当に良かった。
0投稿日: 2018.11.18
powered by ブクログいやいや、めちゃめちゃ面白いですよ。 『もしもし、運命の人ですか』を読んで視点が面白いなあ~程度の気持ちで短歌をよく知らない私が読んでも、ものすごく勉強になるし、おっ短歌書いてみるか?という気持ちになります。 短歌とか詩人って浮世離れしてるよね、と、漠然と共通認識的に思っていると思うんですが、それは「なぜ」なのか?がきちんと言語化されています。 曰く、短歌は社会通念的に価値の高い必要な「生きのびる」ことではなく、「生きる」ために必要な、共感や余韻を与える表現や観点を求める。 これは誰もが(万人に伝わるように表現するようにと)学校教育の中で矯正されてきたことと反対だから違和感がある、と。 読んでいてクスクス笑ってしまうような表現もあって、やけに軽妙だなと思ったらもともとは講義だったようで。いいなあ、通ってみたかったな。 この本のいうことを信じるなら、短歌的な世界を築くためには世界を閉じる必要があるように思います。昼はバリバリ働いて、それとは正反対のことに心を砕きながら、夜だけ短歌書いてます、みたいなことをできる人がいたとしたら、そんな人と恋をしたいよね。 ふわっと視点が広がる本です。
0投稿日: 2018.05.06
powered by ブクログめーーーーーちゃくちゃおもしろい。わかりやすい。大好き。 「生きのびる」ための言語体系から「生きる」ための言語体系に、シフトする。言葉のチューニングを切り替える。 仕事で使う、端的で明確で無駄のない申し送りや記録。事実を明確に述べた論文。仕事の時間が終わったら、その世界から駆け足で抜け出して、鯛焼きの縁の「ばり」を大切にする世界に帰ってくる。今の職場は、「生きのびる」と「生きる」が、前より少しだけ近い気がする。 無駄なもの、効率の悪いもの、目的を果たしたあとの社会的には意味のないいわばゴミのようなものに目を向ける。高度経済成長に向かったベクトルをぐらりと揺るがす、これは穂村弘さんの革命的な主張。17年会社員をした穂村さんだからこその、この表現。大好き。
0投稿日: 2018.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こういう創作論の本を読むのは初めてだったけど(この本は創作論とはちょっと違うかもしれないが)、すらすらと読めて楽しかった。凄く勉強になる。他の短歌の初心者向けの本は読者の短歌をここが良くないと言って歌人が添削していたが、この本は読者の短歌をこう変えると悪くなると言って、元の作品が如何に素晴らしいかを語ってくれる。優しい。 「生きのびる」という言葉と「生きる」という言葉があって、「生きのびる」というのはお金を稼ぐとか仕事をするとかコンビニでご飯を買うとかそもそもコンビニそれ自体のような、システム化されて洗練されていくものについて言っているが、それは短歌にはなりえない(しても面白くない)。何故ならそれは替えがきくからだ。反面、「生きる」ということ、蝶々の唇を探したり、裸足で雨の中迎えに行ったりは短歌になっていく。それは唯一無二のもので、何時迄も記憶に残る。しかし、人が長生きするためには、明日を生きながらえるためには生きのびていかなくてはならない。そこのバランス、悩ましいなと思ってしまった。食べるためにはお金が必要だし、お金を稼ぐには仕事はしないといけないわけだし、仕事のメールで短歌を詠むわけにはいかない。ただ、「生きのびる」ことだけに力を入れていると、短歌を詠めなくなる、詠んでも何だかしっくりこない、つまらないものができてしまうのかなと思ってしまう。 面白かった部分は 三十歳職歴なしと告げたとき面接官のはるかな吐息 という短歌を詠んだ方に対して、「この人は絶対就職できませんよ」と言い切っていたところ。歌人になるためにはどこか変わっている必要があるかもしれない。
0投稿日: 2018.01.06
powered by ブクログ短歌で「私」を取り戻そう。 社会的に正しい言葉を使えるように教育されてきた。でも,短歌は違う。社会的に間違っていて,価値がなくて,だから引っかかる。 これはビジネス書なのだそうだ。改悪例が並べられているけど,社会的には改悪例のように書く。正しく情報を伝えるために。子どもや留学生の言葉は短歌の世界の言葉。それは社会化されきっていないから。歌人というのは,二つの世界に生きることになる。 「生きる」と「生きのびる」の違いも面白かった。「生きのびる」のに何が必要かは明白。では「生きる」とは? 二つは対照ではない。「生きのびる」ことのうえに「生きる」があるんじゃないかな,私の場合。少なくとも同じではない。
0投稿日: 2017.07.13
powered by ブクログ穂村さん本職の短歌の解説本。 改悪例を並べて示すことで、短歌の視線の持ちようがわかる。 誰にでもすぐにわかるように伝える「生き延びる」ための文章との違い。 さすが日常生活の中の暗黙のルールで右往左往する穂村さんだなーと納得。 限られた文字数の中で選んだ言葉が広げるイメージ、世界、記憶。 ここでは触れてないけれど、 逆に、てらいすぎ、やりすぎ、ひねりすぎ、なパターンもあると思う。 そのへんの線引きもまた微妙で難しそう。
0投稿日: 2017.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
目から鱗。 効率的でないこと、意味がないこと、お金にならないこと。短歌の世界で“価値がある”とされるのは実社会とは真逆だ。替わりのきくシステムが用意されている人生を「生きのびる」、唯一無二の人生を「生きる」といった表現もおもわず唸ってしまうほど、自分の中にストンと入ってきた。 生きるために大切にしたいことを考えるきっかけになる良書でした!周りにいる大切な人たちに勧めたい!
0投稿日: 2017.05.06
powered by ブクログ初穂村弘購入にあたり、エッセイを読みたかったけど、先ずは本業からと思いたって購入。 純粋に短歌の面白味がわかった。
0投稿日: 2017.02.19
powered by ブクログ良書。短歌の表現技法の紹介にとどまらず、「生き延びるための言葉」と「生きる言葉」に視点を展開し、人間の細やかな気持ちをすくいあげる。日常の中にある答えのないものや場所を愛でたくなる。
0投稿日: 2017.02.11
powered by ブクログビジネスマン向けに開催された短歌講座がもとになっているらしいけど、三流ライターの私にとって、とてもためになること満載の内容だった。コミュニケーションって、少し立ち止まらせるくらいが印象に残るんだなあと改めて思ったり。
0投稿日: 2017.02.09短歌とは何ぞや
僕みたいな短歌素人でも興味がある人には、垂涎(すいぜんってこういう字なんだ)の一冊。添削ならぬ改悪例と丁寧な説明でわかりやすい。 ビジネスセミナーをもとに書いた本だそうで、興味の無い人でもためになるかもしれません。 『短歌の友人』という本と選んでる句が重複していることが若干不満ですが、この本自体は良い本だと思います。
0投稿日: 2017.01.31
powered by ブクログたいていはぼくのように社会に出ることがダメな人が歌人をやっているそうです。 入門書というより読み物として、おもしろい。 よくある下手な作品を添削するのではなく、上手な作品を「改悪」することで、どこがよかったのかを明らかにしてくれます。 紹介された作品がみんな楽しいんだけど、一つ選ぶなら、私はこれ 「お一人様三点限りと言われても私は二点でピタリと止めた」田中澄子
0投稿日: 2016.10.28
powered by ブクログたまーに母が見ているのを横目で見るテレビ番組に、芸能人が俳句を作り、それをぶった切るように添削して、スカッとした歯に衣着せぬ物言いでランキングしていくものがある。直されたものは、確かに感心するほどに洗練されていて、整形のビフォア・アフターだってこうはいかない。その神髄を知りたくて、本屋でその人の本を買ってみようか悩みながら、本のサイズが大きいことにしり込みして、なんとなく通り過ぎることを繰り返している。 それで、短歌。これなら、文庫本。 慶應大学の社会人・ビジネスマン向けのワークショップとして行われた短歌講座の収録です。 そのビジネスマンに向って、短歌の価値は、社会的価値と結びつかないと言い放つ。つまり、「あんたたちの普段の価値観とは全く正反対なんだよ」と。 それを別の言い方で、「二重に生きている」と。 「生きる」ことと「生き延びる」ことは違う。「生き延びる」言葉は短歌にならない。生活に必要な以外の何かが、短歌にし、心を打つ。 そこで、この中では、添削ならぬ、「改悪例」を提示する。 ありがちな風景という、ありがちな作品。それじゃ、だめ。 「あるある」を喚起することで、相手に共感を抱かせるも、それは、誰もが経験しているけれど、はっきりと言葉にできない何かなのだろう。だから、いったん「脅威」を潜り抜けることが必要だという。 「煤」「スイス」「スターバックス」「すりガラス」「すぐむきになるきみがすきです」やすたけまり これを 「煤」「スイス」「スターバックス」「すりガラス」「すてきなえがおのきみがすきです」 にしない。 鯛焼の縁のばりなど面白きもののある世を父は去りたり 高野公彦 こんまりさんが、「ときめかないものは捨てなさい」っていうけれど、ステーキでも、寿司でもなくて、鯛焼きのばりなんかに、ときめきはしないんだけど、なんか、思いが残る。捨てられない。そんな思いが短歌を作り出すんだよね、きっと。 中学校の先生で 生徒の名あまた呼びたるいちにちを終わりて闇に妻の名を呼ぶ 大松達知 というのは、すごくエロティックで、そこ、つなげちゃうの、っていうのと同時に生徒も妻も人間なんだよなあ、という、個々に戻る。 なんか、「そうなんだよなあ……」という感慨の中で、説明はできないんだけど、「これこれ、こういう感じ」って、実際を出してみせる。 「寂しい」とか、「好き」とか、「いとしい」とか、そういう言葉になるような上等なものじゃなくて、でも、こういうのあるよね、って、知ってもらいたい感じが短歌、かな。
0投稿日: 2016.10.23
