
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
9. 地方にあって、いま、約1年間に100万人の来場者を数える公共施設が全国に3カ所あるとされる。 北海道旭川市(人口約35万人)の旭山動物園 石川県金沢市(人口約46万人)の21盛期美術館 佐賀県武雄市(人口約5万人)の武雄市図書館 10. 増田「お客様の立場で考えればいい。例えば商品が受け渡される場所を、「売り場」と呼んでいるようでは、ダメだと思う。販売者の側からしか見ていないことがバレバレで、しかも本人にその自覚がない。消費者の視点に立てば、そこは「買い場」と呼ぶべきでしょう」 11. 樋渡「一見いかにもあり得ないように見える5%のほうに賭ける。そしてその可能性を全力で追求する。これが僕の思う企画」 14. 多くの場合、顧客が価値の基準として置くのは、それが世界初であるかどうかよりも、自分にとってそれが快適であるかどうか 15. CCCの社員には「世界初を目指すのではなく、顧客価値最大を目指せ」と繰り返し話している 28. ドイツの哲学者カントも、自由とは義務と密接に結びついているものと捉えている 32. 樋渡「居心地のいい空間が用意されれば、人はそこに集まる。その集まった力が駆動力となって、クリエイティブなことが起こる」 32. 増田「居心地というシンプルな感覚が実はとても大切。ネットで人と人がつながる社会では、リアルな場所に人を集めるためには、絶対ネット上にはないものを、意識して取り込んでいくしかない。それは風邪であったり光であったり、そしてそれらが創り出す「心地よさ」なんだ」 34. 「代官山 蔦屋書店」を訪ねてきて、居心地がいいとおっしゃってくれる人は少なくない。ただ、そういった方の多くは、その本当の理由にまでは思い至っていないようにも見える。 建物がいいから、ではないのだ。実は建物と建物の間が大事。建物の距離、そこに差し込む陽射しと、そこに出来る日陰のバランス。つまりは、風景だ。そして風景は光が創る。光がなければ、人はモノを見ることが出来ない。だから認識もされない。 人に風景を感じさせるのは、光と目の位置だ。その最適な位置を探し出すのが、建築家やデザイナーの仕事の、最も重要な部分となっていくだろう」 40. 街というものは、人から成り立っているからだ。そして子供たちとはすなわち、「未来の人」だ。街の未来を担うのは大人ではなく子どもなのだ。その子どもたちの自発性が高まれば、街そのものが自由な場へと変容する。 46. 企業はすべて、デザイナーの集団となる。そうなれない会社は、これからのビジネスシーンで成功を収めることは、できない 48.付加価値、それは簡単に言ってしまえば「おまけ」ということだろう。商品の本質的価値ではなく、それに付け足されるもの、といったニュアンスがある 49. モノとは二つの要素からできている。一つは機能、そしてもう一つはデザインだ 56. プラットフォームは無数にある。しかしそれらは単に「選ぶ場」であって、そこで実際に選んでいるのは顧客自身だ。とすれば、次に顧客が認めてくれるのは「選ぶ技術」ではないだろうか? 一人一人の顧客にとって価値の高いものを、探し出し、選び抜いて提案してくれる者。それがサードステージにおいては、より大きな顧客価値を生み出し、そして競争において優位に立つことができる存在なのだと私は思う。 そして、だから「デザイン」なのだ 58. 実際、優れたデザインとは、ライフスタイルの提案までがそこに内包され、表現されているものなのだ。 61. MPS(マルチ・パッケージ・ストア) 例えばハードボイルド映画ファンなら、チャンドラーの小説だって好きだろう。そしてその主人公が好みそうなクールなジャズを聴きたいと思うかもしれない。であれば一つの店でそれらが入手できるようにしよう 62. 知的資本がどれだけ社内に蓄積されているか、それが死命を制する 80.プラットフォームをイノベートする。 CCCはいま、4つのプラットフォームのイノベーションに取り組もうとしている。書店、図書館、商業施設、家電 82.「蔦屋」というのは、祖父の店の屋号に由来する。祖父は土建業なども営んでいた人物だったが、同時に経営していた芸者の置屋が「蔦屋」という名で、その老舗めいた響きが気に入って、私は自らの店に「蔦屋書店」の名を冠したのだった 84. 顧客にとって価値があるのは、本という物体ではなく、そこに盛り込まれている提案のほうなのだ 88. 顧客価値のありかを最大限に意識し、その視座から、翻って現在の店舗のあり方を考え続けるという姿勢を持ち続けない限り、店舗はまさにそうした桎梏(しっこく)の場となってしまう 93. 「本そのものではなく、本の中に表現されたライフスタイルを売る書店を創る」 95. 「出会い」というのは、ロマンチックな言葉だ。なぜならそれは、多分偶然に左右されるものだからだ。ただ、そうした偶然な幸運によるとのという前提に立った上で、一つ付け加えることがあるとすれば、彼らが「面白そうだ」と感じてくれる、求心力ある理念が存在しているかどうか 115. 「カルチュア・インフラを創ることだ」 これからの社会生活においては道路や水道や送電線ばかりがインフラと呼ばれるのではなく、映画や音楽といったカルチュアもまた、人々の生活に欠かすことのできないインフラになる。それを供給するのがTSUTAYAなのだと 124. 現在、TSUTAYAは全国で1400店以上あるが、そのうちでCCCの直営店舗は約100店。後はフランチャイズによる展開だ 135. つまり書物の量が直接、来館者の皮膚感覚に訴えかけてくるのだ 136. 即時性と直接性という二つの要素が、現在、リアルがネットに対して持ち得る優位性 139. 居心地いい時間と空間をデザインすることは、知的資本によってのみ可能になるのだ 144. ジョブズはiPhoneというモノを売ろうとしたわけではなく、それによってライフスタイル提案を行ったのだ 144. ライフスタイル提案が込められたとき、モノは国境や人種や世代や性別を超えていく翼を得る 148. 蔦屋家電は家電店というよりは、すでに雑誌に近い。「もっとワクワクする生活を送ろう!」という方針のもとで、100本の魅力的な特集記事が編集されている空間 150. いずれも、無から有を創り出そうとしているわけではない。既存の空間や業態にこれまでと違った角度から光を当て、そしてそれぞれに、より時代状況に適した方向性を与えようとする試みだ 157. データベースのイノベーションとは、いわば知的資本のオープンリソース化なのだ 163. 会社とは、それ自体がメディアである 172. ブランドとかデータベースとか、あるいは豊かな見識と経験を備えたコンシェルジュとか、そういったバランスシートに載らない知的資産のほうが、これからのビジネスでは死命を握る要素となるのだ 176. 「会社の寿命はもはや18年に縮んだ」 180. 「愛とはお互いに見つめ合うことではなく、同じ方向を見つめることだ」 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(星の王子さま) 186. 効率と幸福は違う 194. 「約束」と「感謝」 約束をするのは簡単だが、それを守るのは難しい。その難しいことをし遂げるためには感謝が必要になる 209. 「副産物」ということも、私は最近よく考える。ヨーロッパにおける浮世絵ブームのように、本来そうと意図されたのではなく生み出されたものが、私たちの周囲を変えていく。そういったことの繰り返しや積み重ねによって、世界は動いていくのではないだろうかと 213. クラインダイサムアーキテクツは「カンファタブルな空間を創りたい」と言っていた。 つまりは居心地のよさ 217. 副産物というのはあくまでも、何かを創った人にしか与えられない
0投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ内容が抽象的な部分が多く、期待とは少し異なっていました。 でも、武雄市の図書館が実現するまでの流れや、蔦屋重三郎についての話など、初めて知ることが出来る情報もあり良かったです。
0投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログ社会で自由に生き抜く それが一番大切だが、自由の意味を間違えたらいけない… 仕事の中で上司を見るのではなく、外、、顧客を見なければならない 新しい視点を見つけた一冊
0投稿日: 2021.12.02
powered by ブクログもっとも集客している公共施設の一つ武雄市図書館の元市長樋渡さんとCCC社長増田さんとの対談(図書館の指定管理をCCCにし空間をユニークなものにした)から始まり、その後増田さんの経営哲学について。非常に面白かった。 == ■企画/デザイナー ・企業は全てデザイナーの集団になる。企画の価値とは、その企画は顧客価値を大きくするものであるかどうか。(オペレーションの面でこんなんだとしてもそれは克服されなければならない) ・企画しないと生けていけない立場の人(企画を"仕事の一部"としか捉えられていない人ではなく)の企画が面白い ■組織文化 ・イノベーションはいつでもアウトサイダーが起こす。 ・ホウレンソウは禁止。管理もなし。もっとも大事にしている理念は"自由"。"朝目覚めて自分のやりたいことをやれる、やりたくないことは辞められるのが成功者" ・好きな人と好きな仕事ができる自由を得るためには信用がいる。約束を守り感謝を忘れない人間として信用を得続けようと努力を続けることで初めて、人は自由を手にする資格を得る。 ■ブランド ・効率と幸福は違う。 ・BSに乗らない知的資産(ブランド)の方がこれからのビジネスでは死命を握る要素となる ・顧客価値が大事。世界初、全国初という言葉に意味はない。 ・居心地が良いというシンプルな感覚がとても大事。生み出されたものや環境によって私たちの周囲を変えていく。
1投稿日: 2020.12.21
powered by ブクログ書店は本売っているからだめ。 書店が縮小化傾向がある次代、その原因はそこにあると増田さんは考えた。 ライフスタイルを提供する。 これが一番相手にとって良い"買い場"であること。 朝起きて1番に好きなことができることが自由。 自由を履き違えないこと。 知的という資本をどう活かし、提供し、協力しあって物事を作り上げるのか。 自分自身が何に関してコンシェルジュとなり得るのか、考えが深まる。
0投稿日: 2020.10.15
powered by ブクログ本当の意味の自由とは、この本にある通りだと思った。 自分の職場でも、決められたルーティーンから抜け出せないいい年した社員がたくさんいる。頭を使わなくてよい、ラクだからだ。実際それで、毎月会社から給料をもらえる、生活できる。 しかし世の中は変化し続ける。その一つの評価基準として、知的資本という価値観が今後高まればよいと思う。 ちなみに2014年の本だったが、その後アマゾンプライムビデオやNetflixなどが登場し、TSUTAYAの立ち位置はどうなったのだろうかと非常に気になった。
0投稿日: 2019.10.03
powered by ブクログ手段と目的を取り間違えてはいけない。それなのに何故、そのようなことが起きるのか。 それは、その方がラクだから。 幸福をという目的を目指しお金を稼ぐのに、だんだんとお金を稼ぐこと自体が目的になってしまう。幸福とは何かを自分に問い続けるのは難しく、厳しい。 耳が痛くなるような文章。笑 まさにその通りで、人はラクを選んでしまうし、自分に厳しく向き合い続けることは非常に難しいし、しんどい。その事実を把握し、受け入れた上で、手段・目的を取り間違えないようにする為にはどうしたら良いかを常に考え、実践していかなければならないなと思った。 『自由とは、やりたいことをやれて、やりたくないことはやめられるということだ 』『やりたいこと・自由になる為に、努力しなければならない』好きな言葉でした。
0投稿日: 2019.08.12
powered by ブクログとにかく顧客と向き合うこと。 世の中の変化。顧客の思考の変化に応じて、会社の提供価値を変えることは、いままでを否定するのではなく機動性に富んだ会社を新しく生み出すことだ。
0投稿日: 2019.03.18
powered by ブクログCCCの勉強のつもりで読んだ 論って書名にするほど論じゃないよくある類のよくある中身の本だったということがわかった アイミーマインなとことか、でも、大事なんだろなー リーマン読書
0投稿日: 2018.11.24
powered by ブクログTSUTAYAとTポイントカードでお馴染み、CCC増田社長の著書。 知的資本論 すべての企業がデザイナー集団になる未来 企業が全て、デザイナーの集団となる。そうなれない会社は、これからのビジネスシーンで成功を収めることが、できない。 本著で繰り返し語られるのは、”デザイナーであれ”という言葉です。 製品における”デザイン”が持つ意味は、いま急速に変わりつつある。 TSUTAYAを生み出したのは”デザイナー” TSUTATAを運営しているが枕詞のCCCですが、著者の定義は”企画会社”です。本著によると、企画会社の役割はライフスタイルの提案であり、有効な企画で価値を生み出し、顧客に大きな価値を提供するビジネスです。 例えば、TSUTAYAの商品は何でしょう?CDやDVDではありません。 映画・音楽・書籍で語られるライフスタイル だそうです。だから 映画・音楽・書籍で語られるライフスタイルに顧客が触れる”時間”をレンタルしている ということになります。つまり、TSUTAYAとは ライフスタイル提案という理念をMPS(マルチ・パッケージ・ストア)という形で可視化 した新しい企画だったのです。ライフスタイルを提案するためにMPSをつくったこと(つまりTSUTAYAというビジネスモデル)、これを著者の言葉で言い換えると 便利なモノに形を与えるという、まさにデザインの本質をなぞる工程 である、となります。どんなビジネスも何かを企画し提案することで成立します。「企業はすべてデザイナー集団」という著者のメッセージが具体的につながりましたね! 実は、デザイナーという言葉が解釈しきれず、何度か読み返しが必要でした。「あ〜社長がいつも言ってることだな!」的なブレのなさが一貫して存在しているのですが、初めて著者の言葉に触れた身としては、そのブレのなさ故に、咀嚼に時間がかかった気がします。それだけご自身の言葉で執筆されているのだな、と読むほどに好感度がグイグイ上がる一冊です。この勢いで講演か何かで、リアル増田社長をぜひ体感してみたい。。。 https://hana-87.jp/2018/10/11/chitekishihon/
0投稿日: 2018.10.11
powered by ブクログビジネス方面の思考からデザイン的な思考に移行する過渡期に読んだ本 頃合いがちょうどいいなって思いながらだった記憶
0投稿日: 2017.12.10
powered by ブクログネットとリアルの優劣。すべてのビジネスマンがデザイナーであれ。カルチャーインフラを整え、頭で日本は世界と勝負していく。学ぶべきことが盛り込まれた一冊であった。そして、ぜひともCCCが運営する図書館に一度訪れたいと思った。
0投稿日: 2016.05.05
powered by ブクログ知的資本論というタイトルの元、CCCの事業構想に触れることができる本書。 生きたマーケティング論を学ぶことができた。 理想から戦略、戦術、具体、接触まで一貫して実行されていることに感銘を受けた。 マーケティングのベネフィットは機能価値と情緒価値に分けられる。日本企業は後者をないがしろにしがちだが、CCCがいかに情緒価値に重きを置き、その為のデザイン思考を大事にしているかが分かった。 また、ただデザインを重要視しているだけではなく、ライフスタイルを提案して顧客価値を最大化するという目的の元、戦略から戦術、具体施策から生活者まで一貫して顧客のことが考えられており、その為にデザイン思考が活かされていることに感銘を受けた。 マーケティングの型を、ロジックだけでなく、感覚までを考慮して実践されている日本企業は、他には知らない。 夢を語りつつ、現実を捉えて事業を行っているCCCを、増田さんを私は尊敬する。
0投稿日: 2015.11.09
powered by ブクログ自由について考えさせられた。約束と感謝を重んじたい。 提案が必要となるサードステージへ。売り場でなく買い場であると顧客価値を最大にすることを大切にする。建築家としてこの本で何度も出てくるキーワードであるヒューマンスケールを大切にした居心地のよい空間をつくりたい。個人的にライフスタイルに着目しているが、提案としても空間としても目標となることが多かった一冊。
0投稿日: 2015.03.04
powered by ブクログカルチュア・コンビニエンス・クラブグループを率いる増田宗昭が自ら興した会社のこれまでの経営論・これからのビジネスモデルを著した本。中でも全体を通して会社がデザイナーの集団であることをしきりに強調する。
0投稿日: 2015.01.31
powered by ブクログ知的資本。ただ全ての知的資本は自己資本である必要性はなく、他の人の知的資本をつなげることもできるはず。どれだけ暗記しているかよりも、これとこれを繋げたら意外とイケるのかもしれないと考えられるフレキシブルな発想力、編集力のほうが大切な気がするんだよなあ。自分はそっち派なので。レコ屋でレコードを感覚的にあさり、それをターンテーブルでつなぎあわせる、それを本棚で表現するのが自分のスタイル。 いち書店員のつぶやき。
0投稿日: 2014.12.23
powered by ブクログ企画とは顧客価値を最大化するもの。イノベーションとは誰かが夢見たことが現実世界に出現すること。即時性と直接性、居心地。
0投稿日: 2014.11.17
powered by ブクログTSUTAYAが単なるレンタルショップではないことや、創業者の想いがよく分かりました。「顧客の視点」「顧客にとっての価値」を第一に考えることの大切さを学びました。
0投稿日: 2014.11.06
