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なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践
なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践
ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー、池村千秋/英治出版
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総合評価

71件)
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    事例ベースで紹介されており、だれる。ただ、この本に書いてあるようなことが実行できたら自己変容も組織変容の一助になりそう。時間と根気も必要。 人が変わるために必要なのは、主体を客体化していくこと。無意識を意識化に引っ張り出す、問題となっている行動や考え方の裏の心の不安を探る。こうなりたいと望む姿に反した行動は、心の不安を対処するための筋の通ったものだと考える。 主体は自分から見えず、改善しにくいため周りの協力が必要。チーム、組織で取り組むことが肝。

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    投稿日: 2025.10.26
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    リーダーシップ/変革がテーマな研修の講師から勧められた本書。今の私には無理だった。ただそれだけ… 途中で挫折しました。

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    投稿日: 2025.09.15
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    理想や希望を思い描く。 だがしかしそれが実現されない、ないしは実現のための行動すらなされない。 これはその目標達成のために行動をしていないと捉えるのではなく、裏の目標を叶えるために行動しないという選択を取っていると言うこと。 (組織のために、上司にもたくさん意見をします! →でも上司からは好かれたいという裏の目標があり、結局は同意ばかりしてしまうみたいな) この裏側になにが存在するのかをクリアにして、障壁を乗り越えていくことが大事

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    投稿日: 2025.08.16
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    後半は冗長、冒頭読めばポイントは分かる。 無意識下にある裏の目標を如何に認識し、立ち向かっていくかが大事。後半は個別事例やハウツーがメイン。

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    投稿日: 2025.07.21
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     最近の研究によると、食生活を改めたり、もっと運動したり、喫煙をやめたりしなければ心臓病で死にますよと専門医から警告されたとき、実際にそのように自分を変えることができる人は、七人に一人にすぎないという。たった七人に一人だー しかし、生活習慣を変えない六人だって、長く生きたいと望んでいる。長く生きて、もっと多く夕陽をながめ、孫の成長を見守りたいはずだ。  そう、この人たちは自己変革の重要性を理解していないわけではない。自分を変える背中を押すインセンティブもきわめて強い。どこをどう変えればいいかは、医師から明確に指示されている。それなのに、自分を変えられない人が七人のうち六人、すなわち約八五%もいるのだ。  このように、人は自分の命にかかわる問題でさえ、自分自身が心から望んでいる変革を実行できない。それなのに、人々が失うものと得るものがそこまで大きくないときに、リーダーが変革を推し進めることなど可能なのか? たとえリーダーとメンバーが変革の重要性を強く信じているとしても、それは難しいだろう。  なにが変革をはばみ、なにが変革を可能にするのかを知るために、新しいアプローチが必要なことは明らかだ。 ◾️知性の3段階の特徴 環境順応型知性 ・周囲からどのように見られ、どういう役割を期待されるかによって、自己が形成される。 ・帰属意識をいだく対象に従い、その対象に忠実に行動することを通じて、一つの自我を形成する。 ・順応する対象は、おもにほかの人間、もしくは考え方や価値観の流派、あるいはその両方である。 自己主導型知性 ・周囲の環境を客観的に見ることにより、内的な判断基準(自分自身の価値基準) を確立し、それに基づいて、まわりの期待について判断し、選択をおこなえる。 ・自分自身の価値観やイデオロギー、行動規範に従い、自律的に行動し、自分の立場を鮮明にし、自分になにができるかを決め、自分の価値観に基づいて自戒の範囲を設定し、それを管理する。こうしたことを通じて、一つの自我を形成する。 自己変容型知性 ・自分自身のイデオロギーと価値基準を客観的に見て、その限界を検討できる。 ・あらゆるシステムや秩序が断片的、ないし不完全なものなのだと理解している。 これ以前の段階の知性の持ち主に比べて、矛盾や反対を受け入れることができ、 一つのシステムをすべての場面に適用せずに複数のシステムを保持しようとする。 ・一つの価値観だけいだくことを人間としての完全性とはき違えず、対立する考え方の一方にくみするのではなく両者を統合することを通じて、一つの自我を形成する。  最初の一五分間、私たちは調査対象者に問いを投げかける――「ここ最近、強い怒り (不安/緊張、成功……………)を感じたのはどういうときでしたか? 思い出して、カードに書き込んでください」。このあと、一定の手順に従って問いかけを続けることで面接は続く。 対象者が「なに」(なにに自分が怒りを感じたのか)を語り、それを受けて私たちが「どうして」(どうして怒りを感じたのか。言い換えれば、なにが問題だったのか)を尋ねる。このようにして回答を引き出す手法は、その人が現在いだいている思考様式を描き出すうえできわめて効果的だと、過去の研究によりわかっている。熟練の面接担当者になると、問いかけを重ねることで、その人がなにを認識できて、なにを認識できないのか(なにが死角なのか)を決定づける基本原則を明らかにできる。  面接での対話は録音されて、文章に起こされたうえで、所定の方式に従って解析される。この調査は、これまで世界中であらゆる年齢層と社会層の何千人もの人を対象に実施されてきた。調査対象者のほとんどは、非常に興味深い経験だったと述べている。 出典:L. Lahey, E. Souvaine, R. Kegan, et al., A Guide to the Subject-Object Interview: Its Administration and Analysis (Cambridge, MA: The Subject-Object Research Group, Harvard University Graduate 「変化」は「不安」の原因か?  変革をはばむ免疫機能。の克服に関して私たちが見いだしたことの多くは、以下の三つの点に集約できる。 ・免疫機能を克服するといっても、不安管理のためのシステムをすべて取り除く必要はない。 むしろ、なんらかの不安管理システムはつねにもっておくべきだ。その点は、医学上の免疫システムのことを考えれば納得がいくはずだ。たとえ免疫機能により本来必要な物質が弾き出されて、健康に害が及ぶケースがあるとしても、システム全体をなくすべきだと言う人はいないだろう。好ましい解決策は、既存の免疫システムを変容させてもっと洗練されたシステムを築き、改善目標(第1枠) の達成が妨げられない状態をつくり上げることだ。とはいえ、免疫システムを変容させるのは簡単でない。なぜかと言うと・・・・・・ ・人に不安をいだかせるのは、変化そのものではない。「変化が不安を生む」という考え方はまことしやかに主張されており、十分に検証されないまま多くの人に信じられている。しかしこれは、正しいようで正しくない。もしあなたが明日宝くじに当選したり、運命の恋人と出会ったり、念願の昇進が決まったりすれば、どうなるか? 自分にとってきわめて大きな変化が起きることは間違いないが、そのとき最初にわき上がる感情は、おそらく不安ではないはずだ。この点からも明らかなように、私たちに不安をいだかせるのは変化そのものではない。変化にともない、難しい課題に挑むことを要求されるとしても、かならずしも不安をかき立てられるとは限らない。人に不安を感じさせるもの、それは、先に待ち受けている脅威の前に無防備で放り出されるという感覚だ。『変革をはばむ免疫機能」を克服しようとすればかならず、そういう脅威や危険に身をさらすことへの恐怖がこみ上げてくる。免疫システムは自分の命を救ってくれる仕組みだ。そんな大切な自己防衛のシステムをそうそう簡単に手放せるわけがない。 ・しかし本書で述べるように、免疫機能を克服することは不可能ではない。あまりに厳しい不安管理システムを緩やかなものに変えればいい(やがて、その新たなシステムにも限界が見えてくるかもしれないが、そのときはあらためてそれを乗り越える道を見いだせばいい)。 ”変革をはばむ免疫機能”の3つの側面 ・変革を阻止するシステム(手ごわい課題に挑もうという意欲を萎えさせる) ・感覚のシステム(不安に対処する) ・認識のシステム(ものごとを理解する)  その道筋を見いだしやすくするために、ここで免疫マップに新しい要素を加えることにしよう。 これまで紹介したマップでは示していなかったが、免疫マップを完成させるためには四つ目の枠を書き上げなくてはならない。そこに記す要素は、「強力な固定観念」だ。思考モデルの土台をなし、免疫システム全体を支えている根本的な信念のことである。わざわざ「強力な」と呼んでいるのは、それが「固定観念」であることに、本人がまったく気づいていないからだ。本人はそれを無批判に「事実」と思い込んでいる。本当に事実かどうかはわからないのだが、いったん事実と決めつけてしまえば、もはやその真偽を問うことをしなくなる。  もし、このジュニアパートナーが強力な固定観念の真偽を試すような行動を取れば、固定観念を修正する道が大きく開ける。固定観念を改められれば、既存の免疫システムの足枷から抜け出す一歩になりうるだけでなく、もっと高度な精神構造を築いて、自己主導型知性に移行できるかもしれない。  私の「一つの大きなこと」は、ものごとをコントロールしすぎること。そして、COOの「一つの大きなこと」は、みんなに好印象をもたれたがることでした。ロンほど性格のいい人物はそうそういません。私はいつも妻に言われているのです。どうしてあなたは、ロンみたいにやさしくなれないの? 確かに私の目から見ても、ロンはとびきり好人物です。ロンのことは大好きです。本当に。ただし私たちの間には、ある興味深い力学が生まれています。私はコントロールしたくて、ロンは嫌われたくない。そういう二人の間に、どういう関係が生まれると思いますか? そう、私が決定をくだし、ロンは私に決定をゆだねてくれるのです。けれど、たまにロンが私の考えに賛同できないときがある。そういうとき、ロンは表立って異を唱えることはしない。その代わり、私の決めた方針に従うこともしない。要するに、私の決定に従って行動すべき人たちに私の指示が届くことを妨げていた。断熱材みたいに。それどころか、私の指示と正反対の行動を取るときまでありました。私に嫌われたくないのでノーとは言わない。でも実際には、「会社のために正しいこと」だと自分で考える行動を取っていたのです。  私たちの意見が一致しないときは、いつもこういう事態が起きていました。そこであるとき、私はロンを会議室に呼び、二人で向かい合って座り、お互いの免疫マップを一緒に検討しました。そうすると見えてきたのが、いま説明したようなメカニズムだったのです。私はロンの顔を見つめて切り出しました。「整理してみよう。要するに、私は暴君で、きみは暴君に屈服したいわけだー」。ロンはニヤリと笑い、ついには笑い声まで立てました。私もひとしきり笑い、そのあとでこう言いました。「あまりに非生産的な状況だ。変えないといけない」  このとき、私たちはそのような状況にようやく気づいたのです。それまで一五年も一緒に働いてきたというのに。一五年ですよ! 半年前に出会ったわけではないのに。二人とも心の奥底では、こういうメカニズムが作用していることに薄々感づいていたはずです。でも、その現象を言いあらわす言葉を知らなかったのです。そのことを話題にしていいのだと思っていなかった。腰を据えて、問題に正面から向き合う勇気がなかったのでしょう。でも、「一つの大きなことアプローチ」(と、私たちは呼んでいました)のおかげで、問題に対処するためのプロセス、言葉、能力を手にできたのです。しかも、相手の人格を攻撃することなく、前向きな姿勢でそれに取り組めるようになりました。  私は言いました。「上司のエゴを満たすために莫大な時間を費やす羽目になった経験は、誰でもあるだろう」。私たちはみな、そういう経験をしてきています。特定の上司の個人的な好みや性格、流儀に合わせて、「上司受け」を意識して行動するために、誰もが多くのエネルギーを費やしてきた。このような経験をしたことがまったくないと言う人には、会ったことがありません。  続けて、私はこう言いました。「さて、問題はその次だ。ショックを受ける人もいるかもしれないが、私たちのことをそういう上司だと感じている人たちもいる。自分があの腹立たしい上司みたいな人間になっている? 受け入れたくないだろう。でも、私たちもほかの人たちにとってはそういう存在になっているのだ!」。この点が理解できた人は、自己変革に前向きに乗り出すようになります。  私たちはさまざまな組織でこのハリーの発言を紹介し、この言葉が実に多種多様な組織の人たちの胸に響くのを目の当たりにしてきた。しかしその効果は、ハリーが自分の組織の幹部チームに語りかけたときに最も大きかったにちがいない。なにしろ、一部のメンバーにとっては、ハリーこそが「腹立たしい上司」だったのかもしれない。そんなハリーが自己変革に乗り出し、腹立たしさの原因となる行動を改めることをみんなの前で約束したのだ。メンバーが受ける衝撃は当然大きい。  以上のように、ピーターとハリーの間には多くの共通点があった。直面していた課題、私たちの力を借りようと思った経緯、活動の旗振り役になろうという意志と能力、そして、みんなと一緒に学びの旅に乗り出し、自分の弱さをさらけ出すことを恐れない勇気。しかし、私たちが最も強烈な印象を受けたことは別にあった。この活動でなにを目指すべきかを、二人は私たち以上に理解していたように見えた。活動の目的は、組織が目標を達成する能力をはぐくむことだと、彼らはよくわかっていた。  注目すべきなのは、この二つのグループの活動が職場の実際のチーム単位で進められたという点だ。一対一の個人単位でコーチングをしたり、研修のためにその場限りのグループをつくったりはしなかった。その結果、個人の成長を目指すという過酷な取り組みにも挫折しづらい、画期的な環境をつくり出せた。民間企業にせよ行政機関にせよ、ほとんどの組織は、職場で内省と自己実験を続けやすい環境にはなっていない。しかし、あなたの改善目標(免疫マップの第1枠の内容)をほかのメンバーに公表すれば、あなたの取り組みは、同僚たちが――― ・有意義なものだと認めることができ、 ・チーム全体のために、あなたに成功してほしいと願い、 ・あなたの進歩の度合いを知ることができて、 ・あなたが成功すれば評価してくれ(あなたにとって、やる気の源になるだろう)、 ・あなたから刺激を受けて、自分も自己改善に努めようという意欲がわく(いい意味でプレッシャーを受ける)ようなものになる。 変革を導いた2つの手法  デーヴィッドはどのようにして、これほど大きな変革を成し遂げたのか? 以下では、私たちが一緒に課題に取り組んだ日々のなかのいくつかの重要な転機に光を当てる。デーヴィッドの内面の変化は、新たに高い地位に就いたことをきっかけに始まったようだ。過去に経験したことのない難しい課題に直面するようになり、それまで管理職に就いてから実践してきた選手兼任監督型のやり方では対処できないとすぐに気づいた。本人の説明によると、そのあとで取ったとくに重要なステップは、第一に、"自分の変革をはばむ免疫機能"を理解したこと(「これが最も大きな進歩だった」 とのことだ)、そして第二に、自分のどういう部分を変えたいのかを周囲の人たちに公言したことだった。「自分の改善目標をみんなに話すことによって、私が適切に権限委譲をおこなえていない場合には率直に指摘していいのだと、みんなに伝えたかったのです。自分に任せてくれたほうがうまくできると思う仕事があるときは教えてくれ、と言いました」 改善目標を設定する第1回ワークショップ  プログラム全体の雰囲気を決し、その後の活動の土台を築くのは、最初に全員参加でおこなう二日間のワークショップだ。そこで、このワークショップの内容を詳しく紹介することにしよう。加えて、メンバーが個人レベルでおこなった免疫機能克服の取り組みについても言及したい(第二回と第三回の一日完結のワークショップについては、あとで手短に触れるにとどめる。この二回のワークショップの内容は、第一回ワークショップとその後の個人単位の活動の延長線上にあるものだからだ)。  第一回ワークショップでは、以下の三つのゴールを目指した。第一は、アンケート調査と個別面談の結果に基づいてチームとしての改善目標を設定し、それを全員で共有すること。第二は、チーム全体の目標と密接に結びついた個人レベルの改善目標を定めること。そして第三は、このあとの個人単位のコーチングと残り二回のワークショップの日程を決めることである。加えて、このワークショップの場で好ましいコミュニケーション(とくに、上手な聞き方)を実践し、メンバーが安心してリスクのある行動を取れるようにし、相互の理解を深めさせたいと考えた。できれば、みんなで一緒に声をあげて笑える場面が一度か二度あればいいと、私たちは思っていた。  アンケートと個別面談の結果にはチェトのリーダーシップの振るい方について否定的な評価が含まれていたので、私たちはまず、それを彼にだけ示した。そして、本人の了承を得たうえで、全員の前で調査結果の骨子を発表した。それに基づいてみんなで話し合ったところ、チームの最優先課題がコミュニケーションの改善だという点で合意に達した。メンバーがとくに重要だと考えたのは、次の二つの点だった。一つは、メンバー同士が直接、明快なコミュニケーションを取ること (チェトを介さずに、直接コミュニケーションを取り合うべきだと考えていた)。もう一つは、お互いに助け合い、信頼し合える環境をつくることだ。では、具体的にどうすれば、チーム内の信頼感を高められるのか? 全員が以下の行動を取るべきだと、みんなの意見が一致した。 ・ほかのメンバーが善意で行動しているとみなす。 ・自分とは異なる仕事のスタイルを受け入れる。 ・お互いを信じる。 ・ビリビリしない。 ・質問されたときは、非難されていると思わず、前向きに受け止める。  情報の送り手と受け手が守るべきルールも決めた。 ・[情報の送り手の義務] オープンに、直接的に、嘘をつかずに、適切なタイミングで情報を発する。相手のやる気をかき立てることを心がけ、ものごとを決めつけないよう気をつける。 ・[情報の受け手の義務] 情報の送り手が善意で行動していると想定する。最後まできちんと話を開く(メッセージを読む)。わかりにくい点があれば質問する(とくに、送り手の感情のトーンに関して、理解を曖昧なままにしない)。前向きに学習する姿勢をつねに忘れない。 ・[両方の義務] 自己分析をおこたらない。「私はほかの人にどういう印象を与えているのか?」 と自問するよう心がける。自分の長所と短所を把握し、「私はどのようにコミュニケーションを阻害しているか?」と、(言葉と、言葉以外の方法の両方で)同僚に問いかける。  次に、ワークショップでの話し合いが漠然としたものにならないように、有効なコミュニケーションとはどういうもので、コミュニケーションの質を高める目的はなんなのかという点について認識を共有することを目指した。議論の結果、チームとしての学習と生産性の向上をコミュニケーションの中核的な目的と位置づける一枚の概念図ができあがった。それが図7-1である。  図が完成したあと、私たちは「コンセンサー(共感度) チェック」をおこなった。これは、どの程度強い合意が形成されているかを手っ取り早く確認するための手法だ。私たちが知りたかったのは、次の二つの点だった。一つは、この図が自分たちの目的を達するうえで適切なものだとメンバーが思っているか(具体的には、「この図のとおりにコミュニケーションをおこなえば、チームの学習と生産性がどの程度改善すると思いますか?」と尋ねた)。この問いに前向きな答えが得られれば、次の問いに移る。一人ひとりのメンバーがこの図をコミュニケーションの設計図として受け入れる意志があるかと尋ねる。この問いには、その意志の強さを「強」「中」「弱」の三者択一で答えてもらった。すると、この図に従って行動するという強い意志があると全員が回答した。  以上の二つの点に関して強力な合意が形成されたことにより、このあとにおこなう集団レベルと個人レベルの活動の土台が築かれた。完成した図自体は、とりたてて目新しいものではない。挙げられている要素の多くは、好ましいコミュニケーションの実践方法としてよく指摘されるものだ。 それでも、みんなで共有する一枚の絵が描かれて、それに全員が合意したというのは、それまでにないことだった。メンバーは一枚の絵を描き上げることを通じて、コミュニケーションの方法と目的に関して明確な合意を形成するための最初の一歩を踏み出した。なにを好ましい行動とみなすかという基準ないし規範と、チーム全体として取り組む学習の目的を共有できたのである。  この合意は重要なものではあったが、確固たる行動原則というよりは免疫マップの第1枠に記す改善目標に近いものと言うべきだろう。なぜなら、これらの合意を実際に守ることはおそらく難しいからだ。そもそも、裏の目標によって好ましい意図の実現が妨げられる可能性がなければ、コミュニケーションの問題についてわざわざ話し合い、実践すべき行動パターンをみんなで約束するまでもない。しかし現実には、約束を三日坊主で終わらせたくなければ、メンバーがどういう免疫システムをいだいているかを知っておかなくてはならない。守るべき規範を最初に明確化させるのは、そうすればその規範が守られるからではなく、免疫システムを解明する出発点になるからだ。 規範に反して取られる行動は、免疫マップの第2枠に記すべき阻害行動とみなせる。  そうした阻害行動を検討すれば(ここで重要なのは、その種の行動を非難するのではなく、原因を掘り下げようという姿勢で臨むことだ)、第1枠の改善目標とぶつかり合う第3枠の裏の目標が見えてくるかもしれない。それは、規範に反する行動を合理的な行動にしている要因と言ってもいい。この作業をおこなうと、自分が抱えている矛盾が浮き彫りになる場合もあるだろう。たとえば、「ほかのメンバーが善意で行動しているとみなす」という目標をいだいていると同時に、「古い仲間たちとの絆を大切にしたい」という目標もいだいていて、後者の目標を実現するために親しい同僚に過度に肩入れし、それほど親しくない同僚に警戒心をいだきすぎるときがあると気づくかもしれない。  みんなで合意したとおりに行動する妨げになる要因は、人によってまちまちだ。その点は頭に入れておく必要がある。同じ技能を習得するにしても、あっさりマスターできる人もいれば、適応を遂げないとマスターできない人もいる。そこで、コミュニケーションを改善するというチーム全体の目標を追求するために、自分がどのような自己変革を達成しなくてはならないかを各自に割り出させたいと考えた。  具体的には、チームとして目指すべきコミュニケーションのあり方に照らして自己分析をおこない、チームの目標を達成するために自分のどういう点を改善したいか、あるいは、すべきかを検討するよう全員に求めた。ワークショップではいつも、参加者が自分の改善目標を見いだすきっかけをつくるために、「自分のどういう点を改善したいか?」と尋ねる。ネイサント社のケースでは、 チーム全体の目標を前提に、この問いを投げかけたのである。私たちはメンバーに時間を与えて考えさせ、免疫マップ作成用のワークシートに答えを書き込ませた。  そのあと、メンバー同士で意見交換をさせた。まず、ここでの発言内容の秘密が守られることを約束したうえで、ペアをつくるよう指示し、二人の対話で聞き手と語り手がどのように振る舞うべきかを説明した(ペアは、職務上の指揮命令関係にない人物同士で組むものとした)。そしてペアができると、二人で話し合い、第1枠に記入した内容をお互いに披露するよう促した。どのペアも自由に意見を交わしているようだったので、頃合いを見て全員に自分の第1枠の内容をチーム全体に発表させた。  続いて、さらに別の課題を課した(この活動をおこなう利点とリスクを秤にかけたうえで、実施することを決めた)。メンバー同士が改善目標に関してコメントし合う時間を設けたのである。このとき、「トントン・ルール」というルールを導入した。同僚にコメントしたいときは、自分の言いたいことを言い渡すのではなく、問いかけの形で発言することを心がけ、しかも相手の部屋のドアを「トントン」とノックして入室の許可を得るみたいに、コメントを開かせることへの同意を得なくてはならない。ドアをノックされた側には、「いいえ、けっこうです」と断る自由が全面的に認められている。とはいえ、一緒にワークショップをおこなっている面々は、もっとうまくコミュニケーションを取りたいと思っている相手にほかならない。改善目標について講評し合うには、これ以上理想的な顔合わせはないだろう。彼らが同僚たちへのコメントを考える際に指針としたのは、次の問いだ――「もし、あるメンバーがその人の第1枠の目標に向けて進歩を遂げたとして、それがチーム内のコミュニケーションを、そしてチームの学習と生産性を大幅に改善させると思いますか?」  意見交換は盛り上がり、非常に大きな成果が得られた。メンバーはふざけ合ったり、一緒に笑ったりしながら、お互いに心からの助言を送り合った。最初に同僚にコメントをしたいと名乗り出た 、リーダーであるチェトだった。同僚に直接意見を言うことのお手本を示し、オープンなコミュニケーションを尊重する姿勢を印象づけようとしたのだ。このワークショップで誰もが同僚にコメントや質問をしたわけではなかったが、全員が同僚からのコメントを聞いた。コメントとそれに対する本人の返答がほかの全員の前でおこなわれたことも注目すべきだ。こうして、メンバーの間でそれまでになく率直なやり取りがなされた(チェトが選択した改善目標の一つをあるメンバーが絶賛する一幕もあった)。  具体的には、一人ずつ順番に、まず自分で考えた改善目標を大きな紙に書き出し、ほかのメンバーの講評を受けてそれに修正を加えていった。一人ひとりが自分自身について率直に語り、ほかのメンバーも積極的に議論に参加した。  どうして、こんな短時間でここまで大きな成果をあげられたのか? 以下の要因が好ましい影響を及ぼしたのではないかと、私たちは感じている。 ・このチームが私たちのプログラムを試すことになったのは、彼ら自身の選択の結果だった(すでに述べたように、彼らはほかのコンサルタントたちの説明も聞いたうえで、私たちを選んだ)。 ・チームが抱えている課題を解決するために、集団レベルと個人レベルの変革を並行して推し進めるアプローチを受け入れた(注目すべきなのは、トップダウンで特定のやり方を押しつけられるのではなく、自分たちで方針を決めたことだ。信頼関係は、こういうプロセスを通じて築かれていく)。 ・事前の個別面談で、一人ひとりにチームの強みと弱みを指摘させ、それに自分がどう関わっていると思うかを尋ねた。これにより、メンバー全員に責任の一端があることが確認できた。 ・リーダーであるチェトが終始一貫して、チームの成長を実現するための活動の旗振り役であり続けた。アンケート調査の結果を検討したときも、自分の立場やメンツを守ることに汲々とせず、そこから学習しようという姿勢で臨んだ。そういう態度は、自分のリーダーシップの振るい方に対するメンバーの評価を知らされたときも変わらなかった。 ・チームで目指す目標として、ビジネス上の成果と結びついた目標を設定した(チームの強みと弱みを分析して、業務上の使命を達成するためになにが欠けているかを明らかにし、どういう点を改善していくかを決めた)。 ・メンバーは、チームを成功させたいという強い意欲をいだいていた。プロジェクトを大成功に導かずに満足するつもりなど、誰にもなかった。また、ビジネス上の目標を達成するためには、全員が積極的に参加することが不可欠だと、誰もがわかっていた。「一人でも失敗すれば、みんなが失敗する」という発想が浸透していた。本当のチームとはそういうものだ。 組織内で他人と信頼関係を築くために必要な要素は以下の四つだ。 ・組織が大きな成果をあげるためにその人物の役割が重要なのだと理解し、その人を尊重すること。 ・その人物が責任を果たせるだけの能力と技量をもっていると信じること。 ・同僚として、そして一人の人間として、その人物を気づかうこと。 ・自分の発言と矛盾した行動を取らないこと。 変わるために必要な3つの要素 ・心の底ー変革を起こすためのやる気の源 ・頭脳とハートー思考と感情の両方にはたらきかける ・手ー思考と行動を同時に変える 適応を要する変化に成功した人たちの共通点 ・思考様式(思考と感情を形づくる土台となる意味生成システム)と行動の両方を変えることに成功したこと。片方を変えれば、もう片方もおのずと変わるなどとは思っていなかった。 ・自分の思考と感情と行動を鋭く観察し、観察の結果を情報として活用したこと。自分が意識的に追求している目標だけでなく、無意識に自分を支配している目標にも目を向けた。 ・思考様式を変えた結果、選択肢が広がったこと。あまりに遠いとか、あまりに危険といった理由で、立ち入れない、もしくは立ち入るべきでないと思っていた世界への扉が開けた。 ・明確な意図をもってリスクをともなう行動に踏み出し、想像ではなく現実のデータに基づいて新しい基本認識を形づくり、それを軸に新たな力と評価基準を獲得したこと。その過程を通じて、適応を要する変化に対する不安が(完全には消滅しないまでも) 大幅にやわらぎ、楽しい経験が積み重なっていった。 ・積極的に能力向上に取り組むことにより、選択肢が広がり、コントロールできるものごとが増え、以前より高度な自由を得るようになったこと。そして、自己変革の目標に向けて前進し、あるいは目標を達成したこと。多くの場合は、当初期待していたよりも大きな成果が得られた。特定の問題の解決策を見いだしただけでなく、新たな知性が身について、それを仕事や私生活上のほかの課題や場面でも活用できるようになったのだ。 ”変革をはばむ免疫機能”という考え方に興味をもたせるだけでいいのであれば、このエクササイズでも問題はないでしょう。人々に新しい考え方を身近に感じさせるうえでは、自分自身の経験を活用させるのが賢明だからです。でも、一人ひとりに、そしてチーム全体に大きな変化を起こすことが目的なら、その成否をわけるのは、免疫マップの第1枠になにを記すかです。変革プログラムを推し進めることによって劇的な変化が起きる場合、その変化は第1枠に記された改善目標に沿ったものになる。つまり、第1枠の内容が絶対的に適切なものでなければ、せっかくの優れた方法論を誤った場面で用いる結果になってしまうのですー  第1枠にどういう目標を記すかは、本人にすべて自由に決めさせてはならないのです。誰もがほかの人たちのコメントを聞く必要がある。人間には自分をあざむく性質があるというのが、あなたたちの訴えたい重要なメッセージの一つだったはず。そうだとすれば、自分がどこを改善すべきかを知るうえで自分自身が最良の情報源だとは言えないのでは? …では、"変革をはばむ免疫機能"を克服しようとするとき、最初に設計を誤らないためにどういう点に注意すればいいのか?私たちからの第一のアドバイスは、この章に記されている作業を一気にやりおえようとしないことだ。免疫マップの第1枠を完成させるだけでも、まわりの人たちの声をよく聞く必要がある。家族や職場の人たちと話し、自分が考えた改善目標の候補を聞かせ、相手の目がキラリと輝くかどうかを確認しよう。さらに「ほかに追求すべき目標があると思えば、教えてほしい」と尋ねてみる。あたなたにとってもっと有意義だとその人が思い、あなたがそれを達成すればその人がもっとうれしく感じる目標を教えてもらうのだ。自分だけでなく、まわりの人たちにとっても価値のある目標を見いだせたと確信できるまで、第1枠を書き終えてはならない。 第1枠 改善目標に必要な条件 ・その目標が自分にとって重要なものであることー目標に向けて目覚ましい進歩を遂げられれば、自分にとってきわめて大きな意味をもつ。その面で進歩したいと本気で望んでいて、それを至上命題だとすら感じている。目標を達成できればうれしいいという程度ではなく、なんらかの理由でそれを切実に必要としている。 ・その目標が周りの誰かにとって重要なものであることーその目標に向けて進歩すれば、まわりの人たちからとても歓迎される ・その目標を達成するために、主として自分自身の努力が必要だと認識できていることー自分変わるべきだとわかっている(同じ目標を掲げていても、誰もがそういうふうに考えるとは限らない。たとえば「退屈な話やくだらない情報で私の時間を無駄にする人がいなくなれば、もっと聞き上手になれるのに」と思う人もいるだろう) 第2枠 阻害行動  次のステップは、あなたが取っている阻害行動を洗いざらいリストアップすること。どのような行動を取っているせいで、あるいはどのような行動を取っていないせいで、第1枠の改善目標の達成が妨げられているのかを明らかにする。 第3枠 裏の目標 STEP1:「不安ボックス」に記入する  本書で紹介してきたさまざまな免疫マップを見て「いったいどうすれば、第3枠の内容を割り出せるのだろう?」と思った人もいるかもしれない。実は、苦労して第1枠と第2枠に記入したことがその助けになる。第3枠の内容は、三つの枠が埋まったときに、あなたの変革をはばむ免疫機能”の全容を一望できる一枚の絵ができあがるようなものであるべきだ。その「絵」は、あなたの興味をかき立て、適応を要する課題に取り組む土台となるものでなくてはならない。  第3枠に充実した内容を記すための第一歩は、「生の素材」を集めることだ。具体的には、第2 枠のリストを点検し、以下の問いに答えていく―――それと反対の行動を取った場合に起きる最も不愉快な、最も恐ろしい、最もやっかいな事態とは、どういうものだろう?  ピーターは部下にもっと仕事を任せた場合のことを想像してみた。すると頭に浮かんだのは、次のような考えだった。「ちくしょう!自分が重要人物でなくなったように感じるだろう。自分の価値が下がる。のけ者にされて、隅に追いやられるかもしれない。自分の会社なのに。くそっ!」  注目すべきなのは、「ちくしょう!」と「くそっ!」という言葉だ。このエクササイズの目的は、単に不愉快な感情を抽象的なレベルで特定することではない。その感情そのものを表面に引っ張り出すことが目的だ。不愉快な感情(のミニチュア版)をここで体験し、それを言葉で表現する必要がある。  さあ、あなたもこの作業をおこなってみよう。そして、わき上がった不安感や不快感、恐怖感を不安ボックスに書き込んでみよう。  この作業は非常に重要だ。この段階で十分に掘り下げて不安ボックスを完成させておかないと、最終的にできあがる免疫マップが強い力をもたない。もし「ちくしょう!」だの「くそっ!」だのといった感情がこみ上げていなければ、まだ掘り下げが不十分だと考えたほうがいい。重要なのは、なんらかの強い恐怖の感情を掘り起こすこと。それができていないようであれば、「これらの不安から導かれる、自分にとって最悪な事態とはなんだろう?」と自問するべきだ。自分がリスクに直面していると感じる状況を、言い換えれば、危険なものに無防備にさらされていると感じる状況をありありと思い描ければいい。 STEP2:第1枠と衝突する裏の目標の候補を明らかにする  第3枠には、不安ボックスの内容をそのまま記すわけではない。不安ボックスは、この枠に書く要素(裏の目標)を特定するための「生の素材」と考えてほしい。『変革をはばむ免疫機能』の本質は、単に不安をいだいているだけでなく、合理的に、そして巧みに、不安から自分を守ろうとする点にある。人は不安の原因を遠ざけるために、積極的に手を打とうとするものなのだ。  この点こそが第3枠の裏の目標の核をなす要素である。フレッドは間抜けに見えることに恐怖をいだいているだけでなく、知らず知らずのうちに、「間抜けに見られない」ことを目標としている (厳密に言えば、その目標に支配されている)のではないか?  フレッドは、間抜けに見えることへの恐怖心を受動的にいだいているだけでなく、子どもたちの目に自分が間抜けに見えないようにするために、きわめて有効な行動を積極的に取っている。具体的に言うと、子どもたちと話すときに無関心になる。目の前のことを退屈だと思い、ほかに考えるべきことを見つけ出す。もし子どもたちの話を真剣に聞き、それについてなにかを述べれば、子どもたちに小ばかにされて屈辱を味わいかねない。それは耐えがたいことだ。だから、子どもたちの言葉にそもそも関心を示さない。  フレッドが会話の途中で上の空になるのは、完全に理にかなった行動だったのだ。屈辱を味わわないという目標を追求するのであれば、他人の話にもっと無関心になったほうがいいくらいだ。しかし、この行動パターンには欠点が一つある。きわめて重要な改善目標に向けて前進することが妨げられてしまう。フレッドは以上の分析を通じて、改善目標の達成を阻害する仕組みを自分自身がつくり上げていることに気づいた。端的に言えば、彼は、自分を守るために、そして慣れ親しんだ生き方を守るために役立っている「心のシステム」の囚人となっていた。  このメカニズムが理解できれば、次の段階に進める。前の段階でリストアップした不安の一つひとつを裏の目標に転換していけばいい。こうして第3枠の内容を記入すると、免疫マップ上に動的な均衡が描き出される(三つの枠の間に描かれている矢印がそれを表現している)。フレッドが図915の免疫マップを見れば、自分がいかに片足をアクセルに(聞き上手になるという重要な目標に)、そしてもう片足をブレーキに(第3枠に記された裏の目標に)置いているかを見て取れるだろう。  では、あなたも第3枠の内容を記してみよう。ここに記す裏の目標はすべて、あなたが最も恐れている事態(不安ボックスの中身)を回避することを目指すものでなくてはならない。たとえば不安ボックスに、「信用を失うのではないか」「嫌われるのではないか。連中の同類になったと思われるのではないか」という不安が記されているとすれば、第3枠の内容は、「信用を失わない」(「信用を失う危険を冒さない」、あるいは「嫌われないようにする。変節して堕落したと思われないようにする」などとなるだろう。  自分の免疫マップの第3枠への記入が終わるまでは、この先を読んでも意味がない。あなたは、 第3枠を完成させただろうか? 自分の免疫システムの全容を把握できただろうか? その全体像に好奇心がそそられるだろうか? 興味深いと思うだろうか?  いま、私たちが問いかけなかった問いがいくつかある。まず、「問題をすべて解決できたか?」 とは尋ねなかった。この段階で、それは目指すべきことではないからだ。「自分の免疫マップを見て楽しかったか?」とも尋ねなかった。たいていは、楽しい経験でないに決まっているからだ。  問題を正しく定義することは、問題を解くことと同じくらい重要だという、アルバート・アインシュタインの言葉を以前紹介した。この段階で目指すべきなのは、アインシュタイン流に言えば、 問題をいっそう明瞭に把握することだ。 本心から達成したいと願っている目標を達成できないという「問題」の本質を的確に理解したい。自分がどのように、片足をアクセルに、もう片足をブレーキに置いているかを詳しく知る必要がある。そういう状況を生み出しているメカニズムの全容を目の前に突きつけられれば、最初はつらいかもしれないが、強く好奇心がそそられるはずだ。 第3枠の内容自体は、以前から認識していたかもしれない(ほかの人に気に入られたがる傾向があったり、ものごとをコントロールしすぎたり、自分が聡明でないと思っていたりといった自分の一面には、前から気づいていたかもしれない)。しかし、そうした旧知の問題と改善目標を実現できないという問題がきわめて密接に結びついていることには、気づいていなかったのではないか?  免疫マップは、強力に感じられるものでなければ意味がない。その点、第3枠まで記入し終わったフレッドのマップは非常に強力に見えた。第3枠の記載が以下の条件をすべて満たしていたからだ。あなたのマップもこれらの条件を満たしているかどうか確認しよう。 ・第3枠に記す裏の目標はすべて、自己防衛という目的との関わりが明確でなくてはならない。 特定の不安と強く結びついている必要がある。不安ボックスに「働きすぎで夫婦関係が壊れることへの恐怖」を記した人が、第3枠に「ワーク・ライフ・バランスを改善する」という目標を書き込んだとしても、自己防衛との関わりが明確とは言いがたい。どういう危険から自分を守りたいのかが見えてこないからだ。「妻に捨てられ、子どもたちにも嫌われた挙げ句、みじめで寂しい仕事中毒者になることは避けたい」というところまで掘り下げて書くべきだ。 ・第3枠の裏の目標を達成しようとする場合、合理的に考えて、第2枠の阻害行動のうちのいずれか(もしくは全部) が必要とされなくてはならない。「Xという目標をいだいているのであれば、誰だってYという行動を取るだろう」という関係が成り立つ必要がある。 ・第3枠の裏の目標を達成するうえで第2枠の行動がきわめて重要な役割を果たしていることが理解でき、第2枠の行動を改めようとするだけでは第1枠の改善目標を達成できないと納得できなくてはならない。 ・第3枠の内容を見ることにより、自分が二つの目標の間でジレンマに陥っていることを実感できなくてはならない。 第4枠 強力な固定観念  免疫マップを作成する目的は、適応を要する課題に対して技術的な解決策を振りかざすのではなく、適応を通じて対処するよう促すことだ。第2章で述べたように、そのプロセスは、自分が成し遂げようとしている課題が適応を要する課題だと認識することから始まる。第1枠に記した改善目標が現在の自分の知性のレベルを越えていると理解する必要があるのだ。しかも、思考と感情の両面でそれを理解しなくてはならない。  ここまでの段階で強力な免疫マップを作成できていれば、自分の内面でどのような免疫システムが作用しているかが見えてきたはずだ。自分がどういう変革阻害システム(目標達成を防げる行動を生み出す仕組み)と不安管理システム(阻害行動を通じて、自分の最悪の不安が現実化することを防ぐ仕組み。その不安は、改善目標の達成に向けて前進すると強まる)を形づくっているかも理解できているだろう。  直面している課題が適応を要する課題だと認識できているかどうかは、技術的アプローチによってはそれを解決できないと理解できているかどうかで判断できる。適応を要する課題は、いきなり第2枠の阻害行動をなくすなり、減らすなりしようとしても解決しない。阻害行動は第3枠の裏の目標を達成する有効な手段でもあるので、それを簡単にやめるとは考えにくいからだ。その行動を改めたければ、免疫システム全体をつくり変えなくてはならない。  免疫機能をおさえ込むためには、免疫システムの土台にどういう思い込みがあるかを知ることから出発するのが最も手堅い方法だ。私たちが「強力な固定観念」という言葉を強調するのは、人間の自己認識と世界認識(そして自己と世界の関係についての認識)があくまでもその人の意識の産物だという現実を、読者やプログラム参加者に思い出させたいからだ。人はしばしばこの点を忘れて、自分の自己認識と世界認識を確固たる事実、異論を差し挟む余地のない真実、自己と世界の絶対的な現実だと思い込んでしまう。  実際には、私たちの自己認識と世界認識は一つの仮説にすぎない。それは真実の場合もあれば、 そうでない場合もある。そのような仮説をあたかも確定的な真実であるかのように扱えば、それは強力な固定観念になる。 必要な条件 ・強力な固定観念は、あなたが事実だと確信しているものかもしれない(「悪い結果を招くと私が思い込んでいるですって?違います。悪い結果が確実に起きるのです」)。一目ですぐに誤りだとわかるものかもしれない(「そんなことが起きないというのは、はっきりわかっています。それでも、それが真実であるかのように感じ、振る舞っているのです」)。あるいは、正しいかどうかを判断しかねるものかもしれない(「私のなかのある部分は、これが正しい、あるいはおおむね正しいと思っている。でも、私のなかの別の部分は、その点に確信がもてずにいます」)。いずれにせよ、第4枠に記す内容は、あなたがなんらかの面で正しいと感じてきたものでなくてはならない。ときには、本当にその固定観念が正しい場合もあるだろう。くどいようだが、人間がいだく強力な固定観念のすべてが間違いだと決めつけるつもりはない。私たちが言いたいのは、その固定観念を表面に引っ張り出して検証しないかぎり、正しいか間違っているかを判断できないということだ。 ・強力な固定観念はすべて、裏の目標の少なくとも一つを必然的に生み出すものでなくてはならない(大きな失敗を犯せば二度と立ち直れないと信じて疑わない人は必然的に、「大きな失敗をぜったいに犯すまい」という目標をもつだろう)。そして、第4枠に記す要素全体を前提にすれば、第3枠に記した要素のすべてが必然的に生み出されるとみなせなくてはならない。第4枠の強力な固定観念が第3枠の裏の目標を生み出し、その裏の目標が第2枠の阻害行動を突き動かし、その阻害行動が第1枠の改善目標の実現を妨げている――という図式が明瞭に描ける必要がある。 ・強力な固定観念は、あなたが足を踏み入れずにきた広い世界の存在に気づかせてくれるものでなくてはならない。それは、広い世界の入り口に立っている「キケンー 立ち入り禁止!」 という標識のようなものであるべきだ(「この先には、コントロールできる要素ばかりではない世界、無力感を味わわされる世界がある。少なくとも理屈の上では、その世界に足を踏み出せば、私は頼まれないかぎり他人に助言せず、子どもたちが実は素直に親の話を聞くと認めることも不可能ではない」と思えなくてはならない)。ひょっとすると、「立ち入り禁止」の標識はことごとく妥当なもので、標識の指示に従って行動することが正解なのかもしれない。しかし強力な固定観念は、あなたが人生という広大な邸宅の中で活動範囲をわずか数部屋に限定するよう促している可能性もある。  私たちの経験から言うと、組織がほとんど解決不能に見える課題を解決するための最も強力な土台は、次の二種類の活動を統合することによって築かれる。一つは、グループ全体が、グループとしての改善目標を一つ選び、それを妨げている免疫システムの全容を描き出そうとする活動。もう一つは、メンバーの一人ひとりが、グループの改善目標と関わりのある個人レベルの改善目標を追求する活動だ。きわめて難しい課題に直面したグループは、延々と話し合うことに終始し、持続的な成果を生み出せない場合が多いが、そういう時間はもっと有効に活用できる。メンバーが個人レベルの免疫機能を克服するのを支援し、それと並行して、集団レベルの強力な固定観念がグループ全体の対話と行動のパターンにどのように根を張っているかを検討する機会を設けたら、どのような結果が生まれるだろう? そういう活動をおこなえば、『変革をはばむ免疫機能』のアプローチは、個人の学習と組織の成功を一体化させるための強力な仕組みになるかもしれない。 リーダーはどのように道を示すべきか?  あなたの組織で人材が絶え間なく成長していくようにするためには、どうすればいいのか? 本書で論じてきたような変革を――自分の才能を開花させるために必要な自己変革を成し遂げるメンバーを増やすためには、どうすればいいのか?  本当の変化と成長を促したければ、リーダー個人の姿勢と組織文化が発遷志向である必要がある。ひとことで言えば、「大人でも知性を発達させられる」と期待しているというメッセージをメンパーに向けて発信すべきだ。「私たちは誰でも成長し続けられる」「(組織として、部署として、チームとしての)目標を達成するためには、一人ひとりが成長を続ける必要がある」「仕事に対して最大限のやる気と喜びを感じるために、一人ひとりが成長を続けなくてはならない」・・・・・・という具合に。 本当の発達志向の姿勢とはどういうものなのか? それは以下の七つの要素を満たしているべきだと、私たちは考えている。 ①人間が思春期以降も成長できるという前提に立つ。人は大人になってからも成長し続けるべきだと考える。 ②技術的な学習課題と適応を要する学習課題の違いを理解する。 ③誰もが成長への欲求を内面にいだいていることを認識し、その欲求をはぐくむ。 ④思考様式を変えるには時間がかかり、変化がいつも均一なペースで進むとは限らないことを理解する。 ⑤思考様式が思考と感情の両方を形づくることを理解し、思考様式を変えるためには「頭脳」 と「ハート」の両方にはたらきかける必要があると認識する。 ⑥思考様式と行動のいずれか一方を変えるだけでは変革を実現できないと理解する。思考様式の変革が行動の変革を促進し、行動の変革が思考様式の変革を促進するのだと認識する。 ⑦思考様式の変革にはリスクがついて回ると理解し、メンバーがそういう行動に乗り出せるように安全な場を用意する。

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    投稿日: 2025.06.21
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    速読でまず一周読みました。自分が本心からやりたいと望んでいることと、実際に実行できることの間にある大きな溝こそが本当の問題であるとして、免疫マップというフレームワークを活用しながら変化を阻害している行動、裏の目標、強力な固定観念を明らかにする手法について解説している。2周目は、2、3、8、9、10章を精読しようと思う。そして、このフレームワークに則って免疫マップを書き出す。

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    投稿日: 2025.02.24
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    2025年2月2日、メルカリから「めいちゃん」や「ファスト&スロー」の新着通知の期限切れの通知が来て設定を見直してたら、「世の初めから隠されていること」が6600円で出ており、その出品者がこの本を出してた。1900円。ハーバードの文句につられて。「免疫マップ」って何か気になる。

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    投稿日: 2025.02.02
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    「変革を阻む免疫機能」について、さまざまな事例が記載されています。言いたいことは比較的シンプルで、事例が多く本の分量も多くなっている印象です。 自分や組織を変える、という強い意志を持つことがまずは大事と思わせてくれる一冊です。

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    投稿日: 2025.01.06
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    人が変わりたくても変われないのはなぜか? という原因を、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるという表現で表されたのが「免疫機能」というもの。 何かを変えるという時に、「変えたくない」という心理状態がある。 個人だけではなく、組織となると、組織は複数人の集合体であるため、一人一人それぞれの免疫機能があり、その存在を自認する必要が謳われている。 それとともに、「組織としての目標はなにか?」に対する全員の免疫マップを作るワークショップと一人一人の免疫マップを公表する営みから、信頼関係が構築され、組織変革につながっていく… という事例を複数取り扱っていた。

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    投稿日: 2024.04.21
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    「学習する組織」に続けて読むべき本。免疫機能という表現を使っているが、なぜ変われないかを良くえぐっていると思う。ここに書かれていることは理解できるが、実践するのは相当の覚悟と努力が必要。

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    投稿日: 2023.04.16
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    本書の原題は『Immunity to Change - How to Overcome It and Unlock the Potential in Yourself and Your Organization』であり、直訳すれば『変化に対する免疫 - どのようにしてあなた自身やあなたの組織の免疫を乗り越え、潜在的な能力を引き出すか』といった内容になるだろう。 本書は根本的に方法論であり、Why には答えていないので意図的であれ相当なミスリードだと感じる。とはいえ、題の和訳は内容には影響を与えないので、レビューの点数には勘定していない。 本書の主なコンテンツは、人が行動を変えるために用いられる「免疫マップ」と呼ばれるフレームワークであり、免疫マップは 1. 改善目標:もっとこうなりたいという願望 2. 阻害行動:改善目標を阻害している行動 3. 裏の目標:阻害行動をしてしまう本当の理由 4. 強力な固定観念:裏の目標を求めてしまう、自分が本当に正しいと感じている固定観念 を要素とする。人や組織のポテンシャルは改善目標と裏の目標が拮抗することにより抑圧されており、固定観念を自認して行動を変えることによって、ポテンシャルを解放することを目指すフレームワークである。 話は理解できるしたしかに有用だろうと感じるが、冒頭では著者の学会への敵対心が見て取れる。 > 私たちが自分たちの研究結果を発表しはじめたのは、一九八〇年代。...権威ある学会のパネルディスカッションで同席した脳科学者たちは、侮蔑を込めたほほ笑みを浮かべたものだった。「長期の聞き取り調査によってそのような推論を導けるとお考えなのでしょうが」と。...(Kindle版 p.25 より) つまり、議論が客観的な判断に基づいているわけではないという自覚をしている。さらに、強力な固定観念の真実性については以下のように書いている。 > 実際には、私たちの自己認識と世界認識は一つの仮説にすぎない。それは真実の場合もあれば、そうでない場合もある。そのような仮説をあたかも確定的な真実であるかのように扱えば、それは強力な固定観念になる。(Kindle版 p.377 より) これはフレームワークの中で扱う内容が事実だろうが事実でなかろうが、本人の行動を変えるために役立つのであれば活用すべきだと言っている。さらに「対象者が大卒中流層に偏っていることは事実(Kindle版 p.77 より)」とも書いている。 この態度はマズローが『人間性の心理学』の冒頭で書いていた「科学的な方法のみによって正当性が判断されるべきではなく、病人以外にも心理学の門戸を開いていくべきだ(表現はうろ覚え)」に通じるものがあり、自己啓発やコンサルティングのツールとしては有用な場合もあるだろうしおもしろいと感じた。

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    投稿日: 2023.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    当該観点については非常に思うところがあり、手に取った本。 知性の話に始まり、とても幅広く研究解釈されている名著 自己変容型知性と仕事能力との相関関係性は強く共感 深い洞察が多く盛り込まれている。 組織と人の変革に関するバイブル的名著 メモ ・自分を変えられない人は7人に6人 ・人は何歳になっても世界を認識する方法を変えられる可能性 ・月並みなリーダーと傑出したリーダーの違い、それはチーム全体の能力を高められるかどうか ・大人の知性の三段階  環境順応型知性 周囲に合わせる、忠実、順応する  自己主導型知性 環境を客観把握し内的判断基準に基づき、判断選択する。自身の価値観に基づく自我。  自己変容型知性 自身の価値基準の限界を検討できる。システム秩序の不完全性を理解。矛盾や反対を受け入れられる。複数システムの保持を考えられる。矛盾を統合しつつ自我を形成する ・変革を実現できないのは二つの相反する目標の両方を本気で達成したいから。人間は矛盾が服を着て歩いているようなもの 強力な阻害行動の裏の目標を明らかにする必要がある ・問題は同じでも本当の動機は人それぞれ ・裏の目標に加え、強力な固定観念の存在  この真偽を試す行動をとれれば、固定観念修正の道が大きく開ける ・権限移譲できない人の例   裏の目標 他人に依存せず万能でありたい、自己犠牲の持ち主でありたい、問題の解決策を見出したい   固定観念 頼って上手くできなければ自尊心を失う、自分を最優先させると薄っぺらで自分が嫌いなタイプに、課題できないと価値がなくなってしまう 給料泥棒になりたくない ・変わるために必要な三つの要素   心の底 変革を起こすやる気の源   頭脳とハート 思考と感情の両方に働きかける   手 思考と行動を同時に変える ・自己変革成功者の共通要因   思考様式と行動の両方を変えることに成功   思考と感情を鋭く観察し、結果を情報として活用したこと   明確な意図を持って行動し、データに基づいた基本認識をつくり新たな力と評価基準を獲得したこと ・免疫マップ  一枠 改善目標   自分にとって重要なものであること   周りの誰かにとっても重要であること   目標達成のために自分自身の努力が必要だと認識できていること  二枠 阻害行動   目標達成の足を引っ張るもの   要素多く、率直なほど免疫マップの診断効果高まる  三枠 裏の目標   二枠の反対行動を取った際の不安を考える。     不愉快な感情が生まれないか?感情を引っ張り出す。不安ボックスに書き込んでみる   第一枠と衝突する裏の目標の候補を明らかにする   自己防衛という目的との関わりが明確なものであるはず。裏の目標達成のために阻害行動が重要な役割を果たしているもの。  四枠 強力な固定観念   裏の目標の根底にありそうな固定観念。   事実だと確信しているもの   裏の目標の少なくとも一つを必然的な生み出すもの ・序盤 舞台を作る   免疫マップを練り上げる   事前調査を行う 周りに意見を聞く  中盤 掘り下げる   目標への道のりを作成する     自己観察をおこなう いつ固定観念は猛威をふるうか。覆す機会はないか   固定観念の履歴書をつくる、検証する  終盤 学習の成果を定着させる   事後調査をおこなう まわりにきく   落とし穴と脱出ルートを発見する ・発達思考の姿勢  大人になっても成長できるという前提にたつ  組織学習を業務と完全に切り離したものとしない  自分を成長させる良い問題に取り組んでいるか  感情が重要な役割になっていることを理解する  考え方と行動のどちらも変えるべきと理解する  メンバーにとって安全な場を用意する

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    投稿日: 2023.03.19
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    べらぼうに面白い!心が湧き立つネ! 通常の読書とは別に,教科書として,読み直しながら実践してみようと思う…いや,実践する!

    0
    投稿日: 2023.03.13
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    職場の上司に勧められた1冊。 この手の本は、自分自身の人生を振り返りつつ、読むのが大切だと考えます。 個人的な解釈を交えつつ、内容紹介に移ります。 〇「知性」とは? ⇒自分自身の価値基準の限界を理解しつつ、複数のシステムを場面毎に使い分け、批判を受け入れる能力 〇不安管理システム(裏の目標)を理解 ⇒人は不安を避ける生き物であり、自身の不安管理システムを緩やかにする 〇人間の「知性」を高めるために必要なのは「適度の葛藤」 ⇒挫折を味わうこと且つ適度な支援を受けることが重要 総括すると、①人の話をよく聞き、②日々振り返り、③3歩進んで2歩下がる・・かな? 当たり前の大切さに気付く(体系的に理解する)ために、この手の本は需要がある気がしました!

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    投稿日: 2022.12.08
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    免疫マップは、なかなか目的を達成できない人にはドキっとするフレームワークだと思う。 本にはたくさんの免疫マップ例が紹介されている。大切なのは、一番最後に書かれた7つの「リーダーはどのように道を示すべきか」。人が変われないのにイライラするのではなくて、時間がかかることも変われない悔しさも受け入れられると一緒に歩いていけそう。

    0
    投稿日: 2022.01.30
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    ロバートキーガン先生の発達の5段階の知識はあったけれど、それがアップデートされていてより理解しやすくなっていた。 今回は大人の知性の発達は3段階で、 環境順応型知性 自己主導型知性 自己変容型知性 となっている。 3段階目はいわゆる構造主義を受け入れられていることとも捉えられる気がした。 結局一人ひとりがそこに辿り着かないと組織は変わることができないが、その具体的方法について本書では詳細に書かれていた。 ただ、実践するにはなかなか難しく、覚悟と時間が必要で、最後には認知行動療法や精神分析療法のようなことまでやっており、なかなか簡単には導入できないと感じた。 とはいえ、まなびはたくさんあった。 やはり組織を変えられるのはリーダーなのだ。

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    投稿日: 2022.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    変わりたい、変わろうと努力している。なのに全然改善できない。そんな思いを抱いたことはないでしょうか。 痩せたいけど、甘いもの・脂っこいものを食べちゃう。勉強しなければいけないけど、携帯見ちゃう。話を聞けるよい父親になりたいのに、また怒鳴ってしまった等々。 本書はそうした変わりたいけど変われない人の心理に潜む構造を明らかにし、人は幾つになっても変わることができる、と主張する作品です。 ・・・ では変革を阻む原因とは何か。それは、自己に潜む「強力な固定概念」です。 人は矛盾を抱える生き物です。向上したい・自分を変えたいという気持ちに偽りはないものの、その裏には自分の変革を阻む固定概念が巣食っていることを認知せよ、と説きます。 例えば、とある若き部長の目標。彼は自分がやるべきことに集中し、権限移譲をすすめる目標があった。でもそうできなかった。すぐに新しいことに手を出し仕事を増やし、大量の仕事を抱え込み、他人に助けを求めない旧来のスタイルから抜け出れない。そこで自らを振り返り、自己の底に潜んでいる、「他人に依存せず万能でありたい」「自己犠牲の精神の持ち主でありたい」「課題をやり遂げる方法を見出せなければ、価値ある人材でなくなる」等の当初目標とは相反する想いを抱いていたことを発見する。 本書ではこのような状況を「ブレーキを踏みながらアクセルを踏む」と呼んでいました。 確かに、人は往々にしてそうした潜在的な自己保存的欲求に気づかないことが多いと思います。 その点本書が促すのは、問題に対するテクニカルな(ある意味表面的な)ソリューションではなく、むしろ一段深層の自分の欲求に気づくよう省察することです。 本書では、筆者が提唱する「免疫マップ」という手法を駆使して深層の欲求を認知し変化のきっかけをつかむ事例がこれほどかというほど載っています(読んでいて途中でだるくなるくらい載っています)。 ・・・ なお組織の変革についても書かれています。こちらはあくまでリーダーやトップが出張らないと組織は変わらないというのが結論。やり方は個人のものと同じで個々人の持つ変革目標とそれを阻む固定概念を組織ぐるみで作成し回し読みするような感じ。 因みに、私「この腐った会社をどうにか変えてやりたい」という思いを胸に本書(タイトルに注目!)を買いましたが、この点では肩透かしでした。窓際平社員のボトムアップによる組織変革は流石に無理っぽいです笑 まあ地道に自己の能力向上を目指します。 ・・・ もともと教育系学部で教鞭をとる筆者の研究のメインは、人の行動の可塑性、のような話。その点で「人は幾つになっても変われる」という結論は、本人だけではなく、私のような中年のおっさんにも福音のようなメッセージでありました。 自分を変えたいという真摯な方が自己省察を行うのにはとても良い本かと思います。私も自分でも試してみて、自分の底に潜む強い固定概念を知ることができました。 ただ、自分を変えるという意味では今私が並行して読んでいるレイ・ダリオ「プリンシプル」の方が包括的なように感じております笑。極端に行きたい方は「プリンシプル」の方がお勧めです。

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    投稿日: 2021.10.30
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    読み込むのは少し難しいですが、原理も分かりやすく、事例も多く、とても実用的な内容です。私はこれをベースに約200人に対して1on1コーチングを実践しました。今も進行中です。1人で考えても不安を避けようとするので、深い固定観念に到達するにはコーチの伴走が必要です。アレンジも必要ですが、とても効果を感じています。この本に感謝してます。A4サイズで履歴を残せるあたりも企業向けとしてもちょうどよいです。

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    投稿日: 2021.10.06
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    読むのはなかなか苦労したが、中身はなるほどーと思うものだった。 変革をはばむ免疫機能に焦点を当てて、自分の裏に潜む行動要因を深掘りしていく思考法。 改善目標、阻害行動、裏の目標、強力な固定観念を免疫マップというツールを用いて明らかにしていく、真の自分を見つめる面白い考え方だと思った。 改善目標をはばむ裏の目標が隠れていて、それが相反することで改善目標が達成されないでいるという考え方。 何かを成し遂げたいと思う反面、、、ということは確かにある。 この裏の目標をあぶり出して、自分が震えるほど納得して、初めて改善のスタート地点に立てる。 自分に正直に、自分のことを深く深く見つめていかないといけない、非常に苦しい作業であるが、面に炙り出された時の納得感は心に刺さるものが出てきそうだと感じた。 強力な固定観念が裏の目標を生み出し、裏の目標が阻害行動を突き動かし、阻害行動が改善目標を妨げている、という図式が明らかになるのなら、自分を変える大きな力になるに違いない。

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    投稿日: 2021.05.16
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    変革の必要性は分かっていても、ほとんどの人は行動すら起こさない。 この構造を、「免疫マップ」があぶり出します。 変わりたくても変われないという心理的なジレンマ、アクセルを踏みながら同時にブレーキを踏んでいるという深層を掘り起していく手法です。 私は言いました。「上司のエゴを満たすために莫大な時間を費やす羽目になった経験は、誰でもあるだろう」。私たちはみな、そういう経験をしてきています。特定の上司の個人的な好みや性格、流儀に合わせて、「上司受け」を意識して行動するために、誰もが多くのエネルギーを費やしてきた。このような経験をしたことがまったくないと言う人には、会ったことがありません。 続けて、私はこう言いました。「さて、問題はその次だ。ショックを受ける人もいるかもしれないが、私たちのことをそういう上司だと感じている人たちもいる。自分があの腹立たしい上司みたいな人間になっている?受け入れたくないだろう。でも、私たちもほかの人たちにとってはそういう存在になっているのだ!」。この点が理解できた人は、自己変革に前向きに乗り出すようになります。 ー 112ページ

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    投稿日: 2021.03.10
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    ◾️概要 リーダーシップ能力の開発を実現するため、読みました。 印象に残ったのは、以下3点です。 ① 自己変容型知性へ発達するには、フィルターの奴隷にならないこと。現在の計画や思考様式が完璧でないことを心得て、限界を教えてくれる情報を得ようとする。 ② 発達志向になる秘訣の1つは、大人になっても成長できるという前提に立つこと。 ③ 学術研究では、最初にアプローチを誤ると、あとでいくら素晴らしい分析を行ってもうまくいかない。 ◾️意見 組織の変革を阻むのは、変化に対する免疫システムが原因であるとのこと。アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態、という表現は分かりやすかった。

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    投稿日: 2021.01.09
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    なにかを「変える」実効的なアプローチと実例が丁寧に記された本。実例のボリュームがありすぎてちょっと退屈してしまったのですが、本当にこのプロセスで変革を起こそうとするときには、きっと参考になると思います。 強力な固定観念を見つけ出す、という視点を持ち続けたいです。

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    投稿日: 2020.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     変化するための目標と阻害要因の分析をする免疫マップの作成が重要である。「改善目標」「阻害行動」「裏の目標」「強力な固定観念」を設置したりあぶり出す作業が必要だ。 特に「裏の目標」は個人のプライドなどに起因する阻害要因、「強力な固定観念」は自己認識と世界認識をあたかも真実のように信じている事がらをあぶり出す必要がある。  やはりファシリテータをつけてグループワーク等でトレーニングしたいな。

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    投稿日: 2020.10.24
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    成人発達理論の概要や実践方法について様々なケースを用いて解説された本。 「人間はいくつになっても発達し続ける」という前提に立ち、スキルアップではなくアップデートの必要性を説きその方法論を教えてくれる。 大人の知性発達段階には三段階ある。「環境順応型知性」(指示待ちであり、周囲に期待されていることによって自分がなすべきことを判断する)、「自己主導型知性」(自分の視点で問題解決を行う)、「自己変容型知性」(複数の視点を有して問題発見を行う、相互依存)だ。上位の段階に到達するにはスキルや知識を身につけるだけではなくて、精神性の発達が求められる。 私たちがなかなか変われないのは意志が弱いからではなく、変容を妨げる行動を取ることで達成される“裏の目標”を持っているからだというのは目から鱗。“裏の目標”を支える“強力な固定観念”を自覚し本当に正しく必要な固定観念であるかを確かめる実験を繰り返すことで、本来の目標達成に向けた行動がとれるようになる。これが、精神性の発達に必要なことだ。 例示されていたのはダイエット。 「絶対に痩せる。食べ過ぎない」という目標を掲げているのについ食べ過ぎてしまう人々。紐解いていくと、ある人は「大切な人たちへの親しみを表すためには食べ物を残すべきではない」という固定観念を有していたし、またある人は「痩せたら性的対象に見られ過ぎてしまう」という恐れを抱いていた。決して「痩せたい」気持ちは嘘ではないし「食べ過ぎない」決意も弱いものではないが、無意識的に“裏の目標”を持っているせいで片足でアクセルを片足でブレーキを踏んだ状態になってしまう。 職場での仕事ぶりにしてもそう。 「仕事を部下に振る」という目標を立てたにも関わらず、「自分で何でもやらない上司は口先人間で無能だ」という強力な固定観念が知らず知らずのうちに拮抗している人がいる。 「自分の意見を主張する」という目標を立てたにも関わらず、「一度でも間違った意見を言えばバカの烙印を押される」という固定観念が邪魔をしているケースもある。これらの固定観念は意識的にせよ無意識的にせよ自身の“原点”とも言えるほど揺るがし難いものだ。 大切なのは、 ・本来の目標設定…本当に達成したい「ワン・ビッグ・シング」なのか? ・目標達成を阻害する行動は何か? ・阻害行動によって満たされる欲求は何か?目標達成のための行動を取るとどんな怖いことが起こりそうか?(裏の目標) ・裏の目標を作っている無意識の価値観は何だろう?(強力な固定観念) を丁寧に炙り出すこと。自覚的になること。 そして、“実験的に” 阻害行動をやめてみて、自分の感情の動きや周りの反応を観察すること。ここから、自覚的になった“強力な固定観念”が本当に正しいのか、自分にとって必要なのかを意識的に判断する。 何より重要なのは、技術的に手っ取り早く解決しようとしないこと。“裏の目標”が明らかになった時点で分かった気になって、直接的に阻害行動を改善しようとテクニックを駆使し出すと上手くいかない(そうか、意見を主張して否定されることが怖いのね、でも怖がらずに進言すべきだよね、次のチーム会議から最低1つは主張してみよう)。その前提にある固定観念を払拭し、思考を変えなければ私たちのOSはアップデートしない。 そのためには、なぜ恐れているのか、どのようなことが起こることを避けようとしているのかをとことん深掘りし、強力な固定観念を明らかにしたうえで、何度か実験(普段と違う行動をとる)を繰り返して固定観念の妥当性を検証する必要がある(否定されることが怖いのは、知識や経験がない無能な人間だとレッテルを貼られ、リベンジできないと思っているから。一度意見を言ってみる→否定された時の気持ちは?否定した人の私への評価は?本当に無能だと思われた?→固定観念の見直し)。実験の結果を収集し、固定観念が妥当ではないと頭とハートで納得して初めて、何の恐れもなく行動改善に進める。 私自身のことに立ち返ると、 ・職場での権限移譲(部下や同僚に仕事を振るのが苦手) ・上司への進言(やるべきことだけど自分に負荷がかかりそうなことは避けがち、上位に反対されそうなことは強く言わない) ・家族への不機嫌(特に父親、旦那) これらについては明らかにワン・ビッグ・シングだと思う。改善することで起こるかもしれない望ましくないことや不安に思っていること、強力な固定観念について深掘りし、「自尊心と自己に肯定的な感情を失わず、自分の原点に忠実にあり続け、同時に、行動改善を行うことは可能なのか?」を明らかにするよう実験を重ねたい。 ほかに心に残ったこと。 組織内で他人の信頼関係を築くために必要な4要素。 ①組織が大きな成果を上げるためにその人物の役割が重要だと理解し、その人を尊重すること。 ②その人物が責任を果たせるだけの能力と技量をもっていると信じること。 ③同僚として、そして一人の人間として、その人物を気づかうこと。 ④自分の発言と矛盾した行動を取らないこと。 また、上述のようなワークを会社で推進する場合、階層別などではなく実際のチーム単位で行うべき。個人のワン・ビッグ・シングの解決が、チームの成長に繋がるのだと理解し、相互支援をすることが重要だから。私的な感情を仕事の世界に持ち込むための共通言語をもち、互いに当然に覚悟を持って感情と向き合い、精神性のアップデートを後押しし合う。職場はそのための安全な場であるべきだ。

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    投稿日: 2020.10.11
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    自分の変えたいのに変えられない行動に目を向けられる良書。適応を要する課題を少し時間をかけて解決する方法と効果が書かれている。 改善目標、阻害行動、裏の目標、強力な固定観念を考え、固定観念と裏の目標を和らげていく。ある意味、認知行動療法のような取り組み。

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    投稿日: 2020.08.30
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    個人や組織が変わるためには、表面的な阻害行動へアプローチするのではなく、裏の目標、強力な固定観念を認識し、そこに対処する必要がある。 それには、自己開示が必要と考えるが日本社会ではとてもハードルが高いと感じた。 免疫マップを作成することは、裏の目標や固定観念を自分自身で理解するのに有用。

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    投稿日: 2020.04.09
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    【書評】 「変わるためにこんな工夫をしましょう!」などという、一般的な啓蒙本・How to本ではなく、科学的に変わり方を説明しているのが面白かった。 話の流れとしては、洋書的で、「結論」→「事例」→「結論」→「具体的手法」という形になっているため大変読みやすい。さらに、事例の範囲も広く、結論と強くリンクしているため読解でのストレスはない。 なにより、結論にあたる免疫マップの作成方法・実行が大変興味深い。第9〜11章にあたるところだが、ぜひ読むことをお勧めする。 自分のためだけでなく、後輩や同期などとの課題解決としても有用そうに感じた。 ただ、今の僕に適用できなそうだった。というのも、「心から変わりたいと思い、さらに今もなお達成できていない目標」が必要で、今後その状況になった時にお世話になろうと思う。 (今はまだ技能的課題として解決できている部分が多いだけで優れているわけではない。) 蛇足だが、本書の読書理由は「政府や古い大企業などの大きな組織は変わるべきだと自ら認識しているはずなのに、なぜ変わることができないのだろう?それが知りたい。」というモチベーションだったため、少しずれてしまった。一部、児童福祉省を取り上げていたが、このモチベーションからは外れていた。 【要約】 心の底から変わりたいと思える「大きな一つのこと」を持ちながら変われない人と組織に向けて書かれた本。 本書では、変わるという課題には2パターンあるという。「意識する」「邪魔なものを排除する」などによって解決する「技術的な課題」と変化を無意識的に拒んでしまう人の本音を変化させること(=知性のレベルアップ)で解決する「適応を要する課題」だ。一般的には「技能的な課題」のみが扱われるが、著者は「適応を要する課題」こそが大事だと言う。 (例)一般「体重を5キロ減らすために、運動をして、食事を減らすようにしよう!」=体重を減らすことを技能的な課題として捉えている。 なぜなら、本心から変化を望みながらも変化できない人は、それを「適応を要する課題」として取り組む必要があると考えるためだ。 変化、もしくは、目標を達成できない理由は、まさに「アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる」から。彼らは目標に対して、「阻害行動」を起こしてしまうが、それらのベースには「固定観念」が存在するのだ。 アクセルが「変化を達成したいという本心」でブレーキが「固定観念によって想起される不安や不愉快を回避するための阻害行動」である。 本書は、上記であげた「変化/目標」の設定方法、「阻害行動」「固定観念」の把握方法だけにとどまらず、それらから脱却して「変化/目標」を達成するための理論・事例を展開している。 「大人になっても成長は続く」ーこの前提を持っている著者らだからこそ紡げる内容。

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    投稿日: 2020.04.08
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    ロバート・キーガンの名著。免疫マップと称しているマップを作成し、改善目標を妨げる自身の固定観念は何かをあぶりだし、理解することが重要だと述べている、1.改善目標(まずは改善したい大きな目標を立てる)、2.阻害行動(それを阻害する行動は何か)、3.裏の目標(2.で述べた阻害行動には、どういった不安、別の自信の目標があるのか)、4.強力な固定観念(3.の目標にとらわれる自身の固定観念は何なのか)

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    投稿日: 2020.03.23
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    変わる必要性を理解していて、変わりたいという想いもある。どうすれば変わるのかも分かっている。なのに、なぜ人は変われないのか?を解き明かしています。

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    投稿日: 2019.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    目標を達成出来ないことを、意志力の欠如や能力不足と捉えずに、対立する別の目標達成のために合理的な行動であると主張した。このうえで、目標を達成するためには、別の目標を支える固定観念を洗い出し、それを検証して必要に応じて修正していく必要があるとした。 この行動は主体的な固定観念を客体的に扱う事に繋がり、これによって目標達成のみならず、知性の向上のきっかけが得られる。 読んだあとにいかに実践出来るかがポイントになる本に感じた。

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    投稿日: 2019.01.05
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    一言で表すなら、リーダーシップ開発の本。 スポーツ界で言えば選手と監督に違うスキルが求められるように、IT業界で言えばプログラマとプロジェクトマネージャーに違うスキルが求められるように、プレーヤーからリーダーへのロールチェンジする際に必要な変化を行うための考えとやり方を示しています。 リーダーにありがちなのは、メンバーに任せられずに自分でやった方が速いし品質も高いアウトプットが出せる、だから任せられないというもの。でも、本当はメンバーに任せていかないと、残業が減らないし、現場が回っていかないことは、リーダー自身が気付いているはず。ただ、この問題は、やせた方がいいとわかっていてもなかなかダイエット出来ないのと同じで、すぐには解決できなかったりします。(本書では、適応を要する課題と呼ばれている) 適応を要する課題を解決するために、免疫マップというフレームワークを紹介しています。変えたい自分と、変えないように防衛する(免疫する)自分を分析するためのフレームワークです。 1.改善目標 権限移譲を行う 小さな失敗を学習の機会として受け入れる ・・・ 2.阻害行動 大量の仕事を抱え込んでしまう 力を貸してほしいと頼めない ・・・ 3.裏の目標 他人に依存せず、万能でありたい 自己犠牲の精神の持ち主でありたい ・・・ 4.強力な固定観念 ほかの人に頼ったりすると、自尊心を失う 自分を最優先して行動すれば、とるに足らない人になってしまう ・・・ 2.阻害行動に対策を打つのではなく、3.裏の目標、4.強力な固定観念まで分析したうえで、ここに対して対策を打っていきます。 1.目標 ほかの人に任せる仕事を増やす 2.最初のステップ チームメンバーに、自分のどういう点を変えるつもりかを話す どういう仕事や権限を割り振るかを決める ・・・ 3.際立った進歩 チームのメンバーが変化に気づく メンバーが信頼されていると思うようになる ・・・ 4.成功の目標 自分でやるか委譲するかが明確に判断できるようになる 部下の責任範囲が広がる ・・・ 思考様式と行動の両方を変えていく必要があるということです。 対象は個人、または、組織で、それぞれのやり方が書かれています。上の例はチームメンバーを巻き込んでやる例ですが、一人でやってもよいです。 具体例がいくつも出てくるので、実践する際には本書を読んでやるとよいです。 あらましは以上で、以下自分の感想です。 チームリーダーという立場から、チームリーダー兼他チームのリーダーを見る立場へと変化しているところで、この本の内容は結構刺さるものがあったように思います。 特に、デーヴィッドの免疫マップは、まるで自分を見ているような気がして、しかも、裏の目標や強力な固定観念とかみると、自分の嫌な部分を見るようで辛い気持ちにさせられます。ただ、そうした山を越えて人は成長=変化していくのかなとも思います。 以下気になった個所のメモ。 No.249 月並みなリーダーと傑出したリーダーは、どこが違うのか? それは、自分自身の、自分が率いるチームのメンバーの、そしてチーム全体の能力を高められるかどうかだ。 No.985 人間の知性を高めるために必要なのは「適度な葛藤」ということになる。 No.2134 マネジャー向けの書籍を読むと、上手に仕事を任せられるようになるために必要なのは、よき案内図と前向きな精神だけという印象を受けるかもしれない。 No.2394 私があらゆる仕事を自分で処理したがるのは、スーパースターでありたいという願望のせいなのでしょう。 No.3844 変革への強い情熱は、どうすればかき立てられるのか? その主たる源になりうるもの、それは、変革を成し遂げなければ自分の愛する人や大切なものが危険にさらされるという危機感だ。 No.5775 試練と支援―この二つはセットで取り入れることが必要だ。あなたは、チームの全員が不安を感じずに試練に向き合うために、どの面でもっと安全性を高めるべきかわかっているだろうか?

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    投稿日: 2018.11.23
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    自分がどんなレンズを通して物事を見ているか、を客観視することで知性は向上する。 私が心掛けている、感情で話すのではなく感情を話す、に通ずるものがある。 知性の段階は3段階あるらしい。私が意識してるのは自己変容だが、対立を恐れるあまり環境順応に伏してる気もする。あまり自分の知の段階を理解できてないなー。 人が変わらないのは、変わりたい欲求と変わりたくない欲求が無意識でぶつかってるから。変わりたくない欲求を顕在化させることで、表面的で単発的な打ち手に止まらず、行動と思考を一緒に変容していく方法論はすごく良いと思う。大学生ぐらいに自分なりの同じようなアプローチを理解していたが、自己認識が苦手で全然手をつけてなかった部分。 免疫マップはさっそく自分で試してみた。が、改善目標からすでにあやふやで覚束ない(笑) とりあえず、SPIとストレングスファインダーも並行してやって自己認識を高めつつ、改善目標は周りからヘルプをもらって作り上げていこう。 最後に、自己変革やチーム変革は、自分の免疫を作り変える作業なのでプロセスは辛いものだ。その中でも自分の成長や縛られている固定観念から解放されることを喜びと感じられる自分がいそうなら完走できる可能性が高いと思うので、ぜひやってみる価値はある。 そうじゃない人も、自分が本当に変わりたいのか自問するために取り組んでみると良い。あまりベネフィットを感じれず完走できなくてもよいと思う。それも一つ自己認識の結果なのだから。

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    投稿日: 2018.11.21
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    人はより良く変わりたいと切望する反面、同時に、変わることに対して抵抗する思いが存在しており、ついつい矛盾した行動をとってしまうというのが実状だ。この「変革への免疫」に着目し、これにメスを入れることで個人や組織の成長につなげると言うのがこの本の主旨だ。事例が少し冗長に感じられる箇所があったが、全体的にとても読みやすかった。自分の(少ない)経験に照らして、その通りだと納得できる部分が多い。ただ、こういう本は読むだけではなく実際に実行しなければ…。読むだけになってしまうということ自体、自分の改善すべき問題なのかも。猫町倶楽部の読書会の4月の課題本だったが、読了が間に合わず会には不参加。残念。

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    投稿日: 2018.11.19
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    免疫マップを武器に、変われない人と組織の原因に切り込み変えていく本。第1部で変わるための視点を提供してくれ、第2部で実際に変わるための方法を実例を交えて解説。さらに第3部で習った方法をケーススタディ的に実践して学んでいくという構成を取っている。分厚い本だが、これでもかと解説してくれる。免疫マップが書ければ、問題解決まであと一歩のところに到達していると思う。

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    投稿日: 2018.11.12
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    免疫マップにおける、改善目標、阻害要因、裏の目標、強力な固定観念のうち、裏の目標、強力な固定観念は凄く同感。改善目標、阻害要因が表面的である一方、裏の目標、強力な固定観念に人間の真因が隠れていると感じた。特に勇気を持って裏の目標をさらけ出すことによって、本音で語れるのではないだろうか。

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    投稿日: 2018.09.20
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    技術で解決できる課題ではなく、適応を要する課題への取り組み方。「変革に対する免疫機能」という考え方にもとづき、個人や組織が変わるためのアプローチを教えてくれる。良書です。

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    投稿日: 2018.08.30
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    メタ認知による裏の目標の把握と、自己開示とストーリーテリングによる心理的安全性の構築の2点がこの本のキーだと認識しました。 1つの主張をひたすら説明しているような本なので冗長な感じは否めませんが、確かにこれの通りのことをしたら組織が良くなるのは納得感があります。 ただ自己開示が苦手な日本人がありのままをさらけ出せるのか、そしてそれを周りは受け入れるのかが実践する上でボトルネックになりそうです。

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    投稿日: 2018.07.18
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    面白かった。変わりたいけど変われない人はいっぱいいると思うが、なぜ変われないのか?を丁寧に説明している。 自分の組織でもやってみる場合はこれを教科書のようにして実践してみるのはありだと思う。 ただ本にはこれをやったら上手く行ったという事例が多く書かれているが、本当にそんなに上手くいくものか?と若干の疑問はあった。

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    投稿日: 2018.05.08
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    わかってるのにできない問題。スキル以外で、阻害してる意識的要因がある場合のアプローチとなる。構造的に変わらない要因を捉えるという観点にも使える。ただ、これを分かったとして、できるかどうかはまたやりきる気持ちの問題がある。

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    投稿日: 2018.02.08
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    素晴らしい。技術課題と適応課題。行動を阻む免疫という概念。もやもやと考えいたことの謎が解けるような納得感があっ。 組織開発に関わる人には必読と言える

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    投稿日: 2018.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    専門医から、食生活を改めたり、もっと運動したり、喫煙を止めなければ心臓病で死にますよと警告された時、実際に自分を変える事ができる人は7人に1人。 本当の問題は、自分が本心からやりたいと望んでいる事と、実際に実行できる事との間にある溝。 人は世界の複雑性に直面しているだけでなく、世界の複雑性と現時点での自分の能力の複雑性の不釣り合いにも直面している。 他人の自己変革を支援する時、その人物について知っておくべき重要な2情報。 1.相手が本当には何を望んでいるのか? 2.相手がどういう行動を取っているせいで、その目標が実現できていないのか? 目標を阻害する自分の行動(免疫システム)は、意志の弱さが原因ではなく、自分のなかの別の部分が望んでいる結果を実現するうえで、極めて理想的で有効な行動なのである。 免疫システムは人間の極めて強力な感情(人生は危険でいっぱいで、賢い人は自衛に努めるべきだという根深い感情)を管理する手段。 人間の知性を高める為に必要な「適度な葛藤」 ・なんらかの挫折、ジレンマ、人生の謎、苦境、私的な問題などに悩まされ続ける事。 ・それを通じて、自分が現在抱いている認識アプローチの限界を感じる事。 ・自分にとって大切な局面で、その限界を思い知らされる経験をする事。 ・適度な支援を受ける事により、葛藤に押しつぶされず、しかし葛藤から逃れたり、その重圧をやわらげたりもできない状況に身を置く事。 誰かの変革を助けようとする時、その相手とのやり取りや関わりの中に相手の変革の妨げになる要素を持ち込んでしまう事を逆転移と言う。 変革への道は、変革を妨げているのが自分自身の内面のシステムなのだと十分に理解して初めて開けてくる。 変革のプロセス 序盤ー舞台をつくる ・免疫マップを練り上げるー自分の免疫マップを再点検して修正を加えていく。十分に強力なマップが完成したと感じられるようにする事。そして検証の対象になりうるような強力な固定観念を記す事。 ・事前調査を行うー改善目標が本当に適切かどうか、まわりの人たちの意見を聞く。現時点で自分がその目標に関してどの程度のレベルに達しているかを確認する。 中盤ー掘り下げる ・「目標への道のり」を作成するー改善目標を完全に達成した時、どのような状況になるかを思い描く。 ・自己観察を行うー強力な固定観念が猛威を振るっている時に自分をよく観察し、その固定観念をくつがえす材料がないかどうかを探す。いつ、どういう時に強力な固定観念が活性化され、どういう時にその固定観念に反する結果が生まれるのかを見極める。 ・強力な固定観念の履歴書をつくるー強力な固定観念の一つについて、「いつ、その固定観念が生まれたのか?」「その後、どういう変遷をたどってきたのか?」「いま、それはどの程度正しいのか?」を問いかける。 ・強力な固定観念を検証するー強力な固定観念のもとで「取るべきでない」とされる行動をあえて実行し、どういう結果を招くかを確認する。そしてその結果に照らして、その固定観念が正しいかどうかを検討する。これを何回か繰り返し、次第に実験の規模を拡大していく。 終盤ー学習の成果を定着させる ・事後調査を行うー事前調査に協力してもらった人たちに、この時点での改善目標の達成状況を評価してもらい、自分自身の評価と比較する。自分の変化が他の人たちにどのような影響を及ぼしているかにも注意を払う。 ・落とし穴と脱出ルートを発見するー強力な固定観念が現在どうなっているかを確認する。変革を継続させる為に、落とし穴に陥る事をどのように防ぎ、もし落とし穴にはまった場合にどのようにそこから抜け出すかを考えておく。 ・さらなる進歩を目指すーほかの問題に関しても免疫機能の克服に乗り出す。いま問題にしている強力な固定観念から「無意識に自由」な段階まで到達できればそういう意欲が湧いてくる。 変革をはばむ免疫機能をくつがえす方法を身につけたリーダーと組織がこれからもっとも成功を収める。 本当の発達志向の7要素 1.人間が思春期以降も成長できるという前提に立つ。人は大人になってからも成長し続けるべきだと考える。 2.技術的な学習課題と適応を要する学習課題の違いを理解する。 3.誰もが成長への欲求を内面に抱いている事を認識し、その欲求を育む。 4.思考様式を変えるには時間がかかり、変化がいつも均一なペースで進むとは限らない事を理解する。 5.思考様式が思考と感情の両方を形作る事を理解し、思考様式を変える為には頭脳とハートの両方に働きかける必要があると認識する。 6.思考様式と行動のいずれか一方を変えるだけでは変革を実現できないと理解する。思考様式の変革が行動の変革を促進し、行動の変革が思考様式の変革を促進するのだと認識する。 7.思考様式の変革にはリスクがついて回ると理解し、メンバーがそういう行動に乗り出せるように安全な場を用意する。 リーダーが犯すもっとも大きく、頻繁な過ちは、適応を要する課題を解決しようとする時に技術的手段を用いてしまう事。 組織のニーズと個人のニーズがもっともうまく両立するのは、職場で個人が成長し続ける時。

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    投稿日: 2017.09.28
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    2023年の感想 ・大人の知性は発達する。高度な知性とは、自分の価値観の限界を知り、他の価値観を受け入れて仕事を成功させ、生活を幸せにしていくこと。 ・免疫マップの手法は、引き寄せの法則のロジカル版。ありたい姿に向かう時、自分自身がブレーキをかけている状態から、なんとかしてブレーキ解除をする必要。 ・組織がブレーキを外す方法論を確立・実践して、ここまでの本に仕上げている点に敬意。 ・コッターのリーダーシップ論で述べられている8つの企業変革ステップは、この本でいうところの「知性」の高い人たち、かつ変革に必要な専門領域を持った人を集める可能性が必要なのであろう。 ・私自身の免疫マップ 1、改善目標 事業を成長させるという確固たる意志をもってリーダーシップを発揮する 2、阻害行動 どうせだめだ、どうせ無理だと思う。 安定が良い。下り坂を平定するだけで十分大変。 静かに目立たずにいたい。 3、裏の目標(不安ボックス) 身の程を知った行動が重要。私は小さい人間なのだから、小さく地味に生きるべき。 でしゃばらない方が人に受け入れられる。 4、強力な固定観念 大したことない人間である私が大志を抱いたところで、どんな努力をしても、大したことにはならない。 世の中には頭のいい人、人を惹きつけられる人がたくさんいて、わたしにはその資質はない。 無理をして失敗の中にみんなを巻き込むよりは、なにもせずに目立たずに生きて、みんなに迷惑をかけない方が良い。 5, 落とし穴 仕事と生活、人生のあらゆる場面でその固定観念は間違っている。 6, 脱出ルート ・あなたはできる ・このチームにもできる ・あなたが必要だ、あなたが重要だ ・主要なチームメンバーも必要だし重要 ———- 2017年の感想 星3つ 免疫マップ、 1、改善目標 2、阻害行動 3、裏の目標(不安ボックス) 4、強力な固定観念 組織を変革させる手法としては「企業変革力」の方がbetter

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    投稿日: 2017.08.20
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    個人の心理・価値観を徹底的に掘り下げ、その本質を確実に理解することを重視し、周りを巻き込みながら進めるという自己変革のための理論の解説、具体的な実践方法が示されてます。 その根源には、人はいつの状態でも知性は成長できるという論にあります。 ポイントは、いかに建前ではなく変革を阻害する思考・行動を支える裏の目標(免疫機能)をあぶり出し、その背後に潜む強力な固定観念を掘り起こすことができるか。 確かに、主張する点は納得できますが、いざ遂行しようとすると、相当の勇気が必要だと感じました。 周りを巻き込む際に、他の人に自分の心の中を、しかも弱点を開示できるだろうか。 しかしながら、そこまで踏み込まない限りは、変革などできないのでしょうね。 まさに、痛みなくして変革なし。 序章にピーター・センゲの学習する組織が掲載されてましたが、学習する組織がハード的フレームワークを論じているのに対し、本書は個人の心理に焦点を当てたソフト的アプローチの書という印象です。 自分はこの2冊を読みましたが、変革のための学習に対する理解は、この2冊で概ね把握できるのではないかと考えます。

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    投稿日: 2017.05.07
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     Robert Keganの“Immunity to change"の翻訳。「学習する組織」と関係しそうな注目の本ということで、原書を少しづつ読んでいたところ、本書がでたので、こちらを読むことにする。日本語で読めて、幸せです。  あらゆるところで、「変化」が必要とされているにも関わらず、「変化」の成功率は著しく低い。組織のレベルはもちろん、個人レベルでの意識や行動レベルでも、変化はとても難しい。本書によると、「変化しなければ死ぬ」と医者にいわれても、ほとんどの人は、行動を変えないそうだ。死という最大の危機を突きつけられても、変らないというのは一体どうしたことか?この人たちは、変りたくないのであろうか?あきらかにnoである。変りたいと真剣に思っても、変ることができないのだ。  なぜか?  それは、「変りたい」という「改善目標」を妨げる「阻害行動」があって、「改善目標」と矛盾する「裏の目標」を持っているから。そして、その下には「強力な固定観念」がある。つまり、人間には、病気から身をまもるための免疫システムがあるように、心にも変化をとめる「免疫システム」があるというわけ。  この免疫システムは、かならずしも悪いのではなく、これまでの経験のなかで、生きるために身につけてきた信念で、大抵の場合、生きて行くために大切な有効なものである。が、「変化」が必要な場合においては、このシステムが変化を阻害し、これまでと同様の状態を維持するように働く、というわけ。  この「免疫システム」をうまく解除し、必要な変化を段階的にテストしながら、変えて行く、というアプローチです。  このアプローチの背景には、人間の成長は、20才くらいで終わるのではなく、成人になっても、いくつになっても成長することは可能であり、数は少ないが、成長しつづけている人はいる、という実証研究がある。  そう、「実証研究」なんですね。この本のスゴい所は、実証研究に裏付けられていており、かつ、実務ベースで使いやすいシンプルな方法論としてまとめられていること。  「学習する組織」でも、組織を変革することの難しさが認識されているが、それを乗り越えるための方法論は、必ずしも明確ではない。というか、かなり時間、根気、高度な人間性を必要としている感じで、ある意味では、宗教的な修行の領域、あるいは神秘主義的な領域に近づいてる印象がある。 この本のスゴいところは、方法論がとてもシンプルで、超人的なリーダーシップというか、高度なファシリテーション・スキルを必要としない(ように見える)こと。  で、方法論のシンプルさと実証研究の裏付けがあることで、現実主義的な人々にもアクセシブルなもののように思えること。  これは、ぜひためしてみたい、本気で勉強してみたい、と久しぶりに思った本ですね。

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    投稿日: 2017.04.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「組織」の変容と切っても切れないのが「個人」の変容。組織を変えるためには、集合体の構成員である個人が変わらなくてはならない。しかし、変わりたいと真剣に思っても、変わることができない。なぜか? 大人の知性には3つの段階があり、「環境順応型知性」「自己主導型知性」そして「自己変容型知性」へと次元が向上していく。変化の激しい今日の世界では、リーダーたちに「自己変容型」への移行が求められている。 その移行のためには、「技術的な問題」と「適応を要する問題」に分けて考えなければならない。技術的な課題は、どのような技術や知識を習得すべきかが明確である。しかし、今日の世界で直面する課題の多くは、思考様式の変容が必要であり、まさしく「適応を要する問題」である。この問題に対してはまず、人は皆「変革を阻む免疫機能」(自分の中の別の部分が望んでいる結果を実現するうえで、きわめて理想的で有効な行動を採っていること)を持っていることを理解しなければならない。変革を実現できないのは、改善目標に対して何らかの「免疫機能」が働いているからだ。 この関係を詳らかにする手法が「免疫マップ」の作成である。その流れは次のとおりである。 ①「改善目標」を決める。 ②「阻害行動」を徹底的に洗い出す。 ③「裏の目標」をあぶりだす。 ④「強力な固定観念」を掘り起こす。 「免疫マップ」に書き出してみて明らかになるのは、①の目標が容易に達成できないのは、その人の意志の弱さが原因ではなく、④とそれに起因する③の目標といった自分の中の別の価値観が潜んでいて、その価値観を実現するうえで、②というきわめて理想的で有効な行動を無意識に実行しているということである。 こうして自分の生き方を守るために役立っている免疫システムの全容が浮き彫りになったら、②に記した行動を改める、③に反する行動をとるなど、実際に行動を変える小規模な実験を行う。そして、その実験の妥当性をグループのみんなで検証するのである。 これからの時代で最も成功を収めるのは、「変革を阻む免疫機能」を覆す方法を身につけたリーダーと組織である。このような組織学習を日々の業務遂行の中に組み込むことが変化の激しい世界・ビジネスでの成功の秘訣ということだ。

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    投稿日: 2017.04.29
  • 必要があるとわかっていても変われない理由。それは自分を守ろうとする無意識の自分。

    多くの方は変わらなければいけない、または変わりたい、と本気で思っていても、実際には変わることができるのは少数。必要だとわかっていても、85%の人が行動すら起こさない。 それはなぜなのか。 それを、事例をあげながら丁寧に説明すると同時に、それを克服するためのステップを提示してくれる本です。 マネジメントなど、組織・人を動かす立場にいる方や、そういった立場を目指す方にとってはもちろん、変わりたいと本気で思っている方には、すごく参考になる、新しい発見のある本田と思います。 この本で書かれているのは、その原因は、「自己免疫機能」という自分を守ろうする意識が働くから。 変わるためのアクセルを踏む(変わりたいと本気で思っている)と同時に、ブレーキも同時に踏む(別の理由で変わりたくないとも思っている)という状況が、無意識下で起こっている状況。 この無意識下というのが非常にやっかいで、自分が持っている固定観念や、こだわり、プライドが、表面化しているため、なかなか気づくことができない。 これを免疫マップというワークを通じて、自分で自分を認識し、徐々にそこから解放されていく過程を紹介。そして、これは組織においても同じです。 個人的には、これに本当に納得で、読みながら、自分の触れられたくない部分を、ぐりぐりいじられているような、辛い気持ちになりました。なかなか本を読んでこのような気持ちになる経験は少なく、それだけ真正面から人のずるさや、本能に向き合った本なのではないかと思っています。 もう少し早くこの本に出会いたかったと本気で思える本です。 実践までは、少し時間がかかりそうですが・・・。

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    投稿日: 2017.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・集団思考に関する初期の研究の一部は、アジアを舞台にしていた。それらの研究では、意思決定の場で自分の意見を言わなかった人たちが、リーダーの「メンツ」をつぶしたくなかったのだと説明した。リーダーに恥をかかせないためには、会社が失敗への道を突き進んでも仕方ない、というわけだ。こうした初期の研究が明らかにした現象は、アジア文化の特徴であるかのように言われていた。特定の文化を前提にしているという点では、スタンレー・ミルグラムの有名な「権威への服従実験」も同じだ。この実験は元々、ドイツ文化のどのような要素が原因で、残虐的傾向のない普通のドイツ人が国家に命じられるままに多くのユダヤ人とポーランド人を抹殺したのかを解明することを目的としていた。ナチスの言いなりに行動した普通のドイツ人―いわゆる「善良なドイツ人」―の精神構造を知ろうとしたのだ。しかし、実験の結果を見てみるグラムは驚いた。「善良なドイツ人」と同様の行動パターンを取る人は、アメリカにもいたるところにいたのである。また、メンツをことさらに重んじるのはアジア文化の特徴と思われてきたが、アーヴィング・ジャニスとポール・ハートの研究により、日本や台湾だけでなく、アメリカやカナダでも強力な集団思考が見られることが明らかになった。この種の思考は、文化ではなく、その人の知性のレベルが原因で生まれるものなのだ。 ・知性のレベルをどのように測定するか 私達が用いている知性評価の方法は、「主体客体インタビュー」という90分の面接調査である。ある人の知性レベルは、自分が「所有して」いる思考や感情(=その人が客観視できる「客体」としての性格をもつ思考や感情)と、自分が「所有されて」いる思考や感情(=その人を動かす「主体」としての性格をもつ思考や感情)がどのように線引きされているかによって決まる。このような意味で、「主体客体」という呼称を用いている。主体と客体の境界線は、知性の段階によって異なる。知性のレベルが高まると、視界に入る要素(客体)が増え、視界に入らない要素(主体)が減っていく。この点に着目して考案された「主体客体インタビュー」を活用することにより、ある人の知性をきわめて精密に評価し、ある知性のレベルと次のレベルの違いを明確に識別できる。しかも、評価担当者による評価のばらつきはきわめて小さい。 面接の冒頭で、対象者に10枚の小さなカードを手渡す。そこには、それぞれ以下の言葉を記してある。 怒り 不安/緊張 成功 強い態度/確信 悲しみ 苦悩 感動 喪失/別れ 変化 重要 最初の15分間、私たちは調査対象者に問いを投げかける―「ここ最近、強い怒り(不安/緊張、成功…)を感じたのはどういうときでしたか?思い出して、カードに書き込んでください」。 このあと、一定の手順に従って問いかけを続けることで面接は続く。対象者が「なに」(なにに自分が怒りを感じたのか)を語り、それを受けて私たちが「どうして」(どうして怒りを感じたのか。言い換えれば、なにが問題だったのか)を尋ねる。 このようにして回答を引き出す手法は、その人が現在いだいている思考様式を描き出すうえできわめて効果的だと、過去の研究によりわかっている。熟練の面接担当者になると、問いかけを重ねることで、その人がなにを認識できて、なにを認識できないのか(なにが死角なのか)を決定づける基本原則を明らかにできる。 面接での対話は録音されて、文章に起こされたうえで、所定の方式に従って解析される。この調査は、これまで世界中であらゆる年齢層と社会層の何千人もの人を対象に実施されてきた。調査対象者のほとんどは、非常に興味深い経験だったと述べている。 ・リーダーシップ論の研究者だるロナルド・ハイフェッツは、人が直面する課題を二つに分類している。ハイフェッツが言う二種類の課題とは、「技術的な課題」と「適応を要する課題」である。技術的な課題は、かならずしも簡単とは限らないし、重要でないとも限らない。 ・心理学者のウィリアム・ペリーによれば、他人の自己変革を支援するとき、その人物について知っておくべき重要な情報が二つある。一つは、相手が本当はなにを望んでいるのか。もう一つは、相手がどういう行動を取っているせいで、その目標が実現できていないのか。この二つの点は、免疫マップの第1枠と第2枠の無いように対応する。しかし、本書のX線検査の優れた点は、この二つに加えて、もう一つの要素にも光をあてられることにある。それは、目標の達成が妨げられるとわかっているのに、どうして第2枠の阻害行動を取り続けるのか、という点である。 ・なんらかのマニュアルに従うなり、意思の力を振り絞るなり、ある種の行動を減らし、別のある種の行動を増やすための計画を立てるなりすることで変革を成し遂げられるのであれば、その方法論に従って変革を押し進めればいい。私たちが提案しているアプローチは、単純な技術的アプローチに比べて簡単でもなければ、迅速でもないからだ。 問題は、技術的アプローチで本当にうまくいくのか、という点だ。私たちが自己変革の手伝いをした人たちはほぼ例外なく、すでに第2枠の行動を改めようと試みていた。賢明な人なら、当然そうするだろう。そしてその結果、そういうやり方ではうまくいかないことを思い知らされていた。 このように技術的なアプローチを試すことは、実は必要な作業だ。それをおこなうことで、自分が直面しているのがどういうタイプの課題なのかを確認できる。ときには、実際に試してみてはじめて、その判断がつくケースもある。 ピーターの場合、体重を5キロ落とすというのは、適応を要する課題ではなかったようだ。食事制限という技術的な方法論によって問題を解決できたということは、原料がピーターにとって技術的な課題だったと判断できる。しかし、こういう人は珍しい。科学的研究によると、食事制限により減量した人の多くがリバウンドして、せっかく落とした体重の平均1.07倍の体重を取り戻してしまう。ほとんどの人にとって、減量は技術的な課題ではなく、適応を要する課題なのだ。 ピーターは、私たちと最初に会ったときすでに、問題を解決するために声のトーンを変えたり、部下をもっと自由に行動させようとしたりしていた。短期的にはうまくいったこともあったが、じきに古い行動パターンに戻ってしまった。おまけに、前より状況が悪化した。痩せたあとでリバウンドした人と同様の結果になったのである。この点は、ピーターにとってそれが適応を要する課題だという明確なサインとみなせる。 ・変革がうまくいかないのは、本人がそれを本気で目指していないからではない。心臓を病んでいる人が近縁の目標を貫けないとしても、その人は「生きたい」と本気で思っていないわけではないだろう。変革を実現できないのは、二つの相反する目標の両方を本気で達成したいからなのだ。人間は、矛盾が服を着て歩いているようなもの。そこに、問題の本当の原因がある。「免疫マップを見ると、私は自動車の運転席に腰かけて、片足でアクセルを踏み、もう片足でブレーキを踏んでいるようなものですね!」と、ピーターは言った。彼は自分を変えたいと思っているけれど、自分の核となる部分を守りたいという思いもいだいている。最も正解を知っている人物でありたいという裏の目標の底流には、すべてをコントロールしなければ自分の核となる部分が脅かされるという根深い固定観念があるのだ。 ・勇気とは、なんらかの行動を起こし、恐怖を感じてもその行動を貫く能力だ。踏み切った行動がどんなに重大なものだったとしても、その行動を取ることに恐怖を感じなければ、勇気を発揮したことにはならない。それは聡明な行動なのかもしれないし、精力的な行動なのかもしれない。強い意志に基づく行動なのかもしれない。しかしそれは、勇気ある行動とは違う。 ・マーチン・ルーサー・キング牧師がリーダーとして優れていた点は、公民権運動を白人対黒人の戦い(この図式がアメリカの社会を分断させていた)ではなく、合衆国憲法に代表されるアメリカ建国の理念と現実との戦いとして位置づけ直したことにあったと、リーダーシップ論研究者のロナルド・ハイフェッツは指摘している。 ・旗振り役の教授たちは、教授たち全員の発想の転換を後押しするために、再びギャップを意識させた。このとき光を当てたのは、教授たちが実際に教えている内容と、教えるべきだと思っている内容のギャップだ。 具体的には、必須科目と臨床実習を担当している教員すべてを対象にアンケートを実施し、さまざまな教育上の目的ごとにどのような教育・評価方法が最適だと思うかを解答させた。 ほとんどの教員は、「重要な情報と理論の説明」と「情報の効率的な伝達」を除くすべての教育上の目的に関して、講義以外の教育方法【グループディスカッション、個人研究、経験を通じた学習、個人指導】のほうが有効だと考えていた。とくに、「学生が事前に準備して臨む少人数制のディスカッション」の評価がきわめて高かった。ところが、実際にそれがカリキュラム全体に占める割合は、臨床実習前の段階と臨床実習の段階でそれぞれ12%と11%。一方、教室での講義の割合は、それぞれ65%と20%に達していた。 評価方法の面では、教授たちは多肢選択式試験の限界を理解していた。「事実に関する知識」を問う以外の目的ではすべて、記述式試験、口頭試験、実技試験のほうが優れているという回答だった。しかし現実には、一般のほとんどの科目と多くの臨床実習科目で多肢選択式試験による成績評価が主流になっていた。 ・本章でデーヴィッドの事例を紹介しようと思った理由の一つは、読者のなかにも同じ目標をいだいている人が非常に多いはずだと思ったからだ。「部下にもっと権限を与えたい」「一歩後ろに下がった場所からリーダーシップを振るいたい」「部下にもっと自信をもたせたい」「フィールドで活躍する花形選手から、サイドラインに立つコーチに返信したい」「自分以外のメンバーにもっとリーダーシップを発揮してもらいたい」…こうした願望全てに共通する要素、それは権限委譲なのである。 しかし、権限移譲をおこなうことは、口で言うほど簡単ではない。デーヴィッドは、「いくつかの重要課題に時間とエネルギーを集中的につぎ込む」という目標に反して自分がどういう阻害行動を取っているかもすぐに思い当たった。 <デーヴィッドの最初の免疫マップ> 1.改善目標 いくつかの重要課題に時間とエネルギーを集中的につぎ込む。 ・権限移譲をおこなう。 ・部下に望む結果をはっきりと示す。 ・異なるアプローチを容認する。 ・小さな失敗を学習の機会として受け入れる。 ・部下の思考様式を揺さぶる。 2.阻害行動 ・すぐに新しいことに手を出して、仕事を増やす。 ・大量の仕事を抱え込みすぎて、睡眠、家庭、趣味など、仕事以外のことを犠牲にする。 ・課題の緊急性と重要性に応じた時間配分ができない。 ・力を貸してほしいと頼めない。 3.裏の目標 ・他人に依存せず、万能でありたい(チャンスを逃したくない。遅れを取りたくない) ・自己犠牲の精神の持ち主でありたい(チームのメンバーを見殺しにしたくない。自分を優先させれば、自分が利己的な人間に思えて、罪悪感がわいてくる)。 ・つねに問題の解決策を見出したい(未処理の課題を積み残したくない。なにかを断念するくらいなら、無理してでもやり遂げたほうがすっきりする)。 4.強力な固定観念 ・ほかの人に頼ったり、多くのことを上手に実行できなかったりすれば、自尊心を失う。 ・自分を最優先にして行動すれば、薄っぺらで取るに足らない人間に―自分が大嫌いなタイプの人間に―なってしまう。 ・課題をやり遂げる方法を見出せなければ、価値ある人材でなくなる。 ・第3枠に適切な内容が記されているかどうかを判断するための一つの基準は、それが自己防衛的性格を帯びているかどうかだ。 ・図が完成したあと、私たちは「コンセンサー(共感度)チェック」をおこなった。これは、どの程度強い合意が形成されているかを手っ取り早く確認するための手法だ。私たちが知りたかったのは、次の二つの点だった。一つは、この図が自分たちの目的を達するうえで適切なものだとメンバーが思っているか。この問いに前向きな答えが得られれば、次の問いに移る。一人ひとりのメンバーがこの図をコミュニケーションの設計図として受け入れる意志があるかと尋ねる。 ・このとき、「トントン・ルール」というルールを導入した。同僚にコメントしたいときは、自分の言いたいことを言い渡すのではなく、問いかけの形で発言することを心掛け、しかも相手の部屋のドアを「トントン」とノックして入室の許可を得るみたいに、コメントを聞かせることへの同意を得なくてはならない。ドアをノックされた側には、「いいえ、けっこうです」と断る自由が全面的に認められている。 ・一人ひとりに、そしてチーム全体に大きな変化を起こすことが目的なら、その成否をわけるのは、免疫マップの第1枠になにを記すかです。変革プログラムを押しすすめることによって劇的な変化が起きる場合、その変化は第1枠にしるされた改善目標に沿ったものになる。つまり、第1枠の内容が絶対的に適切なものでなければ、せっかくの優れた方法論を誤った場面で用いる結果になってしまうのです。 ①その目標が自分にとって重要なものであること ②その目標がまわりの誰かにとって重要なものであること ③その目標を達成するために、主として自分自身の努力が必要だと認識できていること

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    投稿日: 2016.11.02
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    自己啓発書的な方面の書籍は、基本的には鬱陶しいので読まない事にしているのですが。 どうにも必要かな、とか、仕事関係で重要そうかなと判断した場合には仕方なく読むことにしています。 この書籍は、洋書にありがちな冗長な言い回しやジョークは少ない。 実例がやたらと豊富で、「これでもか!?」と言わせる傾向は同様だけれど、不要なら読み飛ばせば良い。 ワークショップの記述は有り難く、自社内でも(無謀ながらも)トライしてみようかと思わされた。 やたら分析的なアプローチは如何にも西洋的なのか?、と思いつつ、でも必要なら論知的なアプローチが出来なければ仕方が無いよなと思わされる。 内容的にはごく自然で納得できるのですが、方法論・体系として整理されているのは純粋に素晴らしいと思いました。

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    投稿日: 2016.10.21
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    一通り通読。しかし内容が難しく、自分の言葉で説明できないところが多数あるため、頭の整理のために何度か読み返す必要あり。

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    投稿日: 2016.09.26
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    あまり頭に入らなかった。人や組織が変われないのは、自己の限界や保身的な対応を自ずととってしまう自己免疫的な思考にある。この内容を伝えるための事例などが延々と続く印象であった。

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    投稿日: 2016.09.10
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    「自身を客観視し、内省できるよう、メンバーを育てる」 そのための診断方法として、①個々人・組織の改善目標設定②その阻害要因の発見③裏の目標(本音の目標)を考える④③が生じる固定観念は何か考える ⇒自分の内心を客体化する=知性レベル向上(従順的→自主的→オープンマインドな自主性) 「学習する組織」をなぞっただけだが、この書籍の真髄は、充実したケーススタディにある。

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    投稿日: 2016.05.01
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    人が「変わりたくても変われない」理由を明らかにして、その解決手法を教えてくれます。一例として、①改善目標:「重要課題に時間やエネルギーをつぎこむ」、②阻害行動:「力を貸してほしいと他人に頼めない」、 ③裏の目標:「他人に依存せず万能でありたい」、 ④強力な固定観念:「他の人に頼ったり、多くのことを上手にこなせなかったりすると、自尊心を失う」等。変化へのアクセルを踏みながらも、同時に自らがブレーキも踏んでいると気づかせてくれる本です。

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    投稿日: 2016.01.06
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    医者が糖尿病患者に運動の必要性を語っても7人に1人しか実行しない。 それは意志の欠如ではない。自分が本心からやりたいと望んでいることと実際できることの乖離=溝。

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    投稿日: 2015.12.30
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    大きく3つのパートで構成されていて、1つめはなぜ変われないのか、その原因について。変わりたいと思っても、裏では変わりたくないというブレーキ(本では免疫と読んでいる)が作用しているということが理論的に解説されており、納得。それをベースに、2章でケーススタディが紹介され、3章で実践するための方法が書かれている。変化が必要な時に、大変参考になる良書だな。だけど、この通りにやるだけじゃなく、やはり変わろうと思う覚悟やコミットメントも重要だわ。

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    投稿日: 2015.09.17
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    個人や組織が変われないのは変革を阻む”裏の目標”や”強力な固定観念”があるためだ、したがってこの”裏の目標”と”強力な固定観念”を認識し、それらに問題があることを自分自身で真に理解し、克服するのが先だ、ということを主張している。確かに、”裏の目標”は誰もが持っているものだが、多くの場合本人が認識していないと思う。組織でこのグループワークを行ったら、面白いのでは、と思った。

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    投稿日: 2015.06.14
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    前段は参考になるが、その他は、一般的な理論中心で実践にそのまま活用できる部分は少ない。 大学生やコンサルティング等の専門家が机上理論を学ぶにはお勧め。

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    投稿日: 2015.05.05
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    変わりたいと思っている人や組織に効果的と思える本。標題タイトルに対する解は、人間には心理的な免疫システムがあるから、になるだろうか。 本書は、免疫システムを明らかにし、緩和していく手法が記載されている。その前提には、人はいくつになっても成長出来るという、学術的な研究結果がある。しかし、我々変わりたいと願う読者は果たしてどれだけその事実を信じられているか、と突きつけられた。

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    投稿日: 2015.05.04
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    人の欲求(裏の目標)と固定観念に対して、合理的で現実的なアプローチをしている。考えとしては真新しいところはないが、大切な事を意識付けさせてくれる。 少し同じ内容をくどくど説明する箇所はあるが、良書だと思う。

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    投稿日: 2015.03.09
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    "こうありたい、こうすべき、と頭ではわかっていても、実際にはそれを妨げる行動をとってしまう。自分を大きく飛躍させるような成長は、このような困難がつきものである。これは、成長目標を達成しようとすると、それまで大切にしてきた何かを危険にさらすという、健全な自己防衛本能が発揮されている場合が多い。一歩引いて、どのようなジレンマが起こっているのかを観察することにより、段階的に変革が達成できる。具体的には、『免疫マップ』というツールが効果的である。 免疫マップは、4つの列の表で、左から、変革目標、阻害する行動、裏の目標、強力な固定観念を入れていく。各欄の注意点は以下のとおり。 ①変革目標を自分だけで考えてはいけない。仕事に関するものである場合は、自分の気持ちと組織への貢献の両面で考える。また、単にやるだけの技術的な課題ではなく、今まで知らなかった自分を変える『適応を要する課題』であること。②阻害する行動は、解決策や原因は置いておいて、変革を阻害する具体的な行動をリストアップ。③裏の目標は、阻害する行動と逆の行動をとった場合の、最も不愉快な、恐ろしい事態に対する不安感を言葉にして考える。④強力な固定観念は、何らかの面で正しいと感じていて、裏の目標とのつながりが明確であること。 TOCのクラウドにおける、D’とCと、その前提、あるいは、抵抗の4つの側面におけるマーメイドと、その前提に対応している。しかしこのツールの良い点は、ジレンマが見えた後の解決のステップである。あえて阻害する行動に反する行動をとり、本当に恐ろしい事態になるかを観察するという、仮説検証的な手法をとる。この際も、いきなり大きな行動をとるのではなく、小さく安全な行動から少しずつ試して、強力な固定観念がどんな場合に正しいのか、を検証していく。これは、TOCで取り入れたらよいのでは、と感じるくらい、科学的なステップである。

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    投稿日: 2015.01.06
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    http://baigie.me/nippo/2015/01/05/2015%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%8A%B1%E8%B2%A0/ 「社内制度」に「ハーバード流自己変革プログラムの実践」というものがあったため。

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    投稿日: 2015.01.06
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    理屈は明快。ただこういうアプローチで本当に人が変われるのかは疑問。 会社の研修で使ってみたが、改めて何を変えたいのかと問われても思い浮かばない。これこそが、このアプローチの限界と思われる。つまり他人から見て『あの人チョット変わった方がいいぜ』と思う点が、当の本人には取り立てて変えるべき点と認識されない。特に歳を取ってくると自己肯定が強くなるから、そもそも自分を変える動機がゼロである。

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    投稿日: 2014.12.14
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    人と組織が、テーマとされているが、個人として活用するのであれば前半の半分程度で良い。 自分の中に潜む無意識的な部分(障害)を炙り出し、何をどうすれば解決できるかが丁寧に解説される。 実際の行動に結びつくようにまとめられていることが素晴らしい。

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    投稿日: 2014.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    立てた目標に向かって歩き続けられないのは意志が弱いというよりも、自分でも気づかない強い固定観念に基づいた裏の目標があってコンフリクトしているからではないか、との考え方を提示している。いわば、アクセルを踏みながら同時にブレーキを踏んいるかのように進んでいないのに疲れてしまう状態。その時に必要なのは、やり方を変える(技術的に解決しようとする)ではなく認知を変える(適用する)こと。そのための固定観念と裏の目標を導き出すステップを具体的に提示している。 固定観念がもし違っていた状況を想定して安全な範囲で検証してみるというアプローチが非常に良いと思った。これまで色々なことが三日坊主になっていて、続かない性格だなあと思ってたけど新たな視点でやってみようかと思わせる良書。

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    投稿日: 2014.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    免疫マップというフレームワークを使って自己変革を促す理論と方法について書いてある本。 フレームワーク自体が分かりやすく、事例やチェックシートまで準備されているため導入しやすい。 私はNLPの理論にそって、どちらかというと行動重視の考え方をとっている(行動が変われば思考が変わる)。しかし、行動が変わっても考え方は元のままということもあるため、両方を変える手段として活用してみたい。

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    投稿日: 2014.08.22
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    ザ・アメリカ!という感じ。 要するに集団でやるデブリーフィング+認知行動療法ってわけか。裏表のないアメリカ人には向いてるかも。日本人には馴染まないやり方とはいえ知性的な集団ならできるかもね。 ただ「裏の動機」も所詮は意識化できる範囲の動機なんやろうし、となると、感情を扱ってますよ、従来のコーチング技法とは違いますよ、と言いつつも所詮はコーチング技法のひとつか。

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    投稿日: 2014.06.16
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    人や組織に限らず、 問題解決など「変化」を語る前に是非読みたい本。 個人的には星5つでもたりないと思うぐらい満足。 人間は弱いものである。 そして弱さゆえの無意識の思い込み(固定概念)にふりまわされる。 その思い込みにきちんと目を向け、 人や組織の本当の問題解決を目指す。 それを免疫マップという表現で洗い出している。 実際しっかり実践するのはなかなか簡単ではないだろう。 普段意識下にもない無意識に向き合うことをやるのだから。 だからといって諦めてはいけないのだと思う。 我々が固定概念に囚われているということを念頭において、 うまくいかない理由は隠れた無意識にあるかもしれないと 「意識下におこうとする」ことから始めたいと思う。

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    投稿日: 2014.06.15
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    成長する為には変化が必要とされて久しいが、多くの個人や組織は変われなくてもがいている。その変化への処方箋として改善目標、阻害要因、裏の目標、強力な固定観念からなる免疫マップを提唱する。 改善目標とは、権限委譲して重要課題に時間とエネルギーをつぎ込むなど、自分が目指すこと。阻害要因は新しいことに手を出して仕事を増やしたり、他者に仕事を頼めないなど、目指すことができない理由。裏の目標は他人に依存しない万能人間でありたい、自己犠牲の精神の持ち主でありたいなど自分の中の別な部分が望んでいる結果。強力な固定観念は、他の人に頼ったり、多くのことが実行できなければ自尊心を失うなど本人が無批判に事実と認識していること。 このような分析やコンサルティングで改善目標へと導く多種多様な個人そして組織を描くことで、変化への考え方をとても分かり易く描いている。実際に行うのは自分の心との葛藤が大変で一人ではかなり難しそうだ。

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    投稿日: 2014.05.04
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    印象に残ったところ。 ハイフェッツは人が直面する課題を「技術的な課題」と「適応を要する課題」に分類する。盲腸の手術や、旅客機を無事着陸させるのは「技術的な課題」。 その種の活動で得られる知識と技能は、言ってみれば、コンピュータに取り込む新しい文書やプログラムのようなものだ。そういう知識と技能にも、それなりに価値はある。しかし新しい文書やプログラムをどこまで活用できるかは、コンピュータのOSで決まる。 本当の能力開発(成長)を成し遂げるためには、単に知識や行動パターンのレパートリーを増やすだけでなく、OSそのものを進化させなくてはならない。 今日と明日の世界で直面する課題の多くは既存の思考様式のままで新しい技術をいくらか身につけるだけでは対応できない。この種の課題に対応するためには、知性のレベルを高めることによって、思考様式を変容させなければならない つぼみがいずれ綺麗な花になり、イモムシがやがて美しいチョウになってはばたくと知っていたら、 目の前のつぼみやイモムシにいらだちを感じることはない。 メンバーの知性の発達を促すために、リーダーが取るべき大切な行動がある。 つぼみを力ずくで開花させたり、イモムシを特訓してすぐに空を飛ばせたりすることはできないが、 チューリップを豊かな土壌に植え、イモムシにみずみずしい葉っぱを与えることはできる。 支援と試練 「他人に弱みを見せるのは、相手に銃弾を与えるようなもの。みんなの関係が良好なうちは問題ないかもしれない。でも、誰かがその弾を銃に装填して、背後から撃たない保証はありません」 (さわ)

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    投稿日: 2014.03.07
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    変われないのには、変わらないことで守れている何かがある。変えたいのであれば、そこへ焦点を当ててアプローチをする。 訳本なだけに読むのには苦労したけども、読むだけの価値がある本と思いました。

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    投稿日: 2014.02.20
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    前々から気になってた1冊。旅行中、読もうと思い、持っていくも全然読み進められずにいてやっと読み終わることができた。 最初の出だしの「心臓病患者がなぜ変われないのか」という問いからグッと引き込まれる内容。 要は変わる必要性も分かっているし、変わりたいという想いもある。どうすれば変わるのかという方法も分かっている。 なのになぜ人は変われないのかというメカニズムを解き明かしていることに本書の意義がある。 簡略に言うと、それは人の固定観念に基づいているから。 行動だけを変えても何も変わらない。その行動の裏にある価値観を変えないと変われない。 それが「技術的な課題」と「適応を要する課題」の差。 そして最も驚きだったのは、人が変わろうとする際には「変革をはばむ免疫機能」がそれを阻害するということ。 変わりたいと思う自分が表だとすれば、裏では実は変わりたくないと自然に思っている自分がいるということ。 要はアクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態。 だから進もうと思っても進まず、人は変わらないのであるというわけ。 正直、変革のための具体的な方法まですべて理解できたわけではない。何回か読み込む必要あり。 でも、留学の価値の本質について確信を深められた。 留学に行って人が変わるのは、やはり内面が変わることに関係していることは間違いない。 そしてどうしてその内面が変わるかというと、それは自分の固定観念が明らかになるから。 日本にいたときには気づきもしなかった固定観念があぶりだされる。 そしてその固定観念に支配されないで、自分を支配していたものを「客体」として客観視できるようになる。 こんなことは今明らかになったわけではないけど、学術的な側面から証明されたのは大きい。

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    投稿日: 2014.02.14
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    前半面白く読みました。 後半、失速。 ううううん。 でも、仕事を遂行するにあたってなぜうまくいかんのか、 という思考のクセについてなるほどと思ったのだ。 やっぱり自分が読むより、リーダーに読ませないといけない本。

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    投稿日: 2014.01.30