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powered by ブクログフランケンシュタインを題材に、様々な批評理論を紹介する本。 2部構成になっていて、1部はフランケンシュタインの解説。2部は様々な批評論文の紹介になっており、原作版フランケンシュタイン未読でも安心です。 私もフランケンシュタインについては人造人間のイメージしかない状態で読み始めたので、主人公の名前がフランケンシュタイン氏で、人造人間は名無しの「怪物」だったとは驚きでした… 2部は少し難しく感じましたが、「批評理論とは〇〇という観点から物語を読み解こうとする試み」ということが分かると、少し理解が進みました。 個人的に面白かったのは「文化批評」の項。フランケンシュタインが様々な舞台や映画のモチーフになるにあたり、時代に合わせて原作ブレイクとも言えるほどの改変がなされて行きます。実際、私も全然違うイメージを持ってました…。作者のメアリが知ったらなんて言うんでしょうね? わたしはガッツリ理系ですが、「大人のための国語の授業」って感じで楽しく読めました!
11投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログ「小説とは、人物を造形するものである」 イギリス文学の研究家で、京都大学名誉教授の廣野由美子さんによる『批評理論入門』です 廣野由美子さん…なんとなくどっかで見たな〜と思ったら、光文社古典新訳文庫のオースティン『説得』の翻訳をされてた方やないですか、あの翻訳も素晴らしかった さて、本書ですが、まさに『批評理論入門』です 「小説技法篇」と「批評理論篇」の二部構成となっていて、爆烈面白い 特に「小説技法篇」は小説を読む時に新たな視点や深みを与えてくれる こんな面白い講義が聞けるなら、わいも京大行っときゃよかったな〜(行こうと思えば行けたみたいな言い方!) まぁ、だいたいはなんとなく感じてたことでもあるんだけど、なんかふんわりしてたもののちゃんとした名前を知ったことは大きいと感じました まぁ、明々後日には忘れるけどw
56投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログびっくりするほどわかりやすい。小説の解体新書。表現技法から時代背景、哲学的な思想まで実例を挙げて解説してくれていて非常に読みやすかった。 内在的、外在的アプローチ問わず十数通りの観点から分析可能なフランケンシュタインが大作であると同時に、それぞれの批評の立場を明快に説明し、代表的な論文や主張を引用できる廣野さんも人間離れしている。 ◎言語は読者の想像力に無限に訴えかけることのできるメディア ◎批評の意義は文学作品の解釈を豊かにすること 図書館で借りたからメモしたけど、手元にもぜひ欲しい!
1投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ小説技法に注目した内在的アプローチと、批評理論に基づく外在的アプローチの2つを駆使して、小説「フランケンシュタイン」を題材に、小説の読み方を解説した1冊。 小説は娯楽であり、個人の好きなままに読めば良い代物ではある。しかし、個人の貧弱な感性のみでは「面白かった」「感動した」等の陳腐な感想しか出てこない。本書を読めば、より深層に迫る読み方が出来るようになるだろう。
7投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ『批評理論入門』はフランケンシュタインを題材に、文学をどんな視点から読めるかを体感させてくれる一冊。 形式主義で技法を、マルクス主義で社会背景を、精神分析で無意識を…。 批評は作品を縛るものではなく、むしろ「作品を開く」楽しみだとわかる入門書。
3投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログスケザネ読書本から。ひとつの物語を、これだけ多種多様な視点から眺められる事実にビックリ。つまり、読んだ気になるってことは、ここに書かれた一通りを経た上でにしないとってことだな。ハードル高っ。
0投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ一部の小説技法はとても勉強になったし、二部の批評理論も、一つの小説からこんなに沢山の解釈が生まれるんだと驚きました! 今後小説を読むのがますます楽しくなりそうです。
0投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログ文学理論について分かりやすく書かれた新書。 小説のフランケンシュタインを題材にさまざまな理論、方向性から分析している。 難しい理論も、フランケンシュタインを通して解説されるのでわかりやすかった。 さまざまな批評の中で、フェミニズム批評やジェンダー批評など、フランケンシュタインとはおおよそ結びつかないと思ってたものも取上げられて面白かった。
0投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログメアリ・シェリー『フランケンシュタイン』を題材に、種々の小説技法と批評理論を解説していく。前から小説をもっと楽しめるようになって思っていたこと、『フランケンシュタイン』をちょうど読んだところだったこともあり読んでみた。小説技法と批評理論をフランケンシュタインの具体例を取りながらざっと知るにはとても良かったと思う一方で、新書のため仕方ないが一つ一つの批評はあまり深く掘り下げられずやや物足りなくも感じてしまった。本書では批評理論のキーワードだけ理解して、より深い実際の批評に入っていくには論文なり専門書なりを読んでいこうというつもりで読むのが良さそう。
2投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログ自分がいかに小説の上部だけしか読めてなかったか… 「こういう読み方は無粋かな」という気持ちになるような事でも むしろ、そんな読み方こそしていいんだという気にしてくれた 特に ・怪物とドラ・セーのとやりとり ・エリザベスからの手紙から読み解く彼女の本心 ・フランケンシュタインとクラヴァルに見る友情以上の関係性 ・フランケンシュタインの弟アーネストはその後どこへ行ったのか など興味深く原作小説をもう一度読み直してしまった
15投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログ「シラバス読んだらめちゃくちゃ面白そうだったのにいざ取ってみるとそうでもない授業」みたいな感じだった。例えになってないけど。 メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にして、合計21もの批評理論の立場とその実践例を紹介する本。批評理論を抽象的に羅列されたところで何が何だか分からなかっただろうから、その点では理解の助けになった。 ただほとんどの批評理論が、小説をより深く理解するためのツールではないように思えた。むしろ自分のイデオロギーの正しさを証明するために小説をダシに使っているようで、率直に言えばこんなことをして何になるのか分からない。 今までに提示されていない読み方を提示することそれ自体に価値があるんだ、と言われたらそうなんだろうが、先にゴールありきで「この小説は実は◯◯主義的である」とか主張されてもふーんそうなんだ、としか思えない。手段と目的が逆なんじゃないの、と言いたくなる。 もっと実用的で日々の作品鑑賞が楽しくなるような批評理論を期待していたので少々ガッカリ。次に読むとしたら物語論あたりかな。
2投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログ小説「フランケンシュタイン」を題材に小説の読み方について体系的に学ぶことができます。小説のみならず、様々な作品、コンテンツを批評したり分析するのに本書の知識は役に立つと思いますよ。映画とか小説とか読んで考察するの好きな人は読むことをおすすめします!また創作する側の人にとっても学ぶものは大いにあると思います!鑑賞に耐えうる作品を作るには最低限本書に書かれていることくらいは知っておく必要があると思いますね。
1投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログフランケンシュタイン読んだすぐ後に。 合わせて読んでよかった。 そういうふうに読み取るのかーとか 読者的に読み飛ばしそうなところも 作者としては、いろんな思いで書いてるんだなと これから、もうすこしじっくり読もうと思った もう一度読み直して、次から読む時は 心の片隅に意識したい 入門とあるので、この次の段階のものも読みたいなー あまり専門すぎると難しそうなので。 ただ、 本との相性は絶対あると思う 自分にとって読みにくい本 とっつきづらい本 難解な本 それは、これからも じっくり読む前に閉じてしまうだろう それでも読書がただ好きなだけだし まーいっか。 これ好き!って本に出会うたびに その本を深掘りしたくなるツールを 少しだけ学べた気がします。
6投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログ特に、後半の「批評理論篇」は、さまざまな批評理論を取り上げて、それぞれにわかりやすい解説が施されている。1篇の小説についても、いろいろな「読み」が可能であると知った。
0投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログモノローグ ポリフォニー イメジャリー メタフィクション 形式主義 脱構築 決定不可能姓 コロニアル 「小説の技巧」と似通う部分が多いという話を聞いた。目を通すべきだろう。
0投稿日: 2023.10.12
powered by ブクログ廣野由美子『批評理論入門』中公新書 読了。『フランケンシュタイン』を題材に、小説に用いられる技法や作品分析の方法論を概説する。実例を通じて具体的に解説してくれるので、テキスト未読でも問題ない。これほど徹底的に解剖されても耐え得る作品であることがよくわかる。原作にも当たってみたい。
0投稿日: 2023.09.30
powered by ブクログこの本で紹介している知識(小説技法、批評理論)を持って、今まで小説を読んだことがなかったので、遅ればせながら、それらの視点を自分が得ることができ非常に有益であった。 題材としてフランケンシュタインの小説を上げているが、恥ずかしながらこの小説を読んだことがなく、本書で初めて、そのあらすじを知った。しかし、小説ってこうやって読む遠くが深く楽しめるのだなということを初めて知った。 フランケンシュタインの小説は奥深く楽しめるものなんだな。
0投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログ科学としての文学。こういう技法こそ高校の現代文で教えてほしかったよ! 小説も漫然と読んでるだけでは作者の意図の1/10も汲み取れないのね。もう少し若い時に知っていたらと思うと悔やまれる。
0投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログ本書がどういう本なのかということについては、筆者が書いた紹介があるので、それを引用しておきたい。 【引用】 批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説「フランケンシュタイン」に議論を絞った。 【引用終わり】 私は小説をよく読む。本書は、その小説をよりよく、より深く味わうために有用ではないかと思い手にした。 「小説技法篇」では、「冒頭」「ストーリーとプロット」「語り手」等、15の技法が紹介されている。「批評理論篇」では、「伝統的批評」「ジャンル批評」「読者反応批評」など、13の批評の方法論が紹介されている。 小説はよく読むが、このような小説を読むための「理論」に触れるのは初めてのことなので、いずれの技法・方法も、初めて目にするものばかりであるし、その前にそもそも、このような技法や方法論が存在すること自体を初めて知った。多くの技法や手法を230-240ページ程度の新書でコンパクトに説明しているので、1つ1つの技法・方法論の説明に割かれている紙数は少ない。そのため、技法・方法論について理解が出来たとは言い難いが、小説を読むための助けになるであろう、このような方法論があることを知ることが出来たことが、本書からの収穫になるだろうか。 それにしても、このような技法・方法論を使った批評や論文をこれまでに目にしたことはない。それはアカデミアの世界に存在するのだろうか。週末の朝刊各紙には、「書評欄」がある。私は自宅では日本経済新聞を購読しているので、目にするのは日経の書評だ。最近では、書店に「書評コーナー」があり、ここ数週間の各紙書評で取り上げられた書籍を置いてあったりする。「書評」の中で、この本で紹介されている技法や方法論を使って小説が紹介されているのを目にしたことはない。繰り返しになるが、本書で紹介されている批評はどこで読むことが出来るのだろうか、ということに関して、少しモヤモヤが残った。
6投稿日: 2023.03.05
powered by ブクログ前半が小説の書き方、後半が文学作品の批評理論について書かれた本。 批評や書評にはしっかり書き方があると知って、「批評の教室」北村紗衣(ちくま新書)を以前読んで大いに勉強し、そしてその本に批評理論について書かれていると紹介されていたのが本書。本書は小説「フランケンシュタイン」を題材に、小説の書き方と批評理論を説明して行くというコンセプトの本。「フランケンシュタイン」はこういうことに耐えうる様々な読み方ができる奥の深い怪物みたいな物語で、まさに怪物も出てくるし、ただよく言われるのは、怪物とフランケンシュタインを混同してしまいがちで、実際間違える。 批評理論というのは、いくつか切り口があるとしても、批評をするときには使う理論を一つに決めて批評していくのが普通で、あまり色々盛り込まない方がよいらしい(「批評の教室」より)。批評理論は様々だから批評するときは自分で使う理論を決める。理論に慣れる必要もあるし、様々使っていくうちに批評らしくなっていくだろう。
3投稿日: 2023.02.05
powered by ブクログツイッターでお勧めして人がいたので、読んでみた。 特に参考になったのは『小説技法篇』。 メモして読むのがおすすめ。
0投稿日: 2022.12.29
powered by ブクログ「超入門!現代文学理論講座」に続き文学論の本。技法と 批評に別れ様々な書き方、読み方を紹介する。何よりも 「フランケンシュタイン」という具体的なテキストを元に しているのが良い。フランケンシュタイン自体、はるか昔に 一度読んだはずではあるが、すっかり忘れていたのはご愛敬 ということで(笑)。
1投稿日: 2022.08.29
powered by ブクログ文学理論について学びたいと思っていくつか手を出してみた入門書のうち一冊。具体的な一作品を使って解説を行う方法は理解しやすく、同種の本の中で初めて最後まで読むことができた。これを足がかりにイーグルトンなどにも手を出してみたい。ただ、まだ自分の理解が「おもしろい」にとどまっているので、文学について語る意味についてあらためて考えたい。ちなみにこの本が想定している根本的問題は小説とはなにからしい。
1投稿日: 2022.03.03
powered by ブクログ「批評の教室」で紹介されていた本。「批評の教室」よりも本格的で、教科書的。よりステップアップする人は必読だ。 小説技巧篇と批評理論篇の二つで構成されている。どちらも、19世紀の英国の小説「フランケンシュタイン」を読解することを通して紹介していく。 前半では、ストーリーとプロット、語り手、結末など、作り手が仕掛ける技巧がクリアに分かる。後半は、脱構築、精神分析、フェミニズムなど、あらゆる「読み」の可能性が実感できる。 非常に巧みな、そして親切な入門書だ。もっと早く出合いたかった。
0投稿日: 2022.02.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『小説をより深く理解し、より楽しむための視点』 小説のしくみを示した【小説技法篇】、読み方を説いた【批評理論篇】に分けて、『フランケンシュタイン』を様々な視点から徹底的に解剖。うん、『フランケンシュタイン』をじっくりと読み返してみよう…
0投稿日: 2021.12.11
powered by ブクログフランケンシュタインを元に文学論文の書き方の説明がされてる本 これがなかったら私はロンブンってナンデスカ?状態だったな
0投稿日: 2021.10.10
powered by ブクログ『フランケンシュタイン』を題材に小説技法と批評の技法を解説。小説技法も批評家視点の技法であって、いやゆる「書き方」ではない。それぞれの技法は具体的な例を挙げながらかなり細かいところにまで踏み込んでいて、批評家の批評技法のネタ晴らしにもなっている。同時に批評のための批評、あるいは小説を批評者の主張を補強するための道具にするための方法でもあり、批評家の発言の胡散臭さの正体が何なのかが理解できたように思う。
0投稿日: 2021.08.28
powered by ブクログ「本を読むインプットには、何らかのアウトプットが必要だ」と思って、ブクログでレビューを書く営みを始めたのですが、レビューを書くというのは正解がなくて、果てしなくて、そして面白い行為ですね。 本著は、『フランケンシュタイン』を例として、様々な小説批評の手法を紹介した本。プロはレビューの手法で新書が1冊書けちゃうんですね。。 ブクログでレビューを拝見したのを契機に読了しました。素人なりにある程度レビューを書いてきたからこそ、本著に没入できたなぁと思います。おそらく、単に読むだけであれば途中で断念していたかもしれません。 特に後半の「批評理論編」では13の文学批評の手法が紹介されていて、ちょいと難解な手法もあるものの、『フランケンシュタイン』という実例が用いられているからこそ何とかついていけました。 読了して思ったのは、これだけ色々な手法があると、どの作品にどれを当てはめて…というバリエーションが無数にある訳です。「ユング的解釈からすると本著の展開は破綻している」とか、無理矢理言おうとすれば言えてしまう訳で。 また、これだけの手法があると、作者からすると「いや、そんなコト全然思ってなかったけど…」という批評も出てくる可能性だってあるはず。 ただ、昔みうらじゅん氏の『「ない仕事」の作り方』で、「●●って結局こういうことだ」という論が世の中に出てくるようになれば、●●という存在が世の中に認知されたということ、という趣旨の記述があり、人気が出るというコトは作者の管轄外の議論がなされるというコトなのかもしれません。 脱線しましたが、小説の上に批評という知的議論を積み重ねていく行為の凄さの一端を垣間見た1冊でした。 著者の本著のテーマは「小説とは何かを考える」ということでしたが、個人的には本著を読んで、小説というものを全然わかっていなかったんだなと自覚させられました。。 ちなみに『フランケンシュタイン』は未読だったのですが、本著を読んで完全に読んだつもりになってしまいました(笑 日常会話で知った風なことを口走ってしまわないか怖いです。
7投稿日: 2021.06.20
powered by ブクログ『小説読解入門』の姉妹本。主に『フランケンシュタイン』を題材にしている。 前半は小説技法について触れられていて、書き手のテクニックを学ぶことができた。 後半は批評がテーマになっているが、少し読みとくのが難しかった。ここはもう一度再読。
1投稿日: 2021.04.26
powered by ブクログ文芸理論の初心者にもわかりやすい解説だった。批評理論には大別して、小説内で考察を深めるものと、小説の外から持ち込んだ物差しを利用するものの二種類がある。著者はその両方の有用性を認めた上でそれぞれの理論を解説し、実際に『フランケンシュタイン』を分析するプロセスを示してくれる。
0投稿日: 2021.03.25
powered by ブクログ大学での講義ノートをもとに書き下ろされたもの。挙げられている事例が全て『フランケンシュタイン』から取られているので、『フランケンシュタイン』を読んでから本書に進む方が、自分の読後感と重ね合わせつつ講義を受けている感じがして、理解が深まるだろう。もっとも、『フランケンシュタイン』を読まずとも理解できるような工夫は、十分になされている。 内容は2部構成で、前半は小説を内在的に理解するための「技法」。冒頭、反復、性格描写、結末など要点が網羅されていて、作品鑑賞にも活かせそうな内容。 後半は批評理論で、脱構築、精神分析、ジェンダー、ポストコロニアルなど最近の議論が紹介されていて、勉強になる。こちらは、いわば文学研究のプロがどのように作品を批評しているのかを理解するという意味合いが強い。 ただ、例外は、最後に出てくる「透明な批評」。これは、「エンディングのその後」をテクストに入り込みながら推測するといった行為で、かなり日常的な読み方に入るだろう(いわゆる深読み)。筆者は、透明な批評の批評手法としての妥当性への判断を留保しつつも、「文学作品を読む純粋な楽しみのひとつ」と擁護し、ときには透明な批評が作品の中心部に迫ってゆくことも可能と指摘する。批評や創作がアマチュアにも開かれたものである根拠の一端が、ここに示されていると感じた。
11投稿日: 2021.02.27
powered by ブクログ2021/1/30 再読 このページ数で外在的アプローチと内在的アプローチの両方を堪能できるのは贅沢。文学理論の本を色々読んできたが、こんなにコンパクトにまとまっているのは稀有な上、実例に即して解説されるのでとても有難い。 前回の感想↓ ーーーーーーー テクストにこんなにも多彩なアプローチができるのか!と気づかされる。今までは一文一文なめるように読む読解を解説する本を読んできた私には新鮮に映った。 今後、文学作品に向き合う中で本書に書かれている全ての視点を踏まえて読むことは不可能だろうが、印象的だった部分だけでも頭の片隅に置いておくことで新たな気づきを得られそうだ。
0投稿日: 2021.01.30
powered by ブクログ小説は、さまざまな技法を駆使して書かれている。そしてそれは、あらゆる角度からのアプローチが可能な、人類だけの、玉虫色に輝く宝だ。どの観点から見るかで、その小説は違った色合いを帯びる。 著者はまえがきで、〈ひたすら作品の内側だけを眺めているのは、狭い読み方だ。ましてや、たんに印象や直観のみに頼って作品を解釈するのは、貧しい読み方〉であると喝破する。これはまさしく自分の読み方ではないかと愕然とし、ではどうしたらいいのかと思うと、直後に〈批評理論という方法論を持つことによって、自分の狭い先入観を突破し、作品の解釈の可能性を拡大することができる〉とある。さらに、〈小説を読む力を研ぎすませてゆくことによって、私たちの印象はさらに鮮やかなものへ、直観はさらに鋭いものへと磨かれてゆくだろう〉とあり、なんて素晴らしい、私も読む力を磨きたいと思い、嬉々として読み始めた。 本書は、前半は「小説技法篇」、後半は「批評理論篇」の二部構成。小説技法は15項目、批評理論は13項目を挙げ、それぞれについて解説されている。その解説において、具体例に用いられているのが、『フランケンシュタイン』という作品だ。したがって、本書を読むと結果的に小説『フランケンシュタイン』をあらゆる角度から味わうことになる。 これがまぁ、楽しかった。興味深くて、理論書なのに純粋におもしろかった。あとでちゃんと『フランケンシュタイン』を読んでみようと思った。小説をどう読もうと、どう味わおうと、個人の自由であることは言うまでもないが、多彩な読み方ができればなお楽しい読書体験になるのではないかと思うのだ。 本書の内容は、小説にとどまらず、漫画や映画、はたまた絵画などの芸術作品にも応用できそう。広く豊かな読み方ができれば、きっとそれだけの批評文(書評)も書けよう。本の「読み方」こそ、書評の土台となるのだから。 さぁ、小説を読むのが楽しみになってきた。 著者の廣野由美子さんは、京都大学大学院教授で、イギリス小説専攻の英文学者。文部科学省科学官も務め、2015年2月にはNHKの番組「100分de名著 フランケンシュタイン」にゲスト講師として出演、テキストも執筆されている。
1投稿日: 2020.11.06
powered by ブクログ文学理論と批評理論の双方を学べる書籍。 基本的なことが分かりやすく書かれていて、とても良い復讐になったと感じている。またこれまで外国文学は翻訳に対しての苦手意識からそれほど読むことはなかったが、『フランケンシュタイン』の解説を読むことで読んでみたいと感じた。特定の作品を対象に批評理論の学びを進めることで、学んだことが実践できることは素晴らしいと感じた。
2投稿日: 2020.10.06
powered by ブクログフランケンシュタインを題材に小説の技法と批評理論を実践を交えて紹介するカタログ本です。これ一冊でぱっと批評理論が概観できました。 前半の小説技法編はためになり面白く読めました。ただキャラクターの項目はイギリス小説の「ストーリーよりもキャラクターが優先する」を紹介するだけで、それの反対理論が全くありません。少し納得しかねる主張ですけどここでいうキャラクーは人物の枠を超えて性格や感情・主張・動作まで含めたかなり細かいところなので、そのとおりなのかもしれません。 後半の批判理論は批判のために小説をネタにしている理論が多かった。とくにジェンダー批評・フェミニズム批評・精神分析批評・マルクス批評は主張のために小説を利用している印象がかなり強い。主は批評理論の方にあり、小説は主張を補強するために使われているようなものでした。
1投稿日: 2019.12.04
powered by ブクログ【由来】 ・amazonでアーサー・ケストラーの関連本でたまたま。 【期待したもの】 ・小説、ではあるが、読み方についての視点を吸収できるのであれば。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】
0投稿日: 2018.10.28
powered by ブクログ小説の技法や各批評の特徴を解説した一冊。 普段読まないタイプの本なので、読み終わるのに時間がかかりましたが、各技法や批評分野の特徴を、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にして解説しているので、分かりやすかったです。 そして全ての事柄に対して、『フランケンシュタイン』で解説できてしまう廣野さんの愛が素晴らしい。 私も、廣野さんにとっての『フランケンシュタイン』のように、どんな角度からでも切り取って解説できるくらい愛してしまう一冊を見つけたいものです。
1投稿日: 2018.09.21
powered by ブクログフランケンシュタインを題材に、批評理論のいろんな事柄を解説してくれています。具体的に一つの小説を題材に技法や批評理論の説明をしてくれているので非常にわかりやすかったです。文芸批評というのがこんなにいろんなことがあるんだということを知れておもしろかったです。小説のほうは、この本を読まんがために読みました。ただ、私は批評理論が楽しいとはあまり思えませんでした。こういう批評をして、なにが得られるのだろうと思ってしまいました。とくに精神分析批評やフェミニズム批評、文体論批評。(2018年3月25日読了)
2投稿日: 2018.04.08
powered by ブクログフランケンシュタインという普通に読んでも特に面白くない古典を題材に、精神分析やポスコロなどの主要な技法により分析を行い、その多面性を明らかにし、なんだか本当は面白い作品なんじゃないかと思えてくるぐらい発見が多かった。 色々な切り口を知ることは、作品の読みを豊かにするし、構造主義やマルクス主義、脱構築といった、西洋思想でよく出てくる概念も分析手法の一つとして解説されており、もっと早く読んでおけば、効率的な読書体験ができたのかなぁと思います。読書を始めたばかりの方には特におすすめです。
2投稿日: 2017.12.28
powered by ブクログ中公新書のロングセラー。 小説を読む上で、まずは作品世界に入り込み、その体験を楽しむというのが、最もよくある楽しみ方だろう。 もちろんそれだけでもよいわけであるが、その作品をより深く知ろうと思ったとき、読み手である自分が受けた印象だけでなく、作品がどのようにして書かれたか、書かれた背景を知れば、より深い理解に通じることもある。 本書では、作品を分析するにあたって、「内在的」アプローチと「外在的」アプローチに大別されるさまざまな手法を用いて小説の「解体」を試みる。 特徴的なのは、手法を単に概説するのではなく、1つの小説、ここではメアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にして、実践的に紹介していることである。 こうすることで、読者は具体例を豊富に知ることができ、分析法をよりよく理解することが可能になる。 著者は英文学研究者で、NHK100分de名著で『フランケンシュタイン』を取り上げたこともある(cf:『メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』 2015年2月 (100分 de 名著)』)。 この作品を取り上げたのは著者の専門分野であることももちろんだが、作品自体にさまざまな読み方が可能であることが大きい。 『フランケンシュタイン』が未読であっても本書を読むことは可能だが、性質上、「ネタバレ」している箇所も多々あるので、読み終わってから手に取る方が無難と思われる。私も大まかな筋は知っているつもりだったが、原作をきっちり読んでからの方がよかったと幾度か後悔した。 さて、分析法として、「内在的」アプローチとされるのは、小説の形式や技法、構造や言語を調べることを指す。これに対し、「外在的」アプローチは、文学以外の対象や理念を探究するために、小説を利用することを指す。本書では、前者を「小説技法篇」として、後者を「批評理論篇」とした二部構成を取る。 小説技法としては、ストーリーやプロット、性格描写、間テクスト性(他の文学作品との関連)、結末などについて論じる。 批評理論としては、道徳的批評、ジャンル批評、精神分析批評、ジェンダー批評、文体論的批評などが取り上げられる。 いずれも多くの研究者たちの議論を引きながら、さまざまな箇所のさまざまな解釈が示される。合間には、著者シェリー自身の生い立ちや執筆当時の環境も挟まれる。『フランケンシュタイン』という作品が平面から立体に立ち上がっていくスリルがある。 具体例に数多く触れながら、文学論のエッセンスに触れられる点が本書がロングセラーとして生き延びてきた所以だろう。 『フランケンシュタイン』は不思議な作品である。 枠物語の構造を持ち、怪奇小説としても読め、ある意味、SFとも受け取ることができ、人間を人間たらしめるものは何かという問題提起も孕む。 書いたメアリ・シェリーは執筆当時、20歳前後という若さである。16歳の頃、後の夫となる妻帯者パーシー・シェリーと恋に落ちるが、メアリの父が激怒したために駆け落ち。怒濤の日々の最中に5人の子供を身ごもったが、流産や幼少期の死亡で、生き残ったのはわずかに1名。メアリの父ウィリアムの名を付けた長男は、ついに祖父に会うこともなかったという。メアリ自身の母もメアリ出産時に産褥熱で死亡している。 安易に作品と作者を重ねてよいかどうかはわからないが、『フランケンシュタイン』のおどろおどろしさのいくばくかには、出産の血なまぐささを感じないでもない。 文学論の歴史の厚みや広がりには感嘆もし、圧倒もされるが、この作品を理解する上には、さらにプラスして、時代背景を知ることがかなり重要なのではないかという気もしている。 科学技術等の大きな発展から未来への希望に燃えつつも、どこか先行きの見えない、得体の知れない不安もそこここに漂っていたような、そんな時代であったのではないか。どこまで迫れるか心許ないが、ゆっくりと追ってみたいと思っている。
4投稿日: 2017.05.21
powered by ブクログメアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材に、文学理論上のさまざまな概念や手法を解説している本です。 テリー・イーグルトンの著書をはじめ、批評理論の入門書は数多くありますが、じっさいに一つの題材をさまざまな手法で料理してみせるところに本書の特色があります。具体的な批評の実践に触れることができると同時に、そうしたさまざまな批評を可能にする『フランケンシュタイン』というテクストそのものの豊かさを感じ取ることができるという点で、優れた入門書ではないかと思います。
1投稿日: 2016.07.26
powered by ブクログ19世紀イギリスの作家メアリー・シェリー(1797年〜1851年)が、1817年に発表した「フランケンシュタイン」を、小説技法と批評理論の角度から読み解こうという狙いを持って書かれた文藝理論の解説書。本著は2004年度に京都大学人間総合学部で行われた講義録をまとめたものである。そのためここで展開されている文体は硬い上に内容も高度なので「新書版なので内容は平易だろう」と思ったら後悔するかも知れない。本書の着目点は、後半に登場する批評理論。この本で紹介される批評理論は13種類(小項目を含めると24種類)だが、理論が異なれば、そこから受ける印象はこうも違うのだろうかとうなってしまう。言い換えれば、この作品は多種多様な読み解き方ができる作品、ということがいえるのだ。欲を言えば、もう少し文体を平易にしてくれればと思う。
0投稿日: 2016.04.29
powered by ブクログ小説技巧編が五つ星。小説の面白さの秘密が解き明かされたようだ。 批評理論編は薄く広くで四つ星。他書より、紹介されている理論数は多いが、いかんせんそれぞれの記述が少ない。ただ文体論だけは少し面白かった。
0投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログ初読。技法と理論とそれぞれ整理されていて、読む前に予想していたよりも分かりやすかった。フランケンシュタインの分析としても結構おもしろく読めた。いつも何となくで読んでしまうけど、もっといろいろ考えて読みたいと改めて思った。個人的には技法の部分が特に興味深かった。今後の読書に生かせるだろうか。
0投稿日: 2016.01.21
powered by ブクログ新書という体裁ながらこれは完全に「教科書」ですね。『フランケンシュタイン』という具体的な著作を材料にしているため、解説は具体的でわかりやすいです。また、各課ごとの分量もよくまとまっていて、消化不良に陥ることなく小説技法・批評理論を勉強できます。その分、娯楽性はゼロで読んで面白いという類の本ではないように思います。
0投稿日: 2014.11.28
powered by ブクログ小説における「視点」が気になり、本書を読み始めた。批評のためというよりは、小説を読む手がかりが欲しいためである。焦点化やイメジャリーなど、自分自身にしっくりくるものもあったので、今後の参考にしたい。
0投稿日: 2014.01.28
powered by ブクログ大橋洋一「新文学入門」で得たものを補強するためにもう一冊簡潔な入門書を、と思って手に取った本。「新文学入門」が批評理論しか扱っていないのに対して、本書は内在的アプローチ(小説技法)と外在的アプローチ(批評理論)の両方を扱っている。教科書と用語集の中間的立ち位置。「新文学入門」では扱われていなかった批評理論(ジャンル批評、マルクス主義批評、文化批評、新歴史主義など)が扱われているし、1,2行で簡潔に各批評理論が定義付けられているのでわかりやすいし、なにより「フランケンシュタイン」を用いて実践例を示しているのがとても良い。この本に書かれていることがすべての基礎なんだろうとおもった。ここに書かれていることをきちんと吸収しきったうえで、さらに詳細な理論書に当たって勉強を深めていくべきだと。入門書として最適な一冊。
0投稿日: 2013.10.14
powered by ブクログメアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』をテキストにした概説本。 前半は小説の技法について、後半は批評理論について、わかりやすく論じています。 フランケンシュタインは怪物の恐ろしさばかりが先行しており、知っている気になっていましたが、きちんと内容を知りませんでした。 以前バイロンとシェリー、そしてフランケンシュタインの物語を映画化した『幻の城』を観たため、雰囲気を重ねながらストーリーを追っていきます。 単純な恐怖小説ではなく、きちんとプロットの組まれた、小説としての質の高い作品だと気づきました。 メアリ・シェリーは、シェリーの内縁の妻だという知識しかありませんでしたが、両親共にすぐれた文学者であり、単なるシェリーの妻というだけではなく、文学的資質のある女性だということも知りました。 この小説を、彼女は妊娠中に執筆したとのこと。 未知のものへの恐ろしさ、生と死への鋭敏な表現は、妊婦だったからこそかもしれません。 フランケンシュタイン博士が、死体をより集めて生命を吹き込み、怪物を生み出したというくだりでは、『鋼の錬金術師』や『ピグマリオン』を連想しました。 この怪物、単に恐ろしいだけの存在かと思いきや、ミルトンの『失楽園』を読んで、自分とアダムとの違いについて考えを巡らせたりするインテリです。 単独で言葉を覚えて、自らのアイデンティティを探し求めつつ、主観的に反応しながら本を読むというのは、人間以上ののびしろがある存在。 仲間がいない孤独と絶望に苦しむところなど、感情も人と変わりません。 醜いものを生み出してしまった博士は現実に目を背けているのに対し、現実を学び、知っていく怪物の前向きさが際立ちます。 ただ、良からぬものを作りだしたという後悔から、憎しみや裏切りによる殺人が導き出されていく悲劇。 荒削りなところはありますが、人物設定や話の構成は古典的でわかりやすく、例として最適です。 こういった概論では、テキストはむやみに量を出すものよりも、ひとつの作品に焦点を当てて語っているものの方が理解が早いことに気が付きました。 大学の講義用なのか、入門編といったところなので、理論の説明自体はテキストよりも把握しやすく感じました。 むしろ、イントロ段階の紹介のみで終わってしまっているため、もっと踏み込んで語ってもらいたかったです。
0投稿日: 2013.08.23
powered by ブクログ批評理論系の本を初めて読む人にオススメしたい本。 全体的に分かりやすく、理解しやすい。 但し、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を元に書かれているので、 あらかじめそっちを先に読んでからの方が良いかもしれない。 また、分かりやすく書かれている分1つ1つの項目の内容が薄いと言えば薄い。 批評理論系を少し勉強している人には物足りないと思うかも。 個人的には家に置いておきたい1冊。
0投稿日: 2013.06.12
powered by ブクログ古典SF『フランケンシュタイン』を題材に、前半は小説の技法についての解説を、後半は批評理論について概説している。 まず、題材が『フランケンシュタイン』というのが良かった。誰もが知っているけれども、実際の所、読んだ人なんて日本ではあんまりいないのではないか……(ボリフ・カーロフのビジュアルや、『怪物くん』のイメージは有名だけれど)と思う小説だし、名作として批評も研究もされた小説ということで「あ~あれでしょ? フランケンシュタインって人造人間が出るやつ?」程度の理解しかなくても、興味を持続して読むことができると思う。 小説の技法については、個人的にはデビッド・ロッジが書いたその名もズバリな『小説の技法』の価値を再確認するようなものだった。 文学者的にあの本はどうなんだろうな~と思っていたけれども、たびたび言及されているのを読んで(というか、元ネタになっているのを後書きで読んで)、やはり資料としても優れた内容だったんだねと思った。実際の所、前半部分を勉強したいのなら、デビッド・ロッジの『小説の技法』を読んだほうがいいと思う。それぞれの技法にマッチしたテキストを紹介しているし。 実際、この本は後半が重要だと思う。『フランケンシュタイン』という小説が時代時代によってどう批評されてきたか、というのがこの本の主眼になっていて、道徳的批評や伝記的批評、ジャンル批評から、フェミニズムやジェンダー、マルクス主義といった新しい切り口で批評されたことが概説される。 現在の文体論的批評や透明な批評までいくと、難しかったりエッセイじゃないの? といろいろ考える部分もあるが、こういう風に時代時代によって新しい解釈が生まれる作品こそがマスターピースと呼ばれるのかなと思った。 基本的に入門書ではあるが、大学の講義を元にしているようなので、概説としては内容の濃いものになっていると思う。新書でこのレベルが読めれば嬉しいよね。また、この本から離れて、自分が好きな小説の解釈をいろいろ考えてみるのもいいかもしれない。
2投稿日: 2013.05.26
powered by ブクログ批評とはどんなものかに最近関心があって、実際具体例を通してやっている本はないかなと思ったらぶちあたった本。 『フランケンシュタイン』自体は読んだことがなく、ストーリーラインをちょこっと知っている程度だった。 それでも終わった頃には『フランケンシュタイン』の魅力がじわじわと伝わってきて、これが文化的な原型として語り継がれてきた理由もなんとなくわかってくるような気がした。 批評に関する、理論的な細かい部分に関しては他の本のほうが良いかもしれないが、実際にそれをどう適用するか?ということを見るのにはお勧めしたい。
0投稿日: 2012.10.02
powered by ブクログ前半では小説の技法について、後半では批評理論について、「フランケンシュタイン」を題材に説明している。 それぞれの項目は簡潔で、「フランケンシュタイン」を読んだことが無く批評についてもよくわからない人間であったとしても、理解し易い。「脱構築批評」の項目はすごく腑に落ちた。
0投稿日: 2011.11.21
powered by ブクログすばらしくわかりやすい批評入門。『フランケンシュタイン』を例題に、どんな切り方もできますよと実例を示しながら、代表的な批評のアプローチについて解説してくれている。小説を読んで、「おもしろいんだけど、なんとなくとしか言えない」というときにこの本を思い出すと、切り方がきっと見つかります。
0投稿日: 2011.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
[ 内容 ] 批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。 本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。 続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。 技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。 多様な問題を含んだ小説『フランケンシュタイン』に議論を絞った。 [ 目次 ] 1 小説技法篇(冒頭;ストーリーとプロット;語り手;焦点化 ほか) 2 批評理論篇(伝統的批評;ジャンル批評;読者反応批評;脱構築批評 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2011.04.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』をモデルに、小説の形式や批評の仕方について語ってある本。入門編と題してある通り、一つの物語を広く浅く、ときどきちょっと深めに掘り下げてあります。 小説の書き方とか形式について興味を持ったので読んでみました。今までにない感じの本で、まさに知りたかった内容をわかりやすく解説してあるというところで、個人的にはニーズに合致した良書でした。 『フランケンシュタイン』は読んだことがなくて、内容についていけるかどうか不安でもあったのですが、本文を引用しつつ丁寧に解説してあったので、すらすら読めてよかったです。 次に小説を読むときや、これから読んだ本を読みなおす時にちょっと視点を変えて読んでみるための、良いきっかけになったと思います。
0投稿日: 2011.02.08
powered by ブクログ「フランケンシュタイン」を題材に文芸理論を勉強できる本。面白く読み終えました。やっぱりメアリー・シェリーは「エミール」に影響を受けていたとわかってよかったです。
0投稿日: 2011.01.30
powered by ブクログこれ、眉間に皺寄せまことしやかに文芸理解のポーズで読む本ではないのでは? 「ポスコロ風に批評するとこうだよね」 「新歴史好きの批評屋ならこう書くんでね?」 と次々繰り出されるパスティーシュへ「よくできてるじゃん」「んー?これはちょっとイマイチこじつけ臭い」などと微笑みながら楽しむ本ではないかと。たぶん。 ちなみに脱構築批評風の箇所、とりわけリキはいってます。 前半の技法分析はロッジ『小説の技巧』http://booklog.jp/users/donaldmac/archives/4560046344 の劣化コピー技じゃね?と思いながら読んでいたら、あとがきでネタばらしされてました。
1投稿日: 2011.01.05
powered by ブクログうーん、「フランケンシュタイン」がテキストとして適当だったかどうか。こういう理屈のつけ方だったら、どれでもいいのではないか。 映画によるイメージとの落差についてあまり語られないのも物足りない。
0投稿日: 2010.12.22
powered by ブクログテクストにどのような切り口(読みの可能性)があるのかを明示してくれる良書。 ひとつの現実(作品)と多数の理論を結ぶ。 文学理論の解説書や個別の理論からある作品を読むモノは多いが、一つの作品を多数の理論から光を当てて、その方向性(と研究史)を丁寧に解くものは少なかったように思う。 もちろん自分の好みや専門の領域に物足りなさを感じる場合もあろうが、それは本書に求めるべきでは無かろう。
0投稿日: 2010.11.30
powered by ブクログ前半は小説の構成について、後半は具体的な批評の方法について。『フランケンシュタイン』という小説一つに絞って展開していくので、非常にわかりやすい。
0投稿日: 2010.08.26
powered by ブクログ「フロイト的解釈」「脱構築批評」といった講釈はどんな本や物語についても必ず付いてくる。それらによる解説がどんなに陳腐であったとしても、物語が物語として成立している以上、そういうおせっかいな解釈からは逃れられない。 どんな物語も呑み込んでしまうそのようないやらしい体系性を持っていることこそが、完成された批評方法に永遠の命を与えているといえる。 これは「小説」という物語だけでなく、身近なものから社会的なものまで、人の生き方という物語についても成り立つと思う。どんな行動も、解釈の体系からは逃れられない。「何の意図もなく起こした行動」さえ、その人の行動の履歴から意味づけられてしまうという現実がある。 これが、人が「思想」を学ぶ原動力なのだと思う。思想は法律のように権力による実効性を与えられていないし、科学のように現実を変える合理的な力が認められているわけではない。 だが、思想はそれでも他者の「解釈」という檻によって私たちを強力に縛っている。自分の行動についての解釈が下世話で陳腐なものになるのを避け、論理的な帰結の結果自分の意図する美しい姿になるように、人は「解釈の仕方」について血眼で学ばざるを得ない。
0投稿日: 2010.07.17
powered by ブクログ[関連リンク] Twitter / Dain: 廣野由美子「批評理論入門」は名著だと思う。「フランケ ...: http://twitter.com/Dain_sugohon/statuses/16431981055
0投稿日: 2010.06.19
powered by ブクログ読み助2010年6月2日(水)を参照のこと。 http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2010/06/1790-a492.html
0投稿日: 2010.06.02
powered by ブクログ2009/9/15図書館で借りる 2009/9/22ほとんど読まずに返却 リスナーからお勧めしていただいた本です。
0投稿日: 2009.09.08
powered by ブクログ『フランケンシュタイン』を読んだことがなくても理解し易い本です。併せて読めば、より理解が深まると思います。 ※ 間テクスト性についての記述が少し足りない。 間テクスト性とは、先行テクストの影響だけではない。後続のテクストを含めての、読みの可能性を示唆したものである。つまり、時間軸は関係ないのである。 この本では先行テクストの記述だけであるが、『フランケンシュタイン』の間テクスト性として、他にはディケンズ作『大いなる遺産』のピップも挙げられるのではないだろうか。 2005.3.25 初版/2009.4.9 購入/2009.7.15 読了
1投稿日: 2009.07.19
powered by ブクログ批評理論の入門書としては、実例がわかりやすくてよい。 ジェンダー批評の部分の文章に、意味の通らない部分がけっこうあるけれど。
0投稿日: 2008.12.30
powered by ブクログフランケンシュタインを通して、さまざまな文芸批評のしくみを学ぶことができる。小説を楽しむ方法がいろいろ書いてある。物語の時間や、プロットとストーリーのちがいなども興味深い。
0投稿日: 2007.04.23
powered by ブクログ「フランケンシュタイン」を具体例に挙げて、小説の理論がわかりやすく解説されている。 第二部の、さまざまな立場からの読み方では、小説読解の幅広さが見えて面白い。
0投稿日: 2006.07.30
powered by ブクログなにしろ読みやすい!文学理論がこんなにわかっていいかしら@京大総人。でも砕けすぎてないのが好感度大です。「フランケンシュタイン」を読んでなくても面白い。
0投稿日: 2005.07.28
