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柔らかなこころ、静かな想い 心理臨床を支えるもの
柔らかなこころ、静かな想い 心理臨床を支えるもの
村瀬嘉代子、中井久夫/創元社
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総合評価

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  • タイトルに偽りなし

    中井久夫先生の著作から巡り会った一冊です。 挿絵を中井久夫先生が担当されています。 このような本との巡り会いは、地方に住む者にとって、まちの本屋さんでは少々難しいです。 どうしても品揃えが少ないので、村瀬嘉代子先生も(中井先生であっても)そうそう本屋さんで見かけることがありません。 今となっては当たり前のこととなったと言えるのでしょうが、電子書店ならではの巡り会いであり、そして、巡り会えてよかった一冊です。 心が洗われると言うのでしょうか、リラックスして読める文章です。 もっとも最後の方の数章は背筋の伸びる、ピリッとした内容になっています。 好きな章は 「芽吹き、花開き、結実のとき」 「二羽の鶴-林隆行先生ご夫妻を偲んで」 「家族力」 「手紙」 「入り日を惜しむこころ」 といったところでしょうか。 とりわけ「家族力」のおわり近くは気になる内容でした。 曰く、 虐待されたり親から拒否された子どもは、しばしば親を庇い親の批判をしない。 昨今トラウマを再現し言語化させるという治療技法が受け入れられているが、いたずらに辛い体験の再現や言語化を求めるべきではないのではないか。 なぜなら人間にとって父母とは自分の存在を生物学的にかつ精神的にもかなり基底の部分で大きく規定している存在であり、自分の親をいたずらに否定すると人は自分自身の存在をも受け入れがたくなるのではあるまいか。 とのこと。 身の回りの人を見て思い当たる人あり、はっとさせられる内容でした。

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    投稿日: 2017.07.06