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森に眠る魚
森に眠る魚
角田光代/双葉社
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総合評価

325件)
3.7
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17
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    みんな子どもがいるのに、不思議な位自分のことしか考えてない女たちの話だった。 この人アホか、と思う反面、いやでも自分も似たような感情抱くか・・似たようなことするか・・と反省したり。。

    0
    投稿日: 2012.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイプの違う5人の専業主婦の、それぞれの視点で心情を描かれているので、専業主婦や幼稚園ママには誰もが当てはまるところがあると思う。 子育てやお受験やママ友の関係や、きっと誰もが一度は躓くであろう心の壁を、主人公たちが葛藤しながらぶつかっていく様は、日常に転がっていながら、誰にも言えない心の内を代弁してくれているようで、かなり共感できるところは多い。 本当に専業主婦は森に眠る魚のように孤独な生き物なのだなあと痛感させられた。 しかし、ラストはもう少し前向きに書いて欲しかったなあ。

    0
    投稿日: 2012.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ママ友とお受験戦争。女性ってなんて面倒臭い生き物なんだろう。初対面は好印象を受けたはずなのに、グループでつるんでいるうちに徐々に傲慢で邪険になっていく。それぞれの女性に嫌悪感を抱くものの、自分にも思い当たる節が各々にあったりして、ぞわりとした。自分は自分、他人は他人、と理解していながらも、心のどこかで他人と比較して、安心したり、見下したりしたい願望があるのかも。後半、突然三人称を使い、「彼女」が一体誰であるのかはっきりさせず、読者に想像させる手法はなかなかのもの。

    0
    投稿日: 2012.03.11
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    初めは登場人物の個性が見えず、掴みづらかった。 読みすすむにつれて、彼女たちをうっとうしく煩わしく感じるようになった。 さらには薄気味悪い嫌悪感すら抱いた。 そのうちに、怖いもの見たさの興味が先に立ち始めた。 そして、ひとりひとりの姿かたちが充分見えてきた矢先に、突如登場人物が名前ではなく「彼女」と描かれる、その瞬間の背筋が凍りつく感覚。 すべて、作者の手中にあったのだと気づく。 そうだ、角田光代さんは女性の内面を緻密に描き出すのがとてもうまいのだった、と思い出す。 たしかに自分とはほとんど共通点のない彼女たちを、醜悪だと感じてしまう自分が醜悪ではないとどうして言えるのだろう? プロローグとエピローグの構成もみごと。不快なものから目をそらせなくなるような作品。秀逸な人物描写をしながら、彼女たちの個性を埋もれさせるという、この描き方そのものが作品のテーマとも一致してくる。

    1
    投稿日: 2012.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

     同じ幼稚園に子供を通わせている4人の母親と、その中のメンバーを通じて知り合ったもう一人で作られた5人のグループ。 仲良しママ友だったのが、子供の小学校受験をきっかけに、少しずつ少しずつその関係は崩れていきます。 自分の子供が一番と思う余り、小さな嫉妬とねたみから事件が起き・・・。 あらすじを書くとこんなかんじなんですが。 正直、角田さんの小説の中では星二つでした。 三分の一ほど読んだところで、盛り上がらない展開が残念にかんじ、半分来たところで、ここまできたら読むけど…という気持ちになりました。 登場人物がたくさんいても誰が誰なのかすっと頭に入ってくる小説はたくさんあります。 でもこれは、あれ、この人の子供は男の子だっけ?この人の子供の名前は何だっけ?と何度も最初の章に戻って読み返しました。 最後の方にちょっとした事件が起きるんですが、これも何だか中途半端に消えていて。 すごいな、と思ったのは母親たちの少しずつ壊れて行く心の描き方。 そしてタイトルの付け方ですね。 最後に近づくに連れて「森に眠る魚」の意味が分かりました。 読み始めたからには気にはなるし読み切ったのですが、全体的にだらっとしたちょっと残念な小説でした。

    1
    投稿日: 2012.02.22
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    人を羨む気持ちが次第にねたみ、猜疑心へと変わっていく。子育て・お受験と関係ない人でも、女性なら誰でも同じ立場を経験するのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2012.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5人の母親が知り合い、ママ友になったのも束の間、受験戦争を経てすれ違い、疑心暗鬼になり、やがてバラバラに…。ドロドロだなあ…恐ろしいですね。しかしまあ古い付き合いでもない女が集まるとこうなるのかな、という感じ。 容子がかなりやばい感じになっていたけど、最後は一番まともに戻ったのかな?他の4人はこれからもあんな風なんだろうか。

    0
    投稿日: 2012.01.19
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    小説の設定は都内文教地区。 時代は1999年8月~2000年3月。 子育てという環境を共にするいわゆる「ママ友」5人が子供たちの小学校 受験を決めていく過程の中で「価値観」や「生活水準」「教育方針」の 違いから【平穏な関係】という歯車が狂い徐々にそれが「嫉妬心」「依存心」「猜疑心」へと変わっていく。 その様相は鬼気迫るものがあり、鋭い描写に引き込まれていく。 怖いくらいに。 母親というのは孤独であるがゆえに 自分と同じ境遇にある他者と関わり を持ちそこに属する事で安心を得る。 しかし人格も価値観もすでに出来上がった大人は他者とのズレを見逃し 続ける事ができない。 ことに子供の事となれば尚の事。。 登場人物の一人である子供のお受験 に失敗し絶望さえ味わった千花の思いが印象的だった。 『成功しかかっていることを私は祝わなくてはいけないのだ。 私と違う人生を歩く近しい人なのだから。 世界は終わらず日々はまわるのだから。』

    0
    投稿日: 2012.01.19
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    自分がお受験に突入する娘の親なので、非常にリアルで怖い話。ママさん全員の考え方の変遷が怖すぎる。妻の苦労が想像できます。

    0
    投稿日: 2012.01.17
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    う〜ん、多かれ少なかれ子育てをしているとこういう事はあるかなぁ。自分の子育てとひとの子育てを比較し出したら、きつくなるばかりだと思う。

    0
    投稿日: 2012.01.15
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    これから先、自分にも起こり得る未来に、少し恐怖を感じた。 子どものための闘いが、いつしか自分のための闘いに変容していく様が、怖かった。

    0
    投稿日: 2012.01.14
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    角田さんは女性の内面を描くのが凄くうまいですよね。 自分の子供と友達の子供をついつい比べて優越感や劣等感を抱いたり、自分のいない所で自分の悪口を言っているんじゃないかと猜疑心を抱いたりとありがちな場面を、日常生活の中でうまく描き、段々と歯車が壊れていく様子が恐ろしくもありました。5人の登場人物のそれぞれに言い分があり、誰が良くて悪いわけでもない描き方に好感がもてた作品です。

    0
    投稿日: 2012.01.12
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    5人のママ友の話。 子育ての戦友として集まった母親たちだが、小学校受験を巡って、すれ違いやトラブルが発生。 それぞれノイローゼ状態となるが、受験の終わりや妊娠、引っ越しを期に自分を取り戻すところまで書かれている。 同じ歳の子供を持つ共通点で集まった母親だが、生活レベルや教育方針はそれぞれで、そのなかでのすれ違いがリアルだった。

    0
    投稿日: 2012.01.07
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    幼い子を持つ母親たちが、初めはうまくいっていたのに「お受験」をきっかけにバラバラになっていく話。 人間って弱い。

    0
    投稿日: 2012.01.07
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    すごい迫力。 読んでいてどっと疲れる。 某ドラマもこんな感じだったんだろうか。 登場人物が多くて、ちょっと混乱した部分もあったけど、オンナとして読んで良かったと思った一冊。 大抵の小説には感情移入したくなるキャラクターが出てくるはずだけど、この場合はとにかく別世界にいたいと願ってしまう。 誰に当てはめてみても、幸せとはいえなくて。 一番嫌悪されるであろう容子というキャラクターのような人間に自分がならないとも言い切れない不安とかもあったり。 これはいつか子供ができたらもう一度読もう。

    0
    投稿日: 2012.01.04
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    いわゆる「ママ友」と「お受験」がテーマ。 金銭感覚や生活水準、考え方が異なる5人の女性たちの友情が段々と破綻していくまでの描写はとってもぞっとした。 全てが自分に投影されるわけじゃないけれど、5人の気持ちがちょっとずつ共感出来るように描かれているのは本当に巧い。 大人になったというだけで友人を作るのがとっても難しくなるのだなと思うと少し哀しい。

    0
    投稿日: 2012.01.03
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    正直いって正直早々に読む本ではなかった… ただ、非常にリアル。やっぱ女はこわい。そして自分が子供産んで育てるなんてできるのかと、不安を覚えた。

    0
    投稿日: 2012.01.03
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    この小説が音羽お受験殺人を下敷きにしているのはあきらかで、だから最初はもっとスキャンダラスな筋書きを期待していた。「だれがだれの子を殺すんだろう」そんな下世話な好奇心を全開にして、物語半ばまでよみすすめてやがて、ああこれはそういう作品じゃないんだと気づく。作者が焦点を当てたのは子殺しではなく、母親たちの閉塞感だった。あの事件を主題にしながら、作者はひたすらそれを描写していく。きっと桐野夏生だったら、まったく異なる展開になっていたはずだ。もともとはむしろそっちを期待していたのだけれど、これをよんだ今、あの事件を扱ったのが、角田光代でよかったと心からおもう。あれをテーマにするならば、彼女の選択は圧倒的にただしい。ママ友という特殊な連帯感からうまれた、たどたどしい友情。おっかなびっくりにつむいだそれを、それでも大切にしようとした女たちの関係が、子どもの受験、その先の進路や将来設計をまえにして、徐々に綻びをみせはじめる。そしてそれはじわじわと崩壊していく。「森に眠る魚」は、その過程とそれぞれの心情を、息がつまるくらい、丁寧に緻密にえがいている。母親たちの孤独と、それを書く作者の真摯な姿勢に、泣きたいような笑いたいような気持ちになる。夫の影がうすいどころか、かれらの輪郭さえみえないのも象徴的。どちらも親でありながら、子どもとそれを内包する社会と、対峙しているのはいつも片方だけなのだ。

    1
    投稿日: 2011.12.30
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    わからんでもないけど、 ママ友つきあいはたいへんね。ていうお話。嫌な気分になるな。 あんまり救いない。 女性通しのつきあい? 何を言いたかったんかなー。 分からんわ。

    2
    投稿日: 2011.12.25
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    怖い。 ぐぐっと引き込まれるように読んだけど、かなり怖い。 ものすごく不安が掻き立てられる。 読み終わって、ほっとしてる自分にいささかおかしくも思うけど。

    0
    投稿日: 2011.12.16
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    『名前のない女神たち』を思い出した。 ママ友の関係が捩れて行く様が鬼気迫る文章で書かれている。 女性のドロドロが好きな人は好き。足下が揺らぐような、不快感を味わった。が、読むのを止められない。

    0
    投稿日: 2011.11.30
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    5人の幼子がいる母親が知り合い、ママ友になり、ずっと一緒に子育てをしていこうと約束するが、お受験、家庭の格差、様々な違いが5人それぞれが恨み妬み闇となって行く。何年か前の東京で起きた事件がモチーフなのは読めばすぐわかる。 前回「砂漠(伊坂幸太郎)」のレビューの中で、女の友情は難しい、と言うようなことを書いたが、やはり今回もこの本を読んで思った。特に子供を通した、ママになってからのママ友は関係を深めたらあまりよろしくないのである。気持ちは同じ母として大変よくわかる。母親なんて我が子のことになれば、アホにでも鬼にでもなれるのだ。赤子の時から一挙手一投足に一喜一憂し見守ってきたのだから。目的が、子供の為、と言いながら自分の為に変わっていないか、迷走しながら母親は日々過ごしている。…かも。(笑) 追記。個人的にママ友という言葉は好きではありません。

    3
    投稿日: 2011.11.27
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    子供のお受験にのめりこむママ達のお話です。 出会った当初はお互いの違い(金銭感覚や生活習慣など)を素直に認め自分との違いを面白く・好もしく思っています。 けれどお受験を通して徐々に入っていく亀裂。 この徐々にの書き方がすごいなぁ、さすが角田さんだと思いました。 内容紹介にも「母子小説」って書いてありますが、本当に母子なんですよね。父親はたいして登場しません。 どの母も、ママ友関係に息苦しさを覚え始めた時、父親には相談しない。 どうせ言っても自分が責められる、とか的外れな意見をされると思っているので。まぁそうですよね・・・ 女同士のこの閉じた世界は決して男には分からないでしょう。 そう思うと、母親って孤独だなぁと思います。 子育てという同じ役割を持ったママ達とも分かり合えないんですもの。 子供が居てこその「ママ友」。 子供が居るからこそ、逃れられない世界なのです

    0
    投稿日: 2011.11.23
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    ママ友たちの人間模様を描いたあざといけど、ついつい先が気になっちゃうような本。お受験凄まじいですね~。でも他人事ではなく、女子同士の人間関係の難しさを再認識しました。

    0
    投稿日: 2011.11.22
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    角田さんの本を読んだのは、空中庭園、対岸の彼女、東京ゲストハウス、八日目の蝉、以来の5作目 5人の女性がわが子の教育、進学、家庭をとおして、自分の理想と現実のギャップに迷い、自分を失っていく。彼女たちは何をしたかったのだろう。 そして、誰のために?何のために? ⇒子供のため?自分のため?夫への対抗心?ママともへの嫉妬? 読み終わって、自分のことを考えると・・・・・・嫁はんは結構悩みながら子育てしるんやろうなぁ~と思い、反省する。そして嫁はんに感謝する!! オレ、上手に子育てに関与できていないなぁ~きっと 今、映画やっていますが、「八日目の蝉」は面白かった。永作さん好きなので見に行こうかしら!

    1
    投稿日: 2011.11.16