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森に眠る魚
森に眠る魚
角田光代/双葉社
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総合評価

325件)
3.7
51
123
94
17
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    私にも子供がいるので、ここまで親密なママ友さんはいません。 とはいえ、飲みに行ったりするママ友さんもいて、すごく楽しいお付き合いをしています。 友人から何度かママ友さんの悩みを聞いた事がありますが、親しくし過ぎると色々あるだろうし、程よい距離感は必要かな…と、私は思います。 ママ友だけじゃなく夫婦でも、親子でも、自分とは別の人間なのだから考え方が違うのは当然のこと。 この本を読んでママ友って怖いと思われなければよいのですが…。 本の内容はすごく引き込まれる内容で、とても良かったです。

    0
    投稿日: 2017.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私自身ママ友と呼べるような人はいないまま子供が大きくなり、 今更親しくなる人は出来ないと思う。 会えば何となく立ち話をして笑って話せる人はいるけれど、 あくまでその場限りの付き合いしかしていない。 子供同士が遊ぶことはあっても、家族ぐるみでは出かけない。 学校以外で、遊ぶことも一切ない。 気が楽ではあるけれど、文中、一生の友達になれそうだと感じる4人を ほんの少し、羨ましく感じた。 でもそれがちょっとしたことから段々歪み始めると、 やっぱりママ友なんていなくてよかった・・・と思う。 実際私は卑しい人間で、 自分の子よりも優秀だったら妬ましくなるだろうし、 自分の子の方が優秀だったら得意気になってしまうだろう。 純粋な友情は築けそうにない。 この小説を3~4年前に読まなくて良かった。 今なら過ぎ去った過去のこととして読めるけれど、 当時の私はこの物語に入り込んだようになったかもしれない。 鼻息荒く、お受験したいと言い出しかねない。 もしそうだとしたら、 私は一体5人の中の誰のようになるのだろう。

    0
    投稿日: 2017.02.03
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    女性特有のもがきなのだろうか。 「仲良くしたい」という透明な気持ちが気が付けば「独占したい」と濁っていき、 「良き母でありたい」という透明な気持ちが気が付けば「子を進学校へ入れたい」と濁っていき、 「豊かな暮らしがしたい」という透明な気持ちが気が付けば「あれもこれも手に入れたい」と身分不相応に濁っていき、 幸せになりたいという純粋な願いが、 妬み嫉みや恨みつらみに変わっていってしまう。 私の幸せとあの人の幸せは違っていて、 私の幸せとこの子の幸せは違っていて、 その当たり前のことに想いが至らずに他人にコントロールされて他人をコントロールしようとしてしまう。 自分は自分だけを操れればあいのに。 息苦しい生き方をしてしまうのは、同じだからなのだろうか。

    1
    投稿日: 2017.02.01
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    都内に住んでる主婦のいろんな生き方や考え方を覗ける本。 私は子供がいないから、いる人の気持ちはわからないけど、世間体を気にして〇〇さんが〇〇幼稚園に行くから、お受験するから、〇〇塾に行くから、とかって一生懸命になる母親って疲れるんじゃないかなと。 ママ友も本音同士の付き合いじゃなくてうわべだけの付き合いで、自分だったら絶対疲れるだろなぁと。 子供ができたら、勉強はある程度頑張ってほしいとは思うけど、子供がやりたいことを優先させたいなぁと。 あとは世間体ばかり気にして子供や家族のことを考えれなくなってしまったり、自分の考えだけで突き進んでしまったり、そんな人にはなりたくないなぁと思った。

    0
    投稿日: 2017.01.22
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    女たちの感情がだんだんと恐ろしい方向へ変化していく様が、リアルで怖い。とにかく夢中で読める。さすが角田さん。お風呂で読んでいたら、気がついた時には、お湯はすっかり冷めてお尻が痛〜くなってたよ。わたしは子どもはいないけど…どのママたちの感情も、自分には沸き起こることはないなんて言い切れない。自分のことも怖くなる一冊。

    0
    投稿日: 2017.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何か読んでいて恐ろしくなった。実際にこんなことがあるのだろうかと思わずにいられない。私はまだ独り者なので子育ての経験はないけど、ある意味家族が嫌いになる。 こんなに世の中の主婦は大変なんだなあとつくづく感心した。内容はいわゆるママ友の話である。幼稚園に通う同世代の子供を持つ5人母親が偶然知り合いになり、ママ友付合いが始まるのだが、次第に小学校受験とか子供の教育方針とかが絡んできてお互いに疑心暗鬼となり、次第にいがみ合いが始まっていき、最後には自分自身が過食症とかになり、ママ友同士ねたみやさげすみが起きるようになる。 結局、子育ての問題、夫婦の問題、親子の問題、等々いろんな事が重なり合い、今まで、普通に付き合ってきたママ友が次第に離れていくというお話。解決策とかは書いてないが、こんなにも重く深いテーマはないのではないかと思った。

    0
    投稿日: 2017.01.05
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    2016/12/25 女のこういう嫉妬とか人と比べちゃうところとか、本当に嫌だ。 でも自分にもこういう部分があることも認めざるを得ないと思う。 私はこんなお母さんにならないように気をつけよう。

    0
    投稿日: 2016.12.25
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    アメトークでオードリーの若林さんが紹介されていたと思う。 「ママ友」というキーワードに反応して猛烈に欲しくなったが、自宅近くの本屋には在庫が無く・・・。 そんなことを職場の先輩に話したところ、購入してプレゼントして下さった。 本当にお優しい(T_T) 幼稚園や小学校くらいの子供の母親を経験したことがある人であれば、誰かしらにぐっと感情移入できるかもしれない。 私は田舎の母親なので、受験には縁が無いが、それぞれの母親の持つ感情はとてもよくわかる部分があった。 短い時間でぐっと入り込んでしまった。 もう少し大きな展開があっても良いかなと思ったが、十分楽しむことができた。

    10
    投稿日: 2016.12.18
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    どこにでもいる母親達、よくある子供込みの人間関係。ほんの一瞬、ちょっとした相手の一言で、大きく揺れて翻ってしまう心が描かれる。 この本では受験が大きな要素だが、たとえ受験が関係しなくても、母親が集まれば成立してしまう物語だろう。だからこそ、読み進むうちに居心地が悪くなる。ああ、自分もそうだったと、苦い思い出がよみがえるから。

    0
    投稿日: 2016.12.12
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    登場人物の母親たちに「子どもの視点」がないことが特徴的だ。みんながみんな、自分のことしか考えていないように見える。そういう子育てでよいのだろうか? 私にとっても、人生はずっと自分のものだった。自分さえよければいい、自分のためだけに生きる、自分勝手で自己中心的、自分の権利が侵害されようものなら烈火のごとく怒る。でも子どもが生まれ、子育てをするようになり、悩んだり苦しんだりするうちに、もう自分の人生は自分のものではないような気がしてきている。 「人生は他者だ(永い言い訳より)」 世間がどうだ、とか、他の家庭がこうだから自分も、とか、自分の夢と理想はこうだからステータスからしてもこうすべき、とか、そういうことではなく、この子にとってどうすべきか、という視点が大事だと感じた。 世間から褒められるような良い母親になるのではない、子どもにとって最高の母親になれればそれでいいのかもしれない。子どもを自分の理想を追求するための道具にしてはならないし、ママ友の存在が自分を見失うきっかけになるのなら、そんな友達なんていらない、と堂々と胸を張って言いたいところだ。 けれど、自分が確立できていなかったり、誰か話をきいてくれる人がいてほしかったり、夫との関係がうまくいっていなかったり、両親との関係が最悪だったりすると、やはりママ友がいた方が心休まるのかもしれない。 人はどんなときでも誰かに話しをきいてもらいたい、と思っていて、話をきいてもらえる誰かがいると安心する。

    0
    投稿日: 2016.12.04
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    小学校のお受験を控えた子どもを持つ ママ友5人の怖いお話でした。 私自身も子どもも全くお受験に興味なく お受験を控えたママの気持ちは全くわかりませんが、 親の思い描く未来に子どもが向かって行かないと、親はストレスを抱えるというそんな時代になっているのだと 思いました。 誰かが気になる、誰かよりはいい人生を歩みたいそんな積み重ねがモンスターを生み出すんですよね 意外と人は目の前にある幸せに気付かないものですね 角田作品の感情揺さぶる作品好きです。

    0
    投稿日: 2016.11.25
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    「読書芸人」で若林さんが紹介していて、あれ、角田さんでこの本は読んでないな、と思い翌日即購入。 今までママ友がテーマになった話は何冊も読んだことあるけど、やはり角田さん、これが一番リアルなような気がしました。 みーんな、心の中ではいろいろ思ってるけど、それをあえて口には出さず、何も言わず距離をとってみたりして、誤解を生む。 特にこれは「お受験」が絡んでいるので、ママ友の探りあいは相当なものでしょう……。 私の住んでいるところは中学受験をする子が毎年片手で数えられるくらいいるかな~、という田舎なので、こういう幼稚園や小学校からお受験するっていうのはピンとこないし、正直そこまで頑張る必要ある? とも思っちゃうけど、受験するのが当たり前、みたいな地域にもし住んでいたら、私もそういうこと考えたかなぁと色々思いました。 朝比奈さんの解説で、これが実際にあった事件をモチーフにしているのだと知って、「ああ、あの事件か」と思い出しました。

    0
    投稿日: 2016.11.16
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    角田光代さん、さすがに心理描写が最高に上手です!自分自身もママ友の世界では苦しんだので、共感できるところもたくさんあり、一気読みしました。

    0
    投稿日: 2016.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5人のママ友が、小学生受験の過程で、それぞれ嫉妬やネガティブな感情に苛まれ、それぞれ心を病んでいく。 自分は自分、他人は他人と強く心に言い聞かせていなければ、人はこんなにも周りに左右されるものなのかと、思わずにはいられなかった。

    0
    投稿日: 2016.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    *東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの・・・心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説* 久しぶりに読み返しましたが、本当にこの方は女性のじわじわと追い詰められる過程を書かせたら天下一品ですね。 一番の特筆すべき点は、あんなにも理解し、信頼し合えた女たちの気持ちが、どの時点ですれ違い、離れて、嫌悪感にまで至るのか、はっきりした境目がないこと。いつの間にか、気付いたら変わっている。白い絵の具に落ちた墨汁がグレーに、黒へとゆっくり変わっていくような。 そして、どの彼女たちの中にも、自分がいる。何度読んでも、そのリアル過ぎる情景には背筋がぞくぞくします。

    2
    投稿日: 2016.10.13
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    読んでる間ずーっと心がザワついて、、心が疲弊した。 私は保育園ママで仕事もあったから、あそこまでではなかったけど、ママ友との関係や子供のこれからのことを考えて同じように不安になることはあった。 もう数年前だけど保育園時代のこと、いろいろ思い出してザワザワした。。 登場した5人のママの中で、1番共感できたのは瞳かな。 改めて、子供はのびのび育てようと思った。

    0
    投稿日: 2016.09.10
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     解説を読んで、1999年の「文京区音羽幼女殺人事件」がモチーフになっていると知った。友達の娘を殺害するという衝撃的な事件だった。かたや合格、かたや不合格という悲劇的な結末の幼稚園お受験に絡めて、「お受験殺人」とも呼ばれていた。  私自身は「自分は自分、子供は子供」という考えで、お金のかかる私立校受験のことなど露とも考えなかったし、考える環境になかった。もし文京区のようなお受験地区に住んでいたら考えは変わっていただろうか…いや、子育て期、私の生活拠点は職場にあったのだから、やはりすんなりと公立へ行かせていたでしょう。  この事件に関するネット記事の中で、ある主婦がこんなコメントをしている。 「この街では、たとえ自分の夫が医者でも尊敬されない。自分の子供を国立大付属に入れた親がチャンピオンなんです。その制服を着た子を連れて歩くのがステイタス」 夫とか子供とかって…自分自身はどこに存在するのでしょうか。○○ちゃんのママとか、○○さんの奥様としか呼ばれないのって寂しくないか?  だから小説の中で瞳が参加していたボランティア団体「ひまわりプロジェクト」のような、個人としての居場所が女性にも必要なのだ。実際、瞳はその仕事と仲間に充実と安心を見出していた。仕事、サークル、習い事…形態はなんであれ、一個人としての活躍の場。  夫や子供、あげくは友達にさえ依存するからめんどくさいことになるのだ。  解説の中で、作家の朝比奈あすか氏はこう締めくくっている。 「幼稚園を卒園し、小学校へ。この小説をどう読むかは読者に委ねられているが、わたしには彼女たちがこどもの手を握り、一歩ずつ前へ歩いている姿が見える気がした。向かう先には途切れることなく続いてゆく「母親」という尊い日常があると思った。」 …果たしてそうだろうか?母親という尊い日常なんていつかは終わる。その先へつながる自分の道を一個人として考える必要があるのではないでしょうか。

    0
    投稿日: 2016.08.29
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    私にはママ友がいない。 作ろうと思って出かけることもしたが、できなかった。 じゃあ保育園で、と考えたが、皆忙しいので朝は一言。 夕方もシーツ交換の時に少し長めに話すだけで、顔見知り程度だ。 何の仕事をしているのかも、年齢も、名前も、どこに住んでいるのかも知らない。 そのことを少し寂しく物足りなく思うが、長年の友人がそのままママ友になってきたし、会社に行けば子持ちの先輩もいるし、困らないからいいやと思うようになってきた。 都会っ子はこれぐらいの距離感でいいのだ、と無理やり納得している部分もあるのかもしれないが。 そんな私だが、本書に登場する母親たちの追い詰められ方には共感できる箇所も多くある。 〇〇ちゃんのママ、という呼ばれ方しかされなくなって、子供がまるで自分の分身のようになっていけば、視野はどんどん狭くなる。 自分の失敗をこの子にはさせまい、そう思って「この子のため」をやればやるほど、本来の「子供のため」から外れていく。 実は全部自分のためで、もう一度過去をやり直そうという目標に変わっていく。 その変化は決して他人事ではない。 ちょっとしたはずみですぐ行ってしまう道なのだ。 繭子、容子、千花、瞳、かおり。 この5人は誰も私に似ていない。 けれど全部自分のような気がする。 私は子供に「お受験」をさせる気はないし、仕事という「〇〇ちゃんのママ」ではない呼び名(加えて旧姓で呼んでもらえる)を得られているし、ある種の逃げ場を持っている。 だから彼女たちと同じ悩みを共有してはいないけれど、孤独の中にやってくる魔物の存在を私は知っている。 健診の時に、ネットで調べた時に、本を読んだ時に、月齢にしては、同い年にしては、と我が子を他人と比べ、焦り、安心し、イラつき、頭を抱える。 話し相手のいない中で、自分がちゃんとしていなければ、理想はこうでなければ、強迫観念に囚われ逃げ出せない。 名もなき魔物はいつも私の心の中にいる。

    1
    投稿日: 2016.06.14
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    お受験というものを通じて炙り出される、母であり女であり妻である女たちの嫉妬と葛藤、憎悪と狂気。読んで幸せになる類いの小説ではない。でもある意味真実だろうと思う。ここまでではないにしろ、追い詰められる世界であったのだろうなと思う。

    0
    投稿日: 2016.06.06
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    初の角田光代さん。子供は欲しいけれど、ママ友や子育て、受験が始まると思うと憂鬱になってしまった。笑 自分が母になってから読むと、また感想も変わってくるんだろうなぁ。 角田さんの力量がすごいと感じた本。

    0
    投稿日: 2016.05.31
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    かなり前に文京区であったお受験殺人?を題材にした本。狭いママ友の世界で、誰もが追い詰められていく。誰が犯罪者になってもおかしくないような展開。実際の事件がどうだったのかは、本人達にしか分からないけれど、勝手に自分で自分を追い込んでいくママ達の心理は想像がついてしまいぞっとする。 ママ友というのは、子どもの年齢が近いからとか子どもたちが仲がいいからとか、環境が近いからという理由でできる、学生時代とかの人間関係とはかなり違う関係。でも初めの内は良かったけど、段々相手のことが分かってくると上手くいかなくなる…そういう人間関係はよくあるはず。 専業主婦で閉塞的な世界にいると、その失ったママ友が恋の相手のようになってしまい、ストーカー化してしまうのかも。狭い社会にいるとそれが全てと思ってしまうけれど、被害妄想をせず自分の居場所をしっかり探していくことが大切と改めて思った。

    0
    投稿日: 2016.05.19
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    小さな子を持つ母親たちのお話。無いものねだりをしていく母親たちに、同世代の子を持つ母親として、鳥肌が立った。自分の中にどれだけ幸せを見い出せるか、子どもをきちんと見てあげているか、肝に銘じようと思った。様々な立場の母親の視点に立ち、ストーリーが目まぐるしく展開するので、特に後半は一気に読めました。

    0
    投稿日: 2016.05.08
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    1999年に起こった「文京区幼女殺人事件」(通称:お受験殺人事件)を題材にした小説であり、数年前のドラマ「名前をなくした女神」の原作になった小説。 女同士のドロドロを描かせたら角田光代さんの右に出る者はそうそういない、といつも思う。 探り合ったり、貶め合ったりしながらも、実際顔を合わせたときには何事もなかったように笑顔で振る舞う。崩れるギリギリのところで保たれる関係。 その裏側にあるのは不安や嫉妬。というのは、学生時代から子どもを持つ親に変わっても、変化することはないものなのかもしれない。 未婚で子どももいない私が読んだ第一の感想は、ママ友って面倒くさい…というものだった。自分自身だけの人間関係ならば多少孤独を感じても平気だけど、自分の振る舞いが子どもの人間関係にも影響を及ぼすと思うとそういうわけにはいかない。 幼稚園や小学校の受験は田舎に住む私には身近ではないけれど、都会に住んでいて子どものお受験に励む母親というのは実際たくさんいるのだろうし、そんな中でママ友同士のトラブルというのもたくさんあるのだろう。 幼稚園や小学校に通う立場である子どもは蚊帳の外で、実際は親同士の戦争であるというのが滑稽だとも思う。 子どものためを思うから幼稚園から良い所に行かせたい。それは愛情なのかもしれないけれど、そのために子どもに苦しい思いをさせるのは果たして。自分が誇らしくありたいから子どもを良い所に行かせたいだけではないのか? そういう感情ってはっきりと線引き出来るわけじゃないから難しい。 健康で育ってくれれば、とは思っていても、出来の良い子どもに育てば誇らしく思うのは当然だろうから。 まだ幼い子どもを持つ5人の女性、それぞれの目線で描かれていく連作のようなつくりの小説。年齢も、立場も、生い立ちも、家庭の経済状況も、当然みんな違う5人。 違うから子育てに対してもそれぞれ違う考え方を持っているはずなのに、関わり合うことで影響を受け合って、最初は友好的だった関係がだんだんと変化していく。 ほんの少しのズレやすれ違いが思い込みに変わって、緩やかな雪崩のように関係が壊れていく恐ろしさ。大袈裟ではなく身近にありそうだからこそゾッと背筋が寒くなる。 でもいつも思うのは、角田さんの小説には“ひかり”を感じる。 ドロドロしていて痛々しくて恐ろしくても、その先にはまだ未来があるんだと思わせる不思議な力強さがある。 実際は殺人事件にまで至ってしまった出来事が、小説では…。 容姿、年齢、夫、経済状況、そして子どもの出来に至るまでが嫉妬の要素になる“ママ友”。その中で本当に信頼出来る関係を築くのは不可能なのだろうかと、考えてしまった。

    5
    投稿日: 2016.03.23
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    幼稚園で知り合ったお母さん達が、子供の小学校受験を目指すことになり、仲違いする話し。 読んでいて嫌な気持ちになった。

    0
    投稿日: 2016.03.08
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    あの事件をモチーフにした作品なんですね。随分前に読んだ『砂漠の薔薇』(新堂冬樹著)を思い出しました。角田さんって女同士の嫌な心情を描くのが上手い作家さんだと思います。ぎくしゃくし始めた関係がはっきり形になったクリスマスパーティーのシーンは特にすごい。ママ友って自分の趣味や価値観は二の次、子どもがいるからこその友情。自分のためだけだったら仲良くしない人と友達になりますよね。だから小さなことでヒビが入るし、一度ヒビが入ったらどんどん崩れていって当然。相手の子に殺意を抱くのも決して有り得ない話ではないと思ってます(実行するとかはまた別です)。「ママ友」がみんなそうだとは言いませんが、難しい関係ではありますね。

    0
    投稿日: 2016.03.02
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    今現在、幼稚園に通う子供をもつ身で、この本を読んでいいものか迷ったけど、興味に勝てず読んでしまった。 幸いうちは受験には全く興味ないし、まわりもそんな環境じゃないから全然違う次元の話だけど。 でもママ友関係って、やっぱ大変だよな〜と改めて思ってしまった…。 年齢や旦那の給料的な話題はなんとなーくタブーだし、広く浅く深入りせずの付き合いが一番なんだろうな〜。 あと子供のために…と悩むところは基本みんな同じなんじゃないかな。進学も習い事もみんな子供の将来を考えてのこと。 真剣に考えれば考えるほど自分と同化して、自分ができなかったことをさせてあげたい!もしくは今の自分が幸せだから、同じ道を進ませたい!…と思ってしまうのは、親なら誰でも心の片隅にあることなんじゃないかと思う。 専業主婦として狭い世界のなかにいると、気付かないまま追い詰められて、自分で自分を持て余す容子の気持ちや、働いて輝いてるように見える女性に嫌だと思いつつ憧れて嫉妬してしまう千花の気持ちも、リアルタイムでその中に身を置いてる母としてよく分かってしまう… 一応読後は、内容的にもっと後味が悪い感じを覚悟してたけど、思いの外救いのある終わり方で良かった。 モデルになった事件とは違って、最後の一歩を踏みとどまってくれて本当に良かったと思う。

    0
    投稿日: 2016.03.02
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    現実に起きたお受験殺人を題材にとった、ママ友たちの関係が構築され破綻していく様子を描いた小説。 といってもゴシップ感や脚色されたサスペンス性はなく、誰もが異常者や悪人のようには描かれていない。 だからこそわずかな行き違いや、嫉妬や鬱憤が積もっていくのが読んでいて哀しい。

    0
    投稿日: 2016.01.01
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    妊娠中に読んだのですが、これから生まれてくる子どもを取り巻く環境がこうならないことを願うばかりです(笑)そのくらいリアルすぎて、女同士の恐ろしさを垣間見た気がした。でも、こう書ける角田光代はやはり素晴らしい作家さんだし、彼女でなければこうはならない!そのおかげで最後まで読み終えました。しかし、怖くて恐ろしや…(笑)

    0
    投稿日: 2015.12.03
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    尾崎さんに借りた本。角田光代って本当はあんまり好きじゃないけど ときどきヒットするのがあって これもそう。まま友ものだから 自分では選ばないジャンル。借りなかったら 出会わなかったな。会えてよかった。 角田光代の書くオンナ同士の話しって すごくリアルで好きかも。

    0
    投稿日: 2015.11.02
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    近所に住む子供を持つ母親たち。 最初は仲良くスタートするがだんだんと息苦しさ、違和感を感じ始め、抜け駆けだの悪口だのその中の特定の何人かで会ったり、と。如何にも女性らしい行動の描き方には脱帽。 みんながみんな自分を苦しめている。時間のあるオンナって大変。自分もそんな幼稚園ママになるのは怖い。理解できなかったのはガサツな繭子に娘を預けたママのこと。それだけは私は絶対しないだろうけど、でも他のママたちのギスギスした雰囲気に疲れ、あけすけな繭子に頼りたくなった気持ちも少しわかるかな。

    0
    投稿日: 2015.10.19
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    前半の登場人物たちの未来に対する明るい希望や高揚感が、後半の彼女たちの転落ぶりを示唆しているように感じた。途中から、リアルすぎる描写に、読み進めるのが辛くなった。前半部分では、どの人物にも自分と重なる部分を感じ、投影しながら読むことが出来たが、後半部分は彼女たち全員に嫌悪感を抱き、軽蔑しかなかった。それほどごく自然に、ありふれた世界を崩壊へと導き読者を魅了させられる角田光代すごい!となった。

    0
    投稿日: 2015.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リアルー!そして黒いっ!!! 体調の悪いときに読んだので、ますます悪くなりました。。と、悪評のようですが、ママ友間の人間関係をとてもよく描写している内容のお話でした。 なんか、、ママになりたくなくなった、、。 最初は登場人物が多すぎて、覚えられない~。。と思ってたのですが、皆個性があるので、ラストに向け、どんどん加速していく形になりました。面白かったです。 でも、読み進めるのしんどかった。。。 角田さん、やはりすごいです。 どうしてこんな細やかに、人の感情の揺れ動きを描くことができるのだろう。しかも、こんなにたくさんの登場人物をそれぞれ、場面が変われば主人公も変わるし、大変だと思うのですが、、 わたしが、自分が一番近いと思ったのは繭子かなー?と思いました。でも、どんどんおかしくなってくけど。。あと、あそこまでひどくないけど。。 かおりはもったいない。。愛人ぜったいカッコよくないわー。私が見ても。。でも惚れてると、まわりが見えなくなるんだよね多分。わたしも反省。 角田さんのドロドロ系は、しばらくお休み使用と思います、、

    0
    投稿日: 2015.09.29
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    子供たちが小さかった頃、ママ友との事や子供たちの事等で色々、悩みながらも頑張っていた事なんかを思いだしました

    0
    投稿日: 2015.09.26
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    子供達が小さかった頃を思い出しながら読みました。あー、いたいたこういうお母さん、自分も、こんな感じの事言ってたなー、こんな母親実際には、いないだろー…。心の中で、ツッコミを入れながらお話しの中に引き込まれていきました。 誰の中にもある「妬み」「不安」「孤独」といったネガティヴな思いが5人の母親の間で交錯する考えさせられるお話しでした。今思えば子供が小さい時は大変な事も多いけど、その倍以上に楽しくて幸せだったと、個人的には思います。自分も周りのお母さん達も「必死」だったなぁとも。だから、ママ友って怖いばかりではなく、一緒に戦ってきた「同志」「戦友」なんじゃないかと。終盤、「世界が終わるほどかなしい、くるしい、つらい、そう思っても世界は終わる気配を見せず、日々は頑丈にやってきた。」 この頑丈という言い方が好きです。

    0
    投稿日: 2015.09.21
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    現実に起きた事件を基にしているとはいえ、ノンフィクション的な薄気味悪さがかなり際立っています。 個人主義と集団主義の間で揺らぐ登場人物達は、いかにも日本人らしい日本人といった感じで、とにかく不気味の一言。 女性・ママ友に限らず、現代人全てに起こりうるであろう、とても奇怪な作品です。

    0
    投稿日: 2015.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ひょんなことから仲良くなった4人(+1人)の母親たちがタイプは違えど価値観を共有し、「ママ友」という枠に収まらない友情を育んでいくかに見えたが、子供たちの幼稚園・小学校受験を機に少しずつズレが生じ…というお話。 ★以下ネタバレ注意★ これ、昔あった事件がモデルになっているようですね。 肝心の事件(未遂)シーンはモヤがかかったように描かれていて「誰が誰の子供を?」という感じだったので、読了後ネットでいろいろなレビューを読み漁りましたが、どうも加害者を特定せずに「この中の誰が犯人であってもおかしくない=誰でもあの事件の犯人になり得た」というふうに読めるように書いてあるとか。 私は、容子が瞳の子供を…かな?と思いましたがどうなんでしょうかね? 実際の事件をちょっと調べてみたら、犯人は「摂食障害を患い、ボランティアや宗教活動をしていた。夫も宗教関係者」というところがまんま瞳だったのですが被害妄想が激しく他人への執着心が強いという点では容子のようだし、社交的で華やかな千花は被害者の母親っぽいです。とすると繭子とかおりがなんか浮いてるような。現実では千花みたいなタイプって容子や繭子タイプと知り合ってもなかなかグループにはならないですよね。 いじめとか派閥とか足の引っ張り合いのような陰湿なママ友バトルを想像していたけど、出てくる人たちは基本悪人じゃない。むしろそういうドロドロな確執を、出来れば回避したいと思っている。お受験に躍起になっている教育ママをちょっと冷めた目で見てて、自分は「子供にそういうの押し付けたくない。あくまで本人の意思を尊重した教育を…そのために受験や習い事が必要ならそれが出来る環境を与えたい」っていう姿勢。 で、そういう自分を「ちゃんとした考えを持ってる」と自負してる。 私でもきっとそう思うから(子供いないけど)、そういう母親たちが周りから簡単に影響されたり疑心暗鬼になったり(ほんとはみんな習い事とか受験準備してるんじゃないの?って)自分の子だけ受験しなかったらママ友達と話が合わなくなる…とかそういうのを下らないと思いながらも、いざその環境に置かれたら葛藤してしまうだろうなあと思ったり、学生時代の女子のグループとか思い出して息苦しくなったりしました。 でも、子供の進路で付き合いが変わってしまうのはしょせん「ママ友」という存在なんでしょうね。そういうの関係なく付き合える人を「友達」というのだと思います。ってそんなの皆わかってるか。 個人的に一番むかついたのは繭子です。こういう身の丈に合わない贅沢して借金したり人にたかったりする人、本当に醜い。自分がお金を要求しといて「あの人が勝手に置いてった」とか「勝手に遊びに来た」とか、こういう嘘つくやつほんと嫌い。 まあ繭子に限らず登場人物全員が最後の方では嫌な所むき出しになりますが。 でも一応それぞれのカタルシスの後にちょっとした救いみたいなのがあるので、後味はそこまで悪くない。けど読み返すことはないかなー。さすがにしんどいです。 という感じでした。 でもこれ、実は徹夜して一気読みだったんだよね。 うん。面白かった。

    0
    投稿日: 2015.07.20
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    幼い子供を持つ、母親たちの物語。 仲が良かったはずの彼女たちだが、子供が成長するにつれ変化していく環境の中、その関係が崩れ始めていく。 小学校受験を掛けた戦い、生活レベルの比べ合い、見えないところでの噂話。 女性特有なのか、このどろどろとした感情。 恐いけど、わたしにも分かってしまうんだなぁこれが。

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    投稿日: 2015.06.10
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    つらい。 ママ友の関係というのは、怖い。 自分の事なら、冷静にもなれ、常識的にもなれ、自分を押さえることが出来るかもしれない人でも、子供が絡むと違ってしまう。 母親というのは、子供の為ならどれだけでも、非常識にも修羅にもなれるからだ。 出版された当時はまだ、文京区のお受験殺人があまりにも生々しすぎて読めなかった。 今、ドラマ『マザーゲーム』を見て、ふと読んでみようかと思った。 それにしてもだ、ドラマもそうだけれどこの本も…母親とその旦那…つまり父親との温度差よ、と嘆息したくなる。 永遠に埋められない溝だ。

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    投稿日: 2015.05.30
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    女の人っていくつになっても、他人と自分を比べて勝手に落ち込んで嫉妬して狂っていってしまうんだろうか。 私はまだ学生だし、もちろんママでもないし。親にもそれほどママ友関係で苦労した話は聞かないし、お受験もしてないし、苦労は特になかったよでいつも済まされるからこの話に出てくるお母さん達のようなどろどろとした感情は身近でないはずなのに、リアリティと何故かどこかしら共感してしまうような部分もあって薄ら寒くなりました。 5つの家族、最初はうまく行っていたはずなのにどうしてこうなってしまうんでしょう。最後もまた前を向いて自分たちなりに進める人とそうではない人という描かれ方で更にリアリティが増して怖かった。

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    投稿日: 2015.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嫌な世界をとってもリアルに書いてあり、途中から読むのが嫌になりました。 こんなお付き合いが嫌で、ママ友といわれるお友だちを作らなかったことを思い出しました 女の人は自分の名前で呼ばれなくなり、誰々ちゃんのママと呼ばれるようになると人柄変わるような気がします 暗く嫌な作品ですが、怖いもの見たさで読んでみても良いかも…

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    投稿日: 2015.03.29
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    おもしろかった。ママ友はやっぱりいらないわ(笑)うちは田舎だからそんなことないけど、都会のお受験ママ達はほんとにこんなの??そんなによそのおウチが気になる気が知れない。

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    投稿日: 2015.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女ってこういう生き物だったなーっておもいだした。 大人になって、世の中いろんな人がいるって気づいて、 人と違っても動じなくなったし、自分らしくあろうって思えるようになったけど、 学生のころは、学校が世界のすべてだったから そこからはみ出すことに恐怖を覚えていたような気がする。 実際にそういう経験をぱっと思い出す事が出来るわけではないけど、 良く知ってる感覚だった。自分の中にふわぁッと浮き上がってきた、忘れていた感覚。 子どもを通じて、あの閉鎖的な空間をまたもや経験しちゃうのかしら… 世の中は広いんだよ色んな人がいるんだよということを、子どもにきちんと伝えようー 人と比べることによって私は不幸になるんだった、っていうフレーズずしんときた。

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    投稿日: 2015.03.02
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    以前お受験のお話をしてたら、友人がかしてくれました。 超コワイ!です(^◇^;) さすがに現実はここまでではないと思いますが、 現実の「あるある」をとても濃く煮詰めた感じ、なのでしょうか。

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    投稿日: 2015.02.22
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    文教地区で出会った5人の母親。仲の良いママ友のはずが、小学受験をきっかけに少しずつ歯車が狂っていき、、、 うわー、あるあるある!と、いや〜な気持ちになります(笑)作者は子を持たないのによくここまで母親の心情を書けるなあと感心しましたが、いや、女って母親同士に限らずいつだってこういう泥沼があるよなあと再認識。 登場人物に嫌悪感を抱くけれども、自分の中にも巣食う妬み嫉みも突きつけられました。

    0
    投稿日: 2015.02.06
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    予想以上の読み応え。この人の心情描写は本当にすごい!!いつもながらタイトルも深い。 森は本来魚の住む場所ではない。本来の住処ではない魚は自分を存分に出すこともできず、ただ眠ることしかできない。そんな事を訴えている様な本でした。(主観です) この本の内容は極端なのかもしれないけど、これは割と多くの人が経験することなのではないかと。 そんな時、激しく体を地面に打ちつけて、鱗を剥がしながらも水の中に飛び込む勇気、すなわち怪我を恐れない勇気も時には必要なのではないかと考えます。 森ではなく、海で泳ぐ魚でありたいと感じた一作でした。

    0
    投稿日: 2015.01.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    角田さんは女性同士の繋がりの話を書かせると抜群にいい!!「対岸の彼女」も何度も読み直したし。この本ではママ友の微妙なところをうまくすばりと書いている。私はママではないのでママ友のことは本質をちゃんと理解できていないのかもしれないけれど、この本はもっと評価されてもいいように思う。

    0
    投稿日: 2014.10.01
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    いやぁ~暗かった! 胸がザワザワした。 女性なら誰しもが嵌ってしまいかねない闇。 うわぁ~!!! 久々に、ちょっと小説モードなだけだったのに…ディープだった。

    0
    投稿日: 2014.09.28
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    怖い、本当にこわい。これ読んでると自分もこんな風に思われてるのかとか、そう思ってるのかとか、とにかく黒いもので支配されていく。 この毒にあてられ、引きずられたら辛いね。 ある時期、嘘みたいにフィットしてた関係が少しずつ壊れていく。壊れた関係と付き合うには自分が変わるか、もしくは破壊して乗り越えて行くしかない。

    0
    投稿日: 2014.09.19
  • 崩れたママ友関係は単純なボタンのかけ違いなのか…いや、いや違う…

    同じ年代で幼児を育てるどこにでもいる女性5人の物語。 最初は一人一人の名前や家族構成に戸惑うこともありますが、 読んでいくウチにその人の生活や性格がよくわかっていきます。 子供のちょっとした行動やママの言動で左右されるママ友関係が 痛いほどうまく表現されており、一体自分はどのママに似ているんだろうとも 考えてしまいました。 他意の無い発言が時に爆弾にも変わるかもしれない… 夫や子供の格でママの立場も変わり、嫉妬や妬みも生まれます。 そこが、大人になってからの子供を通してできた『ママ友』の脆さでもあります。 それを乗り越えた時に真の友人になれるのかもしれません。

    5
    投稿日: 2014.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく暗い話が読みたいときは、角田光代にかぎる。 女の薄汚いところを書かせたら本当に巧い。 女同士、ましてやママ友に友情がいかに脆く、複雑か。 人は人、自分は自分。そんなこと頭でわかっていても心の底から割り切れるほど簡単じゃない。 私は容子に強く共感してしまったので、いつか子ができたら、自分もこんな母親になってしまうのではないかと不安になるほど。 臆病で、神経質で、完璧主義で、見栄っ張りで、被害者意識が強い。おまけに依存癖まである。 周りを疲れさせてしまう性質の人間。 友達もおらず、悩みや不満は募るばかり。唯一の話し相手のはずの夫は、愚痴やネガティブな話には拒否反応を示して、子供を連れて逃げるように目の前から姿を消してしまう。幼稚園でも家でも孤独。 自分の悩みや苦しみを分かってほしい。誰も自分の話を聞いてくれない。みんなが自分を見下している。疎外されている。 そんなことで頭の中がいっぱいになる。 あ~わかるわかりすぎる。だから辛い。 他の母親もみんな、自分と自分の子のことしか考えていない。 メリットデメリットで付き合いを選び、計算し、有利に生きようとする。 以下結末 一番の勝ち組だった千花の子供が受験に失敗したこと 借金が夫にバレてマンションを売った繭子 娘の不登校によって不倫から目が覚め、家族と向き合えるようになったかおり 唯一受験に成功した瞳は、学費の心配からストレスで過食に陥ったこと 受験どころか幼稚園の母関係で一番苦しんでいたものの、第2子を妊娠して前向きに過ごす容子 このラストで 容子に感情移入していた自分にとっては少しだけ希望のある終わりでほっとした。

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    投稿日: 2014.08.30
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    重くてしんどい。早く読み終えたかった。 肩 腰 足に、鉛が・・・。 トイレのシーン、気分が悪くて倒れそうになった。 再読はできません・・・。

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    投稿日: 2014.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    同年代の子どもを持つ母親たちが知り合った。 いわゆるママ友になった。 全員普通の人、いい人たちだ。 お受験をめぐって母親たちのこれまでの人生と子どもにかける思いが交差する。 のびのび育てたいのによその子と比べてしまう。 仲の良い友人でいたいのに疑心暗鬼になってしまう。 終盤の祭りの描写は怖い。 やっぱりそうなってしまうのか? いい人のはずだったのに。 そんなはずじゃなかったのに。 救いがあったようななかったような作品だ。

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    投稿日: 2014.05.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本を読んでいると、浮気も不倫も夫婦の心が通わない事も全部普通に思えてくる。 瞳が一番心配。苦しさをわかってくれる人と結婚したけど、ずっと説教されているような、変わった自分を認めてもらえない気がする感じとか。師弟から恋愛になった人もだけど、そう出会ったらそうでしかいられないのか・・気になる。一緒に変わっていけたらいいね。

    0
    投稿日: 2014.05.09
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    2014/03/16読了。子供のお受験をめぐり関係悪化する5人のママの話。人と比べる、些細なことが気になって根に持つ、依存する、などの「女心あるある」が満載。実際にこういうのありそうだなぁ、と想像させられます。

    0
    投稿日: 2014.03.25
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    お受験、恐るべし。 なにがその子のためにいいのか、 もう分からなくなってしまうのだろうか・・・。

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    投稿日: 2014.02.24
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    マダムのところの衿ちゃん。 ・・・の引き出し。怖すぎる!! 私も同じく一人娘がいます。 お受験はしていないし、不倫もしてないし、 ていうかそもそも私はマダムではなく普通の生活レベルの主婦ですが、この家庭が一番近いのかな、なんて思いまして。 一人娘にかける期待、娘が感じているであろうプレッシャーやストレス、というあたりが・・・。 娘が衿ちゃんにならないように、きちんと娘の心に向き合える親になりたいと思いました。 選択肢の多い都会にお住まいの親御さんは、大変なんですね・・・。

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    投稿日: 2013.12.20
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    「お受験」をめぐる5人の母親たちの自問自答をそのまま小説にした物語だ。のびのびと育てたい、他の子供や家庭とは比較しないと決めているのに、逆の行動をとり子供を追い詰め、母親同士が疑心暗鬼になっていく様は、リアルで背筋が凍る。5人に共通するのは自分の生き方を心の奥底で認めていない点だと思う。まずは自分で自分を赦そう、そうすることでずいぶん楽になるから。

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    投稿日: 2013.11.30
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    角田光代さん”森に眠る魚”読了。相変わらず面白い。母親たちの変心ぶりが、私にとってサスペンス。怖いなぁ‥タイトルはピンときませんでしたが、おすすめ!

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    投稿日: 2013.11.02
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    小さな子供を持つ5人の女性 「ママ友」として、仲良くお互いに分かり合ってきたはずなのに いつしか、その関係が変貌し始める 「お受験」をきっかけに変わっていく母親たち 友は、いつの間にか憎しみの相手になり すべてに疑心暗鬼になる すっごいリアルすぎて怖い。 とくに後半の、壊れていく女たちの描写は ぞわぞわしてくるくらい・・・

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    投稿日: 2013.10.31
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    1999年に東京都文京区で起きた幼女殺人事件をモチーフにした作品。 同年齢の子どもをもち、同じ幼稚園に通わせている、あるいはご近所であるという、仲良しママ友五人がいつしかお受験を境に関係性が変化、崩壊して行く様を現実味のある文章で表現している小説。 モチーフになった事件というのは 文京区の幼稚園に同じ年の息子を通わせている母親同志にあった確執が起こしたと思われる幼女殺人事件。 実はあんまり言いたくないが、加害者の出身高校は私と同じで、在学が被った年もあった。 実際には全く接触はなかったが、私も加害者も看護科という特殊な科であったため縦割りの繋がりも深く、行事ごとの結束も強かったので、何度か顔は合わせていたはずだった。 だから事件当時、同窓生がトンデモナイことをした!とかなりショックを受けたし、その後の報道をくまなくチエックし、同校卒業の友人を介していろいろ情報を得たが、印象に残ったのは、この時の異常な世間の反応。 実は加害者は優しくていい人だった! 加害者の気持ちが分かる! ママ友たちとの関係には参りきっているのだという多くの母親たちの叫び それらが思い出しても恐ろしい程の過熱報道へと発展し、いつしか被害者ママを追い詰める形となり、確かその後の生活をボロボロにしたのではなかったか。 小説ではお受験が大きな軸となって、それをめぐりママ友たちが情報に翻弄されて、お互いの動向に疑心暗鬼になり、いつしか理解不能な闇にのみこまれていく。 地方都市ではこれほどのお受験がそもそもないので、少なくともこのての葛藤やイザコザはなかなか起きないが、幼い子どもを1人で抱えて必死に専業主婦をやっている時期、実家から離れて頼る人もいない孤独な母親の場合は特に、ママ友の存在は一時期とても貴重で、絶対で、気味悪いくらい密接だ。 表向きは仲良しでもその実、自分の子どもの将来だけが最大重要関心事なので、常に他人の子どもと比較し、優越感に浸ったり、敗北感を感じたり、自分の努力だけではどうにもならない事態にただ、ただ、息まき、オロオロし、クタクタになって、落胆する日々でもある。 私は幸い大きなマンションに住んだことで、多くの母親や、その子どもたちと関わることができ、その中で本当に気心のしれた仲間との、持ちつ持たれつの楽しく、平和な日々を送ることができた。 ほとんどが県外出身者の集まりだったため、肩を寄せ合って、力を合わせて子育てしたように思う。 子どもの成長を共に経験し、ちょっとした悩みもさらけ出すことができた。 それは今思えば奇跡に近いことだったのかも、と思う。 小説の中盤以降、それぞれの母親の苦しみはピークに達し、ついにどの母親も程度の差こそあれ、精神的に異常をきたす。 その章だけは登場人物の固有の名前ではなく、【彼女】と総称し、登場人物の誰であってもおかしくないシーンとして実に印象的なそれはそれは恐ろしいクライマックスが描かれる。 妄想がさらなる妄想を生み、もはや現実と非現実が全く判別できなくなる過程など、もしも少しでも身に覚えのある人なら正気で読めるだろうか。 事件は結局起こったのか起こらなかったのかはこれから読む人のことを考えて伏せておくが、 しかし、角田さんのこの想像力、妄想力?には全くもって驚きだ。 彼女は結婚はしているが、子育ては経験していないはず。 それなのにこのリアリティーのある小さな小さなエピソードの山は何なんだろう。 特にママ友と子どもが誰かの家に集まった時のお菓子の食べ方や遊び方はまるで、経験してきたかのような現実味がある。 片付けの嫌いな母親の家がどのようになっているのか、節約家の持ってくる料理のあれこれ、生活レベルの差がどこでどのように浮き彫りになるのか、手にとるように読者にイメージさせる。 友人、知人へのリサーチだけでは絶対に描けないこの表現はいったいどのようにして得たものなんだろう。 これこそが作家のなせる技なのか。 と、べた褒めしたが、この小説、難点はある。 まず、登場するママ友が五人、その子ども達も多いので、誰がどんな人で、どんな子どもなのかがなかなか覚えられず、最初かなりの読みにくさも感じた。 それからやはり登場人物が多いことで、あらゆるシーンにおける丁寧な説明が多すぎると感じた。その点だけちょっとマイナス。 小説のラストに関しては読んだ者がどうとらえたか、いろいろ話してみたい作品だった。

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    投稿日: 2013.10.17
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    ホラー映画よりある意味怖い。子どもを産んだばかりの身としては、今後のママ友を作る上での参考になりました…タイトルも絶妙。心理描写は恐ろしいくらい的確。特に最後の方の精神が崩壊、までいかなくても、朦朧としてる状態の描写に引き込まれる。しかも、一人称も三人称もないのに、想像できるからすごい。そーいや、この作者の物語は初めてかも。有名だけど。

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    投稿日: 2013.10.04
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    東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変貌していた・・・。あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描き出した現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説。(背表紙より) ああ、懐かしい、こういうかんじ。子供が小さい頃ってみんな不安で仲間が欲しくて無理して頑張ってしまうんだなと思い出しました。ほんの数年のことなのに、一生の問題みたいに考えてしまう時期。角田さん、すごいなぁと思いました。なんで知ってるの?こんなこと・・って。どうしても嫌な‘あの事件‘を思い出してしまいますね。

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    投稿日: 2013.09.05
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    育ってきた環境、生活の質、それに対する考え方、夫、それぞれ違う5人の「ママ友」が出会い、親しみ、嫉妬し、歪んでいく話。 一気に読みました。 下手なホラー小説より怖いです。 ただ単に、学生時代に出逢えていたら なにも考えず、自由に一緒にいれたはずの5人が 子供のお受験、という一つの出来事によって がちゃがちゃに歪められていくのが 何ともリアルで怖い。 5人の主婦は、当然性格や考え方は異なるけど、 全員に、対して「あー、こんな人いるいる」って思える。 誰一人、リアリティのない物語でだけ通じるキャラクターはいない。 母親になる前に読んでいてよかったかもしれないし 悪かったのかもしれない。 それはわからない。 でもやっぱり、親がどんな環境にあって 悩み苦しんでいても 純粋な愛情と信頼を、 力一杯自分に向けてくる我が子にはぶつけちゃいけないんだな、とだけは思った。 正直いうと、ここに出てくる母親はみんなろくでもなく弱い人達ばかりだけど、 それでも彼女達の子供にとって 彼女達はただ一つの世界なんだよね。 それがまたリアルで、辛い。 ラストから二つ目の章は、 めっちゃ怖いって思うと同時に、すごい。 憎しみと哀しみと孤独と怒りが、全部あそこに詰まっている。

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    投稿日: 2013.08.14
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    最近、桐野さんのママ友本を読んだが、それよりも、個々の状況や心理が細やかに現実的に描かれていて、「ママ友話」から期待する内容に近かった。 少し前に凄く取り上げられていたママ友事件をモチーフにした小説。 みんな本当にしょうもない…。でも自分もこうなってしまわないとは言い切れない怖さがある。

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    投稿日: 2013.07.27
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    ママ友の話はとかく極端な人物設定になりがちだが、これは常識的な主人公もデフォルメされた周囲の人も出てこない話。 こういうのを読みたかった。 人は一部の共通点で仲良くなり、少しずつの違いが許せなくなった時に関係がおかしくなるものだと再認識した。

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    投稿日: 2013.07.10
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    ママ友間の追いつめられる様子がもうほんとハラハラドキドキしました。 手に汗にぎる作品です。 ママ友って大変。でもすごくよくわかる。 群像型の書き方、角田さんはほんっと上手。

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    投稿日: 2013.06.29
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    怖い怖い! 子供が大きくなってからこの本を読んでよかったです。 これからお母さんになる方にはお勧めしないかな。 でも、参考になるのかな。 自分は違うって思っても引き込まれて行ってしまいます。

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    投稿日: 2013.06.18
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    角田光代さんの作品今回もとても面白かった。 社会的な事件をモチーフにしている作品ばかりで現実味があり話に吸い込まれる。 彼女達は彼女達としてでなく子供の親へと変化して行く中で比較により妬みや蔑みによって関係が壊れて行くのには恐怖を感じる。 最後の彼女という主体ではどうなってしまうのか興味と恐怖が入り混じった。

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    投稿日: 2013.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一言怖い。 男の知らない幼稚園の世界が見れた。 昼ドラで、やってほしいな。 最後なんかもう顔というか感情ない状態が上手く描かれていて好きです。

    0
    投稿日: 2013.05.25
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    主婦5人の壮絶な昼ドラ展開。 時間とともに変容する人間関係の中で、孤独に悩むことって主婦だけでなく、人間なら誰しもあるよね。って私はとらえた。

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    投稿日: 2013.05.18
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    久しぶりの小説。久しぶりの角田光代さん。 やっぱり角田光代さんは好きだなぁ。 角田さんの作品を読むと、 角田さんは、私たちの気持ちをわかってくれてるっていつも思う(笑) この作品に関しては、 私は人の親ではないので、 ここまでの気持ちは正直わからず、 あぁそうなのか、あぁそうなのか、と ひたすら母という孤独を感じた。

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    投稿日: 2013.05.18
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    何年前だったか、通っている美容院の担当者とドラマ「名前をなくした女神」の話でとても盛り上がった。渡航直前、文京区のあの事件を意識した作品と全く知らず手を取ったが、息の詰まるような心理描写がとても多かった…。酸素薄い感じで読み切った。女性の危うさ、儚さ、疑り深さ、バランスの崩し易さ、色んなものがうまく表現されていると思う。「お受験」という名の代理自己実現、どうなのかしら…と思うけれども、そう言っていたはずの登場人物達がどうやって方針転換していくかが克明に綴られていて、身につまされます。

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    投稿日: 2013.04.25
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    どこで、歪んできちゃったのだろう。後から振りかえって考えても、分からない。 いわゆる、「ママ友」以上にわかりあえたと思った瞬間から、依存だったり探りあいがはじまってた。 いや、ほんとはもっと前からだったのかも。近づきすぎて、置いていかれるのが怖くなった。それまで、一人で戦ってきてたから、余計に。 ざらりとした、気味の悪さは、そのリアル感からか。ぞわりとさせられる、その暗い気持ちに、覚えがあるからか。 蓋をしてきた気持ちを描かれて、端からみても異様だから、覚えがあるぶん、嫌悪も募る。 この話の中には、夫はあまり出てこない。輪郭がわかるのは、瞳さんの夫くらいで、後の夫たちは、登場したとしても、はっきりしない。何を思っているのか、妻たちをどうみているのかわからない。 それこそが、この妻たちの、母たちの、感じている夫の姿であり、孤独の元凶なのだろう。

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    投稿日: 2013.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    置かれた環境の異なる五人がちょっとしたきっかけから繋がりを持つも些細なことから亀裂が生じ始める。コンプレックス、妬みが表面化し、いがみ合い疑心暗鬼を抱かせ憎悪さえ生みだす。あり得ないはずの森に眠る魚までが蠢き狂気を誘う。登場人物は誰もがごくごくありふれた主婦であることが恐怖を増幅させる。人間の本性が実にうまく抉りだされており微妙な心の動きは怖ろしいくらいのリアリティ。ぞっとした。このほか、一緒に暮らしながらも心が離れていく夫婦の問題。専業主婦として日を過ごしていることに対する敗北感にも似た焦燥。男が絡むと途端に馬鹿女になる女の性。他人と比べることで余計な不幸を背負い込み自分は自分の線引きができなくなるトラップ。コンテンツはてんこ盛りである。リアルな生の人間のぶつかりあいから相当の読後感の悪さを覚悟していたが結末は「世界が終るような絶望を感じたが、それでも世界は終わらなかった。」と好日的。加えて、終章も寸止めではなくきっちりそれぞれのエピローグがありサービス満点の仕上がりとなっている。かなりの満腹感をもって本を閉じることができた。

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    投稿日: 2013.03.31
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    いまひとつだったな・・・。人の間の不穏さを、ということなら井上荒野さんの方が巧い。 最後まで誰の事を言っているのか判らないような文章で、読み難かった。

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    投稿日: 2013.03.27
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    5人のママ友の話。けっこうドロドロした内容。似たようなドラマもやってた。感情がリアルに描かれていてゾッとした。

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    投稿日: 2013.03.25
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    最初の出会いの印象はとてもよくて すぐに打ち解けて仲良くなる子育て中の女たち。 家庭環境、価値観、性格、教育方針 初めはその違いを新鮮に思い、互いを認め合いながら 自分の道を進んでいるはずだった。 なのにちょっとしたきっかけで 相手の良さだと思っていたその違いに 疑問を持ち、違和感を感じ、それが憎しみに変わって・・・ こわい、こわい、こわい、こわい と、読みながら何度も思いました。 下手なホラー映画より怖いよ。 『疑心暗鬼を生ず』 うたがう心が強くなると、なんでもないことが恐ろしく感じられたり、うたがわしく思えたりする。 -goo国語辞書より- ホントにちょっとしたきっかけで 互いの気持ちがどんどんズレていく そのズレが生む恐怖、劣等感と優越感、憎しみ、すごく怖かった。 とても興味深いストーリーだったけれど 人に勧めるかどうか悩むところ。 私は子育てはしていないので 客観的に「怖いな~」と思いつつも冷静に読めたけれど 幼稚園以下のお子さんをお持ちのお母さんには ちょっとタイムリーで刺激的すぎるかも。 特にお受験とか考えてたら・・・読まない方がいいかも(笑 子どもが中学生以上になっていれば おもしろく読めるかも。 ついこの前、友達にあったときに メールのやり取りでのちょっとした勘違いで 知り合いと気まずくなった、という話をしたところ。 メールは特に真意が伝わりにくかったり、誤解を生じたり またその誤解に気づかないなんてことが多々ある。 子育てに限らず 自分の気持ちはちゃんと伝わってるか 相手の気持ちはちゃんとつかめてるか 鈍感にならず、でも過敏にならず バランスよくコミュニケーションできる人になりたいなぁ と、思わされました。

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    投稿日: 2013.02.09
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    女ってなんでこんなめんどくさい生き物なんだろ…。同じ女として共感し、同じ女として怖くなった。 人間本質は変わらないもので、ただ大人になって経験を積むことで、うまく立ち回ることができるようになるだけ。そう、うまく立ち回れるはずなのに、負の要素によって彼女らは本質を剥き出しにしてしまったのだろう。 旦那にもう少し彼女らと向き合うことが出来ていれば、もう少し違う結末になっていたのかもしれない。 独身の私にはまだ知らない世界だけれど、果たしてうまくやっていけるのだろうかと不安に思う。強い心を持っていれば?ママ友を作らなければ?受験という制度がなくなれば?…解決策はないのだと思う。ただ、客観的に自分を見れる心の余裕は持っていたい。

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    投稿日: 2013.02.03
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    閉じられた世界の中で、 戸惑い、悩むママ友たちの姿を描いた良作。 人間関係が絡まって、どうしようもなくなる過程が 詳細に語られていて、 登場人物の誰にも共感できないのに、 違和感は全く感じない。 角田光代って年々ものすごい勢いで 力量が高まっている気がする。 次はどんな小説を読ませてもらえるのかな~

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    投稿日: 2013.01.20
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    ここにでてくる5人の主婦は、あなたのまわりにいる誰か。もしくは貴方自身である。そういいきれるくらいに幼い子供を持っている母親像がリアルに描き出されている。いまではさして珍しくも無くなった「お受験」だが、キーワードはちがっても、同じような焦り、競争心、ママ友というつながりの不確かさは、存在し続けている。

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    投稿日: 2012.12.10
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    それぞれに不安定な立ち位置で不安定な心を持て余しながら、それぞれに誰にも話せない、話したい、どうしたらいいのか・・・、負のスパイラルに嵌まり込む子育て中の母親たちの怖い世界。

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    投稿日: 2012.11.14
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    グループの中でも「あの人ともっと仲良くなりたい」という気持ちが生まれてくるものだけど、それに『お受験』が絡まってどんどん泥沼に嵌まっていく様子がコワイ。ひと筋の希望が見えてきた女性、より深く闇に沈んでいくであろう女性。リアルです。

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    投稿日: 2012.10.23
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    5人の女性の誰にも共感できなかったけど、リアルにいそう!と思ってしまった。 女性のドロドロとした感情が読んでいて凄く怖かった。

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    投稿日: 2012.10.14
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     角田光代はじつに良い、好きな作家である。このお話はとっても内容が濃い。1999年11月の「文京区幼女殺人事件」をモチーフにしている。別名「お受験殺人」とも呼ばれているのだとか。ごく平凡な5人の母親が、お受験問題を取り上げた本の取材を切っ掛けに狂い始める。その過程が詳細につづられる。最後の場面では、それぞれの母親が内に狂気をはらんだまま、たどり着くことの出来ない場所へ向かおうとしている。そんな、不気味さを漂わせたまま尻けれトンボように終わる。彼女たちの行き着く先にはなにがあるのか、終わり方がものすごく怖い。

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    投稿日: 2012.10.10
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    私の大嫌いな「ママ友」の話。 どこにでもいる主婦、ありがちな関係、誰でも陥り得る森。 森に喩えるほどには複雑でない気もするけれど。 コドモを介して知り合う母親たちの、共感と羨望と嫉妬の入り交じったどろどろは、ジェノヴェ―ゼソースの緑がピッタリだ。

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    投稿日: 2012.08.30
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    文教地区に住む母親達の人間関係の創造から崩壊をお受験を軸に描いた作品。 子育てした人なら別の感想があるかもしれないが、本当に女ってくだらない生き物だなと思った。 個人的に人に嫉妬しないからなんでこうも他人と比べたがるのか、馬鹿馬鹿しいなあという感情が消えない。 5つの家族が出てくるが、家庭環境だけではなく、もっと母親達の人間性の部分でもバリエーションが欲しかった。 みんなおんなじ人に見える。 さくさく読めるが話の薄さの割りに本が厚い。 女性週刊誌のネタみたいでチープだった。 結末としても煮えきらず。 カタルシスのない話。2時間ドラマのノベライズみたい。 女としてこういう人たちいるだろうな、と思うものの、なんだかリアリティのない話だった。 確か角田さんは子供がいなかったと思うけど、やっぱりこういう描き方になるのは彼女が母親ではないからだろうか、と言ったら、失礼かもしれないけど。 母親ってここまで愚かだろうか。

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    投稿日: 2012.08.27
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    だいぶ悩みの多い女の人達の話だった。 自分とは別世界の人達の話で感情移入できませんでした。 でも、読み応えは凄くありましたので良かったと思いました。

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    投稿日: 2012.08.25
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    とにかく恐ろしい小説。 同じ年頃の子どもがいてご近所さん、 という1点のみで繋がったママ友たちの 関係がズルズルと崩壊していくお話。 子育てってこんなにも孤独なのか・・。 そして大人になってから親友や友達を 作ることがいかに難しいことか・・・。 学生時代の友人関係って奇跡に近い かも、と思ったり。 怖いもの見たさで一気に読みました。 でも1回でいいかな。。 面白いけど気持ちよくはありません。

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    投稿日: 2012.08.23
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    都内の同じ幼稚園に長男を通わせる瞳、容子、千花。瞳が長女妊娠中に産院で知り合った繭子、そして繭子と同じマンションに住む小学生の娘を持つかおり。 気の合う“ママ友”に出会えたことを喜び心強さを感じる彼女たちだったが、お互いに感じる小さな違和感がやがて大きな溝となっていく…。 どんな人間関係でも、ささいな行き違いがあったり、相手に対して違和感を感じたり疑心暗鬼になったりはするだろう。けれどいわゆる“ママ友”は異質のものだ。より敏感でより扱いづらい。 5人の母親を描き分けることで、ママ友の間に生じるであろうあらゆる感情がこれでもかとちりばめられていて、共感しかけては身震いする、の繰り返しだった。そのあたりは“ママ”でない人が読んでも理解できるのか、知りたいところだ。読めば過去に文教地区で起きた幼女殺害事件をモチーフにしていると気づくが、まずは先入観なしで読んでみて欲しい。

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    投稿日: 2012.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嫌悪感、イラつき、息苦しさをかんじながら読み進んだ。 音羽幼女殺人事件がモチーフになっているのであろう事から、リアリティーがありゾッとする。 『ママ友間』に限らず、人と関わっている限り多かれ少なかれ自分の中に生じる劣等感、優越感、疎外感、自分の存在価値、不安、苦しみ、幸福感… 女の中にある感情を、心が痛くなる程に表現する角田光代さんの凄さを改めて感じた。 物語の先に、ほのかに灯る光が見える。少し救われた。

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    投稿日: 2012.07.25
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    幼稚園の5人のママ友の話。仲の良かった5人が小学校受験の取材を受けたことから、その仲に亀裂が生じる。5人は、それぞれに壊れて行く。 "こわぁ〜"と思うと同時に、どの人の気持ちにも共感で来る部分がある。本の裏表紙には「凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの孤独と痛み。」確かに、5人の心理描写が凄い! 最後は、明るい光も見えてほっとしますが、後半は特に夢中で読みました。

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    投稿日: 2012.06.28
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    容子の気持ちも瞳の気持ちも千花の気持ちもちょっとずつ共感できる。みんな持っている気持ち… 繭子が母親でなくてよかった。

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    投稿日: 2012.06.21
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    音羽幼女殺人事件がモデルなのだろうな・・・ 愛する子供が育つにつれ、自分が果たせなかった事、 自分が勝てなかった相手、自分に劣等感を抱かせる相手への リベンジの手段として子供に自らを投影してゆき、 嫉妬の糸に身動きが出来なくなる。 他人と自分を比較することがどれだけ愚かで不幸せなことかが 分かっているはずなのに、その糸を断ち切ることはどうしても出来ない。 虚栄心て人間の幸福を破壊するものだ、とつくづく思うしこんなに嫌悪感も抱くのに、自分はどうかといわれると・・・ 子供産んだら自分もこうなっちゃうのかしら。 恐ろしい・・・・ 「学生時代をもう一度やり直さなきゃいけない気分になって怖い。 周りと自分を比較して、落ち込んだりする日々をもう一度やり直さなくてはならないのかと思うと・・・」みたいな登場人物の言葉が胸に刺さった。 角田光代は女性の一番醜くて隠したい部分をさらけ出す事が本当にうまい人だと思う。

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    投稿日: 2012.06.13
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    「ママ友」という言葉が使われ始めた少し昔の時代なのですが、これを読むと、自分の母親が子育てにどれだけ振り回されたかがよく分かります。母親って辛いなぁ。

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    投稿日: 2012.05.15
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    お受験経験者として大変興味深く読んだ。 たしかに、塾も体操教室もピアノも通った。何校か受け、そのたびに出題傾向は変わり、抽選もあった。 小さい頃のことで、曖昧な記憶なものの、母が、受験絡みの人間関係に悩んでいることも覚えている。 集団というのは、なぜここまで恐ろしいのだろう。 なぜ人は、焦がすほど憧れた人を、同じように心底憎むようになるんだろう。 こどもを持つ人を、不思議な気持ちを持ちつつ、尊敬している。私はどうしても、恐怖に勝てない。 こどもが内向的だったら。周りの人とうまくいかなかったら。学校に通わなくなったら。いじめたら。いじめられたら。馬鹿だったら。犯罪を犯したら。 "ママ友”に睨まれたら。ブランド物を持っていったら。黙って受験させたら。噂を流されたら。 専業主婦から社会復帰できなかったら。働いてる人に見下されたら。扶養者に蔑まれたら。そんな毎日をすごすうちに、自分にこどもしかいなくなったら。こどもと自分を同一視するようになってしまったら。 こどもがいつかいなくなってしまったら。 この物語は、最終的には明るい光が見える。 暗い考えに陥り、抜け出せなくなっていた人も、居場所を見誤っていた人も、こどものために、新しい一歩を踏み出そうとしている。 けれど、私はその考えがこわい。 こどもがいるから踏み出す、こどものために歩くという考えが、怖い。

    0
    投稿日: 2012.05.15
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    子供を持つ女性ならば誰しも共感できるのではないでしょうか。あっという間に読了です。それぞれが新しい気持ちになって幕を閉じるのだが、小学校に入った後も心配です。特に瞳。あの事件と重ね合わせてしまうけれど、この本では白昼夢なのかな?容子か?などとモヤモヤは残りますが、親として考えさせられる1冊でした。

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    投稿日: 2012.04.28
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    こういう心模様は誰にでも多少身に憶えがあるんじゃないかな。 そこがリアルなだけにこの壊れていく感じにぞっとする。 こんな世界がどこかしら存在するかと思うと子供が出来ても手放しで喜べない。おーこわ。

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    投稿日: 2012.04.23
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    ママ友、お受験… 最初は“子供”で繋がっていた5人が、“孤独”がで引き裂かれて行く。 子供がいなくても、ヒヤリとする。

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    投稿日: 2012.04.14
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    ママ友、お受験、子育てがテーマ。女性同士にありがちな羨望から来る妬み、他人との比較、自己嫌悪の感情が描かれている。さらっと読める。割りと好きなジャンル。

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    投稿日: 2012.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当にリアルで怖い。 登場人物の中の誰もが、自分の中にはいない、とは言い切れないと思う。 読んでて、あまりにも怖くて暗い気持ちになるので、飛ばし読みしてしまった。

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    投稿日: 2012.03.25