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降霊会の夜
降霊会の夜
浅田次郎/朝日新聞出版
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総合評価

63件)
3.5
9
18
28
4
0
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    この本を読んでる途中で、蒼穹の昴を書いた浅田次郎さんか〜と感慨深く思いました 文章めっちゃ上手くて、子供時代の回想がお金持ちのちょっとスレた子供感出てた。正直、今まで読んだ子供の文章の中ではピカイチかもしれない。キヨとの関係も切なくて泣いちゃいましたなぁ… 大学生時代で出てくる真澄さんも切ないキャラで、ゆうちゃんのことが好きなのにそれを言い出せなくて、ボロボロになっちゃって、死んじゃって… 全体を通して、主人公含め男の人に肩入れする表現が多いように思った。女の人は、彼氏なり旦那なりに甘くて依存してるみたいな感じ?時代背景もあると思うので仕方ない部分もあるけど、真澄さんとか、もっと男の人がいなくても生きていける女性だったんじゃないかとか思ったり… まぁこれは、私の女性にこうあって欲しいという願望かもしれないけど。 兎にも角にも、エピソードも文体も表現もとても良い作家さんですので、是非他の作品も読みたいと思います。

    0
    投稿日: 2025.09.26
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    初浅田作品。 前半のキヨ編は、戦争をまだ引きずっていた時代で、悲惨ながら、読まされたが、後半はうーん。 結局、ゆうちゃんは20歳前に振った百合子を30年近く想っていたってことか。

    0
    投稿日: 2023.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『降霊会という名の告白タイム!衝撃の事実が次々と…』 戦後の急速に変わりゆく社会を経験した主人公。 強く心に残った少年時代、大学生時代の想い出の知られざる事実が、降霊会で明かされる… 今では考えられないようなことも、当時の社会状況では仕方がなかったのかな…と考えさせられました。

    0
    投稿日: 2022.12.09
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    戦後に生まれ、東京の裕福な家庭に育った男性が、ひょんなことから降霊会に誘われ、過去と向き合う話。降霊会というと突拍子もないように思えるけれど、終戦から高度成長期までの時代のリアルな空気、当時の東京で裕福に育った若者達の在り様など、読み応えがあった。 個人的に、終わり方がいまいちしっくりこないような気がして残念だった。

    3
    投稿日: 2022.07.04
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    1961年生まれの主人公のゆうちゃん、戦後の復興、オリンピックや万博の高度経済成長、学生闘争の激動の時代を過ごす中での恋愛や人生の悔いなどを思う。そして、森の中での別荘での降霊会に導かれ、過去の恋人や同級生の霊魂と語る。恨み怨みや祟るのは肉体の存在を前提とする俗世の感情を持つ生者、霊魂に許されるのは誰にぶつけようもない怒りや悲しみや自責の念だと。梶と真澄の切ない思いや百合子のさよならと言ってもらいたかった儚さがじわりと心に染みてきた。

    0
    投稿日: 2022.05.13
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     なんて素晴らしい作家さんなんでしょう。涙が溢れたりする作品ではありませんが、人を愛するということ、そして、さよならするということが美しく描かれています。ちょうどワタシが大学生時代を過ごしたころのあの東京の街の喧騒ややけっぱちな明るさが、そしてそれらに対する百合子の冷めた正しい訴えが我がことのように理解できました。  この4月から転勤になる予定で、今お世話になっているこの図書館とももうあと1冊か2冊でお別れになります。できればこの本のような名作に出会いたいものです。

    0
    投稿日: 2020.01.29
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    主人公が、心に蓋をしていたことが、別荘地の降霊会でよみがえる。 戦後の高度成長期のひずみである格差社会 突然別れを切り出した恋人への未練。 友達付き合いして女性に死ぬほど愛されてていた事実。

    0
    投稿日: 2018.10.18
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    元会社の保養所であった別荘に一人暮らす主人公は道に迷ったような女性を一晩泊めてやった。その彼女がミセス・ジョーンズの降霊会に招いてくれた。その降霊会で主人公は自分の過去を見た。

    0
    投稿日: 2018.10.11
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    2018年最初の読了。老齢の男性の夢のような、うっすら霧がかかったようにストーリーは進み、ミステリアスな降霊会の行く末が気になって流れるように読んでしまった。 主人公がなかなかのダメっぷりだが、人間の本心なんてこんなものなのかも。戦後特有の熱気・貧富の差・空気感は私には分からないけど、懐かしい気持ちになった。

    0
    投稿日: 2018.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    雨宿りのお礼にと誘われた降霊会で、忘れようとしてもいつもどこかに残っていた幼き頃の友への後悔と青春時代の恋と向き合うことに。 戦後復興の時代の格差社会。裕福で善良な家族に囲まれて育ったゆうちゃんが出会った陰鬱で口数の少ない恵まれない境遇のキヨ。帰る方向が同じだから友達になったけれど、子供ながらに感じるキヨとの差異。あの時自らも幼い自分に何かが出来たのだろうか。 キヨとの話はとてもやるせなくて、霊と語ることで、ゆうちゃんがどう思うのか気になり引き込まれました。 後半はゆうちゃんの学生時代の恋愛の話。学生運動がどんなものか分かりませんが、その時代なりのかっこよさのようなものを押し付けた自分勝手な恋愛。別れ際に百合子から残された『私、死ぬわ』という言葉。その百合子への未練と後悔。 ゆうちゃんを想っていた女の子の霊なども降りてきますが、後半は私はたんたんと読める感じでした。 もう少し降霊会を開いた梓さんやメアリーとジョーンズ夫人の話も読みたかったかな。

    0
    投稿日: 2016.11.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    罪がない、とおっしゃるのですか―死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が見たものとは…。 至高の恋愛小説であり、第一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚。 (アマゾンより引用) 自分の心に蟠ってる出来事を霊を呼び出して解決する…って内容。 物語自体は続き物だけど、ストーリーは大きく2つに分けられていて、どちらも切なかった(;ω;) 結局最後は救われたのか、救われなかったのか…

    0
    投稿日: 2016.03.08
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    交霊会で霊に帰らないと言われるより、 読み終えたときのほうが怖かった。 ゆうちゃん、何人の女を捨てたんだろう。 梓はゆうちゃんが忘れてしまった誰か、 と思うことにした。 キヨの話は泣けた。 時代背景、下町の人情に 差別、戦争の傷跡。 人間のいいとこも卑しいとこも この話で学んだ気がした。 けれど、そのあとの話は哀しい。 ゆうちゃんにがっかり、したし。 たくさんの女の気持ちを 蔑ろにしてしまったのだろうか。 愛しい百合子は 本当に忘れているのだろうか。 梓たちがゆうちゃんを懲らしめるために 窓の外にいた彼女を 招き入れなかったのではないか。 なんて、いろいろ想像するけど。 でも、百合子に1ミリも想いがない とするのも、ざまあみろって思うし。 意地悪だね。笑 余生で思い巡らすんだね、 梓が誰なのか。 2015.10

    0
    投稿日: 2015.10.07
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    出だしだけ読んで、別本に入っちゃったもんで、ちょっと戻ってしまった。 面白くなかったけど、半分から入り込んだ♪ 最後はこうなりますか・・・(-_-;) 出来事の側面性というのか、それぞれの思い込みと思い入れ。。。まぁ、それも作者のあるお話やから・・・・

    0
    投稿日: 2015.01.10
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    ひとつの怪異譚の内包した時間の厚みが膨大で、物語の中の時間軸を突き抜けて手元まで届いてる感じのする言葉のエネルギー  ぼんやり幻に巻き取るようなラストなのに読後感の鮮やかさと苦さが気持ちいい

    0
    投稿日: 2014.12.29
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    さして主人公に非は感じないけど、人は知らないうちに傷つけて生きていくんだな、って思った作品。 でも、結局主人公にとってなんのための降霊だったのかよくわからん。

    1
    投稿日: 2014.12.17
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    主人公がふとしたことで「降霊会」に呼ばれ、その中で現れる、忘れたのか、あえて蓋をしたのか、過去に関わった人々と交流する、そんな話。前後半2部に分かれており、前半は少年期の事件、後半は学生の時の話。戦後の混乱期や、学生運動なども絡んで、一筋縄ではいかないこの時代に起こった悲しい話。どちらの話も、「ボタンの掛け違え」が招いた悲しい出来事だった気がする。前半はあまりに悲しく、後半は少し煮え切らない結末でした。そういえば浅田次郎の作品をあまり読んでいないので、多少読み漁ってみようかと思った次第。

    0
    投稿日: 2014.11.22
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    主人公が男性だったからか、時代が違い過ぎるからか、あまり主人公に感情移入出来なかった。話の構成や各関係者の独白は良かったと思うけど、どうも惹かれないのは多分そのせいか。男って、理屈っぽい割には妙にロマンチストよね。

    0
    投稿日: 2014.07.31
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    浅田次郎の本なので、期待値が高すぎたのかもしれないが、それにしても比較的まとまってしまっていたような気がする。 ただし、泣かせるところや、考えさせられる点など随所に読み応えのある本でした。 再読はしないかな。

    0
    投稿日: 2014.04.16
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    祖父が神憑る際に梓弓の弦を引くことから、梓と名付けられた女が別荘地に迷い込んだところから物語は始まる。梓に西の森に住むジョーンズ夫人を紹介されたゆうは降霊会に臨み、父親に殺された小学生の頃の友人やゆうへの想いを告げることもなく、若くして亡くなった真澄の思いを知ることになる。過去の自分と真摯に向き合うことの難しさを教えてくれる作品。

    0
    投稿日: 2014.01.11
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    ボクの心霊観は、亡くなった人の想いは残ったり、生きている人は見られていると思わなければ世の中寂しすぎて、それはホラー的な心霊ではなく、神仏と同じように、生きている人たち自身の自戒を促すために、生きている人がつくりだすものだという風に感じています。 そういう意味では、さすがの浅田次郎も今回ばかりは馴染めないと思いながら本書を読み進めました。しかし、やはり浅田次郎であって、そういう心霊観のボクも最後は飲み込まれました。 万人受けはしないだろうという意味で、本書は名作かと問われれば、そうではないと言わざるを得ませんが、懺悔という視点からは2つのエピソードとも深く入り込むことができました。

    0
    投稿日: 2013.12.08
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    人助けのお礼にと、即席の降霊会に招かれた主人公。これまでの人生の悔悟として思い出したのは、戦後間もない小学生時代の友人「清」と、学生闘争真っ只中に出会った恋人「百合子」。2つのエピソードが描かれています。 戦後日本とか、学生闘争は、浅田作品にも度々でてくる舞台設定。テイストも『沙高樓綺譚』や『霧笛荘夜話』のような感じで少しマンネリかな、と思って読み始めましたが、なんのなんの。 その時代の背景がしっかり描写されているので、その時代を生きていない自分でも、容易にシーンがイメージできるし、なぜそのような悲劇が生まれるのか、読者それぞれの答えを考えさせてくれるところはさすがでした。 それにしても梓とジョーンズさん達は、一体なんだったのか。ものすごく気になる。

    1
    投稿日: 2013.11.13
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    浅田次郎の作品初読。ツナグ的な話なのかなと思いながら読み進む。戦後まもなくとか、70年代を生きた人はこういう生き様をしてきたのだろうかと思わせる作品。ラストはもやもや感半端なし(^=^;

    0
    投稿日: 2013.09.12
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    なんかメトロとかぶったなあ。戦争の悪い時代から急速に復興した時代×不思議な力でのありえない出会い というmix感が。最後にもうひとひねり、不思議が待ってたしね。でもなんか、どこかで見たような。。というかんじが拭えないまま本を閉じた、そんな読後感。山野井清と小田桐百合子。それぞれ、主人公である「ゆうちゃん」に悔悟(←このコトバあまり使われないのにキーワードとして出てきたのがなんか一番印象に残ったかも)の念を残していたふたつの思い出を、霊の口寄せで振り返り、滞って固まりかけた思いを解くというような内容。私ならだれを呼ぶかなあ。もういちど話してみたいひとはいくらもいるけど、でも、やっぱ怖いかな。まあなんにせよ浅田さんらしい1冊。家族、恋愛、社会、霊魂、いろんな角度の切り口がとれるから、夏の読書感想文なんかも、書きやすい1冊かも。

    1
    投稿日: 2013.08.01
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    終始、胸糞悪い話の連続だった。母親になってから、子供が殺される話は我慢ならなくなった。 1952、メインの語り手と似たような背景で育った男性なら、また何か思うところがあるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2013.04.30
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    久しぶりに浅田次郎を読んだ。相変わらず巧い。巧いんだけど、素直に感動できなかった。なぜだろう。初期の「日輪の遺産」や「蒼穹の昴」などの、多少とっちらかっていても情熱で読ませるようなものの方が好き。

    0
    投稿日: 2013.04.20
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    結末がすこし期待はずれ。想定内? 但し、小説内の2つのテーマはどちらも秀逸で、浅田次郎らしい心の葛藤や心苦しさがうまく表現されていて、とてもよい小説です。

    0
    投稿日: 2013.04.06
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    子供時代の友人と大学時代の恋と、戦後の高度成長時代を背景にした内容はいささか抵抗あり。ラストに意表を突くどんでん返しを期待したが、これも外れ。もちろん、浅田作品としてはの条件付きですが(笑) 似た傾向の作品は短編集でもあり、個人的にはそれほど好きじゃなかった。今回は降霊会で主人公の記憶と死者の語りで構成され、展開以前に主人公のキャラが弱い。謎が多く残されたが、解明へ乗り気にならないな~

    0
    投稿日: 2013.04.04
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    誰でも、苦い思い出や罪の意識、ざらりとした記憶がある。 降霊という手段で、あの頃の人物が本当のことを語る、ミステリー。

    0
    投稿日: 2013.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    降霊会を通して戦後復興と高度成長期を描くホラー?小説。 ストーリーテラーの浅田さんだけに、チープなホラーものでもなく、俯瞰的な時代小説でもなく、その時代の息吹を感じさせてくれます。 戦後復興期、高度成長期に少年、青年時代を過ごした主人公がその時代に残したと意識する罪について、死者たちに語らせる構成はさすがです。 幼い時や若い時にだれもが経験するであろう苦い思いも十分伝わりました。 最後のオチはすごく意味深なような気がしますが、具体的に説明できないの自分の力不足が残念です。

    0
    投稿日: 2013.01.20
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    死んでしまった人の霊を呼び出していろいろと生きていた頃のことを語りあうという趣旨の本は、この本の他にもありますが、浅田次郎さんのこの作品は、なんだかとても切ない思いが残りました。 主人公のゆうちゃんは、一夜の宿を貸した女性からご恩返しがしたいから、「会いたい人にあわせてあげます。」と、西の森の奥に住むジョーンズ夫人の元へ案内されます。 ゆうちゃんには、封印している子供の頃の思い出がありました。小学三年生の1学期に転校してきたキヨという男の子。自宅が近いとあって登下校をするようになりますが、その家庭は不思議でいわくありげな家庭でした。。あまりかまうな。という家族の意見もあり、ゆうちゃんは1学期の終わりごろには、キヨから離れるようになっていました。夏休みの初めにキヨは交通事故死します。でもそこには親子の愛憎劇が・・・。 キヨの家庭事情を遠巻きながら察していたゆうちゃんですが、何もできませんでした。ゆうちゃんともういちど話したいとジョーンズ夫人の前で念ずる内に、真っ先に出てきた霊は、ゆうちゃん同様、キヨのことを気にしていた交番のおまわりさんの生霊でした。それによって明らかになったキヨの父親の罪。そして、次に出てきた霊はキヨの父親。自分の罪も敗戦の混乱期がそうさせたとしながらも独白します。肝心のキヨはその次でした。自分の優ちゃんへの気持ち、父母への気持ち、せつない少年の想いが切実と述べられます。最後にはキヨの母。あれから探しているのに、みんなに会えないと嘆く霊は、やっと成仏することができました。 最初の夜にこれだけの心のわだかまりがとけた、ゆうちゃん。次には恋人との苦い思い出を呼び起こします。 人が生きている間には、誤解もあれば、後悔もあります。 それをどう乗り越えていくのでしょう。 どうしても亡き人に謝りたいような出来事があれば、降霊会もいいかなと思います。「会いたい人」にもう一度会って、誤解を解いたりすれば本人も楽になりますから。でも生きているうちにやってあげればよかったなあという、後悔も残るのではないでしょうか。 霊との対話はやっぱり、楽しいものではないと思います。

    0
    投稿日: 2013.01.17
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    初老の男性がずっと胸の奥に抱えてきた、でも目を逸らし続けてきた過去に降霊会を通して向き合っていくストーリー。 前半の少年時代編と後半の学生時代編に分かれている。 少年時代に仲がよくもあり、半面疎ましくもあった友人キヨが目の前で交通事故で亡くなった話の真相はやるせなくて、重かった。。 浅田次郎さん、「椿山課長の七日間」しか読んだことがないのだが、やはり作風は似てるかな。 後編はイマイチだというレビューも見たけれど、後編も女性の側からすると切ない・・。 「降霊会」というタイトルから胡散臭い話を連想するかもしれないけれど、過去にタイムスリップするようなお話、かな。

    0
    投稿日: 2013.01.06
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    すばらしい作品だった。 主人公の幼き時代に訳ありの友達をもち、一線をひいて付き合った。老いたのち、霊となった友人と再会する。なんともいえない切なさがたまらない。恨みはなく、さわやかに別れた。 また、主人公は、19歳のころに愛した清純な女性を、その時、振ってしまったことを、長年後悔してきた。一方、自分を愛していた女性には気づかずにいた。自殺してしまった好いてくれていた女性が霊となって現れ、一言さよならを言ってほしかったと激白した。しかし主人公は最後まで言わなかった。心の葛藤、人間模様の描き方が絶妙であり、読ませる。

    1
    投稿日: 2012.11.14
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    浅田氏の青春回顧録か?と思える物語。自身がすっかり忘れている過去を考えることも…。後悔はないはずだが…。

    0
    投稿日: 2012.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下枝は地を舐めるほどなので、周囲には草ははえず、地面は厚い青苔のい被われていた 車だってわがもの顔の時代だ。歩行者優先なんて標語はお題目で、人間様より車のほうがずっと偉かった 私は傷ついた。百合子の揮った刃物が、皮膚も肉も貫いて骨の髄まで届いたような気がした

    0
    投稿日: 2012.10.14
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    霊たちの言葉を通して浮かんでくる2つストーリーは思わず切なくなるが、主人公サイドから見るとただの不思議体験で終わっている感じがして残念だった。 降霊会という設定がストーリーを一人称で多角的に表現するための手段としてしか機能していない気がする。 こういう作品で主人公の心境の変化や成長とか、霊たちの救済とかを期待してしまうのはダメなのだろうか? 現在の時間軸のストーリーをもっと描かないと、変わった手法で描かれた2つの短編になってしまうと思う。 その2つの短編自体はおもしろいのだけれど。

    0
    投稿日: 2012.10.09
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    初老の主人公は、降霊会に呼ばれ、子供の頃の友人キヨの霊、学生時代の女性の友人真澄の霊、あるいは関連のある人の霊と話す。 前半のキヨの話がとてもせつない。。。

    0
    投稿日: 2012.09.28
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    雷の夜に助けた女性により降霊会に導かれた男は、そこで記憶の底に封印してきた過去と向き合うことになる。前半のキヨの話がすごくよかった。幼い彼が抱えていた苦悩と、沌とした戦後を生きた人たちの悔恨の独白。苦くて切なくて胸が詰まる。

    0
    投稿日: 2012.09.28
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    前半の子供時代の話で 胸がいっぱいになったのに 後半部分は ちょっと イラっとした。 全体的に ミステリアスな雰囲気があって 好き

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    投稿日: 2012.09.05
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    庭に迷い込んだ女性が、迷惑をかけたお詫びに、会いたい人に会わせてくれると言う。 亡くなった人の霊を呼ぶ、などという神秘的な話は苦手なのですが、、、 前半のキヨの話は、胸に迫るものがありました。夢も希望も持ち合わせぬ子供なんて、かわいそう過ぎます。

    0
    投稿日: 2012.08.29
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    小学校の時の友人ともいえない関係。 その少年を自分は助ける事が出来たかもしれないのに、心の奥に封印していた記憶がよみがえる。 大学に入って無節操な人間関係の中で生きてきたが、それでも光あふれる記憶があった。それは独りよがりの思いであったのか。

    0
    投稿日: 2012.08.26
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    浅田さんの作品は、映画化されたものも多いですね。 私は、映画で「天国までの100マイル」を見ました。 作品を読むのは、たぶんこの作品が初めてです。 人間は、生きている間に少なからず人を傷つけている事があると思います。 それは、自分の心の中にだけ納めているのだけど、 目の前に突きつけられた時、素直に謝罪できるか? 降霊、実際に体験はないが話は聞いた事があります。 自分は、とても怖くて向き合えないと思った。 自分勝手な行動をしてこなかったとは言い切れないから。

    0
    投稿日: 2012.08.26
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    とても切なくなります。時代に翻弄された人達のしぼりだされる心の声が…。浅田次郎さんの表現手法の虜になる作品です。電子書籍koboで読んだ最初の書籍。

    0
    投稿日: 2012.08.21
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    浅田次郎の不思議な話 この人の描く東京の話はノスタルジック 東京が大都市になっていくことで、故郷を失った人たちもいるということに、改めて気がついた 不思議な降霊会では、 会いたい人には会えず、 記憶の底に沈めていた人たちが逢いにきた もうあえなくなってしまった者達のことを考えたよ

    0
    投稿日: 2012.08.16
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    世代間ギャップなのかもしれないが 霊が語る話はみんな独りよがりで共感できなかった。 『遠野物語』のマヨイガっぽくて失笑。 いっそファンタジーにしてしまった方が現実味が出たかも。 「ゆうちゃん」の存在すらあやしく思えて、虚無感をおぼえた。

    0
    投稿日: 2012.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半のキヨの話の方が好き。後半はその結末になんだかすっきりしないモヤモヤが残る。私はやっぱり主人公に真澄にちゃんとさよならを言ってほしかったんだなあ。

    0
    投稿日: 2012.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【降霊会の夜】 浅田次郎さん 浅間山の噴火か?と思えるほどの雷鳴が轟く中 わたしの保有する、高原の家の庭に1人の女が迷い込んだ。 激しい雷に慄き、身動きがとれなくなっていたのだ。 わたしは彼女を助け、招きいれた。 雷鳴が過ぎ去った後も彼女は暖炉の前でふるえていた。 女は県道を隔てた西の森の住人だった。 彼女は梓と名乗り、梓という名は口寄せを生業にしていた 祖父のつけた名前だと言った。恐怖が彼女を饒舌にしていた。。 彼女の恐怖が去るまでわたしは彼女の話につきあった。 やがて落ち着いた彼女は恩返しに、同じ西の森に住む ミセス・ジョーンズを紹介すると言った。 ミセス・ジョーンズは、生死を問わずわたしの会いたい人物に 会わせてくれるというのだ。 翌日わたしは半信半疑のまま梓につれられ ミセス・ジョーンズ宅へと出向いた。 そしてわたしは、ミセス・ジョーンズの行う降霊会の席に つくことになった。 自分自身が忘れようと努力し、心の奥底に押し込めた過去の悔恨。 浄化されないまま体の中へと押し込まれた想い。 その想いに呼応して、霊は現れた。。 ☆ 見殺しにしてしまった友だち。 「さよなら」と言えずに苦しめてしまった友だち。 自分自身の心から目を背けた薄っぺらな若さ。。。 「面白い」と書くとニュアンスが違う哀しいお話ですが ぐいぐいと引き込まれるモノがありました。

    0
    投稿日: 2012.06.23
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    キヨの話では切なくてぐぐっときたけど 後半のお話で・・・パワーダウンしました。 でも、おかげで少し気持ちが軽くなったかな。

    0
    投稿日: 2012.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

     大人の男なら、心当たりのあることかも知れない、悔悟の念。  大切な友人を捨て見殺しにする、狂おしいほどに愛した女を捨てる、愛されることを拒絶する・・・その記憶を抱え悔悟の念を抱きつつ生き続けてきた初老の男――ゆうが死者と生者が語り合う禁忌に魅入られ、みたものは己の真実であった。  誰もが持っているであろう悔悟の念の行き着く先は・・・救いようのない孤独と、救われない無念であった・・・ (内容紹介)  罪がない、とおっしゃるのですか―――   謎めいた女の手引きで降霊の儀式に導かれた初老の男。死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が魂の遍歴の末に見たものは……。至高の恋愛小説であり、一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚――。まさに浅田文学の真骨頂!

    0
    投稿日: 2012.06.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語をきちんと紡ぐ浅田次郎氏のワザです。いろいろ考えさせられた。過去の思い出、解くカギがあります。「さよなら」ということ。 でも、ワザだけではどうも・・・。

    1
    投稿日: 2012.06.03
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    浅田次郎の世界である。 前半と後半の2本立てであるが、主人公は同一。 三つ子の魂、百までではないが、主人公の決められない性格は治らない。ラストは少し怖い。 冒頭の新古今集の歌がきいている。 「来しかたを さながら夢になしつれば 覚むるうつつの なきぞ悲しき」 過去と現実は連続しているはずなのに切り離して、「昔は・・・」と片付けようとする。過ぎ去った時をすべて夢とし、別物にしてしまったため、夢から醒めて帰る現実が無いことが悲しい。

    1
    投稿日: 2012.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    徐々に霧が晴れてきて、最後に全体が現れたような作品の雰囲気がすごく良い。 主人公に語りかける、過去に繫がりのあった人達が、主人公の心の中の澱を撹拌し溶かしてくれる。すごく面白く思えたのは、自分の心を捕らえて止まない過去の出来事は、その中心人物によりほぐれるのではなく、思いがけない周囲の人達により、絡まった心をほどいてくれていた事。 不可解で不可解でどーしょうもないけど、面白かったー! 高地では、雷を横から喰らうという事を知り、雑学知識が一つアップ。

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    投稿日: 2012.06.02
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    前半のキヨの話と、後半の百合子の話。キヨの話だけでよかったなあ。前半はものすごく感動したのに。後半、しりつぼみになってしまった感じ。残念。

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    投稿日: 2012.05.26
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    ある男が、ひょんなことから降霊会に参加して・・・ 過去のいきさつを気にし続けても、しょうがないじゃんと思いつつも、この主人公の逃げっぷりには呆れるわ。

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    投稿日: 2012.05.10
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    2012/05/04-05/06 ☆はじめに「来しかたをさながら夢になしつればさむる現のなきぞ悲しき」との古今和歌集の歌がある。過去と現実は連続しているはずなのに切り離して、「昔は・・・」と片付けようとする。過ぎ去った時をすべて夢とし、別物にしてしまったため、夢から醒めて帰る現実が無いことが悲しい。☆恋愛に胸をときめかした頃や子供だった頃の個人の思い出、抑留引き揚げや戦後のどさくさの日本の歴史を今につなげよう。☆捨てられた女よりかわいそうなのは、忘れられた女。もっとかわいそうなのは、愛されなかった女。☆人間の幸不幸には「さよなら」が必要だ。破滅と再生。別れと出会い。人生の節目で大切なのは「さよなら」です。

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    投稿日: 2012.05.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一気に読み終わった。面白かった。 後半の話はちょっと飛ばして後から読んだが、 結末が気になって先を急ぐ気持ちに抗えなかったためだった。 前半の話は、 戦争の悲哀や昭和の風景に満ちている。 救われないこころとは裏腹に キヨの言葉のその明るさによって この家族の魂が救われたような気がした。 後半の話は、 聞き覚えのあるような三角関係の話。 まるで「秒速3センチメートル」のような結末。 そしてエピローグ。 まさに、和風怪談ファンタジー。 ごちそうさまでした。 おいしゅうございました。 特に印象的だったセリフは、ミセス・ジョーンズの 「……そうでも考え無ければ、わたくしもあの方たちも救われませんでしょう?」 読み終わると、いろんな意味に聞こえて来る。 降霊会という少し趣向の違うガジェットを持ち出してはいるが、これは所謂「こっくりさん」と同じもの。 それに幾つかの怪談の要素をミックスして、昭和の懐古と恋愛小説的エッセンスをうまく組み込んで出来ていて充分に秀作。 傑作か?というとちょっと微妙な気はする。

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    投稿日: 2012.05.01
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    面白かったけどなー。昔の作品には及ばず。ただ、高度成長期の日本の影の部分の描写にはぐさっとくるものがあったなー。

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    投稿日: 2012.04.30
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    降霊会を無しにして、前半と後半のお話を2冊に分けて別の小説にして、もっとずっと長い物語として読みたい。

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    投稿日: 2012.04.27
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    前半主人公の幼少時代であるゆうちゃんとキヨの お話は衝撃的で深く重いもので心揺さぶられるものだったけど 後半青春時代の百合子や真澄とのことは なんだか人事のようにつめたい主人公に あまり共感もできず、ラストもよくありがちで残念。

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    投稿日: 2012.04.15
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    昨年「週刊朝日」に連載されたものの単行本化。 来し方を さながら夢になしつれば  覚むるうつつの なきぞ悲しき。 という新古今の和歌を冒頭に掲げているのだが、この作品は罪の告解のようだ。 「 わたしは顧みる。すると驚くことに眼下には、私がかつて暮らし、捨ててきた街がひとつ残らずぎっしりと、 まるで重箱さながらに在りし日のまま犇めいているのである。  たちまち罰されぬ罪のくさぐさが押し寄せてきて、私は胸の重みを支えきれず路上に蹲る。」 古い別荘で雷雨の夜、いつも夢で罪を告げる女によく似た若い女性が訪れ、雨宿りのお礼にと私を降霊会に招待する。 最初の降霊会では、小学生の時の友だちで転校生だったキヨシが、父親から当たり屋をさせられて死んだ記憶が蘇る。 現れたのは、当たり屋を止めようとしていた当時若い巡査だった男の生霊と、父親の死霊、そしてキヨシの死霊。それぞれの思いを語り、慰めを得て去って行き、何もせず忘れようとしていたわたしの罪の想いも軽くされた。 昭和30年代、作者と同じ子供だった私には当時の貧さと豊かになりつつある社会の変化がわかる。実によくわかる。と思うところが多々あった。 第2夜は昭和40年代の学園紛争時代に訳もなく捨てた恋人の記憶が蘇るが、現れたのは遊び仲間で事故死した真澄の死霊だった。 真澄は私を愛していたが、私は気づかずに工場の寮に住んで定時制高校に百合子に溺れたため、真澄は育ったニューヨークに行き、精神を病んで帰国し高速道路を暴走して事故死した。しかし私は深くは気に留めなかった。第2夜

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    投稿日: 2012.04.13
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    若い頃、なにも考えずにしゃべった言葉をずっと覚えられていて愕然としたり、虐められていたらしいのに全く気づいていなかったり、人間関係はつくづく難しい。降霊会が本当にあったら、いろいろ責められそう。

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    投稿日: 2012.04.08
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    戦争を終えて復興を果たしたわりに復活しなかった道徳観のなかで生きてきた主人公と彼らの仲間は、世の中が豊かになったのにそれにふさわいほど幸福になってはいなかったのだろう。 また大人たちは同じように生まれてきても戦争との関わり合い方の違いでその人生は大いにちがってしまう。 生きている時には生きているからこそ口にできない言葉がある。死んで肉体を失ったからこそ見ることができる事実がある。

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    投稿日: 2012.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ゆうちゃんという初老の男の夢に出てくる女性が ゆうちゃんの心の奥底にある後悔や懺悔の思いを晴らすために 亡くなった人、さまよう人の霊を呼び語り合う 戦争が終わって、高度成長期のまっただ中の東京で 小学校に入ったばかりのゆうちゃんと 時代に置いて行かれたような家族におこったこと ゆうちゃんが忘れようとしても忘れられなかったこと 学生運動の最中、東京生まれでドライな学生生活を送る ゆうちゃんや仲間たちの間に突然現れてしまった 同じ年ながらも苦労して働きながら勉強する百合子 ゆうちゃんが忘れれない百合子と、ゆうちゃんの仲間たち ゆうちゃんが忘れてしまったと思っていたこと 2つの昔話が、時代背景と共に悲しく切なく胸に迫る

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    投稿日: 2012.03.21
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    一晩にて読了。 霧の中に紛れて、何もかもうやむやになってしまいそうだけど、 でも、主人公、ゆうちゃんの中では気が付かないフリをしてた事や、辛すぎて心の奥底に感情を沈め、その上にどんどん蓋をして見ないようにしていた事に向き合い、自らの罪を悔悟する。 余りにも自由すぎた戦後の昭和。 心の耳を傾け、心の声で語りかければ霊魂には届くのだ。

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    投稿日: 2012.03.14