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歴史学ってなんだ?
歴史学ってなんだ?
小田中直樹/PHP研究所
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総合評価

36件)
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    小田中直樹著『歴史学ってなんだ?(PHP新書)』(PHP研究所) 2004.2発行 2022.12.27読了  本書は、歴史学の意義を考える上での三つの問題について、考察している。すなわち、①歴史学は、歴史上の事実である「史実」にアクセスできるか、②歴史を知ることは役に立つのか、③そもそも歴史学とは何か、である。  ①については、史料批判などによって「コミュニケーショナルに正しい認識」に至り、さらにそこから「より正しい解釈」に至ることができるとする。  ②については、歴史学は、歴史像の正当性を計る際に使える基準を供給し、それによって、歴史上のさまざまな問題をめぐる議論をよりよいものにしていくことができるとする。  ③については、利用できるかぎりの証拠をかき集め、みんなで突き合わせ、史実としての蓋然性が高いのであれば、ほかの「通常科学」と同じように、そのことを認め、そのうえで、どのような「コモン・センス」が得られるかを考える学問であると統括している。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000004339367

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    投稿日: 2022.12.30
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    歴史学者は歴史小説家を下に見る傾向があるように思う。 が、本書によれば、「根拠を追い求め」「他者に正しい(認識)と共有される」ならば、両者の違いはなくなるという事になる。よって、歴史に対する「姿勢」や読み手の評価が問題なのであって、アカデミズム(科学)か商業主義(想像)かの違いを議論するのは不毛な気がした。究極の所は本当の事は誰にもわからないし、客観は認識できないという哲学的テーマに入り込む。結局、歴史はそれを選択した人の多数決で決まる事になる。人はヒステリーを起こすから、ここにはリスクもある。 また、「役に立つ」かどうかも意味のない議論で、世の中に影響を与えるのは間違いなく、その功罪について論じるべきだろう。(著者は一応論じているようには思えるが書き方がよくないような) 入門書なのでアウトラインを提示するのみで、問題提起に留まっており、総じて論旨がゆるく、論調は弱い。著者にも迷いが感じられるし、そもそも確たる答えもないのかもしれない。それが著者の誠実さであるとも言えなくもない。要するに、「断言する人間は疑え」って事になるのかと。

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    投稿日: 2017.05.08
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    1963年生まれのフランス経済史を専門とする経済史学者・小田中直樹による2004年の著書。 著者は本書の内容について、序章で、歴史学の意義とは何かという疑問に答えるべく、①歴史学は歴史上の事実である「史実」にアクセスできるか、②歴史を知ることは役に立つか、役に立つとすれば、どんなとき、どんなかたちで役に立つか、③そもそも歴史学とは何か、という三つの問題を取り上げるとすると同時に、本書の目的について、あとがきで、①歴史学について、なるべく体系的に基本的な知識を整理すること、つまり、歴史学の入門書として機能すること、②歴史にかかわる優れた啓蒙書を紹介するブック・ガイドとして機能すること、③歴史を考える枠組みを再検討してみること、の三つと述べている。 本書の主な主張、及び私の印象に残った点は以下である。 ◆歴史学の営みは、史実を明らかにすること、即ち「認識」と、認識した史実に意味を与え、ほかの史実と関連させ、その上でまとまったイメージである歴史像を描くこと、即ち「解釈」という、二つの作業から成る。 ◆1970年代に現代思想家ジャン=フランソワ・リオタールは、「“大きな物語”は終わった」、即ち、歴史のトレンドを描き出すことは無意味になったと主張したが、実際には、“大きな物語”が終わったのではなく、それぞれの民族の歴史や大衆の歴史などの様々な“大きな物語”が併存するようになった、即ち、歴史の相対化の時代に入ったということである。従って、歴史家は、たとえ相対化されたものではあっても、より正しい「解釈」を求め続けることが使命である。 ◆同様に、1970年代に言語学者フェルディナン・ド・ソシュールが展開した、「もの」、「意味」、「言葉」の三者の繋がりは恣意的なものにすぎないという構造主義の思想は、歴史の「認識」についても疑問を投げかけるものであったが、歴史学に求められているのは、コミュニケーションによって、多数の人々の間で正しいに違いないという「認識」に至ること、更に、そこからより正しい「解釈」に至ることである。 ◆歴史学は、外国に関わる歴史像や、外国と日本の関係に関わる歴史像を提供し、我々の集団的なアイデンティティを相対化する際に重要な役割を果たす。しかし、第二次世界大戦に向けて、日本人の意識を統制したのが当時の歴史学を支配する考え方であったことなどを踏まえると、歴史学が「社会」の役に立つべきか否かという問題を考える際には、慎重さが求められる。むしろ、根拠がある史実に基づくという真実性を経由した上で、直接に「社会」の役に立とうとするのではなく、つまり、集団的なアイデンティティや記憶に介入しようとするのではなく、「個人」の日常生活に役立つ知識を提供しようとすることが大事である。 ◆そもそも、様々な科学を学ぶことの意義は、自覚的にものを考える必要に迫られたときに「考え方のモデルのカタログ」として自分の役に立つ、地に足がついた知識としてのコモン・センスを体得することにある。そして、歴史学もその科学の中のひとつなのである。 若手の歴史学者が、現代思想の考え方を取り込みつつ、歴史学の意義と課題(更には限界)を率直に述べており、好感の持てる一冊である。 (2006年12月了)

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    投稿日: 2016.11.05
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    最近真面目に歴史の勉強を始めてからこっち、自分の中でぐるぐる渦巻いていた命題にたいして、数十年余分に行きてる先輩から分かりやすいビジョンを見せてもらえた、という感じでした。 まだまだ勉強不足で批判的に評価できてるかは分からないけど、私にとってこの本は足がかりの一つとして充分すぎる素晴らしい本でした。 出会えて良かったです。 私が持っていた命題に対して私が想像してた落とし所以上に思考を提示してくれました。

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    投稿日: 2016.09.13
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    分かりやすい言葉で書かれた歴史学の入門書です。 そもそも歴史学とは何かという問いを立てるのであれば当然、史実の認識可能性についての議論に立ち入らなければなりません。本書でも、構造主義の源泉となったソシュールの言語論以降、私たちは歴史をあるがままに認識することができるのか、という深刻な問いにさらされたことに言及されています。さらに、上野千鶴子が構築主義の立場から従軍慰安婦論争に参戦した経緯などの例をあげて、歴史学者はどのようにして「史実」にアクセスできるのかという問題が、単なる歴史哲学上の理論的な問題にとどまらず、アクチュアルな意味を帯びた問題であることが浮き彫りにされています。 ただし著者は、歴史を一つの「物語」として相対化してしまうような極端な立場には与せず、たえず史料批判へと立ち戻ることで、絶対的な真理には到達できなくても、「コニュニケーショナルな正しさ」を追求することができるという立場を採ります。 歴史を学ぶ者がさしあたって歴史学という営みを続けてゆくことができるためには、そしてさまざまな民族や国家における歴史認識の断絶を克服するためには、いわば実践的な観点から「コミュニケーショナルな正しさ」の立場が欠かせません。本書では、そうした歴史学者にとっての歴史認識の方法論的考察が展開されていると言ってよいのではないかと思います。

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    投稿日: 2015.07.09
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    歴史を学ぶ意味について、近年の研究の成果を取り入れつつ、簡便にまとめた入門書。あとがきで著者が触れているように、古典的名著が入手難であったり、文体が固く、専門外の読者には取りつきづらかったりするのに対し、内容が大分噛み砕かれており、歴史について生じ易い疑問である「史実は分かるか」「歴史は役に立つのか」という二つの主題について理解しやすい。

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    投稿日: 2015.04.09
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    再読です。授業を始めるにあたって、まさに「歴史学ってなんだ?」という確認がしたかったので、本棚から引っ張り出して来ました。著者は世界史が専門。いくつか具体例をあげながら、歴史を学び、伝えていく意義を模索します。答えは、①真実はわからないが、各自が真実だと思うことを持ち寄って、その納得点を見いだすこと ②①を踏まえて、個人の日常生活に役立つ知識を提供すること だと言います。 再読なので飛ばし読みですが、そのままは使わずに、頭のなかでまとめ直して授業に臨みたいと思います。

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    投稿日: 2015.04.06
  • めんどくさくて面白い世界への誘い

    歴史小説などが好きで、歴史学を学びたいという学生がいたら、やっぱり止めたくなる。 だって・・・歴史学って・・・そんなに面白いものでもないよ?地味だし面倒くさいし(苦笑) でも、やはり面白いのだ。歴史小説とは違った面白さがある。 本書は、それを一般の読者向けに語るものだ。 最初の方の「歴史書と歴史小説はどう違うのか」について論じたところは、 司馬遼太郎や塩野七生といった、一見歴史書のような体裁を取っている(?)歴史小説が好きな人には必読だろう。 ただ、中盤以降は少々専門知識を持っているか、精読するかしないと誤読してしまうかもしれない。 というのは、「従軍慰安婦論争」を例に「歴史を論じること」の難しさを説明している部分があるからだ。 このテーマが選ばれたのは、この問題が「難しい」からである。 何か「正しい歴史認識」を導き出すためではない。 1章で実証主義、史料批判、構造主義、言語論的転回などについて説明していたのだが、それを今(というか当時)ホットな話題だった慰安婦問題に適用してみたらどうなるか、という例なのだ。 過去について論じることがいかに難しいか、つまり歴史学の「語り方」「考え方」について説明しているのである。 (某所で的外れなレビューを見たので念のため) 歴史学とは「正しい歴史認識」を提示するものだ、などと思っている人がいるならば、是非本書を読んでみてほしい。

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    投稿日: 2014.09.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「歴史学で本当に史実を明らかにできるのか?」「歴史学は本当に役に立つのか?」という、「なぜ歴史学を学ぶのか」を考えるにあたって出てくる疑問についてガッツリ書いてくださっている本。 また、歴史教科書に対する批判もあり、「おおこの人もか!」と思ってしまった。ただ、小田中氏の場合は、倉山氏とはちょっと違って、教科書と言うよりも、教科書にそういう書かせ方をするシステムが問題と言う言い方をされていて、私もむしろこっちが問題だろうなと思いました。

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    投稿日: 2014.08.05
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    歴史学が役に立つらしい、と理解できたものの、文体のせいなのか読みづらい。又、結局「歴史はどうして学ぶ必要があるのか」という問いかけに答えてないのでは…?

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    投稿日: 2014.04.12
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    これはなかなかに興味深かった。学問としての歴史学を歴史小説から区別し、では如何に違うのかを紐解いていく。○○年に何があった、って授業で習うけど、果たしてそれは事実なのか、っていう疑問立てから学問が始まる。そこに至るまでに色々検証された結果が、現在一般に理解されている史実だろうから、それが簡単にひっくり返ることはまああまりないだろうけど、それを細かく調べて検証し直すっていう部分に向く興味は、歴史好きの自分にも理解できるものでした。

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    投稿日: 2014.04.01
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     名著級です。歴史を「学問」とするものは何か? 歴史学と歴史小説とはどこが違うのか? 歴史学は社会に何を貢献できるのか? そういう素朴にして巨大な疑問に正面から立ち向かった本。  そもそも「歴史学は史実を明らかに出来るか」という疑問がある。現在から過去を推し量ることはどこまで可能か? 本当に正しいことにたどり着けるのか? 本著は構造主義のインパクトも織り込んだ新しい解釈で、この疑問に立ち向かっている。  さらに、「歴史がなんの役に立つのか?」という疑問についても真摯に追究している。「従軍慰安婦論争」を例に取り、「新自由主義史観」の主張なども交えて、「役に立つってどういうことなのか」という課題にじょじょに迫る手際は、木訥とした味わいながら、非常に納得できるものだった。  歴史を学ぶ、ということは、実は非常に現代的な課題をクリアにしない限りできない営みである。「自虐的な歴史ばかり教えるな、日本人として誇りを持てる歴史こそが必要なんだ」という立場もあるだろう。「当事者の数だけ真実があるのだ」という立場もあるだろう。その中で、自分はどんな「歴史」を語れるのか。どうすれば、自分なりの問題を設定でき、自分なりの結論にたどりつけるのか。「歴史学」を学ぼうとする者は、常に揺れ動き、ひんぱんにつまずくのだ。この本は、初学者にとっての頼れる足場を提供してくれるだけでなく、歴史学に迷いさすらうときの灯台としても、必ず役に立ってくれることだろう。  壮大な課題に対して、きちんと考えるための枠組みを与えてくれるばかりか、希望を与えてくれる本は初めて。しかもわずか、200ページの新書でそれを達成しているところがすごい。歴史学の読書ガイドとしても素晴らしいので、すべての人におすすめ……としたいところだけど、せめて大学で歴史を学ぶ人は絶対必読。

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    投稿日: 2014.03.30
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    しゃべり口調で書かれているから、読みやすかったけど、内容は少し抽象的なことも多くて、とっつきにくい。 でも、歴史学に関して書いてある本を一度読みたかったから、所々なるほど!という文に出会えたかな。

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    投稿日: 2013.11.11
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    今月の1冊目。今年の88冊目。 歴史学の入門書。分かりやすかったし、文体もかたい感じではないので、歴史を学ぶことについて、その意味を考えたり、疑問を持ったりしている人は、読んでみた方がいいと思います。

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    投稿日: 2013.07.04
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    高校(中学)時代、歴史の授業は好きだった。歴史学、歴史を科学するとは? 問題 1歴史学は歴史上の事実である「史実」にアクセスできるか。 2歴史を知ることは役に立つか、どんな時、どんな形で。 3そもそも歴史学とは何か。 27 歴史の資料を史実ととらえるか、作り話ととらえるかは作者(小説家、著者)の考え方次第、自分の信ずる通りの方法で良いだろう。史実を証明できるほど、人生は長くないだろう。 40 歴史学での定義、過去に本当にあった史実を明らかにすることを「認識」、認識した史実に意味を与え、連想させイメージを描く「解釈」 99 歴史学の対象は1つしかない「事実」ではなく各各の「現実」 170 既存の歴史学は「文書資料中心主義」「口承の歴史および口述証言」は用いない。 183 ”自分の身近にあり,真偽を問わずとも役に立ちそうな過去は、「記憶」と呼ぶことができます”歴史は記憶である。

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    投稿日: 2013.05.08
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    歴史学は「社会の役に立つか」という問に対しては、割合さっくり「役に立つ」と言いきっているので、へぇ、と思い、ふと自分の専門を振り返ったりもしたが、「社会の役に立とうとするべきか否か」とは別問題だというのに、いろいろ感じるところがあった。

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    投稿日: 2013.01.04
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    歴史学入門兼ブックガイドでありつつ、史実を知ることは可能か、歴史学は社会の役に立つのか、という二つの問題を巡る論考でもあり。パラダイム論を用いた前者の議論はやや物足りない面もあるが、あとは自分で考えろ、ということか。 紹介されている本の中では『現代史を学ぶ』、『青きドナウの乱痴気』が気になる。

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    投稿日: 2013.01.02
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    何回か読み直しましたが、その都度考える機会をあたえてくれる是非ともお勧めしたい書籍です。あまりしないことですが、知人に何冊かお配りしました。 かつて、大塚久雄、丸山眞男、内田義彦などが文化系大学入学者の登竜門でした。色々な著作を読み、ゼミなどで自分の専門分野を深めていくいくにつれて、これらの書かれた啓蒙書の意味などがわかってきたように思われます。本書はいきなり理解できます。 本書は、タイトルのように歴史学とはいったいどういうものであるのか、あらねばならないのかを解説しています。だが、深いですね。社会、人文科学というものは科学たりえるのかという考察をしています。言葉の定義づけもしっかりされていて、齟齬,破綻もみうけられません。 歴史学の仕事の重要な要素として認識と解釈をあげらています。とっかかりとして、小説と歴史書の違いから始まります。それにまつわる具体的な話と抽象的な話をうまく関連づけされていて非常にわかりやすく書かれています。 歴史を学びたいが、小説ではと思っている方、学術書では大変だなと思っている方は、本書をお読みになって自分の学ぶ道筋をつけるのには絶好だと思います。 構造主義やポストモダンをわかりやす説明されていているので不勉強な私にとっては大変助けになりました。 「大きな物語は終わった」ということを知りたかった私は、とても収穫がありました。 従軍慰安婦問題を通して坂本多加雄、吉見義明、上野千鶴子の論争の話がでてきますが、学問のありかた、論争の意味など内容もりだくさんです。 一つの問題を考えると、また新たな問題がでてきますね。それをどのように処理していくのか、又、問題はどのような姿勢で考えていくべきなのかという重要なヒントがいっぱい詰まっている新書ですね。 蛇足ですが、出版社は、このような啓蒙書を新書としてだして欲しいものですね。それが、自分達の生き残りにつながると思うのですが。

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    投稿日: 2012.08.25
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    他の新書に比べると平易な言葉と 口語表現によって論理展開がなされる本書は とても理解しやすいものであった。 歴史学ってなんだ? というタイトルからもあるように 歴史学の入門書として良書を探していた著者が 無いなら自分で書こうと至った作品 歴史学の入門書ということもあり 歴史学者が研究を行うプロセスを より具体的に説明しようという姿勢が見て取れた。

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    投稿日: 2012.07.15
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    講義の参考図書で、最終レポートを書くのに読んだ。歴史を学ぶのって義務的だなと思ってたところがあったけど、ちょっと意識が変わったかも。またちゃんと歴史学ぼうと思った。

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    投稿日: 2012.03.08
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    本書は「素人のための歴史学入門講座」(「内容紹介」より)と銘打っているように、歴史を専門的に学んだことのない人々-特に、歴史は“暗記”であり、社会の役に立たない“虚学”だと思っている人々に向けた一冊である。 筆者が強調するのは、歴史学における“プロセス”の重要性である。それは、歴史家に必要な資質を「疑い、ためらい、行ったり来たりすること」(p.151)だと規定していることからも分かるだろう。つまり、教科書の記述(解釈)を暗記することが重要なのではなく、むしろ、その解釈を疑い、史料を通じて「より正しい解釈」を導き出す営みこそが、歴史学の本髄であると指摘する。さらに言えば、与えられた前提を疑い、使えるデータを批判的に解釈し、他の人々とのコミュニケーションを通じて、新しい解釈を打ち出すという作業は、歴史学に限らず、社会一般に役立つスキルであるとも言えよう。 その他にも、本書では様々な視点から歴史学という学問を分析していく。入門書という位置づけ故に、その記述の一部には、楽観的過ぎたり、簡略化し過ぎたりする部分がないわけではない。しかし、分かりやすさという点も含めて、これから歴史を学ぼうとする人(あるいは、歴史が嫌いになってしまった人)が最初に手にするべき一冊としてオススメしたい。

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    投稿日: 2012.01.26
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    高校の教科書を見て、「歴史は何の役に立つのだろう」と思った人向けの本。 歴史学は過去の真実(史実)を明らかにする学問である。 そして、史実という事物の根源を知ることで、その問題に定義づけをすることができる。 物事を考える際には先ず問題を意識する必要があるが、その問題の定義づけをするのに歴史は非常に役立つのである。

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    投稿日: 2011.11.30
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    「なぜ歴史を学ばなければならないのか」という問いは,多く聞かれる。筆者は歴史学がこれまで歩んだ経緯を示し,その存在意義を述べている。 歴史学が史料批判を通じ「より正しい解釈」に至ることの営みであることは,説得力がある。 近年の教科書問題にも通じ,その解決にも寄与する書だと思う。

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    投稿日: 2011.09.24
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    歴史学のところを中国古典文学と変えて読めば、そのままわれわれの専門分野のこととして理解できます。ぜひ読んで下さい。

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    投稿日: 2011.08.29
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    「歴史学」とは、一言でいえば「史実」を明らかにする学問、ということになるんだろうけど、ちょっと考えれば、本当にそんなことが可能なのか?(そもそも、その言い方はwell-definedなのか?)という疑問にぶつかることになる。本書は、歴史学の存立にかかわる本質的な問題に正面から取り組み、一般人向けに分かりやすく説明しようとする良書である。歴史学者と歴史小説作家は違うのか?正しい「史実」は存在するか?など、興味深い議論が満載で面白かった。ちなみに筆者の主張をまとめると、「解釈が一意に定まる史実はない。解釈を固定した場合も、史実を100%正しく認識することはできない。歴史学とは、より正しい解釈に基づいて、史実をより正しく認識し、よりよい歴史像を構築することである。ある時代の歴史学者の活動が正しかったかどうかは、歴史によって評価されるべき。」といった感じであろうか。私は、自己矛盾に陥りかねない、この身も蓋もない結論を基本的に支持する。(20世紀は、あらゆる学問がこのように総括された時代であった) 本書で言及されなかったテーマの1つに、「事象の発生から何年たったら、歴史学の考察の対象になりうるか?」ということがある。本書では、議論の具体例として従軍慰安婦の問題を大きく取り上げている。私は、従軍慰安婦の問題を、現時点(本書は2004年に出版された)における「歴史学」の対象に入れていいのかどうか、という基本的なところで躓いてしまった。当事者が生きている状況で「史実」を明らかにしようとしても、利害関係(賠償問題とか)が生々しく絡み合うため、「よりよい解釈」に基づく議論が成り立つとは思えない。中国における「正史」は、前王朝が滅びてから100年程度経過してから書かれるそうである[1]。利害関係や感情論を排して客観的な「史実」を探求することと、「史実」に根拠を与える膨大な史料(公文書)の整理に時間がかかることを鑑みると、事象発生から「3世代」が過ぎたあたりから歴史学の出番になるのかな、と個人的には考えている。 [1] 加藤徹「西太后―大清帝国最後の光芒」中公新書(2005)   http://booklog.jp/users/asaitatsuya/archives/4121018125

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    投稿日: 2011.06.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

     大学1年時の授業で勧められた本。「史実を明らかにできるか」、「歴史学は社会の役に立つのか」、「歴史家は何をしているか」という3つのテーマでページが割かれている。  突き詰めると ・史料批判でコミュニケーショナルに正しい認識をすることでより正しい解釈に至る ・真実性を経由することで、「コミュニケーションの改善」、「教訓を得る」という形で個人の役に立つ ・歴史家の仕事は「テーマを設定する」→「史料を探して読み解く」→「そこから得た知識を文章化する」の三段階にわけられる  ということになります。従軍慰安婦をめぐる論争の根底に「歴史は物語(フィクション)であるか否か」という問いがあったこと、「倹約」、「謙譲」、「孝行」といった美徳が規範になったのは江戸時代で、その結果「日本人は勤勉」という共通認識が生まれたということは、当時としては印象的だった。

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    投稿日: 2011.06.18
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    現・東北大学大学院経済学研究科教授(社会経済史・フランス)の小田中直樹による「歴史学」の解説書。 【構成】 序 章 悩める歴史学 第1章 史実を明らかにできるか  Ⅰ 歴史書と歴史小説  Ⅱ 「大きな物語」は消滅したか  Ⅲ 「正しい」認識は可能なのか 第2章 歴史学は社会の役に立つか  Ⅰ 従軍慰安婦論争と歴史学  Ⅱ 歴史学の社会的な有用性 第3章 歴史家は何をしているか  Ⅰ 高校世界史の教科書を読みなおす  Ⅱ 日本の歴史学の戦後史  Ⅲ 歴史家の営み 終 章 歴史学の枠組みを考える 「歴史は何のために学ばなければならないのか?そもそも社会や個人の役に立つのだろうか?年号ばかり羅列する歴史教科書への疑念。一方で相対主義や構造主義は”歴史学の使命は終わった”とばかりに批判を浴びせる。しかし歴史学には、コミュニケーション改善のツールや常識を覆る魅力的な「知の技法」が隠されていたのだ!」(表紙裏書きの内容紹介より)  本書の内容は上記内容紹介の通りであると思っていただいて、まず間違いがない。そもそも一般の人間には存在すらほとんど認識されない「歴史学」という学問。社会学、経済学、政治学、法律学といった所謂社会科学分野の学問は、多少の規模をもつ書店ならば1コーナーが設置されている。しかしながら、「歴史学」というジャンルが設置されている書店はほとんど無い。かのAmazonですら、「地理・歴史」のカテゴリーにおいて、歴史学者が書いた書物が上位100位のうち1冊あればいい方である。  「歴史学」は唯一無二の史実を明らかにする学問でもなければ、社会に決定的に有用な学問ではない。しかし、そうであっても妥当な「事実」を提示することとその時代に対する問題意識に対する「解釈」を与えることに際しては、「歴史学」的手法を採る以外にまっとうな科学的方法は存在しない。その一端を知る上で、極めて単純明快に解説をほどこしているのが本書である。無論、著者の意見に全て賛成であるということではないが、自分自身が「歴史学」を知らない人に伝えたいと思っていたことが、「かゆいところに手が届く」ように述べられている。  「歴史学」に触れたことの無い人にこそ、本書を手にとって欲しい。

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    投稿日: 2011.04.09
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    せっかくあまりにも素晴らしいテーマ設定なのに、話が冗長でよくわかんなかった。 結局、「結論はよくわかんないよ」ってことが言いたかったのかな。実際の結論もそうなんだろうけど。

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    投稿日: 2011.03.20
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    歴史は決まりきった事実の単なる暗記ではなく、日々変わりつづける現在進行形の解釈である。 このことに新鮮な喜びを感じた人はしかし、まもなく別のモヤモヤした疑問に包まれる。「それってけっきょく学者の思い込みじゃないの? 時がたつと変わってしまうような解釈の意味って?」…まっとうな疑問です。 そんな疑問を考えるときに教えられる本。 第1章は「歴史書と歴史小説」の違いから始まる。第2章では「じれったくてもがまん」してコンセンサスをつくることの意味(=社会的有用性)を、第3章では「歴史家は何をしているのか」というテーマで、高校までの歴史教科書がどうしてあんなにも退屈なのかを説明してくれる。 著者は現役のフランス近代史学者。フランスのアナール学派が20世紀歴史学を洗い直したという経緯もあって、フランス史家には歴史学の理論に強い人が多い。

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    投稿日: 2010.12.20
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    最近、あちこちで話題となっている歴史認識問題を易しく解説した本です。歴史学は暗記の学問だという思い込みをくつ返してくれるはずです。史学科に進学するまたは進学中の方は、ぜひ手に取ってみてください。 (九州大学 大学院生)

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    投稿日: 2010.10.07
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    [ 内容 ] 歴史は何のために学ばなければならないのか?そもそも、社会や個人の役に立つのだろうか?年号ばかり羅列する歴史教科書への疑念。 一方で相対主義や構造主義は、“歴史学の使命は終わった”とばかりに批判を浴びせる。 しかし歴史学には、コミュニケーション改善のツールや、常識を覆す魅力的な「知の技法」が隠されていたのだ! 歴史小説と歴史書のちがいや従軍慰安婦論争などを例に、日常に根ざした存在意義を模索する。 歴史家たちの仕事場を覗き「使える教養」の可能性を探る、素人のための歴史学入門講座。 [ 目次 ] 序章 悩める歴史学(「パパ、歴史は何の役に立つの」;シーン1・ある高校の教室で ほか) 第1章 史実を明らかにできるか(歴史書と歴史小説;「大きな物語」は消滅したか ほか) 第2章 歴史学は社会の役に立つか(従軍慰安婦論争と歴史学;歴史学の社会的な有用性) 第3章 歴史家は何をしているか(高校世界史の教科書を読みなおす;日本の歴史学の戦後史 ほか) 終章 歴史学の枠組みを考える(「物語と記憶」という枠組み;「通常科学」とは何か ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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    投稿日: 2010.05.29
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    とっても読みやすい入門書☆ Q史実を明らかにできるか Q歴史学は社会の役に立つか を軸に綴られている。 結論も納得w。 でも、歴史学ってより全ての学問に通じる結論だと思う。 社会科学、人文科学、自然科学… 曖昧さを肯定するには??的な。

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    投稿日: 2009.09.15
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    歴史学の概説書として最適。内容もそれほど難しいことが書いてあるわけではないのでサクサク読み進めることが出来ます。世間の評判も高い一冊です。

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    投稿日: 2007.08.24
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    歴史学は「史実を明らかにできるか」「社会の役に立つか」という二つの疑問に迫る。前者の問いの答えには結構納得させられる。歴史書と歴史小説の違いなども興味深い話題だ。

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    投稿日: 2007.04.23
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    ○歴史学ってなんだ?   小田中 直樹 著   PHP新書  タイトルを見て想像していたものよりずっと奥が深かった。(例えば構造主義だとか) そうか、そう単純な問題ではないのか。 かなり考えさせられる本であった。

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    投稿日: 2007.01.09
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    歴史学という学問のあり方を考察。歴史教科書問題や戦争認識問題に対するスタンスの参考になりますね。もちろん批判は大事だけれど、その土台作りには最適な本だと思う。

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    投稿日: 2006.12.06