
総合評価
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powered by ブクログ『空をこえて七星のかなた』が凄く良かったので、作者の他の作品も読みたいと思い、書名が面白いこちらを選択。 また多種多様な短編集。短編によって作風も変えており、新鮮に読める。 普段から繊細に物事を捉え、考えているんだろうな、と思います。自分も塀の上の猫を見て、あっモノレールねこだ!と思いつくセンスが欲しい‥。
42投稿日: 2025.09.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりに加納朋子さんの作品読んだけれど、やはり良いね。 表題作のモノレールねこ。 猫の首輪で文通をしつつ、その猫が亡くなってしまった後、文通相手と再開した時の話も良い。 モノレールねこというネーミングセンスよ。 パズルの中の犬 白いパズルちょっとやってみたいなと思うけれど、すぐに嫌になって辞めるんだろうな。 家族との関係も、なんかそんな感じなのかな。 マイ・フーリッシュ・アンクル ただのクソ叔父の話から一転、最後にはホッコリなんてよくあるけれど、やっぱりやられた。 シンデレラのお城 ちょっと怖いというか不思議な話。 忘れられない人がずっといるというのは幸せなことだろうか。 セイムタイム・ネクストイヤー 亡くなった方に出会えるホテル。 素敵な話。 こんなふうなみんなが幸せになれる形ばかりならいいのに。 ちょうちょう 恵ちゃんかわいい。 ランちゃん実はいい子。 ポトスの樹 こちらもくそオヤジかと思ったら、最後になにそれいい話やんってなるやつ。 「子供なんて、命に代えて守るようなもんじゃないですよ」 というオヤジのセリフの真因を知った時、なんとも言えない震えを感じた。 バルタン最期の日 めっちゃバルタンいいやつやん。もうこれから、ザリガニを見る目が変わる。 バルタンを通して描かれる家族の姿。全てを見ていたから知っているバルタンの思い。 想いに気付いていく家族。 凄く好き。
4投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログ多彩な日常を描いた短編集。 人と人が繋がったり、ちょっぴりわかり合ったりするお話でした。 短編集を一気読みすると、各お話の設定変化が目まぐるしくとても疲れる事を再確認。 時々開いてのんびり読了するのが良いです。
8投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログあなたは、『見れば見るほどデブで不細工なねこ』が好きでしょうか? ペットフード協会の調べによると、2022年度時点でこの国には906万9千匹もの『ねこ』が飼育されているようです。このレビューをご覧下さっている方の中にもその内の一匹はうちの『ねこ』です!とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。 一方でそのようなおびただしい数の『ねこ』がいれば、その姿、形はさまざまだと思います。もちろん、ご自身が飼育されている『ねこ』が一番!なのだと思います。他人が見れば『見れば見るほどデブで不細工なねこ』であっても、そこが可愛いんだよ!そう答えて目を細める方の気持ちは『ねこ』好きな方ならお分かりいただけると思います。 さてここに、『見れば見るほどデブで不細工なねこ』というタイトルの短編が表題作として登場する作品があります。『肉が小汚い毛皮の下で雪崩を起こしている感じ』とも形容されるその『ねこ』は一方で物語中とても大切な役割を果たします。そんな短編八つから構成されたこの作品。読後感が保証された幸せな読書を楽しめるこの作品。そしてそれは、加納朋子さんの優しい眼差しを具に感じる短編集な物語です。 『そのねこは、デブで不細工で、ノラだった』と『見れば見るほどデブで不細工なねこ』を見るのは主人公のサトル。『シンプルにいえば白地に黒のぶちねこ』というそのねこは『肉が小汚い毛皮の下で雪崩を起こしている感じ。なんかこう、スライムみたいな感じででろーんと広がってい』ます。『つくづく、見れば見るほど太ったねこで、「おまえちょっとはダイエットしろよ。腹の脇から肉が垂れてるぞー」』と『自分でいって、笑えてしま』うサトル。そんなある日、『お母さんの「しっ、しっ」という恐ろしくも鋭い声に何事かと出て行くと』、ねこが『縁側』の『取り込んだばかりの洗濯物の山の上に、どっしりと坐って』います。『ほら、サトル、見てないで追っ払ってよ』、『ほら、早く。洗濯物に毛が散っちゃう』と『ねこが大の苦手』という母親が命令します。やむなく『ほら、出てけよ。お母さんが怒ってるぞ』と言うサトルに『「ったくしかたねーな。じゃーどいてやるよ」というようなものすごく偉そうな態度で』ねこは場を後にしました。そんな別の日、『客間の、うちでは一番上等なじゅうたんの上で』『イリコが混じったゲロを』発見した母親は『あんなねこ、どっか遠くに捨ててきちゃって!』と『お父さんとぼく』に命令が下され『壮絶なバトル』の末に『段ボール箱』に入れ『やっとの思いで河原』で放すと『弾丸みたいな勢い』でねこは飛び出して行ってしまいました。 場面は変わり、『それからちょうど一週間後の日曜日』、母親の『「キャー」という悲鳴』に『客間に走った』サトルの前には、『お客さん用ソファの上に、のっしりと寝ころぶあのねこがい』ます。捨てることを『命じた張本人に真っ先に姿を見せるあたり、「やっぱりわざとやってるだろ」と』思うサトル。そんなサトルは、ふと『ねこの首に、赤い首輪がついてい』ることに気づきます。『首輪しているよ、あのねこ』、『前はしてなかったよな、あんなもの』と会話する父親とサトルは、『誰かに飼ってもらえたのか』もしれないと考えが行き着きます。そんな中に『いいことを思いついた』サトルは、『ノートを小さく切って、鉛筆で』『このねこのなまえはなんですか?』と『書き付け』、『細長く折りたたみ』、『首輪が二重になったところに押し込』みます。そして、数日後、『ぼくが入れたものとは明らかに違う紙がはさまってい』ます。『どきどきしながら紙を開いた』サトルは、そこに『モノレールねこ』と書かれているのを見ます。『なんという素晴らしいセンス!…塀の上に坐って、両脇から垂れた脂肪でがっちり塀を掴んでいる姿は、まさに「モノレール」以外の何物でもないじゃないか?』とサトルは『すっかり感銘を受け』ます。今度は『どうしてこのねこをかおうと思いましたか?』と『書いた紙を首輪にはさみこ』むサトル。数日後、『くびわはつけたけど、うちでかっているわけではありません…』と『返事が来』ました。そんな手紙の往復にやがて『いつの間にか、モノレールねこから手紙を書いた相手の方に』関心が移っていったサトルは、『ぼくは谷山小学校の五年です。きみはどこの小学校ですか?…サトル』と自己紹介します。そして、二日後、『同じ五年だけど、学校は水野小学校です。タカキ』という返信が来ました。『タカキって名前なのか』と相手に関心が募るサトルはその後もタカキとやり取りを続けます。そんな微笑ましい関係性のその先の物語が描かれていきます…という表題作の〈モノレールねこ〉。極めて読後感の良い物語が詰め合わされたこの作品を象徴するかのような幸せ感漂う好編でした。 “小学生の僕は、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが…”という内容紹介の表題作に興味をそそられるこの作品。「西日本新聞」、「小説NON」、そして「オール讀物」とさまざまな媒体に掲載された八つの短編をまとめた短編集になっています。八つの短編に関連性は一切なく、その内容も千差万別ですが、極めて読後感の良い物語ばかりであることが共通しています。 兎にも角にも極めて読みやすく親しみやすい短編ばかりが集められたこの短編集ですが、その一つの理由としては、コミカルに動物が登場する短編が幾つか含まれていることだと思います。そもそも表題作が〈モノレールねこ〉という『ねこ』が登場する作品でもありそんな印象にも引っ張られるところもあると思います。では、三匹を抜き出してみましょう。まずは、表題作の〈モノレールねこ〉の『ねこ』です。 『そのねこは、デブで不細工で、ノラだった』 → 『肉が小汚い毛皮の下で雪崩を起こしている感じ。なんかこう、スライムみたいな感じででろーんと広がっている感じ』。 ↓ 『塀の上に坐って、両脇から垂れた脂肪でがっちり塀を掴んでいる姿は、まさに「モノレール」以外の何物でもない』 冒頭の表題作に登場する『ねこ』はインパクト最大級です。「モノレールねこ」という書名の意味が分からなかった方も二度と忘れないくらいのインパクトを感じると思います。表紙に描かれた太々しい存在はこの短編の印象そのものです。でも、どこか憎めない存在でもあります。次は〈パズルの中の犬〉の『犬』です。 『コーヒーをわずかに垂らしたミルクの色。細い柔らかい毛並みは、風を受けた麦畑のように光の帯を波打たせながら、動く』 → 『パズルの上には、つぶらな二つの瞳と、ぴんと立った耳、濡れたような鼻面にその下からこぼれるピンクの舌が出現していた』 この抜き出しだけだと意味が分からないと思いますが、これ以上はネタバレになりますのでぼんやりとさせていただきたいと思います。一編目が『ねこ』なので、二編目はバランスをとって『犬』。まあそこまで狙ったわけでもないのかもしれませんが表題作とはまた違ったインパクトを与えてくれます。そして、最後は〈バルタン最期の日〉に登場する『ザリガニ』です。 『俺は公園の池に住む、一匹の若いザリガニだ。この世に生を受けてから、まだ一年にも満たない』。 そんな風に『ザリガニ』が登場する物語は、まさかの『ザリガニ』視点で展開します。 『まったく、人間ってやつは、なあ…』 そんな風に嘆き節も呟く『ザリガニ』視点の物語は想像以上に面白く、そして読後感よく物語を締めてくれます。この短編を読むためだけにこの作品を買っても良いくらいに出色の出来がこの短編です。いずれにしてもインパクトのある動物たちがこの作品のカラーを作っていることは間違いないと思います。 では、八つの短編、どれも甲乙受けがたい短編の中から、厳選して三つの短編をご紹介しましょう。 ・〈マイ・フーリッシュ・アンクル〉: 『いいか。気を確かに持つんだぞ。御家族が、亡くなられた』と、『朝練が終わって、呑気に朝ご飯を食べていた』『ところに、血相を変えた顧問の滝田先生』に言われたのは主人公のカスミ。『部活動の夏合宿とバッチリ重なっ』たカスミを残して香港旅行へと出かけた父、母、祖母。『泊まっていたホテルが火事』で三人とも亡くなったという現実。一方で先生に家へと送ってもらったカスミの前には『カスミー』と『おんおん号泣』する『今年三十になった』叔父のテツハルの姿がありました。大学受験に失敗し続け、そのまま家に篭り、『おばあちゃんの年金からお小遣いまでもらって』いたテツハル。そして、遺されたカスミとテツハルの奇妙な二人暮らしが始まりました…。 ・〈セイムタイム・ネクストイヤー〉: 『あの子が息を引き取ったとき、すべての物は色を失い、世界はそのまま崩れ落ちるかと思った』、『なぜ私は生きているのだろう?』と自問するのは主人公の『私』。『三十代も終わり頃になって、ようやく授かった子供だった』娘のことを思いだす『私』に、『夫は気晴らしに旅行に行こうと誘ってくれ』ますが、『そんな気になれない』『私』は『一人で行きたいところがある』と告げます。それは、かつて『娘の誕生祝いをした』ホテルでした。そして、『あのときと同じ、娘の誕生日に』ホテルを一人訪れた『私』は、『同じ部屋』へと入り『あのときのまま、何ひとつ変わっていない』と感じます。そんな中に『ママ』という声が聞こえ…。 ・〈バルタン最期の日〉: 『俺は公園の池に住む、一匹の若いザリガニだ。この世に生を受けてから、まだ一年にも満たない』というのは主人公の『ザリガニ』。『初めての冬眠から目覚め』た『ザリガニ』は『突然目の前に』現れた『蠱惑的な匂いを発する食べ物』に『自慢の強力なハサミで』取りつきます。そんな時『つかんだ獲物ごと』『水の外へと放り出され』た『ザリガニ』は『ヤッター』と叫ぶ子供に『プラスチックのバケツの中にぽとりと入れ』られてしまいます。そして『バケツに入れられたまま』『家まで連れて行かれた』『ザリガニ』。『ねえ、ザリガニの飼い方って、知ってる?』と訊く『お母さん』に『いや、わかんないよ、そんなの』と答える『お父さん』。そんな『ザリガニ』の運命や如何に…。 三つの短編を取り上げましたがそれぞれの舞台設定が全く異なることに気づかれると思います。『御家族が、亡くなられた』と顧問から連絡を受けた主人公が描かれる〈マイ・フーリッシュ・アンクル〉は冒頭から緊迫感が漂います。しかし、強烈な個性を漂わせる『叔父のテツハル』が一気に物語の雰囲気を変え、一つ屋根の下の不思議な二人暮らしがある意味コミカルに描かれていきます。これまた冒頭に娘の死が突きつけられる〈セイムタイム・ネクストイヤー〉も緊迫感が漂いますが、こちらは娘の霊の存在を匂わせる不思議感漂う物語が展開します。そして、まさかの『ザリガニ』視点で展開する〈バルタン最期の日〉は、『ザリガニ』視点という違和感が一瞬にして消え去り、思わずのめり込んでしまうストーリーが展開していきます。そして、そんな物語は上記した通り、すべてがすべて、極めて読後感の良い結末を迎えることが特徴です。私は短編集を読む時にはそれぞれの短編の印象をメモし、その出来を星付けしながら読んでいくのですが、どれもこれも甲乙付けがたい出色の出来の連続にとても驚きました。加納朋子さんの作品を初めて読まれる方にもおすすめしたい、とても素敵な読書を楽しめる物語がここには綴られていました。 『人生が一変するような報せなんて、世の中そうそうあるもんじゃない。なのにそれは、よりによって私の元へ、ある日突然やって来た』。 読者を強く引きつけるインパクトのある冒頭から開始される八つの短編が収録されたこの作品。そこには八つの短編がそれぞれに作り出す魅力溢れる作品世界がありました。インパクトある動物たちの登場にすっかり惹きつけられるこの作品。読後感の良さに読んで良かった感に包まれるこの作品。 とても優しく、とても丁寧に描かれていく物語世界にすっかり虜にさせられた素晴らしい作品でした。
269投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
モノレールねこ 人と人(物語によっては人と生き物)の絆、思いやりの物語です。 表題作の「モノレールねこ」は、不細工で太っていて塀の上で寝そべっている際に両脇に腹の肉が垂れていることからモノレールねこの首輪を通じた文通をしている相手が付けた名前です。不細工な野良猫を通した接点で繋がっている二人ですが。。。ラストが予想できるところが今ひとつでしょうか? 他に、ダメ男が出てくる短編が2編ありますが、この落ちはいただけないと竹蔵は思います。 最後の「バルタン最後の日」は、ザリガニと家族の絆ではなく、いじめられている息子とそれを何とかしようとする両親の絆のお話です。でも、けなげなバルタンにも着目してあげて下さい。この話しで、ザリガニを飼う際には空気ポンプが必須ということをはじめて知りました。どうりでうちのバルタン達は短命であったわけだ。。。合掌。 全体的に残念ながら竹蔵が心を動かされた物語はありませんでした。 竹蔵
1投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログ<再登録>猫の首輪に挟んだメモから文通がはじまる表題作はじめ、不器用で優しい8篇を収録した短編集。 適齢期を過ぎた女性と、婚約者が忘れられない男性とその婚約者の幽霊との奇妙な偽装結婚を描いた「シンデレラの城」、死んだ子供が忘れられず毎年同じホテルに宿泊する女性を描いた「セイムタイム・ネクストイヤー」がよかった。
0投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ今回はミステリ色は薄めの、家族や友人との物語。 少しダメな人達が次々と出てきますが、最後はニンマリまとまります。 "バルタン最後の日"が出色ですが、私がオジサンのせいか、他のダメなオジサンや父親の話にかなり惹かれました(笑)
6投稿日: 2024.04.25
powered by ブクログ初、加納朋子さんの作品を読みました。 タイトルにひかれて図書館で、たまたま借りた作品ですが、またいちからじっくり読みたくなるような短編集でした。 忙しい毎日にホッとできるような処方箋のような物語。 難しい言葉まわしなどもなく、自然と入ってくるような文章が面白い。他の作品もぜひ読んでみたくなりました。
3投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ8つのお話が入った短編集。 特に「バルタン最後の日」がお気に入り。 加納朋子さんのお話は、最後に心温まる展開があって好きだなぁ。
1投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ初作家さん。8編のお話しはどれも素敵でとてもおもしろくって、少し泣いちゃいそうになる場面もいくつかありました。 どの作品も良かったのですが特に「モノレールねこ」、「パズルの中の犬」は良かった!「シンデレラのお城」は悲しいお話しで少し涙腺が緩んじゃいました( ; ; )
18投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログある日サトルの家にやってきた一匹の太った野良ネコ。家の中の狼藉に母親に嫌われてしまい、遠くに捨てに行ったが、しばらくするとまた近所で見かけるようになる。それも首輪をして。ある日サトルはネコの首輪に紙をはさみ、飼い主と思われる人物と文通を始める。 加納朋子の、ちょっと不思議なファンタジー短編集である。てっきり猫の長編だと思っていたので、かなり短く終わってしまった表題作にあらら?と感じたのは事実。 その後、加納朋子らしい幽霊に関する話を数本、終盤は人間(ダメな成人男性)の話が数本、ザリガニである。 全体に、主人公のうまく行かない人間関係を、エクストラで出てくる動物であったりロボットであったり幽霊が、空気を読まずに引っ掻き回して解決するというような話である。空気を読まないのがポイント。 いくつかの作品は、ショートショートという雰囲気であるが、星新一というよりO・ヘンリーみたいだよなあと思っていたら、そのまんまの話が1本出てきた。 変な教訓めかして大人が子供に進めそうな話が多いが、教訓など考えずにサラッと読んでよい作品群である。軽やかで爽やかな一冊である。 加納朋子及び電子書籍の初心者におすすめしたい。
0投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログたくさん物語があってたくさん幸せな気持ちになって満足する。モノレール猫の題名が1話目って、以外と少ないのでは。ホテルの死んだ娘との1日限りの、奇跡が良かったよ、ささらさやの様に奇跡があるのかと思ったら、そう言う事ですか。でも貴重なお話で、実際には娘さん出てこないがしっくり来ていた。フロントの顔も名前もない人が凄い良かった。色が無くてもちゃんと輝いてました。加納朋子さんあと一冊あるので、楽しみたい、4冊もストックあって読んでしまうってね。
10投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログ2023.1.9 ブックオフでティに選んでもらった5冊のうちの1冊目。 それぞれ無くしたものがあって、そこに気づく事で成長する感じ。 私も気づかぬうちに失ってるものがあるんやろなぁと思った。(最近過去の記憶がだんだん薄れていってて、寂しい。)
1投稿日: 2023.01.12
powered by ブクログ8つの短編集 少し変わった切り口で始まり そうきたか、と思わされて 最後は涙をさそう話 「モノレールねこ」 ねこの首輪に紙を挟んで 2人の小学生がメッセージのやり取りをする 「マイ·フーリッシュ·アンクル」 突然家族全員を亡くして 何をやっても駄目な叔父と暮らす主人公 「セイムタイム·ネクストイヤー」 5才で亡くした娘との思い出のホテルに毎年同じ日に1人で泊まる女性とホテルでの出来事 この3つの話が個人的に好きだった 初めて読む作家さん 他の作品も読んでみたい
6投稿日: 2022.11.27
powered by ブクログ随分昔に呼んだ本なので、細かいところは覚えていないが、爽やかな筆のタッチで、最後に落語のオチのような表題の意味が明かされて満足、といった読み物であったように思う。
0投稿日: 2022.07.28
powered by ブクログにっこりできる短篇集 涙することもできる ファンタジーに分類されるようだ どの短篇も上手にまとめられていて うれしい 読んだ後味がとても気持ち良い シンプルでしんみりと、ほんわりと ◆モノレールねこ 塀に座り込むと腹の肉と皮が でろーん と下に伸びて 塀の上のモノレールみたいだから モノレールねこ と名付けられた ぶっさいくなデブねこ 首輪に簡単な手紙を括り付けて 文通らしきことが始まる 相手のことは知らないまま このねこが車に轢かれて死んでしまった時に括り付けられていた手紙 その後10年経ち その相手を知る 死んだ時に取っておいた首輪に手紙を括り付けて相手のオフィスの机の引き出しに入れておいた その返事は バーカ さらに首輪に括り付ける手紙は モノレールねこの絵だ ◆パズルの中の犬 真っ白のジグソーパズルを嵌め込んで行くと 小さい時に死んだ犬が出てきた パズルのピースのようにバラバラになっていた過去の暮らし アパート暮らしだった家族 嫌いになってしまう母親 ばらばらな家族 そして全否定されながらも女手ひとつで娘を育て上げる そんな傷にあらためて気付いた 小さい頃アパートの窓から眺めていた白い犬は パズルピースのひとつの中に歩って行って消えた ◆マイ・フーリッシュ・アンクル 高校生の女の子の家族は旅行先で全員死亡 残された親族は、ずーっとニートの同居してる叔父1人 亡くなった父の弟だ 何もしてない引きこもりだ 一緒に暮らすダメ人間の叔父が失敗を繰り返しながらも母親役になって頑張る 料理をしたらキッチンが凄いことになる そして10年経ち結婚が決まると相変わらずの叔父だが母親代わりにがんばって、さらには会社勤めもしてくれたことにも感動してしまう なぜなら 叔父が何もせずニートになってしまっていたのは父親の結婚相手、つまり母親に惚れてしまいずっと母親と一緒にいたかったんだと知ったからだった ◆シンデレラのお城 形だけの結婚をすることになった相手の男性には婚約中に事故で亡くなった女性が亡霊のまま一緒に暮らしていた ◆セイムタイム・ネクストイヤー 亡くなった娘と旅行で泊まったホテルに予約して泊まった そこで娘の影を見る その後10年間、毎年その日にホテルを予約して幻の娘と会うことに 同タイトル バーナード・スレイドの戯曲と同じパターン ◆ちょうちょう ラーメン蝶々2号店を出店するに当たり叔父さんにお願いして店を任せてもらった 店員は3人使う 最初は忙しい毎日が続くがネットの書き込みに悪評が書かれるようになるとパッタリだ 地道な頑張りに徐々に客は付いてくる ◆ポトスの樹 ダメ親父を持つ主人公 そのダメっぷりがスゴイ サイパンにはでかいポトスの樹があるんだとダメ親父の話 結婚して子供が産まれたら両家の親達はハンパ無い喜びよう 両家一緒に買い物中、いきなり若い男がベビーカーの子に刃物を振り下ろす ダメ親父が孫を守って身を挺し、背中で刃物を受ける ◆バルタン最後の日 さきイカで釣ってきたザリガニが主人公 ザリガニ目線で3人家族を見つめる 最後は留守中に窃盗犯が侵入しようとしたところをハサミで撃退し、自らは放り出され死ぬことに
0投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログ語り手は、ネコだったりザリガニだったり大人だったり子どもだったり… 読み終えた後に『よい』気持ちが残る8編
2投稿日: 2022.05.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いつ読んだんだったか。2008年とかかな? 薄めの短編集で、軽く読めそうだなと思って買った。 ちょっとさみしくて、でも温かい気持ちになるお話ばかり集まってました。 帯に書いてあった「ザリガニに泣かされるとは思わなかった!」という感想に「んなネタバレされたら泣けねぇよ」と思ったけど、まんまと泣かされた。 すき。
0投稿日: 2022.01.17
powered by ブクログ私にとってあまりハズレがない作者だけど、この本はちょっと微妙。 「モノレール猫」「ちょうちょう」 タカキが○○だったりランが□□だったりというのは、ちょっとなあ。 「マイ・フーリッシュ・アンクル」「ポトスの樹」 人の迷惑を顧みず好き勝手に生きるダメダメ男というのが嫌、そういう男が最後には何となく許されちゃうのがもっと嫌。 「パズルの中の犬」「シンデレラのお城」「セイムタイム・ネクストイヤー」 これらにはこの作者らしいお話の雰囲気はあるが、なんかもうひとつキレがない。 「バルタン最後の日」 いい話だと思うけど、解説の人には悪いがそこまでは泣けないな。
4投稿日: 2021.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2021/7/26 まさかザリガニに泣かされるとはね。ってあとがきに書いてあったけどまさにその通り。 短編集でどれも面白かった。
4投稿日: 2021.07.29
powered by ブクログ✩3.5 最後のバルタンがグッときた あとは思いつかない設定というか考え方?が多くてすごくよかった!!という感じではなかったけれど、なんか不思議な感じ?は残った 友達がおすすめしてくれた本
1投稿日: 2021.06.13
powered by ブクログモノレールねこってそういう意味!! 最後のデキ過ぎはさておき泣けるお話。 ネコ、かわいいなあ。 「バルタン最期の日」は泣ける話。 「マイ・フーリッシュ・アンクル」も好きだなあ。 全体的にテンポよくさくさく読める。 ちょっとホロっとくる。 長編を読んでみたいな。
0投稿日: 2021.05.26
powered by ブクログモノレールねこ、パズルの中の犬、マイ・フーリッシュ・アンクル、シンデレラのお城、セイムタイム・ネクストイヤー、ちょうちょう、ポトスの樹、バルタン最後の日。家族や過去の記憶をテーマにした心温まる短編集。 最初は少女漫画みたいと思いましたが、心の中になってくるとやっぱり小説かな。ちょっとミステリーっぽいところがいいです。
0投稿日: 2021.05.22
powered by ブクログちょっとほっこりするような短編集。 タイトルにもなったモノレールねこは、一匹の野良猫を伝書猫として、文通をしていた小学生だった男女が社会人になって、偶然先輩後輩として再会するお話。 小学生のヒロに拾われたザリガニが主人公の「バルタン最期の日」(家族の留守中に侵入しようとした強盗をはさみで撃退したものの、自分は水の中に戻れず死んでしまう)やおよそ父親とはいえない破天荒な生き方をしてきた男が無差別殺人犯から身を挺して孫を守った(自分の息子が子供のころ溺れかけても放置していたのに)「ポトスの樹」がよかったかな。 感動の話コーナーで紹介されてたので期待したけど、それほどではなかった。
0投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログモノレールねこ(文春文庫) 著作者:加納朋子 発行者:文藝春秋 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 日常の謎の名手が贈る心をじんわり暖かくする感動作。
2投稿日: 2021.04.29
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが…。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現われる、大切な人との絆を描いた8編。
0投稿日: 2021.04.27
powered by ブクログ家族や友情をテーマにした短編集。 思っていたのとは、ちょっと違ったけれど、自分にも似たようなことがったな…と思い出させてくれる懐かしさが漂う物語たちだった。 モノレールねこってどういう意味なのかな…と思っていたのだが、なるほど。 うちの子(ねこ)もまさにそんな体型ww
17投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ『いつかの岸辺に跳ねていく』がすごく良かったので、加納朋子さんの作品にもう少し触れてみようと思い読んでみました。 中学生くらいから読めるような内容で、この作家さんは家族の絆を語るのがうまいようですね。 悲しかったり苦しかったり納得しがたいことがあっても、その現実と前向きに折り合いをつけていこうとする姿がいいです。 どの物語も話の終わり方が穏やかで、未来への希望や幸福感を感じることができます。 8つの短編の中では、本のタイトルにもなっている「モノレールねこ」が好みかな。
20投稿日: 2020.10.24
powered by ブクログこのネーミングは・・・ よく考えると、とーっても失礼な名前だったりする(かわいいけど)。 強い女性と、すこーし弱い男性の組み合わせって、もしかすると結構うまくいくパターンなのかもしれないな、このあときっとうまくいくだろうな、とにんまりするような空気感がいいですね。 そのほか、情けないけど、それにはしっかり理由がある、そんな読後感のよい短編集です。
16投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログ優しくて、後味がすっとした物語たち。個人的には、『ポトスの樹』がいちばん胸に込み上げてきた。こんなふうに、大切なものを少しずつ取り戻して生きてゆきたい。
0投稿日: 2020.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登場人物みんな(人間じゃないのもあったけど)が、良い意味でも悪い意味でも人間らしい。 人間のいろんな部分や感情を見ることができる。 全部で8編。読み終わるとそれぞれ違った感情が溢れてきた。 個人的なお気に入りは「バルタン最期の日」 まさかザリガニに感動させられるとは...。 後はタイトルのセンスが素敵。簡単に読める。
0投稿日: 2020.08.22
powered by ブクログ全ての短編が思いもつかない設定で面白かった。 内容はグッとくるものが多く、ホロッとしながらも色々と考えてしまった。
2投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログNHK FMのラジオ文芸館だったか,番組名は不明なのだが,1週間前か2週間前に「モノレールねこ」の朗読を聞いて,小説を買ってみた. 短編集,ということを知らなかったが,全体的にほっこりというか,文体も今までにない(いい意味で)感じでよかった.『バルタン最期の日』は解説者が4回読んで4回泣いたとあった. 「人間なんてものはね、笑えている間は大丈夫だって。どんなに辛いことがあっても、お腹を抱えて笑うことができれば、きっと乗り越えていけるって。(以下略) が響いた. 『モノレールねこ』 ラジオ文芸館で聞いたとおり.ねこを失ってしまった後に偶然ながら(?)出会うふたり. 「パズルの中の犬』 犬から思い出す過去の記憶.母親との「話」. 『マイ・フーリッシュ・アンクル』 突然の家族の死.残された叔父さんとの日々. 『シンデレラのお城』 偽装結婚からの,「4人」の生活. 『セイムタイム・ネクストイヤー』 娘を失った母が,1年に1度,「娘」と会う. 『ちょうちょう』 ラーメン店での人間模様. 『ポトスの樹』 クソオヤジと俺の人生イベント. 『バルタン最期の日』 ザリガニが見たある家族の話.
1投稿日: 2020.04.11とてもやさしい短編集。
どの話も、さりげなく、せつなくてあたたかい。じわっと来たりする。 オトコマエなザリガニ、バルタンくんが愛おしい。
0投稿日: 2019.05.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
加納朋子、嫌いじゃないの。これ評判いいから読んでみた。 おなじみ日常の謎を解く短編集で、作者の温かい人柄が感じられる。 でも、まあそんなに謎解きに感心もしないし驚きもしないのよね。最後のザリガニが良いという人が多いのだけど、ザリガニがこれほど巧みに言葉を操る知性を持っているとは思えない。その点ですでに乗れないので感動もしないのだった。 っていうか、ラストシーンはもうあの世に行ってるわけで、いつ書いたのこれ?ザリガニになりきって息子が書きましたってオチがあるわけでもないし。 多和田葉子の『雪の練習生』みたいに、ああ、シロクマならきっとこんな文章を書き、こんなふうに思うだろうな、というのがないのよね…。そこまで求めるのは酷なのかもしれないが。
0投稿日: 2019.02.09
powered by ブクログ表題作の「モノレールねこ」を、掲載誌で読んだことがあったので、「アレ?同じのダブって買っちゃった?」と思った。 まあ、そんな事はどうでもいいわけですけど。 でも、過去に読んでいて、物語の筋も仕掛けも完全に分かっているのに、それでもやっぱり面白かった。 加納さんは短篇もいいんだよなー、と。 こう、「小さな物語」の良さみたいなものが、どの作品にも現れているように思う。 起伏は控えめに。だけど爽やかな読後感。山椒は小粒でぴりりと辛い、みたいな。 本書に収録されているどの短篇も、ふんわりとした幻想感が心地よい。 ほっと出来る作品。
1投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
またもや短編集だったのに気が付かず読み始め。 解説を書いた方は泣いたそうだが、そうそう私は泣けない。 電車で泣き始めても困るが。 一番好きなのは「モノレールねこ」かな。 モノレールねこはもう少し読みたかった。 二人がどうなったのか。 いや、こういう展開の場合大概はくっつくのだが。 でもくっついてしまっては面白くないし。 友達エンドを求む! 怖かったのは「シンデレラのお城」。 偽装結婚の二人がお互いの良いところに気が付き本当の愛を、というパターンかと思いきや違った。 主人公はヤンデレだった。 好きだったので偽装結婚のふりをして提案し結婚。 亡くなったら彼の母親へ依存。 ニヤリみたいのが怖いのよ。 「ポトスの樹」はイライラしながら読んでしまった。 あんな親父は嫌だ! 負担をかけないように、死んでもせいせいしたくらいに思われるように行動をしていたのだとは思うけれど、ねえ。 母ちゃん強い。 奥さん器がでかい。 どれも読むとさらっと入ってくる良い本でした。
1投稿日: 2018.09.13
powered by ブクログ「モノレールねこ」と「ポトスの樹」が好き。比較的に悲しかったり、辛いことよりも微笑ましい気持ちになれたから。暗くなったり悲しくなる物語を能動的に選べない、最近。現実に病んでるのかな。 「ポトスの樹」のオヤジがばかったれで愛おしい。こんな人、共依存してくれる相手がいなかったら生活していけるんだろうか、と思うけどオイラも他人から見れば程度の差はあっても似たようなもんかも。ひとりじゃ生きていけないってことなのかな。みんな、誰かにほどほどに迷惑をかけながら生きてるんだと思う。それでもいいじゃん、と思わせてくれたからこのふたつの物語が好きなんだな。
1投稿日: 2018.08.11
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猫の日に因んで選んだ作品。 なのに表題作の猫よりも、一匹のザリガニの話にやられてしまった。 様々なものを失くした主人公達が再び本来の自分を取り戻す、心温まる8本の短編集。 文通相手や幼い頃の記憶、家族…人は大切なものを失くしては途方にくれる。 そんな主人公達を、愛嬌たっぷりのデブ猫やつぶらな瞳でじっと見つめる犬、毎年同じ日に宿泊する黄昏ホテルのスタッフ等、みんなが温かく見守っていてくれる。 特にザリガニの「バルタン」の、のんびりしたお人好しのフータ一家を見守る眼差しには参った。 体が小さいからと見くびってはだめ。 体がどんなに小さくても家族に向ける愛情は、「バルタン」が生まれ育った公園の池よりも大きくて深い。
9投稿日: 2018.02.22
powered by ブクログザリガニの話が意外とおもしろかった。まさか泣けるとは。 小学校の時に身近なモチーフを主人公にお話を書きなさいという授業があったけど、こんな風に自分も面白い話をかけたらよかったのにと思い出した。
1投稿日: 2017.09.02
powered by ブクログ加納朋子さん、「無菌病棟より愛をこめて」に続く2冊目の本は、読み友さんに紹介いただいた「モノレールねこ」(2009.6 文庫)です。失くしたものを再び取り戻すまでの物語8話が収録されています。小学5年生の「サトル」と「タカキ」が「ねこ」の首輪につけた手紙のやりとり、今度会おう、いいよ、の後、ねこは車にはねられ・・・。このくだりでは「ひどすぎるではないか」と思いました。でも10数年後、この二人が社会人となり同じ会社で出会って・・・。その間ずっと二人の中に生き続けてることで「よし」としましたw。
1投稿日: 2017.04.28
powered by ブクログちょっと不思議な話を集めてみました、といった感のある短編集。 各編は完全に独立しているので、加納朋子=連作ミステリという期待をしているとちょっと消化不良かなあ、という印象も正直あります。 が、1つ1つの作品の出来栄えはやはりさすがの一言。なんでもない日常と、そこからはみ出したちょっと危うい世界の配分具合が絶妙で、なんとも小粋な仕上がりとなっています。 個人的な一押しは(少数派のようですが)「シンデレラのお城」。ラストのどこか背徳的?なゾクゾク感がたまりません。これ、直前に「パズルの中の犬」を読んでいるからこそ、怖さ倍増なんでしょうねえ。
1投稿日: 2016.10.08
powered by ブクログ『にゃんそろじー』に収められている表題作だけ、以前読んだことがあった。 だから、どんな作家さんか、まだよく知らない。 本短編集では、何か心に傷を抱えた人が、ひょんなことからそれに気づき、少しずつ乗り越えていく物語ばかりだ。 家族があっけなく全員死んでしまったとか、驚くべ展開があるので、どんなことになるのか…とはらはらするけれど、最後に救いがある。 親子関係を取り上げる物語が多い。 「(母は)支配することでしか(娘である主人公と)関係を築けない」とか、両親が共依存だとかというフレーズが出てくるが、できればそういう直接的な言葉で説明するのではなく、そうわからせるような描写をしてほしい気はする。 一方、動物が大きな役割を果たす表題作と、最後の「バルタン最期の日」は、独特の味わいがあって、面白い。 ザリガニの一人称語りって、初めて読んだ(笑)。
1投稿日: 2016.09.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルに惹かれて。 ねこが出てきたのは表題作「モノレールねこ」だけでした。 タイトルにもなっているのはデブねこのことで、両脇から垂れた脂肪でがっちり塀を掴んでいる姿を思い浮かべてもらえれば、誰しも「成る程」と思うところであろう。 そんなねこを介して交わされる文通。最後はご都合主義。 他の物語も動物がたくさん出てくるよ!
1投稿日: 2016.03.09
powered by ブクログアンソロジーで表題作を読んで気になったので。モノレールねこのお話はあの1話で完結だったのね。そこが少し残念。でも他の話も心温まるよいお話だった。
1投稿日: 2015.09.24
powered by ブクログ普段は読まないジャンルの本を薦められたコトがキッカケで読んだけど、見事にやられて、また読み返したいという本になりました。
1投稿日: 2015.04.25
powered by ブクログ”ザリガニの話で泣くなんて思いもしなかった” もうね、帯の通りです。 バルタン、おまえ最高にイカした奴だよ。 8つのお話から成る短編集。 どれも決して目を見張るようなお話ではないけれど ほっこり温かい気持ちにさせてくれます。 誰かとゆったり共感したいお話ばっか。 「そんなに負けるのは悪いことかなあ…だって負けるやつがいなきゃ、勝つやつもいないだろ」(『マイ・フ―リッシュ・アンクル』) カスミが泣けてよかったー。
1投稿日: 2015.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集。 どれも、「死」という重いものが素材だけれど、 なぜが、読後感は優しい。 様々な別れを受け入れながら 生きているのだ。 人も、ザリガニも。 お気に入りは「モノレールねこ」 名前の由来が、他人事(他猫事?)とは思えない。
2投稿日: 2015.03.24
powered by ブクログ全部良かったけど,ひとつだけ挙げれば「マイ・フーリッシュ・アンクル」。 叔父さんが何故全ての努力を放棄して家にいたのか。 それが亡き家族への手紙で分かる。 この人の作品には,柔らかに相手を思える人が多いんだろうなあ。
1投稿日: 2015.03.16
powered by ブクログありきたりな感じでつまらなかった。 一番最後のバルタンの話ぐらいは面白かった。 泣くほどでもないけど。
0投稿日: 2015.03.06ザリガニのくせに……!
めちゃくちゃいい作品なのにこれまで何故かレビューが書けなかったので、やっと書き込み画面ができて小躍りしながらのレビュー。みんなに読んでほしい。 もとより加納朋子は連作短編の名手だけど、この短さでこれほど心に残るストーリーはちょっとないんじゃないかと思う。 日常に潜む小さなミステリ、そこにまつわる人々の温かさはいつもの通り秀逸だけど、本作はそこに生と死がからんでくる。とはいってもありきたりなお涙頂戴ではなくて、どこかとぼけた登場人物達が心に抱えた悲しみや優しさが迫ってくるようで、どの短編も思わず涙をこぼさずにはいられなかった。 中でも最高傑作なのが「バルタン最期の日」。 主人公であるザリガニの視点から彼の飼い主である少年とその家族の姿が描かれる。人間とザリガニという種族の壁、水槽のガラスという物理的な壁に隔てられたバルタンが家族を眺めているうちに次第に彼らに情愛を抱き始める、淡い紐帯と家族のためにバルタンが最後に見せる漢気がたまらない。 何度読み返してもバルタンが格好良すぎて拳を握ってしまう。ザリガニのくせに!
2投稿日: 2014.12.22
powered by ブクログthey are very short 8 stories, but get my mind all of them. mono rail cat, a dog in the puzzle, my foolish uncle, castl of Cinderella, a same time and next year, the butterfly, potos tree, eternal day of Valutan are graceful!!
1投稿日: 2014.11.26
powered by ブクログ大人のためのファンタジー童話と言うのかな、奇をてらったオチはなく、どの話もすんなりと収まるところに収まる短編集。かと言って地味な訳でもない。その匙加減というかバランスがなかなかいい。文章が上手い作家さんだと思う。
1投稿日: 2014.11.06
powered by ブクログ短篇集だが、どのお話も心の琴線に触れる。 ファンタジーちっくだが、良いさじ加減。 初めてこの方の作品を読んだが、他の作品も是非読んでみようと思った。
1投稿日: 2014.10.08O・ヘンリのような、心温まる8つの短編集
表題作の「モノレールねこ」は、デブで不細工な野良猫。ある日、猫に赤い首輪がつけられているのを見て、ボクは首輪に紙切れをはさむ。「このねこのなまえはなんですか?」「モノレールねこ」 返事をくれた相手とボクは、モノレールねこの首輪を介して文通のようなやりとりを始めます。 ちょっと変わった話のように見えて、実は誰もがこんな経験をしているのではないでしょうか。自分と親友だけが知っている、秘密の冒険のような物語に、わくわく胸をときめかせていた思い出が。 懐かしかったり、せつなかったり、こわかったり、腹立たしかったり、様々な感情を揺り起こして、最後は心に小さな灯りがともるのを感じる。 大切な人へのプレゼントにもおすすめしたい一冊です。
2投稿日: 2014.07.18
powered by ブクログ宇宙一カッコイイ、ザリガニのお話し。 毒々しくてキツイ短編も多かったんですが、最期の彼(V)o¥o(V)に救われました、浄化されました。 セイムタイム~は、『ツナグ』を連想しますね。(ホテルで死者と会って、生者が救われる。) 仕掛け的にこっちの方が好きです。
1投稿日: 2014.06.22
powered by ブクログ加納さん初読み。 一番好きなのは『シンデレラの城』でした。 切ないけど、幸福は人それぞれ、そう思えるお話でした。 『ポトスの樹』はあまり好きじゃないです。。。
1投稿日: 2014.05.13
powered by ブクログ大人のための童話という感じ。表題作がお気に入り。ほわんとしたい時に読みたいです。笑顔を引き出してくれたり、いい涙をさそってくれたり、白いお話の詰まった短編集です。
1投稿日: 2014.02.11
powered by ブクログ太っていて、塀の上に座っている姿がまるでモノレール、ということから付けられたこのネーミング。このモノレールねこが起こす奇跡とは・・・。日常生活の中で、ほんとうに起こりそうな小さな奇跡がちりばめられていて幸せな気持ちになれる、そんな短編集です。
1投稿日: 2014.01.08
powered by ブクログ短編集は少し苦手なんだけど、すぐに引き込む感じが良かった。『シンデレラのお城』が、物悲しく、なんだか残った。
1投稿日: 2013.11.16
powered by ブクログザリガニ目線で語られるバルタンは面白く読めた。が、その他の話がつまらない。短編集で、一つひとつのエピソードに衝撃の事実(いわゆるオチ)が語られるのだが、どれも意外性がなく「え、それだけ?」とか、「なんだ、そんなこと…」という感じで拍子抜け。なんとなく現実離れした雰囲気も好きになれなかった。軽くて読みやすいけど、読後に何も残らないこの感じ、あんまり好きじゃないなぁ。この人の本はこれが初めてだけど、他のも読みたいとは思わない。
0投稿日: 2013.10.17
powered by ブクログ不細工な猫の表紙に惹かれてジャケ買いです。 どれも最後には暖かくなるお話でした。 本当にザリガニで泣きそうになるとわ(笑)
1投稿日: 2013.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まず猫の描写で笑ってしまいました。どうして不細工な猫に愛らしさを感じてしまうのか^^; あの飄々としてふてぶてしい感じが猫好きにはたまらないですね♪ モノレールねこの最期には涙がでてしまいましたが、その他の短編もどれも心に沁みる話ばかりでした。特に『ポトスの樹』『バルタン最期の日』が良かったです。家族愛を感じました。 心の奥底で思っていることは人に伝わらないことも多いですが、それが深い愛情だった時は、やっぱり悪い人はいないととても幸福な気持ちになります。
4投稿日: 2013.09.27
powered by ブクログ優しい、柔らかい雰囲気の短編集。 好きなのは「ポトスの樹」と「バルタン最期の日」。泣きはしなかったけど、ザリガニに心揺さぶられる日が来るとは思わなかった。 友達の家でザリガニを飼っていて、翌朝、水槽から逃げ出していた、というのを思い出した。見つけてもらえてよかったね。 8編収められているけれど、先が読める話があったり、展開が都合いいなって思える話があったり。でも、物語の底に、登場人物を見つめる温かい視線を感じられるのが心地よい。 でも、「マイ・フーリッシュ・アンクル」だけはダメ。ホラー仕立てにも読める「シンデレラのお城」よりもぞわっとした。
1投稿日: 2013.09.16
powered by ブクログ短編集。表題作の『モノレールねこ』を読み終えた時は期待外れの1冊になる気がしたが、コメント等で評判の良い『バルタン最後の日』までは我慢してみようと読み続けた。『セイムタイム・ネクストイヤー』では全ての登場人物の優しさが感じられた。『ポトスの樹』の主人公の父親のクソオヤジっぷりは笑えた、特にラジコンカーの話が好き。『バルタン最後の日』は涙が流れるまではいかなかったが胸は熱くなった。もう少し長い作品ならザリガニに泣かされてた可能性は高い。
1投稿日: 2013.09.05
powered by ブクログ2013年8月30日読了。塀の上に寝そべる姿が「モノレールのような」猫を通した文通の顛末を描く表題作ほか、ちょっと奇妙で温かい短編8編を収録。私が読んでみようと手にとってみたのもそれが理由だが、「モノレールねこ」のような名づけ方のセンスがなかなかいい、私の場合せいぜいが「でぶねこ」だったからなあ・・・。ミステリも手がける作家のようで、どの短編も終盤に向けちょっとした驚きが用意され、また基本ハッピーエンドで笑い泣きして終わるような構成で安心して読めた。純ミステリな他の作品も読んでみたい。
1投稿日: 2013.09.01
powered by ブクログ完ぺき、ジャケ借りww 加納朋子さん、初読み~♪ しかし、これが非常によかった!! マズイ、また読みたい作家さんが増えてしまった予感・・・( ̄▽ ̄;)
1投稿日: 2013.08.10
powered by ブクログ普通の短編集 この人は連作の短編が秀逸だけど、短編だけでもなかなか 無理に感動させようとしているような演出もちらほら でもまぁ許容範囲 いきなり数年の時間が経過するあたり もっと掘り下げれば長編にもできそうなのになぁ~と思う 個人的に好きなのは「シンデレラのお城」かな
1投稿日: 2013.07.23
powered by ブクログちょっと不思議で,ちょっと切なく,そして心の芯がほのかに温かくなる短編集.全8編.どの話も夢中で読んで,泣いてしまいました.O.ヘンリーみたいな感じの作風かな.僕は,最愛の娘を失った母親が,娘の後を追うために訪れた思い出のホテルで起きた奇跡の物語,「セイムタイム・ネクストイヤー」が一番好きです.皆さんは,どの物語が印象に残ってますか.
1投稿日: 2013.06.28
powered by ブクログ著者は文章がうまいねえ。 全体的に、短い紙幅で出来事を詰め込みすぎの感があるけれど、その違和感を補って余りある文章のうまさ。「文章うまいは七難隠す」だね。 と、少々の違和感はあれど、総じて内容も良質。「素敵な物語」ばかりで、素朴に感動することができる。「いい話だなあ」って。 とは言え最後のザリガニの話はさすがに無理があるだろう、と思っていたら、巻末に解説書いた人は、これがいちばん良かったんだってさ。 えー、そうなのー!いや、人の好みはそれぞれだなあと驚いた次第。
1投稿日: 2013.05.16
powered by ブクログザリガニに泣かされる日がくるとは夢にも思わなかった。静かな日々にある感動を伝えてくれる一冊だと思いました。
1投稿日: 2013.05.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この作家さんを知ったのはこのお話が最初だった。 猫の表紙にひかれて本屋で立ち読みをして、どうしても欲しくなって。もっとゆっくりじっくり読みたいと思った。 お話の書き方が好きです。描写もわかりやすくて、あーはいはい、ってすぐに頭で想像できる。 猫の首輪に短い手紙をはさんで会ったことがない友達と手紙のやりとりをするお話。最近インターネットで同じような事が簡単に出来るけど、これが猫の首輪にはさんだ手紙になるとまた変わってくる。モノレールねこっていう題のネーミングもいいなぁって思いました。 他にはマイ・フーリッシュ・アンクル。そしてなによりバルタン最期の日が好きです。バルタンはザリガニのお話なのに、なんでこんなに、こんなにいい話なんだろうと…。
1投稿日: 2013.03.26
powered by ブクログタイトルの《モノレールねこ》につられて短編集だとは思わず衝動買いしてしまったが、成功だった。 (どうもねこに弱いもんで) その中で良かった物語を三選。 ○マイフーリッシュアンクル なかなかよかった。 家族が亡くなり、弱気でダメダメな叔父と強くしっかりしている夏澄が2人で暮らすことになる。 叔父と子の関係から、段々と家族になっていく過程が違和感なしに読めた。やり取りも微笑ましい。 ○ポトスの樹 この作品集の中では最も好きな物語です。作中で語られるには『ロクデナシのオヤジ』。これまた豪快で、ガキ大将のまま育ってしまったんでないか。息子から語られるエピソードも、大人にとってささいな事も、子供にとっては物凄く大切なことなんですよね。 ただのオモチャでも宝物、たった100円でも子供にとっては大金。 それでも最後には最高に男らしく父親らしい『オヤジ』を見せてくれます。 とても良かった。 ○バルタンの最後 ザリガニ目線のお話。 本当にそういうこと思っていたら面白いなと思った。生き物目線のお話は実に感心深い。 この作者さんの本は初めてですが、面白さが安定している印象。個人的には後半からが本番かな。 ただ、多少急展開な部分が目立つかも。突然の事故でキャラが死んだり、予兆も前触れがなかった為「いやいやいやちょっと待ってそれは…」なんてことも。少し腑に落ちなかった。 ねこの物語は『モノレールねこ』のみなので、念のため注意。
4投稿日: 2013.02.24
powered by ブクログデブなノラ猫が塀の上を歩いている様はまるでモノレール。 その猫をメッセンジャーとした文通が始まる「モノレール猫」。 とある小学生に吊り上げられたザリガニの視点から家族を描いた「バルタン最期の日」など、8作品からなる短編集。 個人的にかなり好きな作風。 登場人物は大抵大切なものを失っており、基本的にはその喪失をいろいろな形で乗り越える話なのだが、そのエンディングの表現具合が絶妙。 語りすぎず、語らなすぎず。良い後味を残してくれる。
1投稿日: 2013.02.19
powered by ブクログ短編集。 猫好きなわたしとしては「モノレールねこ」のブサイクさと 絶妙なネーミングにやられた(笑) 「ポトスの樹」のダメオヤジや 「バルタン最期の日」のザリガニには、ほろっとさせられた。 どれも切なく温かい話で ほっこりしたいなーっていうときににオススメ。
2投稿日: 2013.01.10
powered by ブクログラジオ文芸館で「バルタン最期の日」が取り上げられたのを、偶然彼が視聴。 よもやザリガニの話に涙するとは。。。ということで早速購入。 本作のテーマは現代社会においてとても重いはずなのだけれど、当事者ではなく、まして人間でもない生き物の視点を通して描かれたことで、すらすらと読み進められます。 すらすらと進むのだけれど、そこに生まれる余裕が問題に思い巡らす心の余裕を与え、なかなか奥が深い。 タイトルにもなっているように、結末は窺い知れるのですが、それでも涙が。 子供でも読める内容&長さです。が、これは大人の読み物かと。
1投稿日: 2012.12.07
powered by ブクログなくしたもの、の先にあるもの。 それは、ほのかな希望なんだよ、と教えてくれる本でした。 「パズルの中の犬」が良かった。
1投稿日: 2012.12.03
powered by ブクログ本のタイトルにもなっている「モノレール猫」にしても、あまり捻りがなくオチが読めてしまうのですが、どれも温かい気持ちになれます。 短編で意外性のある展開と感動的なラストって難しいと思うので、バラエティで勝負なんじゃないでしょうか! 全編読んで一番好きなのは「パズルの中の犬」かなあ。
1投稿日: 2012.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
誰かを、もしくは何かを、なくした人たちが、それを受け入れて、一歩前に進む物語。 「日常の風景」をうたい文句にしているわりには、結構、ショッキングなことが起こる。「マイ・フーリッシュ・アンクル」とか「ポトスの樹」とか。それでも、わりとあっけらかんと、希望が描かれるので、読後感爽やか。 それにしても、ザリガニが語り手の小説って、本邦(国際的にも?)前代未聞にして、絶後じゃないか。
1投稿日: 2012.10.21
powered by ブクログ珍しく死を(他殺ではない)多く扱ったトーンが暗い短編集。それが良いところでもあるのだが、みんな甘えたちゃんな・・・ここまでテンコ盛りだとちょっとイラっとするね。
1投稿日: 2012.09.15
powered by ブクログ加納朋子 文藝春秋 (2009/6/10) (文春文庫) 大好きになりました 加納朋子さん 推理小説家ということですが これらはほんわりとした作品ばかりでした ちょっと不思議なこともあるけれど すっと読めて後味がよい こういうの 好きです モノレールねこのぶさいくさ うふふです 8編ともそれぞれよかったな ≪ ザリガニに 本音を語り 家族へと ≫
2投稿日: 2012.08.28
powered by ブクログただほんわかしてるだけじゃない。 ほんのりピリッとスパイスが盛り込まれた1つ1つの物語たち。 ちょっと疲れてる時、頭空っぽにして読める本でした。 文体も優しい雰囲気。 ※初読み作家さん。
1投稿日: 2012.08.23
powered by ブクログタイトルと表紙に惹かれました。 モノレールでねこ。ねこバスに乗りたい私は、わくわくしながら手に取りました。 大変読みやすい文章で、作者の方の優しい目線で物語は進んでいきます。 短編集なのでさくっと読めますが、美味しいクッキーの缶詰めを貰った時のように、大事に読みたくなります。 我慢できず、一気読みしましたが。 どれも素敵ですが、バルタンが特に印象的です。 ザリガニはやっぱり怖いですが、バルタンの憎めない愛しいキャラクタに、胸がいっぱいになります。 優しい気持ちが詰まった作品です。
1投稿日: 2012.07.29
powered by ブクログ短編集 一つ一つが心温まる作品 家族の絆だったり友達との絆・・・ 日常に溢れる当たり前の人間関係を描くのがうまいなぁ。と思った。
1投稿日: 2012.07.18
powered by ブクログ心温まる短編集。どのお話もほっこりする。 「モノレールねこ」のネーミングが素敵。思わずそのブサイクな猫を想像して笑えてくる。 どうしようもないダメ親父の話を描いた「ポトスの樹」、ザリガニが主人公の「バルタン最期の日」にほろっと泣かされた。
3投稿日: 2012.07.04
powered by ブクログ現実から3cm浮いた浮遊感で、そっと優しく語られる「絆」の物語たち 裏表紙には、「日常にさりげなく現れる、大切な人との絆を描いた8編」とある。 主人公の年齢・性別はさまざまだが(最終話の語りはザリガニだったりするので、種も超えている)、語りが一人称である点は共通している。 繊細な心理描写や日常の一コマは非常にうまい。待つことの不安やネコ嫌いのお母さん、突然現れる宗教勧誘の人。 全体としては、そうした描写をベースに、ややファンタジー要素の混じった、「少しだけ」現実離れした世界を作り上げている。 「モノレールねこ」。いささか偶然が過ぎるが、ほのぼのしみじみとした話である。モノレールねこの造形がよい。 「マイ・フーリッシュ・アンクル」。この叔父さんは、人物設定としてちょっと無理があると個人的には思う。同じダメ男でも「ポトスの樹」の父は何だかいそうな気がするのだが。 「シンデレラのお城」。佳品。現実と妄想の融合がひたひたと怖い。怪異の世界が手渡しで継承されていくところも。日常にふと見える亀裂を感じさせるところに、この作品は成功していると思う。 「セイムタイム・ネクストイヤー」。小品だがコンパクトにまとまって幻想的である。此岸と彼岸の間のような、「中2階」のような作品舞台がよい。 (上記2作は、心温まるというよりはソフトなホラーだと思う。) 「ちょうちょう」。わかりやすくてよいが、ちょっとO・ヘンリーを思い出してしまった。 「バルタン最期の日」。ザリガニが語り手である。脱皮するところで大受け。加納さん、ザリガニ飼わされましたね・・・? 飼った人でなければ書けないと思う。ザリガニを飼ったこと・飼わされたことがある人には3割増で楽しめます。 絆を描いた作品とのことだが、日常の謎といった趣きもある。 欲を言えば、いささかちぐはぐな感じがするところがところどころ気になる。緻密に精緻に練り上げられたという感じが薄いというか。 この辺は読む人によって差があるところなのだろうか。 などと分析してみたが、最後にあとがきを読んでちょっと反省した。 一連の作品群は、何かを喪失した人々が、それを取り戻すまでの物語なのだと。 そうか、そう言われればそうなのだ。 ファンタジックで読みやすい物語に包み込まれたのは、そういう優しさなのか。 4回読んで4回ともザリガニに泣かされてしまった解説者さんに比べて、「・・・んー、うちのザリガニは私の危機を救ってくれはしないと思う」と密かに思ってしまった自分は、ちょっと人生の垢にまみれすぎてしまっているのかも。 *『ザリガニのかいかた・そだてかた』つながりで紹介してもらった本。 *この著者の本は、『七人の敵がいる』と、遠い昔に『ななつのこ』を読んだきり。『七人の敵がいる』はかなりかっ飛ばした感じだったが、本作のような路線が著者本来のホームフィールド、なんだろうか。 *他の本の書評で、著者、闘病中と知る。ご快復をお祈りします。
2投稿日: 2012.06.23
powered by ブクログフーリッシュな叔父さんとの話。 「シンデレラのお城」はゾッとしたのだけど…特にラスト。私だけかな。
1投稿日: 2012.06.05
powered by ブクログ「バルタン最後の日」がヤバかった… 借りている間、何度も読んだ 難しくない、ストレートな表現が多いので頭を使わずゆるゆる読める本
2投稿日: 2012.04.11
powered by ブクログほわっとした余韻が残ります。 8話の短編集は絆がテーマで、 「バルタン最期の日」が一番面白かった。 バルタン、立派な最期だっだぞ!
2投稿日: 2012.04.04
powered by ブクログほっこりと暖かく、ほんのりと切ない。優しい雰囲気の短編集。 意外にも「マイ・フーリッシュ・アンクル」が好きだ!家族ってそんなものかも知れない。
2投稿日: 2012.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが…。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現われる、大切な人との絆を描いた8編。 】
1投稿日: 2011.12.02
powered by ブクログ優しい気持ちになれる短編集。 とても読みやすいし、少し笑える部分があったり、泣ける部分があったり、一冊で凄く良いものを貰った、という気分にしてくれる。
1投稿日: 2011.11.01
powered by ブクログモノレールねこが死んでしまったときの、サトルの悲しみが、猫の描写とともに伝わってくる。 大人になって、タカキに会えるところに、なんだか夢があって、いいなあ。
1投稿日: 2011.09.30
powered by ブクログ相変わらず加納さんワールドは素晴らしい。 表題のモノレールねこのぶさいくさとかを想像してほんわりしてました。
1投稿日: 2011.09.11
powered by ブクログ加納朋子は「ななつのこ」シリーズが好きなんだけれども、本作はそれらとは毛色が違うように感じた。 納められている八つの短編は、いずれも日常の隅っこに転がっている非日常を拾い上げて心の隙間を埋めてやることで、それぞれが何かしらの幸せを見いだす、という話だ。 だが、あまり読後感の幸福感はなかったことが残念。 不思議さやトリックもあまり物語に効いてこないし、男の子で語ろうが少女で語ろうが、ほぼ変わらず言い回しが古い。そうさせるならそれだけの背景が必要だろうし、短編であるせいかキャラクターが薄い。 その点で不満が残った。
1投稿日: 2011.08.10
powered by ブクログ短編集。 痛みや喪失を併せ持つ、それぞれの登場人物。 悲しく、でもどこか温かく。 読後はどの短編でも涙してしまう。 『バルタン最期の日』 ザリガニ視点だけど。 家族をひとつにまとめるハートフルなお話。 最後はありえんけど、家族を想い、家を守ったバルタンに拍手☆
1投稿日: 2011.08.03
powered by ブクログ短編集。どの短編にも誰かが痛みを抱えていて、でもどこか優しい物語ばかり。『ポトスの樹』『バルタン最期の日』は★4でもいいくらい好きな作品。
1投稿日: 2011.08.03
powered by ブクログほんと、期待を裏切らない。 読んでいて、そんなことを思いました。 これは加納さんの描く「日常の中の喪失と再生」の物語。 表紙の温かい絵同様、読んでいて心がぽかぽかします。 どれが好きかと言われると選ぶのが難しいくらい素敵な8つの短編集です。読み終わった後は、表紙を見ながら余韻に浸れます。 ザリガニの話では、思わずほろり。 加納さんの本は、毎日を丁寧に生きているのが伝わってくるから、読んでいると日常が愛おしくなる。 登場人物を通して、弱さと同時に強さを持つ「人間」が大切に思える。 とても幸せな気持ちで読めた1冊でした。
2投稿日: 2011.07.23
powered by ブクログザリガニに泣かされるなんての仲間入り。しかし本当に「モノレールねこ」というセンスがたまらないな。久しぶりに加納さんの本読んだけどこういう感覚、やっぱり好きだなー。よくある話なのかもしれないけどちょっとほっとする。
1投稿日: 2011.07.16
powered by ブクログ何かしらの傷や喪失を抱えた人たちが織り成す、じんわりした優しさと寂しさが入り混じったお話で構成された短編集。 静かで優しい雨音のような雰囲気。 ちりちり胸が痛むなあと思いながら読み進んだ最後、「バルタン最期の日」でザリガニに完敗した。 「パズルの中の犬」の母子の関係は、個人的にあまり客観視出来なくて、違う意味で胸が痛かった。 表紙のイラストがそれぞれの話にリンクしたモチーフが使われていて良い。
1投稿日: 2011.06.18
