
総合評価
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powered by ブクログ現時点でポアロ作品の中で一番好きです。 容疑者たちの一人一人がすごく丁寧に描写されていて、人間ドラマとして面白い。被害者も自業自得でしょとしか言いようがない人だし、癖のある容疑者ばかりで自分勝手な話を聞きながらの推理がすごい。雑音を取捨選択する力が名探偵たる所以ですよね。 私は今回本気で推理しながら読んでいてノートに予想を書きながら読みましたが、予想を上回る面白さ、美しさでした。 ミステリーというより、文学として好き。
16投稿日: 2025.11.13
powered by ブクログポアロシリーズ、ドラマや映画で見たことありましたが、小説ははじめて読みました。 ドラマのポアロもとても魅力的ですが、小説の方がずっと面白かったです! 真犯人がちょっとだけ納得いかなかったですが、伏線の回収やキャラクターの心情描写もすごいし、文章が力強いと感じました。 他の有名な作品もドラマでしか見たことがないので、今度読んでみようと思います。
1投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログ好き!傑作! なぜ?誰が?どうして? 先が気なる気になる。 最近は大掛かりなトリックより 動機に謎がある方が断然好みになっているから 余計にはまったのかも。
1投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログ構成も内容もミステリファンをそそるたまらない作品。五匹、五人、五つの手記、五つの解決。よし、手記を読んでポアロと同じように、考察してみようと思ったけど、かなわなかった。ミスリードにやはりやられてしまった。 手記から読み取れる、裏の想いが明かされていくのは面白かった!
1投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ画家の描いた1枚の絵…実際に見たわけではないのに、今も脳裏にまざまざと蘇ります。 つまり、そのくらい傑作ってこと!
0投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ先にドラマを観ていた作品。観たのはかなり前なのに犯人も動機も覚えていたほどの傑作。 浮気や不倫に対しては生理的に受けつけないほど嫌悪感があるが、クリスティ作品と男女の愛憎は切っても切れない関係なので、今回も無駄に腹を立てながら読んだ。 しかしそこはさすがのクリスティ。単純な愛憎のもつれで起きた事件ではなく、なるほどそういうパターンもあるのかと驚かせてくれる。 やはりクリスティ作品は心理描写が秀逸で面白いので、そこを最大限に楽しむには本で読むのが一番かなと思う。 ドラマ版を観るのも大好きだけどね。
0投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ16年前の殺人事件の真相に迫ろうとするポワロ。もちろん証拠品が新たに出るはずもなく、関係者の証言も記憶があやふやだったりして難しいのだが、この小説での一番の見所は、人によって見方が違うために人物の善し悪しがわかれたり、思い込みが出てきてしまう点である。 関係者の証言は確かに興味深い。事件当時、その話をしなかった理由は、重要だとは思わなかったからだったり、個人的な印象だけだったり、あとから思い出したり様々だ。そして犯人以外は誰も嘘をついていない。 有罪判決を受けて獄中死したキャサリン。亡くなる前に、実は無実だったという手紙を娘に残した以外には無実を訴え続けたりはしなかった。 キャサリンは本当はどんな人だったのか。それを考えていくことが事件の真相にたどり着くカギとなっている。
0投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログアガサ・クリスティの攻略本なるもので★5となっていたので、読んでみました。 16年前、妻(キャロライン)が画家の夫を毒殺したとして逮捕され、獄中で無くなった。でも、母は無実だったという娘の依頼で再調査をするポワロ。事件当時現場にいた5人に聴き取りをしていく。 キャロラインの人となりを5人が語るのだけど、その人物像が人によって180度違う。そこに潜む一人一人の想いに注意を払いつつ、また、ちょっとした発言も見逃さない。 また、キャロラインが妹に宛てた手紙。キャロラインをどう見るかで、そこから導き出される結果が見事に異なってくる。 こうだと決めつけて物事を見ると、大変な思い違い、判断ミスをしてしまう。 アガサ・クリスティの人物描写は巧みだと、本書を通しても感じました。
6投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ16年前、画家だった父を毒殺した容疑で逮捕され獄中で死んだ母.しかし母は無実だったと訴える娘の依頼を受けて、ポアロは16年前の事件の再捜査に乗り出します。回想の殺人というテーマの作品ですが、もっと早く読めば良かったーと思うくらい面白いです。過去の殺人事件の真相は何だったのか。5人の容疑者の陳述や手記を基にポアロが真相を明らかにしていく。読後感もすっきりしていいです。 クリスティの凄さが改めて分かりました。 2025年7月4日読了
0投稿日: 2025.07.04
powered by ブクログ16年前、キャロライン・クレイルが夫エイミアスを毒殺したとされる事件の再調査を、二人の娘のカーラから依頼されたポアロ。裁判の関係者、クレイル夫妻の縁者に聴き取りを進めます。エイミアスの親友兄弟、愛人、キャロラインの異父妹、その家庭教師、真犯人はこの中にいる? ポアロは5人をマザーグースの「五匹の子豚」に見立てて推理します。一つの事件を、5人の当事者が語り、手記を書きます。五つの視点には当人の思いや偏見があり、不思議だけれど愛があり、そこから浮かび上がった真相は? 身勝手だし、もつれまくっていますが、今回、お金が無縁に見えるのは珍しいな、と感じました。
16投稿日: 2025.06.11
powered by ブクログ30数年かけて、ちょっとずつ読み進めてきたポワロシリーズ。老眼で旧ハヤカワ文庫版が読みにくくなってきたこともあり、新版で買って読みました。 推理小説が乱造される昨今、今までにないトリックだのどんでん返しだの色々読みましたが、そのほとんどが奇をてらったトンデモ犯罪でした。 そんな中、もはや古典の感もあるアガサ・クリスティを読んで「こういうのもあるのかぁ〜」と感心することになるとは。 さすがミステリーの女王。 過去の事件を調べ歩き、人の話を聞き、手記を読む、という形式なので、淡々として大人しい感は否めませんが、それだけに最後のポワロの解決編が鮮やかに引き立ちました。 私たちにもポワロと同じヒントが与えられているので、ポワロと推理競争してみては。 カンの良い人なら割と早い段階で犯人は当てられると思います。でも、ポワロが繰り返すように、大事なのは「なぜそうしたか、その人はどんな人物なのか」というところ。そこまで見抜けるでしょうか?それに、殺人の引き金になったあの言葉…ん?って引っ掛かりは感じるけど、そこから先を当てるのは、相当難しそう。 新版ハヤカワ文庫は、旧ハヤカワ文庫に比べて訳のが良くないと耳にしていたので心配していましたが、杞憂でした。すくなくとも、この一編においては。 ポワロはもうちょっと芝居がかってても良いかなとは思うけど、今、アガサを読み始める若い人たちや子供たちに馴染む言葉でないとね。 登場人物もそんなにおらず、舞台装置も閉鎖的であちこちしないので分かりやすく、アガサの筆の凄さも体感できる、おすすめの一冊です。
1投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログクリスティー作品の中でも「隠れた名作」と名高いこちら。 回想の殺人というのもいまいちピンとこなかったのですが、じっくり読み進めてみて、各々の証言から矛盾を見つけ出すポアロさんの手腕に改めて脱帽でした。 私がこれまでに読んだ中では、『杉の柩』『ホロー荘の殺人』カテゴリに分類されるような、特に人物描写に凝った本作。 16年も前のことであっても、やはり人が一人死んでいるわけで、それぞれに注目している観点や忘れられない出来事があるのが興味深いです。また、真相に関しても二転三転……からの着地で、その美しい自己犠牲精神に驚きでした。 ただ、個人的に愛着の沸く人物があまりいなかったのがハマれなかった点といいますか……。 解説では”名犯人”と評されていましたが、『エッジウェア卿の死』には及ばないかなぁ。 それに、いくら小さかったとはいえ依頼人たるカーラへの言及がほぼなく、娘である自分よりも腹違いの妹への愛情が深かったと知って、どう受け止めていくんだろうか……と少し心配にもなりました(´・ω・`) 大興奮の一冊とはなりませんでしたが、やっぱりクリスティーの安心と信頼感は抜群ですね〜。このところ新規開拓でいろいろな作家さんに挑戦しておりましたが、やはりクリスティーに帰ってきてしまう。 彼女がこれだけの名作をたくさん遺してくれたことに感謝しつつ、今後も”アガサ・クリスティー読破”をライフワークとしていきたいなと思います。 さて、ミス・マープルシリーズの『スリーピング・マーダー』ではどんな展開を見せてくれるのか、今後の楽しみにしたいですね。
16投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログポアロシリーズ長編21巻目。 1942年の作品。 ハヤカワ文庫版を読みました。 今回ポアロの元に依頼された事件は、16年前に起きた殺人事件の真相を調べてほしいというものだった。 高名な画家エイミアスクレイルの娘カーラ・ルマルションは、夫殺害容疑で終身刑となり獄中で亡くなった母のキャロラインクレイルから無実を訴える手紙を受け取った。ポアロは16年前のこの事件の関係者ー五匹の子豚ーすなわち、画家エイミアスクレイルの愛人だったエルサ・グリヤー、エイミアスの親友だったフィリップ・ブレイクとその兄メレディス・ブレイク、キャロラインの妹のアンジェラ・ウォレン、アンジェラの家庭教師だったセシリア・ウィリアムズのうち誰かが真犯人ではないかと推理し、彼らに当時の回想録を書くように依頼する。 今起きている殺人事件ではなく、16年前に起きた過去の事件を調べるというのが特徴的な作品。「絵」が大きなテーマになっている。 そして誰もいなくなった、などでも用いられるマザーグースの童謡「五匹の子豚」が5人の容疑者を表現するのに印象的に使われている。 また、芥川龍之介の「薮の中」風手法で16年前の事件について5人の容疑者それぞれが各自の立場、視点から語っているが、全員本当のことを言っているわけではないのがミソ。 確かにすごくよく練られていて、素晴らしい作品だと思うんだけど、16年前に終わった殺人事件を調べるというストーリーで、被害者も犯人とされた人物も亡くなっているという点で緊張感はない。(第二、第三の殺人が起きる余地がない) おなじみのキャラは出てこない泣。全体的に暗くシリアスな雰囲気が漂っているので、個人的には明るいヘイスティングス君の語りや、ポアロに振り回されるジャップ警部や強烈なキャラの濃いオールドミスとかが出てきてユーモア要素が入る作品の方が好きなので⭐︎3にしましたw。
5投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ2025.2.5(水) 久々に、ポアロ。ドラマはよく見てたから、 あのイメージで読んでいた。 記憶の断片から真相を探るって いやいや、無理ー(笑) 凄いわ。 ちなみに読んだのは 同じハヤカワミステリ文庫だけど 昭和57年15刷の桑原千恵子訳のもの。 実家から持ってきた。(母のもの) このデータの訳者さんとは違うから 変わってるとこもあるのかもなぁ。
1投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログ16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです・・・娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは?過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る! 過去の事件をそれぞれの関係者からの聞き取りで解き明かす、まさに「灰色の脳細胞」大活躍のミステリ。面白かったなあ。そして最後までミスリードに騙されてえ!と思っていたら真犯人は・・・。日記のように書き記された断片をつなぎ合わせて推理するという面白い作品ですが、よく練られていて殺害動機も含めて面白かった。愛する人がいると、人は本当に強くなるんだなと思います。死を前にしても、心が穏やかでいられるという、不思議。ただ年を重ねて若さを失っただけの人と、愛する誰かのためにひたむきな気持ちで早く亡くなった人、どちらが幸せなのだろうと考えてしまう。
2投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログ16年前の事件の真相を暴くという他とは違ったストーリーだった。エイミアスとキャロラインの関係性は想像してた通りだったけど、他のカラクリはやっぱり分からなかったー!人の話だけを頼りに心理学的に解くのはポアロにしかできない。
0投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1943年原書 桑原千恵子訳 五匹の豚はマザーグースの数え歌 ・ポアロ →探偵 ・カーラ.ルマルション→21歳の美しい女性 目がキラキラしている カーラ母がカーラ父を殺して 叔父夫婦に引き取られ 何不自由なく成長 ・アミアス.クレイル→カーラ父 画家 芸術家 ・カロリン.クレイル→カーラ母 カーラが21歳の時 父母の遺産と母の手紙を受け取る カーラがポアロに 父母の事件の調査を依頼 (母の手紙には自分は無実だと..) ・ジョン.ラタリー→カーラの婚約者 ・モンタギュー.ディブリーチ卿 ・クエンティン.フォック ・ジョージ.メイヒュー ・ケレイブ.ジョナサン →弁護士達 ・①フィリップ.ブレイク→株仲介人 アミアス親友 ・②メレディス.ブレイク→薬草作り ①フィリップの兄 ・③エルサ.グリヤー→ アミアス浮気相手 絵のモデル 〜ポアロからみると まだ蕾のうちに 霜に襲われた花 の様な人 現ディティシャム卿夫人 一度しかない人生を 思うままに生きた方がいいという "現代流"の思想の人 英雄崇拝者 一方 カロリン.クレイルは 平凡な人の中にも 人物を見つけることが出来る女性 ・④アンジェラ.ウォレン →カーラ母の歳の離れた妹 〜ポアロからみると 不具という引け目をおっていながら 自信と確信から生まれた 気力.能力のある職業婦人 好ましいとは思っていない 「この人の 姉夫婦 の話は面白かった」 ・⑤セシリア.ウィリアムズ先生 →アンジェラの家庭教師 〜ポアロからみると ヴィクトリア朝時代の 厳しい躾を受けていた為 精神 道徳的に拠り所を持ち 嫉みや不満 後悔 等 受け付けない確固とした自分を持っている 『..大部分の子供は親が 世話を焼きすぎるため.. 子供を可愛がりすぎて 世話を焼きすぎるのです ...親が愛しながら 必要以上に構わない 健全ななおざり を実行..』 「耳が痛いけれど...素敵な人だ」 『..結婚というものが 大切に扱われなければ 国全体が堕落して 立ち行かなくなります.. .. 結婚という結びつきを 非常に重要に考えております..』 「こういう事を言う 年配の女性に会ってみたい.. と心の底から思った」 最後の犯人当てはやっぱり面白かった 直接話に関係ないけれど この本を読んで... 小さい頃に身につけた 〈善悪〉とか〈倫理観〉〈常識〉って 一生を通しての 〔羅針盤〕 の様な役割をしていて 人生の終わりまで 〔自分を守る鎧〕 の様なものだな.. と思った 子供を大人になるまで育てる 機会が 又あったとしたら (絶対にないと思うけれど..) 一番重要な事だと言って 育てたいな... (個性とか自由とかいうのに 囚われすぎたな..反省..) ...こんな感想が頭に浮かんだ この小説は 凄く面白かった こういう小説を又読みたい と思った
1投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ#62奈良県立図書情報館ビブリオバトル「鍋」で紹介された本です。 2016.1.16 https://m.facebook.com/events/1683485788532903?view=permalink&id=1686585784889570
0投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アガサクリスティー作品は、一番犯人として怪しくない人が犯人という法則があると(個人的に)思っているのだけれど、今回はそれが当てはまらない作品で面白かった。
5投稿日: 2024.07.12
powered by ブクログうーん、いろんなとこで「傑作!」と言われてたけど、そこまで響かず…。ポアロの過去の殺人の検証モノ。5人の容疑者の聴き取り、そして彼らの独白手記からの真相開陳、という構成は変化に富んでグイグイ読める。ただ最後の展開があっけなかった。(新装版は読みやすくて良い!)
1投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログ期待以上に面白いミステリー作品でした。 過去に起こった殺人事件を捜査することになったポアロ。容疑者は5人。 其々の供述から、パズルのようにバラバラになった真実への道を探究する道筋が面白い。 タイトルの、容疑者を豚に喩えているのが、よくわかりませんでしたが、英国的な感覚なのでしょうか。 ポアロシリーズでも上位に上げたくなる名作ではないでしょうか。
30投稿日: 2024.05.08
powered by ブクログ依頼を受けて過去の事件の真相をポアロが解明する話。とても面白かった。 事件に関わりのあった人たちの証言からポアロが推理していくんだけど結末がすごい(毎回すごい) それぞれの証言から言葉や状況の違和感に気付き推理していく…の最後。いい意味で振り回された。 かなり集中して読んでたからか電車乗ってる時間もあっという間だった。
2投稿日: 2024.04.21
powered by ブクログ20年以上ご無沙汰していたクリスティー作品。 「さすがクリスティー!他にもこんな凄い作品を書いていたのか!」 「読書好きで良かった!読んで良かった!」 というのが読了直後の素直な感想です。 ここでは、ミステリー云々に関する評価・感想ではなく、主に「読書好きで良かった!読んで良かった!」と感じた理由について述べていきます。 先ず、『アガサ・クリスティー完全攻略[決定版]:霜月蒼』(以下、『決定版』)を読んでいなければ、本書を手に取ることは恐らくなかったと思います。 クリスティーの作品は、一般的に名作と言われている『そして誰もいなくなった』,『アクロイド殺し』等々は網羅したので、新たな作品に手を伸ばすつもりは正直に言ってありませんでした。 しかし、e-honの新聞の書評コーナー(だったかな?)で『決定版』を見かけたことで「クリスティーで読むべき作品は他にないか?」という気持ちが沸き上がり、『決定版』を購入して読んだところ、本書の評価が高く(全作品中2位)、また霜月蒼さんのコメントも読書欲をそそる内容であったことが大きな要因となりました。 *その中に、???となる一文「・・・私はジャスミンの香りや・・・・を体感したのである。」が【2023年8月15日読了】 次に、『透明な夜の香り:千早茜』千早茜さんの長編作品は初めて読んだのですが、直木賞作家の実力どおり、作品名と内容は勿論のこと、文章・文体からも香りがする感覚に捕らわれ、とても魅了されました。読書によるこのような経験は初めてかもしれません。 とりわけ、「香りは残るんだよね、ずっと。記憶の中で、永遠に。みんな忘れていくけれど」という言葉は、印象に残りました。【2024年1月12日読了】 ようやく本書との繋がりの説明になります。 先に書いたように、ミステリー云々・トリック云々については述べませんが、真相を披露する際の、ポアロの「ジャスミンの香りによって、氏の記憶がたちまち甦りました。人間というのは、思ったよりも匂いに影響されやすいのですよ。」の文章を読んだときには、それこそ鳥肌が立ちました。 僅か2週間ほど前に読んだ『透明な夜の香り』(単行本は2020年4月刊行)で最も印象に残った言葉と同じ内容が、20数年ぶりに読んだクリスティーの本書(1942年刊行)で、それも真相解明の重要な手掛かりの一つとして書かれているとは! このような体験が出来たのも、 1.読書好きであった 2.クリスティーの作品を読んでいた 3.e-honを利用していた (本屋さんの在庫にない作品は、ehonで注文⇒本屋さんの店頭で購入) 4.『アガサ・クリスティー完全攻略[決定版]:霜月蒼』を読んだ 5.『透明な夜の香り:千早茜』を読んだ 6.『五匹の子豚』を読んだ からで、これからも読書は続けようと改めて強く思いました。
25投稿日: 2024.01.30
powered by ブクログ私はポアロ 会社で不正事件が発覚 毎日関係者に聴き取りを行い 証言を突き合わせると辻褄が合わない 誰かが嘘をついている でも、それは誰だ 何が真実で何が嘘なのか 関係者が隠そうとしている真実は何だ ↑というのは私の話で これを聞いた友人が貸してくれた本 まさに私はこの本のポアロだった
6投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ポアロシリーズ㉑ 16年前の母の無実を証明して欲しい。と依頼されるポアロ。 物的証拠は何も無い。16年前の裁判の弁護士、検察官の話を聞き、当時の関係者5人からそれぞれに事件の話を聞く。そして思い出せる限り詳しく手紙に書いてもらう。 一つの事件を何度もなぞっているだけのようで、関係者それぞれの知っていること、印象、思いが加わり少しづつ事件の見え方に違いがでる。 そして、一気にポアロの灰色の脳細胞が事件の真相を明らかにする。誰かがフッと耳にしたこと、誰かが何気なく見ていたことが、ポアロにより真実への大事な手がかりと気付かされる。 犯人は16年間、ずっとこの事件に囚われていた事も印象的だった やっぱり面白い。
39投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログオーディブルにて クリスティの作品は、序章で異世界に飛ばされる感じが心地よい。彼女の正しい異世界へ、この間だけでも存在できることがうれしくほっとすらする。 この作品は初読。構成にときめく。
1投稿日: 2023.12.13
powered by ブクログ再読。 クリスティの中で好きな作品の一つ。 回想の殺人をあつかうものとしては「スリーピング・マーダー」と並ぶ傑作だと思う。クリスティを読んで思うのはミステリー以上にストーリーテラーとして優れているということ。上手いよねぇ。
8投稿日: 2023.11.29
powered by ブクログ購入した2010年ハヤカワ文庫と表紙が違う? 豚の像の笑顔が怖すぎないか、、と思っていたけど、もしかして同じように感じる人が多くて変えたのでしょうか? 今回も額面通り捉えない、思い込まない、と言い聞かせていても、最後にガラッと見方が変わりました。ささいなこともなに一つ取りこぼさない。 派手な展開ではないけれど、名作と感じます。 ただ、途中は過去の同じシーンを別な視点から何度も何度も焼き回しており、忍耐と集中力が必要と感じました。 その前に読んだ白昼の悪魔の方が好みではありました。
1投稿日: 2023.10.16
powered by ブクログ数年振りの再読。 やっぱり面白い。 初めて読んだ時はとてつもなく感動したし、“回想の殺人”というジャンルもこの作品で知った。 過去の事件の真相を関係者五名の証言から導き出す過程が見事。 これこそがポアロの真骨頂だな。 犯人も分かっているのに、あっという間に読み終えてしまった。
5投稿日: 2023.10.12
powered by ブクログぐいぐいと引き込まれていく、トリック的なものは存外と簡単だけれど、人の思惑というものの絡み合いというものが丁寧に描かれていて、普遍的な愛憎がもたらす悲喜劇がとても魅力的だった。
0投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログクリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。 クリスティの傑作は沢山あるが、今作は紛れもなく傑作の一つであり、名探偵エルキュール・ポアロとは何物なのかを理解する上で欠かせない作品だ。ポアロの推理方法は人々の心理の中にあり、足跡やタバコの吸い殻といったものを拾い集めるのはかれのやり方ではない。今回は十六年前の事件であり、状況証拠等は存在しないが、5人の当事者達の記憶を巡り手記を書かせ、過去を手繰り寄せながら真相に到達する。 ポアロの元を訪れた依頼者は、結婚するにあたり自身の過去について真実を知る事を望む。彼女の父親は画家であり、母親が殺害容疑で逮捕されていた。獄中からの手紙にて、自身は無実である事を娘に伝えている。母親も亡くなっており、真相は過去に埋もれているが、ポアロの噂を聞き依頼にやってくる。 物語は三部構成になっており、第一部迄はポアロが依頼を引き受け事件の真実を巡る為、過去の関係者達や該当者達から話を聞いていくという流れであり、警察や弁護士、当時の関係者の殆どが逮捕は妥当であり、殺害された画家の妻キャロラインが犯人である事を疑っていない人達が程だ。一部、彼女の義妹等キャロラインの無実を考える人達もいるが、真実だとは感じていない様だ。 二部では当時の事件の該当者五人がポアロから説明を受けながら、彼ら自身各々に過去に起きた事を振り返り手記にまとめ、その手記で構成されたパートだ。各々の当時、そして現在を経ての感情や考えを手記形式で表現している事がとても斬新に思えたし、ポアロが彼らを訪ね面会した時の補完にもなっている。五者五用の受け取り方だが、その中に真実への道筋を散りばめ組み込む様式は見事だと当時は思った(五人の目線では中々足りないのではと最近は思っているが)。 第三部では真実が明らかにされる。 キャロラインは裁判でも抗う意思を示さず全てを受け入れている様にみられたがどういう経緯からその様な行動をとったのか。彼女が犯人ではないとして真犯人は誰なのか。 今回、十六年前、更には裁判により判決が出ている事件であり、証拠も存在しない。最後、犯人は事実を認めているが、流石のポアロでも出来る事は限られており、文字通りキャロラインの死後恩赦と警察への報告だけなのだろう。しかし、当事者達が真相を受け前進する事ができるだろうし、依頼者であるカーラも真実を知る事ができて幸せになれるだろうと感じた。また、現代的な考え方をするとアンジェラもやるせない想いなると想像出来るが、彼女の強さは描写されており今後も強く生きていくと感じた。 総じて非常に完成度が高く感動できる作品であり、クリスティの有名作を読んで次は何にしようかという人に薦めたい作品だ。
4投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログ16年前の事件の真相を当事者たちの曖昧な記憶の中から紡ぎ出すポアロ探偵、流石です 最後の最後で騙されました
1投稿日: 2023.04.05
powered by ブクログ前評判通りの作品、面白かった! 何年も前の事件を、当時の証言を元に丁寧に緻密に辿っていく。ポワロの脳細胞冴え渡りまくり! 犯人の最後の言葉がけっこう響く。一気に人間味を感じられたというか。そういう意味でも良作かと。 ほんとは表紙のスタイルが他のと違うから、揃ったバージョンで欲しかったのだけど…まあいいか。
2投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログポアロもの。 16年前、画家だった父・エイミアスを毒殺した容疑で逮捕・有罪判決を受けて獄中で亡くなった母・キャロラインの無実を信じる娘・カーラより、事件の再調査を依頼されたポアロ。過去の事件の真相解明に乗り出しますが・・・。 所謂“回想の殺人”でございます。 当時の関係者五人へのポアロのヒアリングと、彼らの書いた手記で構成されているのですが、ある事実が五人それぞれの視点から語られる事によって、解釈が変わってくるという“ダブルミーニング”の仕掛けが実に巧妙なのです。 これぞ人間描写に長けたクリスティーならではの展開という感じです。 そして、彼らの供述から真の意味をくみ取り、真相を導き出すポアロに今回も唸らされました。 なお、真相を知った後に、改めてエイミアスが描いたエルサの肖像画を見たポアロが、“怖くなった“・・という場面を読み返すと、思わず鳥肌がたちますね~。
4投稿日: 2023.01.13
powered by ブクログ父親殺しの罪で獄死した母の無実を信じ、名探偵に調査を依頼する娘。ポワロが16年前の真実に挑む。 複数の関係者の証言が微妙に食い違うところが面白く、一方で重複した情報が多いため退屈になる部分もある。個人的に翻訳ものが苦手ということもあるが、それでも面白い小説だった。 多視点の証言から誤解や思い込み、嘘を炙り出す手法のミステリーを何冊か読んだが、クリスティーがルーツなのだなと、今さらながら驚いた。 トリックで引っ張るミステリーは苦手なのだが、人間の視野狭窄や未必の故意で引き起こされる悲劇は好きだ。
0投稿日: 2023.01.10
powered by ブクログ「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『五匹の子豚(原題:Five Little Pigs、米題:Murder in Retrospect)』を読みました。 『ポワロの事件簿〈1〉』、『ポワロの事件簿〈2〉』、『ヘラクレスの冒険』、『死との約束』、『杉の柩』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。 -----story------------- 母は無実だったのです――娘の頼みに「ポアロ」の心は動いた。 事件がおきたのは16年前。 若い恋人に走った高名な画家を妻が毒殺、裁判の末に獄中死したのだ。 殺人犯を母に持った娘の依頼で再調査に乗り出した「ポアロ」は、過去へと時間を遡り、当時の状況を再現してゆく。 関係者の錯綜した証言から紡ぎ出された真相とは? ----------------------- 1943年(昭和18年)に刊行された「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇、、、 以前、映像化作品の『名探偵ポワロ「五匹の子豚」』も観たことがある作品… 6作品連続で「ポワロ」シリーズです。 ■序章 カール・ルマルション ■第一部 1. 弁護人の話 2. 検察側の話 3. 青年弁護士の話 4. 老弁護士の話 5. 警視 6. この子豚はマーケットへ行った 7. この子豚は家にいた 8. この子豚はローストビーフを食べた 9. この子豚は何も持っていなかった 10. この子豚は“ウィー、ウィー、ウィー”と鳴く ■第二部 フィリップ・ブレイクの手記 メレディス・ブレイクの手記 ディティシャム卿夫人の手記 セシリア・ウイリアムズの手記 アンジェラ・ウォレンの手記 ■第三部 1. 結末 2. ポアロの五つの質問 3. 再構築 4. 真相 5. その後 ■解説 千街晶之 「ポアロ」が過去の事件の真相を追う“回想の殺人”タイプの作品、、、 『杉の柩』と同様の3部構成で、第一部では依頼を受けた「ポアロ」が関係者を訪ね、第二部で“五匹の子豚”の手記によって事件当時の様子を各人の視点から描き、第三部では時を再び現在に戻して「ポアロ」による解決が図られる という展開になっています。 16年前に夫「エイミアス・クレイル」を毒殺した罪で終身刑を宣告され、獄中で死亡した母「キャロライン・クレイル」の無実を訴える遺書を読んだ「カーラ・ルマルション」は、母が潔白であることを固く信じ「ポアロ」のもとを訪れる… 彼女の話に興味を覚えた「ポアロ」は、あたかも“五匹の子豚”の如き5人の関係者との会話を手がかりに過去へと遡り、ついに真実へたどり着く、、、 ちなみに、“五匹の子豚”の如き5人とは… 一匹目:「エイミアス・クレイル」の親友「フィリップ・ブレイク」 二匹目:「フィリップ・ブレイク」の兄「メレディス・ブレイク」 三匹目:「エイミアス・クレイル」の愛人「エルサ・グリーア(現レディ・ディティシャム)」 四匹目:「アンジェラ・ウォレン」の家庭教師「セシリア・ウイリアムズ」 五匹目:「キャロライン・クレイル」の異母妹「アンジェラ・ウォレン」 のことで、「エイミアス」が殺害された当日に邸におり、「キャロライン」以外に「エイミアス」を殺害できる可能性のあった5人の人物です。 『序章』で、「カーラ」が「ポアロ」を訪ねて母親の関与した真相の究明を依頼し、 『第一部』で、「ポアロ」は過去の事件の関係者に会い、各自の記憶をたどることで事実を照合し、会話の端々に犯人特定の糸口を見いだそうとし、 『第二部』で、「ポアロ」が受け取った、重要関係者5人(“五匹の子豚”)に依頼していた回顧の手紙の内容が示され、 『第三部』で、「ポアロ」は5人(“五匹の子豚”)それぞれに最後の質問を行い、ついに真実へたどり着く、 という展開で、徐々に真実の断片が明らかになり、最後に意外な結末が用意してあるという、とても愉しめる作品でした… 映像化作品を観ていなければ、驚愕の結末が愉しめたと思える作品です、、、 「キャロライン」が犯行を否定しなかったのは、妹の犯行だと勘違いして、妹への贖罪の気持ちもあって、自分が全てを背負ったんですよねぇ… 真相が判ると、悲しくてやりきれない感じがしましたね。 「アガサ・クリスティ」らしい展開でした… 面白かったです。 以下、主な登場人物です。 「エルキュール・ポアロ」 私立探偵 「カーラ・ルマルション」 事件の依頼者。エイミアス・クレイルの娘 「エイミアス・クレイル」 画家。カーラの父 「キャロライン・クレイル」 エイミアスの妻。カーラの母 「エルサ・グリーア」 エイミアスの愛人(現レディ・ディティシャム) 「フィリップ・ブレイク」 エイミアスの親友。株の仲買人 「メレディス・ブレイク」 地主。フィリップの兄 「アンジェラ・ウォレン」 キャロラインの異母妹 「セシリア・ウイリアムズ」 アンジェラの家庭教師 「モンタギュー・ディプリーチ卿」 勅撰弁護士。キャロラインの弁護士 「クエンティン・フォッグ」 次席検事 「ジョージ・メイヒュー」 弁護士 「ケイレブ・ジョナサン」 クレイル家顧問弁護士 「ヘイル」 元警視 「ジョン・ラタリー」 カーラの婚約者
0投稿日: 2022.11.02
powered by ブクログキャロラインが庇うとしたら妹に違いない、だから真犯人は妹!と見せかけて違う人だろう、というところまでは読めた。犯行のタイミングがズレているんだろう、ということにも勘付いたのに、だけれど真犯人・真相はまったく想定外のものだった。ただ、その結果明らかになった動機や犯人の本質と生き様の苛烈さに圧倒されてしまい、直前までいけ好かない奴だと感じていたのに一転して好きになってしまうほど。ラスト五十ページでこんなに何もかもをひっくり返してしまうなんて、あまりにも恐ろしい。
0投稿日: 2022.10.30
powered by ブクログポアロが活躍する、安定のミステリー。殺人があった当日のキーマンの行動や言動を丁寧に紐解いて真犯人を突き止めてゆく。人間の心理をちゃんと把握していてまさに灰色の脳細胞の面目躍如。
5投稿日: 2022.10.20
powered by ブクログ16年前の事件についての解決を依頼されたポアロ。ポアロが過去の事件に関わりのある5人に話を聞きに行き、手記を読み、最後に犯人をあぶり出すお話。 淡白な印象も受けるが、トリックや各登場人物の行動が、かなりシンプルに筋道だっているため、わかりやすい、隠れた名作なのではないかと思う。
1投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ふざけたタイトルだな~と思いながら読んだが、ポアロシリーズで最高傑作!16年前に母が父を殺人罪で逮捕されたことをポアロに真相を追求してほしいと依頼するカーラ、ここからポアロが関係者5人を訪ね、母(キャロライン)の起こした事件を遡る。画家の父(エイミアス)が20歳若いモデルのエルサと結婚すると言い出す。そして父が毒殺される。最後までいける!と思った犯人予想だったが、最後は残念、というより真相がスゴイ。そっち⁈キャロラインの犯人説を軸に置き、5人に書かせた真相の手記、最後までドキドキで動機も納得です。⑤↑↑
32投稿日: 2022.08.09
powered by ブクログ過去の殺人事件を再調査する。探偵にとって難しい事件に、ポアロの名推理が光る。難しい題材を鮮やかに描くアガサクリスティの名作。
2投稿日: 2022.07.31
powered by ブクログ謎の更なる上をゆく謎。いやいや、誤導されまくり...。第ニ部の手記と、第三部に突入してからの展開は、流石ですな! 結末はスッキリだが、読後感はモヤモヤです。 ポアロシリーズは全て読んではいないので、ちょくちょく読んでいきましょうかね...。
9投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログこれも読みやすくてあっという間だった!まったく予想していなかった真相だったけど、読み終わってみると完全に納得。 亡くなっている2人の人物像も、語られる印象はバラバラなのに、重ねると本来の姿が見えてくる。 思い返して辛い余韻に浸ってます。
6投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ16年前の事件を掘り起こして、真犯人を探すポアロシリーズ21作目。 コレはめちゃくちゃ面白い。構成もいいしキャラも立ってるし、まとまりもいい。読み終わった瞬間はーってなる。そうきたか!って。読み直したらちゃんとそうなんだよな。すごい
6投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログ回想の殺人ということで、物的証拠もなく推理が進んでいく。この点はあまり好みではない。 しかし登場人物の証言によって構成される偽りの事件と真相が、あまりにかけ離れているにも関わらず論理的で自然なものだった。したがって、事件と証言に関しては最高峰だと思う。 以上より、好みではないが、しかしそれでも最高の評価をつけるほかない。
4投稿日: 2022.02.28
powered by ブクログ美しく悲しいラブミステリー クリスティの隠れた名作です。 同じような記述を何回も読むことになるので飽きっぽい人には不向きかも
3投稿日: 2022.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
滅茶苦茶面白かった。 五人の人間が同じ出来事を語っているはずなのに全然違うことを言う。それが重なることで真実が見えてくる。回想される登場人物たちの言動が、実は全く違う意味を持っていたとわかる。終盤の種明かしは実に鮮やかでした。 アガサ・クリスティーの技巧派な部分を存分に味わえる傑作です。
5投稿日: 2022.01.28
powered by ブクログクリスティーファンがこぞってその名前をあげる知られざる名作。なるほど面白い。 加害者が亡くなった16年前の事件。一件するとなんの変哲もない男女の絡れでの犯行としか考えられない事件の真実にたどり着いた時、クリスティー作品の中でも最も印象的な犯人の姿を目にすることごできる。
4投稿日: 2022.01.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これはおもしろい。傑作ですね。 題名から、NHKみんなのうたの『五匹のこぶたとチャールストン』と関係があるマザーグース系のお話かと勘違いしたけど、何の関係もなし。 真相を知って一番ショックを受けたのは、16年前に犯人とされ獄中死したキャロラインの妹のアンジェラだろう。自分の悪戯の意図を誤解した姉が自分を守るために無実を主張しなかった、と知るのはさぞつらいことでしょう。
9投稿日: 2021.11.15
powered by ブクログ事件を中心として描かれたもつれた人間関係とか少しの勘違いとかの描き方が本当にすごいなあと思った 誰が嘘をついているんだ?と考えながら読んでたけど結局最後までわからなかったな
0投稿日: 2021.11.02
powered by ブクログ5 上手いなあ。 いつかいい感じのうろ覚え状態で再読して楽しむときのため、詳しい感想は書きたくないのだが、この作品はいつまで経っても忘れられないかもしれない。
4投稿日: 2021.10.19
powered by ブクログ過去の殺人事件を当時の関係者の証言のみで推理する、というストーリー。 多数の人間から話を聞くことで食い違いを見つけ、そこから真相に辿り着く。 だが、推理に必要なこととはわかっているが、同じ話を何度も読むのは正直しんどい。 事件現場にいた5人と、担当検事や裁判官の話も加わるので相当なボリュームになる。 語られるのは事件当時の状況と、犯人とされる妻の人柄。 微妙に違うだけで内容はほとんど同じ。 途中で飽きてしまった。 ポアロの会話術が見事だったのでそこは楽しめた。
0投稿日: 2021.09.13
powered by ブクログ学生の頃、図書館で借りて紛失して、購入して返却した曰く付きの本。結局見つかり、以後何度か再読した。残念ながら現在は所在不明だが。 何度読んでも驚嘆しかない。 過去に起きた事件を、当時の関係者に聞きながら、事件を解決するポアロ。 現在は誰も亡くならず、事実を隠蔽しようとする大事件も起こらず。 ロジックの組み立てだけで行われる、安楽椅子探偵の最高傑作と思っている。 そろそろ、また読もうかな。
4投稿日: 2021.09.12
powered by ブクログ16年前の事件の真相を関係者への話と手紙の内容から暴き出すという、ポアロの心理的探偵の極地。証拠が出てこないというのが面白い。被害者や加害者の人物像、事件が起こった日の出来事が5人の関係者の視点が変わるごとに違った様相を見せるが、どう真実に繋がっていくかがわかると、考え抜かれたプロットだと頷かざるを得ない。最後にはゾクっとする一文もたまらない。
4投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終えてまず、「伏線が見事である」と感じました。 描写一つ一つ全てに意味があり一つの行動が他のシーンで大きな役割を果たす瞬間が鳥肌モノです。伏線回収の最後数十ページは恐らく5回は鳥肌立てました笑 好きなシーンはクレイルが書いた絵は、実は絵のモデルであるエルサが愛する男が死ぬのを見つめている絵だとポアロが気付くシーンです。 エルサとその肖像画を頭に描き、それが離れなくなって身震いしました。本当に恐ろしいシーンです。
7投稿日: 2021.04.16
powered by ブクログポアロシリーズは、ポアロの存在が途中まで薄れて結末で急に出てくる。容疑者の些細な言動(言葉遣いや無意識の行動)の全てに意味がある、という前提のもとで推理する様子が泥臭く人間的である意味で合理的だ。 ポアロが事件の本筋には関係のない唐突な推理をするときは、置いてけぼりにされた気分になりちょっと悔しい。そうやって自分も事件の当事者となり、指を咥えてポアロの推理ショーを待ち侘びている構造が出来上がる。それがクリスティーの巧さであると思う。
7投稿日: 2021.03.17
powered by ブクログ16年前に起きた殺人事件を、ポアロが当時の関係者5人の話と手記から真相を暴く内容。5人それぞれの見方があり、わりとさくさく読めておもしろかった。ポアロのように、相手に合わせて自分のキャラを変えられるような人になりたい。楽しそう。
3投稿日: 2021.03.12
powered by ブクログ評価に迷った。世評の結構高い作品のようだが、はっきり言って物語として面白くないのだ。ポアロが何人もの人に同じ事件の話を聞きに行き、さらにその人物たちの手記まで読まされるという退屈なもの。それぞれの人物の視点によって見えているもの、その人物自身の事件への解釈が違うところにこの作品の眼目があり、そこからポアロが真実らしきものを導き出すのだが。殺人犯として断罪されたキャロラインが堂々としていることや、5人の中に犯人がいるはずなのに皆なんの動揺もなくやって来るところから、真犯人の想像はつくのだが、そのキャロラインと真犯人の人物像の描き方は見事かもしれない。
41投稿日: 2021.01.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人目を引くものや、きらびやかなものが、最上のものとはかぎらない。「金に糸目をつけない」というのは、想像力の欠如を示しているにすぎない。 最高に恵まれた条件で人生のスタートを切ったものがかならずしも最大の成功と幸福を手にするとはかぎらないことに、ポアロは気がついた。若さと美貌と富のすべてに恵まれていたはずのエルサが、一番不幸な人生を歩んでいる。
4投稿日: 2020.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夫人が既に亡くなっていて、話を聞けないっていうのが想像を膨らませてくれてとても良い。どんな気持ちだったんだろなー。いつか再読します。
2投稿日: 2020.05.23
powered by ブクログ人物像の表現が濃ゆい。濃ゆ過ぎて途中、エイミアスやエルサ、フィリップにも震えるほど怒りを感じたりした。読了後、そんな自分に恐怖を感じた・・
4投稿日: 2020.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かったーーー! 夫婦って周りが見てる様子よりももっと強いもので結びついているんだなあと。 ラストも良かった。
5投稿日: 2020.04.02
powered by ブクログ十六年前、妻によって一人の画家が毒殺される。故人となった母親から「私は無実です」と手紙を遺された娘は、事件の再調査をポアロに依頼するが……という話。過去に起きた事件を扱った「回想の殺人」ものの傑作であり、クリスティの名著に挙げるファンも多い。物的証拠のない状況で、関係者五名(各人がマザー・グースの童謡から子豚に喩えられる)の証言だけを手がかりに様々な事実が紐解かれていく。多元的視点から「事件当日の出来事」が語られる構造は、芥川龍之介の『藪の中』を思わせる。『藪の中』は客観的事実をぼかしたまま終わる未完結性が魅力だが、本作では多元的視点に惑わされることなくポアロが隠された真相(ダブル・ミーニング)を指摘する過程が実に心地よい。読後の余韻も素晴らしい。
8投稿日: 2020.02.09
powered by ブクログ著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)
0投稿日: 2019.12.23
powered by ブクログ16年前の事件を紐解くという動きが少なく静かなストーリー。ところがこれが面白く、一気読みしてしまった。 同じ事実でも人によって捉え方が違ったり、前後の文脈から勝手に不足している事実を補って解釈してたり、無意識のうちにバイアスがかかっていたりといった事がうまく混ぜあわされ、さも事実らしい結論に落ち着いているあたりは流石の展開。 一般的な知名度はあまり高くない気もするが『杉の柩』にも通じる雰囲気でクリスティの傑作として挙げられるのも納得です。
10投稿日: 2019.12.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アガサ・クリスティのポアロもの。 これまで題名しか知らなかったけれどコレは素晴らしい。過去の事件の真相を、登場人物の回想を尋ねることによって曝いてしまう。 その悲劇的な偶然までも。 最後のあのセリフも思い巡らせれば一番の悲劇。
4投稿日: 2019.12.09
powered by ブクログ先にドラマ版の方を観ていたため、犯人はわかっていたため、「クリスティがどのような罠を文中に仕掛けているか」に着目しながら頁を捲った。わかってはいても、やはりワクワクさせられて、一気に読み終えた。 解説の言葉を借りると、真犯人以外誰も故意に嘘をついていない、というのが面白さの秘密であり、作者が仕掛けたトリックなのだと思った。初見ならあっさり騙されていただろう。 今年になって読んだポワロの中では抜群に面白かった。次の作品にも期待したい。
3投稿日: 2019.10.30
powered by ブクログ高名な画家の父を母は殺した。裁判の席で母は悟りきった面持ちだった。16年後、自分の遺産を相続する年齢になり当時5歳だった娘は「母は無実だ」という母からの手紙を育ての親の叔母から渡される。娘はポアロに真実を探って欲しいという。 ポアロが関係者の性格を豚になぞらえる。画家の父とその友人兄弟と母は近所に住み何代か続くお屋敷の子供たちだった。友人兄弟の弟は株やで「この子豚はマーケットへ行った」、兄は薬草を研究していて「この子豚は家にいた」、最後の絵のモデルになった若いエルザは「この子豚はローストビーフを食べた」、母の腹違いの妹の家庭教師は「この子豚は何も持っていなかった」、嫉妬から顔を傷つけてしまい最後まで負い目を追っていた妹は「この子豚はうぃー、うぃー、うぃーと鳴く。 描くモデルにすぐ浮気してしまう父。若いモデルと母と父。母に昔から思慕していた隣家の兄弟。最後の絵の中のエルザは輝いていたが・・恋愛模様から解かれた真実は? 16年前の絵を描く様子が再現され舞台劇のようだ。 1942発表 2010.11.15発行 図書館
2投稿日: 2019.09.18
powered by ブクログ久しぶりのアガサクリスティー。ポアロが 過去に起こった殺人事件の関係者五人の証言から 真犯人を突き止める話。 本格ミステリって、こういうもんなんだな とわかる良作。
2投稿日: 2019.05.16
powered by ブクログやっぱりアガサクリスティーは面白い。 そして、この作品の殺人は派手さは無いが、ゆっくり死にゆく情況も描かれててポアロ作品の中でもかなり残酷だと思う。犯人の心の闇がその分深いせいか。エイミアスは恐らく最期、犯人に気づいてたな。。 最後の謎解きの場面では、依頼人カーラの心理描写がポアロの語りと並行して描かれてて、これも面白いんだよなぁ。両親が側で聴いてて、一緒に真実を知ることができたとしたら幸せですね。 メレディスは常に他人から無視される人間、とか、ポアロの口を借りて語られる辛辣な人物評価も健在。 登場人物の心理描写が細かく深く、余韻が続く作品。図書館で借りたが、手元に置いて何度か読み返して読みたい。
4投稿日: 2018.09.11
powered by ブクログ人物描写がすごく良かった!色々な人の目線からみるそれぞれの人物像があって、確かにそうだなと。私は周りが本当は自分のことをどう思ってるか知る必要はないと思ってるんだけど、殺人事件となるとそれを解き明かす必要が出てくるわけで。 普段なら知ることのなかった他人を無理矢理にも暴き出す、殺人事件のロマンはそんなところにあるのかも知れないと考えた。 若さの命の描写がとても好き。
2投稿日: 2018.07.10
powered by ブクログ完全に作者の罠にひっかかってしまった。最後まで読むと真実の手がかりは色んな所に散りばめられてるのに、見事に一番手前のところでひっかかってしまった。 お見事。
2投稿日: 2018.07.08
powered by ブクログ16年前に起きた、妻による夫殺害事件。被疑者も既に他界したものの、被疑者の娘から再捜査を依頼されたポアロ。当時現場に居合わせた五人の証人から話を聞いて真相を明らかにしていく。 構成が面白い。五人もいればそれそれ異なる見方をするもの。湊かなえがよく使う構成。クリスティ作品はただのミステリーではないと言われる所以か。 ミスリードに引っ掛かったものの、読後感は悪くなかった。
2投稿日: 2018.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「アガサ・クリスティ-完全攻略」本で★5つ。著者絶賛の作品ということで手に取った。15年前の殺人事件を関係者の回想による証言と手記でポワロが推理、事件を再構築していく作品。 一つの事件も5人の眼から見ると、こうも違った色合いを見せるのかということが興味深い。注意深く読んでいても、真実が解き明かされたとき、周到に張り巡らされた伏線に感服する。証言の微妙な意味合い。真相を知ってから読むと全く違う意味に見えてくる反転の鮮やかさ。 さすが、★5つの評価を得ている作品。 本格推理小説自体が、現代において若干古臭い感じがするため、私的には★4つ。
2投稿日: 2018.05.11
powered by ブクログ[手に取った理由] 年に数冊ずつクリスティーを読んでいるので。 [主な登場人物] エルキュール・ポアロ...私立探偵 カーラ・ルマルウション...20代前半。依頼人 ジョン・ラタリー...カーラの婚約者 エイミアス・クレイル...画家 キャロライン・クレイル...エイミアスの妻 サー・モンタギュー・ディプリーチ...キャロラインの弁護士 ジョージ・メイヒュー...事務弁護士 エドマンズ...法律事務所の事務員 クウェンティン・フォッグ...次席検事 ケイレブ・ジョナサン...クレイル家の顧問弁護士 ヘイル...警視 エルサ・グリーア/レディ・ディティシャム...工場主の一人娘。 フィリップ・ブレイク...エイミアスの親友。株式ブローカー メレディス・ブレイク...フィリップの兄。田舎の大地主。道楽で薬草をいじっている アンジェラ・ウォレン...キャロライン・クレイルの父親ちがいの妹。遺跡の発掘にたずさわる セシリア・ウィリアムズ...アンジェラの家庭教師をしていた ディティシャム卿...エルサの夫。上院議員。詩人 [感想] 事件関係者を色々な豚に例えているのが面白いと思います。ポアロとの会話を読みながら、なるほど確かにそうねと思わされました。 手記、質問の数に調和を求める拘りに、その方がバランスが良いと賛同できました。目次も良いですね。 マザーグースの歌を元に作られていても、無理矢理当てはめたと感じさせないのは流石です。 楽しみながら読みました。満足です。
0投稿日: 2017.11.28
powered by ブクログ映像では何回か観ていて、その度にせつない話だな、、、と思ってたいたので、本を読むのは少しためらっていた。けど、16年前に起こった事件の真実を関係者の証言を元に解き明かしていく過程がとてもおもしろく、今のところポワロの中で1番おもしろかったように思う。
2投稿日: 2017.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今まで読んだクリスティ本の中で、不動の№1作品です。 絵的に美しい描写、トリックでもアリバイでもなく人間性にスポットを当てた話づくり、同じセリフなのに取り方ひとつで物語全体がガラッと姿を変える衝撃。何もかも素晴らしすぎて文句のつけようがありません。 特にラストが圧巻です。絡んだ糸を丁寧にほぐすようにポワロが謎を解いていき、そしてすべての誤認を取り除くと、そこには犯人の痛切な嘆きがありました。セリフの一つ一つがドラマチックで胸を打つので、読み終わって本を閉じた後、しばらく余韻にひたって動けなくなります。 ちなみに私はミスリードにまんまと引っ掛かって別人が犯人だと思っていました。しかし作者の手のひらの上でコロコロ転がされるのって楽しいですね。 長編にしては容疑者が少なくて読みやすかったのもポイント高いです。 ただ一つ、妹が読んでた本が『月と六ペンス』だとポワロが当てた理由が私には分かりませんでした。あらすじはざっと見たんですけど、やっぱり『月と六ペンス』本文読まなきゃ分からないのでしょうか。
8投稿日: 2017.08.25
powered by ブクログドラマがとてもよかったので原作の方も読んでみました。 ドラマ版はちょっと人物像というか、キャラの設定を変えているのだなぁと思いましたが概ねそのままでした。 15年前の事件(すでに犯人の裁判は終わり、その犯人も獄中で亡くなってしまい全てが過去のことになっている)を色々な人にインタビューすることでその形を明確にしていくのですが、事件の当事者の立ち位置によってそれぞれ見方が違うのが面白い。 ポワロが各関係者に順にインタビューしていくのがこの物語の大半を占めているのですが、飽きずに最後まで読めました。 ポワロはなにより心証というか、その人物像を明確に定義していくところから推理を始めるのだなぁとしみじみ。 そも人の心に興味があると再三作中で言っているので当たり前なのかもしれないですけれど。そのあたりから矛盾を見つけ、それならばどういうことなんだろうと考えを展開させていくのはさすがだなぁと思いました。 有名な大作!!というわけではないのですけれど、頭が休まる暇のない連続殺人事件に比べると穏やかに、そして面白く読めるいい作品だと思いました。
2投稿日: 2017.07.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ポワロもので1番か2番めに好きなお話。 『ロミオとジュリエット』のジュリエットに若さゆえの情熱がなかったならば、ロミオは死なずにすんだのかも…。 なんとなく途中から犯人はこの人かな…と思わせつつ、最後にしっかりと伏線を回収して、人間心理、若い娘の恋愛心理を描いた良作だと思いました。
2投稿日: 2016.10.18
powered by ブクログ図書館で。 昔読んだ時になんだかポアロさんの人物像が鼻についてなんていけ好かない男だろうと思い、ポアロシリーズは読んでいなかったのですがマープルさんを読み終えてしまったので手を出してみました。面白かったです。 それにしても安定して面白いものを書ける人ってのはすごい。 過去の犯罪を当時事件に関わった人々の証言だけで推理するというなかなかに難題なお話。私は妹が間違って毒を入れたのかと思っていたら…違っていた。 でもアガサ・クリスティのお話って推理を楽しむというよりは登場人物たちの心理描写やいつの世も人って変わらないよね、というような所が読んでいて楽しいな、と自分は思っています。それにしてもはた迷惑な男だ。そういうのを真に受けちゃう娘さんも…まあ熱に浮かされていたと言えばそれまでだけど… 問題ですよね。
2投稿日: 2016.07.26
powered by ブクログアガサ・クリスティ作品初読み。 今まで読んだことがなかったんですよ(¯―¯٥) 面白かったけど、翻訳ではわかりにくいミスリードが一番重要なポイントだったんでちょっとズルい感じが否めませんでした。。。 英語があまり理解できないので原書で読めないもどかしさが残る結果となりました。。。
2投稿日: 2015.01.27有名ではないがクリスティーの傑作!
あらすじ 名探偵ポワロの前に一人の女性が現れた。彼女の母は16年前に父の殺人犯として捕まり獄中死していた。しかし、あることをきっかけに母の無実を信じた彼女はポワロに16年前の真実を見つけることを依頼してきた。16年も前に起こり、犯人は誰から見ても明らかだとされたこの事件の真実をポワロは推理できるのか? あまり有名な作品ではないですがミステリー好きの人にはクリスティーの最高傑作にあげる人も少なくない評価の高い作品です。 この作品のすごいところの一つは推理のための重要なセリフがほんとに大きく何度も出てくるところでしょうか。事件の解説を聞くとこのセリフからこんなことが導けたのかとすごい驚かされます。 ミステリー好きなら必読の一冊だと思うのでぜひ読んでみて下さい。
6投稿日: 2014.06.14
powered by ブクログ最初に読んだポアロシリーズ。一般的なミステリーのように、事件の全容が最初から時系列で分かる形式ではなく、過去の事件の話を一人一人に聞いてだんだんと解き明かして行く展開が独特で面白かった。5人全員の話をポアロと一緒に疑いながら聞いているようで、探偵になったような気分を味わえた。
4投稿日: 2013.11.02
powered by ブクログおもしろかったー。また勝てなかった。ミステリを読むときには必ず挑戦する気概を持つようにしてるのだけど、うん。才能ないな笑 16年前の事件を操作や裁判に携わった人間、そして5人の主要な人物の証言から洗い直す作品。モームの月と六ペンス、芥川の藪の中を彷彿とさせる。絵画を純粋に愛する人間と、その芸術家に振り回される人間。視点により異なる解釈。そういうものを描きながら、ちゃんと本格ミステリで、読み応えがすごい。 クリスティはこれで3作目だけど、どれも好みに合う。文章も訳者が違うはずなんだけど、そんなに違和感がないのも興味深い。少しずつ制覇していこう。
2投稿日: 2013.04.21
powered by ブクログ悪いのはエイミアスだと思う。こんなのは女の敵でしょう。と思う 芸術家がみんなこんなんでは困ってしまうよΣ(´□`;)警告したら、何もかも許されると思っている根性が気にくわない。ただ、ストーリーはよかった~いやぁ~良かったなぁ。読んだあとにやっぱりこの人かぁとは思ったけど、16年も前の事件を当事者からの手記をたよりに一つ一つを紐解いていく。思わず興奮しちゃいました
2投稿日: 2013.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
エルキュール・ポアロ・シリーズ 結婚を控えた女性カーラ・ルマンションからの依頼。16年前に父エイミアスを殺したという母親キャサリンの事件の真相を調べてほしいと。事件当時モデルであるエルサ・グリヤーと浮気中。友人であるフィリップ・ブレイク、フィリップの兄メレディス、夫婦と住んでいたキャサリンの妹アンジェラ、アンジェラの家庭教師ウィリアムズの証言。ビールのカップに入れられた毒。メレデイスの研究室から盗難された毒。ビールの瓶にエイミアスの指紋を付けていたキャサリンとアンジェラに送った手紙の秘密。事件直前口論をしていたというエイミアスとキャサリン夫妻。裁判で無罪を主張しなかったカロリンの謎。アンジェラのいたずらの現場を目撃したキャサリン。
0投稿日: 2012.08.07
powered by ブクログ解説によりますとクリスティ作品の中でこの作品が好きです、というとマニアの皆さんはやるな、お主って感じなのだそうです…。有名どころ〔アクロイド殺し、オリエント急行殺人事件、そして誰もいなくなった等〕の次にいかがでしょうか。個人的には有名どころに決して劣らない素晴らしい作品だと思っています。新訳で表紙が真鍋博氏のものです。
4投稿日: 2011.01.06
