
総合評価
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powered by ブクログ恋が死ぬ瞬間。 なんとも甘やかな響きを持つ「結婚」も、血の通った人間同士だからこそ歪みが見え隠れする。 最初から知らないほうがいいこと、見ない方が幸せなこと、いわゆる墓場まで持って行くとされている何か、人には決して言えない何かを、人間はかなりの確率で持っているのではないかと恐ろしくなる。 いくら夫婦といえど結局は他人。 言葉でわかっているつもりでも、目の前にそれを突きつけられると人はたじろぐ。 同じ景色を紡いでいるはずが、自分ほどに相手は満足感を得ていないのだと知った時、幸せと信じたはずの今までの二人の軌跡でさえ疑ってしまう。 オシドリ夫婦と呼ばれる嘘みたいな夫婦の関係も、 終わりを目前に優しくなれる夫婦の形も、 全てにスタートがあり、いつかはどこかに終着する。 手探りで、ときにはまっすぐに、不足しながら、補いながら、私たちは流れ着く。 気付くことのなかった男女の繊細さや仄暗さに心動かされる短編集。
9投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ解説のすべてに共感をしてしまった また名前のつけられない感情に「 知ってる! 」と思わされ、山本さんの作品を読んだな〜という気持ちに 表題作である紙婚式とおしどりは痛いほど共感しつつ、わたしの苦手なコミュニケーションの領域を言い当てられたかのような物語で恥ずかしくもなったし、大人になっても、結婚するまでの関係を育てても、人間関係に思い悩むのだと安心に似たような気持ちもしました 恋愛関係に限らず、相手が愛だと認識できる形で愛を渡すって難しいことだな〜と感じます そういう意味では秋茄子がとくによかった、わたしもだいじな場面で向き合える強さを育てたい
0投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログご命日なので、もう一冊。 新婚ではない、熟年夫婦でもない、結婚してから数年の若い夫婦達の結婚生活の不協和音。8編の短編集です。 人生三度目の土下座に悩む小心の夫「土下座」 納得の政略結婚のお嬢様の別宅がある夫への愛「子宝」 口論もできず演じた夫婦の結末「おしどり」 地元の同級生と結婚、貞淑な妻の心の不貞「貞淑」 穏やかな夫の隠された生活。トドメのラスト1行「ますお」 明朗な夫の親との不仲に手を差し伸べる「秋茄子」 同居十年目のカップルの別れ。結婚の有効性を問う「紙婚式」 一緒に暮らすパートナーの見える部分が全てではない。話すことより飲み込む言葉の方が多い。どの短編もラスト5行に掴まれる。 結婚という制度の名の下に揺らぐ夫婦たちを、山本文緒は静かに、確実にえぐってみせる。 そこが、この作家の真骨頂。
108投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ23年前、初めて山本文緒さんと出会った本です。 紙婚式をちょうど迎えていたので手にとって中身も確かめず購入してしまった。。。
0投稿日: 2025.08.21
powered by ブクログ夫は既に私の一部である。他人でないので会っても淋しさは紛れない。淋しさを紛らわしてくれるのは「他人」であることを私は知った。 --- いや、こわっ!!!! 結婚したくなくなる話だらけ。ホラーすぎる。 最後の2話はちょっと救いがあってよかった。
0投稿日: 2025.03.31
powered by ブクログたしかだいぶ前に一度読んだ気がするけれどその時は恐らくまだ独身でこんな世界もあるんだなーとどこか他人事だった。今読むとなかなか頷けるエピソードが目白押しで、いろんな夫婦の形があり、結婚がゴールではなくその後続けていくことの難しさを実感させられる。
0投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ「自転しながら好転する」が思いの外良すぎたから読んだ。 いろんな人の結婚についての短編!心理描写がとても好きだった
0投稿日: 2025.02.21
powered by ブクログ最初に読んだのは、20代前半。結婚なんて遠い先のこと、と思っていたとき。 山本文緒さんの作品に初めて出会ったのがこの短編集。 全体的に重く、閉塞感のある物語だが、この感じが好きで何度も読み返した。 表題作の「紙婚式」のラスト、「手をつなぎ続けることはこんなにも困難で、断ち切ってしまう方が百倍もやさしい。」この一文が10年前にも心に響き、結婚した今さらに身に染みて感じている。
2投稿日: 2024.11.21
powered by ブクログこの短編集のテーマは夫婦。『貞淑』と『ますお』に衝撃を受け、『土下座』に心を乱される。相変わらず著者らしい作品ばかり。心臓に爪を立てられるような感覚が病みつきになる。まったく身近にいなさそうな夫婦関係が多いのに、不思議とリアリティを感じる。『子宝』は共感はしないが、何となく鈴子の気持ちが理解できる。気を遣いすぎても、遣わなさすぎてもダメ。夫婦の距離感は夫婦の数だけあり、自分たちの正解を死ぬまでに見つけていくのが連れ添うということなのかしら。
2投稿日: 2024.05.22
powered by ブクログ結婚に関する短編集。家族という枠組みの中で唯一血の繋がらない夫婦だからこその気持ちのすれ違いだったり、不思議な関係性を繊細に描いてて上手いなと思った。ゾワっとするような話もあったが、妻か夫どちらかの目線でしか描かれていないので、違う目線から見ればまた違った解釈が出来そうで面白い。
1投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ結婚にまつわる短編集。 なんだか読んだ後じんわり切なくなるような話が多くて、さすが山本文緒さんといった感じ。 「紙婚式」が1番好きかな。 結婚には色々な形があって、同じ価値観を持った同士でないとだめな部分があるけど、どこまでお互い譲歩できるかが大事なんだな…と思った。
9投稿日: 2024.05.15
powered by ブクログ生々しい結婚と男・女の色々。端から見るのと実情はいつだって違う。一緒に暮らす、ということも、籍を共にする、ということも。 8作の短編集だったけど、それぞれの続きが気になる…。それでも続けるなんて、私には出来ない。私は、ね。
1投稿日: 2024.03.01
powered by ブクログ久々の山本さん。いろんな結婚の話だけど何かしらの問題を抱えていて不安や苛立ちが伝わってきて生々しい。読みやすい。 肝が冷えるような怖さを感じることが多く「ますお」はその真骨頂だった。ありそうな話で疑心暗鬼になってしまいそう笑 「秋茄子」は途中旦那の方の冷酷で幼稚なところを軽蔑していたけど終盤でなぜそんな立ち振る舞いになったか理解できて人は歪んでいて繊細なんだなと思った。主人公のように慈愛を込めて接したから救いのある結果になったんだなぁ。私はこんなことができるかな。
0投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログ様々な結婚の形態を描いた短編集。 赤の他人が家族になる、という特殊な関係だからこそ生まれる歪みがリアルに描かれている。 もうこれはホラーと言ってもいいのではないか、というくらい、背筋がゾワゾワする箇所がいくつかあった。 一人称で綴られたストーリーが主なのだが、男性が主人公のときに「俺」や「僕」が「私」になっているところがたまにあり、違和感があった。 多分作者さんが書いているときにうっかり間違えたのだと思うけれど、編集の人はなんで気が付かなかったのかなぁ、と。 物語の世界に入り込んでいるときにこういう誤植があると、急に現実に引き戻されてしまう…。
0投稿日: 2023.06.20
powered by ブクログ夫婦、という関係性はとても難しい、と常々感じる。 人のこころはとても移ろいやすく、共に生活する中で見せたくない部分もさらけ出しながら、良好な関係を築くのは相当努力が必要だと思う。 この本の二人は8つの話すべてに子供がいないことが共通項。子供という強烈な嵐はものすごく覚悟が必要だけど、家族になるための重要なトリガーになりうるのかもな、と思ってしまった。 子供がいると人間が苦手な”停滞”の状況は良くも悪くも無くなってしまうから。 そんな風に親に依存されるのは実体験からものすごーーーーく嫌だけど。 命ほど重いものを抱えないと、他人と交わり、尊重し、手を取り続けるなんてできないのかも。 紙婚式の「夫は既に私の一部である。ー 淋しさを紛らわしてくれるのは 他人 であることを私は知った」がすごく印象に残った。
0投稿日: 2023.06.03
powered by ブクログ前に読んだのは20代の前半。 この本に出てくる男女はめちゃくちゃ格好良いと思っていた。今読むと「考え方甘いなぁ」という印象のお話しばかり。 今の生活が現実的すぎてこの90年ころの本を読み進めのは難しかった。 でも「自転しながら公転する」を読むのが楽しみである。残念ながら山本さんは亡くなってしまったが、この本は今がやはり旬なのかなと思う。
2投稿日: 2023.04.11
powered by ブクログ夫婦にまつわる8作の短編集 外から見たら表面上は円満な夫婦でも、闇の部分が隠れているという物語が多め 15年くらい前に読んだのを再読 当時とは私の状況が一周して大きく変わったわけで、物語の理解度や解像度が高まっていた ・土下座 結婚してから夜の生活を断るようになってきた妻 それに対して自分も求めなくなった夫 そんな夫に、妻は自分から誘うような素振りを見せてくる 普段はニコニコとしているように見えて、実は料理はとんでもないものを出してくる 成人式のときに居酒屋で振り袖にキムチを落としてしまったときでも怒らなかった妻 その時にしたのが土下座の一回目 二回目はプロポーズのとき そして、三回目は…… ・子宝 政略結婚のような結婚をしたお嬢様育ちの妻 夫は何かにつけて妻の世間知らずなところを揶揄してくる そんな夫は愛人とその子供がいる キーアイテムは「毛ガニ」でしょうかw まぁ、生き物って食べるにしろ育てるにしろ大変ですよねー ・おしどり 夫婦円満で何の問題もなさそうな兄夫婦 恋愛関係のトラブルで、そんな兄夫婦の家でしばらく過ごす事になった妹 お互いを想い合いう理想的な夫婦に見えたが、兄嫁が突然の家出 兄夫婦が表には出していない事情 ・貞淑 行為の最中に、知らない男の名前を口にした妻 夫は不貞を疑い、相手は誰かと詮索したら、その男は人気芸能人 実際に不倫をしていたわけではない事に夫は安堵するが それでも残り続ける不快感 ・ますお 母親と同じマンションの違う部屋に住む夫婦 夫は姑との関係も良好 しかし、夫の行動には不審なものがあり 最後に明かされる夫の真意 ・バツイチ お互いに離婚経験のある男女 ペットショップで知り合った男女の再生の物語 子供という存在 人によっては救いだけど、時と場合によっては重い枷にしかならない事もあるよね…… ただ、終わり方は希望がゼロではない感じでよい ・秋茄子 二世帯住宅だが、義父母とはまったく交流のない夫婦 休日にも活動的で色々なところに一緒に行きたがる夫 義母からは嫌われているかもしれないと悩む妻 義父母と夫は、何故二世帯住宅に誘ってきたのか? 秋茄子のぬか漬けを義母に持っていったところ、足を捻挫したという 何かと世話を焼こうとするが、義母は遠慮するばかり 体調が悪い妻を気遣うことがなく、はては家に帰ってこなくなる始末 そんな一見したら離婚目前のような関係の夫の家族の隠されていたものとは…… ・紙婚式 お互いに干渉しない、依存しあわない関係で10年続けてきた事実婚 夫の一言で、その関係が崩れる時が来る そんな二人の新たな関係性 全体を通して、夫婦という関係性のダークな部分が描かれている 冒頭に書いた通り、以前よりも物語の理解度は深くなった 以前はただ「結婚なんてするもんじゃねぇな」と思ったけど 改めて読んでみると、経験者だからこそわかる心の動きがある もしかして、山本文緒さんも同じような経験をしたからこそ書いた作品だろうか? そして、最後の3つ、バツイチ、秋茄子、紙婚式は終わり方にどこか救いや希望が見え隠れしている 短編小説の並び順としては、前半に表題作や評価の高いものが配置されがちだけど この3つを後ろに持ってきたというあたりに、結婚は色々とダークな面があるものの、捨てたもんではないというメッセージ性を感じる
0投稿日: 2023.02.14
powered by ブクログ大恋愛の末結婚したわけでもなく、激しく憎しみあって別れたわけでもない。そんな夫婦像がリアルに感じる。 ただ結婚したら専業主婦になって家を守るという概念が今や古く感じる。
1投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログ結婚、同棲をするカップルたちの短編集。最後は、自分も主人公目線で途方に暮れる…と言うような終わり方が多かった。 一番衝撃だったのは、ニコニコしながらスープの中にゴキブリを入れて夫への怒りを表す妻。他にも完璧な結婚生活なはずなのになぜか違和感を感じる、本音を言えない関係、、、 どれも長い結婚生活の日常の中で、繕いきれずに綻びが生じていく過程が、リアルで、結婚しなくていいな私、とも思ってしまいそうになる。婚活中の方にはお勧めできないです!
0投稿日: 2022.12.30
powered by ブクログ一見うまくいっているように見える夫婦たちの問題点。 どの夫婦も共通して、関係や生活に違和感を持ち始めても、正面からぶつかろうとしない。 そして後戻りできないところまできてやっと気付く。それが日本の夫婦の形なのか?と思ってしまうくらい。 その点、唯一正面からぶつかった「秋茄子」の話が一番好きだった。 これから一生一緒に過ごしていくと決めた結婚だから、何でも思ったことをお互い口にできる仲でいたい。
5投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ紙婚式 山本文緒 著 山本さんの購読は初めまして。 寄贈してくださった方の本の一冊です。 描かれているのは、複数組の夫婦の姿です。 いずれも、決して良好な関係ではなく、すれ違いの姿です。 初版は1989年。 そう、バブルが終わる時期です。 ------------ さて、厚生労働者の人口動態統計/平成27年の離婚率は、 1975年 12.7% 1990年 21.8% 2015年 35.6% です。 ------------ 2015年の方が、小説執筆時期よりも、遙かに高い割合です。 紙婚式の小説で描かれている夫婦像は、現代の令和の時代にこそ共通事項が多いのかも、、、と考える機会となりました。
13投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ様々な夫婦のかたちを描いた短編集。 人の数だけ、夫婦のかたちは違う。 人の数だけ、答えがあっていい。 だからこそ、自分たちのかたちや答えを模索して探し続けることが必要。 ちょっとした勘違いやボタンの掛け違いが様々なかたちを描いていくのが興味深く面白い。
0投稿日: 2021.12.25
powered by ブクログ答えの出ない人生の色々 作者から投げかけられ 考える自分がいること それが心地よく読み進めることが出来る
1投稿日: 2021.04.16
powered by ブクログハマっている山本文緒繋がりで読みました。 相変わらずちょっと暗い、閉塞感を感じる作品の数々。今回は結婚後の夫婦について 自分が上手くやれてる方なのかなと思うくらい上手くやれてない人達が多数出てきます。これはそういう作品なので仕方ないですが、誰かと一緒に暮らすというのはどこか我慢したり諦めたり、そして何よりそれがずっと続くという閉塞感。変化がないことに対する退屈。手放すのは簡単だが繋ぎ続けることは難しい。このような言葉が沁みました。 最初は終わりに向かっていく作品がおおいですが、最後の方は希望もあったり おすすめは秋茄子 なんとか家族になっていきたいという気持ちが見えて安心 表題作の紙婚式もそもそもが破綻している夫婦関係から修復?とも見えるラスト。夫婦の在り方も自由になった今だからこそ、皆悩み、どうにかして生き続けるしかないのですね。
5投稿日: 2021.03.19
powered by ブクログ結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編集。僕にとっては二冊目の山本文緒作品読書となりました。 この本の感想を書く前に、白状しておきます。僕のファースト山本文緒作品は「パイナップルの彼方」。 林真理子の小説に寄稿されていた著者の解説に接したのが切っ掛けでした。読んだ直後は、自分の感情を言葉に出来なかったのですが、今は出来ます。不愉快でした(笑)。 当時記した「パイナップルの彼方」の読書日記を読み返すと、苦し紛れです(汗)説教してるし(俺)。ハードボイルドとか書いているし……。 ハードボイルドは「固ゆで(卵)」。中身が見えません。外面描写に徹した小説の手法です。 「パイナップルの彼方」 は、心理描写盛りだくさんで、主人公が自分の感情をよく語ります。もちろん、ハードボイルドではありません。 が、しかし。一人称で書かれたこの小説は、主人公の主観に徹していて、著者の、主人公の言動に対する、評価が一切排除されています。友達の結婚や、転職に対する主人公の感情は描かれているのですけれども、著者がどのように考えているかは全く解りません。これがハードボイルド・テイスト(?)を醸し出しているのかも。と思うに至り、他の小説も読みたくなりました。 最新の文庫「紙婚式」は結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編小説集でした。全て主人公の一人称で語られる物語です。各編のタイトルと「一人称」と性別を記してみます。 1. 土下座「僕」男 2. 子宝「私」女 3. おしどり「私」女 4. 貞淑「俺」男 5. ますお「私」女 6. バツイチ「僕」男 7. 秋茄子「私」女 8. 紙婚式「私」女 やはり著者の評価なり、感想なりが一切排除されつつ語られる感情の葛藤は、一種サイコ・ホラー。 怖いあまりに、他人事として「夫婦喧嘩は犬も食わねぇ」と一蹴にしてしまいたくなる気分がなきにしもあらず、でした。 それは、他人には解らない男と女の閉じられた空間であり、人に話したところで、愚痴と受け取られ 「聴いてあげているのよ。」 という顔をされるの落ちになる物語であり、人から聴かされても頷くことしか出来ないのが目に見えている物語です。 ですが、そういう物語であるからこそ、本人にとってはせっぱ詰まった問題であり、語られる事を望まれている物語だと思うのが僕の感想でした。 その後の二人を知りたい欲望が満たされないまま、各々の物語は終わってしまうので、その後の物語は自分で想像するしかありません。 「どうなるのだろう。」 この想像は、自分のケーススタディーとなって、読者自身の物語に引き継がれます。
0投稿日: 2021.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まず、この本が1998年、今から20年以上前に出ていたことに驚いた。確かに、それぞれの物語に出てくる生活用品(固定電話とかFAXとか)に時代を感じ、「いつの本だ?最近のものではなかったっけ?」と思って奥付を見たからこそ刊行年が分かったのだが、いつまでも、男女間、あるいは夫婦間のすれ違いや虚しさや思い違いは似たようなものだと思った。 「ますお」に特に心を抉られた。まるで今の自分のことのようだった。主人に対する不満を抱き、それを口にするかどうか悩んでいる。私が黙って耐えていればいいのかもしれない。でも、浮気されていることに気が付いてる時点で私の心はどんどん削られていく。そんなの耐えられない。 しかし、私は主人も我慢をしているかもしれない、とは考えられていなかった。穏やかで家事も進んでしてくれる主人が何を思っているかを考えていなかった。自分の居心地の良さや自分の思い通りに進まないことだけに目を向けるのではなく、取り返しのつかなくなる前に主人の不満や不安にも思いを巡らせようと考え直した。
1投稿日: 2021.02.28
powered by ブクログうーん、、、 2001年と、時代が古いせいか、 ちょっと夫婦の考え方が今とは違うのかな。 女は結婚したら、家事をして子供を産んで育てる、 というのが普通だった時代のお話、と言う感じ。 今はもっといろいろな夫婦がいると思う。 あと、登場する女性が子供っぽくて、 言わなくても分かるでしょ、と人のせいにしてばかりで、男性もだんまりな感じの人ばかりで、 なんだかどの話もイライラしました。
0投稿日: 2021.02.04
powered by ブクログ夫婦に限らずだけど、”自分以外”は他人だから価値観も考え方も何もかも違うのは当たり前。 血縁のある家族でさえ、何を考えているかなんて言葉にしないと分からないのだから、育ってきた環境も何もかも違う他人なら理解できないことがあっても仕方ない。 しっかり話し合って、考えを言葉にして伝えて、譲り合い、ときにはぶつかり合って、一緒にいる努力をお互いにしていかなければ夫婦という紙1枚の関係なんて呆気なく崩れてしまう。 結婚とは、夫婦とは、なんなんだろうなぁ、と考えさせられ本でした。 読みやすいし面白かったです!
0投稿日: 2021.01.18
powered by ブクログいろんな結婚の形の話。みんな気づかないふりをしていて先延ばしにしたり、自分には関係ないと思ったり、心で言い訳をしたり、とても人間らしくて。ほんとにこんなことありふれているんだろうなと思う。自分に正直に、でも人には優しくできるように生きたいものです。
0投稿日: 2020.09.17
powered by ブクログ女の人の短編集。普通の女性のはずなのに読み進めると少しづれていることがわかる。哀しい思いで恋をしている話
0投稿日: 2020.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結婚をテーマにした8編からなる短編集 『土下座』 主人公の男は、妻の態度を恐れている 二人が出会ったきっかけは、主人公が居酒屋でバイトしているとき、 着物を着ている女性にキムチをこぼしてしまったこと。 それが後の妻になった。 妻にしたはいいものの、しばらくすると妻は夜の生活を断るようになってきた。 そして主人公が復讐のつもりで妻を求めなくなると、今度はあからさまに 夫を誘うようなことをしてくる。 妻を抱くべきか、否か……。 一度目の土下座は、キムチをこぼした時。 二度目の土下座は、プロポーズの時。 主人公の男は、妻を抱くために、三度目の土下座をしなくてはいけないのだろうか? 他 『子宝』 主人公はお嬢様育ち。旦那は外で愛人との間に子供。 『おしどり』 仲良すぎて不気味な兄夫婦。主人公は恋に奔放。 『貞淑』 妻がセックス中に知らない男の名前を読んだことが気に入らない夫。そのくせ自分は、仕事もせずに愛人作ってフラフラ。でも妻の空想の中には決して入れないことに悩み始め、ついに愛人との行為中で不能になってしまった。 『ますお』 サザエさんのマスオさんから来てるのかな? 本当は離婚したい優しい夫と、料理上手な母に囲まれて一見幸せに暮らしていた主人公の話。 『バツイチ』 子連れ同士の再出発はうまくいくのか? 育児ノイローゼのことが分かりやすく書いてある。 『秋茄子』 二世帯住宅って絶対したくない。 こんな小説みたいにうまくはいかないと思う 『紙婚式』 事実婚のカップルが、本当の夫婦になるまでの紆余曲折を描いた話。なんか、遠回しなノロケ話を聞いてるみたいな感じ
0投稿日: 2018.03.12
powered by ブクログ愛ってなんだろう。 みんなそれぞれいびつだったり、 やるせなかったり、 現実にある、死ぬまで続く日常。 どれも不安をかき立てられた。 秋茄子と紙婚式が好きかな。
0投稿日: 2017.06.02
powered by ブクログ結婚生活の色々を描いた短編集。どれも一見幸せそうに見えて実情はほころびだらけという内容。他人の気持ちは本当に見えないから、自分も不安になることが多くてゾクゾクした。最初は面白かったけど、8編もガタガタな夫婦ばかり見せつけられると、すごく苦しくお腹いっぱいになってくる感覚があった…作者も結婚を経験しているから、リアルに心理描写出来てるんだろうけど、もう少し光のある話も見たかったな。。 もっと結婚て幸せだけどな〜 結婚に希望を抱いてる人は読まないほうがいい作品!笑
0投稿日: 2017.03.13
powered by ブクログ山本文緒は友人に薦められた。彼女曰く、「不倫してホテルを使った後、"ホテル代を割り勘で払う"というような、現実的なことが書かれている。そういうことを書く作家だ」と。そしてその点が魅力なのだ、と。それならば一度読んでみようと思い、この作品を手に取った。 本作は「結婚」を主題とした、8編の短編からなる短編集。冒頭の「土下座」から、まるでホラー小説を読んだような寒気を覚えるその後続く作品のいずれも世間一般に流布している「結婚」の甘いイメージとは遠くかけ離れている。 夫婦だからといって相手のことを全て分かっているとか、また結婚したからといって自分が相手にとって運命の相手だというのは幻想だ。そもそも夫婦と言うのは元々二人の他人が作り上げた関係だ。そんな当たり前のことを改めて強く感じさせてくれる。相手のことが分からないのは当たり前だが、だからこそなあなあに済ませず、理解しよう、歩み寄ろうと努力する態度に意味があるのだろう。 収録作の殆どが恐ろしく悲しい話だが、読んでいて息苦しさを感じないのは淡々とした筆致と、どこか距離を置いた視点だからだと思う。また、最後の二作「秋茄子」「紙婚式」は中では明るい終わりのため、読後感も悪くはない。これは配置の妙だなと感心した。 好きだったのは「秋茄子」。そして8編の中で個人的に最も恐ろしかった「ますお」。
0投稿日: 2016.10.28
powered by ブクログ当たり前だけど色んな夫婦があるんだなと。 我が家は8年目だけど夫婦仲が良く幸せな家庭だと思っているけど、そう思っているのは私だけ!?と、思わず考えてしまいました(笑 複雑な気分になってしまう話が多かった中、『秋茄子』の話はホッとできて良かったです。
0投稿日: 2015.12.11
powered by ブクログ結婚、夫婦を描く短編集。『秋茄子』が一番好きな作品。義父母と二世帯住宅で暮らすことになったけれどお互いに交流がなく居心地の悪い思いをしている光子の“新しい家族”を得るまでの行動や思いが素敵だった。
0投稿日: 2015.10.29
powered by ブクログ結婚生活のやるせなさを描いたような短編集。 山本文緒って恋愛中毒しか読んだことなかったのですが、こんなに面白かったかとびっくり。 奥田英朗のような雰囲気。 ただやっぱり女性ならではの視点、感性が光る不穏な内容に仕上がっていました。 結婚ってゴールじゃないんですよね。 結婚したら何もかも上手くいく、って思いがちだけど、現実は全然そんなことなくて。 相手には平気で苛立つし、飽きるし、大好きで結婚したはずなのに、疎ましくてしょうがなかったりすることだってあります。 8つの話にでてくる全ての女性に共感してしまいました。 特に「おしどり」が良かった。 幻の美しいお城のためには、どうしたって必要なこともある。 それって本当の幸せなのかな…とは思うけど、結婚ってそういうのの積み重ねなのかな。思いやり、と言えば聞こえは良いですが。 表題作の紙婚式にもじんわりしました。 散々結婚生活の闇を描きまくった後、これを最後にもってくるところがまた良い。 島崎今日子さんの解説にもいたく納得できました。 ミルフィーユの例えが分かりやすかったし秀逸。 綺麗においしく食べるには、やっぱりそれなりの根気と努力がかかせないのかもしれない。
0投稿日: 2015.09.13
powered by ブクログ屈折した夫婦だらけ。なんだかなあと思うけど、よくあることことかも、自分にも似たようなことがあるようなと思うと引きずられるように読んでしまう。 もっと、カラッと明るくいきたいもんだけどなあ。
1投稿日: 2015.08.11
powered by ブクログ結婚をテーマにした短編集。 どの作品も、夫婦とはいえお互いのことを理解できていない男女、偽りの姿を繕う男女が描かれている。愛し愛されていたい、繋がっていたいという思いはあるものの、それをどうすれば感じることができるのか、わからずにもがいている夫婦たち。 「紙切れ1枚で繋がっている気分にはなれない」、と思う女性の気持ちはわかる気がしないでもない。 人間は複雑な感情を持て余す生き物だから、仕方ないのかもね。
0投稿日: 2015.08.07
powered by ブクログ一見平凡な夫婦に見えても所詮は他人。 ただただ日常を壊さないように、相手に深入りしないでやり過ごす。 そんな夫婦の悪い例ばかりだった。 「秋茄子」だけはいい話だった。
0投稿日: 2015.06.14
powered by ブクログどこにでもありそうな、 でもコワい夫婦模様であったり どこにでもありそうな、 今度はちょっぴりほっこりする話であったり 山本文緒さんの巧さに舌を巻く傑作短編集。
1投稿日: 2015.04.14
powered by ブクログ短編集。いろんな夫婦の形が見られます。 外から見る限り何の問題もなさそうな夫婦も夫も妻もそれぞれにいろんな思いを抱えている。何の問題もない夫婦なんてきっといないんだろうな。 「ますお」ではぞっとし、「秋茄子」では夫の母親への思いに切なくなり、「紙婚式」では夫の一言ににやりとさせられました。
1投稿日: 2014.12.04
powered by ブクログ結婚をテーマに綴られた8つの話が収録された短編集。 山本文緒を読んだことのない人に最初にオススメしたい一冊。 タイトルやテーマからは恋愛小説と思われがちだがそう簡単にジャンル分けができない内容だった。 一編目の「土下座」はとくに、恋愛小説が苦手な人にもぜひ読んで欲しいくらい、緊張感と衝撃のある不思議な作品。
0投稿日: 2014.10.18
powered by ブクログ結婚をテーマにした8篇の短編集。 結婚といっても幸せいっぱいの結婚生活って雰囲気じゃなくて、どの話もどこか不安定な雰囲気。でも、共感した所もいくつかあって、読んで良かった。 「貞淑」では笑い話で終わると思いきや、そんな流れになるのかと驚いた。 男性が語り手の話で、大体は僕や俺が一人称として使われるのに、たまに私ってなってるのが気になった。たまたまなのか、私の気にしすぎなのか、何か意図があるのか… 「ますお」という話が怖かった。「土下座」「バツイチ」も印象に残った。
0投稿日: 2014.09.07
powered by ブクログ【本の内容】 一緒に暮らして十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。 傍目には羨ましがられるような二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。 一緒にいるのに満たされない、変化のない日常となってしまった結婚のやるせなさ、微かな絆に求めてしまう、そら恐ろしさ。 表題作「紙婚式」ほか、結婚のなかで手さぐりあう男女の繊細な心の彩を描いた、新直木賞作家の珠玉短編集。 [ 目次 ] [ POP ] これはホラーだ。特に『土下座』と『ますお』のラストに戦慄した。 うわああっ、と叫びたくなるほど怖い。 結婚すると誰もが「おめでとう」と言われる。 ドラマやマンガでも「そしてふたりは結婚しました。めでたしめでたし」という結末はものすごく多い。 しかしハッピーエンドの向こう側にある生活は甘くはない。 現実はこうだと言わんばかりにこの短篇集には壊れた関係ばかり出てくる。 日常の描写が細密なので壊れっぷりがリアルだ。 『土下座』の洗面所のシーンとか。 うまいなあ。 孤独は嫌だけどずっと一緒にいるのも辛い。 身勝手だけど共感できる。 相手に期待を押しつけずお互いに自由でいようと努力しても難しいんだ、ほんと。 ちゃんと語ろうとしているだけ表題作の『紙婚式』や『秋茄子』には救いがあるのではないか。 そこがいいのでA。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2014.08.26
powered by ブクログタイトルや裏表紙ぱっと見から、勝手に、ほのぼの系の日常の幸せを描いた話かなと思ってたけど、違った。ちょっと後味が悪いのも多かった。後半の数話は、少し救いもあったようだけど…。
0投稿日: 2014.04.04
powered by ブクログ8個の短編集。 結婚とは何なんだろう…と考え込んでしまう。 共通・共感・嫌悪…いろんな感情が蠢く。 女って何て面倒くさくて厄介なんだろう。 夫婦って何なんだろう…
0投稿日: 2014.03.04
powered by ブクログ夫婦にまつわる短編8作。 今ある日常生活のどこかが壊れてしまったらこうなるのではないか、というような、実際にありそうな空恐ろしい出来事が描かれている。でもなぜか、「これはフィクションだ」とどこかで感じながら読むことが出来る。 他の作品でも思ったが、怖いながらもどこか安心して読める作家だと思う。
0投稿日: 2014.02.08結婚するということ
籍をいれるかどうかは別にして,他人と一緒に暮らすとはどういうことなのか,を考えさせる作品.
0投稿日: 2013.12.08
powered by ブクログまさに自分が結婚1年だったので読んでみたら、とっても恐ろしかった。。。 世の中にはいろんな夫婦がいるのですね。 自分は全然健全で幸せな部類だと思いました。
0投稿日: 2013.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
早くついてしまった駅で、待ち時間に書棚を見ていたら 「一緒に暮らして10年、小綺麗なマンションに住み、 互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。 傍目には羨ましがられるような2人の関係は、 夫の何気ない一言で裂けた。」 文庫の裏を読んで、思わず、その短編「紙婚式」を開いた。 なぜって、この文章は、ほぼ私と夫の関係を語ったものだからだ (人に羨ましがられているとは思わないが・・) 私たちは一言で裂けるものなんだ、という驚きで。 (それとおそらく少しの不安で) 結局、買ってしまって、全ての短編を読んだけれど 結婚生活の闇というほどではないにしても 明るみに出さない方がいいグレーな部分を 人によっては気づいてさえいないダークな部分を なんと巧にとらえていることか! 著者は既婚者だよね? 未婚でこれが書けたらスゴイ! でも決して結婚はしないだろうな ダークな部分は、あえて明るみに出さないのも知恵かな
0投稿日: 2013.08.27
powered by ブクログ結婚して数年たった夫婦の現実を綴ったオムニバス 幸せの下に見え隠れする本当の感情。知ってしまったから壊れるのか?これまで知ろうとしなかったことがそもそも罪なのか。建前も嘘もない関係なんてありえないのに、続けていくにはどうしたら良かったんだろうか。 っと、いつも山本文緒の本には考えさせられてしまう。このモヤモヤ感がくせになる。
0投稿日: 2013.08.25
powered by ブクログ独身の私には窺い知れぬ、夫婦の闇… 結婚生活を描いた短編集だけれど、深淵を覗き込むような、怖い話が多く、ビビってしまった。この作家さんの、少し陰湿な感じが、私の性格とはあまり合わないところだなと思った。
0投稿日: 2013.08.17
powered by ブクログ結婚生活についての短編8話 結婚していることは、独身から見ると“安定”して、“弛緩”しているように見える けれど、“安定”しているとみなされることで、その“安定”を崩してはいけないという“緊張”が実は夫婦の間に走っている場合もあるのかなと思いました そのストレスから逃げたり、目をそらしたりすると、結局はまとめて自分に返ってくる 向かい合うことは必要なんだよ、と全体を通して言われているような気になりました 自分のことばかり考えているうちは結婚はつとまらないのかもなと思ったり
0投稿日: 2013.08.10
powered by ブクログ初山本文雄。この年になってわかるおもしろさ。久々のジャケ買いだったけど、作家さんとの出会いにもタイミングがあるなー。娯楽読書再会にはうってつけの一冊だった。 また恋が死ぬ。 この文章が一番すき。
0投稿日: 2013.07.28
powered by ブクログ日常が壊れていく。勿論、結婚したから、同棲したから、恋人となったから、寄り掛かりすぎるということは危険なことだ。 でも、この小説は、寄り掛かろうとして寄り掛からなかった人、寄り掛かることで安寧を得ようとした人、それぞれだ。 とてもきびわるく、せつなく、むなしかった。 ぞくにいうふつうのひとたち、重要な決断に揺らいでしまうようなふつうのひとたち。 結婚も存外悪いものではないのに、結婚したひとたちが読むときっと哀しくなってしまうでしょう。 そんな短編集です。おお、こわい、こわい。
0投稿日: 2013.06.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この著者の作品を読んだのは初めてです。もっとハッピーな内容かと思っていました。不気味で、日常がゆっくりと壊れていく様はホラーですらあります。怖いけれど、他の作品も読んでみたくなりました。
0投稿日: 2013.06.06
powered by ブクログ再読です。 夫婦(家族)の問題がテーマの短編集。 前半は幸せな雰囲気で淡々と進み、中盤からその幸せ感がガタガタ崩れていく。 山本文緒ワールドって感じかな♪ 私は好き。
0投稿日: 2013.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結婚とは・・って考えさせられる。 結婚した時は最高の相性だと思っていても、結婚して年月が経つと変わってくるものがある。深いな~。
0投稿日: 2013.02.05
powered by ブクログ一緒に暮らして十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。傍目には羨ましがられるような二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。一緒にいるのに満たされない、変化のない日常となってしまった結婚のやるせなさ、微かな絆に求めてしまう、そら恐ろしさ。表題作「紙婚式」ほか、結婚のなかで手さぐりあう男女の繊細な心の彩を描いた、新直木賞作家の珠玉短編集。 _________ 昔読んだときは何も感じないよくある短編集だったのに 結婚してから読むと、とても怖くなる話ばかり。 日常がいきなり変わったり終わったり、 夫婦なんて永遠でもなくて みんな悩みや状況が違っていて。 子どもがからむと余計やっかい。 単純にいかないものを感じってしまった。 また10年後とかによんでどう感じるかが楽しみだ。
0投稿日: 2013.01.13
powered by ブクログ「決心というのは、その決め事を破ってしまいそうだからするのであって、確信というのは自分の中に静かに確かに存在するものだ。」 紙婚式、というのは結婚一年目の記念日の事を言うそうである。 未婚の人が読んだら、結婚生活に抱く夢を砕かれる以上に不信感というか得も言われぬ恐怖を植え付けかねない。 まあ、山本文緒だからねえ・・・。 それで片付けられてしまう作者もどうかと思うが。
0投稿日: 2012.11.25
powered by ブクログ夫婦がモチーフの短編集。 どの話にも不協和音が流れてる。 「ますお」のホラー度はなかなか。 自分の中でタイムリーなテーマなせいか感情移入してしまった。 「秋茄子」「おしどり」もいい。 夫婦っておもしろい。
0投稿日: 2012.08.15
powered by ブクログたんたんと進むストーリーの中で、最後には必ずオチがついていて、短編の一作一作がしっかり満足できました。夫婦のさりげないすれ違いから生じる問題を書いていて、夫婦生活で同じような経験をした人は苦笑いなんじゃないでしょうか。
0投稿日: 2012.07.30
powered by ブクログ結婚生活にまつわる短編集。 他人である以上、相当の我慢の上に成り立っている関係。 お互い口にしない腹の内も、疑いもある。 結婚したら無条件で幸せになる。 そんな甘くはないみたい。 焦る人への冷や水におすすめ。
0投稿日: 2012.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結婚ってなんでしょう?と思い始めたら結婚できないので(笑)、 未婚者にはとても怖い本かもしれません。
0投稿日: 2011.08.30
powered by ブクログ結婚をテーマにした短編集。 いろんな型の夫婦がいるけれど、現代版のリアル怪談です…。 結婚を夢見ているかたは読まない方がいいかも〜。 人のこころの中は、誰にもわからない。 だから、結婚は面白いし、深い。 本当の意味で「信じる」と決めるのが結婚なんだなあと感じる。 しかし、暗い。 家庭にはそれぞれのドラマがあり、他人が一緒にいてくれるという夫婦の基本的ありがたみを忘れてはいかん…と思わせてくれる一冊。
0投稿日: 2011.05.26
powered by ブクログ8つの短編のお話。 この本の感想を一言で表すと、「怖い」です。 おばけとかそうゆう怖さじゃなくて、なんだかぞっとするような怖さ。 山本文緒っぽい作品だ。 結婚相手とは一番身近な赤の他人で、決して交わえない相手。 「決心というのは、その決め事を破ってしまいそうだからするのであって、確信というのは自分の中に静かに確かに存在するものだ。」 この言葉になんだか衝撃を受けた。
0投稿日: 2011.02.27
powered by ブクログ結婚に関する短編集。 中でも好きだったのは「秋茄子」。 夫婦や夫の両親との関係が描かれている。 結婚はドラマだと思った。
0投稿日: 2010.11.27
powered by ブクログしくしくと心に触れる物語 短編集ですが、まとう空気が同じなので 短編連作といった趣です。 結婚と生活の狭間の物語達 それでも別段「結婚生活」特有のすれ違いを描いたお話ではなく 妻と夫の小さな行き違いが生む亀裂を切り取った脚本でもなく 事故のように起こった愛憎劇でもありません。 たんたんと そう、淡々と多面的で矛盾しながらも両立できる 感情と理性がない交ぜになった行動が描かれた本。 読み終えたあとに心に残るやるせない想いは それを抱いた個々人それぞれのストーリーを含んでいる筈です。
0投稿日: 2010.10.22
powered by ブクログ「結婚」をテーマにした短編小説集。 「土下座」「子宝」「おしどり」「貞淑」「ますお」「バツイチ」「秋茄子」「紙婚式」 うっすらとした毒、一触即発かと思えるドキドキを醸し出す上っ面の人間関係、誰もが持ち得る心の悶々としたもの・世間体・自己愛、そういうキレイでないべきものがさらっとキレイに紡ぎあげられている。 から、ついさくっと読んでしまう。 著者の作品はいつも、小学生・中学生の自分に一回読んどいてほしかったなといつも思わされる。
0投稿日: 2010.09.24
powered by ブクログ結婚ってなんだろう… こんなにいろんな形があるのかな。。 怖いよー とにかく、結婚は人生においてすごく大きなことなんだろうなと思う。 でも結婚に限らず、人生ってほんと人それぞればらばらなんだろな、大人になればなるほど。
0投稿日: 2010.05.11
powered by ブクログ学生時代から何度も何度も読み返してきた一冊。 遠い遠い世界の話だと思ってきたけれど、それが現実の世界と気づいた今読み返してみると、 ひとつひとつの物語の捉え方が変わった自分に気づく。 以前までの私であれば、「秋茄子」を読んで涙を流す自分を想像できないと思う。 相手と共に生きていくためには、 何かを諦めたり、受け入れることが大切だと気づいたからこそ、 「こちらから背中を向けてしまっては、いつまでたっても進展はないのだから」と 絶望の果てから希望を見つける光子の強さと優しさに憧れを感じた。 「もう無理…」と思っても、絶対に何かしら続ける手段はあるはず。 要は、それを自分が受け入れられるかどうか。 結局のところ、関係が壊れるか、はたまた発展するかは、自分次第なんだと思う。
0投稿日: 2010.01.11
powered by ブクログお話の設定が非現実的なのか、私が結婚の現実を知らないのか、私にはわかりませんが、結婚の恐ろしさを感じずにはいられませんでした。
0投稿日: 2009.12.31
powered by ブクログ結婚にまつわる短編集。 ある意味ホラー。 妙に現実味を帯びていてやるせなさがどっと込み上げてくる、そんな作品。
0投稿日: 2009.12.17
powered by ブクログ図書館で借りる。 前に一度読んだはずだが、 あまり記憶になかった。 久々の山本文緒。 ぐいぐいひきこまれた。 この人の、 どことなく毒のある部分が好き。 欝病復帰後に 作風が変わったと 本人が言っていたが、 この毒がぬけて どんな感じになっているのか 興味深い。
0投稿日: 2009.11.17
powered by ブクログ特別好きではないのだが、なんとなく気になる、という存在の本で、幾度か読み直している。自分とは違うタイプの登場人物ばかりで、それぞれなんだか大変だよなぁという感じ。登場人物と似たような人がいると思い浮かべる。
0投稿日: 2009.10.17
powered by ブクログ「土下座」「子宝」「おしどり」「貞淑」「ますお」「バツイチ」 「秋茄子」「紙婚式」 この人の短編は面白い。知床ちゃんに爆笑。
0投稿日: 2009.09.09
powered by ブクログ好みではない。短編集なのに読後感が皆同じで、主人公が男でも女でもみんな同一人物なのかと思うほど思考が同じ。
0投稿日: 2009.08.05
powered by ブクログ全体的に怖い話が多かった。 淡々と流れていく日常の裏にある心の闇。 それは、ふとした時に露わになるのである。
0投稿日: 2009.07.06
powered by ブクログ相変わらず上手だなと思った。 恋愛より結婚っていうテーマの方が上手な気がするのは 気のせいなのか?本人のモチベーションがちがう(?違っていた?) からなのかはわからないが、結婚関連のお話が特に面白いです
0投稿日: 2009.06.15
powered by ブクログ山本さん八冊目。今年はほとんど文緒さんづいている。八篇からの短編集。どれもよくできていると思う。いろいろな結婚の姿が描かれる。どれも具体的で生活感溢れる。これから結婚するひとにはお奨めなのかそうでないのか難しい小説だ。
0投稿日: 2009.01.28
powered by ブクログ恋愛中毒の後に続けて読んだ短編集。 恋愛中毒で、充分恋愛の素敵さの裏にあるぎりぎりの精神状態を知ったので それ以上のものを短編でたたみかけてくるこの本は 本当に恐かった。
0投稿日: 2008.12.20
powered by ブクログこれまた再読。 あたし趣味変わったのかなー。今回、全然ぐっと来ず。 読みやすいんだけど、そのぶん薄い感じもしちゃうよね。 表題作の「紙婚式」にはだいぶほっこり。 覚悟のある話が好き。
0投稿日: 2008.11.20
powered by ブクログ「結婚」をテーマにした短編小説集。 なんかね、自分も結婚してないのに結婚したらあーなるんだろう、こーなるんだろうっていうそういう感覚が分かんないけど味わえる。 人の人生、どう切り開いてくか・・・ その人次第でもあり、その人の器次第でもあり難しくて、すぐにこわれちゃうんだろうね。 なんか深いなー。 口で伝えるストレートさを持ってていい時、悪い時、勘ぐっていいとき悪い時。 とにかく人は不器用なんだろう。 特に秋茄子はなんか気持ち分かる。夫の。
0投稿日: 2008.09.14
powered by ブクログ様々な形の夫婦の短編。現代的っていうか、東京的っていうか、 これ読むと彼や夫を信じられなくなるかも…。女の怖さも実感。 よっぽど自分に自信がなく、自分を見失っていて、だからこそ相手を信じられないのかな、って思った。 この物語の人間関係、こんな希薄で上っ面なのって、悲しすぎ。 1人でも信頼できる人がいますように。
0投稿日: 2008.08.19
powered by ブクログ「結婚」についての短編集。 ひやりとするようなラストが待っているあたり、さすがです。 表題の紙婚式がでもやっぱり一番すき。 とても切なかった...。
0投稿日: 2008.04.23
powered by ブクログ再読。年に数回手に取る本に。 最初のレビューから11年と思うと感慨深いものです。 表題作、「紙婚式」が自分には近い話になるなんて、年を取るってすごいなと。 かけがえのない存在、というよりも、既に自分の一部、という表現はしっくり。彼がいないと生きていけない、ではなくて、想像ができない。 それは幸せなことだと思うし、怖いことだな、とも思うのでした。 (2015年1月28日)
0投稿日: 2007.09.16
powered by ブクログ8編からなる短編集。全て結婚がテーマになっており、いろんなカタチの夫婦が登場して、どれも興味津々で読んでしまった。 「理想的な夫婦・家庭」にも、長年一緒に暮らしていれば、何かしらあるものなのだ。 私はよく、今の知識や経験のまま20代の、そう・・・独身時代に戻りたいと思うことがある。だとしたら、もっと上手に(?)恋愛もしたのにな。。。と もし、独身時代に戻れるとしたら、恋愛はしても結婚はしないだろうな〜と思うのです。 私って、結婚生活は向いてないのかも?
0投稿日: 2007.08.26
powered by ブクログレビューはブログにて。 http://tempo.seesaa.net/article/34677868.html
0投稿日: 2007.02.25
powered by ブクログ失恋荒治療2.このレビューは独り言のようなものです、、、 女性主人公の話(ますおと秋茄子、紙婚式・子宝・おしどりはうっすら)の夫が自分の好きだった人を思い出させます。初めて読んだときにちょっぴり感じていたけれど、再読して再確認しました。やっぱり極悪人だったんだ(笑)。 結婚は契約で、ずっとドキドキしてたり仲良かったりというのは難しい。だからこそ、自分が後悔しない選択をしたいと思います。まだ、夢は残ってる!! (07/02/08 再読)
0投稿日: 2007.02.08
powered by ブクログ結婚をテーマにした短編集。 この本を読んでゾッっとしたり、やるせない気持ちになったけど 『結婚』について改めて考え直すいいきっかけになったかな。 「秋茄子」がMy Bestでした。
0投稿日: 2007.02.07
powered by ブクログ秋茄子好きだった おもしろい。。 どっかに 女は欲張りだ。現状に満足しない。 ってあってちょっと納得。。w あたしも欲張りだからなぁ。 現状に満足しなきゃw 短編集はあんまり好きじゃないんだけど、これは結構好きだなぁ。。
0投稿日: 2006.10.19
powered by ブクログ傍から見たら幸せそうでも、ホントはどうかは分からない。 普通の夫婦。 「紙婚式」に出てくる夫婦っていい感じだなって思う。 「きらきらひかる」の夫婦みたいな。 でも、実際になると寂しくなっちゃうんだよね。 いてもいなくても変わらない存在になる。飽きちゃう。 でも、お互いのことを気遣って生きてけるような関係になりたい。 友達夫婦、みたいな関係。
0投稿日: 2006.09.10
powered by ブクログこの短編集の結婚生活はどれも相手のことを考える(想うとはちょっと違う)あまり言いたいことが言えなくなっていく。現実もこんなもんかも、と思うところと、そこまでガマンしなくても、と思うところと。一緒に居ても他人の気持ちなんて、分かるもんじゃない。その中でも、「秋茄子」は希望があって良かった。
0投稿日: 2006.08.17
powered by ブクログ一緒に暮らして十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。傍目には羨ましがられるような二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。一緒にいるのに満たされない、変化のない日常となってしまった結婚のやるせなさ、微かな絆に求めてしまう、そら恐ろしさ。表題作「紙婚式」ほか、結婚のなかで手さぐりあう男女の繊細な心の彩を描いた、新直木賞作家の珠玉短編集。
0投稿日: 2006.07.05
powered by ブクログ一人旅の帰り道、四国から福岡へ電車に揺られながら読んだ本。これを読んでますます結婚したくなくなりました。
0投稿日: 2006.06.17
powered by ブクログこの主人公は、私なのか、とちょっと思った短編が二つくらいあった。この本を読んだら、結婚って怖いな、と思う人が必ず出てくると思う。リアル だと思う。
0投稿日: 2006.04.22
powered by ブクログやっぱ大好きです山本文緒さん!たくさんの短編を読みましたが、全く飽きないし、どんどんハマります。表題にもあるように結婚がテーマ。登場人物の色が良いです。
0投稿日: 2005.12.14
powered by ブクログこの『紙婚式』は、結婚をモチーフにした短編集。どの短編も、個性的で、丁寧に書かれているんだけど、うーん。私に、結婚っていうテーマが、早かったのかもしれないな。この短編集の中で、好きなのは、『秋茄子』と『紙婚式』です。
0投稿日: 2005.09.24
powered by ブクログ一緒に暮らして十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。傍目には羨ましがられるような二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。一緒にいるのに満たされない、変化のない日常となってしまった結婚のやるせなさ、微かな絆に求めてしまう、そら恐ろしさ。表題作「紙婚式」ほか、結婚のなかで手さぐりあう男女の繊細な心の彩を描いた、新直木賞作家の珠玉短編集。 結婚前に読めば結婚が怖くなり、結婚後に読めば相手が怖くなる。。。ホラー小説?かもね。
0投稿日: 2005.08.04
