
総合評価
(47件)| 2 | ||
| 13 | ||
| 20 | ||
| 3 | ||
| 3 |
powered by ブクログ「共喰い」よりも本作の「蛹」や「切れた鎖」の方が芥川賞受賞作品らしく感じた。怒りや苛立ちの表現がうますぎてゾワゾワする。
2投稿日: 2022.12.31
powered by ブクログうううーむ‥‥ 難しい、、、中々理解出来ず何度も進めたり戻ったりして読み終えたが。 僕には難し過ぎてダメだった
1投稿日: 2022.11.08
powered by ブクログ写文したくなる名作 やっぱり「血縁」なんやなテーマは。しかし、共喰いより断然面白い。 家族はバトンを繋いでいくけどその中身は思いや、時代で形を変えて受け継がれる。そしてそれはいかなる力でも切れないと思わせる。いくら時代がグローバリズムを称揚しても、関係なかったことにはできない。関係ないことにしようとして「関係ないやん」と思うこと自体、関係に縛られている。 著者は「切れた鎖」でその呪縛を解き放とうとしたのではなく、あえて浮き彫りにしたんだと思う。 とにかく素晴らしい作品。
0投稿日: 2021.05.23
powered by ブクログちょっと読みづらい文章。内面を表現するので暗いイメージがつきまとう。特に「蛹」なぞはひきこもりでの外界との葛藤であり、妙な居心地の悪さ、圧迫感がある。2020.8.7
0投稿日: 2020.08.07
powered by ブクログ【蛹】 地中の蛹の意識が事細かにぎっしりと書いてある。 いろんなメタファー的な解釈が可能と言えば可能だけど、保坂和志さんが言うようにそれをやることによって小説がそれまでのものになってしまうような気がする。架空の蛹の意識のあり方をたどってそこからなにかしらの示唆とかイメージを受け取る、それが面白いしそれで充分なのではないかと思った。
0投稿日: 2020.04.24
powered by ブクログ文章がとても独特でした。 最初の話が1番好きでした。 主人公の頭の中に入り込んだ気持ちになった。 蛹と切れた鎖も面白かった。 よくわからない抽象的な感じが好きな人は好きなのかもしれない。
0投稿日: 2019.03.23
powered by ブクログ新進気鋭の作家による中編集。まだ若手なのにかなりシュールな表現力・独特の世界観。一文一文を噛み締めるようにして読みたい一冊。
0投稿日: 2018.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
不意の償い、蛹、切れた鎖の三篇を併録した田中慎弥の作品。全てを紹介しきれないので、一番印象に残った「不意の償い」だけを。作品の内容としては、身籠った妻と、主人公である父親になるという責任と、妻が身籠った過程による罪深さを軸に、一種の幻想空間のような世界が描かれている。田中慎弥の作品を読むのはこれで二作目だが、この人の作品は”一回だけ読了しても内容が掴めない”と云ったところか。凡人以下の私には一回では理解できない、文中の何かの比喩(ここでは、狸や猿など)を読み解く事が出来ると、一本の線で繋がるイメージが出来る。芥川賞を受賞した「共喰い」がそのように感じたからかもしれない。
0投稿日: 2016.01.20
powered by ブクログやっぱり蛹がよかった。けれども文章構成の美しさでは最初の話が素晴らしかったし、話そのものの豊饒さにかけては表題作が一番か。取り合わせがいい。読んでよかった。
0投稿日: 2015.03.05
powered by ブクログ「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の短編三つ。 蛹が一番面白かった。 力を蓄えて、蓄えて、蓄えて、蓄えて、そして蓄えたままでいる。 その始まりから終わりまで、ずっと力を込めつつ読んでいた。 田中慎弥はまだ3冊目だと思うけれど、いつも表題作じゃないやつが一番面白い。 150120
0投稿日: 2015.01.21
powered by ブクログ大好きな小説集。何度も折り入って読み返しているんだけれど、なかなかレビューを書けなかった。書いてみます。 この小説集には『不意の償い』『蛹』『切れた鎖』の3篇が収録されている。三島賞と川端賞をダブル受賞したそうな。賞の裏付けもある通り、初期の傑作と言えるだろう。中でも衝撃的なのは社会化されていく自己をカブトムシに投影した『蛹』だろうがみなさん言及されていると思うのでここではそれ以外の2編について重点的にレビューを書いてみようと思う。 まず『不意の償い』。収録されている作品の中で個人的に一番好きだ。大まかな筋としては同じ団地で同じ年に生まれて育った男女(夫婦になる)が初めてのセックスをしている時に両親の勤め先のスーパーマーケットで火事が起き4人全員が死に、「セックス中に親が死んだ」罪の意識を感じ、さらに便所と下駄箱の間に妻を押し付けて犯し妊娠させたことが罪の意識を加速させ、妄想と錯乱の中ラストまで突っ走る。主体と客体がところどころで逆転し、スーパーマーケットは一分ごとに燃えてまた復活し、街は炎に包まれ、人間の顔をした犬が歩き回り、股間が突然大きくなりズボンを突き破って表れたのは磨きたてのぴかぴかのボルトだ。あまり目立たないが田中慎弥の傑作短編。 『切れた鎖』は没落した名家の女三代が主人公というか語り手で(おばあちゃんが主人公だろうか)、因襲に満ちた共同体の中で朝鮮半島からやってきた教会を憎み、顔がいいだけでそのほかには何のとりえもないだろう男たちと遊んでばかりいる二代目の問題に手を焼き、幼稚園に通う孫と共同体の没落を表しているようなファミリーレストランで食事をしながら話は進む。この「近代化が進み空虚さだけが残った共同体」の描写がとてもうまい。「男たちが酒を飲んだ後に食べるのは穴子の湯漬けではなくアイスクリームサンデーだった」という一文にすべてあらわれている。 この作品全体に漂っているのは「濃厚な死の匂い」だ。ある人にとっては不快なものになるだろう。はまる人にははまる。薄くてすぐ読めるし本屋に行けば新潮文庫から出ていることもありわりと簡単に手に入ると思うので読まれたことがない方は一度読んでみることをおすすめしたい。現代文学の担い手の初期の短編。読む価値あり。
0投稿日: 2014.07.01
powered by ブクログあそこの人たちは日本人じゃないの。偽物の日本人なの。ミサは本物の日本人なんだから偽物と仲良くしちゃダメ。 偽物と仲良くしちゃダメと言った自分は在日の人たちを犬と呼んだ母へ一歩近づいてしまった。
0投稿日: 2014.02.23
powered by ブクログ田中慎弥の作品に出てくる人物の本当にどうしようもなさ。これこそが人間なのではないかと強く思う。本当に本当にどうしようもない。ろくでもないし、怒りもわいてくる。しかし、ひとつひとつの言動を取り上げるのではなく、総体として、人間はこういう弱さとか残忍さを抱えた存在なのではないかという疑念を払拭しきれない。しかしこのひとの本の、日本伝統純文学のど真ん中感はいったいどこから来るのか。少々時代錯誤感をわたしはかんじてしまうのだけれど、今、こういうものを発表する意味、というのはまあ著者の関係なのでしょうがないのだけれども、こういうものを読む意味、ということについて考えていくと、どうにもこうにもやっぱりしっくりこないんだよなあ。
0投稿日: 2014.01.15
powered by ブクログ131207読了。芥川賞作品「共喰い」で田中慎弥作品を読もうと思った。 3つの短編集のどれもがかなりの重みを持っているが、2つ目の作品でカブトムシの幼虫が見えない父母の姿を思う葛藤の作品は秀逸だった。素晴らしい。 ただし、本当に重い。あんなに薄い文庫本なのに、何度もバテた。人間の男が父を思い描く作品は、共喰い同様勢いがあって読みやすいのかもしれない。 今回別の作品を読んで、彼のその他の作品を読むのがより楽しみになった。機会があれば手にとりたい。
0投稿日: 2013.12.07
powered by ブクログ内省的なお話だった。 引きこもりな『蛹』が好き。 『不意の償い』『切れた鎖』、そして『蛹』の三作の短編集。 どれもなんとなくすっきりしなくて 屈折した感じ。 結構好き。
0投稿日: 2013.12.05
powered by ブクログ抽象的な世界が、まさに田中ワールド。近年希薄となる家族意識を作者は強いインパクトで前面に引っ張り出している3作品。
0投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログ「不意の償い」くどいまでの自己の描写は三島由紀夫みたいです。火事は金閣寺のオマージュなのかも。 「蛹」は作者自身の私小説ですね。人間も昆虫のように、しかし違ったかたちの変態をする。人間を原初生命体として見た、成長の表現だと思います。母親と作者との半生とこれからの思いを感じました。 「切れた鎖」'母'、'祖母'と時間が度々行ったり来たりするので読みづらいです。性交、女性へのコンプレックスを多分に感じました。
0投稿日: 2013.10.20
powered by ブクログ相変わらずクセのある文体。非常に難解だが力強い。 特に「不意の償い」の男の妄想(幻覚?)の描写は凄まじい。この男は発狂したのか、これから何をしてしまうのか、途中で死んでしまうのではないか…読みながら非常に気がかりであった。 「蛹」「切れた鎖」も現代の作家としては抽象性の強い、異色の作品である。
0投稿日: 2013.10.14
powered by ブクログ孤独で排他。殻に閉じこもっている。永遠の蛹である。底に流れるのは、人間だろうが動物だろうが、父というもの、雄に対する不信感と喪失感。しかるに何故かしらそれを徹底できない。どこまで行っても延々と続く自己弁護と言い訳に言い知れぬもどかしさを感じる。
0投稿日: 2013.05.05
powered by ブクログ三島由紀夫賞作品というので、三島ファンなので どんなものなのか読んでみた。が、期待ハズレ。 どうして三島由紀夫賞なのだろう??? 作品中に美しさが感じられなかったのに… 同書の「不意の償い」も読んでみたが、私には この作家の作品に出てくる女性が魅力的に感じ られなく、つまらなかった。
0投稿日: 2013.03.09
powered by ブクログ『共喰い』があまりにもドロドロまとわりつくような印象だったので覚悟して手に取りました。 読みにくい…。現実と妄想が倒錯してるようで、さらっと読めない(笑) カフカみたいな短編も入ってるし。難しい。 でも、そういう表現方法ありだな。
0投稿日: 2013.03.07
powered by ブクログ唐突な言い回しについていけず、すぐ眠たくなる。すると、必ず小説の内容とは無関係な変な夢を見てしまう。何か、深層に訴えるものがあるのか?
0投稿日: 2013.02.11
powered by ブクログこちらの人生まで負の連鎖に巻き込まれる不安を感じるほど圧倒的な力がある。憎むことで自分の輪郭を捉えてきた人間にとってソレが受け継がれるということは恐怖であっても自分に対する肯定なのだから止めさせることはできないだろう。土地に縛られるということは自分に縛られることとイコールなのだ。
0投稿日: 2012.11.25
powered by ブクログ陰鬱、重い。文体が少し最近の作品よりくどいかな。 最近の文体のほうが好きかも。表題作の「切れた鎖」がいちばんよかった。かぶとむし目線の「蛹」になぜか共感しちゃったりもしたけど。
0投稿日: 2012.11.12
powered by ブクログ面白かった。 特に「蛹」が好き。 自分では何十年かかっても書けないような話。 田中さんの、書きなぐったような、かつ洗練された力強い文章に驚いた。 途中から「何だこれは!?」の連続で薄い本なのに読み終えた時には燃え尽き症候群になった。
0投稿日: 2012.10.01
powered by ブクログ表題作の「切れた鎖」は、一気に読み終えてしまうほど切迫感が絶えず、作者の抱える恐怖や不安、焦燥がリアルに伝わって来た。そのため、読み終えた時は、暗い長いトンネルからポッと突然抜け出たような突然我に返った感じが私自身した。主人公はこの結末によって、それまで悩み続けた一種の異常な精神状態やトラウマからの脱却に成功したことは明らかであるが、その感覚は、読者である私が感じられた以上に痛快であったに違いない。このように作者と共に彼の世界に入り込み、まさに没頭する小説にはなかなか出会えないと思う。おもしろかった。
0投稿日: 2012.09.23
powered by ブクログ田中さんの作品としては、これが読んだの二つ目でした。 短編の作品が三つ入っていて、各々、不意の償い、蛹、切れた鎖です。 共食いと同様、文章が力強くて、短編なのに物凄く疲れるものでした。 疲れるとはいっても、不快感はなく、本文といい意味で対峙している感覚になれます。 三つとも印象には残りましたが、三つ目の切れた鎖が一番印象に残りました。 正直、初め人間関係や、話しのつながりが把握できなくて、半分行く前に初めに戻って、やっと本の世界に入り込むことができましたが。 自分の国語力のなさに改めて気づかされました。 まだこの春休み本を読むとは思いますが、今のところ春休みでは、一番印象に残る小説です。 また、田中さんの作品を読みたいと思わせられました。
0投稿日: 2012.07.20
powered by ブクログ2008年(平成20年)「切れた鎖」で第138回芥川賞候補となった。 2008年(平成20年)、「蛹」により第34回川端康成文学賞を、当時としては史上最年少で受賞する。 同年「蛹」を収録した作品集『切れた鎖』で第21回三島由紀夫賞を受賞。
0投稿日: 2012.06.29
powered by ブクログシュールレアリスムの絵画を見ているような印象。 彼らが色彩と形象なら、これは 感情と言語をむき出しにしようとしたのだと思われる。 それにしてもルンサンチマン満載で かえっておかしみすら出てくる。 想像通りに田中君はかわいいです。
0投稿日: 2012.06.15
powered by ブクログ第146回芥川賞受賞作家の機嫌が悪い方。 田中慎弥さんの孤独感漂う短編集。 いや、この人はすごい。多分すごいんだと思う。 文学的水準の高さを見せつけられた思いがします。これでもかと。 特に3編のうちの真ん中、「蛹」は面白かった。 井伏鱒二の「山椒魚」をふと思い出したりしました。 やはり孤独を描いてて。 無駄に思慮深い、けれども基本的に何もしないカブトムシの話。 表題作「切れた鎖」は読んでて正直しんどかったなあ。 金銭的に安定した生活に浸りつつも、 身を切るような孤独に苛まれる年老いた女性の惨めさというか。 全体的に自分からは一歩も動かず、 ひたすら流れて行く現状に歩幅を合わせようと四苦八苦、 そんなことを考えているうちに結果置いて行かれてしまう者達の像。なのか。 この人、寂しい人なんじゃないかなあ。 だから作家やってるのか。
0投稿日: 2012.06.07
powered by ブクログ読み終わってないけど、読み終わったことにする。 わかりにくい。 話の展開があんまりない。 ちょっと稚拙に思えた。 この著者、人との付き合いが、あまりない人に思えた。
0投稿日: 2012.05.30
powered by ブクログよく分かんない。暗い、じめじめしてる。 切れた鎖は、女三代というテーマを書きたかったから書きました的な印象 イメージが喚起されることは少なかった
0投稿日: 2012.04.07
powered by ブクログ抽象的な絵画のような世界だなと思った。 作者の想像力が凄すぎて、ついていけなかった。 想像がしにくいので、話の内容もあまり理解しきれず終わってしまった。 私にはまだ読めなかった。
0投稿日: 2012.04.05
powered by ブクログすごく薄い本なのに、読み疲れた。 妄想部の一文一文はごくまともなのだが、それがつながってしまうとわけわからなくなってしまう。 妄想だからありなのか。
0投稿日: 2012.03.30
powered by ブクログ読んでいて、気が滅入った。 悪夢や幻覚みたいな、行間のつまった描写は文学的なのかもしれないけど、 巻き込まれてもいい、と思える好きな世界ではなかった。 表題作とか、とても暗くて救いようがない感じ… 不意の償い は、そんな中でもなんか、主人公が現実で置かれている環境、周囲からきちんと愛されている様子がちらほら、妄想の向こうに見えるのがたまに微笑ましい時があり。 ほらほら、素直にそっちの幸せなほうに行こうよ。。と思ってしまう。 きっと、とても不器用でいい人なんだなあ。。 でも、意地で全部読んでしまって読後感の悪さに後悔した。。
0投稿日: 2012.03.28
powered by ブクログ・不意の償い ・蛹 ・切れた鎖 解説・安藤礼二 正直なところ、私には理解のできない物語でした。 ~私の読書力、読解力、知識、知能…、そんなものが全て足りないのでしょう。 引き籠りと云うものを上手に現したものだなぁと、感じたぐらいが精一杯の感想です。 【蛹】 この著者の作品が、各種文芸賞を受賞している事実に、選者である既存の作家先生様たちの歪んだ何かがみえるような気がします。
1投稿日: 2012.03.17
powered by ブクログ芥川賞受賞コメントで一躍時の人になった田中慎弥氏の川端賞・三島賞同時受賞作。 個人的には、「不意の償い」の主人公の精神が崩壊していく過程が面白い。妄想と現実の狭間を独特な描写で表現する筆力のある作家と思う。 何を差し置いても、文学の可能性を追求するという気概を感じる田中慎弥氏の今後を期待する。
0投稿日: 2012.03.16
powered by ブクログ「不意の償い」 ある行為のせいで死に至ったのではないかと無意識に抱えていた罪悪感が、徐々に噴出し精神のバランスがあやふやになっていく。 読み進むにつれて、このバランスの崩れた不安定感こそがが逆に安定した世界の様にも思えてくる。 「蛹」 一番好きな作品。 内包された自己への強い自信とは裏腹に、いつまでも地上に出る事の叶わず日々悶々とする存在。 実際は地上に出られないのではなく出たくないのであって、結局内包されていた自信とはただの虚勢である。 考えなければいいのに。 何も考えずに外に出て人生を謳歌して、繁殖して死ねばいいだけなのに。 「だけなのに」が、一番難しい事なんだなと。 「切れた鎖」 閉鎖性、土着性と言うのはその土地に留まり続ける事で脈々と受け継がれ育まれ、精神の根幹に癌の様に巣食い、時に抗いつつも最後には諦め受け入れてしまうものなのだろう。 全てを捨てて出て行く事が正しいとも賢い選択とも思えないのだけれど、その土地に精神に縛られたまま朽ち果てていくのは非常に哀れな事だとも思う。
0投稿日: 2012.03.05
powered by ブクログ個人的には「蛹」が面白かった。蛹と化した私が語る土の中の世界。外の世界に出ていくのか常なのに、あれこれ理由をつけてずっと土の中にとどまっている。モラトリアム蛹。あとがきの言葉を借りれば、究極のひきこもり。 「不意の償い」と「切れた鎖」は「生(性)と死」「血脈」がテーマでしょうか。「切れた鎖」はちょっと読みにくかった。時々時系列が解らなくなるんだよな〜。とにかくまた再読してみます。田中さんの作品結構好きかも。
0投稿日: 2012.03.03
powered by ブクログ一躍時の人となってしまった「もらっといてやる」の人の作品。 純文学の小難しさや自然に時折混ざる隠喩、それとラノベの緻密すぎる状況描写を足して割ったような作風。 そもそも理解するのが難しい感じ。 確実に人によって好みは分かれるだろうし、「よくわからないからつまらない」って人がかなりいそうな気がする。 不意の償いは死から生へと結びついていく話。途中主人公が失調症にでもかかったのかと思った。女は宇宙、という言葉が読後に浮かんだ。 どの作品もツカミはかなり強いけど全体的に落ちとして無理に収束はさせてない雰囲気。描写はラノベ風で一つ一つが意味ありげに見えるので、そこをしっかり読み解いていったらおもしろいかも。
0投稿日: 2012.02.21
powered by ブクログ三作品が収録されています。 巻頭の「不意の償い」では暴力と性愛、死と生が一つに融合する瞬間が、一人の男の妄想がリアルに描かれています。 筆者が社会を虫等の生物にとっての地上、社会から隔絶された部分を地下に例えて、自らの生き方、思考、心情について語った「蛹」。 巻末の「切れた鎖」では裕福な旧家とその裏手に建てられた正体不明の新興のキリスト教会とのあり方を対比させながら、祖父ー父ー息子という関係性の基本構造と鏡像のように逆転した、祖母ー母ー娘という三代の物語が描かれています。 どれも独創性豊な内容で、解りやすい物語性とは違い、自信の無意識から発する原型的なイメージで表現されているように思えました。 このような異様な設定で自分自身の事を語りきる作家さんは今までに無かったのではないでしょうか...
0投稿日: 2012.02.12
powered by ブクログ芥川賞受賞のインタビューで、刺激的な悪態をついた著者を どこまでパフォーマンスが入ってるんだろ…? なんて、 半ば、よこしまな気持ちを持って手にしたのが本書だった。 あれは、著者の気持ちの飾り気ないストレートな発露だったろう… 「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の3編… 川端賞・三島賞のダブル受賞という随分と評価の高い短編集だ。 小説を読む恐ろしさは、気づかずにある内面を引きずり出され、 歪によどんだありのままの様をつきつけられることにある。 どの作品からも、そうした領域に切り込んでゆこうとする、 著書の文学的に真摯な姿勢を感じた… たとえば冒頭作「不意の償い」は、妻となった女と はじめて関係を持ったところから語られる… そのとき、親を火災で亡くし、女は子を宿した… いかにもつくりものめいた話だ。ただ、作品は、 そうしたかりそめの物語には拘泥せずに、 男のねじくれた気持ちのありようを語る… ありていに云ってしまえば、男が女と関係を持つ時、 かならずや疚しさがあるに違いない…ということ… 愛情とは、愛しながらも自らの欲情を満たすことであること… それは、男ののっぺきならぬ性(さが)であること… そんなことが、逡巡し、よどみ、ねじれながら、 そのまま文章になっているのがこの小説だった。 ボクには、男の偽らざる気持ちが ありのまま描かれているように感じられたのだ。 負の意識を持たぬ作者の書くモノで心をえぐられることはない。 それをストレートに表現することが、いかに難しいかは、 なにも作家でなくとも、誰しも思うことだろう。 そんな文体のような態度が、受賞時の作者だったのかもしれない。
4投稿日: 2012.02.10
powered by ブクログ天気の描写にも、こんなにも豊かな表現があるのか。 描かれた世界は閉ざされた狭いものなのに、それを表現することばは、内面の描写も世界の描写もとても独創的で、重苦しさと対照的。
0投稿日: 2012.01.12
powered by ブクログいとうせいこうさんと奥泉光さんによる「世界文学は面白い」を読み直していたら、一番目にとりあげられていたのはカフカの「変身」だった。あの主人公が虫になってしまう小説である。虫はあんまり得意ではないのだが、虫のことを考えた時に、去年読んだ田中慎弥さんの「蛹」という短編のことを思い出した。なぜか印象に残っていたので、頭に去来したことどもを残したいと思い、この「蛹」が入っている「切れた鎖」をまた読んでみる。 「蛹」は川端康成文学賞を受賞しているらしい。田中さんは三島賞も受賞しているが、正直言うと、賞が冠せられているという事実がなかったら、私はこの作家を見過ごしていたと思う。文学賞のシステムに疑問を持つ人も多いと思うが、こういう作品が知られるようになるためには、このシステムも悪くない仕掛けなんではないかなと思ったりもする。 「蛹」はかぶと虫の視点から世界を見るという一風変わった小説であるが、アイデアだけ見れば他にもありそうだし、作り出すのも容易な感じはする。しかし、著者田中さんは、独特の感覚でこの世界を作り上げていく。過剰に描かれるのは「父」「母」「子」という関係性でとらえられた、かぶと虫としての自分のありようである。「父」や「母」の虫の世界での虫としての無残な死のイメージが描かれるが、言葉で書かれる以上、やはり、そこに人間(もっといえば著者田中さん自身)を重ね合わせて見てしまうような視座を持たずにはいられない。その一方で、角を持つ感覚や、自分が幼虫であることを意識する描写など、「かぶと虫」視点の表現もかなり迫真のものである。かぶと虫としての感覚と人間としての感覚が、混ざったような形で読んでいる方へ提供される。 そしてこの混合物をほぐしていくうちに、読んでいるほうの内側にも「角がある」感覚とか、土を這うような感覚が実は生活レベルで眠っているのではないか、というような感覚に襲われる。何かを上手く例えた「比喩」などといったレベルの文章ではなく、人間の持っている「何か複雑なもの」をとらえようとするような試みのように何となく読めてくるのだ。 著者の試みに疑問符の付くようなものもあった。読点で長くつないでいく文章などは、何か突飛に出てきたような印象も受けた。ただ、著者の表現に対する格闘ぶりはこちらに強く伝わってくるし、それが他のものも読んでみようという求心力になる。 グロテスクな表現も多く(「不意の償い」なんかは生理的に無理だという人もいるのではないか)、他の人のレビューでもよく「気持ち悪い」という言葉がちらほら見受けられる。実際そういうところはあると思う。気持ち悪いのが苦手な人にはあまりおすすめはできないでしょう。 ただ、私はこの作家が今後どういうものを書いていくのかが気になって仕方ない。
0投稿日: 2011.10.23
powered by ブクログ人間関係はよく鎖に例えられる。縛り縛られ身動きがとれなくなる。 「不意の償い」の妄想が好きだった。
0投稿日: 2011.09.15
powered by ブクログ表題作「切れた鎖」は第138回芥川賞の選評で、ある選考委員に「過去と現在、母と娘などの書き分けが上手く出来ていないので、誰が誰だかさっぱり解らなくなる。」と書かれていたけれど、これは梅子と梅代、美佐子と美佐代の四代続く親子同士の過去と今をいったりきたりしながらあえてわかりにくく書くことで量子的なつながりを持たそうとしているんじゃないだろうか。そうすることで四代にわたる女たちが重なっていき、ありえたはずの過去、ありえたはずの未来が浮かび上がってくる。裏の教会に住む男の子は重徳の息子じゃないけれど息子でもある。そんな量子的な存在を可能にする書き方なんじゃないだろうか。 あと、収録作全部が圧倒的な妄想の力で進行していく。それが笑えた。
0投稿日: 2011.03.06
powered by ブクログあらすじだけ読んだら「赤朽葉家」?と思ったが、料理の仕方は全く違った。 寂れ行く町、血の繋がり、過ち、現実を侵食する妄想、社会から置き去られる自己・・・。 この本に納められた三作品ともそれらが絡み合って構築されていたが、その中でも二作品目の「蛹」が良かった。カブトムシの蛹に自分を仮託している分、いろんな見方・読み方ができて面白かった。
0投稿日: 2010.11.23
