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伊藤潤二傑作集 9 墓標の町
伊藤潤二傑作集 9 墓標の町
伊藤潤二/朝日新聞出版
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総合評価

3件)
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    まなべ
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    表題の『墓標の町』をはじめまさに傑作揃い。 『なめくじ少女』、『長い夢』も、後世に残したい名作。 しかも全作品とも、後味の悪さは言うことない。

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    投稿日: 2024.10.06
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    はちの
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    震えるほどおもしろい……あまりにおもしろくて感謝の念すら湧いてくる。「伊藤潤二傑作集」の中でも屈指の名作揃いではないだろうか。どの話も奇妙で不気味で、それでいて全く予想できない方向にどんどん話が展開していく。そのスリル感がもう堪らない。そしてジメッとした生理的な嫌悪感……最高だ この作家の描く女性は本当に綺麗だ。しなやかな身体のラインや端正な顔立ちはこの人にしか描けない女性本来の自然な美しさがあると思う。そしてその美しさと異形のものたちとのコントラストはまさに無類といえる 「なめくじ少女」生理的な嫌悪感が凄まじかった。想像するだけでも気分が悪くなりそう。ヒトマイマイとも似てるけどこれは口の中に寄生しているというのがほんとに最悪 「隣の窓」オチはかなり意表を突かれた。あのおばさんがどんどん這い寄ってくるのかと思いきや……まさか窓の方とは!! 「ご先祖様」これもかなり気持ち悪かった……一体どんな風に話がつながるのかと思ったけど。ヒロインが不憫過ぎる話 「長い夢」おぉー!!ってなった。これもやはりどんな風に話がつながるのか謎だったけど、予想の斜め上を吹っ飛んでいくオチだった。永遠の夢に散った男もすごかったけど、まさかそれが冒頭の少女につながるとは……果たしてあれは救いだったのか否か 「銅像」オチがかなりユーモラスで笑ってしまった。おばさんが黒幕かと思いきや、自分が造らせた銅像にバカにされて身を投げるのがあまりにも滑稽。しかも最後にできたのは世界一美しい空洞…… 「白砂村血譚」すごくおもしろかったけど結局あの血管はなんだったのか気になる!!あの振動は心臓の鼓動で、村には血管が張り巡らせているってなんだそれ!!なんの血管だったの!? ……でも理屈も道理もホラー漫画には通用しないのだ。だからこそおもしろい。だからこそ私たちを惑わせ、惹きつけて止まないのだろう

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    投稿日: 2015.03.31
  • あいもかわらぬ奇妙な世界。傑作集第9巻

    「墓標の町」…道路の真ん中、家の中、どこにでも墓標がある町、その秘密とは? 「ナメクジ少女」…ナメクジとカタツムリは別の生き物です。 「隣の窓」…オチはまさに【この発想はなかった】です。「今夜あたり危ない」って、笑ったw 「漂流物」…ちょっと哲学的な作品かと思ったら、そうでもなかったw 「ご先祖様」…シュールさにかけては伊藤潤二作品の中でも上位の作品で、いろいろツッコミどころは多いですが、ちゃんとホラーにはなってます。 「長い夢」は…胡蝶の夢の伊藤潤二バージョンでしょうか?なかなか深い作品で、ちょっとSFも入っている感じです。 「トンネル奇譚」…まさかのコラボレーションw ありがちなトンネル怪談をこうも奇妙に仕上げるとは流石です。 他4編計11編です。 今巻は様々なシチュエーションの作品がそろっています。この多様性と他に類を見ない創造性には脱帽です。

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    投稿日: 2014.08.23