
総合評価
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powered by ブクログ現実ではありえない近未来の話だけど、あたかも現実のような、気分になった。 それは、語り口がとても淡々としていたからだと思う。 淡々と語っているのは、実はとても残酷な内容。 未来がない。夢を持てない。それでも、淡い夢をみてしまう・・・ わずかな未来の可能性に、全力をそそぐ・・・ その姿に胸をしめつけられた。 読了後も、しばらくは心がざわついていた・・・
0投稿日: 2016.02.19
powered by ブクログ決して暗いだけの、異次元の救いのない話ではない。この子たちと私たちと何が違うか。決められた運命がある事に変わりがなく、その中でどう生きるのか。実のところ、そう変わりはないんではないか。 この本は読んで、何をテーマに感じるかで評価が分かれるのではないかな。人としての尊厳とか、医療の進化とか、消費されるための命の存在とか。様々ものを連想させる。しかし誰しも死に向かって時を刻んでいることに違いはない。
0投稿日: 2016.02.17
powered by ブクログすばらしかったです。 しずかな文体で、 過去と現在を混ぜながらマーブル模様みたいにエピソードを行き来して、 すこしずつ謎を明らかにしていく。 静謐にすすんでいくからこそ、 登場人物の気持ちの動きがよりはっきりしてきます。 一文一文から、いろいろなことに思いを巡らせて読むことができました。
1投稿日: 2016.02.15
powered by ブクログドラマでやっているので、気になってました。テーマが重く疲れます。人間の愚かさを笑ってられないかもしれませんが、そんな科学の発達はいりませんね。
0投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み進めるに従い、違和感が大きくなる。細かい心の動きや仕草まで描写して、いかにも現実味があるような文章だが、上滑りして嘘くさいのは、この世界の決め事が、きちんと考えられていないからだと思う。なぜなら、提供者達は、霞を食べて生きている訳では無い。お金がかかる、ヘルーシャムの維持費、保護官の給料もいるはず。とすれば、提供を受ける者は、相当の費用を負担している事になる。そこまでして、来るべき提供を待っている大事な体であれば、もっとしっかり監視し、事故や病気から守られていないとおかしいと思う。提供を受ける時になって、使い物にならないのでは、意味が無いからだ。なのに、コテージに住み、自動車で出かけ自由に暮らしている、そんな仕組みが成り立つわけが無い、空想の世界に現実味を持たせるためには、おおきなひとつの嘘以外は、緻密な本当を積み上げないと、物語が成り立たない。この話は、最初からそこが間違っているようだ。これが、何でもありのナンセンスギャグ小説なら良かったのだが。気にしない人は気にしないのだろうけど、私は、ダメだ。
0投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログ感想を語りたいけど、文庫版の訳者あとがきに書いてある通り、肝心の部分をネタバレしていいと言われても、無理、語れない。 聞いてはいけない内緒話を聞いてしまったような決まりの悪さ、が胸に残るやわらかく厳しいすごい作品。 レーベルがepiのおかげで読み進めないとジャンルが特定できないのも素敵。
0投稿日: 2016.02.13
powered by ブクログかなり衝撃的な内容。 始終淡々とした語り口調なのですが、だからこそ異様な雰囲気が目立ちます。 目立った事件などはないのですがジワジワとくる恐怖。 私はSFと言う認識で読んでいましたが、もしかしたら私が知らないだけで どこかでこういう事がもうすでに起こっているかも知れない、遠くない未来起こるかも知れないと 震える思いで読み終えました。 何とも悲しい子供たち。 普通に感情を持ち、他の少年少女と変わりなく成長していくのがまた悲しい。 やはり人間が手を出してはいけない領域が確かにあると、強く感じます。 読み終わった後に題名と表紙のカセットテープを改めて見直すと、何とも言えない切ない思いに襲われました。
4投稿日: 2016.02.11
powered by ブクログ灰色の世界を静かに模索するように読んだ気がします。 決定的な違いを知ることなく、通常の世界から切り離され育ち、やがて受け入れるしかない運命を知る。 そこら辺の若者と何も変わらない感情や心が訴えかけてくる叫びが痛々しいです。その命は無ではなく、確かにそこに存在しているという絶望感が残酷です。 ヘールシャムという施設を出てからの生活で、逃げるという選択肢がないことに不自然さを感じます。いくら洗脳されていたとしても、差し迫る命の危機は耐えがたい恐怖ではないかと思うのに・・・。400ページ超の長い話なのに、最後まで大きな起伏がなく、それが物足りなくも感じてしまった。 ドラマは原作とは違った解釈をしているなと思います。ドラマを見ずに本を読んだほうがいい気がします。
0投稿日: 2016.02.10
powered by ブクログ実に静かな物語でした。静かなのだけど、その中にはぐつぐつと煮えたぎるものがあります。 ある目的のために施設で暮らし、教育を受ける子どもたち。そこでの思い出が語られるのですが、時代も前後し断片的にしか見えてきません。しかしそこから垣間見られる事実の衝撃は大きいです。 気になったのは施設の子らが、自らの運命を淡々と受け止めているように見えることです。諦めとも違う、そういうものだと自然に受け止めている感覚があります。しかしそれでも、それだからこそ、ふと出てくる願いや望み。そして叶わない想い。それらが爆発するでなく、やはり静かにたたずんでいるのです。だからなのか読み終えてしばらくしてから、ズンと心に衝撃が響きました。 ラストに語られる先生の言葉は偽善なのでしょうか、それとも罪ほろぼしなのでしょうか。ここに描かれたような世界がもし来たら、人はどう選択するのでしょうか。 前々から読みたいと思いつつ、なかなか読めていませんでした。そのため、色々な情報が入ってから読むことになったのですが、これは真っ白な状態で読みたかったですね。
1投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログテレビドラマを先に見たので設定がわかって一気に読みました。設定は現実離れしているけど人生、愛、友情、死等の普遍的なテーマについて考えさせられるいい作品だと思います。
0投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログドラマを観て興味を持ったので読む。海外文学って、しかもSFも入っているから難しいかと思ったけど、一気読み。こんなすごい小説をいままで読んでなかったってもったいなかったなー。異質な世界で、普通の人間とは違う主人公たちだけど、静かに暮らしている。本当ならもっとごちゃごちゃしているはずなのに、そういう社会で、そういう価値観で育ったということが説得があった、違和感なく読めた。
0投稿日: 2016.02.08
powered by ブクログ介護人、と呼ばれる彼女の、昔と今。 一体彼女が言っているあれが、地名なのか場所なのか。 それすらも分からず、話は進んでいきます。 普通の介護をする人かと思ったらそうでもなく 違和感だらけでしたが、それは過去に入る事によって すぐにどういう事か判明しました。 ほとんどが過去。 そしてどうしてこの職業を選んだのか、に。 一体何がどうしてどうなのか。 人と人との関係というか、関わり合い? 過去にしても違和感がありましたが まさか、というのが大当たり。 それが一大プロジェクト状態なのがすごい…。 結局振り回されたというべきなのか そこにたどり着くまでだった、のか。 得られたのか得られなかったのか。 それすらも分かるような分からないような。 ふわふわしたような感じを受けました。
0投稿日: 2016.02.07
powered by ブクログ今まで読んできた本とは全く違うジャンルだった。最後まで読んでも結局作者が何を伝えたかったのかわからない。読み終わってから考えると、わかりやすくて単純な話だったのに、とにかく面白かった。 最後の、キャシーがノーフォークで失ったものを想像する場面が印象に残った。その空想で、ルースではなくトミーが出てきたことにも意味があるのかなと思ったし、私的には嬉しかった。先にドラマを見たこともあって、どうしてもルースが好きになれない。 マダムとエミリ先生に会うところまでは、トミーとキャシーが猶予をもらって物語が終わるのかと思ってた。その場面は謎が解けるような感じだったけど、どうしても不思議な雰囲気があった。謎解きなんだけど、少し違うような…。マダムは生徒のことを怖がっていたけど、味方だったのには驚いた。なぜ保護官たちが提供者たちを怖がっていたのかわからない。 読み終わってみると、いろいろな謎が残っていることがわかる。きっと何度読んでもわからないんだと思う。 この本で、私の世界が広がった気がする。
1投稿日: 2016.02.06ドラマとは別モノ
登場人物の置かれた状況やたどるべき人生は特異なものではあるものの、これはいわゆるよくある「青春モノ」のようだと私は感じました。 こちらを原作としたドラマの第一話をみて、とてつもなくおもしろうそうだと思い、二話を待ちきれなかったので原作を読むことにしたのですが、私がワクワクするような方向性は全くありませんでした。 私が期待したのは「介護者」「提供者」のシステムの成り立ちやそれに関わる人々の苦悩、医学的な背景や提供者が任務を終えるまでの現実的な(と思わせるような)心身の過程などですが、このお話にはほぼ全くありません。幼少期や思春期の友人関係や男女関係を中心とした思い出を淡々と語り、せっかくの(?)特異な設定については添え物程度の描写しかないように私は感じました。 正直、がっかりしましたが、そもそも入り口がドラマというのがよくなかったのだと思います。 おそらく逆に原作を先に読まれて、こういう作品を好まれる方は、ドラマの邪道さにがっかりされることでしょう。 原作とは名ばかりの、設定だけを拝借した別物と思って、それぞれをそれぞれに楽しまれることをおすすめします。
1投稿日: 2016.02.05
powered by ブクログ運命から決して逃れられない世界で生きる主人公たちの話。悲しい、余韻が残る。限られた時間、空間、もの、人、その中でどう生きるか、考えさせられる。自分の最期のときも、主人公のように前向きでありたいとぼんやり思った。
1投稿日: 2016.02.04
powered by ブクログドラマの初回を観てから、読みはじめました。 キャシーの静かな語り口に引き込まれ、ヘールシャム、コテージ、ノーフォークなどからイギリスの曇り空のような、果てしない灰色の世界を感じた。 その事実を受け入れて全うすることを、幼き頃から刷り込まれていた彼らにとっては、奇妙な事ではなく、それが必然だったのだろうかと思うと、やりきれない気持ちになる。 そんな世界でも、笑いあったり、喧嘩したり、愛しあったり、嫉妬したり、人間らしい全ての記憶や絆が、彼らにとって救いだったのかな。 読後は、とっても不思議な感覚に… 【2016.02】
1投稿日: 2016.02.03
powered by ブクログひとことで言うと格差社会を感じた本。今の日本も生まれつき、人生のレールがあらかた敷かれてしまっている人がいる。そういう人たちを野放しにしていいのか、改めて考えさせられた。
1投稿日: 2016.02.02
powered by ブクログ提供者と呼ばれる人々の世話をする介護人のキャシー・H。彼女は生まれ育った施設”ヘールシャム”の友人たちの介護もしながら、これまでの日々を回想する。 一人称での語りと過去の回想話って本当に相性がいいよなあ、としみじみ感じた作品です。にじみ出る郷愁を美しい語り口で回想されると、読者も知らず知らず感情移入して、どこか懐かしい、そして寂しい気持ちになってしまいます。 この心情は、決してイヤなものではありません。切ないけどどこか心地よくも感じます。寂しさと懐かしさの混じり合ったそんな不思議な感情です。 キャシーの青春時代の回想は、どこか自分たちにもつながるものがあるような気もします。自分たちの運命やこれからの将来をなんとなく受け入れながらも、一方で青春時代を生きている。それは環境や状況は全く違うのですが、どこか社会に出る前の、学生時代のモラトリアムを楽しんでいる、自分の現状と被るところがあったのかな、というふうに思います。 話の引っ張り方も巧いです。施設の保護官の言動や、時々訪れるマダムの存在など謎を提示し、それに対する情報を、日常生活の回想の中で小出しにしていくことで、ついつい物語に引っ張りこられてしまいます。 謎の解決については、そこまで意外、というものでもないです。しかし、これまでに語られた日常が効いているためか、物語が閉じられるころには、様々な思惑に踊らされた子どもたちの悲哀が伝わってくるような気がします。 青春や恋愛小説の面に加え、ミステリやSFの面もある、不思議で重層的な小説だったと思います。 2007年版このミステリーがすごい! 海外部門10位
4投稿日: 2016.01.30
powered by ブクログドラマ1話目見て、これは先に原作読まないと!と思ったらBOOK OFFで発見^o^ SFにもしかしたら分類されてしまうのかもしれないこの作品、涙を流させないきびしさ、寂しさに引きずりこまれそうな感じでしょうか。 私はエミリ先生の考えは偽善だと思うけれども、生物は必ず何かを捕食して生きるものだということ、これが罪と感じるのは人間だけなのでしょうね。
0投稿日: 2016.01.24
powered by ブクログ【内容】 優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。 【感想】 率直な感想を言うと、 読み易いが、良さが分からない。 抑制された文章というならば聞こえが良いが、 己の運命の悲惨さや死への恐怖の描写が全くなく、人間味が無いというか、現実味が無い。 筆者は、我々に例えていうなれば「愛は死を凌駕するというメタファー」だというが、人間はこんなにも冷静に「死」を受け入ることは出来ないと思うのだ。 「男女の真実の愛が3年間の猶予期間を与える」であろういう希望を信じようとし、それが叶わなかったルース、彼女の思いを受け継いだキャシーとトミーの友情は、現実味があり、よく描かれていた。 けれども、その希望が打ち砕かれた際、 明らかになった真実、 ヘールシャムの教育は、彼らの人生に意味を与えよう、しっかりとした人格があることを認めさせようという第三者の思惑があった、 という事実に関し、キャシーやトミーは何も感じなかったのか? トミーの暴走は、ルースの願った希望が打ち砕かれたことによるものだと私は取った。 しかし、そもそも主人公らは臓器提供の為だけに生み出されたクローンであるという残酷な運命から逃れ切れておらず、その運命を素直に受け入れていること自体が残酷だと思うのだ。 ヘールシャムの第三者の思惑も独りよがりで、結局のところ救いが無い。 繰り返すが、人間ならば、こんなにも冷静に「死」を受け入ることは出来ないと思うのだ。 設定としては不自然ではない。 けれども、私は上記の理由から、著書に共感ができず、もやもや感が残らざる負えなかった。
0投稿日: 2016.01.24ここに描かれている世界は、本当に小説の中だけなのでしょうか。
少々ピンぼけな、漠然とした感想ですが。 静かに物語が進行していきます。 少々まどろっこしくもあります。 どちらかというと本読み上級者向けの小説なのかな、といった感じがします。 子どもの頃から特殊な環境で育てられている。 我々の世界と地続きの世界とはいえない、別の世界で生きている。 その存在理由は、いってしまえば人々の欲望の対象でありつづけること。 それでもなお、みずからの人生を生きていく。 そんな世界に住んでいる人たちのお話です。 エピソードはいろいろあります。 そのエピソードの一つがタイトルにもなっている「私を離さないで」という曲に関するものです。 でもそれぞれのエピソードは本当はあんまりどうでもよくて(失礼)、それらの細部からにじみ出てくる世界観が大事なような気がします。 なので読み進んでいくと、その世界の中に自分が溶け込んでいくような、そんな気になります。 いい小説やいい映画ってそういうところありますよね。 我が身の置き場所はそこにはないんだけど、すっかりその中に溶け込んでいるような感覚になること。 そう、あの不思議な心地よさです。 それがこの小説にはあります。 最初に読んだのは、この本がでたばかりの頃です。 そのときは、読み終わったときに柳ジョージさんの「コインランドリーブルース」という曲のサビの部分が頭の中で鳴っていました。 最近思うところがあって再読してみました。 読み終わったときに頭の中に鳴りひびいたのは。。 ちょうど今、テレビドラマ化されているようです。 そういった折でもあり、またそれとは別の意味でも、今なら本読み上級者ではない人たちでも興味深く読むことができるのではないかと思います。 あと、カズオ・イシグロによる「物語のちから」ががすごいのはもちろんですが、訳者である土屋政雄の日本語への「移しかえのちから」もすごいと思います。 ここは特筆に値すると思います。
1投稿日: 2016.01.24
powered by ブクログ内容が衝撃的という仕掛けよりも、銅版画のような筆致で刻み込まれる文章が印象的。 丁寧な描写が登場人物の心の動きを表現していて、良く書けていると思える。 一方、ここに出てくる提供者という存在は、いくらSF設定でもこれはないだろうと思わせる。 提供者がありえないのではなく、提供者が一般の人間と同様に生活しているという前提が、考えにくく説得力がない。 一般社会から完全隔離された提供者ならありそうにも思えるのだけれど。 文体が静謐で真剣であればあるほど、設定に少しでも甘さがあるとずっこけてしまう。 ちょい惜しい感じである。
0投稿日: 2016.01.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
キャシーの様子が特に鮮明に描かれ、また、トミーの純粋無垢な感情表現に共鳴した。 閉ざされた環境の中なら誰しもが間違った考えを当たり前だと学ぶだろう。それは洗脳とはまた違う気がする。みんな純粋な心を持った幼少期だからこそ、素直に大人の言うことを鵜呑みにしてしまうし、将来に期待を持って良いんだと当たり前のように思うのだ。こんな社会があるとするなら、神様なんていないだろう。
0投稿日: 2016.01.23心に残る作品です
物語の謎と、主人公の心の動きが、読み進めるうちに、少しづつ伝わってきます。 いつまでも、心に残って読んだ後も、いろいろと考えさせられる本です。 とにかく、何の前知識も持たず、1ページずつ読んでいくことを、お勧めします。 絶対読むべきです。
1投稿日: 2016.01.20
powered by ブクログ図書館で借りて読了。 この本を語るのに多く使われる「静謐」という単語。 ごく淡々とした語り口や、とても残酷な運命や大切な人の死も過剰な表現無しに描かれていく様は確かにその言葉が合っている気がします。 また文字でありながら描かれるイギリス各地の雰囲気も。 けれどこの本はただ静かな話では決してなく、淡々としているのに読みながら知らぬ間に引っ掻き傷を負うような、心を細く深く抉られるような、そんな一面も確実にあるように思います。 登場する人物誰一人として共感は出来ないのに、彼らの落胆を恐れたり喪失を悼んだり。 また、些細なことなのですが 人と話しながら周りの何かに気を取られたり、何かをしながら全然違うことを考えたり…みたいな、無意識にやっていて、やっているとどこかで分かってるけど気に留めたことが無かったような事が突然ポンと描写される事があって、何故か凄く驚かされた。それに敢えて触れる人がいるなんて、とでもいうのか…。 そして読み終えてから思った事ですが、彼らは「こうありたい」と望んだり猶予を求めたりはしても、運命を呪ったり完全に逃げ出そうとはしないんですよね。 それしか無いと思い込んでる所為かとも思いましたが働く夢をみたりもするし…。 その根源は、彼らが自分を不幸と思っていないからなのかな…?と。 読者からしたら彼らは身勝手な人間が作った使い捨ての臓器保管庫。搾取されるだけの存在ですが、彼らは自分たちを「提供者」と呼びます。 つまり彼らには周りの人間こそが不幸で、その不幸な人間に分け与える大いに意義ある存在が自分たちなのでは無いでしょうか。 そんな風に思えるのも、子供の頃から自分達の生み出したものが選ばれ、どこかで高く評価され展示されている。そう信じ続けていたから…。 そう思い至った時に改めてこの作品の恐ろしさ、悲しさ、そして身近さを感じてゾッとしました。 勝手な解釈ではありますがそれも一つの感想かと…。 不思議な作品ですが読んでみて本当に良かったと思える作品でした。
1投稿日: 2016.01.19
powered by ブクログ16年冬に綾瀬はるか主演でドラマ化され、過去に映画化や舞台化もされてる名作と云う話で読んだけど、私には・・・ 最後まで盛り上がりに欠けたなあ・・・
0投稿日: 2016.01.17
powered by ブクログ三原ミツカズの漫画で同じような話があったなぁと思い出す。 幼い頃のたわいもない出来事の描写に目を細めつつ読み進めていると、主人公たちの境遇とのギャップに突然足元をすくわれる。何が救いになるのかわからずもどかしくも感じたが、それがかえって物語の余韻を深めているのかなと思った。
0投稿日: 2016.01.13
powered by ブクログ主人公はキャシー。「提供者」の世話をする「介護人」という職につく31才の女性。あと少しで介護人を辞めることになっている。 第一部は、キャシーが16才まで過ごしたヘールシャムという施設のことを回想する。 生まれてから全く外の世界を知らない生徒たち。 保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度…。 そして、ルース、トミーとの友情。 第二部では、ヘールシャムを卒業?した彼らがそれぞれ候補の中から選んだ場所で最長で2年過ごす。キャシーはルース、トミーと共にコテージで外の世界を少し知り、そしてある噂を知ることになる。 第三部は、キャシーが介護人となってからの物語。自分がどういう存在かを知った上で、同じ仲間を多く見守ってきた彼女が、ルース、トミーと再会する。 残酷な物語だと思った。 提供者としての使命を持つ彼らのことはもちろん、それを知りながら彼らを守り、教育していかなければならない保護官たちにとっても。
0投稿日: 2016.01.13
powered by ブクログ「村上さんのところ」で紹介のあった、カズオ・イシグロ。ドラマ化ということで、さっそく読んでみました。 なかなか雰囲気があり、良かった。 ドラマでは、どのように描かれるのか楽しみです。
0投稿日: 2016.01.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドラマ化される前に気になっていた原作を読んでみました。 こういう話って、提供される側からの視点で描かれる切実なものが一般的だと思うのですが、これは提供する側からの視点でしかも淡々と進行していく物語でした。 読んでるうちにじんわりと残酷な事情が明らかになっていき、震撼とさせられました。 そうですよね、提供する方だって人としての感情もあるはずだし記憶したり想像するし、才能だってあるはず。 SFなんだけど、あくまでも普通の青春群像みたいに見せつつ、読者をどんどんそこに気づかせていく手法がすごいです。 悲しかったのは、キャシーもルースも提供者であることを受け入れているところです。トミーだけは、何か感じて反発するものがあったかもしれないけど非力な抵抗にしかならないのは一目瞭然。 でも、自分の置かれている立場を当然として受け入れているのは何も彼らだけの問題でもないと思えます。 知らされていない真実は、世の中にまだいくらでもありそう… キャシーやトミーたちがノーフォークまで探し求めた大切なもの、愛する気持ちがとても切なく胸に残りました。
0投稿日: 2016.01.12
powered by ブクログ巷では、評判が高いようだが、私にはピンと来なかった。 臓器提供を目的として、クローン人間として育てられる子供達。彼らの人間環境や葛藤がつづられているが、運命を受け入れる人たちなので、いまひとつ、盛り上がりに欠ける。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ『日の名残り』で英国文学の最高のブッカー賞(1989年)を受賞したカズオ・イシグロが2005年に発表した第六作目の長編で、世界的なベストセラー。2006年に邦訳出版、2008年に文庫化。 2010年に英国で映画化され、2014年には日本で舞台化、2016年1月からTBSテレビでTVドラマ化される。 本作品は、ヘールシャムで子供時代を送った主人公・キャシーらの出生に隠された秘密が、iPS細胞の発見などの生命科学の目覚ましい進歩により空想の世界の話ではなくなり、かつその倫理問題が大きくクローズアップされるテーマであるために、イシグロ氏がそこに込めたメッセージは何なのかを、読中も読後も深く考えさせられるものであった。 しかし、読後しばらくして目にしたイシグロ氏のインタビューによれば、本作品は、普通の人間が辿る運命をメタファーを使って象徴的に表現したものなのだという。ヘールシャムの閉ざされた世界は、外界で起きていることの多くが理解できないという子供時代のメタファーであり、主人公たちが逃げることなく短い運命を受け入れていく展開は、実際に多くの人間が自分に与えられた運命を受け入れているという、イシグロ氏の感じている世界観のメタファーなのである。そして、そうした世界の中でも、愛は死の恐怖を相殺できるほど強力な力になることを、合わせて描いているのだ。イシグロ氏は、この最大の仕掛けを思いついたのは、本作品を書く試みを始めて暫く経ってからだったとも語っている。 確かに、『日の名残り』の主人公である執事のスティーブンスも、与えられた運命を実直に生きた、イシグロ氏の世界観の中の典型的な人物であった。 隠されたモチーフと、イシグロ氏の持ち味である抑揚を抑えた淡々とした文章が相俟って、全篇を重たい雰囲気が覆っており、好みの分かれる作品かもしれない。 (2013年4月了)
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ裏表紙を読まなかったので、読み出しからある言葉に引っかかり20ページあたりで提供の意味に気づかされ、どうやって残りを読ますんだ?と思いました。さすがの筆力です。 しかし物語としてはとてもいいんでしょうが、やはり「人体改造―あくなき人類の欲望」を読んだ後では・・・ すでに現実に起こっていることの方が重くのしかかってしまいますね。
0投稿日: 2016.01.10
powered by ブクログ凄い。読後に溜息しか出ない。 緻密で切実で淡泊だけど篤い。 主人公キャシーの語りで物語は進み、特殊な施設・ヘールシャムで過ごした第一部、多感な時期を過ごしたコテージでの第二部、介護人となり物語の残酷な真実が明かされる第三部で構成されている。 映像が見えるんじゃないかというほどに細かく描かれていて、その世界観が築かれた後にくる第三部に一気に呑まれた。凄い。 内容には触れないですが、今年最初の読書に選んでよかったです。 作品の雰囲気そのまんまの映画があるみたいなので観てみたい。
0投稿日: 2016.01.09
powered by ブクログ淡々とした一人称で語られており、キャシーの回想ということで、よくまとまっているなという印象。 クローンによる臓器移植が1つの大きなテーマでもあり、閉鎖的な空間、保護されていた主人公たちが成長して運命を受け入れていくのには切なさを覚えた。 何と言っても魅力なのはルース、キャシー、トミーの関係。三角関係とは言い難い。彼らはどこまでも親友だったのではないだろうか。真の意味で。(トミーはルースキャシーの両方とも性的関係を持つが。) 冒頭キャシーが述べているように、トミー、ルース、そしてキャシーは幸せだった。残されたキャシーを思うと辛い。トミーとルースとの別れのシーン、涙こそ出なかったが胸を打つものがあった。
0投稿日: 2016.01.06
powered by ブクログあっちこっちからそれとなく聞こえてきてしまって、内容を知らない白紙の状態から読んだ訳ではない。そういう意味ではインパクトは軽減されてしまったかもしれないけど、でも結構序盤から種明かしがなされてくるので、それ自体はさほど問題ではない。それよりも、つい惹き込まれるような文章が素晴らしいし、それぞれの立場から過酷な運命と向き合う姿勢にも打たれる。2015年の締め括り、素敵な作品で締めくくれて良かったです。 巡り合う書物の充実ぶりでいうと、かなり優れた読書年間だったと思います。量も質も、自分なりにはとりあえず満足のいく一年でした。さて、今年はいかに。
0投稿日: 2016.01.01
powered by ブクログ静かでどこか抑え気味、突き放したような語り口で、のめり込むタイプの本ではなく、ぼちぼち中断しながら読みました。 ラストは何と言っていいかわからない淋しさと虚しさ。。 これをドラマ化すると耳にしたのですが、どういう風になるんだろう。。
0投稿日: 2016.01.01
powered by ブクログ一見のどかなヘールシャムでの子ども時代。そこに見え隠れする小さな違和感。少しずつ少しずつ知らされる、自分たちの存在意義。 そのレールに乗って、大人になった生徒たちは使命を果たす。定められた運命に抵抗する事もなく。 しかし、彼らの魂もレールの上を走ったのだろうか。 生命や倫理や人間の人生、人が生きるとはどういう事なのか、幅広い視点から考えさせられる1冊。視点が多く、読む人によって印象が大きくかわりそうな作品。
4投稿日: 2015.12.31
powered by ブクログ普通ではない学校の子供達の正体が気になりワクワクするが後半はありがちな男女三角関係模様がメインになりガッカリ。この物語から深いテーマを読み取れといわれても三角関係が印象強すぎる。
0投稿日: 2015.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
来年は、未読の本を減らすべく、新しい本を買うのを抑制すべし、と決意した端から買ってしまうま。 どっかの政府の、財政再建みたいな状況です。 言い訳すると、年明け15日には、ドラマが始まってしまうので、その前に読まなければならんのです。 ええ、ただそれだけの理由です。 と、書いたのはある予感があったからで、それは、この本は、予備知識なしで読んだ方がよいというものです。 そして、その予感はあたりました。 ドラマどころか、表紙裏の解説、帯すら読まない方がよい。 これは、「探す」物語だから。世界の仕組みを、主人公の心を、存在意義を。 冒頭、平易な文体なのに、全然先が見えない、あの彷徨感、それをそのまま大事に読み進めるべき作品です。 ジャンルとしてはSFに分類するのが一般的かもしれませんが、僕はこれは、ミステリィだと思います。
0投稿日: 2015.12.29
powered by ブクログなぜ彼らは自分の人生に疑問を抱かないんでしょうか?洗脳されているようにも、諦めているようにも見受けられず、理解しがたかったです。 すべてが淡々とすすんで行き、狭い世界の中で些細な感情の駆け引きだけが起こっている印象でした。 さらに訳者が下手なのか、まわりくどい表現が多く分かりにくく感じました。
0投稿日: 2015.12.28
powered by ブクログ友人に勧められて読みました。 もともと外国文学を今まで読んだことが無かったので少し読みづらかったのですが 物語の内容、表現力はとても良かったと思います。 登場人物は物語の中で怒ったり、笑ったりと感情豊かに描かれてるのですがどこか客観的で悲しみも怒りも喜びも遠い景色の様な雰囲気というのがとても上手く表現されていたと感じました。 物語の終盤では登場人物の心の根底にある、避けられない未来に対して抱く陰鬱さと諦めが 物語を読みながら頭に浮かんでくる情景、空模様に現れ共感を呼びまるで圧倒されるような心持ちでした。
0投稿日: 2015.12.28
powered by ブクログ特に何の事前知識も無く読んだので、最初は普通の世界の物語なのかなと思いました。が、クローン人間をテーマにしたパラレルワールドの話で、中々考えさせられました! クローンという技術が確立されたときに、もし、私たちが一歩判断を間違っていたら…、こんな世界もあったのかもしれません。 初イシグロ作品でしたが、他の作品も読んでみたいと思います!!
0投稿日: 2015.12.26
powered by ブクログ久しぶりに心が揺さぶられるような作品に出会いったと思いました、靄がかかった世界をガラス越しに見つめるような静謐さと、こちらまで胸が痛くなるような感情が伝わってきます。
0投稿日: 2015.12.24
powered by ブクログ今まで読んでた小説とは方向性とか、求めるところとかが全く違う。トミーやキャシーの人生の箱は、もっと大きな箱の中の1つでしかないことはわかってた。でもその捉え違いにも重きを置かず。不思議で空虚でグレーで湿ってて、でもじんわり温かいのも知ってるような読み心地。
0投稿日: 2015.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
キャシーやトミー達がどのような経緯で、どうして施設にいるのかという物語の大事な世界観が最初は伏せられていて、段々と明るみになってくる過程が秀逸だった。悲しい世界観を少しずつじわじわと出してこられるから、すごく惹きつけられる。 あとキャシーやトミー達にマダムが「かわいそうなこ」と言うシーン。マダムのこのセリフが、運命から抜け出そうとする2人に揺るがない現実を突きつけていてとても悲しいけど美しいなと思った。
0投稿日: 2015.12.15
powered by ブクログ高評価なのと、カズオイシグロ作品を読んでみたい理由から手を伸ばした作品なんだけど、実に読むのに時間がかかった。やっぱ海外小説だから苦手意識があるからなのか。全体的に色のない、古いフィルムを見ているようなそんな印象の話。
0投稿日: 2015.12.15
powered by ブクログ「提供者」と言われる人々が存在する世界の話です。この時点でネタバレみたいなものですが、あらすじで出てくるので問題はないのだ。 これから起こるであろう、人権のあり方と命の定義を問う本でありました。淡々と抑制の効いた文章で描かれているので、込み上げるものとかはありませんでしたが、その分超える事のできない社会システムへの絶望感はひしひしと感じるところがあったような気がします。 多分自分がダメだっただけなんですが、ぶっちゃけあんまし面白くなかったです。
0投稿日: 2015.12.15
powered by ブクログネタバレにならないように表現するのは難しい。 自分だったら、寄宿舎から逃げ出したり、海外逃亡も考えるのにと思うが。運命には抗えないのか。SF小説ながら、現代社会への警告も含んでいるし、命とは?を倫理的にも考えてしまう。 来年TBSで連続ドラマ化される。どうこの作品のテーマを解釈し、日本の舞台で適用するか?楽しみです。
1投稿日: 2015.12.12
powered by ブクログ思わずスカイクロラを思い出した。 クローン人間の悲哀って 私には、いまひとつ ピンと来ないのはなんでだろう?
0投稿日: 2015.11.28
powered by ブクログこういうものを読みたくて本を読んでいるんだ、と思わされた一冊です。 倫理的にありえない設定でありながらありえないとも言い切れないと思わせる絶妙な設定の中で、特別な学校に通う特別な子供たちが、自分たちの置かれた立場を成長とともに段々と感じ取り葛藤しながらも、人生が進み終わっていくさまをあくまでも淡々と描いています。 作者は日本人ですが、英語で書かれたものの訳書であることが、淡々とした雰囲気をさらに強めいるように感じました。 物語はさらさらと進むのに、読み進めるたびに心のなかが複雑な感情でどんどんいっぱいになり、タイトルの意味がわかった時には涙が止まりませんでした。
0投稿日: 2015.11.17
powered by ブクログ海外小説に対して苦手意識の強い自分でも読了できたので、文体としては読みやすい部類に入るのだと思う。 ストーリーに対する驚きや描写のドラマチックさに引き込まれる類のものではなく、主人公を通した瑞々しい感性と会話、各人の行動が深く心に刺さる物語だ。 SFと勘違いしていたので、その点は良い意味で裏切られた。
0投稿日: 2015.11.08
powered by ブクログ村上春樹が新刊が出ると必ず読む著者としてあげていた。いつか読みたいと思っていた。テレビで映画のシーンなどが出てきて読もうと思った。中3の娘のクラスメイトが読んで本の紹介を書いていた。で、100円ではなかったけれど古本で購入した。流れはゆっくりで、あらかじめどういう話か知らなかったら前半耐えられたかどうかわからない。どうしても映画のシーンが先に頭にあるので、その状況を思い浮かべながら読むことになる。次第に明かされていく真実。医療技術の発達により突きつけられる大きな課題。重くて暗いテーマで話は進む。そんな中、私の興味はキャシー、トミー、ルースの三角関係の方にあった。「男女七人夏物語」だったり「東京ラブストーリー」だったり、なんだかそんな気分で恋の行方を気にしながら読んだ。だから、車の中で、ルースがキャシーに謝るシーンが一番印象的だった。解説で柴田元幸さんが書いているが、本書は予備知識が少なければ少ないほど良い作品になる。何も知らずに読んでいたら、その衝撃はずいぶん違っていたのかもしれない。
0投稿日: 2015.11.02
powered by ブクログ読み終わった後、文庫本の表紙挿絵をながめる。私の知らない曲。でも、その曲が聞こえてくるような気がする。 ヘールシャム以外の施設では何が行われ、そして何が行われなかったのだろう。
0投稿日: 2015.11.01
powered by ブクログ文章の中に、紛れ込むように混ぜられた不安や不穏に動かされて先へ読み進めていった。ガツン、とする衝撃はあらかじめ予想がきくように書かれているのでいくらかはやわらげられる。演出(といっていいのかはわからないが)とは縁がない。しかし、所謂「派手な驚き」がないことそのものが、逆に主要人物たちの立場を思わせて傷口を広げられたようにぶるりと震える。怖い作品。
0投稿日: 2015.10.29
powered by ブクログミステリーに近いものがあった!!先が読めないでどうなるのか気になってしまった。 最後は悲しくなった。なんでこんなことをするのか…提供者の気持ちを考えると悲しい。
0投稿日: 2015.10.11
powered by ブクログ読み進めていくうちに衝撃の事実が発覚する。主人公の一人称形式で語られていくが、曖昧さを残す表現によって、より一層想像がかき立てられるように感じた。読み終わったあと、重い荷物を背負ったような、ずしんとした重さを感じる。あるべきはどうなのか、考えさせられる小説。
0投稿日: 2015.10.10
powered by ブクログ彼らの側には絶対に立てないし立たないっていう無力感と安心感。 今後、ロボットに対してこういうことが起こってくるんじゃないか。
0投稿日: 2015.10.08
powered by ブクログヘールシャムでの日々があまりにも丁寧に優しく描かれているだけにラストが切ない。 信じる人と考える人がいる、という言葉が印象的。
0投稿日: 2015.10.06
powered by ブクログあまり本筋とは関係ないんだろうけど、キャシーがトムに対して抱いてきた友情憎悪恋愛感情その他いろいろが混ざり合った複雑な思いが、物語の最後のほうで「これは愛だと確信しています」みたいなキャシーの言葉でまとめられたとき、ああ私は読者として置いてきぼりにされたなあと感じた。別に批判してるわけじゃなくて、っていうのもすごく気持ちのいい突き放され方だったので。記憶なんて結局のところ断絶した現実の連続体を煮詰めた中に不純物をぶちこんだようなものなんだよなーみたいなある種の諦念を抱かされた。物語のほとんどは語り手キャシーの記憶を辿りながら進むんだけど、終盤に現実世界で事が進み始めるとそうは行かなかった。キャシーの語りによってその煮詰める過程や不純物をぶちこむ過程を辿ることは辛うじて出来るから、読者も共感しつつその記憶を辿ることが出来ていただけなのかな。記憶ってなんなんだ。
0投稿日: 2015.09.28
powered by ブクログ文体は独特でいて、雪のように静謐な感じがする。 他者を犠牲にして利を得ることについて考えさせられる。 初読のときの、はっとさせられた感覚を大事にしつつ、初読時は意味不明の伏線的表現を再読で味わいたい。
0投稿日: 2015.09.26
powered by ブクログうーむ。この設定あまり好きじゃ無い。 何か書くとネタバレになるのだが、言葉の使い方で、それとなくこの文書で言わんといている主題は分かる。 そして、その後の展開は、幾つかの伏線からラストに向かうのだが、途中、3人組が2人になったあたりからは、読んでいてだるい感じ、クライマックスであろうシーンは、なんか共感しにくかったし、その後もスッキリ感は無い。 この小説が世に出たタイミングなら、感覚的に読めたのかもしれないが、現在では、小説だということを抜きにしたとしてもリアリティーとして受け入れにくいかな。
1投稿日: 2015.09.20
powered by ブクログ最初はとっつきにくく、話は飛ぶし、なんの話なの?これは?となるのだが、中盤まで耐えていくと、え、そういうことなの?と段々と繋がっていき、最後はストンと落ちた。 でも、推理小説のようにヒントを一つずつ解いていった感触は全くなく、文字全てが体に染み込んでいって、脳が理解していくという感じ。 クローンの子供が不思議な施設で育ち、そこから巣立って臓器を提供して死んで行くまでの話。とても不思議な小説。
0投稿日: 2015.09.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語に出てくる少年少女たちの言動やキャラクターが、どれも既視感があって、とてもリアルだった。 主人公の女の子が、わがままで自分に酷いことをした友人にたいしても、とても寛容に接していて、非常に信頼できる人間性の持ち主で、そんなふうになりたいと思った。 ストーリーが若干荒唐無稽なので-1。
0投稿日: 2015.09.16
powered by ブクログ序盤はどういう話なのか掴めずにいたけど、読むにつれて衝撃的な事実が少しずつ垣間見えてきます。そうなったらもうやめられず、一気に読みました。 淡々とした語り口なのでフィクション感がないというか…。不思議な読み応え。今までに読んだことのない小説でした。 人間関係の描写がとにかく濃密で圧倒された。 いわばこの生徒たちは実験台だったんだなとラストで気づかされてゾクッとした。
1投稿日: 2015.09.15
powered by ブクログ前半の違和感をはらんだ語り口と友人との駆け引き。 後半の諦めにも似た、仲間との共同生活の営み。 時間が前後しつつ明かされていくストーリーに引き込まれていきました。 人間としてどう生き、社会にどう貢献するのか。自己の存在意義と幸せはどこにあるのか。究極の問いかけの形がありました。
1投稿日: 2015.09.14
powered by ブクログ衝撃的な内容だった。人間として生きる意味を再考させられた。 クローンとして生まれて、どんなに希望を持っても、どんなに教養を身につけても臓器を提供することで死ぬ(殺される)運命にある若者たち… 私はどこかこの小説に登場する人物に違和感を覚える。彼らはクーデターを起こすのでもなくただ生まれた時から周りに決められた自分の運命を受け入れて死んでいくのだ。 ただトミーは違う。マダムやエミリ先生からどんなに努力をしても臓器の提供者として死ぬしかないと聞かされた後、彼は野原で喚き、拳を振り回し、蹴飛ばして荒れ狂うのだ。語り手はその行為を癇癪として非難しているが、私はその行為こそが人間味のある行動に思えた。一見トミーの行動は無駄で幼稚でわがままだと思われるかもしれないが、周りに決められた運命に抵抗しながらもがき生きることが自由なのではないか、人文主義としての生き方ではないかと私は思った。
3投稿日: 2015.09.12
powered by ブクログ現実には表向きにはありえない話。ドナーとして育てられ、それを当たり前と受け入れ、最後までそれに異を唱えるでもなく、来るべき日までの日常を違和感なく書き上げていく。 とうていありえない、非人道的な話ではあるけれど、この世界にこうゆう環境で育てられる子供がいてもおかしくないくらいナチュラルな文体におどろいた。 救済を求めない、あるべき運命に身を委ねつつ、それでも提供の延長にかすかな希望を持つ姿になんともいえない悲しさを感じた。 決して提供に抗うことのない提供者の姿勢に教育のこわさを感じた。
0投稿日: 2015.08.30
powered by ブクログ物語は終始キャシーの独白体で進行していく。あくまでキャシーの視点で進行していく。周りの風景、描写、相手の思考や行動、それら全てがキャシーの視点で語られている。キャシーが見た、キャシーが感じた事だ。それらはとても淡々としている。熱を帯びていない、と言おうか。しかしそれでいて思慮深く、時に繊細で、それはとても慈悲深いものでありもする。 物語の序盤から中盤にかけて、大きな秘密が明かされる(序盤から既にそれとなしに漂わせているので、感づく人はすぐにでも分かるであろうが)。 長い小説ではあるが、非常に丁寧な文章で、とても読みやすい。また、キャシー一人だけの視点から成る物語なので、話があちらこちらに飛ぶことも無い。 読み終えたとき(又は読んでいる際のふとした瞬間)に、どっと感動が押し寄せてくる様な類の本では無い。しかし、心の奥底で常にじんわりと同じ温度の温かさを感じる。 素晴らしい一冊に出会えた事がとても幸運だと感じた。
3投稿日: 2015.08.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館で借りた本。 介護人のキャシーは、物心ついた時から、ある施設で生活していた。 そこは、「提供者」と呼ばれる人だけを集め、外部と遮断し、絵画や工作に異常なほどに力を入れ、毎週のように健康診断が行われて健康管理をされた、特別な施設だった。 特別な施設には意味があった。 現実ではあってはいけない世界がそこにはあった。
0投稿日: 2015.08.26
powered by ブクログ日本人の両親を持ち、日本語の名前をもちつつもイギリスで生まれ育った著者。恥ずかしながらその名前を知らなかったが、最近テレビに出るということがネットですごく話題になっていたことから名前を知り、読ませて頂きました。 この物語をひとことで言わせてもらうと、全編を通して「美しい違和感」を持った小説、という言葉が適当か。主人公キャスの視点から描かれ、様々な人間模様や細かな感情の揺れ、友人との距離感などが緻密に表現され、独特の違和感を内包した世界が淡々と進んでいく。行間から溢れるキャスの感情が読み進める手を止めることを許さず、終始その"静かな迫力"とも言える世界観に圧倒された全編でした。 amazonの書評欄などを先に見てしまい、先にネタを知ってしまう方も多いかと思いますが、大枠のテーマ自体は、今でこそ珍しいものではありませんが、それを知った上であっても本作は全く影響を受けない、何の問題もない素晴らしい物語だと思います。 私の稚拙な文章ではこの素晴らしさが表現しきれず、悶々といたしますが、こちらも長い人生一度は開いて見ることをおすすめいたします。
1投稿日: 2015.08.15
powered by ブクログ最近カズオイシグロさんが新作を発表したんですけど(来日もしてました)読むのがもったいなくて・・・ 積読リストにあったこちらの本を先に読むことにしました。。 期待どおり、繊細で美しい文章にうっとり。 ですが、内容は深く重く、余韻の残し方もハンパじゃない・・・さすが世界のイシグロです。 寄宿舎のようなある特殊な環境で育った生い立ちを、ゆっくりゆっくり丁寧に、主人公が回想という形で語る物語です。 牧歌的な雰囲気でさえある小学生時代から始まる物語は、少しづつ不気味な真相にたどり着いていきます。 主人公を待ち受ける悲しい運命を読者に衝撃的に明かすのではなく、このような展開で明かされていく作品は他ではあまりないのではないでしょうか。本当にうまい。 生まれ持った運命を受け止めるとはどういうことなのか・・・ 人は希望がないと生きられないなどと言われがちですが、幸福な記憶があれば自分を支えていける、私はそういうメッセージを著者から受け取りました。 ああ切ない。
3投稿日: 2015.08.06
powered by ブクログタイトルに惹かれて読んだ。衝撃の内容で驚いたけど、ずっと心に残る作品。登場人物それぞれ、人間らしさが出ていてよかった。タイトルと表紙のカセットも素敵。
0投稿日: 2015.07.31
powered by ブクログ淡々と運命を生きる子どもたち。 人生に多様性があることを漠然と知りながら、人種が違うのだと透明の壁の中で生活の様子。生活するからには食べるし寝るし、笑うし怒るしセックスもする。ヘールシャムでは教育も受けるし創作もする。 その意味とは何だったのか、敷かれたレールのことしかわからないし、他のレールのことは存在を知らない。そして使命を終えていくことだけが人生で決まっていること。 途上国にもこんな感じの閉鎖感があるのかもしれない。そう思うと、SF感覚で読むべきじゃないのかもしれない。
8投稿日: 2015.07.30
powered by ブクログ新作が話題の著者であるが、その新作を読む前にまず読んでおこうと読み始めたら、止まらなくなって一気読み。 最後のノーフォークの場面には思わず涙。小説を読んでこんなに心を揺さぶられたのは久しぶりである。 それにしても、なんという物語であろうか。あらためて、小説の持つ力を実感させられた。 訳者の力も大きい。訳文という違和感を一切感じることなく読了することができた。 読後、本のカバーのカセットの絵を見てまた涙。 今年の私的上半期ベスト1である。
3投稿日: 2015.07.23
powered by ブクログ普通らしさの中から突如顔を出す怖さがある。 ぼんやりとしていた幽霊がとつぜん実体をもって、こちらにかみついてきた、みたいな。(幽霊は出てきません 丁寧な語り口調が、ますますリアル感を出してるのかな? 読んでよかった。
0投稿日: 2015.07.21
powered by ブクログ臓器提供者として生まれてきた子供達。ヘールシャム施設で育ち学校生活を共に過ごし、それから介護人を経て臓器提供者になり人生が終わる。本書は学校生活、友人関係や恋愛話がメインで、臓器提供への葛藤や恐怖、反乱や犯罪等は殆ど無く淡々としている。同級生とのイザコザ話が中心なので高校生あたりが読めばタイムリーかな。臓器提供者の誕生の秘密を最後付近で知る事になるが、逃げる選択をする人物くらい居ても不思議では無いのだが、最後まで淡々として、あっさり感しか残らない。
0投稿日: 2015.07.20
powered by ブクログ臓器提供者として産まれそだれられてきた子供たちの話。 クローンも心があり、そういう風に扱うのがいいのだろうか。そんなこと許される話ではないのに
1投稿日: 2015.07.09
powered by ブクログ【導入】 とある施設の中で生活している キャシーやトミー達若者の運命は、 健康なまま、「提供者」として 外の世界の人のために役に立つこと。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 読み始めてすぐ、提供者って何?と いう疑問が生まれます。 その謎解きと行く末が知りたい方は、 本のページをめくってみてくださいね。 そして、提供者を、 人に食べられることを運命づけられた鶏豚、 親や学校に情報を制限されていた子供の頃の自分、家族のために機械のように働いている 自分、に置き換えて想像してみれば、 この話が、必ずしも未来に対する警鐘では ないことに気がつくでしょう。 誰かのクローンである自分、 誰かのドナーとなる運命の中で、 愛情を発見し、運命を受け入れていく プロセスに自分の人生を重ね合わせる方も いるかもしれません。
0投稿日: 2015.07.04
powered by ブクログなんというか、とんでもない話を読んでしまったな、と思わずにいられなかった。 話は、一人の「介護人」を名乗る女性が、彼女が世話をする「提供者」との会話から昔過ごした「ヘールシャム」という場所のことを思い出すところから始まる。 読者にはその「提供者」や「ヘールシャム」の実態が予め明かされることはなく、そこで子ども時代を過ごした主人公達と同じく、「保護官」や彼らのつく数多の嘘と噂に守られながら、「教えられているようで、教わっていない」事実を、熱いココアでも飲む時のように、少し冷めた縁から、僅かずつすすっていくことになる。 だからだろうか。 真実を知ってしまった時、まず寄せてくるのは「ああ、やっぱりか」という息苦しさだ。ちょうど、上の方の、ちょっと熱い部分を飲み込んで、「ほら、やっぱり熱かった」となる感じ。 でも、「思ったよりはましだったな」なんて油断していると、冷めた部分に隠れていた、やけどしそうなくらいの熱さに涙目になる、あの感じ。 多分、この話で本当に打ちのめされるのは、最後の、ルースが残してくれた「最善」の結果だ。 こんな社会にしてはいけない、こんな社会はあってはいけない、そう思うのに、頭のどこかで、すでに大なり小なりそれが起きてしまっていることを理解してしまっている。 そのことに、一番、打ちのめされるのではないだろうか。 読み終えた今、せめて今なら同じ世界をつくらずにいられる岐路に立っているのだと、そう信じたくて仕方ない。
3投稿日: 2015.07.03
powered by ブクログなんの予備知識もなく読んだせいで、てっきり題名から恋愛小説を想像していたが、とんでもない。しいていてば新しいタイプのSF。Hailshamという、教育施設で育っていくKathy, RuthとTommy. そこに通う子供達は皆”特別”という扱いを受ける。しかしこの子達の何が特別なのか。そしてHailshamの目的は? 心理描写がしっかりしており、子供から大人になるまでの登場人物の葛藤や悩みが語り手のKathyによって伝わる。あまりもその部分がしっかりしているせいで、肝心の彼女たちの存在意義や、Hailshamの意図などを忘れてしまうくらい。そして忘れた時に直面する辛すぎる真実。二度読むと、きっと登場人物に違う感情が抱けるのではと思った一冊。
0投稿日: 2015.06.22
powered by ブクログ臓器を提供するために作られた子供達が、施設で成長していく物語。 塀の外で暮らしている人と自分達は違うと薄々気付きながら、はっきりと自分達が何者なのかは知らされず、それ故に悲しいほど素直に無邪気に自らの運命を受け入れていく。 衝撃的な内容とは裏腹に、主人公の日常がひたすら淡々と、静かに語られていくのが物悲しい雰囲気を漂わせている。 あまりに淡々としたストーリーのため途中退屈に感じたが、いつか訪れるだろうクライマックスを期待してどんどん読み進めた。 しかし、自分の中でクライマックスと感じられる箇所はなく、最後まで同じトーンのまま物語は幕を閉じた。 よくできた物語ではあるが、読破してみると何だか物足りない印象。 とはいえ、そう遠くない未来に実現するかもしれないクローン人間について深く考えさせられた。
0投稿日: 2015.06.14
powered by ブクログちょっと捉えどころがないというか、どう評したら良いのか難しい作品。個人的にはこういう雰囲気は好きなのだけれど、特異な設定といい、妙に情動的な時間の流れといい、ふつうの枠組で解釈するにはどうしてもムリがあるような気がする。そういう意味ではオンリイ・ワンであることは間違いないが、傑作かといわれるとまた頭を抱えてしまう。ちょうど作中の登場人物が複雑な立場に置かれているように、この小説を読んでいるわれわれもまたおなじような複雑な関係のなかにいる。おもしろくないわけではない、しかし……。難しいとはいっても、哲学書やピケティを読むようなそれではない。でも、哲学のような雰囲気すらある。文学的に哲学書を書くというか、地の文を情動的に書き、セリフなどを逆に文学的に書くと、こういう感じなのではなかろうか。
0投稿日: 2015.06.08
powered by ブクログ何かを得たり学んだりと言う意味では役に立たないけど、確実に読んで良かったと言えます。フィクションでしか得られないものを与えてくれました。ちょっとしばらくこの衝撃から立ち直れないかも。 凄く特殊な人生を丁寧に丁寧に描く。華麗な比喩より、地に足の着いた比喩。平易な文章と共感できる心象。おそるべきリーダビリティと、読むものを揺さぶる仕掛け。 自分の人生だって同じような物じゃないか、と考えて教訓的なものを得ようとすれば得られるのだけど、でも、そういう読み方をすべきではない気がする。
1投稿日: 2015.05.25
powered by ブクログ主人公のキャシーは介護人。 彼女がどんな人たちを介護しているのか。物語の大部分を占める、彼女の青春時代の舞台であるヘールシャムがどういう施設なのか。それに触れるのはネタばらしになってしまうようなので控えますが、私は事前にそれを知って読みました。それで正解だったと思います。その予備知識がなければ、退屈で途中で読むのをやめてしまったかもしれない、と思うぐらい、この物語の文章は非常に淡々としていて、特に大きな出来事も起こらないからです。ただ背景を知っている、それだけで、なんでもない子どもたちの日常がとんでもなくせつなく感じられました。そのことがこの本を読んでいちばん面白いと思った点です。 とても淡々とした、悪く言えば抑揚のない文章で語られる長い物語でしたが、主人公の心理描写がとても丁寧で引き込まれるように一気に読みました。
1投稿日: 2015.05.10
powered by ブクログ人間臭い友情と愛情の物語と現実離れしたストーリー展開に引き込まれて一気に読了してしまった。 「日の名残り」とは全く世界観が異なるも読後の切なさは同じ。人生って悲しい…。
0投稿日: 2015.05.07
powered by ブクログ中盤過ぎてから、ストーリー性が強くなり、読むスピードも上がりました。全体的に描写が細かく、頭の中でシーンをイメージしながら読むことができた作品でした。
0投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログ「ある使命」のもとに生まれてきた特別な子供たちの、複雑な人間関係を描いた作品。 ちょっと痛い人の自己満足日記を読んでいるような気分になれる作品。 話がいろんなところに飛んで、すごく読みにくいのもポイント。 これが評価されるんだから、文学界というのはやはりよくわからん。 たぶん芸術的な見地とやらから見ればすごいんだろう。
1投稿日: 2015.04.22
powered by ブクログ前々から凄ーく気になってた本。淡々とした語り口調で、主人公が過去を回想していく。『わたしを離さないで』っていうタイトルだから、恋愛ものなのかと思ってたら全然違った。段々と解けていく謎に思わずハッとなる。現実問題こういうことが絶対起こらないとも言い切れない世の中なので、恐ろしい。読みやすいし、いい。2012/343
1投稿日: 2015.04.21
powered by ブクログ長いこと積んでいるうちに間違えて二冊目を買ってしまったのでついに再挑戦。 とにかく疲れた。テーマが重いから、というよりはひたすら人間関係の心理描写が続くから。特に主人公キャシーと親友?ルースの、マウントポジションの取り合い。時に読んでいて気が塞いだり胸糞悪くなったりするのは、作者が非常に巧みだからなのだと言えるのだが……。 ところで彼らの世界(これは近未来ではなく、現実の平行世界だと思う)では宗教はどうなっているのだろうか。クローンにとって神の存在は不都合であるだろうから、保護官たちは彼らにどのように神を教えるのだろう。使命を終えた彼らは神の元へは往かず(往けず)、遺失物の流れ着く地ノーフォークへ往くと、キャシー以外の者も思うのだろうか。
0投稿日: 2015.04.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おそらくきっといつかあり得る未来を切り取った一作。 エンターテイメントとしては非常に抑制の効いた、静かな作品。 興味深いテーマを扱っているので、ぜひ読んでほしい。 臓器提供者養成学校であるヘールシャムでの生活と、ヘヘールシャムがなくなってからを、臓器提供者とならずそのメンタルヘルスを請け負う者となった主人公の視点から語る。 自分たちが臓器提供者であることに忌避感すら覚えずに育つ子どもたちと、卒業後提供者となった彼らの現実の対比が辛い。 提供者は一つづつ身を削られ死へと確実に向かいながら、「何度」提供できたのかを誇る。誇りながらも死にたくないのは当然のことだ。 主人公の想い人である提供者は彼女と、共通の親友の手を借りてどうにか提供者であることをやめる道を模索する。 しかしながらそうは問屋がおろさない。 主人公と結婚することで提供者の運命から逃れられるのではと、彼らはかつての教師と学校の出資者を訪ね当てる。 だが提示されるのは絶望的な事実だった。 教師と出資者が語る、ヘールシャムの設立目的。提供者であっても彼らが都合のいい細胞の塊でなく、「人間」であることを世間に忘れさせまいと生徒たちの作品を展示したこと。それでも時代の波に押されてヘールシャムは潰れたこと。 結局提供者のトミー死に、それでも主人公は生きていきます。 彼女もいつかは指示され提供者となるのでしょう。
0投稿日: 2015.04.13
powered by ブクログ最初から最後まで同じテンションで淡々と語られる。 はじめは少し退屈だけど、進むにつれてその淡々さが, 置かれている状況の異常さを際立たせて引き込まれる。 あおるようではなく、実際のできごとを丁寧に思い出しているようで、でも輪郭はあわあわとはっきりさせずにいる。 文体は結構すき。 映画も観てみよう。
0投稿日: 2015.03.26
powered by ブクログ辛くて悲しくてそして感傷的なのにとても静かな物語。人生は不条理で不公平なもの。そして誰の人生の上にあらわれても決して不思議ではないお話。
0投稿日: 2015.03.26
powered by ブクログ初カズオ・イシグロで、ずっと前から読みたかった本。 題名からは、甘ったるい恋愛物かと思われるが、とんでもない。 介護人キャスの回想録として、一人称の語り言葉で綴られている。彼女はある施設で育ったのだが、そこでの他の子どもたちとの交流や行事が事細かに描かれている。 フラットで退屈だなと思いながら読み進めると、さらっと、とてつもない衝撃が織り込まれている。キャスが育った施設はどんな目的で作られたのか。施設での幼馴染で親友であるトミーとルースの運命や、キャス自身の行く末に思いが及ぶ。 作者は村上春樹に影響を受けたというが、心理描写がとにかく精密で、しつこいほどである。淡々とした文章だが読後感は重い。
0投稿日: 2015.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
抑制的な文章が読者の想像を掻き立て、不気味な雰囲気を作り出す。いったい彼らにどんな大事が起こるのだろうともやもやしていると、その期待はプスプスとしぼむことになる。ここがクライマックスですよと煽るようなことはしない。キャシーたちが臓器移植のために作られたクローンであるという最も大切な事実もさらっと提示されるのみだ。 閉鎖的な学校空間でありがちな高度な人間観察に基づく不信感や自己規制。まさにこれは人間そのものを描いている、と思いきや彼らはクローンなのだ。だからこそこの医療制度の欺瞞に気付くことができる。 クローンといえど人間性を有しているのなら、なぜ声を上げないのか。自由を求めないのか。いや、それがクローンの限界なのだと考え始めた時、われわれは compassion を見失ったことに気づくだろう。
0投稿日: 2015.03.16
powered by ブクログ世界の秘密を読む小説。入念に計算された物語と抑制の利いた展開(焦らず、ゆっくりと緊迫感を高めていく)、まさに完璧な小説だと思った。 ずっと、登場人物達の切実さが痛いほど伝わってくる。読んでいてつらくなる。そのおかげでなかなか読み進められなかったけれど、ようやく読み終えられた。 この小説の名残を胸に日々を懸命に生きてゆきたいと思った。 この小説をなんの事前知識もなしに読めたことを、心から嬉しく思う。
0投稿日: 2015.02.27
powered by ブクログメモ書きした感想はかなり長文になってしまった。邪魔になるのでここに書き写すのはやめておく。 読み始め、物語の中に入っていくのに少し時間がかかった気がする。 それから、最後まで語り手を完全に信用できなかったかも。悪い意味じゃなくて、トミーやルースの視点からはまた違った物語が現れるんじゃないかと思わされるという意味で。 青春小説と言ってもいいんじゃないかと思う。
0投稿日: 2015.02.26
powered by ブクログ解説でも、「細部まで抑制のきいた」文章と書かれていたが、その表現がぴったりくる。流行りものに多いとおもうけど、作者が登場人物に感情を乗せすぎると、少しでも共感できなかった読者は疎外感を感じてしまう。自分は特にそう。 抑制のきいた、どこか客観的な文章だからこそ、登場人物の感情を素直に受け止められ、心に響く。 ストーリー自体は、個性はあるが、珍しい内容ではないと思う。それでも話にドップリのめり込み、時間を忘れさせてくれたのは、この素晴らしい文章によると思う。機会があればぜひ読んでほしい。そんな本。
0投稿日: 2015.02.20
powered by ブクログだいたい話を知ってる上で読み始めたことを本当に後悔。特に後半ある噂の件が出てきてからは本当に知らないで読みたかったと思った。 架空のSF的な設定であるのにリアルすぎる、でもそれでいて淡々と進んでいく物語。終盤に畳み掛けてくる真実と登場人物の運命は胸を苦しくさせます。 彼らのような人たちは今現在は存在しないのに、彼らが生きる意味をしばらく真剣に考えてしまった。
0投稿日: 2015.02.06
powered by ブクログ訳本なのにすんなり入ってくる。 本の主題とはかけ離れるかもしれないが、近しい人といつか別れなければならない運命について考えさせられた。
0投稿日: 2015.01.28
