
総合評価
(186件)19 | ||
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66 | ||
14 | ||
0 |
- GIMI"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
上巻は星4をつけていたが、全て読み終わっての評価は完全に星5である。 道尾秀介の長編デビュー作ということで、どういう設定かも分からずに読み始めたら、まさかのホラー!?と驚いていたが、これは完全なる本格ミステリであった。 解説まで読んでいくと、中に道尾秀介のインタビュー記事の抜粋がある。犯人が人なのか幽霊なのか、といったフーダニットを書きたかった、との記述があるが、最後まで読んで、なるほど、と思った。その設定でここまでの話がかけるのだから、流石道尾秀介だと感心させられてしまった。
1投稿日: 2025.06.23 - hillisland"powered by"
道尾先生と真備の再会、作中で起きる事件の繋がりが ホラーとミステリーの要素を絡めつつ見事に 繋がりを見せていくストーリーに引き込まれました。 長編ということもあり、しっかり丁寧に描かれていたかなと思います。 初期作品ですが非常に面白く、続編も読んでみようかなと思いました!
13投稿日: 2025.06.14 - Bフォレスト"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
最初はホラー要素が強く、真備の説明も冗長だったのでちょっと飽きかけたが段々と真備・道尾・凜のトリオがそれぞれよい調和になり、人物像も好感がもてるようになり、結末もホラーとミステリーの丁度良い塩梅に落ち着き、伏線回収や真備の妻に関する展開も良かったと思う。 最初に提示された背中に眼が写った人々の結論はやや尻つぼみではあったが、よく考えてみるとそれを怪奇現象的に結論づけていないのも良かったかなと思う。 真備シリーズは続編があるようなので読んでみたいと思った。
2投稿日: 2025.05.22 - カル"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
「ゴビラサ……」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。やがて、彼の残した言葉と度重なる霊現象が結びついた時、孤独な少年の死に端を発した一連の事件にまつわる驚愕の真実が明らかになる。美貌の助手・凜を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑む! ---- 真備に、彼女がそばにいるところを伝えるところまで読みたかった。
0投稿日: 2025.04.17 - モトヒロ"powered by"
上巻と下巻の本の厚さが全然違うのなんで?と思いながら読みはじめましたが後半のストーリー展開がテンポよくあっという間に読み終えました ラストは感動 真備シリーズいいですね
0投稿日: 2025.03.01 - moe"powered by"
再読。真備シリーズの1作目。 舞台は福島県の白峠村という寂れた山あいの村。事件が起こる前からそこはかとなく不気味で何か起こりそうな雰囲気なので、霊とかホラーが苦手な私は序盤から尻込み…。一応今回再読ですが、私は一度や二度読んだだけの本の内容の記憶はほぼなくなるので、前回読了できたという事実だけに希望を持ってなんとか読み進める感じでした。初読の時の自分の勇気を褒めたい。 真備シリーズはなんといっても「道尾くん」が登場人物で出てくるのが魅力。続けて、シリーズ2作目『骸の爪』を順当に読み進める予定です。
3投稿日: 2025.01.19 - 小川知宣"powered by"
霊がいるのかいないのか、ミステリーなのかファンタジーなのかわからないまま進んでいく。 それが歯痒い気持ちもあったけど、真備の死んだ奥さんが霊となって一緒にいるんだって最後わかってよかった。 歌川の怪しさや霊か何かってちょっと面白いけど無理やり??感も否めない。 普通に面白かったから星3
1投稿日: 2024.11.05 - アンシロ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
上巻と下巻を読んだ感想… 心霊現象探求所の真備は終始心霊現象に慎重で、本当の心霊現象とはすぐに判断しない。世の中に溢れる心霊現象をいくつかのパターンで説明するシーンはさすが本格的に探求していると勉強になった。 ただ、余分な設定や情報が多いからいまいちストーリーに入り込めなかった。肝心のホラー要素も全然でした。伏されるんだけど、回収はされるんだけど怖さとかすっきり感に結びついてない。 素直に霊を原因にして、次々と人が死ぬとか憑依するとか怖い描写を書く方が良かったのでは…論理的な解説がいちいちストーリーにブレーキを掛けてるような。
37投稿日: 2024.10.05 - yhyby940"powered by"
2004年初版。著者の作品は、数冊読んでいます。ストーリーの展開の面白さが印象深い作家さんと言う認識が強いです。その著者の初めて書いた長編ホラー・ミステリーと言うこともあり、期待を持って読みました。期待を裏切られなかった。まだ、今のように世間に認知されていない彼のヤル気の強さのようなものも感じます。同じ登場人物のものもあるようなので読んでみたいです。
24投稿日: 2024.08.30 - Yuki"powered by"
上下巻合わせて700ページ近くのボリュームがある物語は、かなり読み応えがありました。 細かい部分での不満はありますが、この作品をきっかけにして道尾さんの快進撃が始まったと考えると、感慨深さを覚えます。 また、ホラーとミステリの境界を行き来するかのような、絶妙なバランス感覚も大きな魅力となっているのではないでしょうか。 終盤の伏線回収も見事でしたね。
0投稿日: 2024.05.16 - amy"powered by"
「向日葵の咲かない夏」が好みにあったのでホラーサスペンス大賞特別賞を受賞したという本作を読んでみた。私はこういうホラーとサスペンス(あるいはミステリー)がうまく融合されて、ホラー的事象がどういう論理で起こっていたかを人為的なものにしろ心霊的なものにしろ解明してくれる小説がすごい好きなのだ。小野不由美とか澤村伊智が該当するのだけど最近のホラーの流行りからはやや外れているらしく新規開拓ができずにいたのだけど、すでに数々の作品を世に生み出している道尾秀介さんがこういう作品を書いているのはありがたい発見だった 「背の眼」は上下巻で上ではホラー的事象による(と思われる)事件が起こり、それに登場人物が巻き込まれていく。下巻はその謎解きで起こっていた事象に説明がなされて綺麗にすっきりと納得させてくれる。めっちゃ好きな結びだった。それにしてもこれがデビュー作て…。同じシリーズがあと2作あるっぽいのでそっちも読む
1投稿日: 2024.04.13 - 星月夜"powered by"
ホラーでありながらミステリ。あまりこの手のジャンルは読んできてなかったが、細部までこだわって作られているのが分かり、とても楽しみながら読めた。
0投稿日: 2024.03.20 - nattak"powered by"
怪奇小説、ホラー小説のように見えながら、実は本格的なミステリー小説でもあり、その不思議な雰囲気は「Another」にも似ている。読み進めやすい小説で、特徴的なキャラクターたちはライトノベルにも出てきそうな雰囲気でもあるが、でも展開は本格的。最後まで読んでもつまらない落ちでおわってしまうようなことはなかった。この続編ならまた読んでみたい。
0投稿日: 2023.12.04 - aoinoki0303"powered by"
面白かった。でもなんか、この手法とったらどんな事件でも成し得てしまう感じがして… ホラーサスペンスとはいえ、主人公たち3人のほっこりするやり取りが話を読みやすくしている。またこの3人の話読みたいなーって思える作品。
0投稿日: 2023.12.01 - dai-4"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
ホラー的解決がメインかと思いきや、ほとんどが現実的に解き明かされていく。なるほど、素晴らし。憑依とか二重人格とか、それを言い出すと何でもアリになっちゃうから好きじゃないんだけど、本作に関してはぎりぎり、アリ。続編も気になる。
0投稿日: 2023.10.10 - ほんむら"powered by"
霊が殺したかもしれないというオカルトチックな話にもかかわらず、あまりに現実離れした感じもなく、リアリティを持って読み進められた。ラストで真実を知ると犯人に対して同情の気持ちが湧いたが、欲を言えば恐怖心を持ったまま読了したかった。
6投稿日: 2023.09.30 - おの"powered by"
ミステリーとホラーが上手く融合していて面白かったです。 消えた4人の子供は天狗に攫われたのかまたは殺人鬼の仕業なのか? 背中に眼のある4枚の心霊写真との繋がりとは? 伏線回収のテンポが良くラストまであっという間でした。冬の話ですが夏に読みたい1冊です。
9投稿日: 2023.09.12 - taka"powered by"
真備霊探究所に相応しい最期だった 後半は、ミステリの度合いが増して スピード感のあるテンポだった。 このシリーズは、短編で終わらせず 続きを読みたいと思った。
4投稿日: 2023.06.02 - セシルの夕陽"powered by"
あー、面白かった! 下巻は、ホラーからミステリー寄りになり、今までのナゾが少しずつ解明されてくる。 「ゴピラサ……」や失踪している少年たち、白峠村の秘密、天狗、背の眼、自殺した人々。 霊現象の存在自体を明確にすることを期待するのはヤボ。 道尾秀介氏が第5回ホラーサスペンス大賞に応募した本書は、選考委員に綾辻行人先生が加わったから。受賞より綾辻先生に読んで欲しかった、と解説で知る。天才、道尾秀介氏が誕生してよかった。 【真備シリーズ】第2弾は長年積読している。これでやっと読める
10投稿日: 2023.05.07 - ちゅび"powered by"
下はとても息をつかせない展開で、終始怖かった。 ところどころ切ないシーンもあった。 そして、タイトルの意味が秀逸。
2投稿日: 2023.04.16 - may"powered by"
真備シリーズ第一弾。ずっと読んでみたかった話をとうとう読んだ…面白かった〜。 ホラーミステリーだけど、ちょいホラー寄りかな。ぞっとする情景と物悲しく切ない背景。真備が霊現象探求所を営む理由もまた切ない。 真備、道尾、凛の三人もバランスよく、次の話も楽しみ!
1投稿日: 2023.02.28 - いちパパ"powered by"
事件の解決の面白さですぐに読み終えてしまった。 そんなにホラーしてないから怖いのは読めない人でも大丈夫です
1投稿日: 2023.02.10 - DEVIIII"powered by"
続編。 心霊現象という正体のわからないものを解き明かす作品。 ホラーというよりミステリーの要素が強く普通に面白かった。
1投稿日: 2023.02.06 - さくら"powered by"
おもしろかった! 最後煙に巻かれたような感じはあったけれど、世にも奇妙な物語のような雰囲気。 シリーズ化されているみたいなので、続きもぜひ読んでみたいな。
0投稿日: 2023.01.27 - さむ"powered by"
霊の仕業なのか人間の仕業なのか、オカルトなのかミステリーなのか、それがこの作品の面白いところだと思った。 新しい読み心地。 上巻の前半強は冗長気味ではあったものの、後半から下巻終わりまで、どんどん変わっていく展開を夢中になって読んだ。 怖くないな〜と思ってたらいつの間にか怖い場面もあって、作者の強みを感じた。 ミステリーとしてのトリックもその前までで登場した事実(伏線?)(証拠?)に則っている。 私の頭では予想できたなんてことはなかったけれど、へー!!すごい!!って納得できるし楽しめた。 読後はすっきりしたとは言えないけれど、すっきりしてる部分と曖昧な部分とが共存してるのが素敵だなと思う。 道尾秀介先生のデビュー作と知った時は驚きだった。 この作品以降どう進化していったのか、他の本を読むのが楽しみだ。
3投稿日: 2023.01.11 - ポロイド"powered by"
霊現象か精神疾患か。 ホラーミステリーを楽しみつつ、大事な人を失った人達のさまさま様相が書かれていて、自分の場合はどのようになるのか少し考えてしまう。 重々しい気持ちになりたくて手に取ったけど、思っていたより爽やかな終わり方だった。 まぁ多少はダメージをくらっているが。
0投稿日: 2022.12.30 - 煮たまご"powered by"
上 283頁 下 413頁 ①7.0 ②8.5 ③7.0 ④7.0 ⑤7.0 ⑥7.5 ∑44 この1冊で霊現象について詳しくなってしまいました ここの説明は読みにくかったです( ˊᵕˋ ;) そして、本作品はホラーサスペンス大賞特別賞! 読み始めはただ怖い本なのかなって思ってました。 それだけではなく、憑依現象が起こす事件を通して 人が抱えてる闇や苦しみが丁寧に描かれていました。 それゆえ犯人の気持ちを完全否定できず、とても心苦しかったです。 ゆったりと進む序盤では微妙な違和感や引っかかりが随所散りばめられ、終盤で勢いづけられ回収されるところはまさに道尾さんの作品ならではです! 霊現象について読んでみたい人、 道尾秀介さんの作品を何冊か読んだ人におすすめです。
2投稿日: 2022.12.10 - はいく"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
上下巻構成でやや冗長に感じたが面白かった。 一気に読んだせいで疲れた。。 散りばめられた謎を回収する後半の謎解決パートは気持ちよかった。ただ、背の眼の正体も明かされると思っていたけど、結局霊現象で肩透かしを食らった。 結末はほっこりする終わり方でよかった。
1投稿日: 2022.07.24 - marin2011"powered by"
道尾秀介さんのデビュー作。初期の作品はかなりホラーミステリーに寄っていたことを再認識した。児童失踪事件のあったある村へ作家の道尾と真備、その助手の凛が訪れる。ゾワゾワする不穏な様子にどんどん読み進めてしまう。この村で過去に何があったのか?ホラーとたまのコミカルな展開が良い塩梅。
1投稿日: 2022.06.08 - じゅう"powered by"
「道尾秀介」のホラーサスペンス長篇『背の眼』を読みました。 初めての「道尾秀介」… ここのところ、短篇やエッセイを読んでいたので、久しぶりに長篇が読みたくなったんですよね。 -----story------------- 「レエ、オグロアラダ、ロゴ…」ホラー作家の「道尾」が、旅先の白峠村の河原で耳にした無気味な声。 その言葉の真の意味に気づいた「道尾」は東京に逃げ戻り、「霊現象探求所」を構える友人「真備」のもとを訪れた。 そこで見たのは、被写体の背中に二つの眼が写る4枚の心霊写真だった。 しかも、すべてが白峠村周辺で撮影され、後に彼らは全員が自殺しているという。 「道尾」は真相を求めて、「真備」と助手の「北見」とともに再び白峠村に向かうが…。 未解決の児童連続失踪事件。 自殺者の背中に現れた眼。 白峠村に伝わる「天狗伝説」。 血塗られた過去に根差した、悲愴な事件の真実とは? 第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。 ----------------------- 小説家を目指し、「10年経っても芽が出なかったら諦めよう」と決めていた「道尾秀介」が、10年目に書き上げた初めての長編作品で、2004年の第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、「道尾秀介」のデビュー作となった作品とのこと。 上下巻で700ページ近い長篇でしたが、なかなかテンポが良く、一気に読んでしまいました。 オカルトやホラーは苦手なので、どんな展開になるのか、不安と期待とが混ざった気持ちで読み進みましたが、、、 殺された少年の霊が登場するものの、内容はミステリー色が非常に強く、殺人についても超常現象ではなくキチンと動機や手段が合理的に解明されるので、ミステリー作品として十分に愉しめる内容でしたね。 東海道五十三次が、物語の中で重要な小道具として使われているのは、面白い仕掛けでしたね。 真相を探る三人組… 売れないホラー作家の「道尾」、その友人で「霊現象探求所」を経営する「真備」、そしてその助手の「北見」の三人のやりとりが、和める雰囲気なのも、オカルト的要素やホラーの雰囲気を和らげている感じがします。 殺害方法や自殺のシーンは、ややグロテスクでしたが許容範囲内かな。 この三人が活躍する物語は「真備シリーズ」として、何作か発表されているみたいなので、機会があれば読んでみたいですね。 本作は以下の九章の構成になっています。 ■第一章 オグロアラダ ■第二章 背の眼 ■第三章 白 ■第四章 ゴビラサ ■第五章 ハーモニカ ■第六章 天狗 ■第七章 糸 ■第八章 道は異族の首を…… ■終章 面 物語の根底にあるのは、家族や肉親を喪い、残された者の哀しさや、理不尽に命を奪われたことに対する憎しみですね。 自分が「歌川春芳」の立場だったら、「糠沢長次」の立場だったら、「呂坂幹男」の立場だったら、、、 それぞれ、どのように考え、どのように行動したんだろうか… 色々と考えさせられる作品でもありました。 三人が「溝之木亮平」と別れるラストシーンは、ちょっと心温まる別れになりましたね、、、 「真備」の近くには、彼が会いたいと願っている亡妻「玲」が、ずっと見守ってくれているようです。 こんな霊なら歓迎なんですけどね。 備忘用に主な登場人物を記しておきます。 真備 庄介(まきび しょうすけ) 心霊現象を探求しており、町田市で真備霊現象探求所を構える。 鋭角的な顎と鼻、少し長めの髪、すらりとした長身で、日本人離れした風貌。 道尾は大学時代の友人。怪奇現象の解明が趣味で、趣味が高じてその筋では割と有名な研究者となった。 その端正な容姿から女性ファンが多い。 23歳の時に幼なじみと結婚したが、27歳の時に轢き逃げ事故で亡くなり、もう一度彼女に会いたいという気持ちから、5年前に霊現象探求所を開いた。 だが霊の存在はまだ信じておらず、その存在をはっきり確信できたら“探求所”を“研究所”に変える予定である。 道尾 秀介(みちお しゅうすけ) 32歳。売れないホラー作家。 東京都内在住、出身は三重県。 他人と打ち解けるのが苦手。 シャーロック・ホームズなど探偵小説が好き。 作家が自分と同じ名前を用いる手法を全く知らずに、偶然作者と同性・同年代であったことから作られたキャラクター。 受賞後に担当編集者から有栖川有栖や法月綸太郎の存在を初めて知らされた。 北見 凜(きたみ りん) 真備の事務所でアルバイトで助手をやっている。 真備の妻・玲は7歳年上の姉で、真備とは小さい頃からの知り合い。 霊能力があり、人が考えていることや過去のことまで分かってしまうが、自分のこの力を嫌っており、なるべく使わないようにしている。 歌川 春芳(うたがわ はるよし) 白峠村で民宿「あきよし荘」を営む男性。 従業員はおらず、全て一人で切り盛りしている。 宿泊客の部屋に、彼らの出身地に合わせて東海道五十三次の浮世絵を飾るサービスをしている。 脱サラして宿を居抜きで買い、生まれつき耳が聞こえない妻・秋子と共に旅館を始めたが、村へ来て1年経たない内に妻が入院し、間もなく骨腫瘍で亡くなった。 呂坂 幹男(ろさか みきお) 愛染町(白峠村の隣町)の住人。 無職で昼間から酒を飲む自堕落な生活を送っているのに、痴呆の症状があった母に辛辣な言葉を浴びせ、彼女が鬱から手首を切って自殺してしまったことに自責の念を抱き続ける。 母の死から2年経ってから、母が罪を告白する遺書を見つけ、自身も自殺する。 糠沢 耕一(ぬかざわ こういち) 神隠し事件の最初の失踪者。 8歳。 天狗祭りの夜に姿を消し、翌日、頭部だけが発見される。 生まれて間もなく両親を亡くし、祖父と二人暮らしだった。 糠沢 長次(ぬかざわ ちょうじ) 耕一の祖父。 本業は林業だが、天狗祭りの時期が近付くと、面打ち師として木彫りの天狗の面を多く作っていた。 耕一の死後は面打ちから身を退いた。 溝之木 亮平(みぞのぎ りょうへい) 小学生。 呂坂幹男の遺体の本当の第一発見者。 霊を見る力があり、遺体発見時に幹男の背中に『眼』を見てしまった。 クラスでいじめに遭い、不登校気味だった。 溝之木 まさ江(みぞのぎ まさえ) 亮平の母親。 愛染町の住人。 母子家庭。 夫が遺した不動産「溝之木荘」のささやかな家賃収入で生活を送る主婦。 非常に過保護。
0投稿日: 2022.06.02 - 香奈"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
途中おばぁさんじゃなくあの気さくな感じのいい宿の主人が自殺に追い込んだまではミステリーでしたね! 後半の真相は人間しかならないであろう精神病。 なんとも言えない人間の脆さや目に見えない恐怖。医者にも治せない病気、精神病院ってこんなんばかりなのか?と恐怖 でも他人事でもないんやろなーと思えるような話もあったり 天狗にまつわる話や悪魔祓いなどといった非現実的で納得しきれない話の知識?を知れたことには 話とは別でスッキリ笑 ラストのラストでホラー要素は残してある それも心の支えになるよーなホラー要素で良き。 何もかも人間が生み出すサンブツなんだから 奥深いね。 2時間ドラマって感じで楽しめる
3投稿日: 2022.03.13 - akahira"powered by"
展開がいい。面白い。 途中からグイグイ話に引き込まれてしまった。 ただなぁ...タイトルの背の眼のネタ解説のあたり ちと強引過ぎやしませんかと。 登場人物の特殊能力とか、さっきのネタ部分要る? と思ってしまった。 話的には面白いけど、ところどころ「そう??なん?」 部分的に納得できないトコロがあって★3つ。
0投稿日: 2021.10.29 - まーちゃん"powered by"
'21年8月13日、読了。途中、睡眠はとりましたが、殆どイッキ読み。 うーん…なんだか、もの凄く巨大な小説を読んだような、読後感。食事も忘れて、読んでしまいました。凄く、疲れた…。 主役の3人、真備、凛、そして道尾が、それぞれ凄く魅力的、と感じました。読んでて、楽しかった! 凄く好きな、優しいラスト、でした。僕は、そう感じました。ミステリー(というか、ホラー?)の結末としては、結構凄惨、だと思いましたが。 しかし…ここには内容は書きませんが…「結局、あれは何だったの?」という箇所も。ちゃんと説明されてて、僕が読み飛ばしただけ?そこが、唯一の減点箇所、でした。 あと、「横溝よりは京極的」と、解説にありましたが…どちらも大好きな僕は、「いいとこ取り」って思います。 次は、「骸の爪」を読もっと!
6投稿日: 2021.08.13 - らこまる"powered by"
道尾秀介の作品といえば叙述トリックとどんでん返しの印象があるが、この作品はそのどちらの要素も強くなく、シンプルなサスペンスホラーに感じた。 それゆえとても読みやすく、上下巻ともに一気に読み進めてしまった。 レエオグロアラダゴロ… 主人公、道尾は旅先で不可解な声を聞いた。その意味に気づいた道尾は、大学時代の友人であり霊現象探究所なるものを営む、真備に助けを求める。再び白峠を訪れた道尾と真備と助手の高見凛は、白峠村で起きた男児の連続行方不明事件と天狗伝説、白峠村の宿「あきよし荘」、それらの繋がりを徐々に解明していく。 心霊現象のようなものに出会っても、緻密に探究しその正体を突き止めていく真備のおかげで、ホラー小説という非現実的な内容でも感情移入して読み進めることができた。 歌川広重の東海道五十三次や、金毘羅など、細部にちりばめられた知識もこの本のおもしろさに加担していると思う。 この本を読んだ結果、心霊現象に抱いた感想は、見える人や聞こえる人にとっては霊はそこに在るものだが、それらを理論的に解明しようとする人にとっては霊はいないものになるのではないか、だった。
1投稿日: 2021.07.06 - Kurashina"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
結局この作品では、「背の眼」については霊の仕業ということになっている。 普段、他の作品で解明されない謎が残ったり、ファンタジーのような解決になったりすると、ひどくモヤモヤする。 しかし、なぜかこの作品では"霊の仕業"なのにも関わらず、モヤモヤしなかった。 また、糠沢さんが犯人に気づいてしまった理由や、浮世絵の使い方も面白い。 犯人のしたことを知った後にあの浮世絵を見たときの、背中がゾワっとする感覚は忘れられない。 そして、「狐憑き」と同じ原理で、合理的にしっかりと霊を絡めている点も良かった。
1投稿日: 2021.06.27 - あんず"powered by"
上巻はホラー要素がたぶんに盛り込まれていてゾワゾワした。 被写体の背中に現れる人間の眼 。 そして「エレ…オグロアラダ…ロゴ…」の意味。 この話はどういう風に終息するのかワクワクしてよ読んだ。 下巻はホラーサスペンスらしく、なぞか解明されていくが… んー、なんとなく私の好きな爽快な読後感ではなかったかな。なんとなくスッキリしないかな。
0投稿日: 2021.03.16 - mmitomi666"powered by"
続き。 道尾、真備、助手の北見の3人は、白峠村でもう一人の“仲間”となる亮平少年に出会う。 彼は隣村で起きた自殺の第一発見者でもあり、自称「霊が見える」能力を持つという。 彼ら(主に真備)が日々精力的に調査を進めるにつれ、 白峠村で過去に起きた糠沢耕一少年の死亡事故とそれに続く3人の少年の行方不明事件について、 真相に迫っていく。。。 正直、もっともっとホラーホラーしていて 胡散臭さ(理不尽な不気味さ?)が濃いような物語だと勝手に予想していたのだが、 良い方向に期待を裏切ってくれた。 真備の冷静な判断力と深い知識が、この白峠村周辺で起こった奇怪な出来事を 次々と解き明かしていく。 その様子は読んでいて非常に気持ちの良いものであった。 また、助手の北見や道尾、亮平、そして民宿の主人・歌川もそれぞれに良い味を出しており 事件そのものは不気味であるが、どこか柔らかな空気を感じる事も出来る。 後半からクライマックスに掛けては緊迫感が増し、早く続きを読みたくなる。 最終的な謎解きは全てきちんとした説明が付くものでは無いが、素直に納得出来るものだった。 個人的には『向日葵の〜』の印象を見事に覆してくれた良作。
0投稿日: 2021.03.14 - ヒボ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
本作は作家の道尾、道尾の大学時代の友人である真備、真備霊現象探究所でアルバイトとして働く北見凛の物語。 道尾が訪れた福島県の白峠村で遭遇した恐怖体験。 時を同じく、真備の元へ送られてきた4通の手紙にはまったく関係のない4人が写った福島県白峠村近くで撮られた4枚の写真。 その写真に写った4人はその後自殺したといい、背中には眼のようなものが写っていた。 ここから始まる3人の背の眼の謎を解き明かす謎解き冒険サスペンス。 なかなかの長編ですが、中だるみすることなく読み終えました。 自殺、殺人、霊、天狗... 山の中にある田舎を舞台に描かれた読み応えのある作品でした。 早くもシリーズ第二作となる「骸の爪」が読みたくてウズウズしています。 説明 内容(「BOOK」データベースより) 「ゴビラサ…」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。やがて、彼の残した言葉と度重なる霊現象が結びついた時、孤独な少年の死に端を発した一連の事件にまつわる驚愕の真実が明らかになる。美貌の助手を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑む。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 道尾/秀介 1975年東京都生まれ。2004年本作で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年「シャドウ」(東京創元社)で第七回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
3投稿日: 2021.03.07 - Mimo"powered by"
霊現象という掴み所のないものを拠り所にしたストーリーながら、ホラーの雰囲気を壊さずミステリーとしての枠組みが成り立っている。随所に散りばめられていた伏線が回収されていくテンポの良さが小気味良く、あっという間に読み終わってしまった。あまり名探偵ものは好きではないが、この世界観と合わさって非常に面白かった。 最後の亮介の言葉にもどこかほっとしたような気持ちを感じられた。
0投稿日: 2021.02.07 - りえ"powered by"
むむむむむ。結局科学では説明できない「霊の眼」と、医学的に説明できる「憑依」との混合ミステリー? 論理的に説明できることと、できないことが混じり合っててちょっと釈然としない。 凜の人の心を読む能力もサラッと書かれてたけど、そんなのあり??
0投稿日: 2020.08.10 - mochimochipiko"powered by"
解決する部分はどうしても強引というか、そう来るのかぁ…と思ってしまうが、前半〜中盤までは面白くて続きが気になって仕方ない、すごい文章力。 真備のキャラクターも魅力的。 ゴビラサは何となく予想ついたけれど、前半のオグロアラダが判明したときは本当にゾクッとした。
0投稿日: 2020.01.31 - よもぎ餅"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
【読書感想】『背の眼』上·下 著:道尾秀介 幻冬舎 評価★★★★ あらすじ 上『児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。これは単なる偶然か?第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。』 下『「ゴビラサ…」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。やがて、彼の残した言葉と度重なる霊現象が結びついた時、孤独な少年の死に端を発した一連の事件にまつわる驚愕の真実が明らかになる。美貌の助手を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑む。』 «引用文» 道尾が真備からの指摘で金毘羅参りの情景を描いた浮世絵、広重の五十三次のうちの、静岡の沼津の1枚を思い出す。 『──どこか寂しげな情景だ。青味がかった暗灰色のグラデーションで表現された夕暮れの空。その空の下に広がる、薄ぼやけた遠い家並み。画面の手前から奥へと向かってうねうねとつづく、一本の川の流れ。川に沿って細い街道が延びている。そしてその街道にしずしずと歩を進める、三つの後ろ姿。母と娘の二人連れ。その後ろを歩くのは、白装束の男。男が背負っているのは、紅い──紅い──。天狗の面』(p294) «感想» ホラーなのか、ミステリーなのか分からずに読んでいたので前半はどういうふうな結末になるのか予想できなかった。 風土の文化的背景や浮世絵をトリックにしてあり、それぞれの登場人物の感情や、精神的状態の変化、身体的な特徴、霊の存在などにより事件を解決していく。勢いがあり、内容も詰まっていて、後半はページをめくるのが楽しかった。 個人的に浮世絵が好きなので、文化背景と浮世絵から事件を類推していくところで、ミステリー小説の題材に選ばれる浮世絵の魅力を改めて感じられて面白かった⸜( ・ᴗ・ )⸝ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
0投稿日: 2020.01.09 - herbtea"powered by"
上巻で最初の言葉の意味が、そして状況がわかった時の恐怖が相当なものだったので覚悟して読み進めましたが悲しいお話ではあったけれどそれほどの恐怖はなかったです。眼が訴えていたものが恨みではなかったからなのかもしれません。全てが終わってからが少々間延びした気がしたけれど、これだけのホラーを読んだのに後味がなんだかすっきりするのはラストの亮平の言葉のおかげかな。真備に早く心の平穏が訪れることを祈ります。
0投稿日: 2019.06.14 - yaziem"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
ざわざわ怖い、読中はホントいいホラーだけど、落ちと回収がちょっと強引&雑 じわ怖味わうのには良い なぞの言葉がマッチングする瞬間とかホント鳥肌だったんだけと…
0投稿日: 2019.03.06 - emarute1208"powered by"
無駄に長いなんて評論もあるようだけど、私にはそうは感じなかった。 ホラー小説として読者を満足させるには数々の布石をまかなければいけないし、中にはダミーも入れなきゃいけない。その絶妙な加減は作者に委ねるしかないのに、そこにケチをつけるのはどうかね。ラーメン屋でカウンターの調味料をあれやこれや入れ過ぎてダメにする人だな。 私は楽しくいただきました。 しかし、主人公は何故あの場所に旅しに行ったんだっけ?
0投稿日: 2018.11.11 - さら"powered by"
結果、私が思う怖さは無かったです。これなら夜に読んでも大丈夫だったはず。ただ、話は怖くなかったのですが、お風呂に入る時に背中に眼があったら怖いなぁと思い出し怖がりをしている自分が愚かしい…(苦笑)。ホラーよりミステリー要素高めで良かったです^^ ただ、犯人については特に意外性はなく、背の眼についてもワクワクするように理由付けはなかったのが、若干尻すぼみ感があったかなぁと思いました。
0投稿日: 2018.03.21 - ゆらぎも"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
上巻は面白かったです。 ゾクゾクする導入に、好奇心のそそられる事件が絡みあって どんな結末なんだろう?とワクワクしながら読みました。 まあ、犯人は初期の段階で分かってしまうし、 謎解きというほど謎はないし(霊の力で大方片付けられて しまうような印象)、大どんでん返しもないけれど、 文章が読み易かったです。物語に入り込み易かった。 「向日葵の咲かない夏」を読んだ時も感じましたが、 道尾さんの作品は、 限りなく日常に近い非日常感を味わえるのがいいなと思いました。 それも背中がゾクリとするような非日常感。 これがデビュー作なんですね。
0投稿日: 2018.02.25 - へいすけ"powered by"
真備・北見・道尾の三人の活躍の始まりです。 心霊写真に秘められた殺人事件。その真相は・・! 本書は上下巻になっており、上巻では動機付けが行われている。下巻に入りいよいよ事件に秘められた科この事件が暴かれてゆき、眼を離せなくなった。 後半一気に読んでしまった。 本書の解説がまた面白い。 道尾秀介という人物を知る内容になっており、過去に読んだ彼の書籍がまた、脳裏に浮かんできた。 ますます、彼のファンになった一冊でした。
0投稿日: 2017.11.25 - saori_riosa_"powered by"
読了日2010/11 あっという間に読み終わっちゃいました。 やっぱり道尾作品はこうでなくっちゃって感じで、最後の最後の一行まで楽しませてくれる作品でした。 独特の村や村人の雰囲気。もうワクワクしちゃいます。 肝心の謎解きは、それで落ち着いちゃうの?って感は多少あるけど、きれいにまとまってホラーというより優等生ミステリーでした。
0投稿日: 2017.10.18 - 七鵺"powered by"
めちゃくちゃ良かったです! 複数の登場人物の物語もごちゃごちゃしてなくて分かりやすかったし、感動する箇所も多々あって良かったです!ほんまに! 『京極亭』シリーズっぽいところもニヤリとしました! 続編も読んでみたいです!
0投稿日: 2017.07.28 上手くまとめようとして落ちが残念
科学的に憑依現象などを解説してるのはいいけど上巻の時点でちょっと犯人分かっちゃったのはいただけない。 あとはなぜそのロジックに至ったのかを説明するために下巻があるような感じかな。期待しすぎてちょっと残念。
2投稿日: 2016.11.14- mariewa"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
結局「背の眼」は、ほんとに怪奇現象だったの?! …と、最後まで何かしらのトリックを期待してしまいました il||li _| ̄|○ il||li ※よって、前編に比べて星がひとつ減っております。 ことばの選び方や風景描写は綺麗で丁寧だなあ、という印象です。 主人公の過去にクローズアップした作品が今後、描かれるんだろうなとニヤニヤします。
0投稿日: 2016.09.21 - millety"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
道尾秀介デビュー作であり、第五回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。 “ゴビラサ”=“金比羅さん” 「神隠し伝説の主体=天狗」と歌川所有の東海道五十三次「沼津」をつなぐミッシングリンク。 東海道五十三次の金比羅さま参りの天狗を背負っている眼と、殺された子供が運ばれる状況が似ていた⇒背中に眼が映るようになった。 後半の山場が肩すかしだった。
0投稿日: 2016.09.01 - day2doc"powered by"
下巻では過去と現在の事件の真相、それも思わぬ事実や相関が次々に明らかになり、早く先を読み進めたいという心境に。事件が一通り終わってからも丁寧にこれまでの伏線が解説される。ただやはり上巻同様にやや説明が過ぎて読みが停滞してしまうのと、犯人の憑依に至る心情や奥さんの人格の表出がもっと描写されていると犯行の動機にも納得感が得られたと思う。
0投稿日: 2016.06.06 - パラボス"powered by"
2016年6冊目は第五回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作にして、道尾秀介のデビュー作。 あらすじ:駆け出しのホラー作家、道尾は観光で訪れた、福島県白峠村で奇妙な声を聞く。恐怖に駆られた彼は宿を引き払い、東京へ戻る。不安を拭えない道尾は「霊現象探求所」を開く、学生時代の友人、真備庄介の元を訪ねる。真備のところへも、白峠村周辺で撮られた、背中に眼が写り込んだ、不可思議な写真とその人物が自殺した関連の調査依頼が複数届いていた。道尾、真備、そして、真備の助手、北見凛の三人は調査のため白峠村へ向かうのだった。 土曜サスペンスの原作にもなりそうな、ホラー、オカルトの要素とミステリーの要素が巧みに融合。ホラー、オカルトの要素を残しつつ、ミステリーとしても、キチンと伏線回収している。また、徐々にわかる真備と凛の関係、真備の過去(自分は先に『花と流れ星』を読んでしまったので、知ってはいたが……)もストーリーにフィットして、後半(主に下巻)のストーリーのドライブ感に一役かっている。 上下巻で約700pの分量も、とてもすんなりと読みすすめられた。特に下巻は一晩一気読み。近々、真備シリーズの次なる長編に挑むつもり。やはり、道尾秀介、今年の個人的、台風の目になりそうな作家である。
0投稿日: 2016.02.16 - GASP"powered by"
ホラーかと思ったらミステリーだった。 話の展開は秀逸。上巻で色々と投げ掛けられた謎や伏線は下巻でしっかりと回収され、読後感も良い。 本筋と関係ないと思ってた話が実は関係あったりして良い意味で予想を裏切られる。
0投稿日: 2015.09.08 - anri0912"powered by"
上巻のレビューでも書きましたが、京極作品の某シリーズに似ています。 解説のページに綾辻行人の評がのっていて ここまで露骨ならパクりと言うよりオマージュと言って良いでしょう! と書いている通り構成は似ているけれど、 全くの別物です。 こちらはこちらで面白い! もう少し3人のやり取りが見たいなーと思ったのですが、シリーズで出ているのですね! 読んでみよう。 フィクションだと頭では理解していても、 子供が犠牲になってしまう作品を読むと どうしても胸がギューっとしてしまう。 どんな理由があったにせよ、犯人の事が本当に嫌いになる。
0投稿日: 2015.06.11 - もゑ"powered by"
あったかくなると、背筋がそぞっとするのが読みたくなる。ミステリーだと思って読み進めてたから、途中、あ、そうか…と気付く。いつだったか、道尾さんの方向性に変化があった云々の記事を読んだ。先にこの本を読んでおけば倍楽しめたのになぁ、とぽつり。
0投稿日: 2015.05.05 - まさひろりん"powered by"
ホラーとミステリーとのバランスが絶妙‼︎どうしてもっと早く読まなかったんだろう。それぐらい面白かった。たくさんの伏線を抱えたまま下巻に突入して、1人で納得していく真備をよそに、その話を聞きながら「うんうん…えっ⁈それで⁈どういう事?」となる道尾と全く同じ目線でラストまで読み進めていました。それぞれの人物背景が上手く書かれていたので物語に入り込みやすかった。タイトルにもなっている「背の眼」についての説明が少し曖昧な気もしたけれど、だからこそホラーでもあり、ミステリーでもある絶妙なバランスなんだとも思う。
0投稿日: 2015.03.16 - kenichiosakada"powered by"
前後編で、かなり長いはずがあっという間に読了 細かい所いえば、色々矛盾だったり説明しきれてないところがあるもののテンポや、登場人物であるの魅力で、最後まで読んでしまった 続編もあるので楽しみ
0投稿日: 2015.01.23 - あちゅ"powered by"
ストーリーは綺麗に終息。しんみりと、そしてオカルト的な側面での恐怖はそのままに。その意味での怖さは変わらないのに、最初の恐怖感が薄れるのは登場人物たちの心境、人間味があたたかく描かれているからかも。
0投稿日: 2014.11.16 - takipiyo"powered by"
途中までは非常に面白く読めました。 徐々に物語の謎や、登場人物の想いなどもわかりはじめて、 飽きさせない展開です。 ただ残念だったのが、ほとんどの伏線は綺麗に回収されており、スッキリしたのですが一部無理やりなところもあり、 そもそも謎として出す必要があったかな?とも思いました。 また、後半から展開が読めてしまった感は否めないです。 シリーズ物みたいなので、主要人物達の続きが楽しみになりました!
1投稿日: 2014.11.14 - mikaroh"powered by"
ミステリーでもあるけど、最終的にはホラーだよね。背の眼はほんとに霊だったわけだし。犠牲になった子供達が可哀想だったな。
0投稿日: 2014.09.28 - huey"powered by"
インドのJapan habbaで手に入れた本。思いがけず傑作でした。 ちょっと評価は分かれるらしいけど、私はこういった類のストーリーが好き。 全ての心霊事象を科学で解明したい、という希望を持つ探偵と共にこの事件の謎解きが始まる。 手が止まらない、眠らせてくれない、そんな小説にたまに出会えるのが読書の良いところ。 日本で読んでたら、もう少し引いた目線で見てたかも。
0投稿日: 2014.09.03 - 葉子"powered by"
なんだか安っぽい2時間ドラマのようでした。(美女ばかりなところとか…) 期待していたような大どんでん返しもなく、 驚きの結末というわけでもありませんでした。 妙に感傷的な場面が多いのも私的にはマイナスでした。 楽しみにしていただけに残念です。
0投稿日: 2014.09.01 - 珠理"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
もう一つの人格や幽霊のように見えてしまうは人の気持ちが原因だったと終わるのかと思いきや… ラストは本当に幽霊が近くに居たよ、と終わるなんて予想してなくて怖かった。
0投稿日: 2014.08.22 - フラビオ"powered by"
2014年7月25日読了。下巻。上巻でふんだんに散らされた超常現象・謎の人物・殺人事件の秘密が明らかになる。上巻にくらべボリュームはあるが相変わらずスラスラ読める、が・・・。真備自身が言うとおり探偵たちは事件に振り回されるばかりで、解決の爽快感にかける気がする・・・。見開きで『絵』が提示されるシーンなどはゾクゾクさせられるが、真相はロジカルに説明されてはいるものの「えっ、そんなんでいいの?」と思わないでもない。「殺人事件に際して、人と超常現象のどちらが犯人か?というフーダニット」という作者の狙いやホラーサスペンス賞受賞時の審査員コメント(綾辻行人が激賞した、とか)など、後書きを読んで納得するところも多かったが。結局「霊はいる」という結論でいいのかな??
1投稿日: 2014.07.26 - takora"powered by"
感想はブログでどうぞ http://takotakora.at.webry.info/201406/article_5.html
0投稿日: 2014.06.27 - はじめ"powered by"
犯人は予想していた展開だったけれど、奥さんがとりついていた云々は若干チープに感じました。 推理小説なのかホラーなのか…そんな所も横溝正史を彷彿させました。
0投稿日: 2014.03.02 - atene"powered by"
ここから道生秀介の作品がはじっまたとのことだが、最後に読者を驚かす・裏切る作品ではなかった。初期のころから因果関係をつかむのが難しい。
0投稿日: 2014.02.01 - 学者犬"powered by"
ストーリーとプロットは素晴らしい。 最後にやや説明臭くなってしまうところが残念。 謎をきちんと回収してくれているので満足。
0投稿日: 2014.01.11 - からすま"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
先が読めず、徐々にどころか唐突にあっちもこっちも繋がっていく感じ。糠沢の爺さんが道尾へ心情を話すところが一番辛かった。ミステリーなのだが所々に大真面目にふざける描写もありよかった。
0投稿日: 2013.12.08 - tama.3"powered by"
とっても気に入りました。最初はちょっとオカルトかなと思っていたけどラストは悲しくて切なくて、犯人があの人だなんて…という感じ。 よかったです。
0投稿日: 2013.12.07 - 小凛"powered by"
連続少年行方不明事件と謎の声を究明するため、再び山奥の峠村を訪れた作家の『道尾』と友人の『真備』。自殺者を調べる二人は、霊が見えるという少年と出会う。 霊的な存在を残しながらも事件自体は人為的なものでした。 基本的に登場人物に作家名をつけるというのが苦手なのと、まるで外国の呪文のような言葉がちょっと作り過ぎた感じで浮いていたかなという気が・・・。話自体は面白かったけどね。 ただこの作家さんの作品は子どもが犠牲になるものが多いので、好き嫌いが分かれる作家さんかなと思う。
0投稿日: 2013.11.30 - sologto"powered by"
星よっつに近い三つ。 探偵が切れもの過ぎると引いちゃうんだよなあ。 とはいえ充分楽しませてもらいました。
0投稿日: 2013.11.22 - 九重篠"powered by"
やはり歌川が重要人物だった。 次々と謎が解けるが、歌川が可哀想に思えた 。霊の見える少年は死ななかっただけでよかった。ただ、彼の母親がヒステリーっぽく見えた。 最後にまた謎が残ったが、それはホラーミステリーのお約束かな。 心霊的な謎が残るのは、三津田信三作品と同じだと思った。 歌川が結構好きなキャラだった。
0投稿日: 2013.10.29 道尾秀介のデビュー作下巻
背中にあらわれる謎の眼、それにまつわる自殺と子供の行方不明事件。やがて物語は急展開を見せる。果たして行方不明事件の真実とは? 心霊現象の真実がどうだったのか、主人公の耳に聞こえた謎の声や背中にあらわれる眼がなんだったのか、気になる結論は「なんだよオイ」という感じ。 それはさておいても、上巻に引き続き先が気になる展開はデビュー作とは思えないレベルの高さを誇っていると言っても過言ではない。気がつくと読み終わっている、というくらい夢中になって読んでしまった。真犯人を見つけ出すための伏線もいろいろと張られており、後になってなるほど、とうならせられる場面もあった。
0投稿日: 2013.10.10- tomoyasu811"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
上下巻合わせると確かに長かった。解説でも書かれてるように、どこまで本編に絡んでくるのかもわからなかったし。一気にまとめた感も否めない。向日葵のときみたいにあまり、ミスリードはなかったと思う。でも、長い分、登場人物の紹介、心情にはよりそった構成にはなっていると思う。これもシリーズものなんで、今後読み進めていく中で新たな発見があるものと期待したい。
0投稿日: 2013.08.11 - kenuchida"powered by"
道尾作品の初期のものを久々に。あらけずりな感じがまだまだ残り、初期だなと思わせる作品。ただ、最後には、今後の道尾作品につながる、人への思いがつづられているような気がした。単なるミステリーからの人間性を表現してく、第一歩かなと。
0投稿日: 2013.08.09 - jazzsamba"powered by"
まずいわけではない。構成力もあるし、文章だって作文ちっくではない。ただ某シリーズが好きなのかパロディなのかオマージュなのか、とにかく某シリーズを彷彿とさせすぎてイライラする。美形探偵に美形助手、ありがちなパターンには飽き飽き。ホラーミステリにしてはホラーが弱い。
0投稿日: 2013.06.19 - office4690"powered by"
霊現象をテーマにした小説である。上巻のなぞを下巻ではどのように解き明かすのか楽しみにしていた。結局わかったようなわからないようなモワとした気分にさせられた(笑 小説のテーマ自体は挑戦的であることに間違いない。それなりに楽しめる。
0投稿日: 2013.06.11 - kilakila46"powered by"
すっきりしに気もするけど、 いい感じで終われたかな。 謎を少しずつ解くというより、 一片に伏線を拾う感じ。
0投稿日: 2013.06.02 - jacopas57"powered by"
序盤から終盤にかけて一気に読んでしまった。最後は道尾式伏線回収がちょっと鼻につくけど、まあこれまで読んだ真備シリーズでは一番面白かったかな。 実は「鬼の跫」や「花と流れ星」を先に読んでしまっており、その中で「福島の事件」とちょこちょこ語られる物語が、この「背の眼」だったんですね。真備や北見さんの描写がきっちりされていて、ようやく人物像を固められた気がします。特に北見さん。 道尾(登場人物)については、ある意味シリーズの中で一番活躍してますね。(笑) 作風は前述した通り、道尾式伏線回収。毎回思うけど、巧いけど度が過ぎる。ただこの作品は伏線を小出しにしつつ、部分部分消化している感じもあるし、最後にドッカンってほどひどくないのでいいかもしれない。という穿った感想をしてしまうのも…もはや彼の作品の魅力なのだろうか?(笑)
0投稿日: 2013.06.01 - mokamoca"powered by"
失踪、自殺、霊…様々な事件が渦巻く。 天狗伝説を軸に、事件の謎に迫る。 正体の見えない犯人を追い、なかなか真実に近づけないもどかしさが、後半襲う。 それに加え、後半はちょっとダラダラした感じがあったような… 2013.4.24
0投稿日: 2013.04.24 - yunahojo"powered by"
上巻はやはり下巻を読む為のプロローグというか、真備シリーズ全体のプロローグかな。 京極堂シリーズのようなキャラクターとストーリー展開。 真備が京極堂、道尾秀介が関口といった役回りかな。 京極堂のより不気味さはない。 キャラクターも京極堂よりインパクトにかけるが、文体としては真備シリーズの方が現代的で読みやすい。
0投稿日: 2013.04.14 - martin-rue"powered by"
怖かったけど、最初の伏線はもう少し綺麗に回収して欲しかった。 ねえ ぼくのからだ どこ でよかったんだろうか。
0投稿日: 2013.04.10 - yu-honrireki"powered by"
気味悪かったけど 恐さはもっとあってもいいような。 ミステリとしても もう少し盛り上がりがほしかったかな。
0投稿日: 2013.03.16 - etsu*"powered by"
心霊現象とかホラーサスペンスとか苦手分野だけど、これは面白かった。謎の言葉や犯人とかすぐに察してしまったけれど、憑依についての考察や、天狗にまつわる話など、なかなか興味深かった。真備シリーズ続編も是非読みたい。そして、読み終わってから、作者と主人公が同一であることに気付いた私。(苦笑)
0投稿日: 2013.03.14 - hira1"powered by"
背中に眼がある人が自殺する。天狗が子供を拐っていく。など、奇妙な現象が起こっている山中の集落で霊による仕業ではないかと解明していく。 最終的に犯人はわかったが、霊的な事と思われた事の解明もあるのかと思ったが、そのあたりの解明が無かった(推測で終わってる)のが残念だったが、全体的に謎が多くて楽しめた。
0投稿日: 2013.03.04 - みなりゅ〜"powered by"
俺も結婚して妻に先立たれたらって考えると真備の気持ちが痛いほど分かるような気がする(;_;) ミステリーだけど感動した♪
0投稿日: 2013.03.03 - babap"powered by"
3+ 先に『骸の爪』を読んだときに、期待していなかったが思っていたよりちゃんとした本格だなと感じた。その後『向日葵〜』を読んだとき、期待していなかったけど思っていたよりうんとつまらないなと感じた。更に発表順を遡って本作に辿り着いたのだが、全く期待していなかったけど、結構ちゃんとした面白い本格だなと感じた。解説で、当初1,200枚だった本作を900枚に切り詰めたエピソードが取り上げられているが、某誌に掲載された綾辻行人のコメントによると、これを2週間でやってのけたそうなので恐れ入る(削るのが受賞の条件だったそうだから必死だった?)。ただ、それでもまだ冗長だなと感じられるのは残念だ。しかしこれを機に、著者の作品をもう少し読んでみようという気にさせてくれたのが何よりの収穫か。
0投稿日: 2012.12.23 - りょうすけ"powered by"
レビューは、上巻(下記URL)の方に書いてます。 http://booklog.jp/users/sawanosuke/archives/1/434441036X
0投稿日: 2012.12.08 - asm1357"powered by"
幽霊とか、憑依とか非現実的な現象は読んでいてどんどんしらけてきてしまった。ただ道尾作品は読みやすいし引き込まれるからただわたしの好みではなかっただけ。
0投稿日: 2012.11.27 - takosuke"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
やっぱりこの作品は単行本で一気に読んだ方がいいかもです。 再読ってこともあって、上巻読んだあと少し間をおいてから読んだのでなんか自分の中で中だるみしちゃったかな。 歌川さんとか糠沢のおじいちゃんとか駅員のおじいちゃんとか、ちょっと後味の悪いところもあったけど、作者じゃなくて登場人物の道尾さんが人間くさくていい感じでした。なんかもう道尾さんが出てくるとホッとする。 真備さんと北見さんはちょっと出来過ぎてて共感できない。本当に小説の中の登場人物。北見さんの心を読む力とかそれが役に立ったというのは亮平くんのことくらいだったし。 なんか読者と一緒に犯人を追うというより真備さんのこじつけ論に付き合わされた感も否めない。や、こじつけじゃないんだけど、なんか一方通行だったというか。 でも東海地方出身として東海道五十三次の伏線がこう繋がっていくのかというのは面白かったです。
0投稿日: 2012.11.18 - みけ"powered by"
道尾が聞いた謎の声。 心霊写真の背中の眼。 天狗。 子どもたちの失踪事件。 ついにその謎が解き明かされる。 謎だらけの事件、解決です。 解決なんですけど…ちょっと複雑過ぎて理解に時間がかかります。 でも、最後に感動がありました。
0投稿日: 2012.11.15 - IonHairs"powered by"
先に骸の爪を読んでいたが、こちらから順に読んだ方が楽しめたように思う。 短編集も含め記述がないように思うので、最後のシーンは秘密にしたままなのか忘れてしまったのだろう。酷い友達だ。(^_^)
0投稿日: 2012.10.28 - shimasae"powered by"
犯人は人間?霊?それとも… この手の話は初めてだったので楽しめました。 続編の「骸の爪」にも期待。
1投稿日: 2012.10.08 - ヘウイト作用"powered by"
散りばめられた伏線が見事に回収され、読者はその真相に裏切られる。 心霊現象の存在を否定しないというスタンスは新鮮だった。 主人公のホラー作家・道尾と霊現象探求所を開く真備、その助手の北見の三人組が良いチームで、その中に微かに漂うが色恋のようなものがまた気になるところだ。
0投稿日: 2012.10.06 - akotan"powered by"
狐につままれたような話。でもなあ・・・犯罪の理由って案外ここにあったりするのかも・・・。単なるホラーとして読むにはもったいない。そこには哀しさ、切なさ、愛しさがこめられています。引用されてる童話・・・なるほど!これを持ってきたか!・・・ちょっとノスタルジー憶えます。好きなお話だから。
3投稿日: 2012.09.17 - よもぎ"powered by"
続きが気になったのですぐに書店に買いに行きました。 関係ないですが、ページ数が多いのに非常に安いため満足度が高いですね。 上巻からの続きですが、話の雰囲気ががらっと変わってミステリー色が強くなっています。 ホラーの要素が散りばめられてはいるものの、根底にあるのは人が引き起こす事件であり、そこに存在する結果でしかない。 主人公の友人であり今回の一連の事件解明に乗り出した聡明な男性、真備の人間味あふれるシーンも丁寧に描かれており、読んでいてどきどきします。 幽霊という曖昧な存在が世間で完璧に否定されることなく、曖昧ではあるものの人々の心の中で重要な地位を占めているのは、そこに積極的な意味を見いだせる何かがあるからだとそう感じました。 読み終わった後も非常にさわやかです。人にもお勧めしやすいですね。
2投稿日: 2012.09.13