『敲いてもだめだ、独りで開けて入れ』
漱石の前期三部作の最後の小説、出来れば「三四郎」、「それから」と読み継いで「門」を読む事をお薦めしたい。単独で読むより小説が重層的になる。 「それから」の二人が夫婦になっている。二人の結婚は友人を不幸にし、その事が、宗助の人生に影を落とす。 宗助は門を前に、出るとも入るともしかねていたが、鎌倉の参禅で「敲いてもだめだ、独りで開けて入れ」と云う声を聞いて東京に戻り、鶯の初鳴きに、また冬が来るとしても、春が来たことを妻の御米と喜ぶところで終わる。