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秋期限定栗きんとん事件 下
秋期限定栗きんとん事件 下
米澤穂信/東京創元社
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総合評価

431件)
4.0
117
188
78
8
2
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    非常に面白かった。 同作家の古典部シリーズの登場人物が好感が持てるキャラクターが多いのと正反対で、この小市民シリーズは好感が持てる人物が全くいない。好感が持てるのは堂島くんぐらいで、メインの2人はクセの塊でサイコパスだとさえ感じる。そして、人が死なないだけで扱っている事件の題材も重めだ。 それでありながら10代の未熟さと青春の爽やかさがあり、不思議な読み応えがある。 そして読み終わって思ったのは小山内さんは絶対に敵に回したくないなでした。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    小市民シリーズ三作目で初の長編。夏期で描かれた小鳩と小佐内の互恵関係の変化。それが二人に何をもたらし、どう展開したのかが描かれる。 相変わらず光るのは心理描写で、細かな心情説明があるわけではないのに、読み終える頃には登場人物たちの抱える悩みや、倫理とエゴの衝突、人間関係の複雑さについて考えさせられる。それらは多くが青春特有のもので、大人になれば大したことではなくなるのかもしれないが、青春の痛みは形を変えて残り続けるのだと思う。 主人公たちだけでなく、登場人物それぞれが等身大の役割を持っていて、それがたった二人の限られた視点だけで描かれていく点も興味深い。 物語を駆動するのは放火事件で、ミステリとしての軸となる。ただシリーズを通してそうだが、この作品の事件はあくまで「人を描く」ためにある。ミステリとして丁寧とは言えない部分もあるが、それは視点人物の推理能力や人間性、抱える問題を描くために調律されている印象がある。ミステリの強度を上げれば文学的な意味で精彩を欠く気もして、そこは致し方ないが、もう少し楽しみたい部分ではある。あえて率直に言えば、メインディッシュは読者の知り得ない情報で、前菜は簡単すぎて謎になっていない。 一方で、新本格の某氏や海外の某氏がやりそうな、探偵と助手の関係性そのものを使って遊ぶような一面も垣間見えて、そこは実に楽しい。 テーマがあり、関係があり、問題があり、それが一つの決着を見せる。そしてどうやらそこにはまだ意味深な何かが潜んでいる……という構成は無駄がなく、象徴的なメタファーも驚くほどハマっている。個人的には小鳩くんの上巻のエピソードや行動原理に身に覚えがあり、かなり痛々しい気持ちになった。思うところが多く、今のところシリーズの中でも一番好きな作品だ。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小市民になりたい小鳩くんと小佐内さんのお話し 人が死なないミステリーだから心が重くならずに読めて良い 瓜野くんはずっと掌の上で転がされてるなーってことがわかるからちょっとかわいそうにもなってしまう。。。 小鳩くんと小佐内さんの組み合わせが大好きだから とっても嬉しい終わり方でホッとしました。 最後の火災現場での2人の出会いと、その後の公園でのやりとりの情景は美しいなと思うと同時に木の後ろで「もういいかい」をして待ってる小鳩くんを想像すると笑えてしまう。 「糠に釘、「他愛無い」で声をだして笑ってしまった 笑

    1
    投稿日: 2025.11.04
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    マロングラッセと小市民になりたい小佐内さんの比喩が印象的。 小市民志向を捨てたように見えるが、次巻以降の2人のスタンスが気になる。

    1
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小市民シリーズはそういえばミステリー小説でもあったんだというのを再認識させられた。連続放火魔を捕まえるために動いていた、小鳩くん。小鳩くんに放火魔だと疑われ、彼氏の瓜野くんからも犯人はお前だと言われたけど、実際は犯人を探している側だった小佐内さん。 まず、私自身が完全に小佐内さんが犯人だと思っていたから完全に騙されたし、小鳩くんの推理力や小山内さんが実は瓜野くんに対して自分自身が完全に無能だと思わせる完全な復讐をしていたところを見て、小市民の志からかけ離れた本性を見れて面白かったし、なんだかぞくぞくした。 最終的に、私たちは2人でいるべきだねと、2人がまたペアを組むことになるのだが、やっぱり2人でいるからより良いんだよなと思った。

    2
    投稿日: 2025.09.10
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    なんだかんだ事件に引き付けられ謎を解いてしまう自称小市民の小鳩くんと小山内さん。なんだかんだこの2人は一緒にいた方が平和だし見ていて安心する。巻き込まれていく人達は可哀想だけれど。小山内さんを怒らせてしまった年下彼氏、どんまい。

    3
    投稿日: 2025.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯人が瓜野くんに言った「ごめんな」。 これは色んな意味が含まれる本心だったんだろうな。 でも、そこで犯行を辞められなかった…

    1
    投稿日: 2025.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前作の続きとなります。 やはり小佐内はブレないということを感じながらも面白く読むことができました。 結局環境は変わりながらも根本は変わらない2人でしたが、安定しながら面白く読むことができます。

    1
    投稿日: 2025.08.28
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    連続放火事件は、毎月の決まった曜日に発生し、ある法則性も読者に提示される。 犯人も上手くミスリードされた。 小鳩君と小山内さんとの関係性が上手く物語に反映されていたなー 小山内さんの復讐心は恐ろしい! ラストの小山内さんの一言が印象的

    19
    投稿日: 2025.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小市民シリーズ第3弾 前回の夏期限定から2人はどうなっていくのかと思ったら、最終的にそういう結末になるなんて!! 米澤穂信先生さすがです!!2人のこんな関係はどうやって小説として起こされていくのか気になります。 日常ミステリーの真骨頂ですね。あ、今回はちょっと日常は少し超えてますが… 栗きんとんがそこに繋がるとは……

    14
    投稿日: 2025.08.22
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    町で起こる連続放火事件。 だんだん規模が大きくなる火災。 高校生達がそれぞれの思惑で犯人に迫る。 小鳩と小佐内の会話で謎が明かされる。

    2
    投稿日: 2025.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    解決編の夜にふたりが本当に楽しそうに話しているのが微笑ましい一方、そりゃあ小市民になれるわけないよと思ってしまうほどの頭脳と行動力で大満足でした......! ともあれ、終盤の会話劇が好きすぎてかなり深く読み込んだのだけれど、小佐内さん、めちゃくちゃ小鳩くんのこと好きじゃない!? 夏期限定のラストからしばしば思ってたけど、言葉の節々に「小鳩くんしかいない感」が滲み出てる。「次善」も本心はもちろん、小鳩くんの意見を尊重するために1歩引いた表現にしている感じもするし、もしかしたら思っていたよりも小佐内さんは乙女なのかもしれない。

    3
    投稿日: 2025.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    放火犯の正体は読んでいて分かっていて、動機は瓜野を学校新聞で有名にしてあげたかったのかなと思っていたのですが、ただ馬鹿にしていただけとの事。残念でした。 結局、小佐内さんと小鳩くんは仲直りで栗きんとん食べれて良かった。 あと二作あるみたいですね、絶対読んで見届けようと思います。

    7
    投稿日: 2025.08.13
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    オーディブルにて聴く。 最終的には、問題は解決し、人間関係も元に戻る。そういう安心感はあるし、ほとんどの事態は、回収されているんでしょうね。 安定感はあります。そしてこれで完結ですかね。 小鳩くん、小山内さんシリーズで、また読みたい感じはしますが。

    1
    投稿日: 2025.08.12
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    謎解きとしては面白かった! でも…個人的には瓜野くんが可哀想だった、小佐内さん酷い 小鳩くんの方がまだ人間的に許されるし、小佐内さん嫌いだな… 次も読むけど

    1
    投稿日: 2025.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これまで短編がメインだったこの<小市民>シリーズ、本作が突然長編になったことで、やや戸惑いを覚えた読者も多かったのではないかと思う。実を言うと自分もそうで、特に上巻は木良市内で発生する連続放火殺人事件が少しずつ盛り上がってくるとはいえ、どちらかというと常吾郎と小山内が別れた後のそれぞれの学生生活が描かれていて、冗長に感じる部分もあった。 これまで小市民として生きようとしてうまくいかなかった2人が、バラバラになって突然カップルとなり、それぞれの学生生活をそれなりに過ごしていく……という青春小説としては自然な展開ではあるが、この<小市民>シリーズでそういった展開を読みたかったかと聞かれれば、おそらくNoと答えるだろう。 もちろん米澤穂信のことだから、こういった細かな部分でも手抜きはなく、それなりに「日常の謎」が散りばめられている。とはいえ、これまでは常吾郎と小山内がセットで活動するのが当たり前になってしまっていたせいか、2人が別々に行動することそのものに、物語の流れをスタックさせるような効果があったことは否めない。 また、常吾郎と小山内がそれぞれ付き合うことになる仲丸と瓜野というキャラクターが、いかにも一般の高校生という感じで、2人に釣り合わないという違和感もずっと残ることになる。特に小山内については、瓜野が一つ下の学年で、しかもレギュラーキャラクターの堂島がいる新聞部所属の熱血漢ということで、不釣り合いであること甚だしい。明らかに物語の裏側で暗躍していることはわかるのに、彼女の存在がほとんど表に出てこないこともまた、気持ち悪さを構成する要素となっている。 要するに上巻は、かなり読者にとってフラストレーションがたまる展開を見せてくれるのだが、実はそのフラストレーションこそが著者の狙いであり、下巻のクライマックスに向けての助走期間であったことが、読み進める中で明らかになってくる。そして最後の瞬間には、この『秋期限定栗きんとん事件』というタイトルや作品そのものが、著者が読者に仕掛けた罠であることが明らかになる。 端的に言ってしまえば、上下巻に分かれた本作は、ストーリーの主要な謎である「木良市連続放火事件」を解くことが目的ではない。著者である米澤穂信が書こうとしたのは、前作で別れを告げた主人公2人の新たな邂逅と再生であり、謎はあくまでお互いの必要性を再確認するためのツールでしかない。劇中で言えば、1年間という高校生活の3分の1を使い、お互いの存在の重要さを再確認する過程を描くこと――それがシリーズにおける本作の位置づけなのだ。 実を言うと、ミステリー的には完全にすべての謎が解けるわけではなく、常吾郎と小山内それぞれのシーンの裏側に隠された部分もそれなりに残っている。例えば仲丸が突然常吾郎と付き合おうとした理由は最後までわからないままだし、小山内がおそらく「何か」をしたであろう生徒指導部教師の転勤についても、結局彼女が何をしたのかはわからないままだ。 また、連続放火事件に関する謎も、ミステリー好きなら途中で犯人がわかるのは間違いないが、劇中での犯人を明らかにする方法は、ややルール違反と言われても仕方がないかもしれない(余談になるが、米澤穂信は本作から時間が経った後に、そのものずばり『可燃物』という作品を上梓しており、彼にとっては何かしらの思い入れのあるテーマなのかもしれない)。 ところが読んでいる間は(正確には聞いている間は)、そういった多少の粗さが気にならないほどに、クライマックスで感動をしてしまった自分がいた。本作のように、何かしらの理由で世界とは愛入れない人間同士が、やがてお互いを支え合うようになるという展開は、自分には非常に刺さるテーマであり、1980年代生まれの自分たちにとっては「セカイ系」の一つの行き着く先でもあると感じている。 青春という期間が「自分を知る時期」だとするならば、本作は紛れもなく青春小説だと言えるだろう。本作とはちょうど裏表の関係にある<古典部>シリーズでは、主人公の折木が持つほのかな恋心がヒロインの千反田にはまだ届いていないのだが、この<小市民>シリーズでは、お互いの重要性をお互いが認識しているという意味において、よりハッピーエンドに近づいているような気がする。 個人的には、こういった作品をもっと多くの人に知ってほしいと思うのだが、おそらく今回のような感動は、春期と夏期を読んでいなければ得られないだろう。そういった意味では、本作という存在は、ちゃんとシリーズを読み続けている自分へのご褒美だったと思える。 最近になってアニメ版も制作されたことだし、これまであまり興味がなかったのだが、やはり配信でもいいからしっかり見てみなければならないという気になってしまった。

    1
    投稿日: 2025.08.07
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    「うたがわしい夏」 切り札は慎重に使う。 これだけグダグダと長引かせてしまったら、気になっていた読者も段々飽きてきてしまうのではないか。 「真夏の夜」 犯人だと思ってたが。 思い込みで決めつけかけていたからこそ、他の人という仮説を考えることなく思考してしまったのだろ。 「ふたたびの秋」 何故勘違いしたのか。 これまでも理由があっての行動とはいえ、確かに許され難いことをしたとはいえ返しが大きすぎるだろ。

    0
    投稿日: 2025.07.18
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    アニメで「ひいっ」となった上であらためて読んだんだけど、やっぱりラストの小佐内さんのひと言で「ひいっ」となった。こわいよー(笑)  瓜野くんは、みずから招いたとも言えるけど災難だったね。小市民が手を出しちゃいけない相手だったんだ。ていうか、本物の小市民ならそれを自覚しなさいという残酷なストーリーでもあるのか。 で、小佐内さんと小鳩くんは、いくら小市民をめざそうとも本質的にむりで、小市民の皮をかぶることはできないんだとはっきり自覚する。ここまでぐるぐるとずいぶん遠回りだったのでは? でも、そうまでして「小市民」を目ざそうとした理由が(あるいは傷つきの記憶が)「冬期限定」で語られることになる。すごい構築のシリーズだよなあ。第1作を発表したとき、シリーズ化はまるで考えていなかったというのが信じられない。 そしてこの秋期限定の(川上屋の)「栗きんとん」がとにかくおいしそうで、今年の秋はなんとかして手に入れたいと思っております。

    1
    投稿日: 2025.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ここまで ここに 二人の関係に 戻ってくる ラブストーリィという 一言には括り付けられないけど 恋愛の関係ではないし お互いがそうは言ってないけど 他の視点から見れば そういう関係にしか見えない 名前をつける関係ではないだけに 行動と 会話からは そういう関係が見えてくるのが面白い アニメで声を聞いている分 よりいっそう 小説で描写された世界に浸る

    0
    投稿日: 2025.06.25
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    この事件だけ、上下に分かれていたのでどうなるのか先を気にしながらもしっかり各主人公と副主人公での描写が丁寧に書かれていた。 おそらくどこかで、この人が犯人だろうと思いながらもそうであって欲しくないと心の中で読み進める下巻のラストの方はドキドキして読むことをとめられなかった。

    0
    投稿日: 2025.06.20
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    まだまだ底が知れない小佐内の怖さが全開。 本作からシリーズ最新作の冬期限定〜は、出版まで15年近く経っているので、どういう展開になるのか楽しみ。

    48
    投稿日: 2025.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻では息を潜めていた小鳩くんと小佐内さんが下巻ではようやく主人公として戻ってきてくれて気持ちよく読むことができた やっぱり瓜野くんはあんまり好きじゃないから上巻読むのが辛かったんだなと改めて感じた(ただそれも米澤穂信さんの狙いなのかもしれないけど) 二人とも別々の人と付き合ってるのも何だかなあという感じで上巻は読んでたけど、ちゃんと下巻の最後にはくっつけてくれて安心 次の冬季限定ボンボンショコラ事件は小鳩くんの推理と小佐内さんの暗躍に期待

    10
    投稿日: 2025.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    天才ミステリー作家米澤穂信の人気小説シリーズ。 小市民を目指す、から小市民になりすますへ 小鳩くんと小山内さんは小市民になることなどできず、自分自身を受け入れていく…だとしても冬期以降も二人の人生は続く、二人は今度は小市民になりすまして生きていくだろう。 冬期ボンボンショコラ事件→ヒッチコックの「汚名」とフィンチャーの「ゾディアック」。 事件を通して小鳩くんの「知りたい好奇心」の倫理と感情の核心へ 「知りたい好奇心」を突き詰めることの暴力と害悪についてのこれ以上ないエンタメ的考察? 米澤穂信は「知る好奇心」を誰よりも追求してきたミステリー作家。この人には天地がひっくり返ってもこのテーマで競い合っても勝てない、といつも驚嘆させられる存在。 「古典部シリーズ」では探偵役の折木幸太郎と「知る好奇心」役の千反田えるに分けてキャラクターを立てることで「知る好奇心」の邪悪な側面が見事に薄められていて且つ青春ドラマとしての味わいが際立っていた。構成力、キャラクター造形とセリフの掛け合いの妙、エンタメとしての魅力がありすぎて表現者としては天才としか言いようがない。その上で今追求するにはかなり勇気がいる「知る好奇心」を突き詰める作家であるということが驚愕なのだ。 「好奇心」とは若さである。若いからこそ無知であり、無知であるが故に渇きがある。知りたいという欲望は若い人間に必ず訪れる。この若さは無論物理的な年齢だけがものさしではない。高齢でも若い、ということは有り得る。つまりそれは頭の柔らかい、固いという言葉で言い表わされる概念のことである。 歳を重ねると初体験という経験はどんどんなくなり、物事に対する新鮮さを失う。それだけではなく、体力もなくなりリスクを避けるようになり、狭い世界でルーティンをただ繰り返すことが自然になる。 それら全てが「好奇心」と相性が悪く、新しい世界に飛び込むことより狭い自分の世界を守ることが合理的にならざるを得ない。 「知る好奇心」に取り憑かれた人間のリアリティに踏み込んだ表現は稀だと感じている。それはあまりにもマニアックだし、ドラマになりづらい。そして何より救いがないが故に読者の心を引き裂く。フィンチャーの「ゾディアック」。 「小市民シリーズ」は取り憑かれた二人の天才の空中戦であり、この秋期はシリーズの中で最もカタルシスに満ち、小山内さんのフェチズムを堪能できる傑作である。

    0
    投稿日: 2025.06.11
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    まんまと騙されました。小市民シリーズらしさが最後に待っていて、いい意味で期待を裏切ってくれました。ありがとうございました。

    0
    投稿日: 2025.06.10
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    一昨年読んだのでこちらも粗筋程度しか覚えていませんでした。 会話や思考の中に推理があるのですが、考えながら読み進めることが必要でそこが面白い、 米澤穂信さんの作品ですね。

    0
    投稿日: 2025.06.01
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    本作はアニメと並行して読み進めていた。一つ一つのシーンを思い浮かべながらだと、ページをめくるスピードも早くなる。次第に犯人の予想はついてくる。途中途中に描かれている高校生らしい日常に学生時代を懐古させられるが、これも伏線と勘繰ってしまう。さて、そんなこんなで上下ともに読み終えて小山内さん。最後の一言は正直呆気に取られたよ。

    0
    投稿日: 2025.05.23
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    小市民シリーズ三作目の下巻。 今まで読んできて、それなりの展開もあったけれど この類の作品でこんなダークな話になるとは思いもしなかったです。 小佐内さんのキャラクターは、読者を惹きつける謎の魅力があって 恐怖すら感じるのに目が離せなくなるのが良いところです。 上巻からの事件が解決する物語展開で 犯人の予想などは割としやすい作品なものの それでも楽しい!と思えるのは米澤穂信さんのセンスです。 読んでいるうちに「小市民とは?」と思うようになってきて すごく不思議な気持ちになりました。

    0
    投稿日: 2025.05.22
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    やっぱり小佐内さんは一筋縄じゃいかないのを感じた。新聞部の彼は少し可哀想だったけど。そして、やはり小市民同士戻って一安心。そしてやはり意外な犯人でした。でも、もう高校卒業!?このシリーズ続くの!?

    10
    投稿日: 2025.05.12
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    面白かった。アニメと並行して読んでいるから?いやいや、小説の方がキャラの心情をより理解できて面白い。いいミステリでしたよ。本当に小佐内さんが放火犯では!?と疑ってしまった。それが実際はあの子かー!!となりました。 瓜野くんがその後どうしているのか、気になるなぁ。そしてラストの小佐内さん、やっぱり私はあなたの発言に背筋がゾッとしたぞ。

    1
    投稿日: 2025.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    春、夏と進んできた小鳩くんと小山内さんの物語。この秋編は前2作とは異なり、1年がかりの物語だ。 なんで小鳩くんも小山内さんもモテるのか分からない。2人とも面倒くさくて、若干コミュ症で好かれることはなかなか無いと思うのに。 そして小山内さんの方は性格もかなり悪め。新聞部の瓜野くんは小山内さんに徹底的にやられてしまったが、やられるほどのことをしたか、と。ただキスをしようとしただけである。 この二人は他に合う人はいないので、もとに戻るのは必然とは思える。 全体的には前の二作よりはかなり面白かった。

    1
    投稿日: 2025.04.29
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    やっぱりこのふたりは一緒にいる方がいいです。問題はあるけど瓜野くんは気の毒だなと思ったかな。小山内さんからも友達だと思ってた氷谷くんからもそんなふうに思われていたとは…。小鳩くんも小山内さんもすごいな。何も考えてなかったと思う高校時代。所詮小市民な自分。

    0
    投稿日: 2025.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小市民シリーズ第3弾の下巻。 おもしろかった~ 上巻もそうだったけど、こっちも一気に読めました。 春期よりも夏期よりもおもしろかったかな。登場してくる生徒たちがよかった。 小鳩くんと仲丸さんの別れ?のシーン。まったく噛み合わない2人の会話。 ていうか仲丸さんはなかなかのサイテー女だなと感じた。 メモリ消去しててなんか笑ってしまった。メモリ消去、それはするんやなと。 公園での小佐内さんと瓜野くんの対決は見どころ満載で楽しかった。 瓜野くんもがんばっていたんだけどなあ。 でも言えば言うほど、舞い上がれば舞い上がるほど、それは小佐内さんの術中。 地面に叩きつけられるぞ、おまえ。最後まで読んで、復讐の理由を知っている僕にはわかるのだ。 「そんなことだろうと、思っていたのよ」 小佐内さんと小鳩くん。 お互いに「糠に釘」な恋愛日々を通過して、またクロスする。 ほんとうに必要なのは「わかってくれるひと」だ。 そんな人がそばに、たったひとり、いてくれたらそれでいい。 小鳩くんの「小佐内さんにとってぼくがそうであれば組み合わせは最高だけど」というセリフ。 なんだか意味深というか、素直な気持ちというか。 続く「ただそれだけなら、ぼくはいま、こんな気分にはなっていないだろう」という思い。 それらは次巻以降で確かめたい。 最後、五日市くんのコラム。いやあなんか瓜野くんがかわいそうになってきたわ。

    3
    投稿日: 2025.04.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった! 勢いで書いてるので語彙力が終わった始まり方をしてしまったけど、本当に面白かった。 春と夏は比較的軽め(?)の事件で主に小山内さん、小鳩くん、堂島健吾がメインだったが、今回は一気に登場人物が増え、瓜野くんや仲丸さん、氷谷くんや五日市くんなどなどボリューミーだった。メインの瓜野くんが私はどうしても好きになれず、残念ではあったが、そのお陰で比較して小鳩くんが更に頼もしく見えた。 小山内さんが魔性の女すぎて、どんどん好きになってくるし、もう半分惚れている。ここで別作品のキャラの名前を出すのは無粋だと思うので伏せるけれど、私の大好きな魔性の女と同じ匂いがしてとても惹かれる。特に、怪しげな雰囲気とただの女子学生を巧みに使い分けるところ、また関わった他人(瓜野くん)に、自分の方が優位だと誤解させることの上手さ。(誰かと話していて楽しい時は大抵、相手の接し方が上手い、という事に通ずると思う)まあこれは、瓜野くんの驕りもあって拍車がかかっていたようにも感じる。とにかく、小山内さんの相手を意のままに指し仕向けることの上手さに魅了されまくっている。 次に小鳩くん。今回、登場回数は多かったのに、印象は薄かった。しかし着実に答えには辿り着いて、小鳩くんの種明かしで締める。瓜野くんの、後輩に向けた驕った態度により余計に大人びて見える。やっぱり小山内さんの横に立つならこうでなくちゃ!という気持ちにさせてくれる頼もしい男の子小鳩くん。かっこよかったから、極端なほど冷めた恋愛観も今回は許そうかなと思う。 米澤穂信の作品は、伏線が張り巡らされどんでん返しが楽しめる上に、その伏線を伏線と感じさせないところが秀逸で好き。あからさまな伏線を、これは何の伏線なのかな、と予想しながら読み進めるのも楽しいが、私は突然殴られるような不意をつかれる伏線がより好きなので、この小市民シリーズがとても性に合っている気がする。 新聞部の手柄を横取りできないという最もらしい言い訳を鵜呑みにした私もただの小市民なのだと実感した。残り2冊しかないことが残念だが、最後まで小市民らしく楽しく見届けたい。

    0
    投稿日: 2025.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    別々の道を歩き始め、それぞれの青春を享受するはずなのに、やっぱり満たされない2人。 小鳩くんは、やはり退屈だった。 幸せな高校生活を送っていると言いながら、ただただ空虚だ。 小山内さんの謎行動は、やはり何かを狙っているようにしか見えない。 2人の卓越した推理力や観察力は、放火犯をあぶり出していくのだろう。 小山内さんに一番必要な復讐心は、どこに向けられるのだろう。 犯人は上巻でだいたい見当はついていたが、どんな罠を仕掛けているのだろう。 考えるだけで、ワクワクした。 炎の中での再会。 当たり前のように合流するあたり、流石だった。 2人とも収まるところを再確認できたのだろう。 1人ペシャンコになってしまった瓜野に何が足らないのか、それは小市民代表の五日市の言葉でスッキリした。 瓜野は、嘘でもよいから、正義感の一欠片でも出せば、もう少し周りが見えたのだろうなぁ。 承認欲求の塊になってしまっていたし、根拠のない自信で溢れかえっていたから、ちょっとしたモンスターになっていたのだろう。 だけど、周りを全て見下していたのに、犯人にバカにされていたとは、なかなかの皮肉な結果だった。 お気の毒に。 それにしても、復讐の相手もその理由もおかしかった。 さすが狼。 2025/03/21 06:21

    3
    投稿日: 2025.03.21
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    アニメ2期が始まるので再読。 それぞれの道を行く小鳩くんと小山内さんの運命が、再び交差する。 シリーズを通して語られる、自分自身の危険な本能との向き合い方。これは全員に向けられた命題だ。他者と向き合う時、自分のことばかりではいられない。 この課題に一応の答えが出された今巻で、シリーズのテーマは一旦終わりと言ってよいだろう。 必要なのは自分自身の本質を変えてくれる存在ではなく、その本質を理解してくれる相手なのだから。 そして、2人の会話が尊すぎて痺れる。ずっと聞いていたい。 終盤の栗きんとんとマロングラッセの例えがとても味わい深く、一読の価値あり。 2人はマロングラッセにはなれない。栗きんとんなんだ。すり潰されながら、前に進んでいく。

    0
    投稿日: 2025.03.14
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    連続放火事件の解決篇。 上巻からずっと小佐内さんがどんな思惑で動いているのかが謎で、読みながらもしかしたらほんとに小佐内さんが犯人なのか…?と思ったりもしたのですが、最後まで読むと納得。 あそこで小佐内さんの復讐スイッチが入ってしまったのか…。 上下巻の長編なだけあってミステリとしてもしっかり満足感があり、楽しめました。 読みながら犯人を予想できたという感想も多いようですが、私は全然わからなくて普通に驚いてしまいました笑 それにしても、この結末は瓜野くんがちょっとかわいそう(^^; そこまで悪い子ではないと思うんだけどなぁ。 早く立ち直って、またいい仲間と出会えるといいね。 そして、小鳩くんと小佐内さんの関係性にも新たな展開が。 単に元の関係に戻ったわけではなくてもうひとつ進展した感じがあって、この先の2人がどうなっていくのか楽しみ。 最終章、桜庵で栗きんとんを食べながらの2人のやり取りには、やはりこのコンビでないとという安定感と安心感があり、嬉しかったです(^^) 残りの巴里マカロンとボンボンショコラも楽しみに読みたいと思います!

    2
    投稿日: 2025.03.07
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    前半からの一気読み。途中で止められず。スッキリ読み終えた。 仲丸さんの立ち位置は微妙だけど、爪野もとい瓜野くんの暴走がイタイ。そして想定された落とし所に失笑。主役2人の絡みは、やはりイイ。

    10
    投稿日: 2025.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当にどんどん面白くなるシリーズ。 放火事件に関わる(?)小山内さんと小鳩くん。 夏で2人が離れてから、秋は別のパートナーができて、そこそこの違和感。ずっと違和感があるの、すごい。 放火犯ははじめからこいつだろうな、と思っていたけど、小山内さんがどう関わっているのかを考えさせるミステリー。お見事だった。わざとそういう風に描いてるよね?小山内さんと小鳩くんのシリーズだから、これは。すごいわ。

    1
    投稿日: 2025.02.18
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    主人公の2人が離れ離れになった次の季節を描いているのかと思いきや、そこから1年の上下巻長編に驚いた。ミステリーではあるが殺人が起こるわけでもない本作品であるからなおさらで。 2人の間に新たなる2人が加わり、主人公の2人が直接相対することは少なかったが、常に影を感じながら進んでいくところには運命を感じた。 殺人はなかったものの、今回はかなり大きな犯罪が題材となりどう解決するのか不安に思いながら読み進めたが、そこはラノベでもありむちゃくちゃ大ごとにならずに終わったことに安堵した。 小佐内さんの怖さも相変わらず際立ったが、本質はいまだに見えない。次がシリーズ最後となると聞いているが、その点が解明されるのか楽しみ。

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    https://hiddenstairs.hatenablog.com/entry/2024/02/10/000852

    0
    投稿日: 2025.02.08
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    暴走する瓜野くんに肩入れしたくなってしまうが、下巻はいつもの世界観が戻ってきて妙に納得してしまった。ラストのオチも見え見えでやっぱりなぁと。しっくりくるふたりに戻ることができてよかったね。遠回りも時には大事なのかもね。

    9
    投稿日: 2025.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    季節は初夏から真夏、ふたたび秋へ。連続放火事件は続き、瓜野くんはさらに事件にのめり込み、犯人を捕まえようと躍起になる。小鳩常悟朗は堂島健吾をまきこみ、裏でなにやらしようとし、小佐内さんは怪しげな秘密めいた雰囲気を漂わせる。真夏の事件の夜にいろいろなことが明らかに… 中盤から先が気になり、一気に読んでしまいました。小鳩くんと小佐内さんの再会シーンが個人的に好きでした。今回も堂島健吾が活躍します。この無骨でまっすぐなキャラクター、いいなあと思いました。

    4
    投稿日: 2025.01.22
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    小鳩くんの「喋らせてくれてありがとう。やっぱりこっちの方が体温が上がるよ。」にテンション上がった。小鳩くんらしい言葉選びで、男見せてきたじゃん。春季限定を読んでるときはこれ程までに本格ミステリになっていくなんて思ってなかった、嬉しい裏切り。卒業まで6ヶ月になってから、冬季限定が出るまで15年も間が空くなんて…。冬季限定が「このミス2025」に選ばれたのきっかけ読み始めた組として、シリーズ一気読みできるありがたみを噛み締めたいと思う。

    1
    投稿日: 2025.01.20
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    小市民シリーズ三冊目。 『夏期限定』で道を違えた小鳩くんと小山内さん。二人はそれぞれ恋人が出来、違う道を歩き出す。そんな中、近隣で連続放火事件が起き…。 上巻は少し退屈だったが、それら全てが伏線と気付く下巻から加速度的に面白くなった。ミステリとしても大変にスリリングだけど、作者のシニカルで一筋縄では行かない人間観察が光る。 面白かった!

    6
    投稿日: 2025.01.18
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    次第にエスカレートしていく連続放火事件。 連続放火犯を追う新聞部の瓜野君は、付き合っている小山内さんを疑い始めます。 瓜野君たち新聞部は、真相を攫むことが出来るのか。 去年の夏休みに小山内さんと別れた小鳩君は、本格的に推理を始めます。 小鳩君と小佐内さんの再会はいつなのか、連続放火事件の犯人は身近にいるのか? 一気に読ませる長編でした。

    1
    投稿日: 2025.01.17
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    うぎゃースッキリしてもうたー(スッキリが悪いみたいな言い方) すみません、いきなり話逸れます(いつものこと) 最初から真犯人は分かってました 特に理由なく分かってました ミステリーマニアとしての膨大な経験値が直感的に真犯人を嗅ぎ分けちゃうのよ 悲しい だいぶ悲しい あの頃の純真な心に戻してほしい はい、話戻ります いやもう、そう来るのよね このラストはもう完璧やわ 主人公二人のキャラが完璧に活かされた見事すぎるラスト 米澤穂信さんすごいね ミステリーとしての謎解きの伏線回収もお見事なんだけど、二人の為人がわかってると、そこへの動機づけというか、結末に納得感しかないのよね 二人ともほんとにおかしなことやってるんだけど、二人ならこうなるだろうなってスルッと納得できちゃう これってめちゃくちゃすごいことなんよ 人物と出来事が解離してないの フィクションでちゃんとこれが出来てるって実は相当すごいことなんよ 力のある作家さんだとあらためて思い知らされました 直木賞も近いな( ̄ー ̄)ニヤリ え?もう取ってるの?(確信犯)

    62
    投稿日: 2025.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新聞部の放火犯探しが続く ミステリっぽいのはトマトの好き嫌い当てくらい 150ページ近くなってやっと本筋に 犯人あぶり出しのための工夫が面倒くさそう

    0
    投稿日: 2025.01.07
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     船戸高校新聞部の部長になった瓜野は、市内で頻発する放火事件を追っていた。そして小鳩も放火事件の独自に犯人捜しを。小佐内も動く…  といっても今作では。推理型名探偵小鳩も行動型ハードボイルド探偵の小佐内も物足りない。そして結局のところ、小鳩も小佐内「小市民」にはなり切れない。二人の関係も一周してまた元通りになる。ちょっと、つまらないかな。

    43
    投稿日: 2024.12.30
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    復縁を望みながら読んでいたけど…ちょっと瓜野君はかわいそうな気もする…。 ただ、小鳩君と小佐内さんの二人の会話が出てきた途端、やっぱりとってもしっくりきて安心した。 何となく犯人は分かってしまうのでそこがなぁ…。

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    流石に瓜野くんがボコボコすぎて同情する。小鳩くんも言っていたけどあまりに過剰だなーと思っちゃって読んでるこっちも心苦しかった。 上下巻ということもありボリューミーで面白かったです。小鳩くん視点が増えるといいな。冬季も楽しみ。小左内さんは怖い。。。

    1
    投稿日: 2024.12.18
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    小山内さんが怖すぎるの巻。 連続放火魔事件の犯人がわかり、すっきり解決した。 人並外れた推理力や洞察力をもつ小鳩が小市民目指して凡人に擬態しようとするさまが面白い。小山内さんや小鳩がそれこそ凡人と付き合うのは退屈なんだろうな〜と感じた。だから小山内さんと小鳩の会話は天才同士の頂上決戦のようで楽しい

    4
    投稿日: 2024.11.27
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    小山内さんが怪しいと見せかけての… 小鳩君の説明がないとわからなかったけど、解決してくれてスッキリしました。 小山内さんとも元に戻った様で、安心。 スイーツのお話しがもっと出てきて欲しかったかな

    0
    投稿日: 2024.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    連続放火魔を追う一年間の、後半戦。 もういきなりクライマックスの話をしてしまうけど、瓜野くんへの小山内さんの辛辣な打擲と、小鳩くんのシニカルな謎解きのあとに、こんなキュンキュン展開が待っているなんてたまらなすぎる。 〈そうじゃない。必要なのは、「小市民」の着ぐるみじゃない。たったひとり、わかってくれるひとがそばにいれば充分なのだ、と。 〉 〈この街にいる限り、船戸高校にいる限り。白馬の王子様がわたしの前に現れるまでは。……わたしにとってはあなたが、次善の選択肢だと思う。だから〉 ぐるぐると迂遠に迂遠を重ねながら、また二人でいることにした小鳩くんと小山内さんの関係は、きっとこれまでとはひと味違うカタチになるはずだ。 甘い衣を重ねていくマロングラッセではなく、潰されて濾された栗きんとんのようなね。 それにしても、最後の最後よ。放課後に食す絶妙のお菓子と、楽しくスリリングな会話。 瓜野くんという存在は、小山内さんにとってはじめはただの好奇心、というか手段。そして彼が調子に乗ってやらかしてからは復讐の対象でしかなかったと。 いやー小山内さんを怒らせたらほんっとに怖い。 信頼していたはずの氷谷くんには裏切られ虚仮にされ、彼女にはフラれ「他愛ない」と評され、部下であった五日市くんには見下され紙面で皮肉られ、なんてかわいそうな瓜野くん、ああ彼はいま元気にしているのだろうか。 本作は高三の秋で終わっているのだから、卒業まではもう残りわずか。冬期限定ボンボンショコラ事件を読むのがますます楽しみになった。瓜野くんが元気だといいな、という新たな注目ポイントまでできました。

    3
    投稿日: 2024.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上下巻まとめて一気に読んでしまった 小佐内さんが瓜野くんを陥れた理由。 女子としては気持ちは分からなくはないけど、それにしてもオーバーキルすぎる!

    3
    投稿日: 2024.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オーバーキルとはこのことだなぁと思いつつも、まあ確かに小佐内さん側からみて許されざることをしたのもまた事実なので、ああいう結末になってしまったのも致し方ないかな…とも思ったり…。 残当と思うか、ちょっとやり過ぎでは?と思うかは人によってかなり意見が分かれそうな所ですね。 恋しているとか、愛しているとかそんなんじゃなくて、相手に向ける感情に確かな名前を付けられなくても、それでも一緒にいるのがしっくりくるので手を差し出す。 小佐内さんは自分たちのことを暗に栗きんとんに喩えたし、小鳩くんもそれに納得した。 私もなるほどなあと納得したんだけど、同時に「いや、やっぱ二人はマロングラッセでもあるのでは?」という意見を捨てきれません。 冊数を重ねる毎に名前の付け難いシロップが少しずつ濃くなっていく、二人が一緒にいることでゆっくりと時間を掛けてて完成に近づいていくマロングラッセみたいな関係もまた、角度を変えた二人の姿なんじゃないかなと読んでいてこっそり思いました。 別に現時点の二人をカップルとして見ているわけではないんですけど、なんか物凄く濃厚で甘いスイーツを味わった気分です……! 大満足です、ごちそうさまでした…!!! 「絶妙のお菓子と、楽しくスリリングな会話。  こういう放課後はやっぱり、素敵の一語に尽きる。」 小鳩くん、以前はお菓子にも小佐内さんをつっついて刺激するというスリリングな遊びにもさして興味を示していなかったはずなのに…ちょっとクセになってない?笑 目覚めてしまったのは瓜野くんじゃなくて小鳩くんなのかもしれませんね。 ところで小佐内さん、小鳩くんへの評価は本当にそれでいいんですか!?

    1
    投稿日: 2024.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おもしろかった!ミステリーとほろ苦い青春ミックス。こんな2人だけど、それなりに小市民的に恋愛を生活に取り込んで楽しむ姿勢が微笑ましい&涙ぐましい。 小佐内さんが復讐に転じた瓜野くんのあの行動。思えば私もあの時、小佐内さんに何してくれてんだ!と憤ったものでした。でも恋愛中って、突発的にこういうこともあるし、それも醍醐味だと理解を示してました。でも小鳩くんの「5月から~」の説明途中でガバッって下巻を置き、あれだ!やっば、そうだよね!となりましたー。小佐内さんの復讐スイッチ、かわいすぎる!

    2
    投稿日: 2024.10.31
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    「小市民」シリーズ第3弾の下巻にして解明編。 約1年にわたり繰り広げられてきた放火事件が、 ついに決着。事件を追い続けた瓜野君の運命、 そして、別々の道を歩んだ小鳩君と小山内さんの 行く先やいかに。 シリーズを追うごとに面白くなっていく日常の謎ミステリー。スリリングかつ安心感があり、読後感がとても良かったです。可哀想な人もいましたが笑 2025年4月には、アニメの2期として、本作と「冬期限定ボンボンショコラ事件」が控えており、(次作「巴里マカロン事件」も読んだ上で、)3月までには 何とか全作を読み終えたいところです。

    16
    投稿日: 2024.10.30
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    面白かった!上巻よりテンポ良く読めたし、真実はどうなのか気になる内容で楽しめた。ちょっと残念なのは、もしかしたらわかるように意図されたものかも知れないけど予想した放火犯が当たってしまったこと。でもきっと当てられるのは想定内だったと思うので、ここではやっぱり小山内さんの復讐とその怖さがメインに見えるし、怖いとわかっていてもやっぱり怖かった。何よりも理由が怖い…そうきたかぁ。小鳩くんも小山内さんもやっぱり小市民は似合わない。周りが見えなくなって自分は正しいと他人を馬鹿にしてしまうことも愚かだし思い込みは怖い。

    0
    投稿日: 2024.10.28
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    米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件』(上下巻) 2009年 創元推理文庫(東京創元社) 小市民シリーズ第3弾。 今回は上下巻の大作です。 今回は連続放火事件を解決へと導く小市民たち。でもこのシリーズは単に謎解きをしていくものではなく、人を導いたり、観察眼が凄かったり、まさに巧みにミスリードとは思わずに誘導されている感じ。 淡々と読めるのだけれど、内心はハラハラの連続。 気が付くと読み終わってしまっていたという感じも天晴である。 それにしても主人公の小鳩くんと小佐内さんが最後にまたパートナーとして進みだすことになってよかった。 彼らの紡ぎ出す柔らかだけどピリッととがった空気が大好きです。 #米澤穂信 #秋期限定栗きんとん事件 #小市民シリーズ #創元推理文庫 #東京創元社 #読了

    2
    投稿日: 2024.10.23
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    ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど…(e-honより)

    0
    投稿日: 2024.10.22
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    下の解決編。犯人は予想ついてましたからまぁ、そうかという感じでしたが、丸く収まってよかった。 やっぱり2人の会話が好きだから他の人だとズレてて気持ち悪いなって思ってました。 栗きんとん食べたくなりました!

    0
    投稿日: 2024.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ダークで良かった!!結局2人はくっつくのね、でもまあお互いがお互い以上にしっくりくる相手はそうそう見つけられないんだろうな笑 瓜野くん、高校生らしくて嫌いじゃ無い。

    1
    投稿日: 2024.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うわぁ、そういうことだったか。犯人に当たりはつけていたのだけれど、まさか自分で犯行現場を決めていた訳ではなかったなんて。 確かに、防災計画なんてニッチ過ぎて最早誰も見てないだろうし、でも誰も見てないとも限らないと考えていたが、根本から考え方が間違っていたのか。 ああ、面白かった。謎解きが終わって、小佐内さんと小鳩くんも互いに謎解きが好きであることを受け入れて、一緒にいることを決めたラストが良かったなぁ。 最早、仲丸さんなんて噛ませ犬みたいなものだったが、小鳩くんがこの先ちゃんと恋愛できるのかどうかには不安が残った。笑 小佐内さんに関しては、本当に今回何を考えてるのか分からなかった。不思議な人だよ全く…。新聞部の瓜野くんが一番の被害者か。頑張って犯人を捕まえようとしたのに、最終的に小佐内さんに怒涛のダメ出しを食らってしまうのだから。まあこれで一人突っ走ることも今後はなくなるだろう。堂島みたいな立派な部員になれると良いね。

    1
    投稿日: 2024.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    春期限定いちごタルト事件、夏期限定トロピカルパフェ事件も読んできたが、登場人物に愛着が湧いてくるからか、回を重ねるごとにどんどん面白くなっている気がする。 小山内さんが怪しい動きをしているから犯人かと疑うことになるのはそうだと思ったけど、流石に違うだろうという思いはあった。だけど、小山内さんじゃなかったらじゃあ誰が?というところまで推理することが出来なかったので、種明かしシーンで小鳩くんが話しているのを読みながら軽く衝撃を受けたし、本を読む手が止まらなかった。 まさか五日市くんを巻き込んで新聞の原稿をすり替えていたとは…。読者として著者にしてやられたと感じたし、自分が本の中の登場人物だったら瓜野くんみたいに思い上がっちゃうタイプなのかなと思った。 このシリーズは、ミステリーではあるのに人が全く死なない、日常に沿ったミステリーというのも、個人的にとても気に入っているシリーズである。 あと、2人の関係が戻ってちょっと嬉しかった。

    1
    投稿日: 2024.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それぞれのアプローチで連続放火犯を追う瓜野くんと小鳩くん。犯人はもしかしてこの人かなぁ、、と思いつつ、でも小佐内さんの行動の怪しさにも謎が深まってどんどん先が気になる。火事の現場で1年ぶりに小鳩くんと小佐内さんが再会するシーンは素敵。そしてラストは2人が"互恵関係"に戻って、やっぱりこのペアじゃないと!とひと安心。1年前よりもお互いの距離が縮まっているように見えて胸熱。アニメ2期も楽しみだなぁ。

    4
    投稿日: 2024.10.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ここまで、登場人物の大半が性格悪い物語って、あまり読んだ覚えないなぁ。特にヒロインの根性曲がりっぷりは酷い。 常悟朗は奉太郎と同じキャラで、表現型と周りの人物を真逆にしたらどうなるか、実験的な設定だと思った。が、ゆきとえる…極端すぎるでしょ(笑)。 そんな中、心のオアシスだった健吾。彼の正しさは絶賛に値する。初登場時はいじめっこキャラかと一瞬思ったけれど、主人公がままず「いいやつだ」と言ったので、そういう意識で観ていたら、ほんとにいいやつだった。最大の疑問は、体育会系の彼が何故新聞部なのか、だけれど、最初に頼まれたから、が一番ありそうだ。 平成以降の物語を読むとき、その年の通信環境を把握しておくと、話に入りやすい。1年毎にすごい勢いで進歩しているから。シリーズ第一作の出版は2004年で、携帯電話は高校生が学校に持ち込める程度に普及していたけれど、テキストはやりとりできても、写真が撮れる機種は出始めだった。2003年生まれの長女が当惑していたものだ。ケイタイってね、昔は音声のやりとりしかできなかったんだよ~。(2024-10-05L)

    0
    投稿日: 2024.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    独善的な瓜野くんは立ち直れるだろうか。 中学生だった小佐内さんや小鳩くんのように違う自分を目指すだろうか。 小佐内さんと小鳩くんのことが気になり過ぎて、放火犯の方はあまり気にならなかったな。 健吾とは、卒業してからも細くとも繋がっていて欲しい。 とうとう発売された冬が読みたいけれど、読むと終わってしまうんだよな。

    0
    投稿日: 2024.10.01
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    小市民シリーズ第3作解決編。展開はほぼ想像通りだったけど面白くて一気に読んだ。登場人物の個性のぶつかり合い、いや摩擦力の強さという感じかな。それぞれがざらっとした特徴を持っているから摩擦が強くて引き込まれる。冬でどう終わるか気になるが次は巴里。

    0
    投稿日: 2024.09.27
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    「小市民」シリーズ第3作。 前作で互恵関係を解消した常悟朗と小佐内さんの近辺に起きる連続放火事件。 常悟朗の友人堂島健吾が部長を務める新聞部の部員瓜島は放火犯の追及に執念を燃やす。 放火は瓜島の読みのとおりに実行され、いい線行くかに見えたのだが。 表に全く出ずに瓜島をそれぞれの手のひらで転がす常悟朗と小佐内さんが怖すぎる。 普通の相手に物足りなくなるのも当然だろう。

    0
    投稿日: 2024.09.25
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    「小市民」シリーズ第3弾の下巻。小市民はマロングラッセであり、小鳩君と小山内さんのえぐみは栗きんとんであった。推理のミスリードや花柱をへし折るようなビターな展開はパンチが強い。ミステリー作品だが小山内さんの挙動だけ取り出すともはやホラー。最後のセリフを見れば乙女の恋心は真実以上に謎めいて小山内ゆきの恋はまだ遠し。ラノベと侮ることなかれ、本格ミステリー小説で面白い。

    0
    投稿日: 2024.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小鳩くんと小山内さんの小市民シリーズ第三弾。 前回互恵関係を解消した2人は冒頭からそれぞれ新しい恋人ができる。 小山内さんの彼氏瓜野くん、何かを成し遂げたい意欲は立派だけどちょっと周りが見えて無さすぎるし自分を高く見積りすぎかなー、でも若いしそういうもんかなーと思ってたら最後で小山内さんにガツンとやられてて可哀想だった。 半年以上付き合ってるんだしキスくらい自然な流れじゃないの…? 春より、夏より、今回が1番小山内さんの逆鱗に触れた感じだったの…? 小鳩くんは今回彼女のトマト勝手に食っただけの男だった…しかも「食べてあげた」とか言ってるし…推理外れてるし… わたしもサラダパスタとサーモンクリームパスタならトマト好きだけどクリームパスタ選ぶなあ。 マロングラッセと栗きんとんの例えは良かった。 初めて2人とこの作品のタイトルが重なった感じ。 次回作もたのしみ。

    4
    投稿日: 2024.09.05
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    再読。やっぱりいっしょにいる2人が好きだなぁ。そしてスイーツを食べながら推理(解説?)してるやりとりが好き。栗きんとん食べたい。 にしても小佐内さんの復讐は恐ろしい…。春期より夏期より罪が重そうなのがまた…最後は瓜野くんにちょっぴり同情。放火犯は少し残念。あのキャラけっこう好きだったのにな。 2人の高校生活も後6ヶ月。次も楽しみ。とりあえず巴里マカロン読むぞ〜。

    0
    投稿日: 2024.09.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上下巻を一気に読んでしまった。 もう少しゆっくりペースで読もうかと思っていたけど、面白くて読むのを途中でやめられなかった。 途中で犯人は小山内さんかな…?とちょっと疑っちゃった… 結局放火犯あの人だったけど、瓜野くんも気の毒だ。プライドも何もかも全部くちゃくちゃにされて、あの後立ち直れたのかな。 マロングラッセと栗きんとんを二人の関係に見立てるのがとっても好き! たったひとり、わかってくれるひとがそばにいれば充分なのだ、という一文も大好き

    5
    投稿日: 2024.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小佐内さんが放火犯だと、俺も早とちりしてしまった。瓜野くんを全く責められない…というか、彼も高校2年生としては頭回りすぎ!小鳩くんと小佐内さんが異次元なだけ。 最後には小鳩くんと小佐内さんの関係が進展してよかった。やっぱりこのふたりのコンビがしっくりくる。 古典部シリーズもそうだけど、ただ青春だけじゃない…思い上がりや勘違いによる自身の羞恥心や情けなさの感情まで思い出させてくれた。 あー俺も小市民を目指そ

    1
    投稿日: 2024.08.18
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    シリーズの中で1番好きだったし1番恐ろしかった。 夏期限定のラストで距離を置くことにした2人、 それぞれ新たな出会い、関係を紡いでいってそれぞれの道を歩んでるようだったけどいつの間にか小鳩くんと小山内さん、かっちりハマってる。 長い長い放火事件を軸に新聞部の瓜野くんが 奔走していましたがちょっぴりというかかなり? 結末は悲しい気持ちになったなぁ……。 小山内さんの燃えるような復讐心やはり恐ろしい。 何より放火事件真犯人が悲しい。 高校の一つの部活でこんなことまで追うの? と最初は行きすぎに思ってしまったけど、 どんどん真相が気になり見事に罠に嵌まってた…… 面白い!さすがの一気読みでした、、、

    1
    投稿日: 2024.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    復讐少女小佐内ゆき最高! 瓜野くん…手を出しちゃいけない人に手を出してしまったね(笑) 犯人は氷谷くんってことで分かりやすくはあったけれど、それも含め瓜野くんは可哀想だなぁ。 立ち直れるかな? 氷谷くんのことも心配だし、氷谷くん目線でのストーリーも読んでみたい。 やっぱり小鳩くんと小佐内さんは一緒の方がいいね。また互恵関係に戻ってくれて嬉しいよ。 あとは、巴里と冬期だけかぁ。読むのがもったいない!

    1
    投稿日: 2024.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この物語はスッキリして片がつく。小山内さんが瓜野くんを論破してスッキリ。氷谷くんかぁでスッキリ。怪しすぎ笑。小山内さんと小鳩くん、遠回りしたねでスッキリ。仲丸さんの存在意義がわかってスッキリ。

    30
    投稿日: 2024.08.14
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    下巻は一気に読みました。 犯人は誰か、そして小山内さんと小鳩くんがどう動いたのか。 瓜野くんはヒントがあったのになぜ見過ごしたんだろうなぁ。 「船戸高校に自分の足跡を残したい!」がために、 一生懸命犯人探しをしていただとは思うのだけど、 ちょっと俯瞰できなかったのが無念さが残る。 人間は目標があると、まわりが見えなくなるっていうのを改めて感じた。 だから犯人の決めつけはよくないね。 小山内さんは復讐するのだから気をつけないととも思った(笑) 小鳩くんの推理力も発揮してる。 自分も気づかなかった部分があって「そういうことかぁ」とハッとする。 あとは周りの人を巻き込む力。嫌じゃないね。協力したくなる。 完結までの伏線回収、推理を模索しつつ楽しめました。 二人がもとに戻って良かったなぁ。

    4
    投稿日: 2024.08.14
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    夏季限定を読んでから、 一体これからどーなるんだ⁈と思ってたので 読み終わってホッとした。 たったひとり、わかってくれる人がそばにいれば充分なのだ その一文を読めただけで 私は充分でした。 2人の未来をも少し見てみたい! 続編読むのが楽しみです。

    3
    投稿日: 2024.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    また2人の関係が戻り「こうでなくっちゃ!!!」と嬉しい気持ちに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ? 解説=辻真先

    1
    投稿日: 2024.08.08
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    下巻の解決編は夢中になりすぎて一瞬で読了。 伏線もしっかり回収されてて期待通りの面白さ。 最後の1行に小市民シリーズの良さが詰まってる。

    2
    投稿日: 2024.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後いつもの2人に戻って安心した。やっぱりこの2人がいい! 犯人は途中でわかり、予想通り。 仲丸さんがどう絡んでくるのかわからなくて、あれこれ考えたが、関係なかった笑

    5
    投稿日: 2024.07.29
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    『小市民シリーズ』第三弾の下巻。 小鳩と推理力でまたもや犯人逮捕に繋がったし、小佐内はしっかり復讐を果たしていた。 結局瓜野は踊らされてただけ? 小鳩と小佐内の互恵関係も復活して益々続きが楽しみです。 いや互恵関係どころか恋人関係になったのか? 次は冬季という事でラストになるのかもしれません。 二人の関係がどうなっていくのか気になります。

    29
    投稿日: 2024.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯人はそやろって思っていても、どう小山内さんが関わっているのかに、わくわくしながら一気読み。仲丸さんも関わっているのかと思った点は完全にハズレ。早く冬季限定読みたい。 二組のカップルの描写がシュールでそれも面白い点の一つ。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    結局上下巻あわせて2日で読了。先が気になって最後まで読んでしまうというのはなかなかないので、とてもハマっていたのだろう。 シリーズ3作品目でキャラクターが立っていることもあり、いい感じの作品だなと思う。キャラクタ設定が読者を選ぶところもあるが、ミステリとしてもよくできた作品。

    0
    投稿日: 2024.07.22
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    遂に結末を迎える連続放火事件の真相 犯人は誰なのか、小佐内さんは事件にどう 関わっているのか、そして、1番の注目ポイントは、常悟朗と小佐内さんの関係は復活するのか そこが見どころです。 瓜野くんのワンマン感が事件に繋がったと言われても仕方がありません。 私は読んでて、最初はあまり瓜野くんのことがあまり好きになれませんでした。 でも、最後の小佐内さんとの、会話の部分で、少し可哀想だなと共感する部分もありました。

    37
    投稿日: 2024.07.21
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    秋期ではお互いに離れて、別の人とも付き合ってみたことでかえってお互いのよさに気づいた感じ。お互いにそれまでの感想を言ってるところがよかった。 放火魔事件ももちろん面白かったのだけど、マロングラッセと栗きんとんを工程から2人の性質に例えているところがおもしろい。 できる人から見たら、せめてできるところに気づいてくれる人じゃないとそりゃ楽しくないでしょうねと思う。

    27
    投稿日: 2024.07.18
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    下巻は怒涛の解決編。 ある程度予測はついたけど、なるほどそういうからくりだったのねと納得。 いろんな側面(新聞部と小鳩くんと小山内さん)での謎が一気に解けて楽しかった。 瓜野くんがちょっとかわいそうだったけど…! 夏期限定で離れた2人が最後またくっついたわけでこれからどうなるのかな?巴里マカロンの謎も早く読みたいな〜

    1
    投稿日: 2024.07.11
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    小鳩くんの知恵働きが見られたのと小佐内さんとの互恵関係が復活したことが嬉しい。お互いが必要だけど恋人にはならないのがやっぱりこの2人。 気がつけばこのシリーズもあと2冊。読み終わってしまうのが寂しい。

    1
    投稿日: 2024.07.07
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    SL 2024.6.23-2024.6.25 二人は落ち着くところに落ち着いたというかんじでしょうか。それにしても瓜野くんがちとかわいそう。とても小山内ゆきには太刀打ちできまい。

    1
    投稿日: 2024.06.25
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    上巻を読み終えた時点で、もし犯人が小佐内さんでない場合は誰だろうか?と思っていた。そしてまさかこんな結果に終わるとは。 恐るべし、小佐内さん。そして、やはり食べたい、栗きんとん。

    1
    投稿日: 2024.06.22
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    ホント何なのこの二人。 別の人と付き合ったことで互いの必要性を知る…ってもうそれはそういうことでは?? と思いつつも、一筋縄でいかないのが小鳩と小佐内のコンビだもんね。 厄介なキャラだけど嫌いじゃないんだよなあ。 寧ろもっと見たいとすら思う。 特に小鳩の心情描写が最高で、動揺のあまり放火事件云々が頭から吹っ飛びました。 こんな甘苦い青春ミステリーに仕上がっていたなんてホント予想外。

    2
    投稿日: 2024.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アニメになるのでシリーズ(『冬期限定ボンボンショコラ事件』はまだ)一気読みしました。 高校生の他愛ない事件簿?ぐらいに思っていましたがさすが米澤さん!「小市民」になりたい(←このキーワードがすっごく重要!)小鳩常悟朗と小山内ゆきの暗躍が魅力的でした。ダークヒーローって感じかな。 『栗きんとん』の瓜野くん、つくづくお気の毒。と思いながら小山内さんの復讐が小気味良かった。

    1
    投稿日: 2024.06.18
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    久しぶりに読み返した。 小市民シリーズの中で一番ページを捲る手が覚束なくなるお話だ。 タイトルの栗きんとんみたいに、甘く美味しいのにどこかほろ苦い味わい。 青春は、きっと苦々しいものなのだろう。

    0
    投稿日: 2024.06.15
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    Amazonの紹介より ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ? 下巻ということで、軸となる放火事件の犯人が誰なのか?が明らかになります。 犯人もさることながら、小山内の冷たさやミステリアスさが際立っていました。全シリーズ読みましたが、一番エッジが効いていました。 犯人確定に至るまでのミスリードや最後の小山内と小鳩の 2人のやり取りが、ミステリーとしての面白さがあり、ゾワっとしたなんとも言えない気味悪さもありました。 文章を読む限りでは、学園っぽさの残る青春がありつつ、ミステリーを味わえましたが、その奥に潜む登場人物の心情、特に小山内の感情が、後を引く恐怖さを演出していて、一味も二味もあった作品でした。

    4
    投稿日: 2024.06.13
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    読めば読むほどこのシリーズにハマっていきます。 本当に面白い。ツッコミどころは満載ですが、愛すべき作品というか、ほのぼのとライトに、でも高校生にしては背伸びした事件の真相もまた気になって、全てを楽しんでいました。 小市民というのは、自分のアクをとること。確かにそんな時あるよなって思います。自分のプライドというか、変なこだわりや嗜好を捨てたらもっと生きやすいのにと思いつつ、それを捨てたら面白くないという事に気づいて結局変われないという事も。失恋や挫折などを通して、自分も成長していって、登場人物達も高校生らしく成長していっている。そこも読んでいて面白いポイントです。 次の冬で終わりかぁ。少し寂しいから、一気読みはせず、終わらせる覚悟ができた時、読む事にします。僕はこのシリーズのファンです

    1
    投稿日: 2024.06.05
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     上巻続き。小鳩が少しずつ真相に近づきつつある中、どの様な展開になっていくのか。気持ちはサスペンススリラーを読んでる気分だ(笑)  疑わしい夏  小鳩を理解できるのは誰なんだろう、そして、小山内さんの素顔も誰も知る事はない。放火事件、ファイアーマンに近づきつつある新聞部の瓜野だが、所々で小山内さんが登場する。瓜野はまだ小山内さんの中の狼を知らない。ある意味暴走していく瓜野とそれに気付きつつ行動を進める小鳩と健吾。期間は台風、誰しもが今月は放火事件は発生しないと考えていたが。  ある意味で小鳩君も恐ろしい存在である事を気付かされた物語。謎は多くないが、今作の転換点になる様な作品。  真夏の夜  放火事件の真相に迫る1話。瓜野が追ってきた真相と小鳩、健吾が掴んだ真実。そして小山内さんはどの様にこの事件に関わっているのか。  瓜野と小山内さんのやりとりは見ていて圧倒的な差がある様に見えてしまった。彼がたどり着いた推理がどうあれ、きっと小山内さんは満足しなかった事だろう。  そして今回の連続放火事件の真相、トリックは素晴らしい。いきなりミステリー作家の米澤穂信が現れた印象だ。放火の共通性とその真相、そして今作までの伏線は見事だと言える。  最後、小鳩君と小山内さんが邂逅するが、まあ、似た物通しだなと(笑)。小山内さんもはっきりしているが、果たして彼女が満足する様な白馬の王子様が現れるのだろうか(笑)  ふたたびの秋  二人仲良く栗きんとんを堪能する小鳩君と小山内さん。他愛もないエンドロールかと思いきや、小鳩君が衝撃的な推理を披露する。  小山内さんは今作でどんな復讐を果たしたのか。この理由でこんな恐ろしい目に遭うのかと小山内さんの恐ろしさを知っている小鳩君でなければ誰も気付けないだろう。そして、冒頭で感じた様に今作はサスペンススリラーだった(笑)

    9
    投稿日: 2024.05.31
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    やっぱり青春ミステリーって感じで、謎を解決しつつ青春してるところが一番好きなんだーってなった おさないさんが犯人だと思える伏線ばっかり貼っておいて、そっちかぁってなったし、復讐の理由がキスされそうになったなのもよかったなぁ

    3
    投稿日: 2024.05.29
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    ああ、やっと。 やっと彼らは私が望んだ結論に辿り着いたみたい。 やっと常悟朗とも友達になれる気がする。 たった1人の理解者がいればいい。 いい距離感の友達が増えればもっといいと私は思う。 でも、常悟朗とゆきちゃんぐらい理解しあって信頼(………信用かな?)しあってる絶対的相手がいるならその他の友人の重要度合いが下がるのはまあ仕方ないのかな。 一気読みをしてて、ここんとこ意識が1/3程ずっと木良市にある気がする。笑 米澤穂信さんの描く作品が好きなのはこういうところ、ただ読んでるだけじゃなくてその世界を生きてる感じがするし、キャラじゃなくて人間に触れてる気がする。 だから私にとっては他のどの作家さんの作品より生々しくて、暖かい。 米澤さんの作品を何度も読み返してしまうのはきっとそのせいね。 ここからは感想でもなく、もちろん評論でもなく、ただ、私が常悟朗とゆきちゃんと話せるならこんな風に話しかけるかなっていうメモ書き。 ねぇゆきちゃん、ゆきちゃんにとってのベストは常悟朗じゃないって言ったけど、多分そんなことも無いよ。 彼はゆきちゃんがどれだけ隠してもゆきちゃんの中身を見てる。 狼の部分を。 だけどね、常悟朗から見るゆきちゃんは何考えてるかたまに分からないけど、とても可愛いのよ。 瓜野くんから見るゆきちゃんよりずっとずっと可愛い。 常悟朗がゆきちゃんを可愛いと思えてるかは別としてね。 ねぇ常悟朗、私はあなたたちの会話が大好きなの。 貴方は確かにゆきちゃんに少し甘えすぎてるけど、でもそれってね、悪いことじゃないと思うの。 自分を偽らずに会話が出来る相手って本当に少ないのよ。 貴方は私が思ってたよりずっと物事への興味関心が薄いし、人間関係は希薄なのね。 でもゆきちゃんのこと、大切には思ってるでしょう。 貴方にとってそれがどれだけの一大事か、貴方が本当に分かってるといいのだけど。 次は簡単にゆきちゃんの手を放しちゃ駄目よ。 貴方のためにもね。 あと、健吾とみたいな関係も、本当に貴重で素敵な関係なんだからね。 貴方は健吾が苦手なんじゃないと思うよ。 やりにくいのよ。 だからね、もっと大人になったら、本当に素敵な友達になれると思うの。 まだ手を放しちゃ駄目よ。 大事にしすぎなくていいから、無理に遠ざけようとしないで。 先輩からの忠告。 あ、そういえば2人とももう少しで卒業ね。 高校生活、楽しんでね。

    0
    投稿日: 2024.05.27
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    前作「夏季限定トロピカルパフェ事件」で“互恵関係”を解消した小鳩常悟朗と小佐内ゆき。高校2年になった二人は、それぞれ異性と付き合い始める。そんなおり、市内ではあいついで放火事件が発生。小佐内の恋人となった新聞部1年生の瓜野は、放火事件の共通点を見い出し、校内新聞紙上で犯行を予測するのだが… メインストーリーである放火事件は、ミスリードを効かせているものの、真相は想定の範囲内でやや拍子抜け。一方、学園ものならではのボーイミーツガールあり、部活動内の対立あり、恋愛関係含んだかけひきありで、人間ドラマは楽しめた。〈小市民〉の二人よりも、新聞部長堂島のキャラクターが男気あって好感度高い。 “らしさ”溢れる最後の一撃も強烈。あの人が無事立ち直れると良いけど… 甘いものと復讐を愛する小佐内ゆき。目指す生き方を栗きんとんのレシピに例えるくだりもよき。 作者によると春夏秋が“序破急”の構図で描かれたという本〈小市民〉シリーズ。次の“冬”は一体どういう展開を迎えるのか?期待したい。 このミステリーがすごい! 10位 本格ミステリ・ベスト10 11位 ミステリが読みたい! 13位 〈小市民〉シリーズ 1.春季限定いちごタルト事件 2.夏季限定トロピカルパフェ事件 3.秋季限定栗きんとん事件 4.巴里マカロンの謎 5.冬季限定ボンボンショコラ事件

    17
    投稿日: 2024.05.25