
総合評価
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powered by ブクログ西村寿行『わが魂、久遠(とわ)の闇に』徳間文庫。 壮絶な復讐劇を描いたハードロマン。恐らく、ピアズ・ポール・リードの『生存者』、或いは映画『アンデスの聖餐』からヒントを得たのであろう。西村寿行らしい、なかなかハードな内容だった。 主人公の出雲の妻子が搭乗したセスナ機が、北アルプス上空で遭難する。出雲の娘を除く、乗客全員の命は助かったのだが…遭難したセスナ機の中で繰り広げられた6人の男女による鬼畜の如き所業…妻子を失った出雲は復讐の鬼と化す。 1978年に刊行された作品。昔は当たり前のように本屋の棚に西村寿行作品が並んでいたものだが、最近では再刊された数冊を見掛ける程度。古本屋でも西村寿行作品は余り見掛けなくなった。面白い作品がたくさんあるのに、なんとも寂しい限り。
0投稿日: 2017.07.04映像化不可能の復讐劇
最初に警告する。本作は映像化不可能である。倫理面をはじめとするあらゆるガイドラインに抵触してしまうからだ。 動物を解剖実験した直後にコンビーフを食せるくらいの傲岸さがないと読破は厳しい。 西村寿行氏が描く復讐劇は、ときを経ても巷間の評価が高い。文章に迫真性があり、一種の呪力があるからだ。作者が他界しても、文章にその魂が久遠の彷徨を続けている。 弱者が金城鉄壁に挑む姿は、ときに感動を生む。本作でも金城鉄壁が登場する。鷲が無造作に雀を握りつぶすように、弱者を何とも思わない特権階級に対して、主人公が遠慮会釈なく切り込んでいく。 類作が極めて少ない凄惨な事件(テーマ)に端を発している。復讐は、目には目を、が基本。必然的に復讐の終焉は凄惨を極めることになる。 死界に続く深いしじまを目撃してしまい、心に骨鳴りのするような烈しい震えを覚えるだろう。 人物の心理面まで眼光紙背に徹する目で読んだ。だが、主人公に対する共感は湧かなかった。凡作なのか……。 そうではない。倒錯の世界に自失呆然としてしまったのだ。主人公には、共感ではなく憐憫の情が湧いた。 ――ここまで生々しくレビューしても読破に挑戦したいというツワモノはいるだろうか……。 作品自体は★4つ、禁断のテーマに挑戦した作者の意欲に敬意を表して★1つを加点し、満点とした。
2投稿日: 2013.11.23
