【感想】仏像とお寺の解剖図鑑

スタジオワーク / エクスナレッジ
(7件のレビュー)

総合評価:

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    仏像の基本:印相、目、座り方、立像と坐像
    本書は、仏像を構成する基本的な要素、例えば手指の形(印相)が仏の心や力を示すこと、仏像の目の表現がその役割や内面を物語ること、坐像の足の組み方や立像・坐像の違いが持つ意味を解説します。如来、菩薩、明王といった仏の種類によって異なる目の向きや表情、坐り方、そして立つ姿と座る姿それぞれの象徴性が、仏教の世界観を理解する上で重要な手がかりとなることを示しています。

    仏教宇宙観の具現:須弥山と伽藍配置
    寺院の構造全体が仏教の世界観、特に世界の中心にそびえる須弥山を中心とした宇宙構造を表現していることを解説します。山門から本堂に至る道筋、そしてお堂の建物、床、壁、天井のすべての要素が仏の世界を作り出すための象徴的な意味を持つことを説明し、須弥山の上空に広がる仏の世界と、それを守護する天部の存在を示唆します。

    如来の世界:悟りを開いた仏たちの多様な表現
    悟りを開いた仏である如来、特に釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来に焦点を当て、それぞれの如来に関連する寺院、表現形式、そして象徴的な意味合いを解説します。釈迦如来の現世仏としての姿、阿弥陀如来の極楽浄土への導き、薬師如来の浄瑠璃世界、大日如来の密教における重要性など、多様な如来とその役割を詳細に説明します。

    菩薩の世界:救済と慈悲の化身
    まだ悟りに至らないものの、修行しながら人々を救済する菩薩、特に観音菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩を取り上げ、それぞれの菩薩が持つ特徴的な姿や役割、そして人々に与えるご利益について解説します。十一面観音の多様な顔、馬頭観音の忿怒相、知恵を司る文殊菩薩、地獄の衆生を救う地蔵菩薩など、菩薩の多様な側面を紹介します。

    明王と天部の世界:仏界の守護者たち
    如来の教えに従わない者を力ずくで導く明王、特に不動明王と愛染明王について、その怒りの表情や持つ武具が示す意味、そして人々に与えるご利益を解説します。また、仏界の守護神である天部、例えば梵天・帝釈天、四天王、十二神将、弁才天、大黒天など、それぞれの神々が持つ役割や特徴、そして仏教における位置づけを説明します。

    多様な信仰対象:聖と俗の融合
    仏像だけでなく、民衆の信仰を集めた様々な存在、例えば空也上人像や即身仏を取り上げ、その姿や信仰の背景にある意味合いを解説します。特に、民衆救済のために厳しい修行を行った空也上人や即身仏の存在は、人々の信仰心や救済への願いを象徴していることを示唆します。

    仏像の制作技法と寺院空間の解釈
    仏像がどのように作られるか、その主な技法である木造(一木造、寄木造)、磨崖仏、そして内ぐりといった技法が持つ意味を解説します。最後に、寺院の空間全体、特に床が現世、天井が仏の世界を表すといった建築要素にも仏教の世界観が表現されていることを示し、仏像やお寺の様々な要素を深く観察することで、より深く仏教の世界観を理解する方法を提示します。
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    投稿日:2025.05.16

  • dramaticseimei

    dramaticseimei

    むちゃくちゃわかりやすい!仏像の名前の違いすら把握していなかったのがよくわかるようになった。本当に無数に仏像ってあるよなと感心させられる。しかし、その一つ一つに意味があるとわかると仏像を見る目もかわってくる。日常として日頃からあると思っているからこそ、そこの意味をわかるようになったほうが楽しくなるっていうのを知れた気がする続きを読む

    投稿日:2025.01.31

  • arafunesan

    arafunesan

    2018/09/07:読了
    面白かった。
    仏像が全部手書きのイラストなんで、どんな仏像か分かりにくかったので、自分でネットで調べながら確認したのもあった。

    投稿日:2018.09.09

  • リカ

    リカ

    全国各地のお寺に見られる仏像と寺院建築の解説。
    仏像の見分け方や寺院建築の見方が紹介されています。
    如来、菩薩、明王、天部といった仏像の種類は、よくまとめられていますが、寺院建築の細部装飾などについて初心者向けにまとめられている本はあまり見ないため、参考になります。

    寺院や伽藍は仏の世界を表現するための舞台装置という紹介のもと、なぜこの仏像がこの空間に置かれているのか、その理由がわかることで、すべてが一体となった仏教世界が初めて理解できるようになります。
    それは仏教世界の体系的な理解につながります。

    博物館などで仏像のみを鑑賞する機会も多くありますが、やはりその仏像が安置されているお寺で拝観するのが一番。そこに流れる独特の空気とともに、仏教の世界観を体感できることでしょう。

    全編を通じて掲載されている仏像や寺院のイラストは、武蔵美術大学卒業生のグループ「スタジオワーク」によるもの。
    続きを読む

    投稿日:2018.06.01

  • noire

    noire

    長いことちょいちょい読んでいたのが、やっとのことで読み終わったという感じです。やっと前に進めます。

    しぐさやポーズなどから、ささやかにうかがい知れる仏像の思い。こちらが読み取る力あってこそなのだと思うと、そういう部分が知れてよかったです。続きを読む

    投稿日:2018.04.21

  • kwtms

    kwtms

    仏像とお寺、その意匠にこんなにも多くの意味付けがあったとは! お寺への興味が増していく毎に自身の年を感じてしまう反面、この本を片手に寺々を巡りたくなる。好奇心を駆り立てる一冊でした。

    投稿日:2018.04.07

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