【感想】アイドルだった君へ(新潮文庫)

小林早代子 / 新潮文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
2
5
5
2
1

ブクログレビュー

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  • ようちゃん

    ようちゃん

    このレビューはネタバレを含みます

    「アイドルだった君へ」少し前に購入して時間がある時に読もうと思いながら、数ヶ月。ようやく読了。私も某ジャニーズを学生時代から応援しています。アイドルである側とファンとして応援する側。両者の心情が思わず、うん、わかると思ってしまうくらいぐっと物語へ、引き込まれて面白かったです。私は改めて日々の彩の一つでミュージシャンや,俳優さんに元気を貰っていること。辛い時も笑顔で頑張られている。そんな推し達の幸せをファンとして心で願って穏やかに応援したいなと感じた小説です。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2025.06.07

  • チホウザイセイ

    チホウザイセイ

    短編5本、短編が故にちょっと展開を詰め込み過ぎに思えたものはあったものの、それぞれの登場人物「アイドル」像はどれも各人の内面の現れで面白く感じられた。
    解説にもあったけれど、短編の順番が何となくその前の話を意識させられる感じで良かった。続きを読む

    投稿日:2025.05.27

  • めいご

    めいご

    このレビューはネタバレを含みます

    どの話もあんまり登場人物に共感できなかったな…てか色々生々しくて好きじゃないなーって思いながら読んでた
    最後の話、主人公が無銭オタク(CDとかグッズ買わないけどライブには行く)なのも現実でその是非をTwitterで見たな、と思い出してモヤっとした
    でも確かにCD買わなきゃ、ブログ読まなきゃ、って義務的になると辛く感じることは私もあるな…
    オタクは仕事じゃないんだからスキャンダル出ても傷つかないくらい浅く推すくらいがちょうどいいってのも確かにな…と思わされた

    ちなみにアイドルのライブで遠征した帰りの新幹線で読んでた

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    投稿日:2025.05.25

  • Pennybe

    Pennybe

    ★2.1
    アイドルとは、一人では埋められない空洞に与えられた名前なのかもしれない。

    本書は短編のかたちを借りて、その空洞を何度も覗き込む。たとえば、薄暗い押し入れの奥でひとり延々と自撮りを続けているような、孤独と没入のまなざし。
    欲望や執着、愛情が注がれ、空洞を満たす器が、アイドルだ。

    もっと笑ってほしい、もっと泣いてほしい。それは全て、自分の空洞を埋めるための願望にすぎない。

    アイドルに自己を投影する少女。
    アイドルの家族を背負い、自分を持て余す人。
    アイドルを見つめることで、自分がどうしようもなく「空」だったと気づいてしまう女性。
    そこに通底しているのは、誰かを強く想うほど自分自身の空虚や嫌悪と向き合わされるような、静かな激情だ。あまりに静かで、気づかないふりができてしまうほどに。

    "ただのファンでも、ただの友達でもない、ただ「私が見ている」"という、どこまでも主観的で、偏って、濁った感情。その目線は鋭く、狂っていて、でもどこか、とても真っ当だった。
    濁ったままの感情が透明に見えるとき、人はそれを「好き」と錯覚してしまうのかもしれない。

    一見すると何も起きていないようでいて、気づけば行間に泥のような感情が詰まっている。あるいは、何も起きていないと見せかけ、すべてを起こしているのか。
    すべてが逆説的に光り、読者を困惑させる余白の使い方は知的な美しさであり、ある種の暴力である。

    アイドルだった君へ。
    これは、私たち自身へ宛てた手紙なのだろう。
    続きを読む

    投稿日:2025.05.07

  • 2186883番目の読書家

    2186883番目の読書家

    このレビューはネタバレを含みます

    ちょっと面白い話と、さして印象に残らない話が混じってた。
    長編にしたらもっと面白いだろうなと思う話もいくつかあった。
    辻村深月さんが選考委員としてコメントしているのを見て購入を決めたけれど、辻村深月さんっぽかった‥生々しさと、トゲトゲとした感情?が苦しいくらい伝わってくる感じ。
    R-18文学賞読者賞を取ったとのことで、初めてこの賞を知った。調べてみたら、女性の作家さんが書く、大人の女性に向けた本とのこと。
    私にピッタリ!!!ここの本もたくさん読んでみようかなと思った。

    作品について、それぞれ感想。
    ◯くたばれ地下アイドル
    これは、あんまり好きじゃない‥ずっと気持ち悪いし、胸糞悪い。

    ◯犬は吠えるがアイドルは続く
    タイトルを書きながら、タイトルと作品のつながりが全然わからなかったな‥と気づいた。笑
    アイドルとして才能がある希さんの方が、一般人への憧れがあって、極力高校に通おうとしたり、大学に通ったり、恋愛をしていた一方で、本気でアイドルに向き合っていて、アイドル以外の何も得られなかった女性は結局希さんに負ける‥
    だも、希さん側の苦悩も書かれていて、どっちも不幸なのかな‥と思った。
    この切なさがすごく伝わってきてよかった。

    ◯君の好きな顔
    女友達が本当に好きで、その子に近づくために、はたから見たらアホみたいな努力を頑張ってする、その女の子の苦しい感情が伝わってきて良かった。
    これは、アイドルよりも、女性同士の関係に焦点が当てられていた印象

    ◯アイドルの子どもたち
    元同じアイドルの子供達同士の恋愛なんて、ゴシップとしてはとんでもないネタで、なんだが遠いことのように感じちゃうけど、高校生が普通に出会って、なんとなくそういう関係になって、デート行って、エッチなことして、写真撮って‥って、高校生が普通の恋愛してるだけなんだよなあと思った。
    性の部分に焦点が当てられすぎていた気はするけど、日常感を出すエッセンスだったんだと思う。
    面白かった。

    ◯寄る辺なくはない私たちの日常生活にアイドルがいるということ
    これは推しがいる人しかわからない感情だなと思う。
    この女性は、推しを浅く好きだったはずなのに、アンチコメを見ただけで仕事を早退させられるほど病んで、自分が意外とアイドルにハマっていたと知るという話。
    私は、ケーポップの女性アイドルが好きで、この女性と同じで、推しのためにお金を落とすこともしない。
    でも、私はお金を落とさない分、推しに熱愛が出ても、病まないし(そもそも私が異性愛者だし)、推しはよく叩かれているけど何も思わない。
    私は、実はオタクじゃないのかな?と思った。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2025.04.26

  • 斜

    現代社会は「推し」という言葉で溢れています。あれもこれも「推し」と一つの言葉にくくられて、いつからか、「推し」や「推し活」が商品のように消費されている現代にある意味ピッタリと言える作品だと思います。こんなことを綴っている自分もちゃっかり「推し」というものがいるので、この本はしっかり心に刺さりました。特に、最後の短編での「推しにお金をかけているオタクと推しに入れ込みすぎていないオタク、どちらが推しに対して誠実なのか」という疑問は、うわ、と思いましたし、自分の推し活という一つの消費への向き合い方を考え直すきっかけになりました。推しがいる人、推し活をしている人にこそ読んでほしい一冊です。続きを読む

    投稿日:2025.04.22

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