【感想】口外禁止

冴えない学生生活を送ってた男性がある日プロデューサーなる主からメールが届いて人生をAI活用してプロデュースして貰って好転して行くのだが、最後はトラブルに巻き込まれる物語。必ず当たり馬券を買う詐欺師と同…じ手口なのは予想が付いたが続きが気になって一気に読めた。続きを読む

Amazonの紹介より
突然届いた一通のメール――人生逆転の方法は「口外禁止」!?
共感！疑惑!? 驚愕！ 圧巻の長編ミステリー
パッとしない大学生の元に突然、「プロデュース通りに行動すれば、人生うま…くいく。」というメールが届く。　半信半疑で従った結果、彼の日常は急速に好転し始めるが、ある日不可解な事件に巻き込まれて……。



中盤までは、「これって恋愛小説じゃん」と思うくらい、ミステリーではない展開で驚きでした。
謎のメールに返信し、謎のイヤホンを手に入れるのですが、それはAIアドバイザーに指示されながら、付き合うまでの模様が描かれています。

偶然を装って、女性に近づき、口説いていく。本の表紙から想像するイメージとは違っていたので、謎だったのですが、中盤からは一気に雰囲気が変わります。
次第に犯罪のニオイが漂っていき…意外な展開が次々とくるので面白かったです。

AIアドバイザーの謎や事件の真相など、読めば読むほど、全然違う「色」が漂っていくので、その落差が印象的で面白かったです。
SNSの恐怖や自然と犯罪に巻き込まれることの危うさを感じた作品でもありました。

おいしい話には必ず裏がある。冷静に考えれば変な要素ばかりでしたが、それを紐解いていく面白さもありましたし、それが解決された時の安堵感や気をつけようという注意喚起も個人的にあったので、参考になりました。

後半は、ミステリー要素満載で、恋愛とは違った面白さがありましたし、意外な人物が犯行に加わっていたということで驚きもあって、一度で二度楽しめる小説でした。続きを読む

　どこかで推薦されてた本なので手に取ったが、。仕掛けにちょっとした工夫があるだけで、人物や会話に特に真新しいところがあるわけではないエンタメ小説だった

誰かに縋りたい頼りたいと思っていたらハマりそう。自分のことはどれだけ悩んでも、自分が結論を出さないとね。

新聞のいちおしミステリーとして紹介されていて、気になっていたので下村敦史作品を初読み。

大学生の金崎恵介のもとに届いた1通のメール。

『あなたの人生、プロデュースします』

スーパーAI『AIザム…』を相棒にした私のプロデュース通りに行動すれば、人生うまくいくという。『AIザム』の“力”を証明するとして予知されたサッカーの試合結果が、次々と的中するのを目の当たりにし、半信半疑ながらもプロデュースを受けることに…

日常生活を全て指示通りに動くというのは普通にはちょっと考えられないけど、指示役ロペの話す内容1つ1つに説得力があることと、また、テンポ良く読ませてくれるので違和感なく話に引き込まれた。

ストーリー後半は一転してスリリングな展開になり、一気読み間違いなし。

最後に、ロペの助言で共感した言葉。
《余裕のなさは周りに伝わるからね。余裕がない人間には誰しも近づきたくないものだよ。まずは自分が行動を変えよう。自分が変われば周りも変わる。周りが変われば自分も変わる。好循環だよ》続きを読む

面白かったぁ。一気読み。
以前読んだ「同性同名」もよかったけど、こちらもＳＮＳの現状がとてもうまく描かれていて興味深かった。

印象に残ったロペの言葉。
イケメンではない自分にはお洒落を頑張る意味はな…いという恵介に、
「ＳＮＳの悪意で“呪い”がかかっちゃったか」と。
何に対しても批判があふれている。
自分が純粋に楽しんでいたことに対するマイナスな意見や暴言じみた批判を目にして、気持ちがふっと冷めたり、それをいいと思っていた自分が恥ずかしくなってしまったり。経験あるなぁ。
「声が大きいだけの人間の悪意に負けないようにしよう」だって。本当にそう。言ってるのはほんの一部の人だけなんだから。

ストーリーも良かった。
こうやって人の心は操られていくんだな。続きを読む