【感想】笑う森

荻原浩 / 新潮社
(178件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
57
76
34
4
0

ブクログレビュー

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  • ak

    ak

    このレビューはネタバレを含みます

    神森で1週間迷子になった5歳児の真人がどのように過ごしていたのかを解明していく話。ASDの障害がある真人は言葉もまだ未発達だが、森から帰ってきたときには体重もほとんど減ってなく母の岬や叔父の冬也がきいてもくまさんに会ったとしかいわない。
    物語の中ではそれぞれ違う事情で神森を訪れていたデパート店員の松元、キャンパーの拓馬、元組員の谷島、教師の畠山との様子が描かれているが、真人の感受性豊かで臆せず接して会う人に魅力的に思わせるそのふるまいは、迷子になったと思えないほどたくましく、強いなと思った。

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    投稿日:2025.06.19

  • uchineko

    uchineko

    神森で5歳のASD児・真人が行方不明になった。無事に保護されるが「クマさんが助けてくれた」と語るのみ。真人の叔父・冬也の懸命な調査で、4人の男女と一緒にいたことは判明するが…。

    中央公論文芸賞作。ASDの5歳児の言葉から森で行方不明だった1週間の謎を叔父らが解いていく。小説としてはそれほど新しい手法ではないような気がするけれど、1つ1つのピースが埋まっていくところは面白い。ミステリーのようなファンタジーのような不思議な作品で、451ページを一気読み。
    (B)
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    投稿日:2025.06.19

  • genpa3

    genpa3

    ASDで5歳の子どもが、森の中で1週間迷子になる。衰弱もせず無事帰還したが、クマさんに助けてもらったとしか言わない。一体彼は1週間どう過ごしたのか、クマさんとは誰なのか、謎解きのように先が気になって仕方ない。

    子どもが迷子になった同じ時、それぞれの事情があり森にいた大人4人。彼らの生き方や、森に向かうことになった背景と感情などの人間模様も面白くて一気に読んだ。

    幼い子は、誰しも守ってあげたいと純粋な気持ちにさせる天真爛漫な弱い存在。一方で、物怖じしないたくましさや生きる力を自分で身につけていく様子には目を見張る。フィクションだけれど、ASDの子どももそうでない子も過保護に育てるのではなく、多様な人と触れ合うことで、真似っこして遊んだり苦手ものを克服したり豊かな経験となって、成長していくのだなぁと思った。大人達も子どもために、自らの行動を正したり、心洗われたり、子どもに刺激をもらって前を向いて生きるのだな。

    夜の真っ暗な森のイメージがうすら怖い印象だったけれど、書評で評価が高かっただけあり、はらはらする面白しろさ、意外性のある展開、ほっとする結末で、完璧な起承転結!エンタメとして大変楽しんだ。
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    投稿日:2025.06.18

  • soramam

    soramam

    荻原さんの作品は初めてです。
    見出しを読んで以前から
    とても読みたかった本です。

    雰囲気は少し怖い感じがあるかと思いきや、
    ミステリーだけど
    あったかくて優しいお話でした。

    なんといっても、天使のようなかわいい真人が、発する言葉や行動が本当に可愛くて、どんどん成長する様子が愛おしいです。
    それから
    森の中で迷子になって、そこで出会う大人たちもみんな、やっていることは本当に良くないことだらけなんだけど何故か真人くんの
    存在がほんわかあったかくして
    みんなの心を優しくしてしまう。

    人はみんないろいろあって
    ゆがんだり、間違えたり
    傷つけたりするけど
    向かう相手が純粋なら
    本質の根底にある部分も
    まだ
    温かいのかもしれないなと
    思いました。

    たくましくて温かい母や親身になって守ってくれる叔父さん
    のもと真人くんはきっとすくすく育っていくのでしょうね。
    私も
    すっかり真人くんの
    ファンになってしまいました。
    最後はなんともファンタジーで
    素敵なお話でした。
    続きを読む

    投稿日:2025.06.18

  • Rita

    Rita

    神森で1週間行方不明になっていた5歳の真人の空白の1週間を調べる話。何故怪我なく元気に保護されたのか、誰といたのか、という謎が真人の変化と繋がり深い森に入り込む。人間の傲慢さにうんざりすると共に、真人にはこんな風にならず育ってほしいと願う。読了感が良かった。続きを読む

    投稿日:2025.06.16

  • 門哉彗遥

    門哉彗遥

    いやぁ〜楽しかった。ひさびさの荻原浩さんの作品が読めて大満足。
    発達障害の子どもが森の中で迷子になって1週間後に発見される。その1週間の間に、人を殺してその遺体を埋めにきた人、ソロキャンプのユーチューバー、自殺に来た先生、組の金を運んで逃げてきたヤクザ、などなどいろんな人に出会って、1週間生き延びるって話。そして五人目に出会った人が、まあなんと!
    塩田武士さんの「踊りつかれて」でSNSのことが描かれているけど、この小説にも、その大罪が書かれている。
    続きを読む

    投稿日:2025.06.16

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