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佐伯泰英 / 光文社文庫 (1件のレビュー)
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浩太
単発の書き下ろしで、三味線職人の成長物語。 タイトルの「竈稲荷の猫」は、稲荷神社に住み着く野良猫で代々(?)大事にされてきた猫。 三味線に貼る猫皮は黒猫のオスが最適とかで、今いる竈稲荷の猫も丁度その対…象となり一騒動が起きる。 主人公の14歳の娘と三味線の棹だけ作る父親のもとに、弟弟子の若い職人が親方から修行の為に派遣される。最高級の材料を元に、親方しかできない全行程を一人で作ることになった若い職人。 娘と竈稲荷の猫に励まされ、三味線の完成に取り組む。 この14歳の娘が何でもできるし、的確な助言も次々と行って行く。佐伯作品では強い女性が付き物。二人の恋の行方も娘が主導権を持っているようだ。 若干の騒動はあるものの、剣術の場面は少なく、市井の出来事を丹念に描いた作品。単発では「出絞と花かんざし」に近い職人もの。続きを読む
投稿日:2023.06.15
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