春暮康一 / ハヤカワ文庫JA (6件のレビュー)
レビューを書く
商品詳細ページへ戻る
総合評価:
"powered by"
本子
宇宙は厳しく希薄で寂しい。星系を自己の生存のために作り替える宇宙生物を描いた超スケールの表題作を含む珠玉の中編集。生命・生態・知性・機械・自我とは何か。創造力と知見に富んだハードSFでありながら、繊細…かつ的確で、時に詩的な文章表現によって綴られる存在の営み。大幅に加筆されたとは言えこれがデビュー作。今最も読むべき作家。続きを読む
投稿日:2024.09.22
△
「宇宙を描くよりも変な生物を描きたい。それは地球では難しいので必然的に宇宙を舞台にすることになる」という作者の言葉通り、変な生物を期待して世界観に巻き込まれていくのが楽しい作品群。ただ、解説にもある通…り、それだけではなく現代人類に内省を促す内容なのがにくい。『知性とはきっと、何かと?がり合わずにはいられないものなのだ。自分の種族と。他の種族と。自ら生んだ幻想と。あるいは、まだ理解さえできないものと』(オーラリメイカー)続きを読む
投稿日:2024.07.15
ま鴨
・・・これは・・・オラフ・ステープルドン「スターメイカー」???・・・ と思ってしまうぐらいスケール極大な表題作をはじめとして、異星生物を主なテーマとしたハードSFの中編3編を収めた作品集。あのハル…・クレメントをもじったペンネームを冠する作者ならではの、直球王道どストライク、本寸法のハードSFです。 如何にも春暮氏らしいのは、異星生物の生態系や思考回路を冷静に丁寧に描き出すことによって、それに対峙する地球人類(ソラリアン)の問いや課題を引き出す、内省的な作風です。一言でいうと「エモい」です。 ただ、氏の前作「法治の獣」と比較すると、こちらの方がより「エモい」ですね。おそらく、設定上は前作よりもはるか未来の話で、水・炭素で構成される生物により結成される<連合>と人工知能を中心とする文明<知能流>との闘いという大きな物語を背景として、地球人類を含む全ての知性が<連合><知能流>どちらに属するか?そもそもどこから「知性」と定義するのか?という、根源的な問いをその世界観に内在するからでしょう。 ハードSF慣れしていないと、冒頭の表題作のあまりのスケール感についていけなくなるかもしれませんが、そんな時は後ろから順に読んでみてください(どこから読んでも支障ない構成になっています)。最後の作品「滅亡に至る病」が、一番エモいかも。「法治の獣」がイマイチしっくりこなかった方にも、全力でオススメします!続きを読む
投稿日:2024.04.29
kaz-yoneyama
オーラリメイカーはいろいろな視点から話が進むのでちょっとわかりにくい。 一気に読めば良いのだろうけど。
投稿日:2023.11.03
魚雷屋あすりん
ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作の表題作と単行本収録の「虹色の蛇」を大幅に加筆修正したもの。加えての書下ろしの「滅亡に至る病」からなる。表題作は〔完全版〕をうたっている。 いづれも、人類が太陽…系外にその目と手を伸ばしていた未来の物語。作者命名の《系外進出》(インフレーション)シリーズに属する。人類は異星の知的種族と《連合》を作る。人類から独立した人工知能は、《知能流》というネットワークを作りだす。なぜか人工知能は人類から集団で離れていくのだが、他のSFでもこういう設定があったなあ。<ハイペリオン>とか<天冥の標とか>。まあ人類に公然と敵対されても困るが。 解説の林譲治氏は、作品からペンネーム由来のハル・クレメントよりも、スタニスワフ・レムとの共通点を感じるという。確かに物語に「進化」というバックボーンを感じた。続きを読む
投稿日:2023.09.04
馬南神空
デビュー作の増補版。解説によると、発表順とは異なり「法治の獣」より、本書の方が後に執筆されたらしい。なるほどと思ってしまうのは、「法治の獣」はSFの読者には愉しい本だったけれど、所謂ヒューマンインタレ…ストをほとんど欠いた作風は少しばかりガチすぎる感じで、娯楽読み物としてはさすがにキツいように思えたから。本書ではSFとしての強度はそのままに、それを人間ドラマと絡ませる作風に変わっている。好みはあるでしょうが、読み物として完成度は本作の方がずっと高いかなと。続きを読む
投稿日:2023.07.27
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
アダルト(性表現・暴力表現)
ONOFF
グラビア
ボーイズラブジャンル
ティーンズラブジャンル
ONにしたコンテンツはトップや検索結果で表示されません
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。