【感想】千夜千冊エディション 源氏と漱石

松岡正剛 / 角川ソフィア文庫
(2件のレビュー)

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  • yuu1960

    yuu1960

    第1章は源氏物語。
    ・紫式部の家が盛んだった祖父の代、天皇親政の時代がモデルになっている。
    ・光源氏の本名は語られていない。
    ・「うた」と「もの」による物語。「もののけ」から「もののあわれ」につながる部分はよく判らない。
    ・罪と愛がもののあわれ=いろごのみを発動させるという論。
    まあ、広大な屋敷の東西南北に4人の女性を同居させるなんて理解し難いよ。

    第2章。
    「とはずがたり」。前半の華麗な男性遍歴。後半は厳島、土佐、讃岐、鎌倉、浅草まで足を運ぶ歌と仏道の道。確かに源氏物語と女西行という人生。この女性の自分語りを古文で教えたら古典嫌いも減るのでは。
    「連歌」。丸谷才一さんのエッセイにも連歌を巻いていたなあ。正直、理解は覚えつかない。
    「其角」。芭蕉の弟子として名前しか知らなかった。

    第3章。
    漱石「草枕」。若い頃に読んで、判ったような判らないような感想を持った。
    近代の数寄の遁世、韜晦趣味と語られる。
    こうした境地は漢文が齎したものらしい。草枕の中に詩作を葛湯に例えている部分があるという。初めはさらさらにして手応えがないが、粘りが出てきて、仕舞いには葛が先方から箸に付着してくる。
    漱石の漢文の本は読んだが、全然わかっていなかった。草枕を読み直そうかな。
    「幸田露伴」。ヨーロッパを必要としなかった最後の日本人とセイゴオさんは評する。娘の文さんの「おとうと」では、息子を溺愛する無力な父親にしか見えないんだが。露伴も読んでいない。
    島崎藤村「夜明け前」。明治維新の王政復古の宣言を信じ、裏切られた父親を描く。そういう物語であることは知っていた。藤村は姪との不倫をまんま私小説にしたと近年、批判されていたこともあり、手を出す気にならなかったのだが。
    篠田一士曰く、20世紀の10代小説のひとつ。読みかどうかは判らないけれど、覚えておこう。
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    投稿日:2023.04.02

  • myjstyle

    myjstyle

    「千冊千夜」からのアンソロジー。「源氏」は「宿世」と物語構造を融即させており、これがロングストリームとの指摘は同感。また、メタモチーフとして紫のゆかりを述べているのは定説です。正剛さんらしく視野を国外にも広げて欲しい。「公家のあはれ」とロココの時代精神との関連はどうでしょう。「源氏」を東アジア文学史に位置付けて欲しかった。白居易グルーブがムーブメントを起こした詩と散文を一体とする文芸活動は、わが国文芸に刺激を与えています。ここを論じて欲しい。結局、研究者たちの論をコラージュして、本居宣長に着地する。これは自らの思う解釈へと導く編集手法の所産であり、編集工学ですね。続きを読む

    投稿日:2023.03.26

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