【感想】世界のニュースを日本人は何も知らない4 - 前代未聞の事態に揺らぐ価値観 -

谷本真由美 / ワニブックスPLUS新書
(29件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
1
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10
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ブクログレビュー

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  • Rafmon

    Rafmon

    シリーズ4作目だからか、タイトルの通り、「世界のニュース」について触れられるページは記載は少ない。国際結婚した著者が外国で暮らす日本人における、日本の常識との違いについて触れられたエッセイという感じだ。それなりに楽しめるが、やや期待に反する。

    ー イギリスの場合は中国人留学生が博士号やポスドク(研究生)に応募する際、ATAS (Academic Technology Approval Scheme)という仕組みに沿って学生ビザを取得する前にイギリスで学習する専門が、出身国で大量破壊兵器の製造や軍事目的に使用されないという証明を取得する必要があります。ただしこの証明は日本やアメリカ国籍の学生の場合は必要がなく、中国人に関しては必要になります。これはイギリス政府がイギリスの大学の研究成果や知的所有権が中国で軍用に転用されることを恐れたためです。

    ー 有名な仕組みのひとつが「EU golden passport」で、ロシアや中国の富豪が少なくとも三億円を投資することでキプロスの国籍を提供します。キプロスはEU域内の国なので、いったん国籍を手に入れれば域内を自由に行き来できるうえに居住や就労の自由も得られます。ロシアの軍人や政府内部者は国のお金を盗んでキプロスに移動してきたのです。このような仕組みで人口がわずか一二〇万人の小さな島国であるキプロスは潤ってきました。キプロスはもともとギリシャ語を話し、ギリシャ正教を肩じているギリシャ系住人が多かったのですが、オスマン・トルコ帝国に支配された際に、トルコ系の住人がどんどん引っ越してきて住人の三〇%ほどはトルコ系になりました。

    ー ロシアはシリアの実質的な支配者であるが、シリアの国内にはイランの武器供給拠点があり、イスラエルのミサイル防衛システムはシリア上空を飛んでいる。シリアはイランの武器供給拠点をカバーしているので、ロシアの機嫌を損ねるとイスラエルはイランの攻撃にさらされやすくなる。イランの攻撃力を強化する事態になると、イランは隣国のレバノンにも影響及ぼし、これもまたイスラエルにとっては問題である。レバノンもイスラエルにとって点滴だからった。つまりシリアをコントロールしているロシアに対してイスラエルは強く出れない。

    ギリシャ旅行の話で、日本人が抱くギリシャ観光のイメージと異なり最低だったみたいな内容が面白かったが、それが普遍的な話なのか、個人的な体験談なのか区別はつかない。万事がその目線なら、単に私的な感想を綴ったエッセイという印象であり、それなりに、という本だ。
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    投稿日:2024.08.31

  • aozora_SR

    aozora_SR

    日本に住んでいて、受動的に情報を得ていると見えない事が多くあることを、新書などを読むと痛感することが多くあります。
    谷本さんの本シリーズはとても勉強なる一冊だと思います。
    遅れて読んでしまいましたが、今回はロシアやイギリスを始めとするヨーロッパの現状を知ることができたと思います。
    その中で日本の価値はどんなところにあるのか? 何が課題で、障壁で、何を乗り越えるべきなのか? そんな事を考えさせられます。
    印象的なのは日本のエンタメが世界にどれだけ受け入れられ、大きな価値を生んでいることに気が付かされたことですね。
    キャラクターで世界一価値を生み出しているのが、ミッキーではなくドラえもんだという話も聞いたことがあります。
    アメリカやヨーロッパ、アジアにできない価値を大事に育てて日本の将来に繋げたいものですね。
    そのためにはエンタメに関わる人達への評価や報酬の向上が急務だと感じます。

    ジャーナリストの大切さと、力を感じるシリーズです。
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    投稿日:2024.08.25

  • にら

    にら

    「日本人の賃金が上がらず待遇が悪いのは、働く人が改善を要求しないからというだけでなく、構造的な問題」「多重下請けが生産性を下げ、労働環境が悪化」「解決策がわかっているのに無視している日本人」労働者は生かさず殺さず?続きを読む

    投稿日:2024.07.25

  • 名無し

    名無し

    このレビューはネタバレを含みます

    英女王死去やソ連のウクライナ侵入を受けての話
    ロシアはど貧乏、石油で儲けただけ
    お金を稼ぐ、という発想が無い
    ESDGSバッチは国連と日本でしか通用しない
    米国人のフレンドリーは表面的、ニコニコ社交辞令
    日本の高速道のサービスエリアは凄い
    日本のお骨上げは奇祭、骨を拾って骨壺に収める
    男も女もセクシーでないとダメ、底辺層に没落
    家に招くのはマウンティングのため
    手癖の悪いやつも来るので貴重品は鍵のかかる部屋へ
    Wikipediaに書いてある、は証拠にならない
    Twitterは当事者に直接接触できる
    Google以外も使うべし

    スイスは航空券も食費も馬鹿だかい
    ギリシャとマルタは海外旅行の場末

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    投稿日:2024.05.24

  • こひろ

    こひろ

    めいろまとして知られる著者による、主に西欧の実情を紹介する啓蒙書シリーズ4冊目。

    日本以外の国での安倍元首相の高い評価やSDGsがまったく浸透していないなどの指摘は、著者のSNSでの投稿に触れている向きには意外感はないが、日本の一般マスコミが流す情報との乖離は大きい。

    出版社や装丁から受ける印象(先入観?)よりもはるかにきちんと書かれている。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.01

  • kijinekodou

    kijinekodou

    読書会の課題本のため、読んだが世界の見え方が特別、ガラッと変わったわけではないかも。他の方も書かれてましたが観光地の話はとてよ面白かったです。いろんな問題提起がトピックとして出てくるけど深堀りされている印象がなかったのは残念だけど、雑談トピックの引き出しを広げたいと思う人には有効と思います。また、Xやnoteなど発信したほうが向いてないかなぁとも懐います。この手の本は鮮度が生命みたいなとこもあるのでnoteなどで発信、何年かまとまったトコで評論集的に振り返りつつ書籍化もありかと。続きを読む

    投稿日:2023.12.11

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