キアラ・カルミナーティ, 関口英子, 古山拓 / 岩波書店 (7件のレビュー)
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natsuko-non
このレビューはネタバレを含みます
第一次世界大戦のイタリア。オーストリアに出稼ぎに出ていたが、開戦で追い出され、地元の村に帰ったが、戦争の陰は次第に増し、父親と兄たち、そして、主人公イオランダの幼なじみの青年も戦地へ向かう。この二人の淡い恋心が物語の中心を貫いている。 イオランダの母が村にやってきたイタリア兵の言いがかりで憲兵に連れて行かれた後、イオランダと妹のマファンダは母のメモにあった「アデーレおばさん(目が不自由だが頼れる老婆、元助産師)」を頼って行き、そこで母の母が生きていいること、祖母とは、母と父が恋に落ちたことから関係がこじれたことを知る。 途中、何度も戦火に会い、逃げ惑うことになるが、最後は家族が再会していく…。 少し物語が定番的ではあったが、それなりに面白く読めた。読みやすく、子どもにお薦めできる良書ではあると思う。 「戦争というのはね、イオレ、男のひとたちがはじめるものなのに、それによって多くを失うのは、女のひとたちなの」 冒頭、戦争が始まった、という時、まだ何が起こったのか実感のないイオランダに母が言った言葉が、本来のこの物語のテーマだったのかな、と思うのだが(必ずしも、その言葉通りとは言えない気がするけど)、そこに深く踏み込めなかったように感じられて、読みやすく面白かっただけに、少し残念。
投稿日:2024.07.31
NORIS
2022.11.20市立図書館 SNSのTLなどで出版社が紹介していてずっと気になってた本。 物語の舞台は第一次世界大戦が起きた頃の北イタリアの村。須賀敦子の作品でもおなじみのトリエステやウーディネと…いった主要な町の名前の他、スロヴェニア時代に親しんだ地名(当時はオーストリア・ハンガリー帝国領)がたくさんでてくる(これよりさらに30年後の話であるが「石の花」の舞台とも近い)。 小さな村の名もなき家庭にうまれそだった13歳の主人公と妹が、戦争の中で父や兄たち、母と次々とひきはなされ、戦火をくぐっていままで話にも聞いていなかった母方の知人や親類を訪ね、家族のもつれた糸をほぐしながら、自分の進む道を見定めていく4年間。 男手がなくなり女子ども年寄りが支えあい、追い立てられるようにさすらうその日暮らしが貴重な青春の楽しいはずの日々を奪うが、それでも少年少女たちは恋を経験しながら大人になっていくし、新しい命も生まれてくる。ちょうど現在進行形のロシアのウクライナへの侵攻のもとでもこのようなことは繰り返されているのだろうと思いながら読んだ。続きを読む
投稿日:2022.11.20
nico
最初は血気盛んな言葉で、すぐ戦争は終わると考える。 いつだってそうだ。 しかし、現実は違う。一般人も犠牲になり、自国の軍人からも謂れのない罪で投獄され、家や仕事や食べ物を失い、命を失うような思いをする…。 そのような、現実が描かれている。 物語の中での救いは、強い女性たちや困っている人を助けようとする司祭さまや人々。 最後は未来に向かって進む姿で終わって良かった。続きを読む
投稿日:2022.11.01
gym64741
第一次世界大戦時にオーストリア=ハン ガリー帝国とイタリアとの戦闘の舞台と なった北イタリアフリウリ地方。イオラ ンダとマファルダの姉妹は、戦争の進行 に翻弄されながら、力強く生きていく。
投稿日:2022.05.28
ayapon
第一次大戦下のイタリアが舞台。タイトルになっているとおり、作中に13枚のピンぼけ写真のイラストが登場。キャプションはついているものの、その情景はピンぼけなのでなにがなにやら。想像力を働かせながらこれが…こうか、と考える。続きを読む
投稿日:2022.05.18
kuritanu
現代の作家が第一次世界大戦中の庶民を描いたYAというと、モーパーゴを真っ先にイメージするが、これはイタリアの女性作家が少女を主人公に書いた作品。 父と兄が出征し、母が捕らえられてしまった主人公と妹は、…母がかつて世話になった女性を訪ねて、母の人生を初めて知ることになる。 第一次世界大戦中の様子はイメージできるようきちんと描かれており、友軍の誤爆で弾薬庫が爆発し多数の死傷者が出たにもかかわらず公式の発表も報道も一切されなかったり、川に多数の死体がたまって流れなくなったので爆破したりなど、多分当時の人々が残した手記などをを当たったのだろうなと思わせるシーンもある。 物語は時系列なので読みやすく、母と祖母との葛藤がわかってくるところも良い。 しかし、主人公が助産師を目指す心情はもう少しきちんと描いて欲しかった。そこは現代の若い読者にとって重要だと思う。 少女の成長小説のはずだが、それがあまり感じられない。 気になったのは少女がサンドロという少年にむりやりキスをされてるうちに彼のことが好きになってしまうところ。(もちろん実際にははじめから彼のことが好きだったんだろうけど。) 「いやよいやよも好きのうち」っていう言葉があるが、まさにそんな感じで表向きはいやがったり怒ったりしているのだが、本心は喜んでいる感じが、個人的にすごく嫌。 当時の女性はそうだったんだよと言われればそれまでだが、描いているのは現代の作家で読むのは現代の若い人なんだから、もっと主体的な女性を描いて欲しかった。いやと言ってるのに彼のキスを思い出すと頭がぼうっとして、みたいなのが気持ち悪い。これを読んでそういうこと(むりやりキスしてるうちに相手が好きになってくれる)もあるんだと若い人(特に男の子)が勘違いしても困る。 性的同意は大切だし、女の子も積極的に自分の気持ちを行動に移していい。そういう少女を描いて欲しかった。 あと、表紙の絵が正直言って現代の若い人に訴える絵ではなく、(素晴らしい水彩画の画家の作品であることは承知しているが)もう少し何とかならなかったのかと思う。岩波だから仕方ないのか?売る気あるのかな。続きを読む
投稿日:2022.05.03
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