ジョゼフ・コンラッド, 高見浩 / 新潮文庫 (17件のレビュー)
レビューを書く
商品詳細ページへ戻る
総合評価:
"powered by"
すきま
会話らしい会話もなく、ストーリーテリングではなく、1人の体験談として語られる植民地の状況。結局異常正常、常識非常識は絶対的なものがあるわけじゃない。本当に語りかけるような文体だからこそ、怖いし、他人事…のようにも聞こうと思えば聞けるし。いやでもやっぱりこわい。異文化がではなく人間が。続きを読む
投稿日:2025.05.04
グンジョ
桐野夏生さん「インドラネット」の解説で紹介されていた本書。フランシス・フォード・コッポラ監督のハリウッド映画「地獄の黙示録」の原作とも言われている。 著者の実体験がベースになった小説で、植民地支配の…残酷さが生々しく淡々と描かれている。支配者側の「野蛮な現地人を文明化する」というご都合主義的な大義名分を元に、アフリカコンゴの現地人を奴隷化し象牙を略奪していく姿が非情。 映画「地獄の黙示録」では舞台がベトナム戦争に変わり、その辺の毒気は抜かれ、本物のナパーム弾を使った戦闘シーンの派手さが目立つ。続きを読む
投稿日:2024.11.17
いちばやし
大英帝国の繁栄を担う貿易商社員がコンゴの奥地のジャングルで目にしたものは、誰もが目を背けたくなるのような現実だった。19世紀のヨーロッパの植民地主義は、文明的、人間的に劣後した地域をキリスト教的な理想…主義のもとに啓蒙するという高邁な使命によって、貿易利益の独占、資源的搾取を覆い隠すような陳腐なショーであった。クルツというヨーロッパ人を象徴として、人間性の闇、文明人が未開人になり、未開人が文明的になるその皮肉を、陰鬱で明快な表現で書き上げている極めて歴史的価値が高い一冊。ヨーロッパの植民地主義を人文的に一考する上で、欠かせない一冊であろう。続きを読む
投稿日:2024.11.09
白昼夢禁止
訳が平易で読みやすい。 略奪と虐殺の情景描写を中心にした、悲惨な物語なのかと想像してたら、そういう箇所は少しだけで後はずっと心情描写で痺れた。語り手にマーロウを置かなかったら何が何やらってなってたかも…。 前半から何回もクルツの名前が登場するのに、肝心の本人は全然出てこなくて、噂ばかり聞いて実体がない感覚だった。結局出てきたのはかなり最後の方だし、マーロウとはじっくり話をして関係を築いたっぽいけどその詳細もほぼ書かれてないし、クルツって一体なんやったん、、?人間の奥深くにある野望や虚栄心の具現化であり、自己の深くまで潜って自己と対峙できる超越的な生き物であり、みたいな、、? ストーリーも面白かったけど、とにかく比喩と描写力がすごかった。大密林の静かなる不気味さ、得体の知れない気配がありありと伝わってくる。マーロウが声で語っているという設定に無理を感じるほど細密で豊か。オブライエンの『本当の戦争の話をしよう』を思い出した。 続きを読む
投稿日:2024.05.02
wata9
象牙と病気になった出張所長を回収するため、蒸気船の船長になってコンゴの川を遡行。 ドラえもんの大魔境を思い出します。
投稿日:2024.02.18
しとろ
◯書店で購入。岩波版は持っていたが、字が小さくて読みにくかったので、新潮文庫で買い直した。字も大きいし訳も平明で良い。何より新装版は表紙が良い。 ◯「PSYCHO-PASS」の中で登場した作品であるこ…とと、また「攻殻機動隊ARISE」の登場人物がこの作品からあやかられていることが、読んでみようと思った動機の大半。 ◯読了したはいいものの、正直最後まで読んでもよくわからなかった…。他の人達の感想を読むと、「文明を持ち込もうと思ったクルツは、結局はそれを凌駕する密林の混沌の前に敗北し飲み込まれてしまった」という感じになるんだろうか。そうだとすると遠藤周作の「沈黙」にも少し似ているなと感じた。遠藤周作はこの作品からインスパイアを得たのだろうか? 続きを読む
投稿日:2023.10.22
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
アダルト(性表現・暴力表現)
ONOFF
グラビア
ボーイズラブジャンル
ティーンズラブジャンル
ONにしたコンテンツはトップや検索結果で表示されません
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。