【感想】家裁調査官・庵原かのん

乃南アサ / 新潮社
(32件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
3
15
8
1
0

ブクログレビュー

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  • reso100

    reso100

    短編が7本、庵原かのんの行動を丹念に記述した物語だが、犯罪を犯した少年・少女の本音を巧みな話術で引き出す過程で、親を含めた多くの人々と関り、これまでの経験や上司・同僚からの適切な助言等を前向きに取り入れていく姿勢が素晴らしいと感じた.スペイン語、タガログ語、英語、日本語が出てくる「パパスの祈り」が良かった.オートバイで蛇行運転を繰り返す徳永ミゲル.ペルー人の父、フィリピン人の母を持ち複雑な状況が、かのんの助言で暖かい家庭環境が取り戻せた.最後の「おとうと」では玲央とかのんのやり取りに、弟の将来を暖かい目で見守るかのんの心持が上手く表現されていると思った.それぞれの物語に出てくる対象の少年・少女へのかのんの思いやりが、それなりに満足できる結果を導いたと言えよう.続きを読む

    投稿日:2024.03.01

  • kimikokumiken

    kimikokumiken

    7話からなる。色んな家庭があり、その環境も違う。
    家裁調査官なる者もとは、……
    裁判官のような法律を裁く者でもなく、警察官のような取り調べをするわけでもない。
    そして、主人公   庵原かのんが担当する者は……
    家庭裁判所が、少年と位置づけるのは、14~19歳と!
    そして、成人とは違う処罰と記載されていた。
    成人式も 18歳になった現在もこの真まなのだろうか?
    なんて考えながら読みふける。
    親のエゴで、子供が、辛い思いをしてしまうのは、読んでいても辛い。

    2話の「野良犬」のような複雑な家庭環境で、猫の子を見て、生命の尊さを感じる郁人。
    帰る場所の無い子供、途方に暮れるだろうなぁ。
    しかし、前向きな姿勢に、ちょっと安心してる。
    小説だからと思いながら…

    1月17日 阪神淡路大震災の報道をテレビで見ていた。
    被害者の人が、母子家庭で、母と兄の三人の内 母を亡くして、幼い兄弟は、父の元へ!
    しかし、弟は、その後、児童施設に入れられしまう。
    その時、家族の繋がりが、止まってしまったと、テレビで泣いていた。
    弟は、やっと、昨日兄と母が刻まれている神戸で、再開との事。
    そして、開口、これから、家族の繋がりが始まると、……
    本当の話であり、見ていた私も涙してしまった。
    もう、若い人達には、遠い地震の事と、思われているだろうけど、この人は、長い間、家族とも別れ、そして、今までどんなにか、苦しい時間を過ごしていたのだろうか?と、胸が苦しくなった。

    この本でも,色んな方の話を聞いたり:調べたりして、書かれている事に思いをはせて、再び詠み出した。

    外人の親を持っても、言葉は、日本在住で、日本語しかわからない子供もいる事にも、家族の対話が、少なくなるのも当然。
    そんな意思の疎通をなめらかにしてくれるこの主人公に、頼もしさを感じる。
    最後の弟の就職を 理学療法士に決める所も素敵な終わり方であった!
    続きを読む

    投稿日:2024.01.26

  • けいてん

    けいてん

    いろいろな家庭があって、いろいろな親子があって、救いのないこともあるけれど、それでも頑張っているかのんがとても良かったです。

    投稿日:2024.01.03

  • oooba3

    oooba3

    少年係として、罪を犯した少年たちに寄り添い、
    事件を見るのではなく、少年自身の環境を、
    そして、心を解きほぐしていく、
    それが、主人公、庵原かのんの仕事である。

    まず「聴く」こと、というその仕事は、
    実に難しい。

    事件にあい、また起こしてしまった中、
    また、そこに至るまでの動揺、絶望から、
    心を閉ざしてしまうことは多々あるだろう。

    そこから、辛抱強く相対し、
    本当のことを引き出していく作業は、
    並大抵なことではない。

    ましてや、相手が少年である場合。

    かのんの真摯な態度、そして、何といっても、
    相手を見放さない辛抱強さが、
    心をとらえて離さない。

    どの事案も、解決までには至らない。
    結末は、読者に委ねられる。

    だが、きっと、関わった人々の行先は、
    きっと明るいはずだと、願わずにはいられない、
    そんな、しまい方だ。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.01

  • ハルめめ

    ハルめめ

    事件を犯した少年たち。彼らの心の声を聴く家裁調査官、かのん。劣悪な環境や生い立ちが、犯罪を犯して良い免罪符には決してならないけれど、彼たちが身を置く境遇はやはり辛い。子供たちに寄り添う調査官の真摯さが伝わってくる。続きを読む

    投稿日:2023.11.16

  • 水仙

    水仙

    物語の合間に登場するスイーツや恋人との会話にホッコリしながらも、考えさせられた。救われる出会いが少年少女達に有りますように。

    投稿日:2023.10.13

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