アンソニー・ホロヴィッツ, 山田蘭 / 創元推理文庫 (133件のレビュー)
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総合評価:
ABAKAHEMP
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存在感の薄い語り手によるメタ小説
全然ダメ。 『このミス』で5連覇を逃したことは知っていたし、シリーズの中で出来は落ちるんだろうなとは思っていたが、まさかこれほどとは。 むしろ2位なんて激甘で、圏外が妥当なところ。 これまで…の売りだった、著者自身が語り手となって物語に登場するメタ小説の体裁は、読者に小説の中の小説を読んでいるような不思議な感覚を与え効果的だったのだが、今回は見事に不発に終わっている。 これまではワトソン役のホロヴィッツが、無謀にも単独で事に当たり死線を彷徨うという、語り手の消失を臭わすハラハラ展開があったのだが、それもない。 とにかく今回のワトソンはとことん影が薄い。 出会う関係者のほとんどからまともに相手にされないばかりか、全ての費用は自分持ち。 ホームズ役であるホーソーンからは、付いて来ていいが余計なこと喋るなとお口にチャック令が出てる。 これまでなら凧のひもが切れたみたいにプイといなくなっていたホーソーンも狭い島内のため、常に傍らにいるため、一人で知らず知らず危険な行動も起こしようがないときている。 よくわからないのが、メタ小説における時系列の問題。 第3作目の本書の段階では、第1作がようやく上梓したかしないかの段階。 このシリーズが1話完結で、次に謎を残さないのなら問題ないのだが、ホーソーンの過去を少しずつ小出ししていくという展開になると途端に不都合が生じる。 これから書き上げる第2作では、この体裁のままでいくなら、今回明らかになったホーソーンの過去の秘密を知った上で、読者に提供することになるが、辻褄あうのか? さらにおかしいのは、ホーソーンがマイーサからの聞き取りに失敗する時のホロヴィッツの描写。 「ホーソーンへの協力を拒む関係者なんて初めてだ。小説だったら探偵にしゃべらない関係者なんていないのに」なんて書いているのだが、違和感を感じてしまう。 最大の難点は、今回の一番の謎の答え。 椅子に手足を縛られ発見された死体がなぜか右手だけ自由になっていたという例の謎。 ホーソーンの口から語られた真相は、「え!?」っていうより「はぁ??」って感じ。続きを読む
投稿日:2023.02.07
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中田小兵二
ホーソーンシリーズ3作目。 今回は事件が起こるまでが比較的長かった。舞台もロンドンではなく、前2作と趣向が少し違っていた。
投稿日:2025.06.21
ヨーグルト
このレビューはネタバレを含みます
島で開催される文芸フェスという舞台と導入が良かった。 面白かったけど、一番大きな謎とされていた右手が拘束されていなかった理由がトリックなどに関係していたわけではなかったことが少し残念に思ってしまった。 アンソニーは相変わらず良いキャラで楽しかった。
投稿日:2025.03.24
白いヤギと黒いヤギ
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第三巻。 最初の事件を扱った「メインテーマは殺人」の出版を目前にした二人。プロモーションのためにブックフェスへ参加することになる。場所はチャンネル諸島(イギリス海峡に…あるが、位置的には限りなくフランスに近い。シェルブールの近く)のオルダニー島。小さな島は、海底ケーブル事業を巡る賛否で対立が起きていた。そしてブックフェスのスポンサーが死体で発見されて…。 昔からよくある"隔絶された孤島で起きた殺人事件を、偶然居合わせた探偵が推理する"というパターンを堂々とやっている。しかし、前巻までの流れでブックフェスに参加しているのだから"こじつけ感"がない。上手い。しかも、人間嫌いで人前で話すのは好きそうにないホーソーンがこのブックフェス参加を了承するのにはちゃんと理由があって、それがこのホーソーンという人物の過去の因縁に深く関わっている。益々面白くなってきた。更に続けて読もう。続きを読む
投稿日:2025.02.22
大雲
シリーズ3作目。 すっごく面白かった! 文芸フェスで起こる、孤島ミステリものというだけでわくわくする。飛行機に乗って、風光明媚な場所で、あちこちで文芸フェスのイベントがある。 後半はパズルのように、登…場人物たちの見えなかった人間性がパタパタと裏返っていく。 ちょっとした日常的なことが、穏やかながらぞくっとした真実に繋がるのもお見事!続きを読む
投稿日:2025.01.11
ゆーだい
ホーソーンの過去に繋がりつつある気配があって、シリーズの続きがますます気になってきた。細かい描写にちゃんと意味があって、真相を読み切れないのが憎い。
投稿日:2025.01.03
take9296
『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニ…ー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。 未読のままだったので、シリーズ3作目から読んでみた。巧みな伏線が解消されていくのを味わえるのは、快感である。続きを読む
投稿日:2024.12.30
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