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井上靖 / 新潮文庫 (101件のレビュー)
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総合評価:
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毎日読書
武田信玄に関する本を探していてこの本に。信玄の側近を中心とした物語。信玄自身には間接的にしか触れられていないけど、小説としては読みやすかった。
投稿日:2023.04.29
いちやなぎ
【シブかっこいい隻眼の軍師】 山本勘助。 風采の上がらぬ見た目。 序盤から登場するも怪しさ満点。 むしろ怪しさしかない。 それがまさかこの人目線で進んでいくとは。 だけど読み進めていくうちに 意外な…ことに愛着が湧いてくる不思議。 忠誠を誓った人にひたすらに愛を注いでいく人物像。 感覚的で、説明のつかない愛情にどこか惹かれるものがあった。 気になる武将に関わる小説を読み始めたけど 次は趣向を変えて応仁の乱あたりから攻めてみようかな〜続きを読む
投稿日:2023.02.14
1692747番目の読書家
軍師の視点で武田信玄を描いているのは新鮮。ただ、愛とか憧れとかの感情に重きを置いた作品なので、群雄割拠な様相を求めている私には合わなかった。
投稿日:2022.07.31
あけちゃん
戦国の名武将の影に天才軍師の存在あり。大河を見ていなかったので存在は知ってはいたが読むのは初めて。 その策略センスは、やはり持って生まれたものなのでしょうと言う事が、信玄の信頼を寄せる様子からよくわか…る。各登場人物の感情表現巧みでそれぞれの個性が良く表れていた。由布姫の感情の激しさやそこに惹かれる勘助の心情と言った場面はこの物語の面白さの一つでしょう。 勘助の最期のシーンは、臨場感あり、映像的で迫力ある印象的なものでした。続きを読む
投稿日:2022.06.19
ハイジ
武田信玄の天才軍師、山本勘助が主人公 勘助が信玄に仕える場面〜川中島の合戦の途中(途中な理由は読めばわかります)までの歴史物語 勘助の成りは異形が理由で今川義元に召し抱えようとされなかったほど… 色…黒で背が低く眼はすがめでちんば、指も1本ない 知恵だけが彼の人生を支えた 永く浪人だったがその知恵を活かし、武田晴信(信玄)の仕官となる 晴信はそんな異形の勘助を気に入る 常に孤独で人から疎まれてきた勘助 勘助自身も人を人とも思わない非人情な男だった しかし自分を召し抱えてくれた晴信だけはこの世で唯一好感を持った いつしか晴信のためなれ命も惜しくないと思うように… 晴信もまた、勘助に信頼を寄せ、周りからどれだけ非難されようとも彼の能力をかっていた 勘助の印象が読み進めるうちにどんどん変わっていく 皆に嫌われ、人と関わらないよう暮らしながらも、生きるためなら人を踏み台にしても平気だったまるで害虫のように生きていた勘助が、いつの間にか策士、軍師となり、晴信に信頼されなくてはならない人物に そして晴信と由布姫を愛しみ、二人の子である勝頼の初陣を夢見る人物へと静かに変貌を遂げる 途中から勘助ジジイがめちゃくちゃ格好いいキレ者になるのだ!光る!眩しいっ! その反面、滑稽な人間臭さも溢れ出す 由布姫の気高さに圧倒され、すぐ言いなりになっちゃうし、由布姫のために斬ろうとした於琴姫の立派な態度と人柄にほだされて、お守りします!なーんて言っちゃうし… 晴信の出来心のせいで振り回されてるのに晴信を憎めないし… あんなに人嫌いだったのが嘘のように皆んなを愛してしまって右往左往してしまう勘助ジジイが何だか可愛らしい 井上靖の手にかかると各人物に磨きがかかるのか非常にそれぞれが魅力的である 晴信(信玄)も想像以上に柔らかくキレものながらに温かい人物像であった 由布姫は最高にいい女だ 己の運命を受け止めつつも最後まで気高く自分を曲げない そしてもちろん軍記物らしさも満載である 戦略や合戦は読んでいて鳥肌が立ってしまう 合戦場面も簡潔にし過ぎると迫力に欠ける、そして深追いし過ぎると読み手に緊張感がなくなる 本書は大小様々の合戦描写があるが、この匙加減も見事であった そう一言で陳腐に言うと単に面白いのです! やっぱり井上靖って凄いなぁ 押し付けがましくなく、変な小細工なく、自然体で引き算がうまい 何より最高に居心地が良い 静かな興奮がたまらない! まだ「天平の甍」しか読んでいないが、こちらを読んだ時に間違いなく好きなタイプの作家だと大喜びしたものだ 2冊目読んだときに印象が変わったら…と不安だったが、まったく良い意味で期待外れ 好みの作家に出会えた人生の喜びを噛み締めております まだまだたくさん読む作品があるので楽しみである続きを読む
投稿日:2022.06.04
スナッチ
このレビューはネタバレを含みます
武田信玄の軍師だったと言われる山本勘助が、武田家に仕えて川中島の合戦において討死するまでがまとめられた作品です。 信玄、諏訪の姫、勝頼にほとんど恋をして、彼らのために生き続けた勘助。老人ながら奮闘したのに、上杉謙信を倒すまで生きてられなかったのが悔やまれますね。 最期を悟った勘助が上杉勢との戦いに臨む前から描写にただならぬ緊張感がありました。啄木鳥戦法を見破られ負い目を感じるも、死に際に高坂や馬場が駆けつけてくる希望で終わる感じがよかったです。
投稿日:2021.08.21
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