【感想】最後の講義 完全版 福岡伸一

福岡伸一 / 主婦の友社
(23件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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ブクログレビュー

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  • okkkiy555

    okkkiy555

    既に『動的平衡』を読んでおり、かつNHKで放送された同タイトルを視聴済みであるので、福岡先生の提唱されている内容の復習、として読んだ。NHKの放送でお話しされたことが実に鮮やかで、印象に残るものばかりだったので文字として読めて嬉しい限りだ。
    『生命とは動的平衡な流れである』。機械的に組織の中の部品のように見るべきではなく、生命とは絶妙なバランスの上で成り立っている。一見哲学のような表現であるが、解説を聞くといかに生命というのは奥深いものだと感嘆させられる。
    フェルメールのエピソードはNHKの番組にはなかったように思う。講義を聞いた人たちの質疑応答の鋭さ、また的確に回答する福岡先生。最後まで、なるほどと思うことばかりだった。
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    投稿日:2023.12.11

  • ぷー

    ぷー

    福岡伸一先生の本は何冊か読んだが、その中でもこの本には、先生が今までの人生で見出した生物学等の学問に対する考え、芸術や生命そのものに対する哲学が凝縮されていて、とても心に残った。
    「生命とは機械ではなく、動的平衡なもの」
    何回も目にしたワードだけど、やはりハッとする。
    ベルクソンの弧のパートの考え方もとても面白い。

    第3章に関して医療に携わる立場としては、脳死による移植など機械論的な考えに基づく医療行為が資本主義的なものであるというくだりはそのまま受け入れることは難しかったが、「本来草食動物である乳牛を人工的に肉食動物にした」という言葉はとても印象的。地球全体の動的平衡を崩すことの弊害を考えさせられた。

    また、少年時代の福岡先生のレーウェンフック、フェルメールとの出会い、研究で壁にぶつかった時にシェーンハイマーの言葉によって動的平衡のコンセプトを得たことなど、先生の歩んできた学問の道の中にターニングポイントとなる先人達の存在があったというのがとても興味深かった。
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    投稿日:2023.09.04

  • chariots0

    chariots0

    最近気になっていた「最後の講義」シリーズ。
    手始めに「生物と無生物のあいだ」で有名な福岡伸一さんの本を読んでみた。
    この本のポイントは一つ、それは『動的平衡』
    常に流れるように動きながらも平衡、バランスを保ちながら生命は存在しているという考え方。人間の体は個体ではなく流体である…というと想像しにくいですが、細胞をジグソーパズルに例えた時に、その中の1ピースが分解→再生というプロセスが絶え間なく体内で繰り返され、いつの間にか今とは全く違った細胞で体が形作られている…みたいなイメージです。
    動的平衡の考え方で物事を見たり考えたりすることは、非常に重要なことではないかと感じた。単なる生物学における考え方の一つではなく、生き方の一つとして捉えることで、更にこの本から得られるものは大きいのではないかと感じた。
    …とはいえ、あまり頭の良い私ではないので、ぜひこの元ネタである映像でこの内容を改めて学んでみたい。
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    投稿日:2023.04.23

  • ありが亭めんべい

    ありが亭めんべい

    WBC準決勝の凄い感動のあとで読んだけど、更に上回る感動を覚える素晴らしい作品でしたので推してくださったブクログのお仲間に感謝します!
    福岡伸一さんはテレビで観たことはあったけど、どんな方なのか知らなかったので初めて人と成りを知り、且つこの本でワクワクドキドキハラハラ感をいっぱい頂くことが出来ました♪
    私たちの身体は絶え間なく流れている流体である と言うことに非常に納得しました。
    福岡さん言うところの「動的な平衡」を覚えておきます。
    タイトルの「どうして生命にそんなに価値があるのか」が手に取るように分かった気がするし、福岡さんの視点にも凄く同感する点がたくさんありました!
    あなたは人生最後の日に何を語りますか?と言う企画をしたNHKも素敵でしたし未放送部分まで載せて書籍化した主婦の友さんにも拍手を送ります笑
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    投稿日:2023.03.21

  • SHIORI

    SHIORI

    是非読んでほしい1冊です!
    NHKの最後の講義という番組を書籍化したものです。

    「どうして生命にそんなに価値があるのか」

    福岡伸一先生のファンになったきっかけの1冊です!

    なぜ人はご飯を食べ続けるのか
    なぜ老けるのか
    なぜ生命には終わりがあるのか

    とても分かりやすく書いてあります。
    少々専門用語などが出てくるので難しい部分もありますが。
    大学でもここまで丁寧にくだいた説明は聞けないです!
    全174ページなので読みやすく学生さんにもオススメです。

    学生時代にこの本に出会えていたら絶対に読書感想文を書きたい。。

    理系出身なので読んでいて懐かしい気持ちになりました。
    やはり生物学は奥が深く面白いです。

    そして福岡伸一先生は芸術も嗜む方なんです。
    「美の起源は、生命に必要なものを美しいと感じるところにあるのでは」というセリフがとても好きでした。
    例として、なぜ青を美しいと感じるのか。
    それは青が紫外線の色に近く生物が光合成をしようと光を求めるので未だに人間は青を美しいと感じるのだろうとの事。
    なるほど、納得です。
    でもそうすると1つ疑問点が、
    美しいと感じるのであれば食欲にも繋がるのでは?
    でも青いものを食べるのは人間嫌がりますよね、謎です。。
    調べれば答えは分かるのでしょうが。。

    まぁ、こんなカラクリ知らなくても生きていけるんですけどね。
    でも自分が生命として存在している理由が分かります。

    余談ですが、大学講師ビジネスあるあるで、
    自分が書いた本を教科書に指定して買わせられます。
    ホントにしょーもない本が多いですが、
    この本なら何冊でも買いますよ!と声を大にしたいです(笑)
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    投稿日:2023.03.04

  • koringo

    koringo

    『動的平衡』という概念に目から鱗。
    1年前の私と今日の私は個々の細胞レベルでは全く別人と考えても良いという。
    『動的平衡』は必ずしも一つの生命の中で起こっているだけではなく、地球全体の生態系の中でも成り立っているという。
    地球全体も一個の生命体と捉えたら、世界の見方が変わるかもしれない。
    『動的平衡』を社会や文化に当てはめて考えられることにも納得。
    質疑応答にも的確に解りやすく回答されているところに福岡伸一さんの奥深さを感じた。
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    投稿日:2023.01.24

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