【感想】不滅の子どもたち

クロエ・ベンジャミン, 鈴木潤 / 集英社文芸単行本
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
4
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3
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ブクログレビュー

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  • 黒紅

    黒紅

    自分の死ぬ日を告げられた4人の姉弟のお話。
    サイモンはダンサー、クララはマジシャン、ダニエルは医者、ヴァーヤは科学者。
    章ごとに彼らの人生の数年が語られる。
    人生を楽しんでパッと消えるのがいいのか、全ての楽しみを捨ててそれでも長生きした方がいいのか。
    最後に残ったヴァーヤが昔揃っていた家族の事を思い出すところがめっちゃ泣けました。
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    投稿日:2022.06.29

  • 羊さん

    羊さん

    1969年アメリカ、4人の兄弟姉妹はその人の亡くなる日にちがわかるという女占い師を探し出し、会いに行った。それぞれに告げられた自分の運命。その後の家族を描きながら、4人とその周囲の人々のそれからを描く
    最初は占い師が告げた亡くなる日は、占い師に会いに行こうと言い出した長女以外は読者には明かされない。一人ひとりのその後が描かれていくうちに明かされていく。そして、最後に家族とは何なのだろう、親子とは何なのだろうと、深く考えさせられる。
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    投稿日:2022.05.03

  • saigehan

    saigehan

    これは(自分の中で)半年に一辺位に良かった。ある兄弟がそれぞれ章を担当し、死んでしまう。実は皆が小さい頃にロマの占いに行き、不吉な予言をされてしまう。でもあれかな、実際の所、死というものは、必要以上思った以上に美化されてしまうね。しょうがないね、残された人々は残りの人生遂行しなきゃならないし、区切りを付ける、それがどうしても美化になってしまうのだね。ここ近年、AI社会に移行する世の中に対する、生きてる人間の反乱的な思いが濃厚になってきているように感じるのだが。人は繋がって生きてて、誰かの存在が生きる糧に。続きを読む

    投稿日:2021.10.20

  • NORIS

    NORIS

    2021.10.3市立図書館
    TLか、フリーペーパーか、それとも書評か…なんで気になったのかが思い出せないけれど、予約を入れていた本が手元に来た。

    1969年のアメリカ、あるユダヤ系の4人兄弟が死ぬ日を占ってくれる人物の噂を聞きつけて4人で訪ねていくところから物語が始まる。一人ずつ呼び込まれて伝えられたその日付を信じるか、一笑に付すか、4人それぞれの人生をリレーのように描いたファミリー・サーガ。
    もし幼い頃に自分の死ぬ日を知ることが出来たら、果たしてその後の生き方は変わるのだろうか。予言を真実に変えるのは運命なのか、選択なのか? 予言が選択を導くのか、選択が予言を真実にするのか?
    4人は予言にとらわれまいと思いつつ、多かれ少なかれ意識し、とらわれ突き動かされずにはいられない。言霊…寿ぎとも呪いともまじないともなりうる言葉の力の侮りがたさを改めて実感する。正解を知りたい、知って安心していたいと願ってしまうけれど、先が不確実で未来を知らないからこそ、能天気に生きられ、無邪気にあるいは大胆に選べることも多いのかもしれない。たとえば、遺伝子から病気になる可能性を診断したり、病気の予後を予測したり、あるいは実験データに基づいてより安心できる選択をするというのも、諸刃の剣なのだろう。
    きょうだいはまた、先に死んでいったものとの交流を思い返し、後悔したり、自分にもっとできたことがあったのではないかと自責の念にとらわれる。生き残った罪悪感、欠落・秘密を抱えて生き延びる孤独。家族・きょうだいという単位もある意味抗いがたい軛・絆だと思い知らされる。知らず知らずしばられるといえば、民族や宗教ももちろんだけど…
    そしてまた、誠実に生きたいと願う繊細な個人は世相・情勢の中ではあまりに小さく無力であることをひしひしと感じた。それぞれのたどる人生は、ゲイのダンサー、マジシャン、軍医、科学者、と特殊でドラマチックなのだが、時代の中で翻弄される細かい心情の機微にはわがことのような感覚があった。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.03

  • nobwow

    nobwow

    死を意識しながらどう生きていくのか。近代アメリカの通ってきた事件や社会問題が、それぞれの兄弟の選ぶ生き方に見事に織り込まれていて素晴らしかった。

    投稿日:2021.09.27

  • scent

    scent

    このレビューはネタバレを含みます

    幼い時に 自分の死ぬ日を 告げられたら・・・
    この帯が 気になって 読みました。

    しかし 分厚い。
    なかなか 進みませんでしたが
    四兄弟の おちびちゃんから 話しが始まりました。
    各章で まとまって いたので 読みやすかったです。

    最初に 自分の寿命が短いと知っていたら
    人は どう動くだろう。
    恐れて その予言に逆らおうとするか?
    あるいは 思いっきり それまでの人生を悔いなく生きようとするか?

    人によって違うと思うけど
    長女以外の兄弟は皆先に亡くなり
    長女は命というものに とらわれてしまった。

    こういう風に 自分だけ寿命が長く言われて
    残されたら 辛いでしょうね。

    改めて 毎日大切に生きようって 思える本でした。

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    投稿日:2021.09.27

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