【感想】往生の物語――死の万華鏡『平家物語』

林望 / 集英社新書
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ゆん

    ゆん

    平家物語の登場人物の「最期」のシーンをピックアップし、時には謡曲や後世の解釈に物申しながら、各人物の死に様を見ていく本。
    タイトルの『往生の物語 死の万華鏡『平家物語』』とは上手く言ったものだなあと思いました。

    開口に述べられているように、私も平家物語を読んでいた時に、これはなんと死の物語(筆者でいう「タナトスの文学」であり、だからこその生き様を照射している)だろうと思いました。華々しく簡単に死ぬなんていうことはできないわけで、その死ぬ時の苦悩や煩悶がリアルさがあって心をうつわけです。

    また作者は現代語読んだあとに原文も読んで欲しいなあと言っているのだけど、忠度の章で、「見事な文辞の華を味わい尽くしていただきたい。すべてはそのあとだ。」なんて言っているところで爆笑した笑
    なお、能の「俊成忠度」、「忠度」に関しては凡作と言い切っており、強火忠度推しな筆者の姿を垣間見てニヤニヤしてしまいました。私も忠度推しですから笑笑
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    投稿日:2022.04.17

  • ビタースイート

    ビタースイート

    『平家物語』は平家滅亡の物語であり、平家一門の「死に様」の物語ともいえる。清盛の地獄の死、宗盛の愚かしくも人間的な死、知盛の剛毅で潔い死、建礼門院のありがたい死…。著者は、この『平家物語』を空前絶後の「死(タナトス)」の大文学としてとらえ、その主要な登場人物11人の様々な最期から逆照した彼らの生きかたを「死への道筋」と見ることで、新しい面白さを発見していく。避け得ない「死」と向き合うための心の工夫のヒントを与えてくれる。 続きを読む

    投稿日:2007.09.24

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