【感想】シチュエーションズ 「以後」をめぐって

佐々木敦 / 文春e-book
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 宇出津

    宇出津

    「生き残った者、死ななかった者の罪の意識、後ろめたさ」についての考えは自分が当事者でない事象への向き合い方の参考になる。

    福島第一原発の事故については、原発を地方に押し付けてきた加害、そしてそこで作られた電気によって生活をしながら現地の危険を省みてこなかった加害。そういったシステムを支持してきた加害。事故以前から自覚的だった人がどれほどいるだろうか。私たちは無意識のうちに加害者になっている。

    原爆死没者慰霊碑の碑文に「過ちは繰返しませぬから」とある。過ちを犯した主体という意識がなければこの言葉は出て来ないだろう。
    自身の加害に無知であること、自身の加担に無関心であること、それらの代償を払うのは必ずしも自身ではないということ。だからこそ過ちは繰り返しませぬからと継続的に誓い、行動で示さなくてはいけないのだろうと思う。
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    投稿日:2020.09.04

  • miaoo

    miaoo

    凄く良かった。東日本大震災という未曾有の事態にそれぞれに衝撃を受け、以後、それぞれの立場や距離から何かを成そうとしてきた表現者たち。その数多ある表現の中から特に、必ずしも「以後」に自覚的ではない作品の中に、「以後」の徴を見出そうとした批評集。挙げられている小説や演劇のほとんどが未読・未見だが、作品やインタビュー等から「以後」の徴を読み取ろうとする著者の想像力の真摯さ、深さ、優しさのようなものに感動した。そして私も私なりに相応の衝撃を受けたのに、三年半が経ち、以前とほぼ同じように日々を送っていることに驚く。続きを読む

    投稿日:2014.11.20

  • 文藝春秋公式

    文藝春秋公式

    【芸術家たちは大震災にどう向き合ったか】大震災を、映画監督、写真家、演劇人、小説家はどう受け止めたか。未曾有の惨事に芸術は有効か。表現活動の最前線に相対する批評。

    投稿日:2014.09.09

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