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緒莉, 上原た壱 / オパール文庫 (2件のレビュー)
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永杜
駆け落ちを約束した、初恋の人と再会した。 始まりからして、一体何を約束したか、な展開でしたが この年で駆け落ち…。 そして何故ばれたのか。 それもまた最後の方で分かってくるわけですが 皆自分に利己的…に生きているな、と。 この主人公の家に関しては、親からして 計画性がないわけですが。 最後は幸せ展開になっているので問題ないですが 今さら兄に告白されても…な状態。 告白って、やった人間だけは 確実にすっきりしてます。続きを読む
投稿日:2024.03.19
いこ
このレビューはネタバレを含みます
駆け落ちというのは結婚の約束でもしてと思っていたら、10代の頃の現状からの脱出という意味での駆け落ちだったか。 二人とも生活環境は違っていたけれど、自分を押し殺していたところはあまりにも似すぎていた。 そして、互いが素の自分を見せることができていたところも。 理解し合える同士として惹かれ合うのは自然なことで、10代らしく暴走するのも自然なこと。 そして、こういう時に何処までも突っ走ってしまうのが男の子で、現実が見えてしまうのが女の子。 これもまた、自然の摂理なのかもしれない。 互いに互いの初恋を引きずって10年。 大人にはなったけれど、内面はまだあの頃の10代のまま。 本当は互いに取り繕う必要のない仲だったのに、大人になったせいか、10年前の件を引きずっているせいか、逆にお互いが見えなくなっているのが辛かった。 彼女は彼女で負い目があるし。 彼は彼で今の立場のこともあるし、10年前のように想いだけで突っ走れる状態ではなくなってしまった。 お互いこれが最後だから、最後だからと言い聞かせるものの、そして別れるものの、結ばれるべき相手とはどうあがいても縁は繋がってしまうもの。 何だかんだと鉢合わせすることに。 途中までは本当にただ鉢合わせ。 ただ最後は彼女から彼にコンタクトを取った。 二人を繋いでくれた祖父が危なくなったから。 二人と、そして祖父の共通の思い出であるある映画を通じての場面は本当に泣けた。 そして、そこから再生の物語が始まる。 彼女が何故あの時の駆け落ちできなかったのか。 真実が見えた今、大人になった今、もう二人の素直な思いを妨げるものはなかった。 回り道したからこそやっと手を取り合えた二人。 きっと今度は間違えない。 きっと、きっと。 「恋をしたのは一度だけ」というのが、また堪らないなと、読み終えてから表紙を見返してしみじみと思った。 10代の時から本物の恋だった。 だからまた巡り会えたし、やり直せたのだろう。 そんな恋をできた二人を羨ましく思う。 周りの人間はあまりいいやつらじゃなかったけど……(祖父はいい人だが、ダメ人間多い……)
投稿日:2020.11.08
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