【感想】表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

若林正恭 / 文春文庫
(475件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
203
187
55
1
0

ブクログレビュー

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  • Rain3038

    Rain3038

    ラジオでは聞いてたから、おさらいぐらいの軽い気持ちで読んだけど、陽気なバケーションエッセイでは全然なかった。
    その時の若林さんのリアルな葛藤や悩みが旅の過程で徐々に発酵されてくような様子が面白かった。

    キューバくらい遠く離れて、日常と全然違う空間に身を浸さないと見えないものや分からないものってたくさんあるのかもしれない。

    資本主義と社会主義のことも普段意識しないから、へー、なるほどそっか、だよねーって思いながらサクサク読めたし、
    聞き慣れた声で脳内再生してた。
    今の日本の言語化出来ない生きづらさを若林さんの視点から垣間見させてもらった感じがした。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.08

  • どあら

    どあら

    このレビューはネタバレを含みます

    『社会人大学人見知り学部 卒業見込』に続いて読了。この本を読んで1番思ったのは、若林さんは本当に素敵な言葉を紡ぐ人だな、ということ。最近周りと自分をすぐに比べ、自分を否定して勝手に落ち込むことが多く、新自由主義の競争の原理のもとで同じような傷を抱えている若林さんの言葉が心に染み入った。この本の中で最も印象に残っているワードは、『血の通った関係』。競争相手ではない人間関係。これから大事にしたい言葉、築き上げていきたい関係だなぁ。
    あとがきの部分も、共感できる部分が多くとても良かった。日本は他の国と違って世間を信仰していること、生き辛さの話、
    『空気を読めばいいのか、個性が大事なのか、どっちなんだよ。』
    『3カ国に行って感じた、サル山と資本主義の格差と分断から自由になれる隠しコマンド。俺にとってそれは”血の通った関係と没頭”だった。』
    私も何かを感じることができ、こんな素敵な言葉を紡げる人になりたいと強く思った。

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    投稿日:2024.03.26

  • 琳

    経済的な利益を超えた承認の場としての家庭、なるほどなあ。私はずっと日常的に、家族や友達から承認されてきたのだなあ。

    「自分の普段の感情(正のものも負のものも)は、ゼロから自分自身の中に湧き出たものではなく、資本主義や新自由主義のあり方に左右されているだけなのかもしれない」という考えを、漫才や本を通して若い世代に持ち込んだのが功績だと思う。続きを読む

    投稿日:2024.03.15

  • めいじん

    めいじん

    絶対全部行く!コロナぶりの海外一人旅帰ってきてお腹壊してるおうちで読んだら読み切るまでページ止まんなかった。軍鶏って賢いんだなぁ。ほんと?

    投稿日:2024.03.12

  • Limei

    Limei

    オードリーの若林さんの紀行エッセイ。
    キューバ、モンゴル、アイスランド。
    旅の体験と共に、若林さんの思いも深く書かれていて、とても心に響きました。
    紀行エッセイには書いた人それぞれの視点が如実に表れるのでおもしろくて大好きです。

    芸人として売れっ子で、大好きなアメフトの番組でスーパーボウルの現地取材もしたりと私から見たらキラキラしている若林さんの、そうではない心の部分もいいなと思いました。
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    投稿日:2024.03.07

  • きょつ(book)

    きょつ(book)

    幼少期からのこじらせが
    ついに彼を異国の地まで向かわせた。

    資本主義のこの日本で格差社会や競争社会に対して
    常に息苦しさを感じていた、オードリー若林正恭。
    社会主義の中でとりわけ陽気な国民性だと言われる
    キューバへと五日間の夏休みを使い一人旅立った。

    正直キューバの歴史や社会主義云々は難しくて、
    自分が旅行に全く興味がないというのもあって、
    入り込むまでにはかなりの時間を要した、が、
    彼の現地の人々とのやりとりや独特な視点は、
    とても興味深く面白かったし、羨ましかった。

    彼は人との交流や出会いや縁に必要以上に執着せず
    常に身軽でフラットだと思うので、そこが魅力だし
    こんな旅が出来るのかもしれないと思い、憧れた。

    常に心の中で自分との対話をしている彼だが、
    旅路の最後は亡くなった父親との会話に至った。
    最後は亡き父との思い出や出来事を語っていて、
    火葬場で火葬炉によって料金ランクが違うこと、
    「こんなところまで経済は入り込んでくるのか」
    そんな事実にも資本主義の嫌気が差す、という、
    本の大筋に沿っているのはこの一節くらいで、
    あとはただ父親を失った喪失感を綴っている

    個人的には、ここにお父さんのことを繋ぐのは、
    やや強引では?別件では?と思ってしまったが、
    それは私の個人的な経験体験によるものであり、
    もちろん著者自身が綴る想いなのだから自由だ。
    ただただ純粋に父親への愛に溢れているんだな、
    と羨ましくも複雑な心境になっただけのことだ。

    単行本のみ加筆された、モンゴル、アイスランド、
    あとがきのコロナ後の東京、DJ松永の解説、
    どれもとても読み応えがあって面白かった
    特にアイスランドは純粋に憧れてしまった

    この日本の資本主義社会で生きていくことは、
    誰もが生まれながらに課せられた使命なので、
    その生き辛さを突き止め解明していくことは、
    逆に自分自身を追い詰め苦悩するだけではないか。
    見て見ぬ振りしてなんとかやり過ごせないものか。
    迎合してるフリをして、息を詰まらせ息を殺して、
    なんとか、なんとか…
    でも本当に疲れ切った時に、この本を手にしたら、少し救われた気になるのかもしれない、と思った。
    -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎--------
    葉巻を咥えた若ちゃん、非常にクールだぜ
    -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎--------
    続きを読む

    投稿日:2024.03.07

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